JP6349821B2 - 計算装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は計算装置及びプログラムに関する。
従来から、関数演算機能を備えた関数電卓が、教育の現場や、エンジニアの技術計算用に利用されている。関数電卓では、数式処理を用いて、数式の展開/簡略化といった数式の変形に関する演算や、関数の微分演算や積分演算をした際に、その演算結果を数式や数値で具体的に表示することが可能である。
例えば、特許文献1の関数電卓では、関数の極限値を求める演算において、数式処理を用いることにより、極限値を求める演算の過程を数式で明確に表示し、極限値も数値で表示しうるようになっている。
特開2000−132516号公報
しかしながら、従来の関数電卓では、演算対象の関数には特に種類の制限がなく、数式処理を用いて演算結果を求めるため、高性能な演算処理装置(CPU)が必要となり、かかる演算処理装置を搭載し得ない低価格帯の関数電卓では、関数の極限値の算出を実現することは困難であった。
本発明の課題は、高性能な演算処理装置を搭載しなくても、関数の極限値を算出することができる計算装置及びプログラムを提供することである。
以上の課題を解決するため、本発明の計算装置は、
関数を構成する構成部分毎の入力枠を表示部に複数表示させる制御を行う入力枠表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記各入力枠の少なくとも1つに変数を含む数式が入力されるように、前記各入力枠に数値又は数式を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された各入力枠毎の数値又は数式を数値計算することによって前記変数を収束させた極限値を算出する極限値算出手段と、
前記極限値算出手段により算出された極限値を前記表示部に表示させる制御を行う極限値表示制御手段と、
を備え
前記入力手段は、除算機能、分数機能及び逆数機能のうち少なくとも1つを含む分数系機能の数式の入力を禁止する入力禁止手段を備え
ことを特徴とする。
本発明によれば、関数の構成部分に入力枠を設けて数式を入力し、数式毎に、変数を特定値に収束させるといった数値計算によって極限値を算出するため、高性能な演算処理装置を用いなくても、関数の極限値を算出することができる。
関数電卓の概略構成を示す平面図である。 関数電卓の機能構成を示すブロック図である。 ロピタルの原理を概念的に説明するための図である。 関数計算処理の流れを示すフローチャートである。 極限値算出処理の流れを示すフローチャートである。 分数型極限値算出処理の流れを示すフローチャートである。 ディスプレイの表示内容を示す図である。 ディスプレイの表示内容を示す図である。 ディスプレイの表示内容を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[外観構成]
図1は、本発明に係る計算装置を適用した関数電卓1の概略構成を示す平面図である。
図1に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。
入力キー群2はタッチパネルとされてもよい。
本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、「=」キー23、「Limit」キー24、等を備えている。
このうち、数字キーとしてのテンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の記号や括弧、分数の括線、根号(√)、対数記号、三角関数記号など、各種演算記号の入力操作を受けるキーである。
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
「=」キー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後には演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。
「Limit」キー24は、関数の極限値算出機能の実行指示を受けるキーであり、例えば一定の関数テンプレートを提供して極限値を算出しようとする関数の指定を受けるキーである。
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果などの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを表示するようになっている。
