以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[画像処理システムの全体構成]
図1は、本実施の形態が適用される画像処理システムの全体構成例を示した図である。図示するように、この画像処理システムは、画像処理装置10と、クライアント60a〜60dと、メールサーバ70とを含む。ここで、クライアント60a〜60dは、これらを区別しない場合は、クライアント60と称し、その台数は1つには限らないものとする。本実施の形態における画像処理装置10は、Wi-Fi Direct(商標)でアクセスポイントの役割を果たすグループオーナとして動作し、複数のクライアント60が接続するネットワーク環境に設置されている。但し、本実施の形態では、画像処理装置10にWi-Fi Direct(商標)で接続可能なクライアント60の数の上限を3とし、図では、クライアント60a〜60cは画像処理装置10への接続を許可されているが、クライアント60dは画像処理装置10への接続を拒否されている状態を示している。また、画像処理装置10とメールサーバ70とは通信回線80で接続されている。
画像処理装置10は、紙等の記録媒体への画像形成、紙等の記録媒体からの画像読取り、公衆回線からの画像受信、公衆回線への画像送信等の画像処理のうち少なくとも1つを行う装置である。例えば、画像形成を行う観点からはプリンタであり、画像読取りを行う観点からはスキャナであり、画像読取り及び画像形成を行う観点からはコピー機であり、画像読取り及び画像送信を行う観点からはファクシミリ送信機であり、画像受信及び画像形成を行う観点からはファクシミリ受信機である。尚、画像処理装置10は、ユーザ認証を自装置で又は通信回線80上の図示しない認証サーバと連携することにより行う。また、1セッションは1サービスが終了すると切断されるものとする。
クライアント60は、画像処理装置10での画像形成を指示する際に用いられる携帯型の端末装置である。また、クライアント60は、画像処理装置10での画像形成の対象となる文書データ等を作成するアプリケーションソフトウェアを動作させる。ここで、クライアント60としては、スマートフォン、ノートPC、タブレットPC等を用いるとよい。本実施の形態では、他の装置の一例として、クライアント60を設けている。
メールサーバ70は、クライアント60で作成された文書データ等を電子メールで画像処理装置10へ送信したり、画像処理装置10で記録媒体から読み取られた画像データを電子メールでクライアント60へ送信したりするサーバコンピュータである。一般的には、電子メールを送信するためのSMTPサーバと、電子メールを受信するためのPOPサーバとがあるが、ここでは、1つのサーバとして示している。
通信回線80は、画像処理装置10とメールサーバ70との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットである。尚、本実施の形態では、通信回線80を有線として説明するが、無線の部分を含んでいても構わない。
[画像処理装置のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における画像処理装置10のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、画像読取部16と、画像形成部17と、有線通信インターフェース(以下、「有線通信I/F」と表記する)18と、無線通信インターフェース(以下、「無線通信I/F」と表記する)191と、アンテナ192とを備える。
CPU11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD14は、画像読取部16が読み取った画像データや画像形成部17における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行うタッチパネルである。ここで、操作パネル15は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等の指示手段で指示された位置を検出する位置検出シートとからなる。
画像読取部16は、画像読取手段の一例であり、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
画像形成部17は、画像形成手段の一例であり、記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
有線通信I/F18は、通信回線80を介してメールサーバ70等との間で各種情報の送受信を行う。本実施の形態では、第1の装置の一例として、メールサーバ70を設けており、第1の装置との間で画像の送受信を行う送受信手段の一例として、有線通信I/F18を設けている。
無線通信I/F191は、無線を使ってクライアント60等との間で各種情報の送受信を行う。本実施の形態では、第2の装置の一例として、クライアント60を設けており、第2の装置から要求情報を受信する受信手段の一例として、無線通信I/F191を設けている。
アンテナ192は、無線通信I/F191から供給された各種情報を電波で無線ネットワーク環境に送出し、無線ネットワーク環境から電波で受信した各種情報を無線通信I/F191に供給する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、画像処理装置10がクライアント60とのWi-Fi Direct(商標)による接続をタイムアウト動作に基づき切断する。具体的には、画像処理装置10は、Wi-Fi Direct(商標)のグループオーナとして動作する際に、特定のクライアント60が接続を占有しないようにタイムアウト時間を設定し、タイムアウト時間が満了したクライアント60との接続を切断する。第1の実施の形態は、このタイムアウト時間をアカウントレベルに応じて設定するものである。
図3は、このような動作を行う接続制御装置20の機能構成例を示したブロック図である。ここで、接続制御装置20は、情報処理装置の一例であり、画像処理装置10のCPU11(図2参照)が、後述する各機能部を実現するプログラムを例えばROM13(図2参照)からRAM12(図2参照)に読み込んで実行することにより、実現される装置として捉えられる。
図示するように、接続制御装置20は、情報取得部21と、アカウントレベル取得部22と、接続可否判定部23と、接続制御部24と、切断制御部25と、接続時間決定部26と、タイマ設定部27と、タイマ実行部28と、タイマ部29とを備えている。
情報取得部21は、クライアント60から接続要求があったことを示す情報(以下、「接続要求情報」という)と、クライアント60を使用するユーザのアカウントに関する情報(以下、「アカウント情報」という)とを無線通信I/F191から取得する。本実施の形態では、接続を要求する要求情報の一例として、接続要求情報を用いており、要求情報を取得する取得手段の一例として、情報取得部21を設けている。
アカウントレベル取得部22は、図4に例示したアカウント情報とアカウントレベル(優先度)との対応情報に基づいて、情報取得部21が取得したアカウント情報に対応するアカウントレベルを取得する。本実施の形態では、接続に関する優先度を指定する指定情報の一例として、アカウントレベルを用いており、指定情報を取得する取得手段の一例として、アカウントレベル取得部22を設けている。
