JP6348679B1 - アスベストの無害化処理方法ならびに該方法に用いる処理剤 - Google Patents

アスベストの無害化処理方法ならびに該方法に用いる処理剤 Download PDF

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Abstract

【課題】アスベストをより好適に無害化することができるアスベストの無害化処理方法を提供する。【解決手段】ここで開示されるアスベストの無害化処理方法は、少なくとも一種のアスベストを含むアスベスト含有物質を用意すること;鉱酸とN−メチル−2−ピロリドンとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用意すること;アスベスト含有物質とアスベスト処理剤とを接触させてアスベスト含有物質中のアスベストを無害化すること;を包含する。これによって、アスベスト含有物質中のアスベストを好適に無害化することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、アスベストの無害化処理方法に関する。詳しくは、アスベストの無害化処理方法ならびに該方法に用いる処理剤に関する。
アスベスト(石綿)は、蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した針状結晶構造を有している。かかるアスベストとしては、例えば、クリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、アンソフェライト(直閃石)、トレモライト(透閃石)、アクチノライト(緑閃石)などが挙げられる。これらのアスベストは、耐熱性や耐久性に優れ、かつ、安価であるため、従来から様々な分野で広く使用されていた。具体的には、かかるアスベストを含むアスベスト含有物質は、スレート板、水道管、耐火被覆材、ブレーキパッド、ガスケット、保温板、ロープ、パッキング、アセチレンボンベの充填材などに用いられていた。
しかし、上記アスベストは、石綿肺、肺癌、悪性中皮腫などの健康被害の原因となり得ることが判明したため、近年では新たな使用が禁止されている。そして、過去に使用されたアスベスト含有部材は、そのまま使用し続けることが危険であるため、人体や環境に悪影響を及ぼさないような方法で早急に無害化することが求められている。
かかるアスベストを処理する方法としては、1500℃以上に加熱することによる溶融処理や、所定のアスベスト処理剤と反応させることによる化学的分解処理や、処分場への埋め立て処理などが挙げられる。
上記化学的分解処理による無害化処理方法の一例として、特許文献1に記載の方法が挙げられる。この特許文献1に記載の方法では、フッ化物(アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニアのフッ化物塩、及びフッ化水素酸など)と、鉱酸(塩酸、硫酸、硝酸など)とが添加された無害化処理水溶液(アスベスト処理剤)に、アスベスト含有廃材を接触させて静置(又は撹拌)すると共に超音波振動を与えている。
また、鉱酸とフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用いた無害化処理方法の他の例が非特許文献1に記載されている。
特開2011−72915号公報
廃棄物資源循環学会論文誌 Vol.28,pp.101−113.2017
ところで、近年では、無害化して廃棄する必要があるアスベスト含有物質が更に増加してきており、かかるアスベスト含有物質中のアスベストの早急かつ確実な無害化への要請が高まっている。
本発明はかかる要請に応じるために創出されたものであり、その目的は、アスベスト含有物質中のアスベストをより好適に無害化するためのアスベスト無害化処理方法を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明によって以下の構成のアスベストの無害化処理方法が提供される。なお、本発明に関して「アスベストの無害化処理」とは、アスベスト含有物質に含まれる少なくとも一部のアスベストの針状結晶構造を壊して、それ以外の構造に変化させることをいい、換言すると、人体に対して実質的に健康被害を及ぼさないように構造を変化させることをいう。
なお、平成18年環境省公示第99号第1条によれば、人の健康又は生活環境に係る被害を生ずる恐れがない性状とはアスベスト(石綿)が検出されないこととされている。ここで、アスベストが検出されないこととは、位相差顕微鏡を用いた分散染色法及びX線回析装置を用いたX線回析分析法による分析方法により分析した場合においてアスベストが実質的に検出されないこと、また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いた分析方法を用いてアスベストが実質的に検出されないことをいう。
従って、ここで開示されるアスベストの無害化処理方法によれば、上述のアスベストを実質的に未検出の状態にすることを容易に実現できる。
