JP6349867B2 - 車両用ダクト部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の車両用ダクト部材は、車両の空調設備に連結されて空気流通路を形成する。特に本発明の車両用ダクト部材は、空気流通路の壁を形成する部位として圧縮成形領域及び増厚成形領域を備える。このうち圧縮生成領域は、熱可塑性発泡樹脂材料の積層体を厚み方向に圧縮して成形したものであり、増厚成形領域は、熱可塑性発泡樹脂材料の積層体を厚み方向に圧縮して成形したものであるが、その成形過程で圧縮成形領域よりも層厚が増されることにより、熱可塑性発泡樹脂材料の発泡倍率が圧縮成形領域に比較して高く設定されている。
本発明の車両用ダクト部材は、車両の構成部材に取り付けられた状態で、その構成部材を空気流通路の壁の一部とする態様であってもよい。
この場合、車両用ダクト部材は、ダクト壁本体及びフランジ部から構成される。ダクト壁本体は、車両の構成部材に対向する一端が開口し、他端が閉塞されている。そして、ダクト壁本体は、一端の開口から他端に向かう窪み形状(例えば断面ハット形状)をなすことで空気流通路の壁を構成する部位となる。またフランジ部は、ダクト壁本体の開口の周囲に形成されて構成部材に密着する。
本発明の車両用ダクト部材は、別途独立した態様であってもよい。この第2態様は、上述した第1態様と同じ一群に属していない。
すなわち、本発明の車両用ダクト部材は、一対をなすダクト半体が相互に連結された状態で内部に空気流通路を形成し、車両の空調設備に連結して使用される態様である。
この場合、一対をなすダクト半体は、それぞれダクト壁本体及びフランジ部から構成される。ダクト壁本体は、一対をなすダクト半体の連結に際して、互いに対向する一端が開口し、他端が閉塞されて一端の開口から他端に向かう窪み形状(例えば断面ハット形状)をなすことにより空気流通路の壁を構成する部位となる。フランジ部は、ダクト壁本体の一端開口の周囲に形成されており、一対をなすダクト半体の連結に際して相互に密着する。
第3態様は、上記の独立した態様(第2態様)と異なり、第1態様と同じ一群に属するものである。
すなわち、本発明の車両用ダクト部材は、「圧縮成形領域」及び「増厚成形領域」の他に空気流通路の壁を構成する部位として「中空成形領域」をさらに備えることができる。「中空成形領域」は、熱可塑性発泡樹脂材料の層を積層することなく、間に中空部を存して成形されることで内部に空気流通路を形成するものである。この場合、「中空成形領域」により単独で内部に空気流通路を形成する態様と、車両の構成部材に取り付けられた状態でこれを空気流通路の壁の一部とする態様とを混在させた構造とすることができる。
先ず、溶融状態で発泡剤を含有した熱可塑性樹脂の材料を筒状又は一対のシート状にして押し出し、複数の分割された成形型の間に配置する。
〔成形工程〕
次に、複数の成形型を型締めすることにより、成形型の成形面に沿って材料の積層体を圧縮成形する。
〔減圧工程〕
そして、上記の成形工程で行われる圧縮成形の過程で成形面の少なくとも一部を材料から後退させることにより、この後退させた領域内を減圧する。「少なくとも一部」であるから、成形面の全域を材料から後退させ、全域内を減圧することとしてもよい。
すなわち、製造方法の態様1は、成形工程及び減圧工程を通じて互いに一対をなすダクト半体を成形した後、これら一対のダクト半体を相互に連結して内部に空気流通路を形成する形態の車両用ダクト部材を得る連結工程をさらに有するものである。
態様1によれば、上述した第2態様の車両用ダクト部材を好適に製造することができる。
すなわち、成形工程では、車両用ダクト部材となる部位の全体を材料の積層体で構成される圧縮成形領域として成形し、減圧工程では、減圧した領域内で材料の積層体の層厚が増されることにより、材料の発泡倍率が圧縮成形領域に比較して高く設定された増厚成形領域を部位の一部として成形する。
