JP6024083B2 - ガセットパウチのエッジ部折り曲げ方法 - Google Patents
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Description
これに対して、ヒートシール部を一カ所にし、一か所のヒートシール部をマチ部側に折り曲げ、エッジ部を山折りの角部となるようにしたものが提案されている(特許文献1、2等参照)。
一方、特許文献2(特開2007−99364号公報)に記載のパウチ容器は、三辺の角部をヒートシールして剛性を高め、エッジ部先端の折り曲げ部を中空にして感触を柔らかくしているが、パウチ本体に対して硬いエッジ部が突出しており、突出したヒートシール部が邪魔になり、依然としてつかみづらいという問題があった。
は、立体形状に膨らませた状態で剛性を有し、しかも角部が滑らで持ちやすい形態のガセットパウチのエッジ部折り曲げ方法を提供することにある。
前面部と後面部の両側縁間に設けられるマチ部を有し、マチ部と前面部及び後面部の角部にエッジ部が形成されているガセットパウチにおいて、
前記前面部側の角部のエッジ部を前面部側に、前記後面部側の角部のエッジ部を後面部側に、前記エッジ部の内側縁近傍のヒートシートされていない部分を折り曲げ線として折り畳み、前記折り曲げ線に沿って成形された折り曲げ部を加熱して残留応力を緩和することにより加熱後のエッジ部の折り畳み状態を維持することを特徴とする。
図1及び図2は、本発明のエッジ部折り曲げ方法が適用されるガセットパウチを示している。
すなわち、このガセットパウチ1は、前面部11と後面部12の両側縁間に設けられるマチ部13とを有し、マチ部13と前面部11及び後面部12の四辺の角部に所定幅でヒートシールされた前面エッジ部21と後面エッジ部22が形成されている(図1(A)、図2(B)参照)。
図示例では、前面部11と後面部12の長手方向の両端部は、その両側縁部が徐々に間隔が狭まる方向に傾斜する傾斜辺となっており、マチ部13についても、対応して傾斜辺となっているが、傾斜辺である必要はなく、直線的に延びる構成であってもよい。
この前面部11側の角部の前面エッジ部21が前面部11側に、後面部12側の角部の後面エッジ部22が後面部12側に折り曲げられている(図1(B)、(C)、図2(C)、(D)参照)。なお、底辺には所定幅の底部シール23が施され、開口部は内容物が充填された後に開口部シール24にてシールされる。
構成となっている場合に限らず、図2(E)、(F)、(G)に示すように、一枚のフィルムF0を折り曲げて一か所で筒状に連結し、角部にエッジ部を形成するような構成としてもよい。図2(E)、(F)は角部の1箇所にヒートシールされた連結部25を設けた
例(図示例では前面エッジ部21と共通)、図2(G)は前面部11(あるいは後面部12)のほぼ中央位置に連結部25を設けた例を示している(背張りタイプ)。また、フィルムの枚数を2枚にして2箇所で接合してもよく、要するに、マチ部13と前面部11及び後面部12との角部に前面エッジ部21と後面エッジ部22を有する構成で、各エッジ部が折り曲げられた構成であればよい。
手にもつことができる。さらに、内容物が減少しても、角部の形状が維持されやすく変形しにくい。
まず、図3(A)、(B)には、エッジ部のヒートシール状態を示している。図に示すように、マチフィルムF3を前面フィルムF1と後面フィルムF2の間に折り込み、所定幅でヒートシールされるが、この状態では、前面エッジ部21と後面エッジ部22が同時に溶着され、前面エッジ部21と後面エッジ部22が強く重なって離れにくい状態となっている。
この重ね折り段階で、前面エッジ部21と後面エッジ部22の厚みの差により重なり面がすべり、折り曲げた際に外側に位置する後面エッジ部22の先端が内側に位置する前面エッジ部21の先端より、所定量だけ外側にずれる。
次いで、図3(D)に示すように、外側の後面エッジ部22を解放すると、重ね折り状態から若干浮き上がろうとするが、外側に位置する後面エッジ部22の方が折り曲げの癖付けが弱いため、スプリングバックによって前面エッジ部21から離れて開いて自然に分離される。この際、内側に位置する前面エッジ部21の先端を押えておくと、分離がより確実になる。
その後、図3(E)、(F)に示すように、分離した後面エッジ部22を反対側の後面側に折り返し、前面エッジ部21は前面部11側に、後面エッジ部22は後面部12側に折り曲げる。
次に、図4〜図11を参照して、上記ガセットパウチのエッジ折り曲げ方法に用いられる折り曲げ装置について説明する。ガセットパウチの左右2カ所ずつ、計4か所のヒートシールされたエッジ部の内側の部分を折り曲げ線として、折り畳む構成となっている。
