JP4003501B2 - 三相pwm整流器の制御装置 - Google Patents

三相pwm整流器の制御装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力される三相交流電力を直流電力に変換する三相PWM整流器に関し、特に、入力される交流波形に同期した直流出力リップルを低減するように制御する三相PWM整流器の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
三相PWM整流器は、通信用機器の電源やバッテリー充電器などに広く用いられている。
【0003】
このような三相PWM整流器を通信用機器の電源として用いる場合、出力電圧リップルに対する評価雑音を数mVから数10mVに抑える必要がある。この評価雑音は、50Hzから5000Hzまでのリップル成分に重みを付けて加算したもので、この重みは、例えば『安藤電気株式会社製 雑音レベル測定器 AD−9430形 説明書 1−1頁』に記載されている。
【0004】
以下、図13に示す第1の従来の三相PWM整流器を参照してその基本的な動作を説明する。交流入力端子R,S,Tには、図示しない三相の系統交流電源が接続される。
【0005】
交流入力端子R,S,Tからの系統交流電圧がそれぞれ交流リアクトルLA,LB,LCに入力され、交流リアクトルLA,LB,LCからの系統交流電圧がそれぞれスイッチング素子QA1,QA2,QB1,QB2,QC1,QC2とダイオードDA1,DA2,DB1,DB2,DC1,DC2により直流電圧に整流され、さらに、コンデンサCoにより平滑されて直流出力端子P,Nを介して図示しない負荷に直流電力が出力される。
【0006】
ここで、直流電圧検出器102は、コンデンサCoの端子間電圧を検出し、直流電圧検出信号Voを出力する。
【0007】
減算器110では、予め設定しておいた基準出力電圧信号V* から直流電圧検出信号Voを引いた差信号ΔVが誤差増幅器111に出力される。さらに、誤差増幅器111では、この差信号ΔVが誤差増幅されて基準電流振幅信号I* として乗算器112A〜112Cに出力される。なお、基準電流振幅信号I* は、基準出力電圧信号V* に対して、直流電圧検出信号Voが大きいときに、小さい数値となる。
【0008】
一方、交流電圧検出器100A,100B,100Cは、交流入力端子R,S,Tに入力される系統交流電圧を検出し、それぞれ交流電圧検出信号vA,vB,vCを出力する。乗算器112A〜112Cでは、それぞれ交流電圧検出信号vA〜vCと基準電流振幅信号I* とが乗算されて基準交流電流信号IA* ,IB* ,IC* が減算器113A〜113Cに出力される。
【0009】
さらに、交流電流検出器101A,101B,101Cは、交流入力端子R,S,Tに流れる系統交流電流を検出し、それぞれ交流電流検出信号iA,iB,iCを出力する。減算器113A〜113Cでは、それぞれ基準交流電流信号IA* ,IB* ,IC* から交流電流検出信号iA ,iB ,iC を引いた差信号ΔIA,ΔIB,ΔICが誤差増幅器114A〜114Cに出力される。
【0010】
次いで、誤差増幅器114A〜114Cでは、この差信号ΔIA,ΔIB,ΔICが誤差積分されて基準電圧信号VA* ,VB* ,VC* として比較器115A〜115Cに出力される。なお、誤差増幅器111および114A〜114Cは比例積分制御器などとする。
【0011】
ここで、比較波発生器116では、系統交流周波数(例えば50Hz)よりも充分に周波数が高い例えば24kHzの三角波からなる比較波Hが発生されて比較器115A〜115Cに出力されている。比較器115A〜115Cでは、基準電圧信号VA* ,VB* ,VC* と比較波Hとの電圧における大小関係が比較され、図14に示すように、前者が大きいときは1、それ以外は0となる比較信号SA,SB,SCがゲート駆動回路103A〜103Cに出力される。
【0012】
図13に戻り、ゲート駆動回路103Aでは、比較器115Aからの比較信号SAが入力され、比較信号SAが1のとき、スイッチング素子QA1を導通させ、比較信号SAが0のとき、スイッチング素子QA2を導通させるオンオフ信号をそれぞれスイッチング素子QA1,QA2に出力する。なお、他のゲート駆動回路103B,103Cは、ゲート駆動回路103Aと同様に動作するので、その説明を省略する。
【0013】
以上のような動作により、交流入力端子R,S,Tに供給される図示しない三相の系統交流電源からの交流電力が直流電力に変換され、直流出力端子P,Nから図示しない負荷に給電される。この際、直流電圧検出信号Voが予め設定しておいた基準出力電圧信号V* よりも小さい時に基準電流振幅信号I* が大きくなるように制御され、さらに、その基準電流振幅信号I* の大きさに従った力率1の系統交流電流が三相の系統交流電源から交流入力端子R,S,Tに供給される。
【0014】
図15は、図13に示す第1の従来の三相PWM整流器の過渡特性を改善した第2の従来の三相PWM整流器の構成を示す図である。
【0015】
その特徴は、図13に示す第1の従来の三相PWM整流器に対して、誤差増幅器111と乗算器112A〜112Cとの間に減算器119を付加し、電流検出器104、ローパスフィルタ117、比例ゲイン118を新たに設けたことにあり、その他の構成は図13に示す第1の従来の三相PWM整流器の構成と同様であり、同一構成には同一符号を付して示している。
【0016】
同図において、電流検出器104は、直流出力端子P,N間に接続されたコンデンサCoに流れる電流を検出して電流検出信号iD をローパスフィルタ117に出力する。
【0017】
ローパスフィルタ117は、電流検出器104から出力される電流検出信号iD から高周波成分を除去したフィルタ信号を出力するアナログフィルタである。
【0018】
比例ゲイン118は、ローパスフィルタ117から出力されるフィルタ信号に対して、予め設定しておいた制御ゲインを掛けて新たなフィルタ信号を生成して減算器119に出力する。
【0019】
減算器119は、誤差増幅器111から出力される基準電流振幅信号I* から制御ゲインが掛けられたフィルタ信号を引いて、この差を新たな基準電流振幅信号I* ´として乗算器112A〜112Cに出力する。
【0020】
