上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例においては、特に断りがない限りは、パチンコ機正面に向かって右側を「右」と表現し、左側を「左」と表現する。
また、以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.パチンコ機1の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の進行態様:
C.非電サポ状態および電サポ状態を設定するための構成:
C−1.第2始動口25に係る構成:
C−2.回動部材26の動作態様:
D.変形例:
D−1.変形例の第2始動口75に係る構成:
D−2.変形例の回動部材76の動作態様:
A.パチンコ機1の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出された状態となる。中枠3は、一端(図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20の遊技領域21(図2参照)を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部50(図2参照)を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部50(図2参照)とは、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。また、前面枠4における窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、本体枠2の下部の前面(いわゆる幕板)には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図3参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図3参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。そして、遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーター262(図3参照)が回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の縁部には遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10bは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成(前面側)を示す説明図である。前述したように、遊技盤20は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図3参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出された後、遊技領域21を流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40のほぼ中央には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。尚、演出表示装置41の詳しい表示内容については後に説明する。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、第1始動口24および第2始動口25を有する始動口ユニットUが設けられている。これらの始動口のうち、第1始動口24は、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(図3参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
また、始動口ユニットUが有する始動口のうち第2始動口25は、第1始動口24の下方に設けられており、遊技球の入球可能性が変化する始動口(本発明における「入球口」)である。詳しくは後述するが、第2始動口25は、パチンコ機1の左右方向を回動軸として上下方向に(少なくとも360度以上)回動可能な回動部材26を備えており、回動部材26の動作態様に応じて、遊技球の入球可能性が変化する。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(図3参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21において中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(図3参照)が設けられている。
また、遊技領域21における始動口ユニットU(第1始動口24および第2始動口25)の右方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28(可変入球口)が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(図3参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。
また、上述した各遊技装置(遊技部品)の周辺には、遊技球が入球可能なその他入球口30や、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイール31や多数の障害釘32が設けられている。遊技領域21の最下部であって第2始動口25の左下方と右下方には、2つのアウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、その他入球口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏側に排出される。
上述した第1始動口24には、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下する遊技球が入球可能である。これに対して、第2始動口25、普通図柄作動ゲート27、大入賞口28には、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下する遊技球が入球可能(または通過可能)である。以下では、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「左打ち」とも表現し、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24、第2始動口25、その他入球口30の何れかに遊技球が入球した場合は、3個の遊技球が遊技者に払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、13個の遊技球が遊技者に払い出される。
