JP6274027B2 - パウチの製造方法 - Google Patents
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Description
このようなパウチにおいて本発明者等は、パウチのサイドシール部をサイドシール部よりもパウチ内側に位置する折り曲げ線で折り返した折り返し部を形成して成るパウチを提案している(特許文献1及び2等)。かかるパウチは、パウチを構成するフィルムの切断端縁が側面フィルム側に折り返されていることから、パウチを把持する際にフィルムの切断端縁が手に触れることがなく、しかも自立状態での可撓性を有する側面フィルムの折れや座屈を防止することが可能になる。
例えば、上記特許文献1に記載された折り返し部を有するパウチにおいても、パウチの把持用凹部を形成した態様が提案されており(図14)、この特許文献1においては、上下に折り返さない部分を残して高さ方向の一部分だけに折り返し部を形成するか、或いは折り返し部を高さ方向全体に形成し、一部の折り返し幅を大きくすること、或いは折り返し部が形成される前のパウチの幅方向端縁を内側にくぼんだ曲線として、全体もしくは曲線の区間を同じ幅で折り返すこと等によって把持用凹部を形成することが記載されている。
すなわち、特許文献2で提案されているように、搬送されつつあるパウチに連続して折り曲げ加工を施す方法においては、折り曲げ加工が施されるパウチの幅方向の端縁が折り曲げ装置内の金型内を通過することによって折り曲げ加工が施されるが、パウチの搬送方向(パウチの高さ方向)と直交する幅方向を変化させるには、把持用凹部を形成する部分では、金型は他の部分よりパウチの幅方向内方に位置する必要がある。しかしながら、このような折り曲げ加工と把持用凹部を形成する金型の製作は容易でなく、パウチを搬送しながら折り曲げ加工と同時に凹部を形成することは困難であった。
1.前記金型が、搬送される中間パウチの両サイドに位置する一対の回動可能な金型から成り、中間パウチの搬送に合わせて金型間距離を狭めるように両金型を回動した後、元の位置に戻すことにより、搬送される中間パウチの搬送方向長さの中央付近において中間パウチの幅が最小となるように中間パウチの幅を狭めること、
2.前記折り曲げ加工が、前記サイドシール部が金型の間隙を通過することにより、折り曲げ線を軸としてサイドシール部及び折り返し部により形成される折り曲げ角度を漸次減少させることにより施されること、
3.前記中間パウチが、2枚の側面フィルム及び2つ折りしにした底部フィルムがサイドシール部及び底部シール部によりシールされて成り、該中間パウチが、底部側から金型に搬入され、前記底部フィルムの位置する箇所が金型を通過した時点で、金型が回動を開始すること、
4.前記折り曲げ加工が、少なくとも、第一の折り曲げ線でサイドシール部の折り曲げ加工を第一の金型で施す第一の折り曲げ加工と、第一の折り曲げ線よりもパウチ内方に位置する第二の折り曲げ線で、第一の折り曲げ加工後の折り返し部の折り曲げ加工を第二の金型で施す第二の折り曲げ加工から成り、少なくとも第二の金型が上流側を軸に回動可能な金型であること、
が好適である。
しかも本発明においては、金型の可動タイミングを適宜変更することにより、所望の位置にカーブを形成することや、またカーブの大きさや深さを、パウチの大きさや用途に応じて容易に変更することができる。
また本発明のパウチの製造方法においては、多重構造を有する折り返し部が形成されたパウチにおいても、同様にカーブ加工を容易に施すことができ、切断端縁が表面に露出していないパウチにおいても、把持しやすいカーブを形成することができる。
本発明のパウチの製造方法においては、サイドシール部を有する中間パウチを、サイドシール部よりもパウチ内方に位置する折り曲げ線で折り曲げる折り曲げ加工を行う際に、パウチの幅を部分的に狭めるカーブ加工を同時に行うことが重要な特徴である。
図1は、本発明のパウチの製造方法を概略的に説明するための図であり、(A)は折り曲げ加工装置に中間パウチを搬入する前に、中間パウチの幅方向端部の予備加熱を行う工程を示し、(B)は中間パウチの一部が折り曲げ加工装置の回動可能な金型に進入した状態を示す図であり、(C)は中間パウチが更に搬送され、回動可能な金型が回動した状態を示す図であり、(D)は金型から搬出され、折り曲げ加工と共にカーブ加工が施された中間パウチを示す図である。尚、予備加熱工程における加熱装置、及び折り曲げ加工装置における金型は、中間パウチの両方の幅方向端部に対応し、それぞれ一対をなしているが、図では左側のみを記載し、右側はこれらの装置の記載を省略して加熱装置及び金型内でのパウチの形状を示している。