[機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、関数電卓1は、キー入力部11と、表示部12と、記憶部13と、RAM14(Random Access Memory)と、CPU15(Central Processing Unit)と、を備えて構成されている。
キー入力部11は、前述の入力キー群2(又はタッチパネル)を備えており、押下されたキーに対応する操作信号をCPU15に出力するようになっている。
表示部12は、前述のディスプレイ3を備えており、CPU15からの信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしての関数計算処理プログラム13a、極限値算出処理プログラム13b及び分数型極限値算出処理プログラム13cを記憶している。
関数計算処理プログラム13aは、後述の関数計算処理(図4参照)をCPU15に実行させるためのプログラムである。
極限値算出処理プログラム13bは、後述の極限値算出処理(図5参照)をCPU15に実行させるためのプログラムである。
分数型極限値算出処理プログラム13cは、後述の分数型極限値算出処理(図6参照)をCPU15に実行させるためのプログラムである。
RAM14は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。
CPU15は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM14に展開し、RAM14に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
[ロピタルの原理]
ロピタルの定理とは、関数f(x)、g(x)がx=aを含む区間で微分可能でg'(x)≠0のとき、数式(1)に示す条件を満たすならば、
Figure 0006349821
数式(2)が成り立つことを示す定理である。
f'(x)、g'(x)はそれぞれ関数f(x)、g(x)の導関数(1次微分関数)を示す。
Figure 0006349821
数式(2)の右辺が不定形であれば、更に、数式(3)が成り立つ。
Figure 0006349821
f''(x)、g''(x)は、それぞれ関数f(x)、g(x)の第2階導関数(2次微分関数)を示し、f(n)(x)、g(n)(x)は、それぞれ関数f(x)、g(x)の第n階導関数(n次微分関数)を示す。
不定形とは、関数の積、商、差、べき乗で関数の変数がある値をとるとき、その値が定義できないものをいう。例えば、分数関数についていえば、f(a)/g(a)が、0/0や∞等の形になる極限を不定形の極限という。
例えば、図3(a)の分数関数において、変数xを0(ゼロ)に収束させた場合の極限値を算出する場合は、分子の数式と分母の数式とで変数xに0を代入したとき0/0の不定形となるため(上段)、分子の数式と分母の数式とを変数xで微分し、微分後の分子の数式と微分後の分母の数式とで変数xに0を代入した値を、極限値として算出することができる(下段)。
図3(b)の分数関数も、図3(a)の分数関数と同様にして、極限値を算出することができる。
図3(c)の分数関数では、分子の数式と分母の数式とで変数xに0を代入したとき0/0の不定形となり(上段)、微分後の分子の数式と微分後の分母の数式とで変数xに0を代入したときも0/0の不定形となるため(中段)、微分後の分子の数式と微分後の分母の数式とをさらに変数xで微分し、2次微分後の分子の数式と2次微分後の分母の数式とで変数xに0を代入した値を、極限値として算出することができる(下段)。
図3(d)のべき乗関数では、べき乗関数の底の数式と指数の数式とで変数xに0を代入したとき∞の不定形となる(上段)。そのため、底の数式と指数の数式とを入れ替え、e^[1*ln(1+x)/x]の等価式に変形させ、変数xに0を代入する。この場合も、等価式の指数の数式が0/0の不定形となるため、等価式の[1*ln(1+x)]と[x]とを変数xで微分し、微分後の[1*ln(1+x)]と微分後の[x]とで変数xに0に代入した値(e^1)を、極限値として算出することができる(下段)。
なお、図3(d)における下段の左から2番目の四角枠内の分数関数に対するロピタルの定理の適用は、図3(b)の分数関数に対するそれと同様である。
[関数電卓の動作]
図4は関数計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。
