JP6311163B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球や遊技メダル等の遊技媒体を利用して遊技を行う遊技機に関する。
遊技機としては、遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行うパチンコ機や、外周面に複数種類の図柄が描かれた回胴を回転させ、該回胴を停止させることによって遊技を行うスロットマシンなどが知られている。
一般的に、これらのような遊技機にはスピーカーが設けられており、該スピーカーから種々の内容の音声を出力することによって、演出効果を高めている。例えば、特許文献1には、筐体の上側左右部に2つのスピーカーを設け、これらのスピーカーからリーチ演出に対応する音声を出力する技術が開示されている。
特開2004−65960号公報
しかしながら、上述の従来技術は、スピーカーから出力する音声を多様にすることはできるものの、遊技者にとって周知の技術であるため、演出効果を十分に高めているとは言い難いという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、演出効果の高いスピーカーを設けた遊技機を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技媒体を利用して遊技を行う遊技機であって、
スピーカーと、
前記スピーカーから音声を出力する音声出力手段と、
前記スピーカーを移動させる移動手段と、
回動可能に設けられた回動部材と、
を備え
前記スピーカーは、前記回動部材に設けられており、
前記移動手段は、
前記回動部材に対する前記スピーカーの相対位置を変化させる手段と、
前記回動部材を回動する手段と、
を備える
ことを特徴とする。
本発明によれば、演出効果の高いスピーカーを設けた遊技機を提供することができる。
本実施例のパチンコ機1の正面図である。 本実施例の遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示すブロック図である。 本実施例のセグメント表示部50の構成を示す説明図である。 本実施例の演出表示装置41の表示内容を例示する説明図である。 本実施例のスピーカーユニットUから前方カバー72を取り外した様子を示す斜視図である。 本実施例のユニット本体70の分解斜視図である。 本実施例の湾曲アーム74が回動する様子を示す説明図である。 本実施例のスピーカー71が湾曲アーム74上を移動する様子を示す説明図である。 本実施例の「往復方向の位置」が相違する場合のスピーカー71の位置を示す説明図である。
上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例においては、特に断りがない限りは、パチンコ機正面に向かって右側を「右」と表現し、左側を「左」と表現する。
また、以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の内容:
C.スピーカーユニット:
C−1.スピーカーユニットの構成:
C−2.スピーカーユニットの動作態様:
A.パチンコ機1の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられており、この前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出された状態となる。また、中枠3は、一端(図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20の遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部は、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
前面枠4における窓部4aの左右上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5cは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される(発光させられる)。
また、本体枠2の下部の前面には下部スピーカー6が設けられており、前面枠4における窓部4aの上方にはスピーカーユニットUが設けられている。これらのうち、下部スピーカー6は、パチンコ機1に移動不能に固定されており、スピーカーユニットUは、その内部に後述のスピーカー71が移動可能に設けられている。尚、スピーカーユニットUについては、「C.スピーカーユニット」欄で詳しく説明する。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図3参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図3参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーターが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の縁部には遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10bは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤20は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。この遊技盤20の中央には、図2に示すように、略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図3参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40のほぼ中央には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。尚、演出表示装置41の詳しい表示内容については、後述する「B.遊技の内容」欄において説明する。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(図3参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口(始動口)である第2始動口25が設けられている。すなわち、第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。尚、図2では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(図3参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21において中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(図3参照)が設けられている。
