JP6352477B2 - フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置及び電圧バランス制御方法 - Google Patents

フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置及び電圧バランス制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電圧バランス制御装置及び電圧バランス制御方法に係る。特に、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置及び電圧バランス制御方法に関する。
近年、マルチレベルコンバータはスイッチ素子の電圧ストレスを明らかに低減することができるため、高電圧及び大電力分野への開発及び応用が急速に進んでいる。また、フィルタリングインダクタが高周波且つ低電圧で動作しているときに、マルチレベルコンバータのメリットが明らかになる。その結果、フィルタリングインダクタの体積が減少し、電力損失が低減される。さらに、マルチレベルコンバータの電圧変化率(dv/dt)は非常に低く、同相電圧の変動も小さい。
マルチレベルコンバータの回路構成は、ダイオードクランプ型マルチレベルコンバータ、カスケード型マルチレベルコンバータ及びフライングキャパシタマルチレベルコンバータの3種類に分類される。ダイオードクランプ式マルチレベルコンバータ及びカスケード型マルチレベルコンバータと比較して、フライングキャパシタマルチレベルコンバータには多くの利点がある。例えば、フライングキャパシタマルチレベルコンバータは、回路構成を簡略化し、部品点数を削減し、多くの冗長なスイッチング状態を実現する。それゆえ、製造者はフライングキャパシタマルチレベルコンバータの開発に努力している。
すでに知られているように、フライングキャパシタマルチレベルコンバータのフライングキャパシタの電圧バランスをとることが重要である。図1は、従来のフライングキャパシタマルチレベルコンバータを示す回路の概要図である。図1に示すように、フライングキャパシタマルチレベルコンバータは、複数のフライングキャパシタ、偶数個のスイッチ素子及びフィルタリングインダクタを備える。偶数個のスイッチ素子は、直流電源の正極及び負極の間に直列接続されている。フィルタリングインダクタは、直列接続された偶数個のスイッチ素子の中点に接続されている。各フライングキャパシタの第1端部は、中点の第1の側に隣接する2つのスイッチング素子と接続されている。各フライングキャパシタの第2端部は、中点の第2の側に隣接する2つのスイッチング素子と接続されている。換言すれば、フライングキャパシタ(p+1)レベルコンバータは、p個の基本ユニットU及びフィルタリングインダクタから構成されている。図1に示すように、フリンジキャパシタ5レベルコンバータは、4つの基本ユニットU及びフィルタリングインダクタLとともに定義される。各基本ユニットUは、フライングキャパシタ及び2つのスイッチング素子を備える。フライングキャパシタは、基本ユニットUの入力端子に接続されている。2つのスイッチング素子は、基本ユニットUの出力端子に接続されている。例えば、第1の基本ユニットは、フライングキャパシタC及び2つのスイッチ素子Q及びQ1bを備える。第2の基本ユニットは、フライングキャパシタC及び2つのスイッチ素子Q及びQ2bを備える。第3の基本ユニットは、フライングキャパシタC及び2つのスイッチ素子Q及びQ3bを備える。第4の基本ユニットは、フライングキャパシタC及び2つのスイッチ素子Q及びQ4bを備える。第4の基本ユニット(電圧入力端子/高電圧側)の入力端子は、入力電圧Vを受けるために、高電圧DCバス(図示せず)と電気的に接続されている。第4の基本ユニットの出力端子は、第3の基本ユニットの入力端子に接続される。第3の基本ユニットの出力端子は、第2の基本ユニットの入力端子に接続される。第2の基本ユニットの出力端子は、第1の基本ユニットの入力端子に接続される。また、各基本ユニットUを構成するフライングキャパシタの第1端部及び第2端部は、基本ユニットUbの入力端子と並列に接続される。フライングキャパシタの第1端部及び第2端部はそれぞれ、2つの相補型スイッチ素子の第1端部の上流側及び下流側にて接続される。2つの相補型スイッチ素子の上流側及び下流側における第2端部は、下流側基本ユニットUの入力端子に接続される。第1の基本ユニットUの出力端子は、フィルタリングインダクタLの端部に接続される。全ての基本ユニットUのスイッチ素子は、選択的にオン又はオフされる。これにより、基本ユニットUの出力端子(例:中点、正電圧出力端子又は負電圧出力端子)において、複数のDCレベルが発生する。複数のDCレベルがフィルタリングインダクタL及びフィルタリングキャパシタCによって低域フィルタリング処理された後、出力電圧Vが低電圧側に出力される。
従来のフィルタリングキャパシタ用の電圧バランス制御方法では、フライングキャパシタの充電及び放電手順は、フライングキャパシタの予想される電圧値を維持するように制御される。一例として、p型基本ユニットUを含むフライングキャパシタ(p+1)レベルコンバータについて検討する。低電圧側(例:フィルタリングインダクタ側)から高電圧側(例:DC電源側)までに渡り、m番目の基本ユニットを構成するフライングキャパシタの予想電圧は(V×m)/pである。図1に示すように、5段階コンバータの第1段階〜第4段階基本ユニットを構成するフライングキャパシタの予想電圧はそれぞれ、(V×1)/4、(V×2)/4、(V×3)/4及び(V×4)/4となる。各基本ユニットUbの上流側及び下流側の2つのスイッチ素子は相補的な動作を実行するので、2つの相補型スイッチ素子のそれぞれが受ける電圧は、現段階のフライングキャパシタと次段のフライングキャパシタの電圧差となる(例:V/4)。一般的に、スイッチング素子の位相及びデューティサイクルを調整して複数のDCレベルを発生させることで、低電圧側のフィルタリングインダクタの電圧又は電流が制御される。その結果、スイッチング及び電力調整機能を実現することができる。
図2は、フライングキャパシタと、図1のフライングキャパシタマルチレベルコンバータに対応するスイッチ素子との関係を示す回路の概略図である。図2に示すように、フライングキャパシタCは、2つの直列接続されたスイッチ素子Q、Q及び2つの直列接続されたスイッチ素子Q1b、Q2b。に接続されている。スイッチ素子Q及びQのオン/オフ状態はそれぞれ、スイッチ素子Q1b及びQ2bのオン/オフ状態に相補的である。隣接する2つのスイッチ素子のオン/オフ状態を制御することにより、フライングキャパシタCの充放電手順が実現される。通常の動作状態では、各基本ユニットUはフィルタリングインダクタLに直列接続され、基本ユニットUの上流側及び下流側の2つのスイッチ素子は相補的な動作を行う。その結果、各スイッチ素子の導通電流はフィルタリングインダクタの電流となる。スイッチング素子Q2及びQ1の導通方向は、インダクタ電流の正方向と同じである。また、スイッチング周期Tにおいて、スイッチ素子Q及びQの順方向導通方向は、インダクタ電流の正方向と同じになる。フィルタリングインダクタLのインダクタ電流Iが安定している場合には、フライングキャパシタCの電圧Vc1の変化量ΔVと、2つの直列接続されたスイッチ素子Q及びQのデューティサイクルD及びDの関係は、以下の数式で表すことができる。

ΔV=+I×T×(D−D)/C(I>0の場合)
ΔV=−I×T×(D−D)/C(I<0の場合)
上記の2つの数式は、以下の式に書き換えることができる。

−D=符号×C/(I×T)×ΔV
符号=+1(I>0の場合)且つ符号=−1(I<0の場合)
上記の数式によれば、2つの直列接続されたスイッチ素子Q及びQのデューティサイクルD及びD間のデューティサイクル差(例:ΔD=D−D)は、フライングキャパシタの電圧バランスを制御する指標となる。すなわち、デューティサイクル差ΔDの調整は、フライングキャパシタCの予想される電圧変化量ΔVに関連する。さらに、デューティサイクル差ΔDの調整方向は、電流方向の「符号」(例:フィルタリングインダクタのインダクタ電流Iの正又は負の符号)に関連する。
上記の数式に示すように、デューティサイクル差ΔDの調整方向は、電流方向(例:インダクタ電流Iの正負の符号)に基づいて決定される。フライングキャパシタの電圧バランス制御を実現するためには、制御システムがインダクタ電流Iの方向を実現する必要がある。換言すれば、フィルタリングインダクタの電流方向は、フライングキャパシタの充放電手順及びフライングキャパシタの電圧バランスの維持に影響を及ぼす重要な要素である。