図2は、第1実施形態のダクト部材10を示す図である。図2中(A)にはダクト部材10の全体的な形状が斜視図で示されており、図2中(B)にはダクト部材10の構造が取り付け時の断面図にて示されている。
ここで、ダクト部材10は、2つの発泡樹脂材料層10a,10bを重ね合わせて積層体となし、これを厚み方向に圧縮成形して製造されたものである。このためダクト部材10の起立壁12、片側壁14及びフランジ部16の各部位は、いずれも発泡樹脂材料層10a,10bの積層体から構成されている。このうち、特に起立壁12及びフランジ部16については、発泡樹脂材料層10a,10bの積層体が圧縮成形された領域(圧縮成形領域)を含むことで適度な剛性を有するとともに、発泡樹脂による断熱性をも有している。
また、片側壁14については、他の起立壁12に比較して厚みが大きく、発泡樹脂材料層10a,10bの積層体が厚みを増された(増厚された)状態にある。このような積層体の厚みを増された領域(「増厚成形領域15」として示す)は片側壁14の長手方向の全域に亘って延びており、これにより片側壁14は、その他の起立壁12に比較して増厚による発泡倍率の向上が図られている。例えば、起立壁12での発泡樹脂材料層10a,10bの発泡倍率が2倍〜5倍程度であるとすると、片側壁14の増厚成形領域15での発泡倍率は10倍〜20倍程度まで高く設定されている。このような増厚成形領域15が片側壁14に含まれていることにより、発泡樹脂材料層10a,10bの圧縮成形による適度な剛性を維持しつつ、増厚成形領域15での断熱性をより高くして、ダクト部材10全体としての断熱性能を向上することができる。
図3から図5は、第1実施形態のダクト部材10の製造方法における各工程を示す図である。第1実施形態のダクト部材10は、以下の製造方法を用いて製造することができる。
溶融状態で発泡剤を含有した熱可塑性樹脂の材料を筒状パリソン100にして押し出し、分割された成形型102,102の間に配置する。なお、ここでは筒状パリソン100を例に挙げているが、熱可塑性樹脂の材料を一対のシート状にして押し出してもよい。また、筒状パリソン100の押し出しには公知の手法を用いることができるので、ここでは図示を省略する。
成形型102,104は、予めダクト部材10の成形に適した形状に加工されたものとして用意されている。このうち、一方の成形型102がダクト部材10の下端側に対応した形状(凹状成形面)を有しており、他方の成形型104が上端の開口側に対応した形状(凸状成形面)を有している。また、一方の成形型102はスライドコア106及び可動空間108を有しており、スライドコア106が可動空間108内にてスライド可能となっている。
2つの成形型102,104を型締めする。これにより、素材であった筒状パリソン100がつぶれて発泡樹脂材料の積層体110となる。さらに、型締めで積層体110に圧縮(コンプレッション)を加えることにより、成形型102,104の成形面に沿って積層体110が圧縮成形される。なお、圧縮成形の開始時において、スライドコア106は最も前進した初期位置(成形面が周囲と連なる位置)にある。
図5中(A):積層体110を圧縮成形する過程で、スライドコア106を可動空間108内に後退(いわゆる「コアバック」)させる。これにより、型締めされた状態の成形型102,104内でスライドコア106に対応する領域内が減圧され、スライドコア106の後退に追従して積層体110の厚みが増加する。その結果、スライドコア106に対応する領域内で積層体110の発泡倍率をその他の領域に比較して高くすることができる。
図7から図10は、製造方法(その2)における各工程を示す図である。第1実施形態のダクト部材10は、製造方法(その2)を用いて製造することもでき、その場合の構造は上記と異なったものとなる。なお、以下の説明では、製造方法(その1)と共通する事項には図示も含めて同一の符号を付し、重複した説明を適宜省略するものとする。