また、遊技領域21における第1始動口24の右方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28(可変入球口)が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。尚、図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(図3参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が入球可能なその他入球口30や、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイール31、多数の障害釘32が設けられている。また、遊技領域21の最下部であって第2始動口25の左下方と右下方には、2つのアウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、その他入球口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏側に排出される。
上述した第1始動口24には、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下する遊技球が入球可能である。これに対して、第2始動口25、普通図柄作動ゲート27、大入賞口28には、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下する遊技球が入球可能(または通過可能)である。以下では、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「左打ち」とも表現し、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24、第2始動口25、その他入球口30の何れかに遊技球が入球した場合は、3個の遊技球が遊技者に払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、13個の遊技球が遊技者に払い出される。
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者に視認される。尚、セグメント表示部50の詳しい表示内容については、後述する「B.遊技の内容」欄において説明する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図3は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図3におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図3におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図3における203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、普通図柄作動ゲートを通過する遊技球を検知するゲートセンサー27sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s、ゲートセンサー27sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)第2始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第2始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対しては、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信し、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信したりすることによって、遊技の演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10bに対する遊技者の操作を検知すると、該操作に対応する遊技演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM236から読み出して、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介して下部スピーカー6から出力する。
また、サブ制御基板220には、スピーカーユニットUが接続されている。詳しくは後述するが、スピーカーユニットUには、スピーカー71や、往復用モーター75m、回動用モーター74mが内蔵されており、これらは、サブ制御基板220から送信されるコマンドに基づいて駆動する。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信した場合も、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
B.遊技の内容 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で発射ハンドル9が回転されると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、遊技者は所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(左打ちを行ったり)、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(右打ちを行ったり)することができる。
<特別図柄の変動表示>