関数計算処理は、関数計算処理プログラム13aが記憶部13から読み出されてRAM14に適宜展開される結果、関数計算処理プログラム13aとCPU15との協働によって実行され、CPU15は関数計算処理プログラム13aに従って当該関数計算処理の下記の各工程の処理を実行するようになっている。
図4に示すように、まず、ユーザの「Limit」キー24の押下により、極限値算出の実行指示を受け付け(ステップS1)、関数テンプレートとして分数型かべき乗分数型かの指定を受け付ける(ステップS2)。
その後、ユーザ指定された関数テンプレートをディスプレイ3に表示させ、関数を構成する構成部分毎に数式を入力するための複数の入力枠を表示させ、関数の収束値を入力するための入力枠も表示させる(ステップS3)。
ステップS3では、関数テンプレートが分数型である場合、分子の入力枠と分母の入力枠とを表示させる。
他方、関数テンプレートがべき乗分数型である場合、底の入力枠と指数の入力枠とを表示させ、特に指数の入力枠を、分子の入力枠と分母の入力枠とに分けて表示させる。
その後、ユーザにより、各入力枠の少なくとも1つに変数を含む数式(収束値を含む。)の入力操作がなされたか否かを判断し(ステップS4)、数式の入力操作がなされた場合、カーソル位置が入力枠にあるか否かを判断し(ステップS5)、カーソル位置が入力枠にある場合、ユーザ入力された内容が分数系機能の数式の入力か否かを判断する(ステップS6)。
分数系機能の数式の入力ではない場合、入力枠に数式(収束値を含む。)を入力する(ステップS7)。
ステップS7では、関数テンプレートが分数型である場合、分子の入力枠と分母の入力枠とに、それぞれ数式を入力する。かかる場合、分子の入力枠と分母の入力枠との少なくとも1つの入力枠に対し、変数を含む数式が入力されればよく、数値が入力されてもよい。
他方、関数テンプレートがべき乗分数型である場合も、底の入力枠と指数の分子の入力枠と指数の分母の入力枠とに、それぞれ数式を入力する。かかる場合も、底の入力枠と指数の分子の入力枠と指数の分母の入力枠との少なくとも1つの入力枠に対し、変数を含む数式が入力されればよく、数値が入力されてもよい。
ステップS6において、分数系機能の数式の入力である場合、分数系機能の入力を禁止し無効とする(ステップS8)。
分数系機能の数式の入力とは、除算機能、分数機能及び逆数機能を有する数式の入力実行指示であって、ユーザによる「÷」キー25、「■/□」キー26、「x−1」キー27の押下に従う実行指示である(図2参照)。
ステップS4において、数式の入力操作がなされていない場合、ユーザによりカーソルキー22が押下され、カーソル操作がなされたか否かを判断し(ステップS9)、カーソル操作がなされた場合、ディスプレイ3上でのカーソル位置を移動させる(ステップS10)。
ステップS9において、カーソル操作がなされていない場合、ユーザにより「=」キー23が押下され、実行操作がなされたか否かを判断し(ステップS11)、実行操作がなされた場合、極限値算出処理を実行し(ステップS12)、算出した極限値をディスプレイ3に表示させる(ステップS13)。
図5は極限値算出処理の動作を説明するためのフローチャートである。
極限値算出処理は、極限値算出処理プログラム13bが記憶部13から読み出されてRAM14に適宜展開される結果、極限値算出処理プログラム13bとCPU15との協働によって実行され、CPU15は極限値算出処理プログラム13bに従って当該極限値算出処理の下記の各工程の処理を実行するようになっている。
図5に示すように、まず、関数テンプレートが分数型かべき乗分数型かを判断する(ステップS21)。
分数型である場合、分子の入力枠に入力した数式をaとして登録し(ステップS22)、分母の入力枠に入力した数式をbとして登録し(ステップS23)、分数型極限値算出処理を実行する(ステップS24)。
図6は分数型極限値算出処理の動作を説明するためのフローチャートである。
分数型極限値算出処理は、分数型極限値算出処理プログラム13cが記憶部13から読み出されてRAM14に適宜展開される結果、分数型極限値算出処理プログラム13cとCPU15との協働によって実行され、CPU15は分数型極限値算出処理プログラム13cに従って当該分数型極限値算出処理の下記の各工程の処理を実行するようになっている。
図6に示すように、まず、数式bの変数に収束値を代入しかかる値をBとして登録し(ステップS31)、代入値Bが0になるか否かを判別する(ステップS32)。
代入値Bが0になる場合、数式aの変数に収束値を代入しかかる値をAとして登録し(ステップS33)、代入値Aが0になるか否かを判別する(ステップS34)。