しかしながら、上記の電圧バランス制御方法には依然としていくつかの欠点がある。例えば、電圧がAC/DCコンバータのACゼロクロス点付近にある場合や、軽負荷状態で双方向電力コンバータを動作させた場合には、高周波スイッチング素子で発生するリップル電流により、電流方向の繰り返しスイッチングが発生する可能性がある。さらに、測定構成要素、測定回路及びデジタルサンプリング回路を介して導入される誤差のために、制御システムが誤って電流方向を判定することがある。このような状況下では、フライングキャパシタの電圧バランスを制御することは困難である。さらに、この問題は、フライングキャパシタマルチレベルコンバータの応用を制限する。
したがって、上記の欠点を克服するために、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置及び電圧バランス制御方法を提供する必要がある。
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服するために、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置及び電圧バランス制御方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置が提供される。フライングキャパシタマルチレベルコンバータは、複数のフライングキャパシタ、偶数個のスイッチ素子及びフィルタリングインダクタを備える。偶数個のスイッチ素子は、直流電圧源の正極及び負極の間に直列接続される。フィルタリングインダクタは、直列に接続された偶数個のスイッチ素子の中点に接続される。各フライングキャパシタの第1端部は、中点の第1の側で2つの隣接するスイッチング素子に接続される。各フライングキャパシタの第2端部は、中点の第2の側で2つの隣接するスイッチング素子に接続される。偶数個のスイッチ素子は、同じスイッチング周期で動作するように構成される。電圧バランス制御装置は、制御信号処理部、電圧/電流検出部、キャパシタ電圧バランスコントローラ、電流方向予測部及び算出部を備える。制御信号処理部は、スイッチ素子に対応する複数の制御信号を生成してスイッチ素子のオン/オフを制御するように構成される。電圧/電流検出部は、複数のフライングキャパシタの電圧値を検出して第1の検出結果を出力し、フライングキャパシタマルチレベルコンバータの動作状態を検出して第2の検出結果を出力するように構成される。キャパシタ電圧バランスコントローラは、第1の検出結果の電圧値及び複数のフライングキャパシタの予想される電圧値を比較した結果に基づいて、複数の第1のデューティサイクル差を生成するように構成される。電流方向予測部は、第1の検出結果及びフィードバック信号から、選択されたフライングキャパシタの電圧値に基づいて各調整期間における電流方向調整信号を算出するように構成される。フィードバック信号は、2つの直列接続されたスイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差に関連し、調整期間はスイッチング周期の整数倍である。算出部は、電流方向調整信号及び複数の第1のデューティサイクル差の乗算及び/又は除算を実行することで、第2のデューティサイクル差を生成するように構成される。制御信号処理部は、基準値、第2の検出結果及び複数の第2のデューティサイクル差に基づいて複数の制御信号を生成するように構成される。複数のフライングキャパシタの電圧値は、複数のデューティサイクル信号に対応する予想される電圧値に維持されるように構成される。
本発明の一態様によれば、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御方法が提供される。フライングキャパシタマルチレベルコンバータは、複数のフライングキャパシタ、偶数個のスイッチ素子及びフィルタリングインダクタを備える。偶数個のスイッチ素子は、直流電圧源の正極及び負極の間に直列接続される。フィルタリングインダクタは、直列に接続された偶数個のスイッチ素子の中点に接続される。各フライングキャパシタの第1端部は、中点の第1の側で2つの隣接するスイッチング素子に接続される。各フライングキャパシタの第2端部は、中点の第2の側で2つの隣接するスイッチング素子に接続される。偶数個のスイッチ素子は、同じスイッチング周期で動作するように構成される。電圧バランス制御方法は、以下のステップを備える。最初に、スイッチ素子に対応する複数の制御信号を生成してスイッチ素子のオン/オフを制御する。次に、複数のフライングキャパシタの電圧値に基づいて、第1の検出結果が出力される。そして、フライングキャパシタマルチレベルコンバータの動作状態に基づいて、第2の検出結果が出力される。次に、第1の検出結果の電圧値及び前記複数のフライングキャパシタの予想される電圧値を比較した結果に基づいて、複数の第1のデューティサイクル差を生成する。次に、第1の検出結果及びフィードバック信号から、選択されたフライングキャパシタの電圧値に基づいて各調整期間における電流方向調整信号を算出する。フィードバック信号は、2つの直列接続されたスイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差に関連し、調整期間はスイッチング周期の整数倍である。次に、電流方向調整信号及び複数の第1のデューティサイクル差の乗算及び/又は除算を実行することで、対応する第2のデューティサイクル差を生成する。そして、基準値、第2の検出結果及び複数の第2のデューティサイクル差に基づいて複数の制御信号を生成する。複数のフライングキャパシタの電圧値は、複数のデューティサイクル信号に対応する予想される電圧値に維持される。
本発明の上記内容は、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討することにより、当業者にはより容易に明らかになるであろう。
従来のフライングキャパシタマルチレベルコンバータを示す概略回路図である。 フライングキャパシタ及び図1のフライングキャパシタマルチレベルコンバータに対応するスイッチ素子の関係を示す概略回路図である。 本発明の第1実施形態に係るフフライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置を示す概略回路図である。 発明の第2実施形態に係るフライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置を示す概略回路図である。 発明の第3実施形態に係るフライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置を示す概略回路図である。 本発明の一実施形態に係るフライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御方法を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係るフライングキャパシタ3レベルコンバータ用の電圧バランス制御装置を示す概略回路図である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の好ましい実施形態の以下の説明は、例示及び説明のみを目的として本明細書に提示されていることに留意されたい。なお、以下の説明は、包括的であること、又は開示された正確な形態に限定されることを意図するものではない。
図3は、本発明の第1実施形態に係るフフライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置を示す概略回路図である。電圧バランス制御装置1aは、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ1に適用される。フライングキャパシタマルチレベルコンバータ1は、p個の基本ユニットから構成される。すなわち、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ1は、p個のフライングキャパシタC、C、...、C、...、Cを備える。また、2p個の半導体スイッチ素子sQ、Q、...、Q、...Q及びQ1b、Q2b、...、Qmb、...Qpbは、直流電圧源の正極及び負極に直列接続される。ここで、mは、1、2、...、(p−1)である。また、各フライングキャパシタの第1端部は、第1ノードで隣接する2つのスイッチング素子に接続され、各フライングキャパシタの第2端部は、第2ノードで隣接する2つのスイッチング素子に接続される。例えば、第1ノードa1において、フライングキャパシタCの第1端部は、隣接する2つのスイッチング素子Qm+1及びQと接続される。また、第2ノードa2において、フライングキャパシタCの第2端部は、隣接する2つのスイッチング素子Qm+1b及びQmbと接続される。複数のスイッチ素子は、同じスイッチング周期Tで動作する。