この折り曲げ装置は、上記した折り曲げ方法を実施するもので、折り曲げ前のガセットパウチ中間製品P(以下、単に中間製品という)を搬送させつつ、中間製品の重なった前面エッジ部21と後面エッジ部22を分離して搬送方向と平行な折り曲げ線にて前面部11側及び後面部12側に折り曲げる折り曲げ加工を施すものである。すなわち、搬送方向の上流側から下流側に向かって、その位置が変化する隙間を有する金型210を、中間製品Pの搬送経路内に設置しておき、中間製品Pの重なった前面エッジ部と後面エッジ部が折り曲げ金型の隙間を通過するように、中間製品Pを搬送させ、隙間の位置の変化に伴って、前面エッジ部21と後面エッジ部22を分離して折り曲げる。
先ず、図4及び図5を参照して、本発明の実施例に係るガセットパウチのエッジ部折り曲げ装置全体の構成について説明する。図4及び図5は、本発明の実施例に係るガセットパウチの折り曲げ装置全体の概略構成図であり、図4は側面側から見た図、図5は上面側から見た図である。ただし、図5においては、後述するパウチフィーダー100については省略している。
なお、ガセットパウチについては、図1では両端部が傾斜するような形態であるが、ここでは四角形状に単純化して記載する。
図5においてパウチフィーダー100が設けられる位置には、このパウチフィーダー100によって送り出されようとしているパウチの中間製品Pを示している。この中間製品P中の点線は、折り曲げ線となる位置を示している。
また、加熱機構300は、折り曲げ加工機構200によって、両サイドが折り畳まれた中間製品Pに対して、折り曲げ部分P1を挟持しながら搬送する一対の回転機構300a,300bを備えている。
次に、図6〜図10を参照して、本発明の折り曲げ方法に用いる金型210について、より詳細に説明する。
図6は金型の全体を斜め上方から見た斜視図である。図7は、金型本体が組み付けられる上フレームと下フレームの内の上フレーム211を取り外した状態を上方から見た斜視図である。図8は金型本体が組み付けられる上フレームと下フレームの内の下フレーム212を取り外したものを斜め下方から見た斜視図である。図10は、分離部の部分拡大図である。
中間製品Pを搬送させることができる。
これらの金型の間には、中間製品Pの折り曲げ加工を受ける幅方向(搬送方向Xに直交する方向)の端部が通過する隙間が形成され、図6,8中のAは、中間製品Pの両端部が、第1外型213と第1内型214との間の隙間に入り込む入口を示している。この隙間は
、その位置(形状)が中間製品Pの搬送方向Xの上流側から下流側に向かって変化するように構成されている。これにより、中間製品Pの端部の当該隙間を通る部分が、上流側から下流側に移動するにつれて、隙間の位置(形状)の変化にしたがって、折り曲げられる。
図9において、点線は第1外型213、第2外型218の内壁面の位置、一点鎖線は第1内型214、第2内型215の内壁面の位置を示している。
搬送方向Xにおいて(3)から(4)に至る領域が分離部に相当し、第1外型213の終端を通り過ぎた後、重なって折り曲げられた外側のエッジ部(後面エッジ部22)を拘束する金型が存在しない所定の間隔が形成されている(図7参照)。
この金型間の間隔で後面エッジ部22の拘束が解放され、後面エッジ部22のスプリングバックにより、内側に折り曲げられていた部分が、少し外側に開いた状態となる。
この間、内側のエッジ部(前面エッジ部21)の先端は、第1外型213の終端に続く分離型219により押さえられ、拘束された状態が続いている。
また、後面エッジ部22の折り曲げ線の外縁に沿って第2内型215が設けられ、後面エッジ部22がスプリングバックする際の型くずれを防止している。
第2外型218の始端は、前面エッジ部21と後面エッジ部22との間に進入するように設けられ、上流の(4)寄りでは、第2外型218が後面エッジ部22の重なって折り曲げられた際の折り曲げ方向の内側(マチ部の内側)、第2内型215が外側に位置している。下流に向かうに従い、隙間の形状は幅方向外側へ折り曲げを開くように変化し、さ
らにそこから後面部側へ折り曲げるように変化する(図7,図8も参照)。すなわち下流(5)寄りでは、第2外型218が後面エッジ部22の後面部側折り曲げ方向の外側、第2内型215が内側に位置している。
この例では、分離型219の終端に続いて、第2外型218の一部が前面エッジ部21の折り曲げ方向外側に位置している。また折り曲げ方向の内側には、第1内型214が(5)に至るまで延設されている。
図10は、分離部について、第1外型213、第1内型214を省いて、前面エッジ部21と後面エッジ部22の重なり状態を模式的に示している。
図に示すように、分離型219が、重ねて折り曲げられた前面エッジ部21と後面エッジ部22のずれ部dに対応して、前面エッジ部21のみを押える前面エッジ部押え219aと、この前面エッジ部押え219aの脇に隣接し後面エッジ部22をすくい上げて分離を補助するショベル状の後面エッジ部ガイド219bとを有する構成で、搬送方向下流側の第2外型218につながっている。