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者に視認される。尚、セグメント表示部50の詳しい表示内容については、後述する遊技の進行態様において説明する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図3は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示すブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200や、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図3におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図3におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図3における203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球を検知するゲートセンサー27sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s、ゲートセンサー27sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた回動部材26を回動させるための(第2始動口25への入球可能性を変化させるための)第2始動口モーター26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第2始動口モーター26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対しては、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信し、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信したりすることによって、遊技の演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10bに対する遊技者の操作を検知すると、該操作に対応する遊技演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM236から読み出す。そして、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介して、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から出力する。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信した場合も、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
B.遊技の進行態様 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で発射ハンドル9が回転されると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(左打ちを行ったり)、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(右打ちを行ったり)することができる。
<特別図柄の変動表示>
図2を用いて前述したように、始動口ユニットUの第1始動口24には左打ちされた遊技球が入球可能である。左打ちされた遊技球が第1始動口24に入球し、その入球した遊技球が第1始動口センサー24sにより検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、この大当り判定の結果に基づいて、第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。また、図2を用いて前述したように、始動口ユニットUの第2始動口25には右打ちされた遊技球が入球可能である。右打ちされた遊技球が第2始動口25に入球し、その入球した遊技球が第2始動口センサー25sにより検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、この大当り判定の結果に基づいて、第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。
ここで、第1特図、第2特図について説明する。図4は、セグメント表示部50を拡大して示す説明図である。前述したように、セグメント表示部50は遊技盤20における遊技領域21の右下方に設けられており(図2参照)、遊技者は前面枠4の小窓部4c(図1参照)を通してセグメント表示部50を視認可能である。図4に示すように、セグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52とが設けられており、これらの表示部にはそれぞれ8個のLEDが配置されている。第1特図および第2特図(以下、これらを特に区別をしない場合は、まとめて「特別図柄」という)は、それぞれの表示部において、8個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、8個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、第1特図として、大当り図柄101〜200、外れ図柄201の101種類の図柄を停止表示可能であり、第2特図として、大当り図柄301〜400、外れ図柄401の101種類の図柄を停止表示可能である。また、これらの図柄の種類は、点灯するLEDの組合せの相違によって識別可能である。遊技球が第1始動口24に入球することに基づく大当り判定(以下「第1特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第1特図が大当り図柄101〜200の何れかで停止表示され、第1特図についての大当り判定の結果が外れである場合は、第1特図が外れ図柄201で停止表示される。また、遊技球が第2始動口25に入球することに基づく大当り判定(以下「第2特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第2特図が大当り図柄301〜400の何れかで停止表示され、第2特図についての大当り判定の結果が外れである場合は第2特図が外れ図柄401で停止表示される。こうして特別図柄(第1特図または第2特図)を大当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、「特別図柄が変動表示を開始してから、所定の変動時間の経過により当該変動表示が終了して、特別図柄が大当り図柄または外れ図柄で確定表示されるまでの遊技」、すなわち、「1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技」を「図柄変動遊技」とも表現する。
<大当り遊技>
第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄で停止表示されると、大入賞口28が開放状態となるラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を開始する。図2を用いて前述したように、大入賞口28には右打ちされた遊技球が入球可能であるので、大当り遊技中は右打ちが行われることとなる。
本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類によって、1回の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数が異なる。すなわち、第1特図が大当り図柄101〜150で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、4回のラウンド遊技が行われる4ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄151〜190で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)、6回のラウンド遊技が行われる6ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄191〜194で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は4%の確率で)、7回のラウンド遊技が行われる7ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄195〜200で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)、16回のラウンド遊技が行われる16ラウンド大当り遊技が行われる。