第2の従来の三相PWM整流器の構成によれば、電流検出器104により直流出力端子P,N間に接続されているコンデンサCoに流れる電流を検出し、出力される電流検出信号iD から高周波成分が除去され制御ゲインを掛けたフィルタ信号を生成しておき、基準電流振幅信号I* からフィルタ信号を引いて基準電流振幅信号I* を補正するので、直流出力端子P,N間に接続されたコンデンサCoに流れる充放電電流を基準電流振幅信号I* にフィードバックすることができ、コンデンサCoによる充放電を抑え、直流出力電圧の変動を抑えることができるという利点を有している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、交流入力端子R,S,Tに供給されている三相の系統交流電圧にアンバランスなどが生じた場合、直流出力端子P,Nから出力される直流出力電圧に系統交流周波数または系統交流周波数の整数倍の周波数を主成分とする直流電圧脈動が生じる。
【0022】
制御回路をディジタル化することで、装置間のばらつきを低減することができ、さらに、制御回路を構成する部品点数を削減することができるという効果がある。
【0023】
しかしながら、制御回路をディジタル化した場合、直流電圧検出器102や電流検出器104には検出分解能があり、例えば10ビットのA/D変換器を用いると、10ビットのA/D変換器はフルスケールに対して0.1%以下を読めない。
【0024】
例えば、図13に示す構成において、直流出力端子P,Nから出力される直流出力電圧が350Vになるように制御する場合、直流電圧検出器102の検出範囲を0〜400Vとすると、0.4V以下の電圧脈動を制御回路が検出できない。従って、直流出力電圧の脈動は、理論上0.4V以下にすることができないといった問題があった。
【0025】
また、図15に示す構成によれば、直流出力端子P,N間に接続されているコンデンサCoに流れる充放電時の電流リップルが零になるようにフィードバックすることで、直流出力電圧の脈動を低減するようにしている。
【0026】
しかしながら、コンデンサCoに流れる電流を電流検出器104により検出してアナログフィルタであるローパスフィルタ117に入力する場合、ローパスフィルタ117により遅延が生じるので、比例ゲイン118に設定する制御ゲインを大きくできないといった問題があった。一方、ローパスフィルタ117の遅れ時間を小さくすると、電流検出器104の入力に低周波数の電圧脈動を含むスイッチングリップルが重畳するといった問題があった。
【0027】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、直流出力電圧に重畳される直流リップルや直流電圧の変動成分を低減することができる三相PWM整流器の制御回路を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、三相交流入力端子からの三相交流を入力し、複数のスイッチ素子をオンオフして前記三相交流を直流電力に変換し、前記直流電力をコンデンサを接続した直流出力端子から出力する三相PWM整流器において、前記直流出力端子間に接続されたコンデンサの電流を検出して電流検出信号を出力する電流検出器と、この電流検出信号を入力して高周波成分を取り除いたフィルタ信号を出力するアナログフィルタと、補正信号を前記三相交流の1周期分記憶する記憶手段と、前記フィルタ信号を1周期前のタイミングの補正信号に加算し、これを新たな補正信号として前記記憶手段に記憶する遅延積分手段と、前記遅延積分手段から出力される補正信号を用いて前記スイッチ素子のオンオフ時比率を演算する演算手段とを備えたことを要旨とする。
【0029】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記遅延積分手段は、入力信号を前記三相交流の1周期間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、該遅延演算手段からの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、を有し、該加算手段からの加算信号を該遅延演算手段の入力信号とするとともに、前記補正信号として出力することを要旨とする。
【0030】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記遅延積分手段は、入力信号を前記三相交流の1周期間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、該遅延演算手段からの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、を有し、該加算手段からの加算信号を該遅延演算手段の入力信号にして、該遅延演算手段からの出力信号を前記補正信号として出力することを要旨とする。
【0031】
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、前記遅延積分手段は、前記三相交流の1周期をTとし、このTよりも充分短い時間をΔTとするとき、入力信号を(T−ΔT)間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、該遅延演算手段からの出力信号を入力信号として入力してΔT間遅延させて出力信号として出力する遅延手段と、該遅延手段からの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを該系前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、を有し、該加算手段からの加算信号を該遅延演算手段の入力信号にして、該遅延演算手段からの出力信号を前記補正信号として出力することを要旨とする。
【0032】
請求項5記載の発明は、上記課題を解決するため、前記遅延積分手段は、入力信号を前記三相交流の1周期間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、該遅延演算手段からの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、カットオフ周波数が前記三相交流の周波数よりも低く設定され、該加算手段からの加算信号を入力信号として入力して低周波数成分を抽出した信号を出力信号として出力するフィルタと、該加算手段からの加算信号と該フィルタからの出力信号とを減算して減算信号を出力する減算手段と、を有し、該減算手段からの減算信号を該遅延演算手段の入力信号とするとともに、前記補正信号として出力することを要旨とする。
【0033】