前面エッジ部押え219aによって前面エッジ部21の先端が押えられ、後面エッジ部22の拘束が解放され、後面エッジ部22が持ち上がり、第2外型218と第2内型215の隙間に案内される。
以上のように、中間製品Pは、金型210を通過する過程において、第1外型213と第1内型214による重ね折り加工と、第2外型218と第2内型215による分離折り曲げ加工とが段階的に施される。
次に、図4、図5、図11を参照して、加熱機構300について、より詳細に説明する。図11(A)は本発明の実施例に係る加熱機構の一部を、ガセットパウチの搬送方向Xに見た概略構成図であり、図11(B)は図11(A)中のA−A線断面図である。なお、図11(A)は図4において、矢印V方向に、加熱機構の一部を見た概略構成図である。
横ブレ防止ガイド331が案内されることで、チェーン320の横ブレを防止している。また、加熱ブロック330は略直方体の部材により構成されており、中間製品Pに接する面が平面で構成されている。
なお、加熱機構300を通過した後、中間製品Pは、搬送機構の終端となる不図示のパウチスタッカーに集積される。
本折り曲げ装置によれば、既存の製袋装置で製造できるガセットパウチの中間製品Pを加工対象とし、パウチの中間製品Pを搬送しながら、当該中間製品Pに対して折り曲げ加工を施すことができるため、生産性が高い。また、金型210に設けられた隙間(型本体(第1外型213、第2外型218,第1内型214及び第2内型215)に設けられた隙間)に中間製品Pの端部を通過させるだけで、折り曲げ加工を施すことができ、装置の構成も簡易なもので済む。
これにより、中間製品Pの前面エッジ部21と後面エッジ部22の折り曲げ部を加熱することで軟化させて、より確実に折り曲げ加工を施すことができる。また、金型210にヒータ217が設けられているので、例えば、折り曲げ加工の前工程で加熱を施す場合に比して、装置全体の小型化を図る(中間製品Pの搬送方向の全長を短くする)ことができ、かつ加工工程数を減らすことができる。
これにより、中間製品Pの端部(両サイド)を折り畳んだ状態で、搬送しながら熱処理することができ、折り畳んだ部分の残留応力を十分に緩和することができる。従って、中間製品Pの端部をより確実に折り畳むことができる。また、本実施例に係る装置及び方法により折り曲げ加工を施した後に加熱される場合(例えば、レトルトパウチの場合)、当該加熱温度よりも高い温度で、加熱機構300により加熱しておけば、加工後に加熱されても、折り畳んだ部分が元の状態に戻ってしまうことを抑制できる。
また、上記加熱機構300においては、中間製品Pの折り曲げ部分P1、P1を、当該折り曲げ部分P1に接する面が平面にて構成された加熱ブロック330によって、挟持しながら加熱する構成を採用している。これにより、中間製品Pの前面エッジ部21及び後面エッジ部22の折り畳まれた部分は平面的に挟持かつ加熱されるので、より安定した形状となる。また、加熱ブロック330と中間製品Pとの間で摺動することなく、中間製品Pは搬送される。
また、搬送機構の終端側は、梱包用段ボール箱などへ排出するだけでもよいし、折り曲げ加工されたパウチを印刷、ラベル貼着、充填など適宜の後工程へ受け渡すようにしてもよい。
11 前面部
12 後面部
13 マチ部
21 前面エッジ部
22 後面エッジ部
F1 前面フィルム
F2 後面フィルム
F3 マチフィルム
100 パウチフィーダー
200 折り曲げ加工機構
210 金型
211 上フレーム
212 下フレーム
211a,212a 放熱孔
213 第1外型
214 第1内型
215 第2内型
216 搬送ガイド
217 ヒータ
218 第2外型
219 分離型
220 搬送ローラ
300 加熱機構(熱交換機構)
300a,300b 回転機構
311 従動スプロケット
312 駆動スプロケット
320 チェーン
321 チェーン構成部品
330 加熱ブロック(熱交換ブロック)
331 横ブレ防止ガイド
332 磁石
333 切り欠き部
340 ヒータ
350 磁力反発レール
351 磁石
K 空間部
P 中間製品
Claims (1)
- 前面部と後面部の両側縁間に設けられるマチ部を有し、前記マチ部と前面部及び後面部の角部にエッジ部が形成されているガセットパウチにおいて、
前記前面部側の角部のエッジ部を前面部側に、前記後面部側の角部のエッジ部を後面部側に、前記エッジ部の内側縁近傍のヒートシートされていない部分を折り曲げ線として折り畳み、前記折り曲げ線に沿って成形された折り曲げ部を加熱して残留応力を緩和することにより加熱後のエッジ部の折り畳み状態を維持することを特徴とするガセットパウチのエッジ部折り曲げ方法。
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