代入値Bと代入値Aとが共に0になると判別した場合、数式bを変数で微分し微分後の数式b’の変数に収束値を代入しかかる値をB’として登録し(ステップS35)、代入値B’が0になるか否かを判別する(ステップS36)。
代入値B’が0にならない場合、数式aを変数で微分し微分後の数式a’の変数に収束値を代入しかかる値をA’として登録し(ステップS37)、代入値A’/代入値B’を極限値として算出する(ステップS38)。
ステップS36において、代入値B’が0になる場合、数式aを変数で微分し微分後の数式a’の変数に収束値を代入しかかる値をA’として登録し(ステップS39)、代入値A’が0になるか否かを判別する(ステップS40)。
代入値B’と代入値A’とが共に0になると判別した場合、微分後の数式b’をさらに変数で微分し2次微分後の数式b’’の変数に収束値を代入しかかる値をB’’として登録し(ステップS41)、微分後の数式a’をさらに変数で微分し2次微分後の数式a’’の変数に収束値を代入しかかる値をA’’として登録し(ステップS42)、代入値A’’/代入値B’’を極限値として算出する(ステップS43)。
なお、ステップS32において、代入値Bが0にならない場合、数式aの変数に収束値を代入しかかる値をAとして登録し(ステップS44)、代入値A/代入値Bを極限値として算出する(ステップS45)。
図5に示すように、ステップS21において、べき乗分数型である場合、底の入力枠に入力した数式をpとして登録し(ステップS51)、指数の分子の入力枠に入力した数式をqとして登録し(ステップS52)、指数の分母の入力枠に入力した数式をrとして登録する(ステップS53)。
その後、数式p、q、rを入れ替え、e^[q*lnp/r]の等価式に変形し(ステップS54)、かかる等価式の[q*lnp]をaとして登録し(ステップS55)、[r]をbとして登録し(ステップS56)、上記分数型極限値算出処理を実行する(ステップS24)。
かかる場合、等価式の指数の極限値として、代入値A/代入値B、代入値A’/代入値B’又は代入値A’’/代入値B’’を算出し、最終的にe^(代入値A/代入値B、代入値A’/代入値B’又は代入値A’’/代入値B’’)を、極限値として算出する(ステップS57)。
[動作例1]
図7(a)に示すように、ユーザが「Limit」キー24を押下すると、分数型とべき乗分数型との2種類の関数テンプレートのうち、いずれを指定するかを求める旨の画面が表示される(ステップS1)。
その後、図7(b)に示すように、ユーザがテンキー20(数字1)を押下し分数型を指定すると、分数型の関数テンプレートが表示され、数式を入力するための分子の入力枠、分母の入力枠と、収束値を入力するための入力枠とが表示される(ステップS2〜S3)。
その後、図7(c)に示すように、ユーザが演算記号キー21(sin)を押下すると、分子の入力枠に数式が入力される(ステップS4〜S7)。
かかる場合、図7(d)に示すように、ユーザが「÷」キー25、「■/□」キー26、「x−1」キー27を押下し、分数系機能の数式を入力しようとしても、その操作は禁止され無効とされる(ステップS6〜S7)。
その後、図7(e)に示すように、ユーザが演算記号キー21(x、))を押下すると、分子の入力枠に残りの数式が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、図7(f)に示すように、ユーザがカーソルキー22(↓)を押下すると、カーソル位置が分母の入力枠に移動する(ステップS9〜S10)。
かかる場合も、図7(g)に示すように、ユーザが「÷」キー25、「■/□」キー26、「x−1」キー27を押下し、分数系機能の数式を入力しようとしても、その操作は禁止され無効とされる(ステップS6〜S7)。
その後、図7(h)に示すように、ユーザが演算記号キー21(x)を押下すると、分母の入力枠に数式が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、図7(i)に示すように、ユーザがカーソルキー22(→)→テンキー20(数字0)を押下すると、カーソル位置が収束値を入力するための入力枠に移動し(ステップS9〜S10)、その入力枠に収束値として0が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、図7(j)に示すように、ユーザが「=」キー23を押下すると、分数関数の極限値が算出され表示される(図3(a)、ステップS11〜S12、S21〜S24、S31〜S38、S13)。
[動作例2]