ここでも同様に、溶融状態で発泡剤を含有した熱可塑性樹脂の材料を筒状パリソン100にして押し出し、分割された成形型102,102の間に配置する。ここでも同様に、熱可塑性樹脂の材料を一対のシート状にして押し出してもよい。
スライドコア106は、ダクト部材10の全体(ピンチオフ部、バリ部分を除く成形品全域)に対応した形態となっており、その分、製造方法(その1)で用いたものに比較して大きくなっている。可動空間108についても同様である。
2つの成形型102,104を型締めし、素材であった筒状パリソン100がつぶれて発泡樹脂材料の積層体110となる。ここでも同様に、型締めで積層体110に圧縮(コンプレッション)を加え、成形型102,104の成形面に沿って積層体110を圧縮成形する。これにより、成形過程においてダクト部材10となる予定の部位全体が一時的に圧縮成形領域として成形されることになる。
図9中(A):同様に、スライドコア106を可動空間108内にコアバックさせる。これにより、スライドコア106に対応する積層体110の全体(全域内)が減圧され、スライドコア106の後退に追従して積層体110全体の厚みが増加する。その結果、一時的に圧縮成形領域として成形されていた積層体110は、その全体の層厚及び発泡倍率が増加されて増厚成形領域15として成形されることになる。
図11は、第2実施形態のダクト部材20を示す図である。図11中(A)には、完成状態でのダクト部材20の形状が斜視図で示されており、図11中(B)にはダクト部材20の構成部品が分解斜視図で示されている。
図12は、空気の流通方向でみたダクト部材20の縦断面図である。第2実施形態のダクト部材20においては、各ダクト半体21が2つの発泡樹脂材料層21a,21bを重ね合わせて積層体となし、これを厚み方向に圧縮成形して製造されたものとなっている。このため各ダクト半体21の起立壁22、片側壁24及びフランジ部26の各部位は、いずれも発泡樹脂材料層21a,21bの積層体から構成されている。このうち、特に起立壁22及びフランジ部26については、発泡樹脂材料層21a,21bの積層体が圧縮成形された領域(圧縮成形領域)を含むことで適度な剛性を有するとともに、発泡樹脂による断熱性をも有している。
また、各ダクト半体21の片側壁24については、その他の起立壁22に比較して厚みが大きく、発泡樹脂材料層21a,21bの積層体が厚みを増された(増厚された)状態にある。このような積層体の厚みを増された領域(「増厚成形領域25」として示す)は片側壁24の長手方向の全域に亘って延びており、これにより片側壁24は、その他の起立壁22に比較して増厚による発泡倍率の向上が図られている。例えば、起立壁22での発泡樹脂材料層21a,21bの発泡倍率が2倍〜5倍程度であるとすると、片側壁24の増厚成形領域25での発泡倍率は10倍〜20倍程度まで高く設定されている。各ダクト半体21において、このような増厚成形領域25が片側壁24に含まれていることにより、発泡樹脂材料層21a,21bの圧縮成形による適度な剛性を維持しつつ、増厚成形領域25での断熱性をより高くして、ダクト部材20全体としての断熱性能を向上することができる。
第2実施形態のダクト部材20は、一対のダクト半体21を個別に成形し、これらを相互に連結して製造することができる。なお、ここでは図示を省略しているかわり、適宜、第1実施形態で用いた図4〜図6等を参考にするものとする。
個々のダクト半体21を成形するため、溶融状態で発泡剤を含有した熱可塑性樹脂の材料を筒状パリソンにして押し出し、分割された2つの成形型の間に配置する。ここでも同様に、熱可塑性樹脂の材料を一対のシート状にして押し出してもよい。
2つの成形型は、予めダクト半体21の成形に適した形状に加工されたものとして用意されているものとする。このうち、一方の成形型がダクト半体21の他端側に対応した形状(凹状成形面)を有しており、他方の成形型が一端の開口側に対応した形状(凸状成形面)を有しているものとする。また、一方の成形型はスライドコア及び可動空間を有するものとし、スライドコアが可動空間内にてスライド可能となっている。このときスライドコアは、成形品としてのダクト半体21でみて片側壁24に対応する部位に配置されているものとする。