中間パウチ1は折り曲げ加工装置に搬入されると、サイドシール部3a,3bよりもパウチの内側に位置する折り曲げ線6a,6bで折り曲げられることから、折り曲げ加工装置に搬入する前に、加熱装置11で、少なくとも折り曲げ線6a,6bを含む幅方向端部7a,7bを、折り曲げ加工及びカーブ加工が可能になる温度に加熱する。尚、本発明においては、折り曲げ加工と同時にカーブ加工を行うことから、折り曲げ線6a,6bは形成すべきカーブの形状に応じた形状になる。
また金型20は、パウチの搬送方向(図中の矢印)の上流側に、金型20をパウチ側に回動可能とする回転軸21が形成されており、これにより、金型20は回動軸21を中心に、搬送方向と平行な位置からパウチ側に回動する。図1(C)に示すように、この回動する金型20の回動角度θ°(搬送方向に対する角度)の増減に対応して、中間パウチ1の幅方向端部の折り曲げ位置(折り曲げ線6a,6b)が徐々に変化し、形成される折り返し部8a,8bの幅が漸次変化し、折り曲げ加工と同時にパウチの幅方向端部にカーブ加工を施すことが可能になる。
中間パウチ1の幅の寸法が所望の幅に達した時点で、回動可能な金型20の回動角度θを徐々に小さくして初期位置に戻すことにより、開口部5に対応するパウチの幅方向端縁はパウチ軸方向に対して平行になるように折り曲げられた後、中間パウチ1は折り曲げ装置から搬出される。その後、折り返し部8a,8bの折り曲げ状態を安定させるために、加熱及びクーリング工程に賦され(図1(D))、パウチの軸方向の中央付近で最もパウチの幅が狭められたカーブが形成されていると共に、この部分の折り返し部8a,8bの幅が最も大きい折り曲げ加工が施された中間パウチが完成される。
本発明のパウチの製造方法において、図1では、パウチを構成するフィルムの切断端縁がパウチの幅方向端縁に位置することを防止すべく、パウチの軸方向全体にわたって、折り返し部8a,8bが形成されているが、これに限定されるものではなく、特に把持する位置となるパウチの軸方向の中間部分にのみ、折り曲げ加工とカーブ加工を施し、他の部分は折り曲げ加工を施さなくても良い。
次いで、図2(A)に示した一回の折り曲げ加工による折り返し部8の部分を、図2(A)に示す第二の折り曲げ線9を軸に、更に折り曲げ加工を行うことにより、図2(B)に示すように、折り返し部8’は二重構造に形成される。
また、図2(A)に示した一回折り曲げ加工による折り返し部8内に形成された第二の折り曲げ線10を軸に、更に折り曲げ加工を行うことにより、図2(C)に示すように、折り返し部8”は三重構造に形成される。
本発明のパウチの製造方法において、折り曲げ加工及びカーブ加工を行う折り曲げ装置は、中間パウチを搬送させつつ、中間パウチの幅方向端部を折り曲げ線で、側面フィルム側に折り曲げることにより折り曲げ加工を施すと共に、前述したとおり、中間パウチの搬送状況に応じて回動可能な金型を回動させて、徐々に折り曲げ位置を変化させてパウチの幅を狭め、パウチの幅方向端縁にカーブ加工を施す。更に必要により形成された折り返し部の折り曲げ状態を安定させる。
この一対の金型210A,210A及び一対の金型210B,210Bはいずれも、中間パウチの搬送方向(図中、矢印X)の上流側から下流側に向かって、変化する間隙を有しており、中間パウチ1の幅方向端部がこの金型210A及び210B内を通過することによって、折り曲げ線6a,6bでパウチの幅方向端部が折り曲げられて折り返し部8a,8bとなり、この折り返し部8a,8bとパウチの側面フィルムにより形成される折り曲げ角度を漸次減少させて、折り曲げ線よりも外側の幅方向端部を、側面フィルム側に折り曲げる折り曲げ加工が施される。
すなわち、図4(A)において、断面(a)においてはパウチ1の幅方向端部が金型210Aの間隙に入った状態を表し、断面(b)においては下方にL字型にまがった間隙230Aの形状に沿って、折り曲げ線6に沿って折り返し部8が下方に折り曲げられる。更に断面(c)において、折り返し部8とパウチ1との角度を小さくするように折り曲げられる。そして最終的には、断面(d)のように、折り返し部8がパウチ1とほぼ平行になるまで折り曲げられ、第一の折り曲げ加工が終了する。
尚、パウチ1の折り返し部8を一重構造に形成する場合は、上流側に形成された回動軸21を中心に、パウチ側方向に回動可能な第一の金型210Aで折り曲げ加工と共にカーブ加工を施し、第二の金型210Bを不要とすれば良い。