図8(a)に示すように、ユーザが「Limit」キー24→テンキー20(数字1)を押下し分数型を指定すると、分数型の関数テンプレートが表示され、数式を入力するための分子の入力枠、分母の入力枠と、収束値を入力するための入力枠とが表示される(ステップS2〜S3)。
その後、図8(b)に示すように、ユーザが演算記号キー21(ln)→…→演算記号キー21())を押下すると、分子の入力枠に数式が入力される(ステップS4〜S7)。
かかる場合、数式の入力の途中で、ユーザが「÷」キー25、「■/□」キー26を押下し、分数系機能の数式を入力しようとしても、その操作は禁止され無効とされる(ステップS6〜S7)。
その後、図8(c)に示すように、ユーザがカーソルキー22(↓)→演算記号キー21(x)を押下すると、カーソル位置が分母の入力枠に移動し(ステップS9〜S10)、分母の入力枠に数式が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、図8(d)に示すように、ユーザがカーソルキー22(→)→テンキー20(数字0)を押下すると、カーソル位置が収束値を入力するための入力枠に移動し(ステップS9〜S10)、その入力枠に収束値として0が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、図8(e)に示すように、ユーザが「=」キー23を押下すると、分数関数の極限値が算出され表示される(図3(b)、ステップS11〜S12、S21〜S24、S31〜S38、S13)。
[動作例3]
図8(f)に示すように、ユーザが「Limit」キー24→テンキー20(数字1)を押下し分数型を指定すると、分数型の関数テンプレートが表示され、数式を入力するための分子の入力枠、分母の入力枠と、収束値を入力するための入力枠とが表示される(ステップS2〜S3)。
その後、図8(g)に示すように、ユーザがテンキー20(数字1)→…→演算記号キー21())→カーソルキー22(↓)を押下すると、分子の入力枠に数式が入力され(ステップS4〜S7)、カーソル位置が分母の入力枠に移動する(ステップS9〜S10)。
その後、図8(h)に示すように、ユーザが演算記号キー21(x)を押下すると、分母の入力枠に数式が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、図8(i)に示すように、ユーザがカーソルキー22(→)→テンキー20(数字0)を押下すると、カーソル位置が収束値を入力するための入力枠に移動し(ステップS9〜S10)、その入力枠に収束値として0が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、図8(j)に示すように、ユーザが「=」キー23を押下すると、分数関数の極限値が算出され表示される(図3(c)、ステップS11〜S12、S21〜S24、S31〜S36、S39〜S43、S13)。
[動作例4]
図9(a)に示すように、ユーザが「Limit」キー24を押下すると、分数型とべき乗分数型との2種類の関数テンプレートのうち、いずれを指定するかを求める旨の画面が表示される(ステップS1)。
その後、図9(b)に示すように、ユーザがテンキー20(数字2)を押下しべき乗分数型を指定すると、べき乗分数型の関数テンプレートが表示され、数式を入力するための底の入力枠、指数の分子の入力枠、指数の分母の入力枠と、収束値を入力するための入力枠とが表示される(ステップS2〜S3)。
その後、図9(c)に示すように、ユーザが演算記号キー21(()→…→演算記号キー())を押下すると、底の入力枠に数式が入力される(ステップS4〜S7)。
かかる場合、数式の入力の途中で、ユーザが「÷」キー25、「■/□」キー26を押下し、分数系機能の数式を入力しようとしても、その操作は禁止され無効とされる(ステップS6〜S7)。
その後、図9(d)に示すように、ユーザがカーソルキー22(→)→カーソルキー22(→)を押下すると、カーソル位置が指数の分子の入力枠に移動する(ステップS9〜S10)。
その後、図9(e)に示すように、ユーザがテンキー20(数字1)を押下すると、指数の分子の入力枠に1が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、ユーザが「÷」キー25、「■/□」キー26、「x−1」キー27を押下し、分数系機能の数式を入力しようとしても、その操作は禁止され無効とされる(ステップS6〜S7)。
その後、図9(f)に示すように、ユーザがカーソルキー22(↓)を押下すると、カーソル位置が指数の分母の入力枠に移動する(ステップS9〜S10)。
