JP6349932B2 - パウチの折り曲げ加工方法及び折り曲げ加工装置 - Google Patents
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Description
このシール部を折り曲げる方法として、本出願人はすでに特許文献1に記載のような連続的な折り曲げ加工方法及び折り曲げ加工装置を提案している。
前記折り曲げ加工方法及び折り曲げ加工装置は、パウチを一方向に搬送する搬送機構と、搬送しながらパウチを折り曲げる金型を備えた折り曲げ機構と、折り曲げ部の形状を維持した状態で加熱する加熱機構と、によって構成されている。前記金型には、パウチのシール部を連続的に折り曲げる螺旋状の隙間が設けられ、前記隙間に侵入したシール部を、搬送方向に進むにつれて徐々に折り曲げて、出口側でパウチの収納部側へ折り返すようになっている。
シワの発生を防止するために、加熱機構の加熱温度を下げると折り曲げ部のスプリングバックが大きくなってしまい、応力緩和させるためには加熱時間を長くする必要がある。また、高温で加熱すると、フィルムの組織が結晶化して白化するおそれや、パウチの折り曲げ形状を安定させるための冷却時間も長くなり生産効率が低下する。
搬送されるパウチのシール部を、前記シール部内側縁から前記収納部側に離れた位置を折り曲げ、スプリングバックにより鋭角に折り戻された形状の折り曲げ部の折り曲げ端部を局部的に加熱して応力を緩和し、次いで、前記折り曲げ部を最終的に前記収納部の一方のフィルム面側に折り曲げることを特徴とする。
また、本発明のパウチの折り曲げ加工装置は、前面フィルムと後面フィルムとがシールされたパウチのシール部を収納部の一方のフィルム面側に折り曲げるパウチの折り曲げ加工装置において、
パウチを搬送する搬送機構と、該搬送機構によって搬送されるパウチのシール部を、該シール部の内側縁から収容部側に離れた位置を、収納部の一方のフィルム面側に折り曲げる折り曲げ機構と、スプリングバックにより鋭角に折り戻された形状の折り曲げ部の折り曲げ端部を、前記パウチの外側から前記折り曲げ端部に向かって局部的に加熱する加熱機構と、を備えていることを特徴とする。
本発明の実施形態に係るパウチ1は、図1(A)に示すように、シール部がヒートシールされる前後一対の前面フィルム2Aと後面フィルム2Bを有し、このシール部4,4の間に収納部6が構成されている。ここでは、収納部6のシール部4,4が折り曲げられる側のフィルム面を後面、シール部4、4が見えなくなる側のフィルム面を前面としている。また、前面フィルム2Aと後面フィルム2Bの下端部には二つ折り状態で熱溶着される底面フィルム3が設けられ、前面フィルム2A,後面フィルム2Bと底面フィルム3が底部シール部3aにてヒートシールされている。前面フィルム2A、後面フィルム2Bの上端は開放され、内容物が充填された後にヒートシールされる。
なお、上述した前面フィルム2A,後面フィルム2B及び底面フィルム3は、一般的には、ポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン樹脂の軟質樹脂層と、ポリエステル,ナイロン等の硬質樹脂層が積層された積層フィルムが使用され、軟質樹脂層がヒートシールされている。
そして、図1(B)、(C)に示すように、左右のシール部4、4が、収納部6の一方のフィルム面である後面フィルム2B側に折り曲げられている。
定線7aは、シール内側縁4iから2.5mm程度収納部側へ離れた位置が好ましい。
図示例では、左右のシール部4,4が、いずれも後面フィルム2B側に折り曲げられているが、前面側と後面側にそれぞれ別々に折り曲げてもよい。
本発明の折り曲げ加工方法は、外力を加えてシール部4を折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げ形状を維持した状態で折り曲げ端部7bを局部的に加熱して応力を緩和させ、折り曲げ部7の形状を保持させる加熱工程とを備えた加工方法である。
そして、パウチ1が搬送され、図2(D)、(E)に示すように、折り曲げ部7を鋭角に折り曲げた形状から、収納部6まで折り曲げた形状まで、折り曲げ端部7bを加熱しながら折り曲げ角度を漸次減少させ、折り曲げ部7を形成する。
なお、加熱用インナー金型440に変えて、加熱を行わないインナー金型を用いて、折り曲げ部7の折り曲げ形状を内側から維持するだけでもよい。