図2を用いて前述したように、第1始動口24には左打ちされた遊技球が入球可能である。左打ちされた遊技球が第1始動口24に入球し、その入球した遊技球が第1始動口センサー24sにより検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、この大当り判定の結果に基づいて、第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。また、図2を用いて前述したように、第2始動口25には右打ちされた遊技球が入球可能である。右打ちされた遊技球が第2始動口25に入球し、その入球した遊技球が第2始動口センサー25sにより検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、この大当り判定の結果に基づいて、第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。ここで、第1特図、第2特図について説明する。
図4は、セグメント表示部50を拡大して示す説明図である。前述したように、セグメント表示部50は遊技盤20における遊技領域21の右下方に設けられており(図2参照)、遊技者は前面枠4の小窓部4c(図1参照)を通してセグメント表示部50を視認可能である。図4に示すように、セグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52が設けられており、これらの表示部にはそれぞれ8個のLEDが配置されている。第1特図および第2特図(以下、これらを特に区別をしない場合は、まとめて「特別図柄」という)は、それぞれの表示部において、8個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、8個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、第1特図として、大当り図柄1〜100、外れ図柄101の101種類の図柄を停止表示可能であり、第2特図として、大当り図柄201〜300、外れ図柄301の101種類の図柄を停止表示可能である。また、これらの図柄の種類は、点灯するLEDの組合せの相違によって識別可能である。遊技球が第1始動口24に入球することに基づく大当り判定(以下「第1特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第1特図が大当り図柄1〜100の何れかで停止表示され、第1特図についての大当り判定の結果が外れである場合は、第1特図が外れ図柄101で停止表示される。また、遊技球が第2始動口25に入球することに基づく大当り判定(以下「第2特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第2特図が大当り図柄201〜300の何れかで停止表示され、第2特図についての大当り判定の結果が外れである場合は第2特図が外れ図柄301で停止表示される。こうして特別図柄(第1特図または第2特図)を大当り図柄(本発明における「特定態様」)または外れ図柄(本発明における「非特定態様」)で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから、所定の変動時間の経過により当該変動表示が終了して、特別図柄が大当り図柄または外れ図柄で確定表示されるまでの遊技、すなわち1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
尚、本実施例では、特別図柄が本発明における「識別情報」に相当し、特別図柄の変動表示は、主制御基板200のCPU201によって実行される。従って、主制御基板200のCPU201は、本発明における「識別情報表示手段」に相当する。
<大当り遊技>
第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄で停止表示されると、大入賞口28が開放状態(本発明における「入球可能状態」)となるラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を開始する。図2を用いて前述したように、大入賞口28には右打ちされた遊技球が入球可能であるので、大当り遊技中は右打ちが行われることとなる。尚、大当り遊技中は、停止表示された大当り図柄の種類に拘わらず一定回数(例えば、16回)のラウンド遊技を行うこととしてもよいし、停止表示された大当り図柄の種類に対応する回数(例えば、4回、10回)のラウンド遊技を行うこととしてもよい。
尚、本実施例では、大入賞口28が本発明における「可変入球口」に相当し、大当り遊技が本発明における「特定遊技」に相当し、大当り遊技は、主制御基板200のCPU201によって実行される。従って、主制御基板200のCPU201は、本発明における「特定遊技実行手段」に相当する。
<特別図柄の保留>
遊技球が第1始動口24に入球すると、上述したように第1特図についての大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示は、遊技球が第1始動口24に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第1特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第1特図保留に基づいて大当り判定や第1特図の変動表示を行う。このような第1特図保留は4個を上限として記憶される。第1特図保留の記憶数(第1特図保留数)は、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53に表示される。すなわち、図4に示すように、第1特図保留表示部53には2個のLEDが配置されており、この第1特図保留表示部53では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第1特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第1特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第1特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第1特図保留数が4個であることを示す。