電圧バランス制御装置1aは、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ1と電気的に接続されている。本実施形態では、電圧バランス制御装置1aは、電圧/電流検出部2、制御信号処理部3a、電圧バランスコントローラ5a、算出部10及び電流方向予測部12を備える。
フライングキャパシタマルチレベルコンバータ1の動作中、制御信号処理部3aは、スイッチ素子に対応する複数の制御信号を生成する。したがって、複数のスイッチ素子のオン/オフ状態は、複数の制御信号に従って制御される。電圧/電流検出部2は、フライングキャパシタC〜Cp−1(例:フライングキャパシタCを除く)の電圧値Vc1〜Vc(p−1)を検出し、第1の検出結果Xを出力する。また、電圧/電流検出部2は、フライングキャパシタマルチレベルコンバータの動作状態1を検出し、第2の検出結果Xを出力するためにも使用される。好ましくは、第2の検出結果Xは、1又は複数の電圧/電流フィードバック値(例:直流電圧フィードバック値、直流電流フィードバック値、単相交流電圧フィードバック値、単相交流電流フィードバック値、三相交流電圧フィードバック値及び/又は三相交流電流フィードバック値)を示すが、これに限定されない。本実施形態では、フライングキャパシタCの電圧Vcpは、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ1の入力電圧Vとなる。このような状況下では、フライングキャパシタCの電圧を制御する必要はない。なお、別の実施形態では、フライングキャパシタCの電圧を制御してもよい。フライングキャパシタCの電圧を制御する方法は、フライングキャパシタC〜Cp−1の電圧値Vc1〜Vc(p−1)を制御する方法と同様である。
キャパシタ電圧バランスコントローラ5aは、電圧/電流検出部2と電気的に接続され、第1の検出結果Xを受信する。第1の検出結果X中の電圧値Vc1〜Vc(p−1)と、フライングキャパシタC〜Cp−1の予測される電圧値Vc1*〜Vc(p−1)*をそれぞれ比較した後、キャパシタ電圧バランスコントローラ5aは、複数の比較結果を生成し、その比較結果を対応する第1のデューティサイクル差ΔD10〜ΔD(p−1)0に変換する。
電流方向予測部12は、電圧/電流検出部2と電気的に接続される。電圧/電流検出部2は、第1の検出結果Xから選択されたフライングキャパシタの電圧値(例:フライングキャパシタCの電圧値Vcm)を取得するものである。また、電流方向予測部12は、制御信号処理部3aと電気的に接続されており、制御信号処理部3aからのフィードバック信号を受信する。フィードバック信号は、選択されたフライングキャパシタに対応する2つの直列接続されたスイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差に関連する。選択されたフライングキャパシタの電圧値とフィードバック信号とに基づいて、電流方向予測部12は、各調整期間Tにおける電流方向調整信号符号を算出する。ここで、調整期間Tは、スイッチング周期Tの整数倍である。
算出部10は、キャパシタ電圧バランスコントローラ5a及び電流方向予測部12と電気的に接続されており、電流方向調整信号符号及び第1のデューティサイクル差ΔD10〜ΔD(p−1)0を受信する。算出部10が、方電流方向調整信号符号及び第1のデューティサイクル差ΔD10〜ΔD(p−1)0に対して乗算及び/又は除算を実行した後、対応する第2のデューティサイクル差ΔD〜ΔDp−1が得られる。
制御信号処理部3aは、算出部10及び電圧/電流検出部2と電気的に接続されている。制御信号処理部3aは、第2の検出結果X、第2のデューティサイクル差ΔD〜ΔDp−1及び基準値XRef*を受信する。基準値XRef*は、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ1の1又は複数の電圧又は電流の所定の値を示す。所定の値としては、例えば、直流電圧付与値、直流電流付与値、単相交流電圧付与値、単相交流電流付与値、三相交流電圧付与値及び/又は三相交流電流付与値が挙げられる。第2の検出結果X、第2のデューティサイクル差ΔD〜ΔDp−1及び基準値XRef*に基づいて、制御信号処理部3aは、複数のデューティサイクル信号D、D、...、D、...、Dを生成する。そして、複数のデューティサイクル信号に従って、制御信号処理部3aは、複数の制御信号を調整する。これにより、フライングキャパシタC〜Cp−1の電圧値Vc1〜Vc(p−1)は、予想される電圧値Vc1*〜Vc(p−1)*に維持される。
本実施形態では、キャパシタ電圧バランスコントローラ5aはさらに、電圧誤差生成部5及び電圧誤差変換部6を備える。電圧誤差生成部5は、電圧/電流検出部2と電気的に接続され、第1の検出結果Xを受信する。第1の検出結果X中のフライングキャパシタC〜Cp−1の電圧値Vc1〜Vc(p−1)と、予想される電圧値Vc1*〜Vc(p−1)*を比較した結果に基づいて、電圧誤差生成部5は対応する電圧誤差値seV〜eVp−1を生成する。電圧誤差変換部6は、電圧誤差生成部5と電気的に接続される。電圧誤差変換部6は、G関数に従って、電圧誤差値eV〜eVp−1を第1のデューティサイクル差ΔD10〜ΔD(p−1)0に変換するために用いられる。ここで、G関数は、電圧誤差変換部6のゲイン値の関数である。電圧誤差変換部6の一例としては、デジタルPIDコントローラ又はヒステリシスループコントローラ等があるが、これらに限定されるものではない。
制御信号処理部3aはさらに、初期デューティサイクル信号生成部3、デューティサイクル変更部3b及びパルス駆動部4を備える。初期デューティサイクル信号生成部3は、電圧/電流検出部2と電気的に接続されており、第2の検出結果Xを受信する。第2の検出結果Xと基準値XRef*を比較することにより、初期デューティサイクル信号生成部3は、初期デューティサイクル信号を生成する。デューティサイクル変更部3bは、算出部10及び初期デューティサイクル信号生成部3と電気的に接続されている。初期デューティサイクル信号及び第2のデューティサイクル差ΔD〜ΔDp−1に基づいて、デューティサイクル変更部3bは、複数のデューティサイクル信号D、D、...、D、...、Dを生成する。パルス駆動部4は、デューティサイクル変更部3bに電気的に接続されている。パルス駆動部4は、複数のデューティサイクル信号D、D、...、D、...、Dを複数の制御信号に変換し、複数のスイッチ素子のオン/オフ状態を制御するために用いられる。
電流方向調整信号符号の計算方法及び電流方向予測部12の回路構成を以下に詳細に説明する。スイッチング周期Tにおいては、フライングキャパシタCの電圧変化量ΔV、フィルタリングインダクタLの電流I、2つの直列接続されたスイッチ素子Q及びQm+のデューティサイクルD及びDm+1の関係は、以下の数式で表すことができる。

ΔV=符号×I×T×(Dm+1−D)/C 符号=+1(I>0の場合)且つ符号=−1(I<0の場合
上記の2つの数式は、次の式に書き換えることができる。

符号=(Dm+1−D)×C/(I×T)×ΔV
上記の数式より、スイッチング周期Tの終了後におけるフライングキャパシタC及びデューティサイクル差(Dm+1−D)間の電圧変化量ΔVの関係に基づいて、スイッチング周期TにおけるフィルタリングインダクタLの平均インダクタ電流Iの方向が決定される。インダクタ電流Iの方向が一定時間間隔(例:数回のスイッチング周期T)内に変化しない場合、次回のスイッチング周期におけるインダクタ電流の方向を、上述した前回のスイッチング周期の計算により、一定時間内に予測することができる。