請求項6記載の発明は、上記課題を解決するため、前記遅延積分手段は、入力信号を前記三相交流の1周期間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、カットオフ周波数が搬送波周波数の約1/2に設定され、該遅延演算手段からの出力信号を入力信号として入力して高周波成分を除去した信号を出力信号として出力するフィルタと、該フィルタからの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、を有し、該加算手段からの加算信号を該遅延演算手段の入力信号にして、該遅延演算手段からの出力信号を前記補正信号として出力することを要旨とする。
【0034】
請求項7記載の発明は、上記課題を解決するため、前記遅延演算手段は、前記交流電圧検出手段から出力された交流電圧検出信号の極性を示す符号信号を出力する符号検出手段と、該符号信号の1周期間に入力される制御クロックを計数して周期クロック数を出力する周期計数手段と、前記制御クロックを計数して書込アドレスを出力する書込アドレス計数手段と、該書込アドレスから該周期クロック数を引いた値を読出アドレスとして算出する減算手段と、前記制御クロックの周期毎に、該書込アドレスにより入力信号を書き込むとともに、該読出アドレスにより入力信号を読み出して出力信号として出力するメモリ手段とを有することを要旨とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る三相PWM整流器10の構成を示す図である。
【0037】
図1において、三相PWM整流器10は、図示しない三相の系統交流電源に接続されている交流入力端子R,S,Tと、図示しない負荷に接続されている直流出力端子P,Nが設けられている。三相の系統交流電源から交流入力端子R,S,Tに力率1で交流電力を入力して直流電力に変換し、直流出力端子P,Nから負荷に直流電力を供給する。
【0038】
三相PWM整流器10の主回路は、交流入力端子R,S,Tからの系統交流電圧がそれぞれ入力される交流リアクトルLA,LB,LCと、交流リアクトルLA,LB,LCからの系統交流電圧をそれぞれ入力してオンオフ信号に応じて直流電圧に整流する、例えば、IGBTのスイッチング素子QA1,QA2,QB1,QB2,QC1,QC2と、それぞれのスイッチング素子のコレクタ−エミッタ間に逆方向に接続されたダイオードDA1,DA2,DB1,DB2,DC1,DC2と、スイッチング素子およびダイオードにより整流された電圧を平滑するコンデンサCoで構成される。
【0039】
また、三相PWM整流器10の制御部は、交流入力端子R,S,Tからの系統交流電圧をそれぞれ検出して交流電圧検出信号VA,VB,VCを出力する交流電圧検出器100A,100B,100Cと、交流入力端子R,S,Tに流れる系統交流電流をそれぞれ検出して交流電流検出信号IA,IB,ICを出力する交流電流検出器101A,101B,101Cと、コンデンサCoの端子間電圧を検出して直流電圧検出信号Voを出力する直流電圧検出器102と、コンデンサCoに流れる電流を検出して電流検出信号iD を出力する電流検出器104と、後述する制御回路20に設けられた比較器115A〜115Cからの比較信号SA,SB,SCに応じてオンオフ信号をスイッチング素子QA1,QA2,QB1,QB2,QC1,QC2に出力するゲート駆動回路103A〜103Cと、制御回路20で構成される。制御回路20には、減算器110、誤差増幅器111、ローパスフィルタ117、比例ゲイン118、減算器119、乗算器112A〜112C、減算器113A〜113C、誤差増幅器114A〜114C、比較器115A〜115C、比較波発生器116に加えて、遅延積分器120が設けられている。
【0040】
減算器110は、予め設定しておいた基準出力電圧信号V* から直流電圧検出信号Voを引いた差信号ΔVを誤差増幅器111に出力する。誤差増幅器111は、この差信号ΔVを誤差増幅して第1の基準電流振幅信号I* を増幅器119に出力する。
【0041】
ローパスフィルタ117は、電流検出器104から出力された検出電流信号iD から高周波成分を除去したフィルタ信号を出力するアナログフィルタである。
【0042】
遅延積分器120は、ローパスフィルタ117から出力されるフィルタ信号に補正を加えて補正信号iRとして比例ゲイン118に出力する。この遅延積分器120は、補正信号を三相交流の1周期分記憶する記憶手段を構成し、ローパスフィルタ117から出力されるフィルタ信号を1周期前のタイミングの補正信号に加算し、これを新たな補正信号として前記記憶手段に記憶するように動作するものである。
【0043】
なお、演算回路30は、減算器110、誤差増幅器111、減算器119、乗算器112A〜112C、減算器113A〜113C、誤差増幅器114A〜114Cを構成しており、上述した遅延積分器120から出力される補正信号を用いてスイッチング素子QA1,QA2,QB1,QB2,QC1,QC2のオンオフ時比率を演算する演算手段を構成している。
【0044】
詳しくは、図2に示すように、遅延積分器120には、ローパスフィルタ117から出力されるフィルタ信号と系統交流電源の1周期前のタイミングの補正信号をそれぞれ系統交流電源の同位相毎に加算して加算信号を生成するとともに、この加算信号を補正信号iRとして出力する加算器122と、加算器122からの加算信号を入力して系統交流電源の1周期間遅延させて補正信号として加算器122に出力する遅延演算器121とが設けられている。
【0045】
特に、図3に示すように、遅延積分器120は、加算器122から出力される加算信号を補正信号iRとして出力するようにして構成されている。
【0046】
遅延演算器121は、補正信号iRを系統交流電源の1周期間遅延させて加算器122に出力するために、複数の遅延器123を直列接続するようにして構成されており、遅延器123は系統交流電源の周波数よりも充分短い時間の遅延を行う。ディジタル制御を行う場合、この遅延時間を制御周期とすればよく、制御周波数を例えば24kHzとし、系統交流周波数を例えば50Hzとすると、480個の遅延器123により遅延演算器121を実現することができる。なお、遅延演算器121として480ワードのメモリを用いてもよい。
【0047】
比例ゲイン118は、遅延積分器120から出力される補正信号iRに対して、予め設定しておいた制御ゲインを掛けて補正信号iRのゲイン調整を行い減算器119に出力する。
【0048】