また、遊技球が第2始動口25に入球すると、上述したように第2特図についての大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示も、遊技球が第2始動口25に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第2特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第2特図保留に基づいて大当り判定や第2特図の変動表示を行う。このような第2特図保留も4個を上限として記憶される。第2特図保留の記憶数(第2特図保留数)は、セグメント表示部50の第2特図保留表示部54に表示される。すなわち、図4に示すように、第2特図保留表示部54にも2個のLEDが配置されており、この第2特図保留表示部54では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第2特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第2特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第2特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第2特図保留数が4個であることを示す。
尚、本実施例のパチンコ機1では、何れかの特別図柄の変動表示中や、何れかの特別図柄の確定表示中、大当り遊技中は、第1特図保留や第2特図保留が記憶されていても、これらの保留に係る大当り判定や変動表示は行わない。また、第1特図保留および第2特図保留のうち第1特図保留のみが記憶されている場合は、最先に記憶された第1特図保留に係る大当り判定および第1特図の変動表示を行うが、第2特図保留が記憶されている場合は第1特図保留が記憶されているか否かに拘わらず、最先に記憶された第2特図保留に係る大当り判定および第2特図の変動表示を行う。すなわち、第2特図を第1特図に優先して変動表示させる(いわゆる第2特図の優先変動機能を有する)。
<普通図柄の変動表示、普図当り遊技>
図2を用いて前述したように、普通図柄作動ゲート27は右打ちされた遊技球が通過可能である。右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過し、その遊技球がゲートセンサー27sにより検知されると、所定の判定乱数(後述する普図当り判定乱数)を取得し、該判定乱数に基づいて普図当りであるか外れであるかを判定する普図当り判定を行う。そして、この普図当り判定の結果に基づいて、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる。図4に示すように、セグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部56が設けられており、普図表示部56には2個のLEDが配置されている。普通図柄は、普図表示部56において、2個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、2個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、普通図柄として、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた普図当り図柄と、右のLEDを点灯させた普図外れ図柄の2種類の図柄を停止表示可能である。普図当り判定の結果が普図当りである場合は普通図柄が普図当り図柄で停止表示され、普図当り判定の結果が普図外れである場合は普通図柄が普図外れ図柄で停止表示される。こうして普通図柄を当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(確定表示)を行う。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が開放状態となった後に閉鎖状態となる普図当り遊技が行われる。
<普通図柄の保留>
遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、普図当り判定や普通図柄の変動表示が行われるものの、これらの普図当り判定や変動表示は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を普図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した普図保留に基づいて普図当り判定や普通図柄の変動表示を行う。このような普図保留も4個を上限として記憶される。普図保留の記憶数(普図保留数)は、セグメント表示部50の普図保留表示部57に表示される。すなわち、図4に示すように、普図保留表示部57には2個のLEDが配置されており、この普図保留表示部57では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで普図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで普図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで普図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで普図保留数が4個であることを示す。尚、本実施例のパチンコ機1では、普図保留が記憶されている場合において、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中、普図当り遊技中の何れでもなければ、最先に記憶された普図保留に係る普図当り判定および普通図柄の変動表示を行う。
<遊技状態>
ここで、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態と、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態とが適宜設定される。これらのうち大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態は、「大当り判定において大当りと判定される確率が低い(99.9分の1の確率である)低確率状態」または「大当り判定において大当りと判定される確率が高い(11.9分の1の確率である)高確率状態」に設定される。また、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態は、「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態」に設定される。尚、これらの遊技状態は、大当り遊技終了後に設定され、次に大当り遊技が開始されるまで、あるいは、所定回数の図柄変動遊技が行われるまで継続される。