上述したように、調整期間Tは、スイッチング周期Tの整数倍である。いくつかの調整期間の間に、インダクタ電流の方向が周期的に計算されて予測され、全てのスイッチ素子のデューティサイクルを制御するためのデューティサイクル差の調整量及び調整方向が決定される。これにより、フライングキャパシタCの電圧バランス制御が実現される。k番目の調整期間Tでは、(k−1)番目の調整期間Tにおける計算により、インダクタ電流の方向が予測される。かかる計算は、以下の数式(1)及び(2)で表すことができる。

符号[0]=+1又は−1(例:k=0の場合初期信号1又は−1) (1)

このような電流方向調整信号符号の取得は、図3の制御機構によって実現することができる。ここで、再び図3を参照されたい。本実施形態では、電流方向予測部12により受信されるフィードバック信号は、デューティサイクル差である。かかるデューティサイクル差は、選択されたフライングキャパシタに対応する2つの直列接続されたスイッチ素子のデューティサイク間のデューティサイク差である。例えば、フライングキャパシタCは、選択されたフライングキャパシタである。2つの直列接続されたスイッチ素子Q及びQm+1のデューティサイクルD及びDm+1間の差分は、フィードバック信号を表す。
インダクタ電流の方向Iを予測するため、調整期間T毎のフライングキャパシタCの電圧変化量ΔVと、調整期間T毎のデューティサイクル差(Dm+1−D)の平均値又は累積値を知る必要がある。
本実施形態では、電流方向予測部12は、デューティサイクル差算出部7、電圧差算出部8及び符号算出部9を備える。電圧差算出部8は、電圧/電流検出部2と電気的に接続され、第1の検出結果Xを受信する。これにより、k番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k]と、k−1番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k−1]が得られる。電圧差算出部8は、電圧値Vcm[k]と電圧値Vcm[k−1]を比較することにより、電圧差値Vを生成する。デューティサイクル差算出部7は、制御信号処理部3aと電気的に接続され、選択されたフライングキャパシタCのデューティサイクルD及びDm+1を受信する。また、デューティサイクル差算出部7は、スイッチ周期T毎に、デューティサイクルD及びDm+1間のデューティサイクル差を算出する。そして、調整期間Tにおける全てのスイッチング周期Tのデューティサイクル差(Dm+1−D)の平均値又は累積値が算出された後、デューティサイクル差算出部7は、第1の算出結果S1を出力する。符号算出部9は、デューティサイクル差算出部7及び電圧差算出部8に電気的に接続されている。符号算出部9が電圧差値V及び第1の算出結果S1に対して乗算及び/又は除算を実行した後、第2の算出結果が得られる。第2の算出結果の正の値又は負の値に基づいて、符号算出部9は、対応する電流方向調整信号符号を生成する。
いくつかの実施形態では、選択されたフライングキャパシタCに対応する2つの直列接続されたスイッチ素子Q及びQm+1のデューティサイクル差(Dm+1−D)は、キャパシタ電圧バランスコントローラ5aに起因する第1のデューティサイクル差ΔDm0と等しくなる。このとき、各スイッチング周期Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧バランスを制御するためのデューティサイクル差の調整値は、以下の数式(3)のように表すことができる。

m+1[n]−D[n]=符号[k]×G(eV[n])n∈{k×(T/T)(k+1)×(T/T)}
=符号[k]×ΔDm0[n]{ΔDm0[n]=G(eVm[n])}(3)
数式(3)で得られたデューティサイクル差の調整値を数式(2)に代入すると、以下の数式(4)が得られる。
従って、予想されるインダクタ電流の方向は、以下の数式(5)により算出される。
このような電流方向調整信号符号の取得は、図4の制御機構によって実現することができる。図4は、本発明の第2実施形態に係るフフライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置を示す概略回路図である。なお、第1実施形態と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図3において、電圧バランス制御装置1aの電流方向予測部12は、制御信号処理部3aと電気的に接続されている。図3と比較すると、本実施形態の電圧バランス制御装置1bの電流方向予測部12は、キャパシタ電圧バランスコントローラ5aの電圧誤差変換部6の出力端子及び算出部10に電気的に接続されている。すなわち、電流方向予測部12は、電圧誤差変換部6から第1のデューティサイクル差ΔD10〜ΔD(p−1)0を受信する。本実施形態では、電流方向予測部12により受信されるフィードバック信号は、選択されたフライングキャパシタCに対応する第1のデューティサイクル差ΔDm0である。本実施形態では、選択されたフライングキャパシタCに対応する2つの直列接続されたスイッチ素子Q及びQm+1のデューティサイクル差(Dm+1−D)は、キャパシタ電圧バランスコントローラ5aに起因する第1のデューティサイクル差ΔDm0と等しくなる。換言すると、つまり、フィードバック信号は、デューティサイクル差にも関係する。ここで、かかるデューティサイクル差は、選択されたフライングキャパシタに対応する2つの直列接続されたスィッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差である。
本実施形態では、電流方向予測部12は、電圧差算出部8、デューティサイクル算出部14及び符号算出部9を備える。電圧差算出部8は電圧/電流検出部2と電気的に接続され、第1の検出結果Xを受信する。これにより、k番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k]と、k−1番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k−1]が得られる。電圧差算出部8は、電圧値Vcm[k]と電圧値Vcm[k−1]を比較することにより、電圧差値Vを生成する。デューティサイクル算出部14は、キャパシタ電圧バランスコントローラ5aの出力端子と電気的に接続され、選択されたフライングキャパシタCに対応する第1のデューティサイクル差ΔDm0を受信する。また、デューティサイクル算出部14は、スイッチ周期T毎に、第1のデューティサイクル差ΔDm0を算出する。そして、調整期間Tにおける全てのスイッチング周期Tの第1のデューティサイクル差ΔDm0の平均値又は累積値が算出された後、デューティサイクル算出部14は、第3の算出結果S3を出力する。符号算出部9は、デューティサイクル算出部14、電圧差算出部8及び算出部10に電気的に接続される。そして、電圧差算出部8から電圧差値Vを、デューティサイクル算出部14から第3の算出結果S3を受信する。符号算出部9はまた、前回の調整期間(例:k−1番目の調整期間T)における電流方向調整信号符号[k−1]を受信する。符号算出部9が電圧差値V、第3の算出結果S3及び電流方向調整信号符号[k−1]に対して乗算及び/又は除算を実行した後、第4の算出結果が得られる。第4の算出結果の正の値又は負の値に基づいて、符号算出部9は、対応する電流方向調整信号符号を生成する。
いくつかの実施形態では、G関数は、比例型レギュレータKp(Kp>0)によって提供される。したがって、数式(5)は、以下の数式(6)に書き換えられる。
このような電流方向調整信号符号の取得は、図5の制御機構によって実現することができる。図5は、本発明の第3実施形態に係るフライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置を示す概略回路図である。なお、第1実施形態と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。上述の通り、図3の電圧バランス制御装置の電圧誤差変換部6は、デジタルPIDコントローラ又はヒステリシスループコントローラである。また、電圧バランス制御装置1aの電流方向予測部12は、制御信号処理部3aと電気的に接続される。図3と比較して、本実施形態の電圧バランス制御装置1cの電圧誤差変換部6は、比例型レギュレータである。また、本実施形態の電圧バランス制御装置1cの電流方向予測部12は、電圧誤差生成部5の出力端子と電気的に接続されている。すなわち、電流方向予測部12は、選択されたフライングキャパシタCに対応する電圧誤差値eVを電圧誤差生成部5から受信する。本実施形態では、電流方向予測部12により受信されるフィードバック信号は、選択されたフライングキャパシタCに対応する電圧誤差値eVである。本実施形態では、選択されたフライングキャパシタCに対応する2つの直列接続されたスイッチ素子Q及びQm+1のデューティサイクル差(Dm+1−D)は、キャパシタ電圧バランスコントローラ5aに起因する第1のデューティサイクル差ΔDm0と等しくなる。また、G関数が比例型レギュレータにより提供される。換言すると、フィードバック信号はまた、デューティサイクル差に関係する。ここで、かかるデューティサイクル差は、選択されたフライングキャパシタに対応する2つの直列接続されたスイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差である。