減算器119は、誤差増幅器111により出力される第1の基準電流振幅信号I* から比例ゲイン118によりゲイン調整された補正信号iRを引いてこの差を第2の基準電流振幅信号I*’として乗算器112A〜112Cに出力する。
【0049】
乗算器112A〜112Cは、交流電圧検出器100A,100B,100Cから出力される交流電圧検出信号vA,vB,vCと、減算器119から出力される第2の基準電流振幅信号I*’とをそれぞれ乗算して基準交流電流信号IA*
,IB* ,IC* を減算器113A〜113Cに出力する。
【0050】
減算器113A〜113Cは、それぞれ基準交流電流信号IA* ,IB* ,IC* から交流電流検出信号iA ,iB ,iC を引いた差信号ΔIA,ΔIB,ΔICを誤差増幅器114A〜114Cに出力する。
【0051】
誤差増幅器114A〜114Cは、この差信号ΔIA,ΔIB,ΔICを誤差積分して基準電圧信号VA* ,VB* ,VC* として比較器115A〜115Cに出力する。
【0052】
比較波発生器116は、系統交流周波数(例えば50Hz)よりも充分に周波数が高い例えば24kHzの三角波からなる比較波Hを発生して比較器115A〜115Cに出力する。比較器115A〜115Cは、基準電圧信号VA* ,VB* ,VC* と比較波Hとを比較し、図14に示すように、前者が大きいときは1、それ以外は0となる比較信号SA,SB,SCをゲート駆動回路103A〜103Cに出力する。
【0053】
次に、第1の実施の形態に係る三相PWM整流器10の動作について説明する。
【0054】
交流入力端子R,S,Tからの系統交流電圧がそれぞれ交流リアクトルLA,LB,LCに入力され、交流リアクトルLA,LB,LCからの系統交流電圧をスイッチング素子QA1,QA2,QB1,QB2,QC1,QC2とダイオードDA1,DA2,DB1,DB2,DC1,DC2により直流電圧に整流され、さらに、コンデンサCoにより平滑されて直流出力端子P,Nに出力される。
【0055】
ここで、直流出力端子P,N間に接続されたコンデンサCoの端子間電圧は、直流電圧検出器102により検出され直流電圧検出信号Voとして減算器110に出力される。減算器110では、予め設定しておいた基準出力電圧信号V* から直流電圧検出信号Voを引いた差信号ΔVが誤差増幅器111に出力される。さらに、誤差増幅器111では、この差信号ΔVが誤差増幅されて第1の基準電流振幅信号I* が減算器119に出力される。なお、第1の基準電流振幅信号I* は、基準出力電圧信号V* に対して、直流電圧検出信号Voが大きいときに、小さい数値となる。
【0056】
一方、直流出力端子P,N間に接続されたコンデンサCoに流れる電流は、電流検出器104により検出され電流検出信号iD としてローパスフィルタ117に出力される。さらに、ローパスフィルタ117では、電流検出器104により出力された電流検出信号iD から高周波成分を除去したフィルタ信号が遅延積分器120に出力される。
【0057】
遅延積分器120では、ローパスフィルタ117から出力されるフィルタ信号と遅延演算器121から出力される系統交流電源の1周期前のタイミングの補正信号を加算器122によりそれぞれ系統交流電源の同位相毎に加算して加算信号を生成し、加算器122からの加算信号を遅延演算器121に入力して系統交流電源の1周期間遅延させて補正信号として加算器122に出力するとともに、この加算信号を補正信号iRとして比例ゲイン118に出力する。
【0058】
比例ゲイン118では、遅延積分器120から出力される補正信号iRに対して、予め設定しておいた制御ゲインを掛けて補正信号iRのゲイン調整が行われ減算器119に出力される。
【0059】
減算器119では、誤差増幅器111から出力される第1の基準電流振幅信号I* から比例ゲイン118から出力される補正信号iRが引かれてこの差を第2の基準電流振幅信号I*’として乗算器112A〜112Cに出力される。
【0060】
一方、交流入力端子R,S,Tに入力される系統交流電圧は、交流電圧検出器100A,100B,100Cにより検出されそれぞれ交流電圧検出信号vA,vB,vCとして乗算器112A〜112Cに出力される。
【0061】
乗算器112A〜112Cでは、それぞれ交流電圧検出信号vA〜vCと第2の基準電流振幅信号I*’とが乗算されて基準交流電流信号IA* ,IB* ,IC* が減算器113A〜113Cに出力される。
【0062】
さらに、交流リアクトルLA,LB,LCからスイッチング素子QA1,QA2,QB1,QB2,QC1,QC2に供給されているそれぞれの系統交流電流は、交流電流検出器101A,101B,101Cにより検出され交流電流検出信号iA,iB,iCとして出力される。減算器113A〜113Cでは、それぞれ基準交流電流信号IA* ,IB* ,IC* から交流電流検出信号iA,iB,iCを引いた差信号ΔIA,ΔIB,ΔICが誤差増幅器114A〜114Cに出力される。
【0063】
次いで、誤差増幅器114A〜114Cでは、この差信号ΔIA,ΔIB,ΔICが誤差積分されて基準電圧信号VA* ,VB* ,VC* として比較器115A〜115Cに出力される。
【0064】
ここで、比較波発生器116では、系統交流周波数(例えば50Hz)よりも充分に周波数が高い例えば24kHzの三角波からなる比較波Hが発生されて比較器115A〜115Cに出力されている。比較器115A〜115Cでは、基準電圧信号VA* ,VB* ,VC* と比較波Hとの電圧の大小関係が比較され、図14に示すように、前者が大きいときは1、それ以外は0となる比較信号SA,SB,SCがゲート駆動回路103A〜103Cに出力される。
【0065】
図1に戻り、ゲート駆動回路103Aでは、比較器115Aから出力される比較信号SAが入力され、比較信号SAが1のとき、スイッチング素子QA1を導通させ、比較信号SAが0のとき、スイッチング素子QA2を導通させるオンオフ信号をそれぞれスイッチング素子QA1,QA2に出力する。なお、他のゲート駆動回路103B,103Cも、ゲート駆動回路103Aと同様に動作するので、その説明を省略する。
【0066】