接続可否判定部23は、情報取得部21が接続要求情報を取得した際に、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能かどうかを判定する。具体的には、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているかどうかを判定する。また、接続要求を行ったクライアント60についてアカウントレベル取得部22が取得したアカウントレベルと接続中のクライアント60についてアカウントレベル取得部22が既に取得していたアカウントレベルとを比較することにより、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中に接続要求を行ったクライアント60のアカウントレベルよりもアカウントレベルが低いクライアント60があるかどうかを判定する。更に、クライアント60によるサービスの利用状況を示す情報(図示せず)を参照することにより、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中にサービスを利用していないクライアント60があるかどうかを判定する。
接続制御部24は、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能であると接続可否判定部23により判定された場合に、そのクライアント60を画像処理装置10に接続するように無線通信I/F191を制御する。具体的には、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していないと接続可否判定部23により判定された場合、及び、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているが、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中に接続要求を行ったクライアント60のアカウントレベルよりもアカウントレベルが低くサービスを利用していないクライアント60があると接続可否判定部23により判定された場合に、そのクライアント60を画像処理装置10に接続するように制御する。本実施の形態では、接続が行われるように制御する制御手段の一例として、接続制御部24を設けている。
切断制御部25は、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているが、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能であると接続可否判定部23により判定された場合に、そのクライアント60とは別のクライアント60の画像処理装置10との接続を切断するように無線通信I/F191を制御する。具体的には、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中に接続要求を行ったクライアント60のアカウントレベルよりもアカウントレベルが低くサービスを利用していないクライアント60があると接続可否判定部23により判定された場合に、画像処理装置10に接続されているクライアント60から選択された特定のクライアント60の画像処理装置10との接続を切断するように制御する。また、切断制御部25は、あるクライアント60についてタイマ部29がタイムアウトになった旨を出力した場合も、そのクライアント60の画像処理装置10との接続を切断するように無線通信I/F191を制御する。本実施の形態では、接続が切断されるように制御する制御手段の一例として、切断制御部25を設けている。
接続時間決定部26は、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能であると接続可否判定部23により判定された場合に、その接続時間を決定する。具体的には、アカウントレベル取得部22が取得したアカウントレベルに応じた接続時間を決定する。本実施の形態では、接続時間を決定する決定手段の一例として、接続時間決定部26を設けている。
タイマ設定部27は、画像処理装置10に接続されているクライアント60ごとに、接続時間決定部26が決定した接続時間をタイマ部29に設定する。
タイマ実行部28は、画像処理装置10に接続されているクライアント60ごとに、タイマ部29による計時を開始する。
タイマ部29は、画像処理装置10に接続されているクライアント60ごとに、タイマ実行部28の動作により計時を開始し、タイマ設定部27により設定された時間が経過してタイムアウトになるとその旨を出力する。
図5は、図3に示した接続制御装置20の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作は、Wi-Fi Direct(商標)のグループオーナとして動作する画像処理装置10にクライアント60がWi-Fi Direct(商標)による接続要求を行ったとき開始するものとする。
図示するように、接続制御装置20では、まず、情報取得部21が、クライアント60から接続要求があったことを示す接続要求情報を無線通信I/F191から取得する(ステップ201)。また、クライアント60はWi-Fi Direct(商標)による接続を行うに当たり、アカウント情報を画像処理装置10に通知するので、情報取得部21は、このアカウント情報も無線通信I/F191から取得する(ステップ202)。
次に、アカウントレベル取得部22は、ステップ202で取得したアカウント情報が、アカウント情報を記憶する領域内に記憶されているかどうかを判定する(ステップ203)。アカウント情報が記憶されていると判定すれば、アカウントレベル取得部22は、アカウント情報に対応するアカウントレベルを取得する(ステップ204)。一方、アカウント情報が記憶されていないと判定すれば、アカウントレベル取得部22は、最低のアカウントレベルを取得する(ステップ205)。
次いで、接続可否判定部23は、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているかどうかを判定する(ステップ206)。画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していないと判定すれば、処理はステップ211へ進む。
また、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していると判定すれば、接続可否判定部23は、画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れかのアカウントレベルがステップ204又はステップ205で取得したアカウントレベルより低いかどうかを判定する(ステップ207)。画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れかのアカウントレベルがステップ204又はステップ205で取得したアカウントレベルより低いと判定すれば、接続可否判定部23は、アカウントレベルが低いと判定されたクライアント60がサービスを利用しているかどうかを判定する(ステップ208)。アカウントレベルが低いと判定されたクライアント60の何れかがサービスを利用していないと判定されれば、切断制御部25は、そのクライアント60へのDeauthenticationパケットの送出を無線通信I/F191に指示する(ステップ209)。これにより、そのクライアント60のWi-Fi Direct(商標)による接続が切断される。即ち、後述のようにタイマに設定されたタイムアウト時間が満了する前であっても、アカウントレベルが高いクライアント60からの接続要求があった場合には、アカウントレベルが低くサービスを利用していないクライアント60との接続は切断される。すると、切断制御部25は、接続が切断された旨を操作パネル15に表示し(ステップ210)、処理はステップ211へ進む。