本実施形態では、電流方向予測部12は、電圧差算出部8、電圧誤差算出部15及び符号算出部9を備える。電圧差算出部8は、電圧/電流検出部2と電気的に接続され、第1の検出結果Xを受信する。これにより、k番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k]と、k−1番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k−1]が得られる。電圧差算出部8は、電圧値Vcm[k]と電圧値Vcm[k−1]を比較することにより、電圧差値Vを生成する。電圧誤差算出部15は、電圧誤差生成部5及び電圧誤差変換部6の間に電気的に接続され、選択されたフライングキャパシタCに対応する電圧誤差値eVを受信する。また、電圧誤差算出部15は、スイッチ周期T毎に、電圧誤差値eVを算出する。そして、調整期間Tにおける全てのスイッチング周期Tの電圧誤差値eVの平均値又は累積値が算出された後、電圧誤差算出部15は、第5の算出結果S5を出力する。
符号算出部9は、電圧誤差算出部15、電圧差算出部8及び算出部10と電気的に接続され、電圧差算出部8から電圧差値Vを、電圧誤差算出部15から第5の算出結果S5を受信する。符号算出部9はまた、前回の調整期間(例:k−1番目の調整期間T)における電流方向調整信号符号[k−1]を受信する。符号算出部9が電圧差値V、第5の算出結果S5及び電流方向調整信号符号[k−1]に対して乗算及び/又は除算を実行した後、第6の算出結果が得られる。第6の算出結果の正の値又は負の値に基づいて、符号算出部9は、対応する電流方向調整信号符号を生成する。
本発明には、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御方法も含まれる。図3、図4及び図5の電圧バランス制御装置には、電圧バランス制御方法が適用されている。図6は、本発明の一実施形態に係るフライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御方法を示すフローチャートである。
初めに、ステップ(a)において、スイッチ素子に対応する複数の制御信号が生成され、スイッチ素子のオン/オフを制御する。
次に、ステップ(b)において、フライングキャパシタC〜Cp−1(例:フライングキャパシタCを除く)の電圧値Vc1〜Vc(p−1)が検出され、第1の検出結果Xを出力する。また、フライングキャパシタマルチレベルコンバータの動作状態1が検出され、第2の検出結果Xが出力される。
次に、ステップ(c)において、第1の検出結果の電圧値Vc1〜Vc(p−1)及びフライングキャパシタC〜Cp−1の予想される電圧値Vc1*〜Vc(p−1)*がそれぞれ比較される。そして、かかる比較結果に基づいて、第1のデューティサイクル差ΔD10〜ΔD(p−1)0が生成される。
次に、ステップ(d)において、第1の検出結果X及びフィードバック信号から、選択されたフライングキャパシタの電圧値(例:フライングキャパシタCの電圧値Vcm)に基づいて各調整期間Tにおける電流方向調整信号符号が算出される。ここで、調整期間Tはスイッチング周期Tの整数倍である。
次に、ステップ(e)において、電流方向調整信号符号及び第1のデューティサイクル差ΔD10〜ΔD(p−1)0の乗算及び/又は除算が実行される。これにより、対応する第2のデューティサイクル差ΔD〜ΔDp−1が得られる。
次に、ステップ(f)において、第2の検出結果X、第2のデューティサイクル差ΔD〜ΔDp−1及び基準値XRef*に基づいて、複数のデューティサイクル信号D、D、...、D、...、Dが生成される。複数のデューティサイクル信号に基づいて、複数の制御信号が対応して調整される。その結果、フライングキャパシタC〜Cp−1の電圧値Vc1〜Vc(p−1)は、予想される電圧値Vc1*〜Vc(p−1)*に維持持される。
図3の電圧バランス制御装置に電圧バランス制御方法を適用した場合、フィードバック信号は、フライングキャパシタCに対応する2つの直列接続されたスイッチ素子Q及びQm+1のデューティサイクルD及びDm+1の差分である。かかる状況下では、ステップ(d)はさらにサブステップ(d1)、(d2)及び(d3)を含む。サブステップ(d1)において、k番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k]と、k−1番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k−1]が得られる。そして、電圧値Vcm[k]と電圧値Vcm[k−1]の比較結果に基づいて、電圧差値Vが算出される。サブステップ(d2)において、全てのスイッチ周期Tにおいて、デューティサイクルD及びDm+1のデューティサイクル差が算出される。そして、全ての調整期間Tにおいて、全てのスイッチング周期Tのデューティサイクル差(Dm+1−D)の平均値又は累積値に基づいて、第1の算出結果S1が生成される。サブステップ(d3)において、電圧差値V及び第1の算出結果S1の乗算及び/又は除算が実行され、第2の算出結果を取得する。符号算出部9は、第2の算出結果の正の値又は負の値に基づいて、電流方向調整信号符号を生成する。
図4の電圧バランス制御装置に電圧バランス制御方法を適用した場合、フィードバック信号は、選択されたフライングキャパシタCに対応する第1のデューティサイクル差ΔDm0である。かかる状況下では、ステップ(d)はさらにサブステップ(d1)、(d2)及び(d3)を含む。サブステップ(d1)において、k番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k]と、k−1番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k−1]が得られる。そして、電圧値Vcm[k]と電圧値Vcm[k−1]の比較結果に基づいて、電圧差値Vが算出される。サブステップ(d2)において、全てのスイッチ周期Tにおいて、第1のデューティサイクル差ΔDm0が算出される。そして、全ての調整期間Tにおいて、全てのスイッチング周期Tの第1のデューティサイクル差ΔDm0の平均値又は累積値に基づいて、第3の算出結果が生成される。サブステップ(d3)において、電圧差値V、第3の算出結果及び電流方向調整信号符号[k−1]の乗算及び/又は除算が実行され、第4の算出結果を取得する。符号算出部9は、第4の算出結果の正の値又は負の値に基づいて、電流方向調整信号符号を生成する。
図5の電圧バランス制御装置に電圧バランス制御方法を適用する場合、ステップ(c)はサブステップ(c1)及び(c2)をさらに含む。サブステップ(c1)において、第1の検出結果XにおけるフライングキャパシタC〜Cp−1の電圧値Vc1〜Vc(p−1)及び予想される電圧値Vc1*〜Vc(p−1)*の比較結果に基づいて、複数の電圧誤差値seV〜eVp−1が生成される。サブステップ(c2)において、電圧誤差値eV〜eVp−1第1のデューティサイクル差ΔD10〜ΔD(p−1)0に変換される。
さらに、図5の電圧バランス制御装置に電圧バランス制御方法を適用する場合、フィードバック信号は、選択されたフライングキャパシタCに対応する電圧誤差値eVである。かかる状況下では、ステップ(d)はサブステップ(d1)、(d2)及び(d3)をさらに含む。サブステップ(d1)において、k番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k]と、k−1番目の調整期間Tにおける選択されたフライングキャパシタCの電圧値Vcm[k−1]が得られる。そして、電圧値Vcm[k]と電圧値Vcm[k−1]の比較結果に基づいて、電圧差値Vが算出される。サブステップ(d2)において、全てのスイッチ周期Tにおいて、電圧誤差値eVが算出される。そして、全ての調整期間Tにおいて、全てのスイッチング周期Tの電圧誤差値eVの平均値又は累積値に基づいて、第5の算出結果S5が生成される。サブステップ(d3)において、電圧差値V、第5の算出結果S5及び電流方向調整信号符号[k−1]の乗算及び/又は除算が実行され、第6の算出結果を取得する。符号算出部9は、第6の算出結果の正の値又は負の値に基づいて、電流方向調整信号符号を生成する。