このように、三相PWM整流器10によれば、電流検出器104により直流出力端子P,N間に接続されているコンデンサCoに流れる電流を検出し、出力される電流検出信号iD から高周波成分がローパスフィルタ117により除去され、さらに、高周波成分が除去された電流検出信号iD が遅延積分器120にフィルタ信号として入力されて系統交流電源の1周期間遅延された補正信号とこのフィルタ信号とをそれぞれ系統交流電源の同位相毎に加算された新たな補正信号iRが生成され、予め設定しておいた制御ゲインを掛けて補正信号iRのゲイン調整が行われ、第1の基準電流振幅信号I* から補正信号iRを引いて第1の基準電流振幅信号I* を補正するので、直流出力端子P,N間に接続されたコンデンサCoに流れる充放電電流を第2の基準電流振幅信号I*’にフィードバックすることができる。
【0067】
すなわち、遅延積分器120から出力された補正信号iRに制御ゲインを掛けられた補正信号iRを用いて、第1の基準電流振幅信号I* を補正することにより、基準電圧信号VA* ,VB* ,VC* が変化して、オン期間のパルス幅の比率を表す時比率が制御される。
【0068】
コンデンサCoを充電する向きに電流が流れる場合(iD>0)、コンデンサCoの端子間電圧が上昇する向きでリップルが発生する。すなわち、スイッチング素子とダイオードとで構成される整流器は交流電流を流し過ぎたことになる。この図4では、系統交流電源の特定の位相で、常にコンデンサCoを充電する向きに電流が流れる場合、遅延積分器120の出力がプラスに増大する。これにより、この特定位相で第2の基準電流振幅信号I*’を絞ることが達成でき、コンデンサCoの電流リップルを低減することができる。
【0069】
詳しくは、図4に示すように、コンデンサCoの直流出力端子P,Nに発生した電圧10mVの直流リップル(図4(a))に注目すると、電圧10mVの直流リップルは数周期(例えば4T)後に5mV(図4(b))以下まで低減することができる。
【0070】
(変形例1)
次に、図5に示す遅延積分器220は、第1の実施の形態に係る三相PWM整流器10における遅延積分器120の変形例である。
【0071】
この変形例1の特徴は、図5に示す遅延積分器220のように、加算器122から出力される加算信号を遅延演算器121により系統交流電源の1周期間遅延させて補正信号iRとして出力するとともに、遅延演算器121から出力される補正信号iRを加算器122に入力するように構成されている。
【0072】
遅延積分器220では、ローパスフィルタ117から出力されるフィルタ信号と系統交流電源の1周期間遅延させた補正信号iRを加算器122によりそれぞれ系統交流電源の同位相毎に加算して加算信号を生成し、加算器122から出力される加算信号を系統交流電源の1周期間遅延させて補正信号として加算器122に出力するとともに、補正信号iRとして出力する。
【0073】
すなわち、遅延積分器220から出力された補正信号iRに制御ゲインを掛けられた補正信号iRを用いて、第1の基準電流振幅信号I* を補正することにより、基準電圧信号VA* ,VB* ,VC* が変化して、時比率が制御される。
【0074】
コンデンサCoを充電する向きに電流が流れる場合(iD>0)、コンデンサCoの端子間電圧が上昇する向きでリップルが発生する。すなわち、スイッチング素子とダイオードとで構成される整流器は交流電流を流し過ぎたことになる。系統交流電源の特定の位相で、常にコンデンサCoを充電する向きに電流が流れる場合、遅延積分器220の出力がプラスに増大する。これにより、この特定位相で第2の基準電流振幅信号I*’を絞ることが達成でき、コンデンサCoの電流リップルを低減することができる。
【0075】
このように、ローパスフィルタ117から高周波成分が除去された電流検出信号iD が遅延積分器220にフィルタ信号として入力されて系統交流電源の1周期間遅延された補正信号とこのフィルタ信号とをそれぞれ系統交流電源の同位相毎に加算された新たな補正信号iRが生成され、予め設定しておいた制御ゲインを掛けて補正信号iRのゲイン調整が行われ、第1の基準電流振幅信号I* から補正信号iRを引いて第1の基準電流振幅信号I* を補正するので、直流出力端子P,N間に接続されたコンデンサCoに流れる充放電電流を第2の基準電流振幅信号I*’にフィードバックすることができる。
【0076】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る三相PWM整流器10の構成は、図3に示す遅延積分器120に代わって、図6に示す遅延積分器230を用いることにある。
【0077】
本実施の形態における特徴は、図6に示す遅延積分器230のように、加算器122から出力される加算信号を複数の遅延器123により系統交流電源の1周期間よりも2個の遅延器124による2制御同期分短かく遅延させて遅延信号iRとして出力するとともに、最後段に設けられた遅延器123から出力される遅延信号iRを2個の遅延器124により2制御周期分だけ遅延させた後に加算器122に補正信号として入力するように構成されている。この2個の遅延器124は、ローパスフィルタ117による遅れ時間に相当する時間(2制御周期分)だけ補正信号iRを遅延させて加算器122に出力するように構成されている。
【0078】
遅延積分器230では、ローパスフィルタ117から出力されるフィルタ信号と、複数の直列接続されている遅延器123から出力される補正信号iRが2個の遅延器124により2制御周期分だけ遅延させた後に補正信号として加算器122に入力され、フィルタ信号とこの補正信号をそれぞれ系統交流電源の同位相毎に加算された新たな補正信号が生成され、加算器122から出力される加算信号が複数の直列接続されている遅延器123により系統交流電源の1周期間よりも2個の遅延器124による2制御同期分短かく遅延させて補正信号iRとして比例ゲイン118に出力される。
【0079】
ここで、図7(a)には、ローパスフィルタ117から遅延積分器230に出力されるフィルタ信号が示されている。一方、図7(b)には、複数の直列接続されている遅延器123により構成されている遅延演算器121から出力される補正信号iRが示され、さらに、ローパスフィルタ117による遅れ時間に相当する時間だけ遅延させて2個の遅延器124から加算器122に出力した補正信号を示している。
【0080】
すなわち、遅延積分器230から出力された補正信号iRに制御ゲインを掛けられた補正信号iRを用いて、第1の基準電流振幅信号I* を補正することにより、基準電圧信号VA* ,VB* ,VC* が変化して、時比率が制御される。
【0081】