2つの成形型を型締めする。これにより、素材であった筒状パリソンが型内つぶれ、発泡樹脂材料の積層体となる。さらに、型締めで積層体に圧縮(コンプレッション)を加えることにより、各成形型の成形面に沿って積層体が圧縮成形される。なお、圧縮成形の開始時において、スライドコアは最も前進した初期位置(成形面が周囲と連なる位置)にあるものとする。
積層体を圧縮成形する過程で、スライドコアを可動空間内に後退させる。これにより、型締めされた状態の成形型内でスライドコアに対応する領域内が減圧され、スライドコアの後退に追従して積層体の厚みが増加する。その結果、スライドコアに対応する領域内で積層体の発泡倍率をその他の領域に比較して高くすることができる。
そして、上記のようにして得られた一対のダクト半体21を互いに連結し、ダクト部材20を完成させる。
ここでも図示を省略しているかわり、適宜、第1実施形態の製造方法(その2)で用いた図7〜図10等を参考にするものとする。
個々のダクト半体21を成形するため、溶融状態で発泡剤を含有した熱可塑性樹脂の材料を筒状パリソンにして押し出し、分割された2つの成形型の間に配置する。ここでも同様に、熱可塑性樹脂の材料を一対のシート状にして押し出してもよい。
例えば、一方の成形型はスライドコア及び可動空間を有するものとする。このときスライドコアは、成形品としてのダクト半体21の全部(全域)に対応しているものとする。
2つの成形型を型締めする。これにより、素材であった筒状パリソンが型内つぶれ、発泡樹脂材料の積層体となる。さらに、型締めで積層体に圧縮(コンプレッション)を加えることにより、各成形型の成形面に沿って積層体が圧縮成形される。これにより、積層体の全体が一時的に圧縮成形領域として成形されることになる。
積層体を圧縮成形する過程で、スライドコアを可動空間内に後退(コアバック)させる。これにより、型締めされた状態の成形型内でスライドコアに対応する積層体の全体(全域内)が減圧され、スライドコアの後退に追従して積層体の厚みが全体的に増加する。その結果、一時的に圧縮成形領域として成形されていた積層体は、その全体の層厚及び発泡倍率が増加されて増厚成形領域25として成形されることになる。
そして、上記のようにして得られた一対のダクト半体21を互いに連結し、ダクト部材20を完成させる。
図13は、第3実施形態のダクト部材30を示す斜視図である。なお、図13ではダクト部材30が実際の取り付け方向と逆向き(上下反転)の状態で示されているものとする。
図14は、空気の流通方向でみたダクト部材30の縦断面図(図13中のIX−IX線に沿う断面図)である。ダクト部材30の取り付け状態で断面ハット形状をなす部位は、起立壁32及び片側壁34がルーフトリム2の一部とともに空気流通路18の壁を構成している。ここでも同様に、ダクト部材30は2つの発泡樹脂材料層30a,30bを重ね合わせて積層体となし、これを厚み方向に圧縮成形して製造されたものである。このため起立壁32、片側壁34及びフランジ部36の各部位は、いずれも発泡樹脂材料層30a,30bの積層体から構成されている。このうち、特に起立壁32及びフランジ部36については、発泡樹脂材料層30a,30bの積層体が圧縮成形された領域(圧縮成形領域)を含むことで適度な剛性を有するとともに、発泡樹脂による断熱性をも有している。