その後、図9(g)に示すように、ユーザが演算記号キー21(x)を押下すると、指数の分母の入力枠に数式が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、ユーザが「÷」キー25、「■/□」キー26、「x−1」キー27を押下し、分数系機能の数式を入力しようとしても、その操作は禁止され無効とされる(ステップS6〜S7)。
その後、図9(h)に示すように、ユーザがカーソルキー22(→)を押下すると、カーソル位置が収束値を入力するための入力枠に移動する(ステップS9〜S10)。
その後、図9(i)に示すように、ユーザがテンキー20(数字0)を押下すると、入力枠に収束値として0が入力される(ステップS4〜S7)。
その後、図9(j)に示すように、ユーザが「=」キー23を押下すると、べき乗関数の極限値が算出され表示される(図3(d)、ステップS11〜S12、S21、S51〜S56、S24、S31〜S38、S57、S13)。
以上の本実施形態によれば、図4のステップS1〜S7、S12に示すように、分数型とべき乗分数型という一定の関数テンプレートを使用し、その構成部分に入力枠を設けて数式を入力し、数式毎に、変数に収束値を代入するといった単純な数値計算で極限値を算出するため、高性能な演算処理装置(CPU15)を用いなくても、関数の極限値を算出することができる。
特に、関数テンプレートとして分数型が指定された場合は、図5のステップS21〜S24、図6のS31〜S43、図7〜図8に示すように、分数関数の分子と分母とに入力枠を設けて数式を入力し、数式毎に、ロピタルの定理にしたがって微分し変数に収束値を代入するといった数値計算で極限値を算出するため、ひな形に従う規則的な数値計算で容易に分数関数の極限値を算出することができる。
他方、関数テンプレートとしてべき乗分数型が指定された場合も、図5のステップS21、S51〜S56、S24、図6のS31〜S38、図9に示すように、べき乗関数の底と指数とに入力枠を設け、さらに指数の入力枠を分子と分母とに分けて数式を入力し、数式毎に、ロピタルの定理にしたがって微分し変数に収束値を代入するといった数値計算で極限値を算出するため、かかる場合も、ひな形に従う規則的な数値計算で容易にべき乗関数の極限値を算出することができる。
さらに、図4のステップS6、S8、図7(d)、(g)、図8(b)、図9(c)、(e)、(g)に示すように、分数系機能の数式の入力を禁止し無効とするため、数式の入力の途中で、数式の変形というような複雑な演算が禁止され、極限値の算出を容易にすることができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態や変形例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明に係る計算装置を関数電卓1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、タブレット端末(スマートフォンを含む。)、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る関数計算処理プログラム13a、極限値算出処理プログラム13b、分数型極限値算出処理プログラム13cは、関数電卓1に対して着脱可能な外部情報記憶媒体に記憶されることとしてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲をその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
関数を構成する構成部分毎の入力枠を表示部に複数表示させる制御を行う入力枠表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記各入力枠の少なくとも1つに変数を含む数式が入力されるように、前記各入力枠に数値又は数式を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された各入力枠毎の数値又は数式を数値計算することによって前記変数を収束させた極限値を算出する極限値算出手段と、
前記極限値算出手段により算出された極限値を前記表示部に表示させる制御を行う極限値表示制御手段と、
を備えることを特徴とする計算装置。
<請求項2>
請求項1に記載の計算装置において、
前記入力枠表示制御手段は、分数関数の分子の入力枠と分母の入力枠とを表示させ、
前記入力手段は、前記分子の入力枠に第1の数値又は数式を、前記分母の入力枠に第2の数値又は数式をそれぞれ入力し、
前記極限値算出手段は、