その後、接続時間決定部26が、アカウントレベルに応じてタイムアウト時間を決定して、タイマ設定部27が、このタイムアウト時間をタイマ部29にセットし(ステップ211)、タイマ実行部28が、タイマ部29を実行する(ステップ212)。そして、接続制御部24が、ステップ201で取得した接続要求情報が示す接続要求を許可する(ステップ213)。即ち、クライアント60が画像処理装置10に接続されるように無線通信I/F191を制御する。
一方、ステップ207で画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れのアカウントレベルもステップ204又はステップ205で取得したアカウントレベルより高いと判定された場合、及び、アカウントレベルが低いと判定されたクライアント60の何れもがステップ208でサービスを利用していると判定された場合、接続制御部24は、ステップ201で取得した接続要求情報が示す接続要求を拒否する(ステップ214)。
その後、あるクライアント60のタイムアウト時間が満了すると、切断制御部25は、そのクライアント60へのDeauthenticationパケットの送出を無線通信I/F191に指示する。これにより、そのクライアント60のWi-Fi Direct(商標)による接続が切断される。或いは、あるクライアント60のタイムアウト時間が満了しただけでは、そのクライアント60の接続を切断しないようにしてもよい。この場合は、新たにクライアント60が接続要求を行うと、例えばステップ207の判断に先立ってタイムアウト時間が満了しているクライアント60があるかどうかを判断し、タイムアウト時間が満了しているクライアント60の中から接続を切断するクライアント60を選択するようにするとよい。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態でも、画像処理装置10がクライアント60とのWi-Fi Direct(商標)による接続をタイムアウト動作に基づき切断する。具体的には、画像処理装置10は、Wi-Fi Direct(商標)のグループオーナとして動作する際に、特定のクライアント60が接続を占有しないようにタイムアウト時間を設定し、タイムアウト時間が満了したクライアント60との接続を切断する。第2の実施の形態は、このタイムアウト時間を利用サービスに応じて設定するものである。
図6は、このような動作を行う接続制御装置30の機能構成例を示したブロック図である。ここで、接続制御装置30は、画像処理装置10のCPU11(図2参照)が、後述する各機能部を実現するプログラムを例えばROM13(図2参照)からRAM12(図2参照)に読み込んで実行することにより、実現される装置として捉えられる。
図示するように、接続制御装置30は、情報取得部31と、実行時間算出部32と、接続可否判定部33と、接続制御部34と、切断制御部35と、接続時間決定部36と、タイマ設定部37と、タイマ実行部38と、タイマ部39とを備えている。
情報取得部31は、クライアント60から接続要求があったことを示す接続要求情報と、クライアント60が利用するサービスに関する情報(以下、「利用サービス情報」という)とを無線通信I/F191から取得する。本実施の形態では、接続を要求する要求情報の一例として、接続要求情報を用いており、利用するサービスを指定する指定情報の一例として、利用サービス情報を用いており、要求情報と指定情報とを取得する取得手段の一例として、情報取得部31を設けている。
実行時間算出部32は、情報取得部31が取得した利用サービス情報により示されるサービスで用いる対象の量に基づきそのサービスの種別に対して予め定められた計算を行うことにより、サービスの実行に要する実行時間を算出する。
接続可否判定部33は、情報取得部31が接続要求情報を取得した際に、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能かどうかを判定する。具体的には、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているかどうかを判定する。また、クライアント60によるサービスの利用状況を示す情報(図示せず)を参照することにより、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中にサービスを利用していないクライアント60があるかどうかを判定する。
接続制御部34は、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能であると接続可否判定部33により判定された場合に、そのクライアント60を画像処理装置10に接続するように無線通信I/F191を制御する。具体的には、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していないと接続可否判定部33により判定された場合、及び、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているが、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中にサービスを利用していないクライアント60があると接続可否判定部33により判定された場合に、そのクライアント60を画像処理装置10に接続するように制御する。本実施の形態では、接続が行われるように制御する制御手段の一例として、接続制御部34を設けている。
切断制御部35は、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているが、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能であると接続可否判定部33により判定された場合に、そのクライアント60とは別のクライアント60の画像処理装置10との接続を切断するように無線通信I/F191を制御する。具体的には、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中にサービスを利用していないクライアント60があると接続可否判定部33により判定された場合に、画像処理装置10に接続されているクライアント60から選択された特定のクライアント60の画像処理装置10との接続を切断するように制御する。また、切断制御部35は、あるクライアント60についてタイマ部39がタイムアウトになった旨を出力した場合も、そのクライアント60の画像処理装置10との接続を切断するように無線通信I/F191を制御する。本実施の形態では、接続が切断されるように制御する制御手段の一例として、切断制御部35を設けている。