コンデンサCoを充電する向きに電流が流れる場合(iD>0)、コンデンサCoの端子間電圧が上昇する向きでリップルが発生する。すなわち、スイッチング素子とダイオードとで構成される整流器は交流電流を流し過ぎたことになる。この図7では、系統交流電源の特定の位相で、常にコンデンサCoを充電する向きに電流が流れる場合、遅延積分器230の出力がプラスに増大する。これにより、この特定位相で第2の基準電流振幅信号I*’を絞ることが達成でき、コンデンサCoの電流リップルを低減することができる。
【0082】
このように、遅延積分器230に、遅延演算器121から出力される補正信号iRを2制御周期分だけ遅延して加算器122に出力する2個の遅延器124を設けることで、ローパスフィルタ117による遅れ時間を補正することができる。なお、遅延器124は2個に限ったことではない。
【0083】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る三相PWM整流器10の構成は、図3に示す遅延積分器120に代わって、図8に示す遅延積分器240を用いることにある。
【0084】
図1に示す三相PWM整流器10の構成では、誤差増幅器111と遅延積分器120の二つの積分器を有しており、この二つの積分器から出力される信号に付加されている符合が異なる場合、遅延積分器120から出力される補正信号iRが増大して発散することが考えられる。
【0085】
そこで、図8に示す遅延積分器240の特徴は、図3に示す遅延積分器120の構成に加えて、加算器122から出力される加算信号から直流成分を抽出して直流成分の符号を反転して減算器127に出力するローパスフィルタ125を設けたことにある。
【0086】
ローパスフィルタ125は、カットオフ周波数が系統交流周波数(例えば50Hz)よりも低く設定された急峻な遮断特性を有するIIR(Infinite Impulse Response )フィルタから構成されており、加算器122から出力される加算信号から直流成分を抽出して符号を反転して減算器127に出力する。
【0087】
すなわち、遅延積分器240には、ローパスフィルタ117から出力されるフィルタ信号と第1の補正信号をそれぞれ系統交流電源の同位相毎に加算して加算信号を生成する加算器122と、加算器122からの加算信号から第2の補正信号を引いて減算信号を生成する第1の減算器128と、第1の減算器128からの第1の減算信号に所定のゲインを掛けるゲイン器126と、第1の減算信号に所定のゲインを掛けた後に1制御周期分だけ遅延した信号を第2の補正信号として第1の減算器128に出力する遅延器124と、加算器122からの加算信号から遅延器124により出力された第2の補正信号を引いて第2の減算信号を生成するとともに、この第2の減算信号を補正信号iRとして出力する第2の減算器127と、第2の減算器127からの補正信号iRを系統交流電源の1周期間遅延させて第1の補正信号として加算器122に出力する遅延演算器121とが設けられている。
【0088】
特に、加算器122から出力される加算信号に含まれる直流成分は、ローパスフィルタ125により抽出されてこの直流成分を第2の減算信号として第2の減算器127に与えるようにしている。
【0089】
すなわち、ローパスフィルタ125では、第1の減算器128からの第1の減算信号にゲイン器126により所定のゲインを掛けた後に遅延器124により1制御周期分だけ遅延した信号を第2の補正信号として第1の減算器128に出力するので、加算器122から出力される加算信号に含まれる直流成分を抽出することができる。さらに、第2の減算器127では、加算器122から出力される加算信号から直流成分を引くので、第2の減算器127から直流成分が除去された補正信号iRが出力される。
【0090】
この結果、第2の減算器127からは直流成分が除去された信号が出力され、遅延積分器240から出力される補正信号iRが直流的に発散することを防止することができる。
【0091】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る三相PWM整流器10の構成は、図6に示す遅延積分器230に代わって、図9に示す遅延積分器250を用いることにある。
【0092】
本実施の形態における特徴は、図9に示す遅延積分器250のように、遅延器124、ゲイン器130、加算器131により構成されるローパスフィルタ129を有することにある。
【0093】
ローパスフィルタ129は、カットオフ周波数が制御周波数(例えば24KHz)の約1/2程度に設定されたFIR(Finite Impulse Response )フィルタから構成されており、遅延演算器121からの補正信号iRが4個の直列接続されている遅延器124に制御周期毎にシフトされて入力され、それぞれの遅延器124に接続されているそれぞれのゲイン器130を介してそれぞれの補正信号iRにゲイン(k0,k1,k2)が掛けらる。ただし、ゲイン(k0,k1,k2)には、以下の(1)式に示される関係がある。
【0094】
【数1】
k0+2*k1+2*k2≒1
この後、それぞれの積がそれぞれの加算器131により加算され、最後に加算器122に入力され、ローパスフィルタ117から出力されるフィルタ信号とこの補正信号をそれぞれ系統交流電源の同位相毎に加算された新たな補正信号が生成され、加算信号が遅延演算器121により系統交流電源の1周期間遅延された後に補正信号iRとして比例ゲイン118に出力される。
【0095】
図10(a)には、上述した図6に示す遅延積分器230を用いた場合に、コンデンサCoの直流出力端子P,Nに急峻な直流リップルが発生する様子が示されている。
【0096】
一方、図10(b)には、図9に示す遅延積分器250を用いた場合に、コンデンサCoの直流出力端子P,Nから減衰特性を有する直流リップルが発生する様子が示されている。この結果、遅延積分器250から出力される補正信号iRに制御周波数の半分程度以上の高周波成分が重畳されることを防止することができる。
【0097】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係る三相PWM整流器10の構成は、図3,5,6,8,9に示す遅延演算器121に代わって、図11に示す遅延器300を用いることにある。
【0098】
図11に示すように、遅延器300は、デュアルポートRAM310、周期演算器320から構成されている。
【0099】
デュアルポートRAM310は、入力信号INを書込アドレスA1に従ってデータD1に記憶するとともに、読出アドレスA2に従って記憶されているデータD2を読み出して出力信号OUTとして出力する。
【0100】
周期演算器320は、符号検出器321、カウンタ323、ラッチ325、カウンタ327、減算器329から構成されている。
