JP5785757B2 - Ptp包装機 - Google Patents

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Description

本発明は、PTP包装機に関するもので、特に、熱成形によりポケット部を成形する装置部分の改良に関する。
に関する。
PTP(Press Through Packaging )包装体は、容器(ポケット部)側から中身を押し出して上蓋を破壊し、中身を取り出すようにした包装形態であり、薬品包装における錠剤やカプセルの包装に良く使われる。
図1は、係るPTP包装体を製造するPTP包装機の一例を示している。このPTP包装機は、原反ロール1から連続して引き出される帯状の容器フィルム2を搬送する搬送経路に沿って上流から順に容器フィルム2を加熱する予熱装置3,その予熱装置3で加熱された容器フィルム2をプレス固定して容器フィルム2にポケット部を成形する成形装置4,成形されたポケット部に対して錠剤を供給する製品供給装置5,容器フィルム2に蓋フィルム7を被せた状態で、両フィルムを熱シールして密封するシール装置8,熱シールして密封されたフィルムを所定の大きさに打ち抜く打抜装置9等を備えている。
成形装置4は、固定設置され冷却された上型4aと、昇降移動する冷却された下型4bとを備える。予熱装置3で加熱された容器フィルム2は、上型4aと下型4bの間を間欠移動し、一時停止しているときに下型4bが上昇して両型4a,4b間で容器フィルム2を挟み込んで固定する。下型4bの上面所定位置には多数の凹部が形成され、上型4aの下面にはその凹部に対向する位置に空気孔が形成されており、当該空気孔から圧縮空気を吹き込み加熱軟化した容器フィルム2を凹部に密着させることでポケット部が形成される。成形がしづらいフィルムの場合はアシストプラグを補助的に用いることもある。また、この加熱装置4におけるプレス成形中に、予熱装置3も容器フィルム2を加熱する。この種のPTP包装機は、例えば特許文献1等に開示されている。
特開2003−081206号公報
上述したように、上型4aは固定設置しているので、加熱された容器フィルム2を成形装置4内へ導入並びに上型4a,下型4bの空間を移動する際に、容器フィルム2が冷却された上型4aに接触しないようにするため、図2(a)に示すように、上型4bの下面の高さ位置が、容器フィルム2の搬送ラインよりも高い位置に設定されている。そのため、図2(b)に示すように、ポケット部を成形すべく下型4bが上昇して容器フィルム2を上下から挟み込んでプレスすると、成形装置4における上型4aと下型4bで容器フィルム2を挟んでいる高さ位置と、予熱装置2で加熱しているフィルム部位の高さ位置に段差を生じる。
その結果、容器フィルム2は、成形装置4の後端縁において下方に折り曲げられつつ上型4aと下型4bの側縁でしっかりとプレスされることから、図3に示すように、当該型4a,4bの端に沿って折り癖の付いた筋(成形線L)が形成されてしまう。特に、容器フィルム2が、厚くなりコシもあると、成形線Lがつきやすくなる。
この成形線Lは、PTP包装体の密封性などの性能的には全く問題はないが、線が入るのは見た目が悪く、クレームにつながるおそれもあるため、できれば無くしたい(目立たないようにしたい)という課題がある。
上述した課題を解決するために、本発明のPTP包装機は、(1)搬送途中の容器フィルムを加熱する予熱装置と、その予熱装置の下流側に配置され、その予熱装置で加熱されたフィルム部位にポケット部を成形する成形装置と、その成形装置の下流側に配置され、前記ポケット部に製品を供給する製品供給領域と、その製品供給領域の下流側に配置され、前記容器フィルムに蓋フィルムを覆うとともに、それらを熱シールして密封する装置を備えたPTP包装機であって、前記成形装置は、前記容器フィルムを挟み込む上型と、下型と、それら上型と下型の少なくとも一方を昇降移動させる駆動手段と、を備え、前記上型と前記下型で前記容器フィルムを挟み込む高さ位置は、前記予熱装置で前記容器フィルムを加熱する際の高さ位置と上下にずれた設定とし、 前記上型或いは前記下型の上流側に延長部分を設けることで前記上型と前記下型の対向面の上流側の端部の位置をフィルムの搬送方向にずらし、前記上型と前記下型で前記容器フィルムを挟み込んだ際に前記延長部分の前記上流側の端部で前記容器フィルムが曲げられるように構成した。