接続時間決定部36は、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能であると接続可否判定部33により判定された場合に、その接続時間を決定する。具体的には、実行時間算出部32が算出した実行時間に応じた接続時間を決定する。本実施の形態では、接続時間を決定する決定手段の一例として、接続時間決定部36を設けている。
タイマ設定部37、タイマ実行部38及びタイマ部39は、それぞれ、第1の実施の形態におけるタイマ設定部27、タイマ実行部28及びタイマ部29と同じ機能を有するので、ここでの説明は省略する。
図7は、図6に示した接続制御装置30の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作は、Wi-Fi Direct(商標)のグループオーナとして動作する画像処理装置10にクライアント60がWi-Fi Direct(商標)による接続要求を行ったときに開始するものとする。
図示するように、接続制御装置30では、まず、情報取得部31が、クライアント60から接続要求があったことを示す接続要求情報を無線通信I/F191から取得する(ステップ301)。また、クライアント60はWi-Fi Direct(商標)による接続を行うに当たり、利用サービス情報を画像処理装置10に通知するので、情報取得部31は、この利用サービス情報も無線通信I/F191から取得する(ステップ302)。
次に、接続可否判定部33は、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているかどうかを判定する(ステップ303)。画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していないと判定すれば、処理はステップ307へ進む。
また、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していると判定すれば、接続可否判定部33は、画像処理装置10に接続されているクライアント60がサービスを利用しているかどうかを判定する(ステップ304)。画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れかがサービスを利用していないと判定されれば、切断制御部35は、そのクライアント60の中で待機時間が最も長いクライアント60へのDeauthenticationパケットの送出を無線通信I/F191に指示する(ステップ305)。これにより、そのクライアント60のWi-Fi Direct(商標)による接続が切断される。即ち、後述のようにタイマに設定されたタイムアウト時間が満了する前であっても、クライアント60からの接続要求があった場合には、サービスを利用していないクライアント60との接続は切断される。これにより、切断制御部35は、接続が切断された旨を操作パネル15に表示し(ステップ306)、処理はステップ307へ進む。
次いで、実行時間算出部32が、ステップ302で取得した利用サービス情報で示されるサービスの種別及びサービスにおける処理のサイズに基づいて、サービスの実行時間を見積もる(ステップ307)。具体的には、サービスがプリントであれば、実行時間は「(ファイル容量/1ページ当たりの容量)/印刷性能+後処理時間」により見積もればよい。ここで、印刷性能はppm(page per minute)を用いるものとする。また、後処理時間は一律とすればよい。また、サービスがスキャンであれば、実行時間は「データ容量/ネットワーク転送速度+後処理時間」により見積もればよい。ここで、後処理時間は一律とすればよい。尚、スキャン読取り中は接続を切断して他のクライアント60に解放し、送信準備ができたら再接続を行うことも考えられる。更に、サービスがウェブサーバ等による参照系であれば、実行時間は一律とすればよい。
その後、接続時間決定部36が、ステップ307で見積もった時間に応じてタイムアウト時間を決定して、タイマ設定部37が、このタイムアウト時間をタイマ部39にセットし(ステップ308)、タイマ実行部38が、タイマ部39を実行する(ステップ309)。そして、接続制御部34が、ステップ301で取得した接続要求情報が示す接続要求を許可する(ステップ310)。即ち、クライアント60が画像処理装置10に接続されるように無線通信I/F191を制御する。
一方、ステップ304で画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れもがサービスを利用していると接続可否判定部33により判定された場合、接続制御部34は、ステップ301で取得した接続要求情報が示す接続要求を拒否する(ステップ311)。
その後、あるクライアント60のタイムアウト時間が満了したり、あるクライアント60に対するサービス完了の内部コールバックを受けたりすると、切断制御部35は、そのクライアント60へのDeauthenticationパケットの送出を無線通信I/F191に指示する。これにより、そのクライアント60のWi-Fi Direct(商標)による接続が切断される。或いは、あるクライアント60のタイムアウト時間が満了したり、あるクライアント60に対するサービス完了の内部コールバックを受けたりしただけでは、そのクライアント60の接続を切断しないようにしてもよい。この場合は、新たにクライアント60が接続要求を行うと、例えばステップ304の判断に先立ってタイムアウト時間が満了したりサービスが完了したりしているクライアント60があるかどうかを判断し、タイムアウト時間が満了したりサービスが完了したりしているクライアント60の中から接続を切断するクライアント60を選択するようにするとよい。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、利用しているサービスが終了したクライアント60から切断するものである。
図8は、このような動作を行う接続制御装置40の機能構成例を示したブロック図である。ここで、接続制御装置40は、画像処理装置10のCPU11(図2参照)が、後述する各機能部を実現するプログラムを例えばROM13(図2参照)からRAM12(図2参照)に読み込んで実行することにより、実現される装置として捉えられる。
図示するように、接続制御装置40は、情報取得部41と、接続可否判定部43と、接続制御部44と、切断制御部45とを備えている。
情報取得部41、接続可否判定部43、接続制御部44及び切断制御部45は、それぞれ、第2の実施の形態における情報取得部31、接続可否判定部33、接続制御部34及び切断制御部35と同じ機能を有するので、ここでの説明は省略する。
図9は、図8に示した接続制御装置40の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作は、Wi-Fi Direct(商標)のグループオーナとして動作する画像処理装置10にクライアント60がWi-Fi Direct(商標)による接続要求を行ったときに開始するものとする。