本発明の電圧バランス制御装置の実装例を以下に説明する。図7は、本発明の第3実施の形態に係るフライングキャパシタ3レベルコンバータ用の電圧バランス制御装置を示す概略回路図である。本実施形態の電圧バランス制御装置の回路構成は、図5の電圧バランス制御装置の回路構成に基づいている。本実施形態では、基準値XRef*は、出力電流の所定値を表す。また、第2の検出結果Xは、インダクタ電流Iを表す。また、制御信号処理部3aの初期デューティサイクル信号生成部3が、PIレギュレータ31を備える。また、制御信号処理部3aのデューティサイクル変更部3bは、2つのデューティサイクル加減算器32を備える。デューティサイクル変更部3bは、スイッチ素子Q、Q1b及びQ、Q2bに対応するデューティサイクル信号D及びDを生成する。デューティサイクル信号D1及びD2は、パルス駆動部4に送信される。
電圧誤差変換部6は、比例型レギュレータKpである。電圧誤差変換部6は、第1のデューティサイクル差ΔD10を生成する。算出部10が電流方向調整信号符号と第1のデューティサイクル差ΔD10の乗算を実行し、対応するデューティサイクル差Δdが得られる。その後、2つのデューティサイクル加減算器32は、デューティサイクル差Δd及び初期デューティサイクル信号Dを加減算する。これにより、スイッチ素子Q、Q1bに対応するデューティサイクル信号D及びスイッチ素子Q、Q2bに対応するデューティサイクル信号Dが得られる。電流方向調整信号符号は周期的に計算される。また、フライングキャパシタCに対応する調整期間Tは、スイッチング周期Tの10倍である。電圧差値V、電圧誤差値eVの平均値及び電流方向調整信号符号[t−Td]の乗算が実行された後、電流方向調整信号符号が得られる。ここで、電圧差値Vは、調整期間(V=Vc1[t]−Vc1[t−T])におけるフライングキャパシタCに対応する電圧差値Vである。また、電圧誤差値eVは、調整期間(eV=V*c1−Vc1)におけるフライングキャパシタCに対応する電圧誤差値eVである。また、電流方向調整信号符号[t−Td]は、前回の調整期間における符号である。
上述したように、フライングキャパシタCに対応する電圧誤差値eVは、eV=V*c1c1で表される。フライングキャパシタCの電圧値Vc1が予想される電圧値V*c1よりも低い場合、電圧誤差値eVは正の値となる。従って、フライングキャパシタCの電圧値を上げるためには、フライングキャパシタCを充電する必要がある。比例型レギュレータKpによって電圧誤差値eVが調整されることにより、正の値を有する第1のデューティサイクル差ΔD10が得られる。フライングキャパシタCの電圧値を上げるために方法は、スイッチング周期T毎に充放電される電荷量を調整することである。インダクタ電流の方向Iが正である場合、第1のデューティサイクル差ΔD10及び電流方向調整信号符号(例:+1)の乗算により、第2のデューティサイクル差Δdが生成される。第2のデューティサイクル差Δd及びPIレギュレータ31に起因する初期デューティサイクル信号Dが加算された後、スイッチ素子Qに対応するデューティサイクル信号Dが得られる。さらに、D−D=2Δd(Δd>0)である。その結果、スイッチング周期Tにおいて、フライングキャパシタCの充電時間が長くなり、放電時間が短くなる。このような状況下では、フライングキャパシタCの電圧値Vc1は、予想される電圧値V*c1に近づくように増加する。インダクタ電流の方向Iが負である場合、第1のデューティサイクル差ΔD10及び電流方向調整信号符号(例:+1)の乗算により、第2のデューティサイクル差Δdが生成される。第2のデューティサイクル差Δd及びPIレギュレータ31に起因する初期デューティサイクル信号Dが加算された後、スイッチ素子Qに対応するデューティサイクル信号Dが得られる。さらに、D−D=2Δd(Δd<0)である。その結果、スイッチング周期Tにおいて、フライングキャパシタCの充電時間が長くなり、放電時間が短くなる。このような状況下では、フライングキャパシタCの電圧値Vc1は、予想される電圧値V*c1に近づくように増加する。
フライングキャパシタCに対応する調整期間Tが終了するたびに、インダクタ電流の方向Iを予測するステップが更新される。つまり、調整期間における電圧差値Vの乗算/除算結果、調整期間における電圧誤差値eVの平均値又は累積値、及び前回の調整期間における電流方向調整信号に基づいて、インダクタ電流の方向Iを予測するステップが更新される。電圧差値Vdが0より大きい場合(V>0)は、前回の調整期間においてフライングキャパシタの電圧値が増加したことを意味する。また、フライングキャパシタCの電圧値Vc1が、予想される電圧値V*c1(eV>0)よりも低い場合は、フライングキャパシタCの電圧値の調整方向が正確であることを意味する。その結果、前回の調整期間におけるインダクタ電流の方向I及び電流方向調整信号符号が等しくなることが確認された。前回の調整期間においてV<0且つeV<0であれば、フライングキャパシタCの電圧値の調整方向も正確であることを意味する。その結果、前回の調整期間における電流方向調整信号符号は、次の調整期間にも使用される。一方、電圧差値V及び電圧誤差値eVの符号が異なる場合には、フライングキャパシタCの電圧値の調整方向が不正確であることを意味する。その結果、前回の調整期間におけるインダクタ電流の方向I及び電流方向調整信号符号が逆になることが確認された。その結果、前回の調整期間における電流方向調整信号符号と逆の符号が、次の調整期間に使用される。
本発明の制御方法には多くの利点がある。第1に、電流方向を検出する目的は、任意のフライングキャパシタの電圧値を測定することによって達成される。特に、電圧差が大きい場合は、電流方向の検出精度が向上し、測定誤差による電流方向の誤判定の可能性が低減される。このような電流方向調整信号符号の初期値は任意の値を用いることができる。調整処理中は、短時間で誤判定が発生する可能性がある。流方向調整信号及びインダクタ電流の方向が一致していない場合には、フライングキャパシタの電圧が誤って調整される。しかし、エラーが最初にのみ発生する場合、ほとんど発生しない場合、及びフライングキャパシタの電圧に対する1回毎の調整動作の影響が非常に小さい場合には、フライングキャパシタの電圧誤差は依然として許容される。第2に、フライングキャパシタの電圧と予想される電圧誤差値が小さい場合には、測定誤差も不正確な符号になる可能性がある。しかし、フライングキャパシタの電圧値は予想される電圧に近いため、フライングキャパシタの電圧誤差を許容することができる。第3に、調整期間におけるフライングキャパシタの電圧差値が小さい場合には、測定誤差により不正確な符号及び不正確な調整方向となる可能性がある。しかし、フライングキャパシタの電圧差値が連続的に蓄積され、フライングキャパシタに相当な電圧差値が発生する。フライングキャパシタに発生する相当な電圧差により、符号の正負の測定精度を向上させることができる。また、調整期間を長くすると、相当な電圧差値が得られ、それにより符号の測定精度が向上する。換言すると、本発明の制御方法は、電圧誤差値の許容値を高くする。
以上より、本発明により、フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置及び電圧バランス制御方法が提供される。電流方向予測部は、フライングキャパシタマルチレベルコンバータの選択されたフライングキャパシタの電圧変化量を取得し、選択されたフライングキャパシタに対応する2つの隣接したスイッチ素子のフィードバック信号を受信する。調整期間におけるフィードバック信号の平均値又は累積値に基づいて、算出結果が生成される。電圧変化量及び算出結果の乗算及び/又は除算が実行された後、得られた符号に基づいて電流方向を予測することができる。その結果、フライングキャパシタマルチレベルコンバータのフライングキャパシタの電圧バランスを実現することができる。