また、第2特図が大当り図柄301〜350で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)4ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄351〜390で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)6ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄391〜394で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は4%の確率で)7ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄395〜400で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)16ラウンド大当り遊技が行われる。
本実施例のパチンコ機1において、1回のラウンド遊技は、9個の遊技球が入球した場合(9カウント)または30秒が経過した場合に終了するので、ほとんどの場合において1回のラウンド遊技では117個(9カウント×払出数13個)の遊技球が払い出される。従って、当然ながら、ラウンド遊技回数の多い大当り遊技の方が、ラウンド遊技回数が少ない大当り遊技よりも遊技者に多くの遊技球が払い出されることとなる。このため、ラウンド遊技回数のより多い大当り遊技が行われることを遊技者に期待させることができる。尚、このことは、「遊技者にとっての有利度合」が互いに異なる複数の大当り遊技(特定遊技)を実行可能であると捉えることができる。
上述した大当り遊技の実行中は、セグメント表示部50のラウンド表示部55に実行中の大当り遊技の種類(ラウンド遊技回数)が表示される。すなわち、図4に示すように、ラウンド表示部55には3個のLEDが配置されており、このラウンド表示部55では、3個のLEDのうち左のLEDを点灯することで4ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、中のLEDを点灯することで6ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、右のLEDを点灯することで7ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、3個全てのLEDを点灯することで16ラウンド大当り遊技の実行中であることを示す。
<特別図柄の保留>
遊技球が第1始動口24に入球すると、上述したように第1特図についての大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示は、遊技球が第1始動口24に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第1特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第1特図保留に基づいて大当り判定や第1特図の変動表示を行う。このような第1特図保留は4個を上限として記憶される。第1特図保留の記憶数(第1特図保留数)は、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53に表示される。すなわち、図4に示すように、第1特図保留表示部53には2個のLEDが配置されており、この第1特図保留表示部53では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第1特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第1特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第1特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第1特図保留数が4個であることを示す。
また、遊技球が第2始動口25に入球すると、上述したように第2特図についての大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示も、遊技球が第2始動口25に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第2特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第2特図保留に基づいて大当り判定や第2特図の変動表示を行う。このような第2特図保留も4個を上限として記憶される。第2特図保留の記憶数(第2特図保留数)は、セグメント表示部50の第2特図保留表示部54に表示される。すなわち、図4に示すように、第2特図保留表示部54にも2個のLEDが配置されており、この第2特図保留表示部54では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第2特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第2特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第2特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第2特図保留数が4個であることを示す。
尚、本実施例のパチンコ機1では、何れかの特別図柄の変動表示中や、何れかの特別図柄の確定表示中、大当り遊技中は、第1特図保留や第2特図保留が記憶されていても、これらの保留に係る大当り判定や変動表示は行わない。また、第1特図保留および第2特図保留のうち第1特図保留のみが記憶されている場合は、最先に記憶された第1特図保留に係る大当り判定および第1特図の変動表示を行うが、第2特図保留が記憶されている場合は第1特図保留が記憶されているか否かに拘わらず、最先に記憶された第2特図保留に係る大当り判定および第2特図の変動表示を行う。すなわち、第2特図を第1特図に優先して変動表示させる(いわゆる第2特図の優先変動機能を有する)。
<普通図柄の変動表示、普図当り遊技>
図2を用いて前述したように、普通図柄作動ゲート27は右打ちされた遊技球が通過可能である。右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過し、その遊技球がゲートセンサー27sにより検知されると、所定の判定乱数(普図当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて普図当りであるか外れであるかを判定する普図当り判定を行う。そして、この普図当り判定の結果に基づいて、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる。図4に示すように、セグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部56が設けられており、普図表示部56には2個のLEDが配置されている。普通図柄は、普図表示部56において、2個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、2個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、普通図柄として、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた普図当り図柄と、右のLEDを点灯させた普図外れ図柄の2種類の図柄を停止表示可能である。普図当り判定の結果が普図当りである場合は普通図柄が普図当り図柄で停止表示され、普図当り判定の結果が普図外れである場合は普通図柄が普図外れ図柄で停止表示される。こうして普通図柄を当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(確定表示)を行う。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25に設けられた回動部材26を回動させる(第2始動口25への遊技球の入球頻度を変化させる)普図当り遊技が行われる。尚、この普図当り遊技の態様については、後の「D.非電サポ状態および電サポ状態を設定するための構成」欄において詳しく説明する。