上型と下型は、加熱された容器フィルムを挟み込んでプレスすることで所定位置にポケット部を成形するが、この容器フィルムを挟み込む位置は、予熱装置で容器フィルムを加熱する際の高さ位置がずれているため、予熱装置と成形装置との間に位置する容器フィルムは、斜めに進み、成形装置の上流側の端部で折れ曲がる。このとき、本発明では、上型と下型の対向面の上流側の端部の位置をフィルムの搬送方向にずらすように構成したことで、容器フィルムは上下の型で挟まれている範囲では曲げられることがないため、従来のように折り癖の付いた成形線が形成されることがない。一方、ずれた上型又は下型の対向面の端部で曲げられるフィルム部位は上下型のいずれか一方の上流側の端部(延長部分)が存在するだけで、他方の型との間でプレスされることはない。このため折り曲げられる部位は、折り癖のような鮮明な筋が形成されることがなく、しかも、その位置が上流側にずれたことになるため、次のピッチの成形をする際に再度成形装置によってプレスされるから筋がより目立たなくなる。
(2)前記下型と前記上型の少なくとも一方は、前記ポケット部を成形するための本体の上流側の側面に、延長部材を取り付けることで前記延長部分を構成するとよい。このようにすると、上型と下型の上流側の側面の位置を揃えた従来タイプのものと兼用することができる。ポケット部を成形するための本体とは、ポケット部を成形するための本来的な機能を備えた部位である。実施形態及び変形例でいうと、下型のポケット部に形状に符合する凹部を備える部位であったり、上型の圧縮空気を噴射する空気孔を備える部位であったりする。例えば、従来の成形装置の上型と下型の部分であったりする。
(3)前記上型と前記下型で前記容器フィルムを挟み込む高さ位置は、前記予熱装置で前記容器フィルムを加熱する際の高さ位置よりも高い設定とするとともに、前記下型の対向面の上流側の端部の位置を、前記上型よりも前記予熱装置側に位置させることを特徴とする請求項1に記載のPTP包装機。
上型と下型は、加熱された容器フィルムを挟み込んでプレスすることで所定位置にポケット部を成形するが、この容器フィルムを挟み込む位置は、予熱装置で容器フィルムを加熱する際の高さ位置よりも高くなっているため、予熱装置と成形装置との間に位置する容器フィルムは、斜めに上昇する経路をとり、下型の上流側の端部で折れ曲がる。このとき、本発明では、容器フィルムは上型と下型とで挟み込まれた範囲では折り曲げられることがないため、折り癖の付いた成形線が形成されることがない。一方、下型の端部で下方に曲げられる部位は下型の上流側の端部aが存在するのみであるため、当該部位には、折り癖のような鮮明な筋が形成されることがないし、次のピッチを成形する際に再度成形装置によってプレスされるから筋がより目立たなくなる。
成形装置でポケット部を成形しても容器フィルムに、折り癖が付いた成形線が形成されず、見た目も綺麗なPTP包装体を製造することができる。
従来例を示す図である。 従来例を示す図である。 従来例の成形装置でポケット部を成形後の容器フィルムを示す平面図及び側面図である。 本発明に係るPTP包装機の好適な一実施形態を示す全体図である。 要部を示す拡大図である。 作用を説明する図である。
図4は、本発明に係るPTP包装機の好適な一実施形態を示している。同図に示すように、容器フィルム11が巻き取られた原反ロール10が装置の上流側に回転自在にセットされる。この原反ロール10から連続して送りローラ12により容器フィルム11が引き出され、複数のローラ13に掛け渡されて予熱装置15に導かれる。この予熱装置15は、後述するように容器フィルム11の所定部位(ポケット部成形領域)を加熱するようになっている。
この予熱装置15の下流側には近接して成形装置16が配置され、予熱装置15で部分的に加熱したフィルム領域に対して圧空成形により、図5に示すように凹状のポケット部11aを成形する。
成形装置16を通過したポケット部付きの容器フィルム11は、ダンサローラ19、アイドルローラ17に掛け渡されて所定の経路で搬送される。ここで成形装置16とダンサローラ19との間にはフィルムを間欠送りするフィルム送り装置14が配置されおり、当該フィルム送り装置14は容器フィルム11をクランプして1回の成形長さに相当する距離を下降した後、クランプを開放して上昇し元の位置に復帰する動作を繰り返し行う。この容器フィルム11の搬送経路の上方所定位置には錠剤供給装置18が設置され、この錠剤供給装置18から、各ポケット部11aに対して被包装物となる錠剤が供給される。この錠剤供給装置18の下流側にはシール装置20が配置されており、被包装物の供給を受けた容器フィルム11がそのシール装置20に導かれる。