本発明は、現在最も実用的且つ好ましい実施形態と考えられているものの観点から説明されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるべきでないことを理解されたい。逆に、最も広い解釈に従う添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる様々な変更及び類似の構成を包含し、そのような変更及び同様の構造をすべて包含することが意図される。

Claims (20)

  1. フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御装置であって、
    前記フライングキャパシタマルチレベルコンバータは複数のフライングキャパシタ、偶数個のスイッチ素子及びフィルタリングインダクタを備え、
    前記偶数個のスイッチ素子は、直流電圧源の正極及び負極の間に直列接続され、
    前記フィルタリングインダクタは、前記直列に接続された偶数個のスイッチ素子の中点に接続され、
    各フライングキャパシタの第1端部は、前記中点の第1の側で2つの隣接するスイッチング素子に接続され、
    各フライングキャパシタの第2端部は、前記中点の第2の側で2つの隣接するスイッチング素子に接続され、
    前記偶数個のスイッチ素子は、同じスイッチング周期で動作するように構成され、
    前記電圧バランス制御装置は、制御信号処理部、電圧/電流検出部、キャパシタ電圧バランスコントローラ、電流方向予測部及び算出部を備え、
    前記制御信号処理部は、前記スイッチ素子に対応する複数の制御信号を生成して前記スイッチ素子のオン/オフを制御するように構成され、
    前記電圧/電流検出部は、前記複数のフライングキャパシタの電圧値を検出して第1の検出結果を出力し、前記フライングキャパシタマルチレベルコンバータの動作状態を検出して第2の検出結果を出力するように構成され、
    前記キャパシタ電圧バランスコントローラは、第1の検出結果を受信し、且つ、前記第1の検出結果の電圧値及び前記複数のフライングキャパシタの予想される電圧値を比較した結果に基づいて、複数の第1のデューティサイクル差を生成するように構成され、
    前記電流方向予測部は、第1の検出結果及びフィードバック信号から、選択された前記フライングキャパシタの電圧値に基づいて各調整期間における電流方向調整信号を算出するように構成され、
    前記フィードバック信号は、2つの直列接続された前記スイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差に関連し、前記調整期間は前記スイッチング周期の整数倍であり、
    前記算出部は、前記電流方向調整信号及び前記複数の第1のデューティサイクル差の乗算及び/又は除算を実行することで、第2のデューティサイクル差を生成するように構成され、
    前記制御信号処理部は、基準値、前記第2の検出結果及び前記複数の第2のデューティサイクル差に基づいて前記複数の制御信号を生成するように構成され、
    前記複数のフライングキャパシタの電圧値は、複数のデューティサイクル信号に対応する予想される電圧値に維持されるように構成される、
    電圧バランス制御装置
  2. 前記キャパシタ電圧バランスコントローラは、電圧誤差生成部及び電圧誤差変換部を備え、
    前記電圧誤差生成部は、前記第1の検査結果における前記フライングキャパシタの前記電圧値及び前記対応する予想される電圧値を比較した結果に基づいて、電圧誤差値を生成するように構成され、
    前記電圧誤差変換部は、電圧誤差値を受信し、且つ、前記電圧誤差値を前記複数の第1のデューティサイクル差に変換するように構成される、
    請求項1に記載の電圧バランス制御装置。
  3. 電圧誤差変換部は、デジタルPIDコントローラ又はヒステリシスループコントローラである、
    請求項2に記載の電圧バランス制御装置。
  4. 前記制御信号処理部は、初期デューティサイクル信号生成部、デューティサイクル変更部及びパルス駆動部を備え、
    前記初期デューティサイクル信号生成部は、前記第2の検出結果を受信し、前記第2の検出結果及び前記基準値を比較した結果に基づいて、初期デューティサイクル信号を生成するように構成され、
    前記デューティサイクル変更部は、前記初期デューティサイクル信号及び前記複数の第2のデューティサイクル差を受信し、前記初期デューティサイクル信号及び前記複数の第2のデューティサイクル差に基づいて、前記複数のデューティサイクル信号を生成するように構成され、
    前記パルス駆動部は、前記複数のデューティサイクル信号を受信し、前記複数のデューティサイクル信号を前記複数の制御信号に変換することで、前記スイッチ素子のオン/オフを制御するように構成される、
    請求項1に記載の電圧バランス制御装置。
  5. 前記フィードバック信号は、デューティサイクル差であり、
    前記デューティサイクル差は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する2つの直列接続されたスイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差である、
    請求項1に記載の電圧バランス制御装置。
  6. 前記電流方向予測部は、電圧差算出部、デューティサイクル差算出部及び符号算出部を備え、
    前記電圧差算出部は、現在の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値及び前回の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値を比較した結果に基づいて、電圧差値を生成するように構成され、
    前記デューティサイクル差算出部は、全てのスイッチング周期において、第3のデューティサイクル差を算出するように構成され、前記第3のデューティサイクル差は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する前記2つの直列接続されたスイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差であり、且つ、全ての調整期間において、全てのスイッチング周期の前記第3のデューティサイクル差の平均値又は累積値に基づいて第1の算出結果を生成するように構成され、
    前記符号算出部は、前記第1の算出結果を乗算及び/又は除算して第2の算出結果を取得するように構成され、
    前記電流方向調整信号は、前記第2の算出結果の符号に基づいて決定される、
    請求項5に記載の電圧バランス制御装置。
  7. 前記フィードバック信号は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する前記第1のデューティサイクル差である、
    請求項1に記載の電圧バランス制御装置。
  8. 前記電流方向予測部は、電圧差算出部、デューティサイクル算出部及び符号算出部を備え、
    前記電圧差算出部は、現在の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値及び前回の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値を比較した結果に基づいて、電圧差値を生成するように構成され、
    前記デューティサイクル算出部は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する前記第1のデューティサイクル差を受信し、且つ、調整期間における全てのスイッチング周期の前記第1のデューティサイクル差の平均値又は累積値に基づいて、第3の算出結果を生成するように構成され、
    前記符号算出部は、電圧差値、前記第3の算出結果及び前記前回の調整期間における前記電流方向調整信号の乗算及び/又は除算を実行し、第4の算出結果を取得するように構成され、
    前記電流方向調整信号は、前記第4の算出結果の符号に基づいて決定される、
    請求項7に記載の電圧バランス制御装置。
  9. 前記フィードバック信号は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する電圧誤差値である、
    請求項2に記載の電圧バランス制御装置。
  10. 前記電圧誤差生成部は、比例型レギュレータである、
    請求項9に記載の電圧バランス制御装置。
  11. 前記電流方向予測部は、電圧差算出部、電圧誤差算出部及び符号算出部を備え、