図示するように、接続制御装置40では、まず、情報取得部41が、クライアント60から接続要求があったことを示す接続要求情報を無線通信I/F191から取得する(ステップ401)。また、クライアント60はWi-Fi Direct(商標)による接続を行うに当たり、利用サービス情報を画像処理装置10に通知するので、情報取得部41は、この利用サービス情報も無線通信I/F191から取得する(ステップ402)。
次に、接続可否判定部43は、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているかどうかを判定する(ステップ403)。画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していないと判定すれば、処理はステップ407へ進む。
また、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していると判定すれば、接続可否判定部43は、画像処理装置10に接続されているクライアント60がサービスを利用しているかどうかを判定する(ステップ404)。画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れかがサービスを利用していないと判定されれば、切断制御部35は、そのクライアント60の中で待機時間が最も長いクライアント60へのDeauthenticationパケットの送出を無線通信I/F191に指示する(ステップ405)。これにより、そのクライアント60のWi-Fi Direct(商標)による接続が切断される。これにより、切断制御部35は、接続が切断された旨を操作パネル15に表示し(ステップ406)、処理はステップ407へ進む。
その後、接続制御部44が、ステップ401で取得した接続要求情報が示す接続要求を許可する(ステップ407)。即ち、クライアント60が画像処理装置10に接続されるように無線通信I/F191を制御する。
一方、ステップ404で画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れもがサービスを利用していると接続可否判定部43により判定された場合、接続制御部44は、ステップ401で取得した接続要求情報が示す接続要求を拒否する(ステップ408)。
その後、あるクライアント60に対するサービス完了の内部コールバックを受けると、切断制御部45は、そのクライアント60へのDeauthenticationパケットの送出を無線通信I/F191に指示する。これにより、そのクライアント60のWi-Fi Direct(商標)による接続が切断される。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達している状態で新たな接続要求があったことによりクライアント60のWi-Fi Direct(商標)による接続が一時的に切断された場合でも、それまで実行していた処理を再接続の際に継続できるようにするものである。尚、以下では、このような一時的な切断を「一時解除」と呼ぶことにする。
図10は、このような動作を行う接続制御装置50の機能構成例を示したブロック図である。ここで、接続制御装置50は、画像処理装置10のCPU11(図2参照)が、後述する各機能部を実現するプログラムを例えばROM13(図2参照)からRAM12(図2参照)に読み込んで実行することにより、実現される装置として捉えられる。
図示するように、接続制御装置50は、情報取得部51と、接続可否判定部53と、接続制御部54と、切断制御部55と、状態管理テーブル記憶部56と、認証判定部57と、認証解除部58とを備えている。
情報取得部51は、クライアント60から接続要求があったことを示す接続要求情報を無線通信I/F191から取得する。また、クライアント60によるサービスの利用が終了したことを示す情報(以下、「サービス終了情報」という)も取得する。本実施の形態では、接続を要求する要求情報の一例として、接続要求情報を用いており、要求情報を取得する取得手段の一例として、情報取得部51を設けている。
接続可否判定部53は、情報取得部51が接続要求情報を取得した際に、状態管理テーブル記憶部56に記憶された状態管理テーブルを参照することにより、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能かどうかを判定する。具体的には、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているかどうかを判定する。また、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中にサービスの利用が終了しているクライアント60があるかどうかを判定する。更に、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中に利用中のサービスにおける次の処理がユーザ通信以外であるクライアント60があるかどうかを判定する。更にまた、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中に未認証で参照のみを行っているクライアント60があるかどうかを判定する。
また、接続可否判定部53は、情報取得部51がサービス終了情報を取得した際に、状態管理テーブル記憶部56に記憶された状態管理テーブルを参照することにより、接続が一時解除されているクライアント60が画像処理装置10に再接続可能かどうかを判定する。具体的には、接続が一時解除されているクライアント60の中に利用中のサービスにおける次の処理がユーザ通信であるクライアント60があるかどうかを判定する。また、接続が一時解除されているクライアント60の中に利用中のサービスでユーザへの応答が必要なクライアント60があるかどうかを判定する。
接続制御部54は、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能であると接続可否判定部53により判定された場合に、そのクライアント60を画像処理装置10に接続するように無線通信I/F191を制御する。具体的には、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していないと接続可否判定部53により判定された場合、及び、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているが、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中に、サービスの利用が終了しているクライアント60や、利用中のサービスにおける次の処理がユーザ通信以外であるクライアント60や、未認証で参照のみを行っているクライアント60があると接続可否判定部53により判定された場合に、そのクライアント60を画像処理装置10に接続するように制御する。本実施の形態では、接続が行われるように制御する制御手段の一例として、接続制御部54を設けている。
また、接続制御部54は、接続が一時解除されているクライアント60が画像処理装置10に再接続可能であると接続可否判定部53により判定された場合に、そのクライアント60を画像処理装置10に再接続するように無線通信I/F191を制御する。具体的には、接続が一時解除されているクライアント60の中に利用中のサービスにおける次の処理がユーザ通信であると接続可否判定部53により判定された場合、及び、接続が一時解除されているクライアント60の中に利用中のサービスでユーザへの応答が必要であると接続可否判定部53により判定された場合に、そのクライアント60を画像処理装置10に再接続するように制御する。本実施の形態では、接続が再び行われるように制御する制御手段の一例として、接続制御部54を設けている。