一方、アルミシートからなる蓋フィルム21が巻き取られた原反ロール22は、PTP包装機の搬出端側近傍に回転自在に設置される。その原反ロール22から引き出された蓋フィルム21は、複数のローラ23に掛け渡されて所定の経路を通り、シール装置20に導かれる。そして、このシール装置20にて、蓋フィルム21が容器フィルム11の上面を覆うように被覆されるとともに、両フィルムの接触部位(容器フィルム11のポケット部11aの未形成領域)が熱シールされて密封される。
シール装置20は、ヒータを内蔵するシールローラ20aと、表面に容器フィルム11に形成されたポケット部に符合する凹部を有するシール受けローラ20bとを備えている。そして、シール受けローラ20bに形成する凹部の縦横の間隔は、容器フィルム11に形成されるポケット部11aの縦横の間隔と一致させている。これにより、容器フィルム11は、形成されたポケット部をシール受けローラ20bに設けた凹部内に符合するように位置合わせをした状態で掛け渡される。よって、シール受けローラ20bの回転にともない、容器フィルム11も搬送されることになる。そして、その容器フィルム11と蓋フィルム21とが重ね合わされた状態でシールローラ20aとシール受けローラ20b間を通過することにより、その通過時に両ローラで挟まれ、加熱状態で加圧されてポケット部未形成領域が密着してシールされ、ポケット部内の錠剤が密封される。
さらに、このシール装置20の下流側には、フィルムに対してロット番号等を刻印する刻印装置25,所定個数ずつに分離可能にするためフィルムの所定位置をハーフカットしてポケット部11aの周囲に切断容易線を形成するスリッター装置26、打ち抜き装置27の順に配置される。打ち抜き装置27は、シールされて一体化された容器フィルム11と蓋フィルム21の所定位置を打ち抜いて、n×m個のポケット部11aを備えたPTP包装体を製造するものである。上記した各構成は、基本的に従来のPTP包装機と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
次に本発明の要部となる熱成形によるポケット部を成形する機構を説明する。まず予熱装置15は、容器フィルム11を挟んで上下に対向配置された一対の上部加熱板15aと下部加熱板15bを有する。これら上部,下部加熱板15a,15bはヒータが内蔵されて所定の温度に発熱可能となるとともに、少なくとも一方が昇降移動して容器フィルム11の所定部位に対して接触離反可能としている。これらの上部,下部加熱板15a,15bで容器フィルム11を挟んで所定時間加熱し、成形可能な状態に軟化させる。
この予熱装置15の下流側直近に配置される成形装置16は、所定位置に固定設置される上型31と、昇降移動可能な下型32と、その下型32を昇降させるカム機構の駆動装置33を備えている。
容器フィルム11は、間欠的に搬送され、一時停止している時に前段の上部加熱板15a,下部両加熱板15bで挟まれ、両加熱板15a,15bと接触するフィルム部位が加熱される。ところで、予熱装置15で加熱されるフィルム領域は、成形装置16でポケット部が成形される領域に比べ広い設定としている。そして、間欠的に搬送される容器フィルム11の一回の移動距離は、成形装置16における一回で処理可能な前後方向の長さ分としている。これにより、容器フィルム11は、予熱装置15内を複数回間欠移動しながら進み、予熱されて軟化し、最終的に予熱装置15から搬出された次の一時停止の際に下流側直近に位置する成形装置16にセットされる。そして、そこにおいて下型32が上昇移動することで、上型31,下型32間に位置する容器フィルム11は、下型32によって上方に持ち上げられて両型31,32間で挟み込まれ圧空成形によりポケット部が形成される。すなわち、下型32の上面所定位置には多数の凹部が形成され、上型31の下面にはその凹部に対向する位置に空気孔が形成されており、当該空気孔から圧縮空気を吹き込み加熱軟化した容器フィルム11を凹部に密着させることでポケット部が形成される。なお、圧空成形の他、プラグピンによる成形又は圧空成形とプラグピンとの組み合わせによってもポケット部の成形は可能である。
図5(a)に拡大して示すように、下型32の上面の上流側(予熱装置15側)の端部32aを、上型31のそれよりも上流側(予熱装置15側)に突出させる。本実施形態では、下型32の上流側の側面32bの位置を全体的に予熱装置15に近接するような位置に配置したが、上面側の一部を突出させる形態でも良い。
