JP6350167B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
半導体素子を内蔵した本体部と、該本体部から突出した板状のパワー端子とを備える半導体モジュールと、
上記パワー端子に溶接され、直流電源と上記半導体素子との間の電流経路をなすと共に、それぞれ板状に形成された一対の直流バスバーと、
該一対の直流バスバーに接続し、上記半導体モジュールに加わる直流電圧を平滑化するコンデンサとを備え、
複数の上記半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する複数の冷却管とを積層して積層体を構成してあり、
複数の上記パワー端子が、該パワー端子の厚さ方向に配列した第1列と第2列とに並べられており、上記第1列と上記第2列とは、上記パワー端子の突出方向と上記厚さ方向との双方に直交する幅方向に隣り合っており、
上記一対の直流バスバーは、上記幅方向における上記直流バスバーの端部である溶接側端部にて、それぞれ異なる列に属する上記パワー端子に溶接され、上記一対の直流バスバーは、上記突出方向に互いに重なり合うように配されており、
上記パワー端子は屈曲しておらず、上記直流バスバーと上記パワー端子とは、該パワー端子の先端面を上記直流バスバーの主面に当接させた状態で、レーザ溶接によって互いに溶接されており、
上記コンデンサは、上記突出方向において上記積層体に隣り合う位置に配され、上記一対の直流バスバーは、上記突出方向において上記コンデンサと上記積層体との間に介在していることを特徴とする電力変換装置にある。
そのため、従来のように、直流バスバーに折曲部を形成する必要がなくなり、この折曲部を、溶接されたパワー端子と共に挿通させるための上記切欠部や穴部を、他方の直流バスバーに形成する必要がなくなる。したがって、一対の直流バスバーが上記突出方向に重なり合う面積を増やすことができ、直流バスバーに寄生するインダクタンスを低減することができる。そのため、半導体モジュールに加わるサージを低減することができる。
上記電力変換装置に係る実施例について、図1〜図8を用いて説明する。本例の電力変換装置1は、直流電力と交流電力との間で電力変換を行う。図1〜図3に示すごとく、本例の電力変換装置1は、複数の半導体モジュール2と、一対の直流バスバー3(3a,3b)とを備える。半導体モジュール2は、半導体素子20(図6参照)を内蔵した本体部21と、該本体部21から突出した板状のパワー端子22とを備える。直流バスバー3は、パワー端子22に溶接されている。直流バスバー3は、直流電源80(図6参照)と半導体素子20との間の電流経路をなしている。一対の直流バスバー3a,3bは、それぞれ板状に形成されている。
図1、図3に示すごとく、直流バスバー3とパワー端子22とは、パワー端子22の先端面29を直流バスバー3の主面34に当接させた状態で、互いに溶接されている。
図2、図4に示すごとく、直流バスバー3a,3b及び交流バスバー60には、レーザビームLを照射した痕である溶接痕330が残っている。
そのため、従来のように、直流バスバーに折曲部を形成する必要がなくなり、この折曲部を、溶接されたパワー端子と共に挿通させるための切欠部や穴部を、他方の直流バスバーに形成する必要がなくなる。したがって、一対の直流バスバー3a,3bがZ方向に重なり合う面積を増やすことができ、直流バスバー3に寄生するインダクタンスを低減することができる。そのため、半導体モジュール2に加わるサージを低減することができる。
このようにすると、直流バスバー3a,3bに寄生するインダクタンスを、より低減しやすくなる。すなわち、図13に示すごとく、遠方直流バスバー3aを、Y方向において基端側端部31aから近い位置に配された列(第2列12)に属するパワー端子22bに溶接し、近方直流バスバー3bを、Y方向において基端側端部31bから遠い位置に配された列(第1列11)に属するパワー端子22aに溶接することも可能である。しかし、この場合、近方直流バスバー3bに、少なくともパワー端子22bが通ることが可能な大きさの孔部300を形成する必要が生じる。そのため、近方直流バスバー3bと遠方直流バスバー3aとが重なる面積が低減し、インダクタンスが僅かに増加する可能性が考えられる。