<普通図柄の保留>
遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、普図当り判定や普通図柄の変動表示が行われるものの、これらの普図当り判定や変動表示は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を普図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した普図保留に基づいて普図当り判定や普通図柄の変動表示を行う。このような普図保留も4個を上限として記憶される。普図保留の記憶数(普図保留数)は、セグメント表示部50の普図保留表示部57に表示される。すなわち、図4に示すように、普図保留表示部57には2個のLEDが配置されており、この普図保留表示部57では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで普図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで普図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで普図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで普図保留数が4個であることを示す。尚、本実施例のパチンコ機1では、普図保留が記憶されている場合において、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中、普図当り遊技中の何れでもなければ、最先に記憶された普図保留に係る普図当り判定および普通図柄の変動表示を行う。
<遊技状態>
ここで、本実施例のパチンコ機1では、「大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態」と、「第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態」とが適宜設定される。これらのうち「大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態」は、「大当り判定において大当りと判定される確率が低い(99.9分の1の確率である)低確率状態」または「大当り判定において大当りと判定される確率が高い(11.9分の1の確率である)高確率状態」に設定される。また、「第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態」は、「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態」に設定される。本実施例のパチンコ機1では、特に、この「第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態(非電サポ状態、電サポ状態)」を設定するための構成に特徴を有しており、この構成については、上述した普図当り遊技の態様と共に、後の「D.非電サポ状態および電サポ状態を設定するための構成」欄において詳しく説明する。
尚、以下では、高確率状態が設定された状態で実行可能な図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)の回数を「高確回数」とも表現し、電サポ状態が設定された状態で実行可能な図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)の回数を「電サポ回数」とも表現する。
本実施例のパチンコ機1では、何れの大当り遊技が行われた場合であっても、大当り遊技終了後は高確率状態と電サポ状態が併せて設定されるものの、電サポ回数は、大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類によって異なる。すなわち、高確回数については、何れの大当り図柄が停止表示された場合であっても6回に設定される。これに対して、電サポ回数については、第1特図が大当り図柄101〜145で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は45%の確率で)25回に設定され、第1特図が大当り図柄146〜150、151〜190、191〜194で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は5%+40%+4%=49%の確率で)50回に設定され、第1特図が大当り図柄195〜200で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)100回に設定される。また、第2特図が大当り図柄301〜345で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は45%の確率で)25回に設定され、第2特図が大当り図柄346〜350、351〜390、391〜394で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は5%+40%+4%=49%の確率で)50回に設定され、第2特図が大当り図柄395〜400で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)100回に設定される。
尚、高確回数が6回に設定された後に図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)が6回行われた場合は、高確率状態は終了し、電サポ状態が設定されたまま低確率状態が設定される。また、25回、50回、100回の電サポ回数が設定された後に該電サポ回数と同数の図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)が行われた場合は、電サポ状態は終了し、非電サポ状態が設定される。遊技者にとっては、電サポ状態の方が非電サポ状態よりも有利な状態であることから、より多くの電サポ回数が設定されることを遊技者に期待させることができる。
ここで、セグメント表示部50には、上述した電サポ状態の設定中であることを示す電サポ表示部58が設けられている。すなわち、図4に示すように、電サポ表示部58には、3個のLEDが配置されており、電サポ状態の設定中は、この3個のLEDを点灯することによって電サポ状態の設定中であることを示す。また、図4に示すように、セグメント表示部50には、右打ちを行うことを示す右打ち表示部59が設けられている。電サポ状態の設定中は第2始動口25への遊技球の入球頻度が高く、且つ、第2始動口25は右打ちされた遊技球が入球可能であるので、電サポ状態の設定中は右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。また、大入賞口28も右打ちされた遊技球が入球可能であるので、大当り遊技中も右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。そこで、電サポ状態の設定中および大当り遊技中は、右打ち表示部59に配置された2個のLEDを点灯することによって右打ちを行うことを示す。