    前記電圧差算出部は、現在の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値及び前回の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値を比較した結果に基づいて、電圧差値を生成するように構成され、
    前記電圧誤差算出部は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する前記電圧誤差値を受信し、且つ、調整期間における全てのスイッチング周期の前記電圧誤差値の平均値又は累積値に基づいて、第5の算出結果を生成するように構成され、
    前記符号算出部は、電圧差値、前記第5の算出結果及び前記前回の調整期間における前記電流方向調整信号の乗算及び/又は除算を実行し、第6の算出結果を取得するように構成され、
    前記電流方向調整信号は、前記第6の算出結果の符号に基づいて決定される、
    請求項10に記載の電圧バランス制御装置。
  12. フライングキャパシタマルチレベルコンバータ用の電圧バランス制御方法であって、
    前記フライングキャパシタマルチレベルコンバータは複数のフライングキャパシタ、偶数個のスイッチ素子及びフィルタリングインダクタを備え、
    前記偶数個のスイッチ素子は、直流電圧源の正極及び負極の間に直列接続され、
    前記フィルタリングインダクタは、前記直列に接続された偶数個のスイッチ素子の中点に接続され、
    各フライングキャパシタの第1端部は、前記中点の第1の側で2つの隣接するスイッチング素子に接続され、
    各フライングキャパシタの第2端部は、前記中点の第2の側で2つの隣接するスイッチング素子に接続され、
    前記偶数個のスイッチ素子は、同じスイッチング周期で動作するように構成され、
    前記方法は、以下のステップ(a)〜(f)を備える、電圧バランス制御方法。
    (a)前記スイッチ素子に対応する複数の制御信号を生成して前記スイッチ素子のオン/オフを制御し、
    (b)前記複数のフライングキャパシタの電圧値を検出して第1の検出結果を出力し、前記フライングキャパシタマルチレベルコンバータの動作状態を検出して第2の検出結果を出力し、
    (c)前記第1の検出結果の電圧値及び前記複数のフライングキャパシタの予想される電圧値を比較した結果に基づいて、複数の第1のデューティサイクル差を生成し、
    (d)第1の検出結果及びフィードバック信号から、選択された前記フライングキャパシタの電圧値に基づいて各調整期間における電流方向調整信号を算出し、前記フィードバック信号は、2つの直列接続された前記スイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差に関連し、前記調整期間は前記スイッチング周期の整数倍であり、
    (e)前記電流方向調整信号及び前記複数の第1のデューティサイクル差の乗算及び/又は除算を実行することで、対応する第2のデューティサイクル差を生成し、
    (f)基準値、前記第2の検出結果及び前記複数の第2のデューティサイクル差に基づいて前記複数の制御信号を生成し、前記複数のフライングキャパシタの電圧値は、複数のデューティサイクル信号に対応する予想される電圧値に維持される。
  13. 前記フィードバック信号は、デューティサイクル差であり、
    前記デューティサイクル差は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する2つの直列接続されたスイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差である、
    請求項12に記載の電圧バランス制御方法。
  14. 前記ステップ(d)は、以下のサブステップ(d1)〜(d3)を備える、請求項13に記載の電圧バランス制御方法。
    (d1)現在の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値及び前回の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値を比較した結果に基づいて、電圧差値を生成し、
    (d2)全てのスイッチング周期において、第3のデューティサイクル差を算出するように構成され、前記第3のデューティサイクル差は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する前記2つの直列接続されたスイッチ素子のデューティサイクル間のデューティサイクル差であり、且つ、全ての調整期間において、全てのスイッチング周期の前記第3のデューティサイクル差の平均値又は累積値に基づいて第1の算出結果を生成し、
    (d3)前記第1の算出結果を乗算及び/又は除算して第2の算出結果を取得するように構成され、前記電流方向調整信号は、前記第2の算出結果の符号に基づいて決定される。
  15. 前記フィードバック信号は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する前記第1のデューティサイクル差である、
    請求項12に記載の電圧バランス制御方法。
  16. 前記ステップ(d)は、以下のサブステップ(d1)〜(d3)を備える、請求項15に記載の電圧バランス制御方法。
    (d1)現在の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値及び前回の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値を比較した結果に基づいて、電圧差値を生成し、
    (d2)前記選択されたフライングキャパシタに対応する前記第1のデューティサイクル差を受信し、且つ、調整期間における全てのスイッチング周期の前記第1のデューティサイクル差の平均値又は累積値に基づいて、第3の算出結果を生成し、
    (d3)電圧差値、前記第3の算出結果及び前記前回の調整期間における前記電流方向調整信号の乗算及び/又は除算を実行し、第4の算出結果を取得するように構成され、前記電流方向調整信号は、前記第4の算出結果の符号に基づいて決定される。
  17. 前記ステップ(c)は、以下のサブステップ(c1)〜(c2)を備える、請求項12に記載電圧バランス制御方法。
    (c1)前記第1の検査結果における前記フライングキャパシタの前記電圧値及び前記対応する予想される電圧値を比較した結果に基づいて、電圧誤差値を生成し、
    (c2)前記電圧誤差値を前記複数の第1のデューティサイクル差に変換する。
  18. 前記フィードバック信号は、前記選択されたフライングキャパシタに対応する前記電圧誤差値である、
    請求項17に記載の電圧バランス制御方法。
  19. 前記ステップ(d)は、以下のサブステップ(d1)〜(d3)を備える、請求項18に記載電圧バランス制御方法。
    (d1)現在の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値及び前回の調整期間における前記選択されたフライングキャパシタの電圧値を比較した結果に基づいて、電圧差値を生成し、
    (d2)前記選択されたフライングキャパシタに対応する前記電圧誤差値を受信し、且つ、調整期間における全てのスイッチング周期の前記電圧誤差値の平均値又は累積値に基づいて、第5の算出結果を生成し、
    (d3)電圧差値、前記第5の算出結果及び前記前回の調整期間における前記電流方向調整信号の乗算及び/又は除算を実行し、第6の算出結果を取得するように構成され、前記電流方向調整信号は、前記第6の算出結果の符号に基づいて決定される。
  20. 前記ステップ(f)は、以下のサブステップ(f1)〜(f3)を備える、請求項12に記載電圧バランス制御方法。
    (f1)前記第2の検出結果及び前記基準値を比較した結果に基づいて、初期デューティサイクル信号を生成し、
    (f2)前記初期デューティサイクル信号及び前記複数の第2のデューティサイクル差に基づいて、前記複数のデューティサイクル信号を変更し、
    (f3)前記変更された複数のデューティサイクル信号を前記複数の制御信号に変換することで、前記スイッチ素子のオン/オフを制御する。
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