しかしながら、図1に示すごとく、本例のように、遠方直流バスバー3aを、Y方向において基端側端部31aから遠い位置に配された列(第1列11)に属するパワー端子22aに溶接し、近方直流バスバー3bを、Y方向において基端側端部31bに近い位置に配された列(第2列12)に属するパワー端子22bに溶接すれば、近方直流バスバー3bに孔部300を形成する必要がなくなる。そのため、直流バスバー3a,3bが重なる面積をより増やすことができ、インダクタンスをより低減することが可能になる。
このようにすると、パワー端子22を短くすることができ、パワー端子22に寄生するインダクタンスを低減できる。すなわち、従来から用いられているTIG溶接は、狭い領域にエネルギー(熱)を集中しにくい溶接方法であるため、溶接時に大きな熱を加える必要がある。この熱がパワー端子22を介して半導体モジュール20に伝わると、半導体素子20に熱ストレスが加わるおそれがあるため、TIG溶接を行うときは、パワー端子22のZ方向長さを長くして、パワー端子22を空冷する必要が生じる。そのため、パワー端子22に大きなインダクタンスが寄生しやすくなる。
これに対して、上記レーザ溶接は、狭い領域にエネルギー(熱)を集中できる溶接方法であるため、加える熱量が少なくても、直流バスバーとパワー端子とを溶接することができる。そのため、パワー端子22のZ方向長さを短くしても、溶接時に発生した熱の一部がパワー端子22を介して半導体素子20に伝わる不具合を抑制できる。パワー端子22を短くすれば、パワー端子22に寄生するインダクタンスを低減することが可能になる。そのため、半導体素子20に加わるサージを効果的に抑制することが可能となる。
以下の実施例においては、図面に用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
本例は、直流バスバー3の形状を変更した例である。図10〜図12に示すごとく、本例では、個々の直流バスバー3に、複数のスリット32を形成してある。スリット32は、直流バスバー3の、Y方向におけるバスバーモジュール6側の端面39から、Y方向に延出している。個々のスリット32は、Z方向から見たときに、X方向に隣り合う2つのパワー端子22の間に介在している。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
本例は、直流バスバー3の形状等を変更した例である。図13に示すごとく、本例では、近方直流バスバー3bを、第1列11と第2列12とのうち、基端側端部31bから遠い位置に配した列(第1列11)に属するパワー端子22aに溶接してある。また、遠方直流バスバー3aを、基端側端部31aから近い位置に配した列(第2列12)に属するパワー端子22bに溶接してある。近方直流バスバー3bには、孔部300を形成してある。第2列12に属するパワー端子22bは、孔部300を通り、遠方直流バスバー31aに溶接されている。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
本例は、半導体モジュール2の形状を変更した例である。図14、図15に示すごとく、本例では、1個の半導体モジュール2を用いて電力変換装置1を構成している。本例の半導体モジュール2は、いわゆるIPM(Intelligent Power Module)であり、その内部に複数の半導体素子20と制御回路基板5とが内蔵されている。半導体モジュール2の本体部21からは、複数のパワー端子22が突出している。複数のパワー端子22は、実施例1と同様に、X方向に配列した第1列11と第2列12とに並べられている。第1列11に属するパワー端子22aは、遠方直流バスバー3aに溶接されている。また、第2列12に属するパワー端子22bは、近方直流バスバー3bに溶接されている。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
本例は、図16、図17に示すごとく、フィルタコンデンサ13aと平滑コンデンサ13bとの、2つのコンデンサ13を設けた例である。また、本例の電力変換装置1は、昇圧用のリアクトル17を備える。リアクトル17は、ケース4内に設けられている。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
11 第1列
12 第2列
2 半導体モジュール
20 半導体素子
21 本体部
22 パワー端子