<演出の内容>
上述したような遊技の進行は、主に主制御基板200のCPU201によって行われる。本実施例のパチンコ機1では、上述したような遊技の進行に合わせて、演出表示装置41に種々の画像を表示する演出を行う。このような演出は、主にサブ制御基板220のCPU221によって行われる。
例えば、演出表示装置41では、第1特図または第2特図の変動表示(図柄変動遊技)に合わせた各種の演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。すなわち、第1特図表示部51または第2特図表示部52にて特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)の開始タイミングと同期して、演出表示装置41においても3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を一斉に開始し、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング(特別図柄の停止表示)と同期して3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を終了する。本実施例のパチンコ機1では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄を表示可能である。
図5(a)には、3つの識別図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄41aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、右識別図柄41cが停止表示され、最後に中識別図柄41bが停止表示される。これら演出表示装置41で停止表示される3つの識別図柄41a,41b,41cの組合せは、前述した第1特図表示部51または第2特図表示部52で停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示装置41の3つの識別図柄41a,41b,41cが同じ図柄となる図柄組合せ(以下「ゾロ目」ともいう)で停止表示される。また、第1特図または第2特図が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(以下「バラケ目」ともいう)で停止表示される。尚、停止表示された識別図柄41a、41b、41cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる(確定表示される)。
このように、第1特図表示部51または第2特図表示部52で表示される特別図柄と、演出表示装置41で表示される3つの識別図柄41a,41b,41cとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の特別図柄が停止表示する際には、3つの識別図柄41a,41b,41cも停止表示するようになっている。しかも、図2に示すように、演出表示装置41は、第1特図表示部51または第2特図表示部52(セグメント表示部50)よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置41の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、図5(b)に示すように、演出表示装置41の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄41aと、続いて停止表示される右識別図柄41cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄41bも同じ図柄で停止して、「大当り遊技が開始されるのではないか」と、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように、2つの識別図柄(一の識別図柄を除いた識別図柄)を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止表示させて最後の識別図柄(一の識別図柄)を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めている。
また、演出表示装置41の表示画面上の下部には、第1特図保留数を示すための第1保留表示領域41dと、第2特図保留数を示すための第2保留表示領域41eとが設定されている。本実施例のパチンコ機1では、第1保留表示領域41dに第1特図保留数と同数の「保留図柄(図中、小さい円形の図柄)」を表示することで第1特図保留数を示し、第2保留表示領域41eに第2特図保留数と同数の「保留図柄」を表示することで第2特図保留数を示す。従って、図5に示す例では、第1特図保留数および第2特図保留数が共に4個であることが示されている。尚、当然ながら、演出表示装置41の表示画面上に表示された保留図柄によって示される保留数と、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53および第2特図保留表示部54にて示される保留数とは一致することとなる。
また、演出表示装置41では、大当り遊技の実行中に、該大当り遊技の実行中であることを示す演出(以下「大当り遊技演出」ともいう)が行われる。このような大当り遊技演出としては、例えば、実行中の大当り遊技にて行われるラウンド遊技の回数を示唆する演出や、実行中の大当り遊技の終了後に設定される遊技状態を示唆する演出などが行われる。
C.非電サポ状態および電サポ状態を設定するための構成 :
次に、非電サポ状態および電サポ状態を設定するための構成について説明するが、これらの遊技状態は「第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態」であるため、先ずは、第2始動口25に係る構成について説明する。
C−1.第2始動口25に係る構成 :
図6(a)は本実施例の始動口ユニットUの斜視図であり、図6(b)はその分解斜視図である。図2を用いて前述したように、始動口ユニットUは、遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方に設けられている。図6に示すように、始動口ユニットUの上部には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な第1始動口24が設けられている。また、第1始動口24の下方には、前方に張り出して形成された装飾部34が形成されている。この装飾部34の前面と、窓部4aに取り付けられた透明板4b(図2参照)との間に形成された間隙の幅は、遊技球の直径以下となっているので、遊技球は装飾部34の前方を通過できない構成となっている。また、装飾部34の下方には、前後方向に開口された第2始動口25(本発明における「入球口」)が設けられている。第2始動口25の下部には、回動部材26が少なくとも360度以上回動可能に設けられている。詳しくは、回動部材26は、左右方向に延びるシャフト26aと、シャフト26aの外周壁から遠心方向(シャフト26aの中心軸から外側に向かう方向)に湾曲しながら延びる9つの翼片部26bとを有している。そして、回動部材26のシャフト26aは、両端が第2始動口25の左右の内側壁下部に軸支されている。