切断制御部55は、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているが、接続要求を行ったクライアント60が画像処理装置10に接続可能であると接続可否判定部53により判定された場合に、そのクライアント60とは別のクライアント60の画像処理装置10との接続を一時解除するように無線通信I/F191を制御する。具体的には、画像処理装置10に接続されているクライアント60の中に、サービスの利用が終了しているクライアント60や、利用中のサービスにおける次の処理がユーザ通信以外であるクライアント60や、未認証で参照のみを行っているクライアント60があると接続可否判定部53により判定された場合に、画像処理装置10に接続されているクライアント60から選択された特定のクライアント60の画像処理装置10との接続を一時解除するように制御する。本実施の形態では、接続が一時的に切断されるように制御する制御手段の一例として、切断制御部55を設けている。
また、切断制御部55は、接続が一時解除されているクライアント60の中に認証が行われていないクライアント60があると認証判定部57により判定された場合、及び、接続が一時解除されているクライアント60の中に認証は行われているが認証タイムアウトが発生しているクライアント60があると認証判定部57により判定された場合に、そのクライアント60の接続を切断するように無線通信I/F191を制御する。本実施の形態では、接続が切断されるように制御する制御手段の一例として、切断制御部55を設けている。
状態管理テーブル記憶部56は、接続可否判定部53及び認証判定部57により参照され、接続制御部54、切断制御部55及び認証解除部58により更新される状態管理テーブルを記憶する。この状態管理テーブルについては、後で詳しく説明する。
認証判定部57は、情報取得部51がサービス終了情報を取得した際に、状態管理テーブル記憶部56に記憶された状態管理テーブルを参照することにより、接続が一時解除されているクライアント60の認証に関する状態を判定する。具体的には、接続が一時解除されているクライアント60の中に認証が行われていないクライアント60があるかどうかを判定する。また、接続が一時解除されているクライアント60の中に認証は行われているが認証タイムアウトが発生しているクライアント60があるかどうかを判定する。
認証解除部58は、接続が一時解除されているクライアント60の中に認証は行われているが認証タイムアウトが発生しているクライアント60があると認証判定部57により判定された場合に、そのクライアント60の認証を解除する。
図11は、状態管理テーブル記憶部56に記憶された状態管理テーブルの一例を示した図である。図示するように、状態管理テーブルは、「ID」、「ユーザ」、「接続先」、「実行状態」、「次処理」、「無線通信」、「サービス名」、「認証状態」の各欄を有する。
「ID」欄は、状態管理テーブルの各行を識別する識別情報を保持する。ここでは、各行の識別情報を連番としている。
「ユーザ」欄は、状態管理テーブルの各行で管理されるクライアント60を使用するユーザを識別する識別情報を保持する。本実施の形態では、ユーザの識別情報をA,B,C,Dとし、これらの識別情報を有するユーザをそれぞれユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザDと呼ぶものとする。
「接続先」欄は、状態管理テーブルの各行で管理されるクライアント60を識別する識別情報を保持する。
「実行状態」欄は、クライアント60が利用しているサービスの実行状態を示す情報を保持する。このサービスの実行状態については、後で詳しく説明する。
「次処理」欄は、クライアント60が利用しているサービスで次に行われる処理(次処理)を示す情報を保持する。この次処理についても、後で詳しく説明する。
「無線通信」欄は、クライアント60と画像処理装置10との間の無線通信の状態を示す情報を保持する。この無線通信の状態についても、後で詳しく説明する。
「サービス名」欄は、クライアント60が利用しているサービスの名前を保持する。
「認証状態」欄は、クライアント60の認証に関する状態(認証状態)を示す情報を保持する。この認証状態についても、後で詳しく説明する。
図12は、図11の「次処理」欄で示される次処理を決定するためのサービス規則の一例を示したものである。図示するように、サービス規則では、サービスに対して、そのサービスを構成する処理がその実行順に定義されている。
例えば、「スキャンtoメール」に対しては、1つ目の処理として「スキャン」が、2つ目の処理として「サーバ通信」が、3つ目の処理として「ユーザ通信」が定義されている。ここで、2つ目の処理である「サーバ通信」は、画像処理装置10がスキャンした画像データをメールサーバ70へ送信する処理に相当し、3つ目の処理である「ユーザ通信」は、画像処理装置10が処理の完了通知をクライアント60へ送信する処理に相当する。
「プリント」に対しては、1つ目の処理として「ユーザ通信」が、2つ目の処理として「プリント」が、3つ目の処理として「ユーザ通信」が定義されている。ここで、1つ目の処理である「ユーザ通信」は、クライアント60が印刷データを画像処理装置10へ送信する処理に相当し、3つ目の処理である「ユーザ通信」は、画像処理装置10が処理の完了通知をクライアント60へ送信する処理に相当する。
「メールプリント」に対しては、1つ目の処理として「サーバ通信」が、2つ目の処理として「プリント」が、3つ目の処理として「ユーザ通信」が定義されている。ここで、1つ目の処理である「サーバ通信」は、メールサーバ70が印刷データを画像処理装置10へ送信する処理に相当し、3つ目の処理である「ユーザ通信」は、画像処理装置10が処理の完了通知をクライアント60へ送信する処理に相当する。
「参照」に対しては、処理として「ユーザ通信」のみが定義されている。ここで、この「ユーザ通信」は、画像処理装置10が自装置で保持する情報をクライアント60へ送信する処理に相当する。
このように、図11の状態管理テーブルの「次処理」欄には、図12のサービス規則から取得した内容が設定される。即ち、サービス規則には、「スキャン」、「プリント」、「サーバ通信」、「ユーザ通信」が登録されており、状態管理テーブルの「次処理」欄に次に実行される処理が反映される。画像処理装置10は、処理の実行及び終了を繰り返し、指定されたサービスにおける処理がなくなれば、サービスを終了する。ユーザはサービスが終了すると任意のタイミングで認証の解除及び接続の解除を行う。
図13(a)は、図11の「実行状態」欄で示されるサービスの実行状態について示したシーケンス図である。このシーケンス図は、サービスが開始すると1つ目の処理について「実行待ち」の状態になり、その処理が実行されると「終了待ち」の状態になり、次処理がある限りそれらの処理について「実行待ち」から「終了待ち」への状態遷移が繰り返され、サービスが終了すると「終了」の状態になることを示している。即ち、「実行状態」欄には、このような状態遷移に応じて、「実行待ち」、「終了待ち」及び「終了」の何れかが保持される。