<演出表示装置41の表示内容>
上述したような遊技の進行は、主に主制御基板200のCPU201によって行われる。本実施例のパチンコ機1では、上述したような遊技の進行に合わせて、演出表示装置41に種々の画像を表示する演出を行う。このような演出は、主にサブ制御基板220のCPU221によって行われる。
例えば、演出表示装置41では、第1特図または第2特図の変動表示(図柄変動遊技)に合わせた各種の演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。すなわち、第1特図表示部51または第2特図表示部52にて特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)の開始タイミングと同期して、演出表示装置41においても3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を一斉に開始し、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング(特別図柄の停止表示)と同期して3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を終了する。本実施例のパチンコ機1では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄を表示可能である。
図5には、3つの識別図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄41aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、右識別図柄41cが停止表示され、最後に中識別図柄41bが停止表示される。これら演出表示装置41で停止表示される3つの識別図柄41a,41b,41cの組合せは、前述した第1特図表示部51または第2特図表示部52で停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示装置41の3つの識別図柄41a,41b,41cが同じ図柄となる図柄組合せ(以下「ゾロ目」ともいう)で停止表示される。また、第1特図または第2特図が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(以下「バラケ目」ともいう)で停止表示される。尚、停止表示された識別図柄41a、41b、41cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる(確定表示される)。
また、演出表示装置41の表示画面上の下部には、第1特図保留数を示すための第1保留表示領域41dと、第2特図保留数を示すための第2保留表示領域41eとが設定されている。本実施例のパチンコ機1では、第1保留表示領域41dに第1特図保留数と同数の「保留図柄(図中、小さい円形の図柄)」を表示することで第1特図保留数を示し、第2保留表示領域41eに第2特図保留数と同数の「保留図柄」を表示することで第2特図保留数を示す。従って、図5に示す例では、第1特図保留数および第2特図保留数が共に4個であることが示されている。尚、当然ながら、演出表示装置41の表示画面上に表示された保留図柄によって示される保留数と、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53および第2特図保留表示部54にて示される保留数とは一致する。
C.スピーカーユニット :
C−1.スピーカーユニットの構成 :
本実施例のパチンコ機1は上述のように構成されているが、主にスピーカーユニットUに特徴を有している。図1を用いて前述したように、スピーカーユニットUは、前面枠4における窓部4aの上方に設けられている。また、スピーカーユニットUは、内蔵されたスピーカー71を、その出力方向を変化させながら移動させることが可能な構造を有している。以下では、このようなスピーカーユニットUについて説明する。
図6は、スピーカーユニットUのユニット本体70から前方カバー72を取り外した様子を示す斜視図であり、図7は、ユニット本体70の分解斜視図である。図6に示すように、スピーカーユニットUは、ユニット本体70と、ユニット本体70に取り付けられた前方カバー72とを備えている。この前方カバー72には、ユニット本体70(スピーカー71)から出力される音声(音波)を通過させるスピーカーネットが張られている。このスピーカーネットは、少なくとも一部の編み目が粗く形成されており、遊技者はスピーカーネット(前方カバー72)を通して、ユニット本体70の内部を視認可能となっている。また、スピーカーユニットUは、この前方カバー72の前面をパチンコ機1の前方斜め下方に向けて設けられている(図1参照)。尚、スピーカーユニットUの説明においては、前方カバー72が設けられている側を「前」と表現し、ユニット本体70が設けられている側を「後」と表現する。
図6および図7に示すように、ユニット本体70は、頂点を後方に向けた半球型の後方カバー73を有している。この後方カバー73には、前方側が開口された半球型の収容空間が設けられており、該収容空間には、湾曲アーム74(本発明における「回動部材」)が収容されている。この湾曲アーム74は、後方カバー73の後端部73a(図7参照、半球型の収容空間の頂点側)から前方(開口縁部)に向かって、後方カバー73の内壁面に沿うように湾曲した形状を有している。また、湾曲アーム74は、一端側が後端部73aに回動可能に支持(軸支)されており、この軸支部分には回動用モーター74mの回転軸が接続されている。従って、この回動用モーター74mを駆動すると、湾曲アーム74は、図8に白抜き矢印で示すように、該軸支部分を中心にして(後方カバー73の内壁面に沿って)回動する。すなわち、湾曲アーム74は、一端が回動端REとなっており、他端が自由端FEとなっている。