また、第2始動口25の下部には、回動部材26の翼片部26bが挿入される挿入溝35が形成されている。これによって、回動部材26が回動する際に翼片部26bが第2始動口25の内壁などに当接することなく、回動部材26を円滑に回動させることができる。もっとも、第2始動口25の下部に挿入溝35を形成することとすると、自ずと、遊技球の転動面(第2始動口25の球通路の底面)にも挿入溝35が形成されることとなる。このため、第2始動口25に入球した遊技球が挿入溝35から下方へ落下してしまう虞がある。そこで、本実施例では、挿入溝35(ひいては翼片部26b)の幅を遊技球の直径より小さく形成している。この結果、上述の虞を防止することができる。
C−2.回動部材26の動作態様 :
次に、回動部材26の動作態様について説明する。図7(b)は、図7(a)中のX面における始動口ユニットUの断面図である。本発明のパチンコ機1では、普図当り遊技が行われていない場合は、回動部材26は回動が停止した状態である。詳しくは、図7(b)に示すように、翼片部26bの一部(三方向に延びている翼片部26bのうち一方向に延びている翼片部26b)が第2始動口25の開口部にて起立した状態となっており、これによって、遊技球の第2始動口25への進入が妨げられた状態(第2始動口25に遊技球が入球不能な状態)となっている。
これに対して、普図当り遊技の実行中は、主制御基板200のCPU201(本発明における「制御手段」)が第2始動口モーター26mを駆動することによって回動部材26を回動させ、第2始動口に遊技球が入球可能な機会を発生させる。詳しくは、非電サポ状態中に普図当り遊技が行われる場合は、第2始動口25内に位置する翼片部26bが第2始動口25の外側に移動する方向(図中の矢印A方向、以下「外方向」ともいう)に回動部材26を回動させ、電サポ状態中に普図当り遊技が行われる場合は、第2始動口25内に位置する翼片部26bが第2始動口25の内側に移動する方向(図中の矢印B方向、以下「内方向」ともいう)に回動部材26を回動させる。尚、回動部材26の回動速度は、外方向および内方向の何れの方向に回動する場合も同じである。
このように本実施例のパチンコ機1では、非電サポ状態中であるか電サポ状態中であるかによって普図当り遊技中の回動部材26の回動方向が異なるところ(外方向あるいは内方向)、当然ながら、第2始動口25に遊技球が入球可能な期間は、該回動方向によって異なる。すなわち、本実施例では、回動部材26が外方向に回動している場合は、図8(a)に示すように、回動部材26がα度(例えば5度)回動する期間が第2始動口25に遊技球が入球可能な期間である。具体的には、「第2始動口25の開口上縁部と回動部材26(一の翼片部26b)の上端部との間隙S1」の幅が遊技球の直径(例えば11mm)と同一になった後に回動部材26がα度回動する期間が、第2始動口25に遊技球が入球可能な期間である。これに対して、回動部材26が内方向に回動している場合は、図8(b)に示すように、回動部材26がα度より大きいβ度(例えば40度)回動する期間が第2始動口25に遊技球が入球可能な期間である。具体的には、「間隙S1」の幅が遊技球の直径と同一になる前に回動部材26がβ度回動する期間が、第2始動口25に遊技球が入球可能な期間である。
ここで、上述したような、第2始動口25に遊技球が入球可能な期間にて回動部材26が回動する角度(α度、β度)は、回動方向(外方向、内方向)以外にも、種々の要因によって決定される。例えば、第2始動口25の形状や、回動部材26の形状、回動部材26の回動速度などによって決定される。もっとも、本実施例のように、回動部材26の回動速度が外方向および内方向の何れの方向に回動する場合も同じである場合は、上述したように、第2始動口25に遊技球が入球可能な期間にて回動部材26が回動する角度は、外方向に回動する場合(α度)よりも内方向に回動する場合(β度)の方が大きい。ひいては、第2始動口25に遊技球が入球可能な期間の長さは、外方向に回動する場合(α度回動する期間)よりも内方向に回動する場合(β度回動する期間)の方が長い。
従って、少なくとも、電サポ状態中の普図当り遊技の実行頻度が非電サポ状態中の実行頻度以上であれば、回動部材26が外方向に回動する非電サポ状態中よりも、回動部材26が内方向に回動する電サポ状態中の方が第2始動口25に遊技球が入球可能な期間が長くなり、ひいては、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高くなる。
尚、電サポ状態中の普図当り遊技の実行頻度が非電サポ状態中の実行頻度以上とするためには、次のような構成を採用することができる。例えば、電サポ状態中と非電サポ状態中とで、「普図当り判定結果が普図当りとなる確率」と「普通図柄の変動時間」とを互いに同じとする構成や、電サポ状態中の方が非電サポ状態中よりも「普図当り判定結果が普図当りとなる確率」を高くする構成、電サポ状態中の方が非電サポ状態中よりも「普通図柄の変動時間」を短くする構成、これらの構成の組み合わせなどを採用することができる。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、非電サポ状態中と電サポ状態中とで、従来のような往復運動ではなく、回動部材26の回動の態様を異ならせることによって、第2始動口25への遊技球の入球頻度を異ならせることができる。この結果、第2始動口25への入球頻度を変化させる役物(回動部材26)について、遊技者に新鮮味を感じさせることができ、ひいては、面白味を感じさせることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、回動部材26の姿勢によって、第2始動口25に遊技球が入球不能な場合と入球可能な場合とがあるので、遊技者に回動部材26の姿勢を意識させることができ、第2始動口25への入球頻度を変化させる役物(回動部材26)について、遊技者に面白味を感じさせることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、回動部材26の回動方向(外方向または内方向)によって、第2始動口25への遊技球の入球頻度が異なるので、遊技者に回動部材26の回動方向を意識させることができ、第2始動口25への入球頻度を変化させる役物(回動部材26)について、遊技者に面白味を感じさせることが可能となる。また、非電サポ状態中と電サポ状態中とで回動部材26の回動方向が異なるので、これらの状態のうち何れの状態が設定されているかを遊技者に認識し易くすることができる。
また、本実施例のパチンコ機1では、回動部材26が停止している場合(普図当り遊技中が行われていない場合)よりも回動部材26が回動している場合(普図当り遊技が行われている場合)の方が第2始動口25への遊技球の入球頻度が高くなる。こうすると、回動部材26を回動することによって遊技者に面白味を感じさせるだけでなく、遊技者にとって有利な状態(普図当り遊技中)とすることができるので、遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、回動部材26が外方向にα度回動する期間および内方向にβ度回動する期間の回動部材26の姿勢は本発明における「第2姿勢」に相当し、それ以外の期間の姿勢は本発明における「第1姿勢」に相当する。また、回動部材26の停止動作は本発明における「第1態様での動作」に相当し、回動部材26の回動動作は本発明における「第2態様での動作」に相当する。あるいは、回動部材26の外方向(第1方向)への回動動作は本発明における「第1態様での動作」に相当し、回動部材26の内方向(第2方向)への回動動作は本発明における「第2態様での動作」に相当する。
また、上述した実施例では、非電サポ状態中と電サポ状態中とで回動部材26の回動速度が同じであることとしたが、該回動速度が互いに異なることとしてもよい。例えば、非電サポ状態中は1秒間に1回転(360度)回転する速度(本発明における「第1速度」)とし、電サポ状態中は1秒間に2分の1回転(180度)回転する速度(本発明における「第2速度」)としてもよい。尚、このような構成とした場合であっても、当然ながら、非電サポ状態中よりも電サポ状態中の方が第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い構成とする。