図13(b)は、図11の「無線通信」欄で示される無線通信の状態について示したシーケンス図である。このシーケンス図は、接続が要求されると「接続待ち」の状態になり、その接続が行われると「接続中」の状態になり、その接続を用いて通信が実行されると「通信中」の状態になり、処理がある限りそれらの処理について「接続中」から「通信中」への状態遷移が繰り返され、処理がなくなるとシーケンスは終了することを示している。また、接続が一時解除されると「接続解除中」の状態になり、一時解除された接続が再接続されると「接続中」の状態に復帰すること、及び、「接続解除中」の状態から通信が終了するとシーケンスも終了することを示している。即ち、「無線通信」欄には、このような状態遷移に応じて、「接続待ち」、「接続中」、「通信中」及び「接続解除中」の何れかが保持される。
図13(c)は、図11の「認証状態」欄で示される認証状態について示したシーケンス図である。このシーケンス図は、認証が必要な場合は「認証待ち」の状態になり、認証が成功すると「認証中」の状態になること、認証が不要な場合は「認証なし」の状態になること、及び、認証が解除されるとシーケンスは終了することを示している。即ち、「認証状態」欄には、このような状態遷移に応じて、「認証待ち」、「認証中」及び「認証なし」の何れかが保持される。
図14は、図10に示した接続制御装置50の第1の動作例を示したフローチャートである。ユーザAは使用したい画像処理装置10の近くでクライアント60を用いてWi-Fi Direct(商標)接続により画像処理装置10を検索する。そして、ユーザAは使用したい画像処理装置10をWi-Fi Direct(商標)接続のリスト中から選択し、接続要求を行う。このようにして画像処理装置10がユーザAのクライアント60から接続要求を受けると、動作は開始する。
図示するように、接続制御装置50では、まず、情報取得部51が、クライアント60から接続要求があったことを示す接続要求情報を無線通信I/F191から取得する(ステップ501)。
次に、接続可否判定部53は、画像処理装置10の他のクライアント60との接続状況を状態管理テーブルで確認し、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達しているかどうかを判定する(ステップ502)。画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していないと判定すれば、処理はステップ507へ進む。
また、画像処理装置10に接続されているクライアント60の数が画像処理装置10に接続可能なクライアント60の数の上限に達していると判定すれば、接続可否判定部53は、状態管理テーブルの「実行状態」欄を確認し、画像処理装置10に接続されているクライアント60がサービスの利用を終了しているかどうかを判定する(ステップ503)。画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れかがサービスの利用を終了していると判定されれば、切断制御部55は、そのクライアント60の接続を一時解除する(ステップ506)。即ち、状態管理テーブルの「無線通信」欄を「接続解除中」とする。そして、処理はステップ507へ進む。
更に、画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れもがサービスの利用を終了していないと判定すれば、接続可否判定部53は、状態管理テーブルの「次処理」欄を確認し、画像処理装置10に接続されているクライアント60が利用しているサービスにおける次処理がユーザ通信以外の処理であるかどうかを判定する(ステップ504)。画像処理装置10に接続されているクライアント60が利用しているサービスにおける次処理の何れかがユーザ通信以外の処理であると判定されれば、切断制御部55は、そのクライアント60の接続を一時解除する(ステップ506)。即ち、状態管理テーブルの「無線通信」欄を「接続解除中」とする。そして、処理はステップ507へ進む。
更にまた、画像処理装置10に接続されているクライアント60が利用しているサービスにおける次処理の何れもがユーザ通信であると判定すれば、接続可否判定部53は、状態管理テーブルの「認証状態」欄及び「サービス名」欄を確認し、画像処理装置10に接続されているクライアント60が未認証で利用しているサービスが参照のみであるかどうかを判定する(ステップ505)。画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れかが未認証で利用しているサービスが参照のみであると判定されれば、切断制御部55は、そのクライアント60の接続を一時解除する(ステップ506)。即ち、状態管理テーブルの「無線通信」欄を「接続解除中」とする。そして、処理はステップ507へ進む。
その後、接続制御部54が、ステップ501で取得した接続要求情報が示す接続要求を許可する(ステップ507)。即ち、クライアント60が画像処理装置10に接続されるように無線通信I/F191を制御し、状態管理テーブルの「無線通信」欄を「接続中」とする。また、ユーザ認証が必要な設定であれば、ユーザ名及びパスワードの入力等によりユーザ認証を行う。更に、ユーザにより指定されたサービスの実行の準備を行う。具体的には、サービスを実行するために、指定されたサービスの内容を状態管理テーブルに登録する。
一方、ステップ505で画像処理装置10に接続されているクライアント60の何れもが認証されているか利用しているサービスが参照のみでないかの何れかであると判定されれば、接続制御部54は、ステップ501で取得した接続要求情報が示す接続要求を拒否する(ステップ508)。
図15(a)〜(c)は、図14に示した動作が行われたときの状態管理テーブルの内容の変遷の例を示した図である。ここでは、ユーザAがクライアント60を用いて画像処理装置10に接続要求を行ったものとしている。(a)は、ユーザAがクライアント60で認証を行う前の状態管理テーブルの内容の例である。(b)は、ユーザAがクライアント60で認証を行った後の状態管理テーブルの内容の例である。このとき、「次処理」欄は、ユーザBに対しては「サーバ通信」、ユーザCに対しては「なし」(参照中)、ユーザDに対しては「ユーザ通信」を保持している。従って、ユーザBに対する次処理がユーザ通信でないため、ステップ504でユーザBについて判定結果が「Yes」となり、ステップ506でユーザBのクライアント60との接続が一時解除され、ステップ507でユーザAのクライアント60との接続が行われる。これにより、(c)では、ユーザAのサービス利用依頼に応じて、依頼されたサービスのサービス名である「プリント」が「サービス名」欄にセットされ、図12のサービス規則に基づいて特定された1つ目の処理である「ユーザ通信」が「次処理」欄にセットされる。また、無線通信での情報転送が終了すると、「無線通信」欄は「接続中」に変更される。