また、図7に示すように、湾曲アーム74の回動端RE側には駆動ギヤ75が回動可能に支持(軸支)され、自由端FE側には従動ギヤ76が回動可能に支持(軸支)されている。これらのうち、回動端RE側に軸支された駆動ギヤ75には、往復用モーター75mの回転軸が接続されている。また、駆動ギヤ75および従動ギヤ76には、無端ベルト77(エンドレスベルト)が巻き掛けられており(巻回されており)、この無端ベルト77の内周壁には、駆動ギヤ75および従動ギヤ76と噛み合う(歯合する)歯が設けられている。また、無端ベルト77の長手方向の両側部は、湾曲アーム74の長手方向の両側部に設けられたガイド部74aの内側に挿入されているため、無端ベルト77は湾曲アーム74に沿って湾曲した状態となっている。
従って、往復用モーター75mを駆動すると、駆動ギヤ75が回動し、この駆動ギヤ75に歯合している無端ベルト77も回動する。この際、無端ベルト77は、湾曲アーム74(ガイド部74a)に沿って湾曲した形状を保ちながら回動する。また、無端ベルト77の前方側の面(外周壁面のうち前方に位置する面)には、スピーカー71が固定されている。このため、上述したように無端ベルト77が湾曲した形状を保ちながら回動すると、スピーカー71も該形状に沿って(湾曲アーム74に沿って)、湾曲アーム74の回動端REと自由端FEとの間を移動することとなる。
図9には、湾曲アーム74に沿ってスピーカー71が移動する様子が示されている。図9(a)に示すように、往復用モーター75mを一方向(例えば右回り方向)に駆動すると、無端ベルト77が回動して、スピーカー71は、湾曲アーム74の回動端RE側から自由端FE側に向かって移動する(図中、白抜き矢印[A]参照)。この際、スピーカー71は、その音声の出力方向を変化させながら移動する。すなわち、図9(a)に示すように、スピーカー71が最も回動端RE側の位置[P1]にある場合は、音声の出力方向は、矢印[D1]で示すように、湾曲アーム74の回動軸AXと平行な方向であり、スピーカー71が自由端FE側に移動するにつれて、音声の出力方向は徐々に回動軸AX側に傾いた方向となる。例えば、スピーカー71が自由端FE側と回動端RE側との中間位置[P2]にある場合は、音声の出力方向は、矢印[D2]で示すように、回動軸AX側に傾いた方向となる。そして、スピーカー71が最も自由端FE側の位置[P3]まで移動すると、音声の出力方向は、矢印[D3]で示すように、回動軸AX側に最も傾いた方向となる。
また、図9(b)に示すように、往復用モーター75mを逆方向(例えば左回り方向)に駆動すると、無端ベルト77も逆方向に回動して、スピーカー71は、湾曲アーム74の自由端FE側から回動端RE側に向かって移動する(図中、白抜き矢印[B]参照)。この際、スピーカー71は、その音声の出力方向を、最も回動軸AX側に傾いた方向から徐々に回動軸AX側と平行な方向に変化させながら移動する。すなわち、図9(b)に示すように、スピーカー71が最も自由端FE側の位置[P3]にある場合は、音声の出力方向は、矢印[D3]で示すように、回動軸AX側に最も傾いた方向であり、スピーカー71が回動端RE側に移動するにつれて、音声の出力方向は回動軸AX側と平行な方向に近付いていき(中間位置[P2]にある場合は矢印[D2]で示す方向)、スピーカー71が最も回動端RE側の位置[P1]まで移動すると、音声の出力方向は、矢印[D3]で示すように、回動軸AX側と平行な方向となる。
以上のように、本実施例のパチンコ機1では、湾曲アーム74の無端ベルト77を回動させることによって、スピーカー71を、その音声の出力方向、すなわち、該出力方向の回動軸AXに対する傾き度合を変化させながら(回動端RE側と自由端FE側との間で)往復移動させることが可能である。尚、以下では、スピーカー71の湾曲アーム74に対する位置(湾曲アーム74上の位置)を「往復方向の位置」とも表現する。
図8を用いて前述したように、湾曲アーム74は、回動用モーター74mを駆動すると、回動端RE側を中心にして回動する。従って、湾曲アーム74に設けられたスピーカー71も、湾曲アーム74の回動方向に移動することになる。この際のスピーカー71の移動軌跡(位置)は、「往復方向の位置」によって異なったものとなる。詳しくは、スピーカーユニットUを前方からみた場合のスピーカー71の移動軌跡の直径が「往復方向の位置」によって異なったものとなる。例えば、「往復方向の位置」が図9に示す位置[P2]である場合は、図10(a)に白抜き矢印[C]および[D]で示すような移動軌跡となる(位置をとることができる)。また、「往復方向の位置」が図9に示す位置[P3]である場合は、図10(b)に白抜き矢印[E]および[F]で示すような移動軌跡となる(位置をとることができる)。すなわち、スピーカーユニットUを前方からみた場合のスピーカー71の移動軌跡の直径は、「往復方向の位置」が自由端FE側に近づくほど、大きくなる。
また、図10に示すように、スピーカー71の音声の出力方向は(スピーカー71が最も回動端RE側になければ)、常に回動軸AX側に傾いている。従って、湾曲アーム74を回動させることによって、スピーカー71を、その音声の出力方向、すなわち、該出力方向の回動軸AXに対する傾き方向を変化させながら回動移動(回転移動)させることが可能である。
以上のように、本実施例のパチンコ機1では、湾曲アーム74の無端ベルト77を回動させることによって、スピーカー71を、その音声の出力方向、すなわち、該出力方向の回動軸AXに対する傾き度合を変化させながら移動(往復移動)させることが可能である。また、湾曲アーム74を回動させることによって、スピーカー71を、その音声の出力方向、すなわち、該出力方向の回動軸AXに対する傾き方向を変化させながら移動(回動移動)させることが可能である。これらの結果、遊技者に対しても、音声の出力位置(スピーカー71の位置)や、音声の出力方向の傾き度合、音声の出力方向の傾き方向を変化させることができ、遊技者周辺の音場を多様にすることが可能となる。このため、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、湾曲アーム74上にてスピーカー71を移動する構成と、湾曲アーム74を回動する構成との組み合わせによって、スピーカー71の位置や音声出力方向を変化させる。このため、構成の複雑化を抑えつつ、遊技者周辺の音場を多様にすることができる。