【0101】
符号検出器321は、図1に示す交流電圧検出器100Aにより交流入力端子Rに入力される系統交流電圧を検出して出力された交流電圧検出信号vAをVinとして入力し、交流電圧検出信号vAが0V以上の正の場合に符号S=1を出力し、それ以外は符号S=0を出力する。
【0102】
カウンタ323は、リセット信号に応じてカウント値をリセットした後、入力される制御CLK(例えば24KHz)をカウントしてカウント値CNTをラッチ325に出力する。
【0103】
ラッチ325は、符号検出器321から出力される符号Sが0から1に切替わったタイミングで、カウンタ323によりカウントされたカウント値CNTの値Nを保持する。
【0104】
カウンタ327は、入力される制御CLKをカウントしてカウント値を書込アドレスA1としてデュアルポートRAM310と減算器329に出力する。
【0105】
減算器329は、カウンタ327から出力される書込アドレスA1と、ラッチ325から出力される値Nとに基づいて、書込アドレスA1から値Nを引いて読出アドレスA2を算出し、デュアルポートRAM310に出力する。
【0106】
次に、図12に示すタイミングチャートを参照して、遅延器300の動作について説明する。
【0107】
符号検出器321では、図1に示す交流電圧検出器100Aにより交流入力端子Rに入力される系統交流電圧を検出して出力された交流電圧検出信号vAをVinとして入力し、図12に示すように、交流電圧検出信号vAが0V以上の正の場合に符号S=1を出力し、それ以外は符号S=0を出力する。
【0108】
そして、カウンタ323では、リセット信号に応じてカウント値をリセットした後、入力される制御CLKをカウントしてカウント値CNTをラッチ325に出力する。さらに、ラッチ325は、符号検出器321から出力される符号Sが0から1に切替わったタイミングで、カウンタ323によりカウントされたカウント値CNTの値Nを保持する。例えば、この値Nは、系統交流電源の1周期間に相当する値であって、この値Nに制御CLKの周期を乗算することにより系統交流電源の1周期が知れる。
【0109】
ここで、カウンタ327では、入力される制御CLKをカウントしてカウント値を書込アドレスA1としてデュアルポートRAM310と減算器329に出力する。そして、減算器329は、カウンタ327から出力される書込アドレスA1と、ラッチ325からの値Nとに基づいて、以下に示される(2)式から読出アドレスA2を算出し、デュアルポートRAM310に出力する。
【0110】
【数2】
書込アドレスA1−値N=読出アドレスA2 (2)
この結果、デュアルポートRAM310では、入力信号INを書込アドレスA1に従ってデータD1を記憶するとともに、読出アドレスA2に従って記憶されているデータD2を読み出して出力信号OUTとして出力するので、例えば系統交流電源の周波数が変動した場合でも、系統交流電源の周波数の変動に応じて最新の値N分の遅延動作が可能になるので、系統交流電源の周波数に応じて変動する周期的な直流出力電圧に重畳される直流リップルを低減することができる。
【0111】
また、系統交流電源の周波数が例えば50Hz系から60Hz系に変更された場合でも、変更後の系統交流電源の周波数に応じて変動する周期的な直流リップルを低減することができる。
【0112】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、直流出力端子間に接続されたコンデンサによる充放電を抑え、出力直流電圧の変動を抑えることができ、かつ、周期的に発生する直流出力電圧の脈動などの直流リップルを低減することができる。
【0113】
請求項2記載の本発明によれば、直流出力端子間に接続されたコンデンサに流れる充放電電流を第2の基準電流振幅信号にフィードバックすることができる。この結果、直流出力端子間に接続されたコンデンサによる充放電を抑え、出力直流電圧の変動を抑えることができ、かつ、周期的に発生する直流出力電圧の脈動などの直流リップルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る三相PWM整流器10の構成を示す図である。
【図2】ローパスフィルタ117と遅延積分器120との接続関係を示す図である。
【図3】遅延積分器120の内部構成と加算器122との接続関係を示す図である。
【図4】直流リップルの入力波形(a)、直流リップルの出力波形(b)を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る三相PWM整流器10における遅延積分器の変形例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る三相PWM整流器10における遅延積分器230の構成を示す図である。
【図7】ローパスフィルタ117から遅延積分器230に出力されるフィルタ信号(a)と、遅延積分器230から出力される補正信号iR(b)を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る三相PWM整流器10における遅延積分器240の構成を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る三相PWM整流器10における遅延積分器250の構成を示す図である。
【図10】ローパスフィルタ129がない場合に出力される直流リップル(a)と、ローパスフィルタ129がある場合に出力される直流リップル(b)の様子を示す図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る三相PWM整流器10における遅延器300の構成を示す図である。
【図12】遅延器300の動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図13】第1の従来の三相PWM整流器の構成を示す図である。
【図14】比較器115A〜115Cの動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図15】第2の従来の三相PWM整流器の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 三相PWM整流器
20 制御回路
30 演算回路
100A,100B,100C 交流電圧検出器
101A,101B,101C 交流電流検出器
102 直流電圧検出器