本発明のパウチの製造方法において、折り曲げ加工及びカーブ加工を同時に施すことが可能な中間パウチは、図1に示したように、2枚の側面フィルムをサイドシール部及びボトムシール部でシールした平面状のパウチの他、2枚の側面フィルム及び2つ折りにした底部フィルムを、サイドシール部及びボトムシール部でシールして成るスタンディングパウチや、これらのフィルムが一枚のフィルムから成り、底部となる部分をW状に折り畳んだもの等、従来スタンディングパウチに使用されていた態様を使用することもできる。本発明においては、パウチ側端部の折り曲げ加工によるピラー効果により、パウチの座屈が有効に防止されているため、特にスタンディングパウチの製造に使用することができる。
本発明の中間パウチは、折り曲げ加工及びカーブ加工が施された後、パウチ上方に内容物の注出口が形成されることにより、最終成形品であるパウチとして成形される。本発明においては注出口の形状や形成箇所は、収納する内容物の性状やパウチの大きさ等、パウチの用途に応じて従来公知の形状等を採用することができる。パウチの上方角部に注出口を設ける場合には、前述した折り返し部は注出口を避けてその下部まで形成することが、注出性の点からも望ましい。
ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等のオレフィン系樹脂、アイオノマー樹脂、比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂、ポリエステル乃至コポリエステル樹脂等を挙げることができる。
積層フィルムとしては、前記ヒートシール性熱可塑性樹脂から成るフィルムをパウチの内層とし、種々の熱可塑性樹脂、アルミニウム箔等の金属箔、或いは紙やセロハン等を外層或いは中間層として使用することができる。またパウチにガスバリア性を付与する場合には、エチレンビニルアルコール共重合体、ナイロン又は環状オレフィンコポリマー等のガスバリア性樹脂から成る層、アルミニウムや酸化珪素などの金属酸化物蒸着膜を有する樹脂層、粘土鉱物を含有する樹脂層、アルミニウム等の金属箔を含む従来公知の積層フィルムを使用できる。
Claims (5)
- サイドシール部を有する中間パウチを、少なくともサイドシール部が通過可能な間隙を有する金型を用いて、前記サイドシール部を折り曲げ線で折り曲げ加工するパウチの製造方法において、
前記金型は、中間パウチの搬送方向の上流から下流に向かって、金型と中間パウチとの間の距離を漸次狭めるように上流側を軸に回動可能であり、該回動可能な金型を中間パウチの搬送に合わせて金型と中間パウチとの間の距離を狭めるように金型を回動することにより、搬送される中間パウチの幅を狭めると共に、サイドシール部が前記間隙を通過することにより、中間パウチのサイドシール部を折り曲げ線で折り曲げることを特徴とするパウチの製造方法。 - 前記金型が、搬送される中間パウチの両サイドに位置する一対の回動可能な金型から成り、中間パウチの搬送に合わせて金型間距離を狭めるように両金型を回動した後、元の位置に戻すことにより、搬送される中間パウチの搬送方向長さの中央付近において中間パウチの幅が最小となるように中間パウチの幅を狭める請求項1記載のパウチの製造方法。
- 前記折り曲げ加工が、前記サイドシール部が金型の間隙を通過することにより、折り曲げ線を軸としてサイドシール部及び折り返し部により形成される折り曲げ角度を漸次減少させることにより施される請求項1又は2記載のパウチの製造方法。
- 前記中間パウチが、2枚の側面フィルム及び2つ折りしにした底部フィルムがサイドシール部及び底部シール部によりシールされて成り、該中間パウチが、底部側から金型に搬入され、前記底部フィルムの位置する箇所が金型を通過した時点で、金型が回動を開始する請求項1〜3の何れかに記載のパウチの製造方法。
- 前記折り曲げ加工が、少なくとも、第一の折り曲げ線でサイドシール部の折り曲げ加工を第一の金型で施す第一の折り曲げ加工と、第一の折り曲げ線よりもパウチ内方に位置する第二の折り曲げ線で第一の折り曲げ加工後の折り返し部の折り曲げ加工を第二の金型で施す第二の折り曲げ加工から成り、少なくとも第二の金型が上流側を軸に回動可能な金型である請求項1〜4の何れかに記載のパウチの製造方法。
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