また、上述した実施例では、非電サポ状態中と電サポ状態中とで26の回動方向を互いに異ならせることによって第2始動口25への遊技球の入球頻度を互いに異ならせることとしたが、非電サポ状態中と電サポ状態中とで26の回動方向を同じにし回動速度を互いに異ならせることによって第2始動口25への遊技球の入球頻度を互いに異ならせることとしてもよい。例えば、非電サポ状態中は1秒間に2回転(720度)回転する速度(本発明における「第1速度」)とし、電サポ状態中は1秒間に4分の1回転(90度)回転する速度(本発明における「第2速度」)としてもよい。
これらのように非電サポ状態中と電サポ状態中とで回動部材26の回動速度を互いに異ならせることとすると(特に、回動部材26の回動速度によって第2始動口25への遊技球の入球頻度を異ならせることとすると)、遊技者に回動部材26の回動速度を意識させることができ、第2始動口25への入球頻度を変化させる役物(回動部材26)について、遊技者に面白味を感じさせることが可能となる。また、非電サポ状態中と電サポ状態中のうち何れの状態が設定されているかを遊技者に認識し易くすることができる。
D.変形例 :
次に、変形例について説明する。以下に説明するように、変形例では、第2始動口65に係る構成が上述の実施例と異なる。
D−1.変形例の第2始動口65に係る構成 :
図9(a)は変形例の始動口ユニットUの斜視図であり、図9(b)はその正面図である。変形例の始動口ユニットUも、遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方に設けられている。図9に示すように、始動口ユニットUの上部には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な第1始動口24が設けられている。また、第1始動口24の下方には、前方に張り出して形成された装飾部34が形成されている。この装飾部34の前面と、窓部4aに取り付けられた透明板4bとの間に形成された間隙の幅は、遊技球の直径以下となっているので、遊技球は装飾部34の前方を通過できない構成となっている。また、装飾部34の下方には、第1始動口24と同様に開口部の大きさが不変(一定)である第2始動口65(本発明における「入球口」)が設けられている。もっとも、第2始動口65には遊技球が常時入球可能ではなく、回動部材66の姿勢によって遊技球が入球可能となったり入球不能となったりする。すなわち、第2始動口65の左右の上方には、前後方向を回動軸として回動可能な回動部材66が設けられている。詳しくは、回動部材66は、前後方向に延びるシャフト66aと、シャフト66aの外周壁から遠心方向(シャフト66aの中心軸から外側に向かう方向)に湾曲しながら延びる3つの翼片部66bとを有している。そして、回動部材66のシャフト66aは、遊技領域21における第2始動口65の左右の上方に、後部側が軸支されている。そして、このような回動部材26のの姿勢(翼片部66bの位置)によって、遊技球が第2始動口65に入球可能となったり入球不能となったりする。
D−2.回動部材66の動作態様 :
次に、回動部材66の動作態様について説明する。変形例では、普図当り遊技が行われていない場合は、回動部材66は回動が停止した状態である。詳しくは、図9(b)に示すように、「装飾部34の側壁と回動部材66(一の翼片部66b)の上端部との間隙S2」の幅が遊技球の直径より小さい状態となっている。すなわち、第2始動口65の上方の領域には「間隙S2」を通過した遊技球のみが進入可能であり、ひいては、第2始動口65には「間隙S2」を通過した遊技球のみが入球可能である。そこで、普図当り遊技が行われていない場合は、「間隙S2」の幅を遊技球の直径より小さくした状態で回動部材66を停止させておく。これによって、普図当り遊技が行われていない場合は、第2始動口65に遊技球が入球不能な状態となっている。
これに対して、普図当り遊技の実行中は、主制御基板200のCPU201(本発明における「制御手段」)が第2始動口モーター66m(図示省略)を駆動することによって回動部材66を回動させ、第2始動口に遊技球が入球可能な機会を発生させる。詳しくは、非電サポ状態中に普図当り遊技が行われる場合は、3つの翼片部66bのうち上側に位置する翼片部66bが第2始動口65側とは反対側に移動する方向(図中の矢印C方向、以下「外方向」ともいう)に回動部材66を回動させ、電サポ状態中に普図当り遊技が行われる場合は、3つの翼片部66bのうち上側に位置する翼片部66bが第2始動口65側に移動する方向(図中の矢印D方向、以下「内方向」ともいう)に回動部材66を回動させる。尚、回動部材66の回動速度は、外方向および内方向の何れの方向に回動する場合も同じである。
このように変形例では、非電サポ状態中であるか電サポ状態中であるかによって普図当り遊技中の回動部材66の回動方向が異なるところ(外方向あるいは内方向)、当然ながら、第2始動口65に遊技球が入球可能な期間は、該回動方向によって異なる。すなわち、変形例では、回動部材66が外方向に回動している場合は、図10(a)に示すように、回動部材66がγ度(例えば5度)回動する期間が第2始動口65に遊技球が入球可能な期間である。具体的には、「間隙S2」の幅が遊技球の直径(例えば11mm)と同一になった後に回動部材66がγ度回動する期間が、第2始動口65に遊技球が入球可能な期間である。これに対して、回動部材66が内方向に回動している場合は、図10(b)に示すように、回動部材66がγ度より大きいθ度(例えば40度)回動する期間が第2始動口65に遊技球が入球可能な期間である。具体的には、「間隙S2」の幅が遊技球の直径と同一になる前に回動部材66がθ度回動する期間が、第2始動口65に遊技球が入球可能な期間である。
ここで、上述したような、第2始動口65に遊技球が入球可能な期間にて回動部材66が回動する角度(γ度、θ度)は、回動方向(外方向、内方向)以外にも、種々の要因によって決定される。例えば、第2始動口65の形状や、回動部材66の形状、回動部材66の回動速度などによって決定される。もっとも、本変形例のように、回動部材66の回動速度が外方向および内方向の何れの方向に回動する場合も同じである場合は、上述したように、第2始動口65に遊技球が入球可能な期間にて回動部材66が回動する角度は、外方向に回動する場合(γ度)よりも内方向に回動する場合(θ度)の方が大きい。ひいては、第2始動口65に遊技球が入球可能な期間の長さは、外方向に回動する場合(γ度回動する期間)よりも内方向に回動する場合(θ度回動する期間)の方が長い。
従って、少なくとも、電サポ状態中の普図当り遊技の実行頻度が非電サポ状態中の実行頻度以上であれば、回動部材66が外方向に回動する非電サポ状態中よりも、回動部材66が内方向に回動する電サポ状態中の方が第2始動口65に遊技球が入球可能な期間が長くなり、ひいては、第2始動口65への遊技球の入球頻度が高くなる。尚、電サポ状態中の普図当り遊技の実行頻度が非電サポ状態中の実行頻度以上とするためには、上述した実施例と同様の構成を採用することができる。
以上のように変形例では、非電サポ状態中と電サポ状態中とで、従来のような往復運動ではなく、回動部材66の回動の態様を異ならせることによって、第2始動口65への遊技球の入球頻度を異ならせることができる。この結果、第2始動口65への入球頻度を変化させる役物(回動部材66)について、遊技者に新鮮味を感じさせることができ、ひいては、面白味を感じさせることが可能となる。
また、変形例では、回動部材66の姿勢によって、第2始動口65に遊技球が入球不能な場合と入球可能な場合とがあるので、遊技者に回動部材66の姿勢を意識させることができ、第2始動口65への入球頻度を変化させる役物(回動部材66)について、遊技者に面白味を感じさせることが可能となる。