尚、上述のようなスピーカー71の移動は、スピーカー71からの音声の出力とは別のタイミングでしてもよいが、スピーカー71からの音声の出力と並行して行うこととしてもよい。例えば、スピーカー71の移動と、スピーカー71からの音声の出力とを同時に開始してもよいし、スピーカー71の移動の最中にスピーカー71からの音声の出力を開始してもよいし、スピーカー71からの音声の出力の最中にスピーカー71の移動を開始することとしてもよい。こうすると、スピーカー71から出力中の音声の音場が変化するので、遊技者周辺の音場が多様であることを遊技者に感じさせ易くすることが可能となる。
また、湾曲アーム74上におけるスピーカー71の移動と、湾曲アーム74の回動とは、並行して行うこととしてもよいし、互いに異なるタイミングで行うこととしてもよい。
C−2.スピーカーユニットの動作態様 :
上述したスピーカーユニットUは、サブ制御基板220から送信される各種信号に基づいて動作する。すなわち、図示は省略したが、スピーカーユニットUには、スピーカー71や、回動用モーター74m、往復用モーター75mを駆動するための配線(信号線や電源線など)や、中継基板が設けられている。そして、サブ制御基板220のCPU221が、この中継基板に各種信号を送信することによって、スピーカー71から音声を出力させたり、スピーカー71を移動させたりする。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「音声出力手段」および「移動手段」に相当する。
スピーカーユニットUは種々の態様で動作させることが可能であるが、次のような態様で動作させることとしてもよい。例えば、大当り判定の結果が「大当り」である場合は第1の割合(第1の確率、例えば30%の確率)でスピーカー71を移動させて、大当り判定の結果が「外れ」である場合は第1の割合より小さい第2の割合(第1の確率より低い第2の確率、例えば5%の確率)でスピーカー71を移動させる構成としてもよい。
このような構成は、大当り判定の結果が「大当り」である場合に選択される変動パターンのうちの第1の割合の変動パターンをサブ制御基板220が受信したときに、スピーカー71を移動させて、大当り判定の結果が「外れ」である場合に選択される変動パターンのうちの第2の割合の変動パターンをサブ制御基板220が受信したときに、スピーカー71を移動させることで実現可能である。
このような構成とすると、スピーカー71が移動しない場合よりもスピーカー71が移動する場合の方が、大当り判定の結果が「大当り」である可能性(以下「大当り期待度」ともいう)が高くなる。このため、遊技者をスピーカー71が移動するか否かに注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。また、当然ながら、スピーカー71が移動する場合は、スピーカー71から音声を出力することが好ましい。こうすると、遊技者をスピーカー71の移動に更に注目させることができる。
また、第1移動態様でスピーカー71を移動させ、第1出力態様でスピーカー71から音声を出力する第1動作パターンと、第2移動態様でスピーカー71を移動させ、第2出力態様でスピーカー71から音声を出力する第2動作パターンとで、スピーカーユニットUを動作させることが可能であることとしてもよい。
そして、この場合において、大当り判定の結果が「大当り」である場合は、第3の割合(第3の確率、例えば30%の確率)でスピーカーユニットUを第1パターンで動作させ、第4の割合(第4の確率、例えば5%の確率)でスピーカーユニットUを第2パターンで動作させる構成とする。
また、大当り判定の結果が「外れ」である場合は、第3の割合より小さい第5の割合(第3の確率より低い第5の確率、例えば5%の確率)でスピーカーユニットUを第1パターンで動作させ、第4の割合より大きい第6の割合(第4の確率より高い第6の確率、例えば30%)でスピーカーユニットUを第2パターンで動作させる構成とする。
このような構成は、大当り判定の結果が「大当り」である場合に選択される変動パターンのうちの第3の割合の変動パターンをサブ制御基板220が受信したときに、スピーカーユニットUを第1動作パターンで動作させ、第4の割合の変動パターンをサブ制御基板220が受信したときに、スピーカーユニットUを第2動作パターンで動作させることで実現可能である。また、大当り判定の結果が「外れ」である場合に選択される変動パターンのうちの第5の割合の変動パターンをサブ制御基板220が受信したときに、スピーカーユニットUを第1動作パターンで動作させ、第5の割合の変動パターンをサブ制御基板220が受信したときに、スピーカーユニットUを第2動作パターンで動作させることで実現可能である。
このような構成とすると、スピーカーユニットUが第2動作パターンで動作する場合よりも、第1動作パターンで動作する場合の方が、大当り期待度が高くなる。このため、遊技者をスピーカーユニットUの動作態様(スピーカー71の移動態様、スピーカー71の音声出力態様)に注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、上述の第1動作パターンと第2動作パターンとは、スピーカー71の移動態様と音声出力態様のうち、少なくとも何れか一方が互いに異なればよい。すなわち、第1移動態様と第2移動態様が異なれば、第1出力態様と第2出力態様とは同じであってもよい。また、第1出力態様と第2出力態様が異なれば、第1移動態様と第2移動態様とは同じであってもよい。
また、上述の第1移動態様と第2移動態様としては、種々の態様を採用可能であり、例えば、第1移動態様としては、図10を用いて前述したようにスピーカー71を移動させる態様を採用し、第2移動態様としては、図9を用いて前述したようにスピーカー71を移動させる態様を採用可能である。また、上述の第1出力態様と第2出力態様としても、種々の態様を採用可能であり、例えば、出力する音声が互いに異なる態様や、音声の出力タイミングが互いに異なる態様などを採用可能である。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例では、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機に適用した例について説明したが、本発明は、遊技球を遊技領域に向けて発射可能な遊技機であれば適用することができ、例えば、「ハネモノ」や「アレパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機に適用することもできる。