29 先端面
3 直流バスバー
30 溶接側端部
34 主面
Claims (5)
- 直流電力と交流電力との間で電力変換を行う電力変換装置(1)であって、
半導体素子(20)を内蔵した本体部(21)と、該本体部(21)から突出した板状のパワー端子(22)とを備える半導体モジュール(2)と、
上記パワー端子(22)に溶接され、直流電源と上記半導体素子(20)との間の電流経路をなすと共に、それぞれ板状に形成された一対の直流バスバー(3,3a,3b)と、
該一対の直流バスバー(3,3a,3b)に接続し、上記半導体モジュール(2)に加わる直流電圧を平滑化するコンデンサ(13)とを備え、
複数の上記半導体モジュール(2)と、該半導体モジュール(2)を冷却する複数の冷却管(7)とを積層して積層体(10)を構成してあり、
複数の上記パワー端子(22)が、該パワー端子(22)の厚さ方向に配列した第1列(11)と第2列(12)とに並べられており、上記第1列(11)と上記第2列(12)とは、上記パワー端子(22)の突出方向と上記厚さ方向との双方に直交する幅方向に隣り合っており、
上記一対の直流バスバー(3a,3b)は、上記幅方向における上記直流バスバー(3a,3b)の端部である溶接側端部(30)にて、それぞれ異なる列に属する上記パワー端子(22)に溶接され、上記一対の直流バスバー(3a,3b)は、上記突出方向に互いに重なり合うように配されており、
上記パワー端子(22)は屈曲しておらず、上記直流バスバー(3)と上記パワー端子(22)とは、該パワー端子(22)の先端面(29)を上記直流バスバー(3)の主面(34)に当接させた状態で、レーザ溶接によって互いに溶接されており、
上記コンデンサ(13)は、上記突出方向において上記積層体(10)に隣り合う位置に配され、上記一対の直流バスバー(3a,3b)は、上記突出方向において上記コンデンサ(13)と上記積層体(10)との間に介在していることを特徴とする電力変換装置(1)。 - 上記一対の直流バスバー(3)には、上記突出方向において上記本体部(21)から相対的に遠い位置に配された遠方直流バスバー(3a)と、該遠方直流バスバー(3a)よりも上記本体部(21)に近い位置に配された近方直流バスバー(3b)とがあり、上記一対の直流バスバー(3a,3b)は、上記幅方向において上記溶接側端部(30)とは反対側に位置する端部である基端側端部(31)が、上記突出方向に重なり合っており、上記遠方直流バスバー(3a)は、上記第1列(11)と上記第2列(12)とのうち上記幅方向において上記基端側端部(31a)から遠い位置に配された列に属する上記パワー端子(22a)に溶接され、上記近方直流バスバー(3b)は、上記幅方向において上記基端側端部(31b)に近い位置に配された列に属する上記パワー端子(22b)に溶接されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置(1)。
- 個々の上記直流バスバー(3)は、上記半導体モジュール(2)以外の電子部品に接続するための接続端子(37)を備え、上記遠方直流バスバー(3a)が、上記近方直流バスバー(3b)における上記接続端子(37b)以外の全ての部位を、上記突出方向から覆っていることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置(1)。
- 上記遠方直流バスバー(3a)には複数の貫通孔(38)が形成されており、上記近方直流バスバー(3b)における、上記パワー端子(22)に溶接するための部位である溶接部(33b)を、上記貫通孔(38)を通して上記突出方向から個別に視認できるよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置(1)。
- 個々の上記直流バスバー(3a,3b)には、上記幅方向における上記パワー端子(22)側の端面(39)から上記幅方向に延出した複数のスリット(32)が形成され、個々の上記スリット(32)は、上記突出方向から見たときに、上記厚さ方向に隣り合う2つの上記パワー端子(22)の間に介在していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置(1)。
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