また、変形例では、回動部材66の回動方向(外方向または内方向)によって、第2始動口65への遊技球の入球頻度が異なるので、遊技者に回動部材66の回動方向を意識させることができ、第2始動口65への入球頻度を変化させる役物(回動部材66)について、遊技者に面白味を感じさせることが可能となる。また、非電サポ状態中と電サポ状態中とで回動部材66の回動方向が異なるので、これらの状態のうち何れの状態が設定されているかを遊技者に認識し易くすることができる。
また、変形例では、回動部材66が停止している場合(普図当り遊技中が行われていない場合)よりも回動部材66が回動している場合(普図当り遊技が行われている場合)の方が第2始動口65への遊技球の入球頻度が高くなる。こうすると、回動部材66を回動することによって遊技者に面白味を感じさせるだけでなく、遊技者にとって有利な状態(普図当り遊技中)とすることができるので、遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、回動部材66が外方向にγ度回動する期間および内方向にθ度回動する期間の回動部材66の姿勢は本発明における「第2姿勢」に相当し、それ以外の期間の姿勢は本発明における「第1姿勢」に相当する。また、回動部材66の停止動作は本発明における「第1態様での動作」に相当し、回動部材66の回動動作は本発明における「第2態様での動作」に相当する。あるいは、回動部材66の外方向(第1方向)への回動動作は本発明における「第1態様での動作」に相当し、回動部材66の内方向(第2方向)への回動動作は本発明における「第2態様での動作」に相当する。
また、上述した変形例では、非電サポ状態中と電サポ状態中とで回動部材66の回動速度が同じであることとしたが、該回動速度が互いに異なることとしてもよい。例えば、非電サポ状態中は1秒間に1回転(360度)回転する速度(本発明における「第1速度」)とし、電サポ状態中は1秒間に2分の1回転(180度)回転する速度(本発明における「第2速度」)としてもよい。尚、このような構成とした場合であっても、当然ながら、非電サポ状態中よりも電サポ状態中の方が第2始動口65への遊技球の入球頻度が高い構成とする。
また、上述した変形例では、非電サポ状態中と電サポ状態中とで66の回動方向を互いに異ならせることによって第2始動口65への遊技球の入球頻度を互いに異ならせることとしたが、非電サポ状態中と電サポ状態中とで66の回動方向を同じにし回動速度を互いに異ならせることによって第2始動口65への遊技球の入球頻度を互いに異ならせることとしてもよい。例えば、非電サポ状態中は1秒間に2回転(720度)回転する速度(本発明における「第1速度」)とし、電サポ状態中は1秒間に4分の1回転(90度)回転する速度(本発明における「第2速度」)としてもよい。
これらのように非電サポ状態中と電サポ状態中とで回動部材66の回動速度を互いに異ならせることとすると(特に、回動部材66の回動速度によって第2始動口65への遊技球の入球頻度を異ならせることとすると)、遊技者に回動部材66の回動速度を意識させることができ、第2始動口65への入球頻度を変化させる役物(回動部材66)について、遊技者に面白味を感じさせることが可能となる。また、非電サポ状態中と電サポ状態中のうち何れの状態が設定されているかを遊技者に認識し易くすることができる。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例および変形例においては、第2始動口25または第2始動口65への遊技球の入球頻度を変化させるために本発明における「回動部材」に相当する部材(回動部材26または回動部材66)を設けることとしたが、その他の入球口への遊技球の入球頻度を変化させるために本発明における「回動部材」を設けることとしてもよい。例えば、第2始動口25または第2始動口65を設けずに、第1始動口24への遊技球の入球頻度を変化させるために本発明における「回動部材」を設けることとしてもよい。また、大入賞口28への遊技球の入球頻度を変化させるために「回動部材」を設けることとしてもよい。
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。尚、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
また、上述した実施例のパチンコ機は、次のような遊技機として把握することもできる。すなわち、
<把握例1>
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球口と、
回動可能に設けられた回動部材と、
前記回動部材の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記回動部材を第1態様と前記第1態様と異なる第2態様とで回動させることが可能であり、
前記回動部材が前記第1態様で回動している場合よりも、前記回動部材が前記第2態様で回動している場合の方が、前記入球口への遊技球の入球頻度が高い
ことを特徴とする。
このような遊技機では、回動部材を第1態様または第2態様で回動させることが可能であり、この回動の態様によって入球口への入球頻度が異なる。すなわち、従来のような往復運動ではなく、回動の態様によって、入球口への入球頻度を変化させることができる。こうすると、入球口への入球頻度を変化させる役物(本発明の回動部材)について、遊技者に新鮮味を感じさせることができ、ひいては、面白味を感じさせることが可能となる。
<把握例2>
また、こうした遊技機では、
前記回動部材は前記入球口に設けられており、前記回動部材が第1姿勢である場合は前記入球口に遊技球が入球不能であり、前記回動部材が前記第1姿勢と異なる第2姿勢である場合は前記入球口に遊技球が入球可能である
こととしてもよい。
このような遊技機では、回動部材の姿勢によって、入球口に遊技球が入球不能な場合と入球可能な場合とがあるので、遊技者に回動部材の姿勢を意識させることができ、入球口への入球頻度を変化させる役物(本発明の回動部材)について、遊技者に面白味を感じさせることが可能となる。
<把握例3>
また、こうした遊技機では、
前記第1態様は前記回動部材が第1方向へ回動する態様であり、前記第2態様は前記回動部材が前記第1方向とは逆の第2方向へ回動する態様である
こととしてもよい。
このような遊技機では、回動部材の回動方向によって、入球口への遊技球の入球頻度が異なるので、遊技者に回動部材の回動方向を意識させることができ、入球口への入球頻度を変化させる役物(本発明の回動部材)について、遊技者に面白味を感じさせることが可能となる。
<把握例4>
また、こうした遊技機では、
前記第1態様は前記回動部材の回動が停止する態様であり、前記第2態様は前記回動部材が回動する態様である
こととしてもよい。
このような遊技機では、回動部材が停止している場合よりも回動部材が回動している場合の方が入球口への入球頻度が高くなる。こうすると、回動部材を回動することによって遊技者に面白味を感じさせるだけでなく、遊技者にとって有利な状態とすることができるので、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例5>
また、こうした遊技機では、
前記第1態様は前記回動部材が第1速度で回動する態様であり、前記第2態様は前記回動部材が前記第1速度とは異なる第2速度で回動する態様である
こととしてもよい。
このような遊技機では、回動部材の回動速度によって、入球口への遊技球の入球頻度が異なるので、遊技者に回動部材の回動速度を意識させることができ、入球口への入球頻度を変化させる役物(本発明の回動部材)について、遊技者に面白味を感じさせることが可能となる。