前記第1の数値又は数式と前記第2の数値又は数式との前記変数に収束値を代入した各値が共に0になる場合に、前記第1の数値又は数式と前記第2の数値又は数式とを前記変数で前記収束値について数値微分し、数値微分後の前記第1の数値又は数式を分子とし、数値微分後の前記第2の数値又は数式を分母とする分数について、前記変数に前記収束値を代入した値を極限値として算出する1次微分極限値算出手段を備えることを特徴とする計算装置。
<請求項3>
請求項2に記載の計算装置において、
前記極限値算出手段は、
前記第1の数値又は数式と前記第2の数値又は数式とを前記変数で前記収束値について数値微分した各値が共に0になる場合に、前記第1の数値又は数式を前記収束値について数値2次微分した数値を分子とし、前記第2の数値又は数式を前記収束値について数値2次微分した数値を分母とした値を、極限値として算出する2次微分極限値算出手段を備えることを特徴とする計算装置。
<請求項4>
請求項1に記載の計算装置において、
前記入力枠表示制御手段は、べき乗関数の底の入力枠と、前記べき乗関数の指数部の分子の入力枠と前記べき乗関数の指数部の分母の入力枠とを表示させ、
前記入力手段は、前記底の入力枠に第3の数値又は数式を、前記べき乗関数の指数部の分子の入力枠に第4の数値又は数式を、前記べき乗関数の指数部の分母の入力枠に第5の数値又は数式をそれぞれ入力し、
前記極限値算出手段は、前記第3〜第5の数値又は数式を数値微分した数値を、前記べき乗関数の等価式である[e^[(第4の数値又は数式)*ln(第3の数値又は数式)/(第5の数値又は数式)]に代入した値を、前記極限値として算出することを特徴とする計算装置。
<請求項5>
請求項4に記載の計算装置において、
前記極限値算出手段は、
前記等価式中の[(第4の数値又は数式)*ln(第3の数値又は数式)]と前記等価式中の[(第5の数値又は数式)]との前記変数に収束値を代入した各値が共に0になる場合に、前記等価式の[(第4の数値又は数式)*ln(第3の数値又は数式)]と前記等価式の[(第5の数式)]とを前記変数で前記収束値について数値微分した各数値を、[e^[(第4の数値又は数式)*ln(第3の数値又は数式)/(第5の数値又は数式)]に代入した値を、極限値として算出する指数1次微分極限値算出手段を備えることを特徴とする計算装置。
<請求項6>
請求項1〜5のいずれか一項に記載の計算装置において、
前記入力手段は、除算機能、分数機能及び逆数機能を含む分数系機能の数式の入力を禁止する入力禁止手段を備えることを特徴とする計算装置。
<請求項7>
請求項1〜6のいずれか一項に記載の計算装置において、
前記表示部と、
キー群又はタッチパネルとを備え、
前記ユーザ操作は前記キー群又は前記タッチパネルに対して行われることを特徴とする計算装置。
<請求項8>
コンピュータに、
関数を構成する構成部分毎の入力枠を表示部に複数表示させる制御を行う入力枠表示制御機能と、
ユーザ操作に応じて、前記各入力枠の少なくとも1つに変数を含む数式が入力されるように、前記各入力枠に数値又は数式を入力する入力機能と、
前記入力機能により入力された各入力枠毎の数値又は数式を数値計算することによって前記変数を収束させた極限値を算出する極限値算出機能と、
前記極限値算出機能により算出された極限値を前記表示部に表示させる制御を行う極限値表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
1 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
13 記憶部
13a 関数計算処理プログラム
13b 極限値算出処理プログラム
13c 分数型極限値算出処理プログラム
15 CPU

Claims (7)

  1. 関数を構成する構成部分毎の入力枠を表示部に複数表示させる制御を行う入力枠表示制御手段と、
    ユーザ操作に応じて、前記各入力枠の少なくとも1つに変数を含む数式が入力されるように、前記各入力枠に数値又は数式を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された各入力枠毎の数値又は数式を数値計算することによって前記変数を収束させた極限値を算出する極限値算出手段と、
    前記極限値算出手段により算出された極限値を前記表示部に表示させる制御を行う極限値表示制御手段と、
    を備え
    前記入力手段は、除算機能、分数機能及び逆数機能のうち少なくとも1つを含む分数系機能の数式の入力を禁止する入力禁止手段を備え
    ことを特徴とする計算装置。