折り曲げ加工装置は、パウチ1を搬送する搬送機構20と、パウチ1を予熱するプレヒート機構10と、パウチ1のシール部4を折り曲げる折り曲げ機構30と、折り曲げ機構30によって形成した折り曲げ端部7bを局部的に加熱する加熱機構40と、加熱機構40の下流側に適宜配置される冷却機構50と、を備えている。
搬送機構20は、搬送方向に所定間隔を隔てて、パウチ1の表裏面のそれぞれに配置される一対の搬送ローラ21a,21bからなる搬送手段21(図5参照)が、プレヒート機構10から冷却機構50まで複数配置されており、パウチ1を搬送手段21の搬送ローラ21a,21bで挟んで搬送駆動する。なお、図示していないが、搬送手段21と干渉しないように、パウチを案内する搬送ガイドを設けることができる。また、搬送手段21
は、シール部4を折り曲げた折り曲げ部7を避けて、パウチの収納部6の中央領域を挟んで搬送する。
搬送機構20としては、搬送方向に所定の駆動力を得られれば、特に上述したローラ搬送方式である必要はなく、ベルト駆動やエア搬送機構等、種々の搬送方式を採用することができる。
図4(A)、(B)に示すように、金型310は、シール部4の折り曲げ方向の外側に設けた外型312と、シール部4の折り曲げ方向の内側に設けた内型313と、を備え、これら外型312と内型313との間に隙間311が形成される。
搬送されるパウチ1は、図4(C)に示すように、シール部4が、外型312と内型313との間の隙間311を通過する過程で、搬送方向Xと平行な折り曲げ線予定線7aにて内側に折り曲げられる。そして、シール部4は、内型313の終端を通り過ぎた位置で、外型312により収納部まで折り曲げられる。
また、折り曲げ部7と収納部6の後面フィルム2Bと間には、加熱用インナー金型440が配置され、加熱用インナー金型440と加熱用アウター金型420とによって折り曲げ端部7bの外側と内側を挟む構成となっている。
なお、上述したように、加熱用インナー金型440に変えて、加熱を行わないインナー金型を用いて折り曲げ部7の折り曲げ形状を内側から維持するだけでもよい。
折り曲げ部7は、後面フィルム2Bと前面フィルム2Aを2枚重ねで折り曲げて形成するため、折り曲げ部7の周長は前面フィルム2Aが後面フィルム2Bより長くなる。この周長差によって、前面フィルム2A側が伸ばされ、後面フィルム2B側に弛みが生じ、折り曲げ部7にてシワが発生しやすくなる。そのため、加熱用インナー金型440が、その弛みを収納部6の中央側に寄せることにより、シワの発生を抑制することができる。
加熱機構40を通過したパウチ1は、冷却機構50に送られて冷却され、折り曲げ部7の形状の安定化が行われる。冷却機構50としては、搬送ガイドと、搬送ガイドを冷却水や冷却ガスなどの冷却媒体を流すクーラーや、冷却ファンなどの冷却装置に相当する部品(熱交換ブロック)を冷却するように構成されたものを採用できる。要するに、パウチのシール部の折り曲げ形態を維持した状態で冷却できるものであればよい。
加熱温度としては、従来の方法では170℃程度に加熱する必要があったが、本実施形態のように折り曲げ端部7bを加熱する場合は、140℃程度に加熱するだけで、折り戻しが無くなり、20℃から30℃程度、低温化が可能となった。
図6は、本発明のパウチにおいて、ビード部8を形成する加工の実施形態を示している。以下の説明では、上記実施の形態と異なる点のみについて説明し、同一の構成部分については同一の符号を付して説明は省略するものとする。
本実施形態では、図6(B)に示すように、シール部4を折り曲げた折り曲げ部7の収納部6側の縁部近傍に、外側に張り出すビード部8が形成されている。このビード部8は、折り曲げ部7の全長にわたって延びており、折り曲げ部7の端縁と収納部6のフィルム面との隙間を覆うように形成される。このビード部8は、折り曲げ部7の前面フィルム2Aと後面フィルム2Bの周長差によって、後面フィルム2Bに生じる弛みを利用して形成する。
図6は、本発明の参考例に係るパウチにおいて、ビード部8を形成する加工の実施形態を示している。以下の説明では、上記実施の形態と異なる点のみについて説明し、同一の構成部分については同一の符号を付して説明は省略するものとする。