また、片側壁34については、その他の起立壁32に比較して厚みが大きく、発泡樹脂材料層30a,30bの積層体が厚みを増された(増厚された)状態にある。このような積層体の厚みを増された領域(「増厚成形領域35」として示す)は片側壁34の長手方向の全域に亘ってL字形状に延びており、これにより片側壁34は、その他の起立壁32に比較して増厚による発泡倍率の向上が図られている。例えば、起立壁32での発泡樹脂材料層30a,30bの発泡倍率が2倍〜5倍程度であるとすると、片側壁34の増厚成形領域35での発泡倍率は10倍〜20倍程度まで高く設定されている。このような増厚成形領域35が片側壁34に含まれていることにより、発泡樹脂材料層30a,30bの圧縮成形による適度な剛性を維持しつつ、増厚成形領域35での断熱性をより高くして、ダクト部材30全体としての断熱性能を向上することができる。
図15から図17は、第3実施形態のダクト部材30の製造方法における各工程を示す図である。第3実施形態のダクト部材30は、以下の製造方法を用いて製造することができる。
溶融状態で発泡剤を含有した熱可塑性樹脂の材料を筒状パリソン100にして押し出し、分割された成形型202,202の間に配置する。なお、筒状パリソン100とは別に、熱可塑性樹脂の材料を一対のシート状にして押し出してもよい点はこれまでと同様である。
成形型202,204は、予めダクト部材30の成形に適した形状に加工されたものとして用意されている。このうち、一方の成形型202がダクト部材30の取り付け状態でみた上端側に対応する形状(凹状成形面202a)を有しており、他方の成形型204が下端の開口側に対応した形状(凸状成形面204a)を有している。凹状成形面202a,204aは、ダクト部材30のうち断面ハット形状をなす部位を成形するためのものである。
2つの成形型202,204を型締めする。これにより、凹状成形面202a、凸状成形面204a及びフランジ成形面202c,204cに対応する領域では、素材であった筒状パリソン100がつぶれて発泡樹脂材料の積層体となる。さらに、型締めで積層体に圧縮(コンプレッション)を加えることにより、各成形面202a,204a,202c,204cに沿って積層体が圧縮成形される。なお、圧縮成形の開始時において、スライドコア206は最も前進した初期位置(成形面が周囲と連なる位置)にある。
凹状成形面202a及び凸状成形面204aに対応する領域において、積層体を圧縮成形する過程でスライドコア206を可動空間208内に後退させる。これにより、型締めされた状態の成形型202,204内でスライドコア206に対応する領域内が減圧され、スライドコア206の後退に追従して積層体の厚みが増加する。その結果、スライドコア206に対応する領域内で積層体の発泡倍率をその他の領域に比較して高くすることができる。
10a,10b 発泡樹脂材料層
12 起立壁
14 片側壁
16 フランジ部
18 空気流通路
20 (車両用)ダクト部材
21 ダクト半体
21a,21b 発泡樹脂材料層
22 起立壁
24 片側壁
26 フランジ部
28 空気流通路
30 (車両用)ダクト部材
30a,30b 発泡樹脂材料層
32 起立壁
34 片側壁
36 フランジ部
38 空気流通路
40 中空部
100 筒状パリソン
102,104 成形型
106 スライドコア
202,204 成形型
206 スライドコア
Claims (6)
- 車両の空調設備に連結されて空気流通路を形成する車両用ダクト部材の製造方法であって、
溶融状態で発泡剤を含有した熱可塑性樹脂の材料を筒状又は一対のシート状にして押し出し、複数の分割された成形型の間に配置する配置工程と、
複数の前記成形型を型締めすることにより、前記成形型の成形面に沿って前記材料の積層体を圧縮成形する成形工程と、
前記成形工程で行われる圧縮成形の過程で前記成形面の少なくとも一部を前記材料から後退させることにより、この後退させた領域内を減圧する減圧工程と
を有する車両用ダクト部材の製造方法。 - 請求項1に記載の車両用ダクト部材の製造方法において、
前記成形工程及び前記減圧工程を通じて互いに一対をなすダクト半体を成形した後、これら一対のダクト半体を相互に連結して内部に前記空気流通路を形成する形態の車両用ダクト部材を得る連結工程をさらに有しており、
前記成形工程では、
前記ダクト半体の全体を前記材料の積層体で構成される圧縮成形領域として成形し、