  2. 請求項1に記載の計算装置において、
    前記入力枠表示制御手段は、分数関数の分子の入力枠と分母の入力枠とを表示させ、
    前記入力手段は、前記ユーザ操作に応じて、前記分子の入力枠に第1の数値又は数式を、前記分母の入力枠に第2の数値又は数式をそれぞれ入力し、
    前記極限値算出手段は、
    前記分母の入力枠に入力された前記第2の数値又は数式が数式を含む場合であって、前記第1の数値又は数式と前記第2の数値又は数式との前記変数に収束値を代入した各値が共に0になるときに、前記第1の数値又は数式と前記第2の数値又は数式とを前記変数でそれぞれ微分し、前記第1の数値又は数式を前記微分して得られた数値又は数式を分子とするとともに、前記第2の数値又は数式を前記微分して得られた数値又は数式を分母とする分数において、前記変数に前記収束値を代入した値を前記極限値として算出する1次微分極限値算出手段を備えることを特徴とする計算装置。
  3. 請求項2に記載の計算装置において、
    前記極限値算出手段は、
    前記第1の数値又は数式を前記微分して得られた数値又は数式と、前記第2の数値又は数式を前記微分して得られた数値又は数式とのそれぞれにおいて、前記変数に前記収束値を代入した場合の値が共に0になる場合に、前記第1の数値又は数式を前記変数で2階微分して得られた数値又は数式を分子とするとともに、前記第2の数値又は数式を前記2階微分して得られた数値又は数式を分母とする分数において、前記変数に前記収束値を代入した値を前記極限値として算出する2次微分極限値算出手段を備えることを特徴とする計算装置。
  4. 請求項1に記載の計算装置において、
    前記入力枠表示制御手段は、べき乗関数の底の入力枠と、前記べき乗関数の指数部の分子の入力枠と前記べき乗関数の指数部の分母の入力枠とを表示させ、
    前記入力手段は、前記ユーザ操作に応じて、前記底の入力枠に第3の数値又は数式を、前記べき乗関数の指数部の分子の入力枠に第4の数値又は数式を、前記べき乗関数の指数部の分母の入力枠に第5の数値又は数式をそれぞれ入力し、
    前記極限値算出手段は、前記べき乗関数の等価式である[e^[(第4の数値又は数式)*ln(第3の数値又は数式)/(第5の数値又は数式)]おいて、前記変数に収束値を代入した値を、前記極限値として算出することを特徴とする計算装置。
  5. 請求項4に記載の計算装置において、
    前記極限値算出手段は、
    前記分母の入力枠に入力された前記第5の数値又は数式が数式を含む場合であって、前記等価式中の[(第4の数値又は数式)*ln(第3の数値又は数式)]と前記等価式中の[(第5の数値又は数式)]との前記変数に前記収束値を代入した各値が共に0になるとき、前記[(第4の数値又は数式)*ln(第3の数値又は数式)]と前記[(第5の数値又は数式)]とをそれぞれ前記変数で微し、前記[(第4の数値又は数式)*ln(第3の数値又は数式)]を前記微分して得られた数値又は数式を分子とするとともに、前記[(第5の数値又は数式)]を前記微分して得られた数値又は数式を分母とする分数において、前記変数に前記収束値を代入した値を前記等価式中の指数の極限値として、前記等価式についての極限値算出する指数1次微分極限値算出手段を備えることを特徴とする計算装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の計算装置において、
    前記表示部と、
    キー群又はタッチパネルとを備え、
    前記ユーザ操作は前記キー群又は前記タッチパネルに対して行われることを特徴とする計算装置。
  7. コンピュータに、
    関数を構成する構成部分毎の入力枠を表示部に複数表示させる制御を行う入力枠表示制御機能と、
    ユーザ操作に応じて、前記各入力枠の少なくとも1つに変数を含む数式が入力されるように、前記各入力枠に数値又は数式を入力する入力機能と、
    前記入力機能により入力された各入力枠毎の数値又は数式を数値計算することによって前記変数を収束させた極限値を算出する極限値算出機能と、
    前記極限値算出機能により算出された極限値を前記表示部に表示させる制御を行う極限値表示制御機能と、
    前記入力機能が実行されている場合に、除算機能、分数機能及び逆数機能のうち少なくとも1つを含む分数系機能の数式の入力を禁止する入力禁止機能と、
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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