本参考例では、図6(B)に示すように、シール部4を折り曲げた折り曲げ部7の収納部6側の縁部近傍に、外側に張り出すビード部8が形成されている。このビード部8は、折り曲げ部7の全長にわたって延びており、折り曲げ部7の端縁と収納部6のフィルム面との隙間を覆うように形成される。このビード部8は、折り曲げ部7の前面フィルム2Aと後面フィルム2Bの周長差によって、後面フィルム2Bに生じる弛みを利用して形成する。
なお、図示しないが、他にビード部8を形成するためのビード成形用金型を別途設けてもよい。
そして、図6(D)に示すように、このようなビード部8を設けることにより、上位に重なったパウチ1はビード部8によって折り曲げ部7と後面フィルム2Bのフィルム面との隙間へのはまり込みが防止される。
パウチ1にビード部8が無い場合、図6(C)に示すように、上位のパウチの折り曲げ端部7bが、下位のパウチの折り曲げ部7と後面フィルム2Bのフィルム面との隙間にはまり込む恐れがある。しかし、ビード部8を形成したパウチ1が重なった場合、上位のパウチ1の折り曲げ部7の折り曲げ端部7bが、下位のパウチ1の折り曲げた折り曲げ部7の隙間に入ることを防止することができる。
また、シール部としてサイドシール部を例示して説明したが、サイドシール部に限定されず、トップシール部等パウチの縁部のシール部について適用可能である。
また、折り曲げ機構30については、シール部4を収納部6に接触するまで折り曲げる構成について説明したが、鋭角に折り曲げる程度としてもよい。
さらに、折り曲げ機構30と、加熱機構40を一体のユニットとし、現状の折り曲げ機構30の後半部分の完全に180°折り曲げない中途段階で、加熱機構40を組み付ける構成としてもよい。その場合には、ヒータは加熱機構40の加熱用アウター金型420のみを加熱するようにヒータを配置することが好ましい。
3a 底部シール部、
4 シール部、4i 内側縁、
6 収納部、
7 折り曲げ部、7b 折り曲げ端部
8 ビード部、
10 プレヒート機構
20 搬送機構
21 搬送ローラ対、21a、21b 搬送ローラ
30 折り曲げ機構
310 金型、311 隙間、312 外型、313 内型
40 加熱機構
410 ガイド部、411 第1ガイド、412 第2ガイド
413 出口ガイド、414 ガイド面、420 加熱用アウター金型、430 ヒータ
440 加熱用インナー金型、450 フレーム、451 上フレーム、452 :下フレーム
50 冷却機構
Claims (7)
- 前面フィルムと後面フィルムとがシールされたパウチのシール部を収納部の一方のフィルム面側に折り曲げるパウチの折り曲げ加工方法において、
搬送されるパウチのシール部を、前記シール部内側縁から前記収納部側に離れた位置を折り曲げ、スプリングバックにより鋭角に折り戻された形状の折り曲げ部の折り曲げ端部を局部的に加熱して応力を緩和し、次いで、前記折り曲げ部を最終的に前記収納部の一方のフィルム面側に折り曲げることを特徴とするパウチの折り曲げ加工方法。 - 前記加熱時に、折り曲げ部の折り曲げ形状を内側から維持することを特徴とする請求項1に記載のパウチの折り曲げ加工方法。
- 前記加熱時に、折り曲げ部を支持して加熱する請求項1または2に記載のパウチの折り曲げ加工方法。
- 前面フィルムと後面フィルムとがシールされたパウチのシール部を収納部の一方のフィルム面側に折り曲げるパウチの折り曲げ加工装置において、
パウチを搬送する搬送機構と、該搬送機構によって搬送されるパウチのシール部を、該シール部の内側縁から収容部側に離れた位置を、収納部の一方のフィルム面側に折り曲げる折り曲げ機構と、スプリングバックにより鋭角に折り戻された形状の折り曲げ部の折り曲げ端部を、前記パウチの外側から前記折り曲げ端部に向かって局部的に加熱する加熱機構と、を備えていることを特徴とするパウチの折り曲げ加工装置。 - 前記加熱機構は、折り曲げ機構によって形成した折り曲げ部の形状を維持する第1ガイド部、第2ガイド部、折り曲げ端部に当接する加熱用アウター金型、及びインナー金型を備えている請求項4に記載のパウチの折り曲げ加工装置。
- 前記インナー金型は、加熱を行う加熱用インナー金型である請求項5に記載のパウチの折り曲げ加工装置。
- 前記加熱機構の第1ガイド部の出口側端部に設けられ、角度が漸次減少し前記折り曲げ部をパウチ収納部に接触するように折り曲げる出口ガイドをさらに備える請求項5または6に記載のパウチの折り曲げ加工装置。
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