103A〜103C ゲート駆動回路
104 電流検出器
110,119 減算器
111 誤差増幅器
112A〜112C 乗算器
113A〜113C 減算器
114A〜114C 誤差増幅器
115A〜115C 比較器
116 比較波発生器
117,125,129 ローパスフィルタ
118 比例ゲイン
120,220,230,240,250 遅延積分器
121 遅延演算器
122,131 加算器
123,124,300 遅延器
126 ゲイン器
127,128 減算器
130 ゲイン器
310 デュアルポートRAM
320 周期演算器
321 符号検出器
323 カウンタ
325 ラッチ
327 カウンタ
329 減算器
Co コンデンサ
LA,LB,LC 交流リアクトル
QA1,QA2,QB1,QB2,QC1,QC2 スイッチング素子
DA1,DA2,DB1,DB2,DC1,DC2 ダイオード

Claims (7)

  1. 三相交流入力端子からの三相交流を入力し、複数のスイッチ素子をオンオフして前記三相交流を直流電力に変換し、前記直流電力をコンデンサを接続した直流出力端子から出力する三相PWM整流器において、
    前記直流出力端子間に接続されたコンデンサの電流を検出して電流検出信号を出力する電流検出器と、
    この電流検出信号を入力して高周波成分を取り除いたフィルタ信号を出力するアナログフィルタと、
    補正信号を前記三相交流の1周期分記憶する記憶手段と、
    前記フィルタ信号を1周期前のタイミングの補正信号に加算し、これを新たな補正信号として前記記憶手段に記憶する遅延積分手段と、
    前記遅延積分手段から出力される補正信号を用いて前記スイッチ素子のオンオフ時比率を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする三相PWM整流器の制御装置。
  2. 前記遅延積分手段は、
    入力信号を前記三相交流の1周期間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、
    該遅延演算手段からの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、を有し、
    該加算手段からの加算信号を該遅延演算手段の入力信号とするとともに、前記補正信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の三相PWM整流器の制御装置。
  3. 前記遅延積分手段は、
    入力信号を前記三相交流の1周期間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、
    該遅延演算手段からの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、を有し、
    該加算手段からの加算信号を該遅延演算手段の入力信号にして、該遅延演算手段からの出力信号を前記補正信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の三相PWM整流器の制御装置。
  4. 前記遅延積分手段は、
    前記三相交流の1周期をTとし、このTよりも充分短い時間をΔTとするとき、入力信号を(T−ΔT)間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、
    該遅延演算手段からの出力信号を入力信号として入力してΔT間遅延させて出力信号として出力する遅延手段と、
    該遅延手段からの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを該系前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、を有し、
    該加算手段からの加算信号を該遅延演算手段の入力信号にして、該遅延演算手段からの出力信号を前記補正信号として出力することを特徴とする請求項2に記載の三相PWM整流器の制御装置。
  5. 前記遅延積分手段は、
    入力信号を前記三相交流の1周期間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、
    該遅延演算手段からの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、
    カットオフ周波数が前記三相交流の周波数よりも低く設定され、該加算手段からの加算信号を入力信号として入力して低周波数成分を抽出した信号を出力信号として出力するフィルタと、
    該加算手段からの加算信号と該フィルタからの出力信号とを減算して減算信号を出力する減算手段と、を有し、
    該減算手段からの減算信号を該遅延演算手段の入力信号とするとともに、前記補正信号として出力することを特徴とする請求項2に記載の三相PWM整流器の制御装置。
  6. 前記遅延積分手段は、
    入力信号を前記三相交流の1周期間遅延させて出力信号として出力する遅延演算手段と、
    カットオフ周波数が搬送波周波数の約1/2に設定され、該遅延演算手段からの出力信号を入力信号として入力して高周波成分を除去した信号を出力信号として出力するフィルタと、
    該フィルタからの出力信号と前記アナログフィルタからのフィルタ信号とを前記三相交流の同位相毎に加算して加算信号を出力する加算手段と、を有し、
    該加算手段からの加算信号を該遅延演算手段の入力信号にして、該遅延演算手段からの出力信号を前記補正信号として出力することを特徴とする請求項2に記載の三相PWM整流器の制御装置。
  7. 前記遅延演算手段は、
    前記交流電圧検出手段から出力された交流電圧検出信号の極性を示す符号信号を出力する符号検出手段と、
    該符号信号の1周期間に入力される制御クロックを計数して周期クロック数を出力する周期計数手段と、
    前記制御クロックを計数して書込アドレスを出力する書込アドレス計数手段と、
    該書込アドレスから該周期クロック数を引いた値を読出アドレスとして算出する減算手段と、
    前記制御クロックの周期毎に、該書込アドレスにより入力信号を書き込むとともに、該読出アドレスにより入力信号を読み出して出力信号として出力するメモリ手段とを有することを特徴とする請求項2乃至6記載の三相PWM整流器の制御装置。
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