尚、この動作例では、画像処理装置10に接続されているクライアント60がサービスの利用を終了しているという条件、画像処理装置10に接続されているクライアント60が利用しているサービスにおける次処理がユーザ通信以外の処理であるという条件、及び、画像処理装置10に接続されているクライアント60が未認証で利用しているサービスが参照のみであるという条件の何れかが満たされた場合に、そのクライアント60の接続が一時解除されるものとした。しかしながら、そのクライアント60の接続が一時解除されるための条件は、これに限らず、予め定めた条件であってよい。
図16は、図10に示した接続制御装置50の第2の動作例を示したフローチャートである。ユーザAが利用したサービスが終了し、接続が解除されると、動作は開始する。
図示するように、接続制御装置50では、まず、情報取得部51が、クライアント60からサービスが終了したことを示すサービス終了情報を無線通信I/F191から取得する(ステップ551)。
次に、接続可否判定部53は、状態管理テーブルの「無線通信」欄を確認し、接続が一時解除されているクライアント60を検索し(ステップ552)、接続が一時解除されているクライアント60があるかどうかを判定する(ステップ553)。接続が一時解除されているクライアント60がないと判定されれば、処理はそのまま終了する。
また、接続が一時解除されているクライアント60があると判定すれば、接続可否判定部53は、状態管理テーブルの「次処理」欄を確認し、そのクライアント60が利用しているサービスにおける次処理がユーザ通信であるかどうかを判定する(ステップ554)。そのクライアント60が利用しているサービスにおける次処理がユーザ通信であると判定されれば、接続制御部54は、そのクライアント60の再接続を行う(ステップ556)。即ち、状態管理テーブルの「無線通信」欄を「接続中」とする。そして、処理は終了する。
更に、そのクライアント60が利用しているサービスにおける次処理がユーザ通信でないと判定すれば、接続可否判定部53は、そのクライアント60が利用しているサービスにおいてユーザへの応答が必要かどうかを判定する(ステップ555)。尚、状態管理テーブルにおいてこの判定に用いる情報を保持する欄は省略したが、この判定を行う場合はそのような欄を設けるものとする。そのクライアント60が利用しているサービスにおいてユーザへの応答が必要であると判定されれば、接続制御部54は、そのクライアント60の再接続を行う(ステップ556)。即ち、状態管理テーブルの「無線通信」欄を「接続中」とする。そして、処理は終了する。
また、そのクライアント60が利用しているサービスにおいてユーザへの応答が必要でないと判定されれば、認証判定部57は、状態管理テーブルの「認証状態」欄を確認し、そのクライアント60について認証が行われているかどうかを判定する(ステップ557)。そのクライアント60について認証が行われていないと判定されれば、切断制御部55は、そのクライアント60の接続の切断を無線通信I/F191に指示する(ステップ560)。即ち、状態管理テーブルから情報を削除する。そして、処理はステップ552へ戻り、接続が一時解除されている他のクライアント60について同じ動作を繰り返す。
更に、そのクライアント60について認証が行われていると判定すれば、認証判定部57は、そのクライアント60について認証タイムアウトが発生しているかどうかを判定する(ステップ558)。尚、状態管理テーブルにおいてこの判定に用いる情報を保持する欄は省略したが、この判定を行う場合はそのような欄を設けるものとする。そのクライアント60についてユーザAのサービス利用時間も加えて認証タイムアウトが発生していると判定されれば、認証解除部58が、そのクライアント60についての認証を解除し(ステップ559)、切断制御部55が、そのクライアント60の接続の切断を無線通信I/F191に指示する(ステップ560)。即ち、状態管理テーブルから情報を削除する。そして、処理はステップ552へ戻り、接続が一時解除されている他のクライアント60について同じ動作を繰り返す。
一方、そのクライアント60について認証タイムアウトが発生していないと判定された場合も、処理はステップ552へ戻り、接続が一時解除されている他のクライアント60について同じ動作を繰り返す。即ち、接続を一時解除したとしても認証タイムアウトにならない限り認証状態は維持するので、再接続の際に認証処理はスキップ可能となる。
図17(a),(b)は、図16に示した動作が行われたときの状態管理テーブルの内容の変遷の例を示した図であり、図15(a)〜(c)の状態管理テーブルに続く変遷の例を示すものである。(a)では、ユーザBに対する「無線通信」欄に「接続解除中」がセットされている。ここで、ユーザBに対する「次処理」欄には「ユーザ通信」がセットされているので、(b)では、ユーザBに対する「無線通信」欄を「接続解除中」から「接続中」に変更している。その後、ユーザAについては、認証の解除及び接続の切断が行われ、状態管理テーブルから情報が削除される。以降、ユーザBは処理を継続し、無線通信を利用したユーザ通知等の必要な処理を行う。
尚、以上をまとめると、再接続を行うクライアント60の優先順位は、以下の通りである。
即ち、ユーザ通信以外の通信処理、例えば、メール送信やファックス送信等のサーバに接続する処理(上記サーバ通信に相当)を行うクライアント60については、再接続を行う際の優先順位を下げる。
また、用紙やトナー等のサプライ切れ、サービス終了、宛先応答不能、サーバエラー等をユーザに通知する処理(上記ユーザ通信又はユーザへの応答に相当)を行うクライアント60については、再接続を行う際の優先順位を上げる。
更に、この再接続の際の優先順位は、ユーザが設定するものであってもよい。
尚、この動作例では、接続が一時解除されているクライアント60が利用しているサービスにおける次処理がユーザ通信であるという条件、及び、接続が一時解除されているクライアント60が利用しているサービスにおいてユーザへの応答が必要であるという条件の何れかが満たされた場合に、そのクライアント60が再接続されるものとした。しかしながら、そのクライアント60が再接続されるための条件は、これに限らず、予め定めた条件であってよい。
また、これまでの動作例では、画像処理装置10の他のクライアント60との接続状況を状態管理テーブルで確認するようにしたが、何れのクライアント60もサービスの利用が終了していなかったりユーザ通信を行っていたりする場合は、接続を一時解除できるクライアント60がない。そこで、このような場合は、接続を一時解除するクライアント60を、通信のポート番号やプロトコルに基づいて選ぶようにしてもよい。例えば、LPD、Port9100等のプロトコルで印刷要求を行っているクライアント60は一時解除せずに、HTTP等のプロトコルでウェブ接続しているクライアント60を一時解除する。そして、印刷が終了したら、一時解除したウェブ接続を再接続する。また、LPD等の印刷終了通知を送らないプロトコルで印刷要求を行ったクライアント60を一時解除した場合は、クライアント60を再接続しないようにしてもよい。
ところで、この第4の実施の形態では、上述した第1の実施の形態又は第2の実施の形態のように画像処理装置10がクライアント60との接続をタイムアウト動作に基づき切断することは前提としなかったが、画像処理装置10がクライアント60との接続をタイムアウト動作に基づき切断することを前提としてもよい。
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。