上述した実施例では、遊技盤20に形成された遊技領域21に向けて遊技球を発射することによって遊技を行うパチンコ機1に本発明を適用したが、外周面に複数種類の図柄が描かれた回胴を回転させ、該回胴を停止させることによって遊技を行うスロットマシン(回胴式遊技機)に本発明を適用することとしてもよい。
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。尚、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
また、上述した実施例のパチンコ機は、次のような遊技機として把握することもできる。すなわち、
<把握例1>
遊技媒体を利用して遊技を行う遊技機であって、
スピーカーと、
前記スピーカーから音声を出力する音声出力手段と、
前記スピーカーを移動させる移動手段と、
を備える
ことを特徴とする。
このような遊技機では、スピーカーを移動させることができるので、遊技者に対する音声の出力位置を変化させることができる。このため、遊技者周辺の音場を多様にすることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例2>
また、こうした遊技機では、
前記移動手段は、前記スピーカーの音声の出力方向を変化させつつ当該スピーカーを移動させる
こととしてもよい。
このような遊技機では、音声の出力方向を変化させつつスピーカーを移動させることができるので、遊技者に対する音声の出力位置や出力方向を変化させることができる。このため、遊技者周辺の音場を更に多様にすることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例3>
また、こうした遊技機では、
回動可能に設けられた回動部材を備え、
前記スピーカーは、前記回動部材に設けられており、
前記移動手段は、
前記回動部材に対する前記スピーカーの相対位置を変化させる手段と、
前記回動部材を回動する手段と、
を備える
こととしてもよい。
このような遊技機では、回動部材に対するスピーカーの相対位置を変化させる構成と、回動部材を回動する構成との組み合わせによって、スピーカーを移動させる。このため、構成の複雑化を抑えつつ、スピーカーの移動態様を多様にでき、ひいては、遊技者周辺の音場を多様にすることができる。
<把握例4>
また、こうした遊技機では、
識別情報を変動表示させる識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で表示される場合に、可変入球口が入球可能状態となる特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、
を備え、
前記移動手段は、前記識別情報が特定態様で表示される場合は、第1の確率で前記スピーカーを移動させ、前記識別情報が特定態様と異なる非特定態様で表示される場合は、前記第1の確率よりも低い第2の確率で前記スピーカーを移動させる
こととしてもよい。
このような遊技機では、スピーカーが移動しない場合よりもスピーカーが移動する場合の方が、識別情報が特定態様で表示される可能性が高くなる。このため、遊技者をスピーカーが移動することに期待させることができ、ひいては、スピーカーが移動するか否かに注目させることができる。この結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例5>
また、こうした遊技機では、
識別情報を変動表示させる識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で表示される場合に、可変入球口が入球可能状態となる特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、
を備え、
前記移動手段は、
第1移動態様と、前記第1移動態様と異なる第2態様とで、前記スピーカーを移動させることが可能であり、
前記識別情報が特定態様で表示される場合は、第3の確率で前記スピーカーを前記第1移動態様で移動させ、第4の確率で前記スピーカーを前記第2移動態様で移動させ、
前記識別情報が特定態様と異なる非特定態様で表示される場合は、前記第3の確率より低い第5の確率で前記スピーカーを前記第1移動態様で移動させ、第4の確率より高い第6の確率で前記スピーカーを前記第2移動態様で移動させる
こととしてもよい。
このような遊技機では、スピーカーが第2移動態様で移動する場合よりも、第1移動態様で移動する場合の方が、識別情報が特定態様で表示される可能性が高くなる。このため、遊技者をスピーカーの移動態様に注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
本発明は、遊技ホールで用いられる遊技機に利用することができる。
1…パチンコ機(遊技機)、U…スピーカーユニット、70…ユニット本体、71…スピーカー、72…前方カバー、73…後方カバー、74…湾曲アーム(回動部材)、74m…回動用モーター、75…駆動ギヤ、75m…往復用モーター、76…従動ギヤ、77…無端ベルト、200…主制御基板、201…CPU(識別情報表示手段、特定遊技実行手段)、220…サブ制御基板、221…CPU(音声出力手段、移動手段)。

Claims (1)

  1. 遊技媒体を利用して遊技を行う遊技機であって、
    スピーカーと、
    前記スピーカーから音声を出力する音声出力手段と、
    前記スピーカーを移動させる移動手段と、
    回動可能に設けられた回動部材と、
    を備え
    前記スピーカーは、前記回動部材に設けられており、
    前記移動手段は、
    前記回動部材に対する前記スピーカーの相対位置を変化させる手段と、
    前記回動部材を回動する手段と、
    を備える
    ことを特徴とする遊技機。
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