前記減圧工程では、
前記成形面の全体を前記材料から後退させて前記ダクト半体の全体にわたり前記材料の積層体の層厚を増すことにより、前記ダクト半体の全体を前記材料の発泡倍率が前記圧縮成形領域に比較して高く設定された増厚成形領域として成形し、
前記連結工程では、
全体が前記増厚成形領域である一対の前記ダクト半体を相互に連結して車両用ダクト部材とする
ことを特徴とする車両用ダクト部材の製造方法。 - 請求項1に記載の車両用ダクト部材の製造方法において、
前記成形工程では、車両用ダクト部材となる部位の全体を前記材料の積層体で構成される圧縮成形領域として成形し、
前記減圧工程では、減圧した領域内で前記材料の積層体の層厚が増されることにより、前記材料の発泡倍率が前記圧縮成形領域に比較して高く設定された増厚成形領域を前記部位の一部として成形する
ことを特徴とする車両用ダクト部材の製造方法。 - 車両の空調設備に連結され、車両の構成部材に取り付けられた状態で前記構成部材を空気流通路の壁の一部としつつ前記空気流通路を形成する車両用ダクト部材において、
前記空気流通路の壁を構成する部位は、
前記構成部材に対向する一端が開口し、他端が閉塞されて前記開口から他端に向かう窪み形状をなすことで前記空気流通路の壁を構成する部位となるダクト壁本体と、
前記ダクト壁本体の前記開口の周囲に形成されて前記構成部材に密着するフランジ部とから構成されるとともに、
熱可塑性発泡樹脂材料の積層体を厚み方向に圧縮して成形した圧縮成形領域と、
熱可塑性発泡樹脂材料の積層体を厚み方向に圧縮して成形しつつ、その成形過程で前記圧縮成形領域よりも層厚が増されることにより、熱可塑性発泡樹脂材料の発泡倍率が前記圧縮成形領域に比較して高く設定された増厚成形領域とを備え、
前記ダクト壁本体に前記増厚成形領域が含まれていることを特徴とする車両用ダクト部材。 - 車両の空調設備に連結されて空気流通路を形成する車両用ダクト部材において、
前記空気流通路の壁を構成する部位として、
熱可塑性発泡樹脂材料の積層体を厚み方向に圧縮して成形した圧縮成形領域と、
熱可塑性発泡樹脂材料の積層体を厚み方向に圧縮して成形しつつ、その成形過程で前記圧縮成形領域よりも層厚が増されることにより、熱可塑性発泡樹脂材料の発泡倍率が前記圧縮成形領域に比較して高く設定された増厚成形領域と、
熱可塑性発泡樹脂材料の層を積層することなく、間に中空部を存して成形されることで内部に前記空気流通路を形成する中空成形領域を備え、
前記中空形成領域により単独で内部に前記空気流通路を形成する態様と、車両の構成部材に取り付けられた状態で前記構成部材を前記空気流通路の壁の一部とする態様とを混在させた構造であって、
前記構成部材を前記空気流通路の壁の一部とする態様では、
前記構成部材に対向する一端が開口し、他端が閉塞されて前記開口から他端に向かう窪み形状をなすことで前記空気流通路の壁を構成する部位となるダクト壁本体と、
前記ダクト壁本体の前記開口の周囲に形成されて前記構成部材に密着するフランジ部とから構成されるとともに、
前記ダクト壁本体に前記増厚成形領域が含まれていることを特徴とする車両用ダクト部材。 - 一対をなすダクト半体が相互に連結された状態で内部に空気流通路を形成し、車両の空調設備に連結して使用される車両用ダクト部材において、
一対をなす前記ダクト半体は、
互いに対向する一端が開口し、他端が閉塞されて前記開口から他端に向かう窪み形状をなすことで前記空気流通路の壁を構成する部位となるダクト壁本体と、
前記ダクト壁本体の前記開口の周囲に形成されて相互に密着するフランジ部とから構成されるとともに、
前記ダクト壁本体は、少なくとも一部がその成形過程で熱可塑性発泡樹脂材料の積層体を厚み方向に圧縮して成形された圧縮成形領域を層厚及び発泡倍率が増加された増厚成形領域として成形されていることを特徴とする車両用ダクト部材。
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