また、下型32は、その全体を一体成形により形成しても良いが、本実施形態では、本体35の上流側側面35aに延長部材36を貼り付けることで、下型32の全長を長くするようにしている。このように延長部材36を貼り付ける構成を採ることで、既存の上型と下型の上流側の位置を揃えた成形装置に用いられる下型と兼用することができる。また、延長部材36は、本体35と同一材料でも良いし異なる材料でも良い。但し、端部32aの位置は、少なくとも次に成形が行われるフィルム部位のうち、最前のポケット部の成形予定箇所と干渉しないようにする必要がある。
また、下型32の上流側の端部32aの位置は、図5(b)に示すように、次に成形装置16でプレスして形成するポケット部11aの形成予定位置には重ならないようにしている。すなわち、係るポケット部11aの形成予定領域は、予熱装置15で加熱できるようなレイアウトをとる。つまり、仮に予熱装置15と成形装置16との間を広げ、下方32の端部32aの位置を、上型31よりも大きく突出させて次のポケット部11aの形成領域まで至ると、その部分が十分に加熱されずポケット部が形成できなくなるためである。
図6(a)に示すように、上型31の下面の高さ位置が、容器フィルム11の搬送ラインよりも高い位置に設定されているため、ポケット部の成形時には図6(b)に示すように、下型32が上昇して容器フィルム11を押し上げ、成形装置16における上型31と下型32で容器フィルム11を挟んでいる高さ位置は、予熱装置15で加熱している容器フィルム11の高さ位置よりも高くなる。その結果予熱装置15と形成装置16の間に位置する容器フィルム11のフィルム部位は、斜めに上昇する経路をとり、成形装置16の上流側端で折り曲げられるものの本実施形態では上型31と下型32の上流側の端部の位置を変えたため、係る曲げられる部位は下型32の上流側の端部32aが存在するだけで、従来のように両型31,32で挟まれている範囲においては下方に折れ曲がった状態でプレスされることはない。よって、従来のように折り癖の付いた成形線Lが形成されずにすむ。一方、成形装置16の上流側端で下方に曲げられる部位はその位置が上流側にずれたことになるため、次のピッチの成形をする際に再度成形装置によってプレスされるから、成形線はより目立たなくなる。
さらに、延長部材36を本体35と異なる材料で形成した場合に、その材料を弾力性を有するものとした場合、予熱装置15から成形装置16までの容器フィルム11はなだらかな円弧に沿って進むため、フィルムが曲げられることによる成形線の形成をより確実に抑制できる。
本実施形態では、成形装置16が容器フィルム11を挟み込む位置が容器フィルム11の搬送ラインよりも高く設定されているが、当該位置が低く設定されている場合には、上型31の対向面の上流側端部を下型32よりも予熱装置側に位置させると良い。
11 容器フィルム
15 予熱装置
16 成形装置
31 上型
32 下型
32a 端部

Claims (3)

  1. 搬送途中の容器フィルムを加熱する予熱装置と、
    その予熱装置の下流側に配置され、その予熱装置で加熱されたフィルム部位にポケット部を成形する成形装置と、
    その成形装置の下流側に配置され、前記ポケット部に製品を供給する製品供給領域と、
    その製品供給領域の下流側に配置され、前記容器フィルムに蓋フィルムを覆うとともに、それらを熱シールして密封する装置を備えたPTP包装機であって、
    前記成形装置は、前記容器フィルムを挟み込む上型と、下型と、それら上型と下型の少なくとも一方を昇降移動させる駆動手段と、を備え、
    前記上型と前記下型で前記容器フィルムを挟み込む高さ位置は、前記予熱装置で前記容器フィルムを加熱する際の高さ位置と上下にずれた設定とし、
    前記上型或いは前記下型の上流側に延長部分を設けることで前記上型と前記下型の対向面の上流側の端部の位置をフィルムの搬送方向にずらし、前記上型と前記下型で前記容器フィルムを挟み込んだ際に前記延長部分の前記上流側の端部で前記容器フィルムが曲げられるようにしたことを特徴とするPTP包装機。
  2. 前記下型と前記上型の少なくとも一方は、前記ポケット部を成形するための本体の上流側の側面に、延長部材を取り付けることで前記延長部分を構成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のPTP包装機。
  3. 前記上型と前記下型で前記容器フィルムを挟み込む高さ位置は、前記予熱装置で前記容器フィルムを加熱する際の高さ位置よりも高く設定し、
    前記下型の対向面の上流側の端部の位置を、前記上型よりも前記予熱装置側に位置させることを特徴とする請求項1または2に記載のPTP包装機。
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