ここで開示されるアスベストの無害化処理方法は、少なくとも一種のアスベストを含むアスベスト含有物質を用意すること;鉱酸とN−メチル−2−ピロリドンとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用意すること;アスベスト含有物質とアスベスト処理剤とを接触させてアスベスト含有物質中のアスベストを無害化すること;を包含する。
本発明者は、上述の目的を実現するために種々の試験と検討を重ねた結果、アスベスト処理剤として鉱酸とN−メチル−2−ピロリドン(NMP:N−Methyl−2−pyrrolidone)とフッ化物とを含む混合液をアスベスト処理剤として使用すると、驚くべきことに、従来のアスベスト処理剤よりも好適にアスベストを無害化できることを発見した。かかる鉱酸とNMPとを含むアスベスト処理剤の作用について、現時点で詳細な作用機序は不明であるが、NMPの存在下で鉱酸とフッ化物との混合物をアスベストと反応させると、当該アスベストの無害化反応が更に進行するためと推測される。
ここで開示されるアスベストの無害化処理方法は、かかる知見に基づいてなされたものであり、鉱酸とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用いることによって、アスベスト含有物質中のアスベストを従来よりも好適に無害化することができる。
また、ここに開示されるアスベストの無害化処理方法の好ましい他の一態様では、アスベスト含有物質がアモサイトとクロシドライトの何れかを少なくとも含む。
アモサイト(茶石綿)は、角閃石系のアスベストであって、例えば、MgFeSi22(OH)で表される。また、クロシドライト(青石綿)は、アモサイト(茶石綿)と同様に角閃石系のアスベストであって、例えば、NaFe2+ Fe3+ Si22(OH)で表される。かかるアモサイトとクロシドライトは、種々のアスベストの中でも無害化が困難なものであるが、本発明者による試験の結果、ここで開示される無害化処理方法を適用することによって好適に無害化できることが確認されている。
ここに開示されるアスベストの無害化処理方法の好ましい他の一態様では、鉱酸が硫酸である。
アスベスト処理剤に含まれる鉱酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、フッ素酸などが挙げられる。これらの中でも、硫酸は、安価であり、かつ、アスベストとの反応性が高いため、特に好適に用いることができる。
ここに開示されるアスベストの無害化処理方法の好ましい他の一態様では、アスベスト含有物質とアスベスト処理剤とを少なくとも1時間、例えば1時間〜2時間ほど接触させる。
本態様のように、アスベスト含有物質とアスベスト処理剤との接触時間を1時間以上確保することによって、アスベスト含有物質とアスベスト処理剤とを適切に反応させ、アスベスト含有物質中のアスベストをさらに好適に無害化することができる。また、接触時間を2時間以下に設定することによって、アスベストを効率良く無害化することができる。
ここに開示されるアスベストの無害化処理方法の好ましい他の一態様では、アスベスト含有物質とアスベスト処理剤とを接触させる前に、アスベスト処理剤を50℃以上であって沸点未満の温度域まで加温する。
本態様のように、無害化処理を行う前のアスベスト処理剤を加温することによって、鉱酸とアスベストとの反応性を向上させることができるため、無害化処理に要する時間を短縮することができる。
ここに開示されるアスベストの無害化処理方法の好ましい他の一態様では、アスベスト処理剤と接触させるアスベスト含有物質が粉末状である。
本態様のように、アスベスト含有物質を予め粉末状にすることによって、アスベスト含有物質とアスベスト処理剤との接触面積を大きくし、アスベスト含有物質とアスベスト処理剤とを好適に反応させることができるため、さらに好適にアスベストを無害化することができる。
また、本発明の他の側面としてアスベスト処理剤が提供される。
かかるアスベスト処理剤は、少なくとも一種のアスベストを含むアスベスト含有物質中のアスベストを無害化処理するためのアスベスト処理剤であって、鉱酸とN−メチル−2−ピロリドンとフッ化物とを含む。
上述したように、鉱酸とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用いることによって、従来のアスベスト処理剤よりも好適にアスベスト含有物質中のアスベストを無害化することができる。
ここに開示されるアスベスト処理剤の好ましい他の一態様では、鉱酸が硫酸である。
上述したように、硫酸は、安価であり、かつ、アスベストとの反応性が高いため、ここで開示されるアスベスト処理剤の鉱酸として特に好適に用いることができる。
ここに開示されるアスベスト処理剤の好ましい他の一態様では、フッ化物が、アンモニア、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物塩、及びフッ化水素酸からなる群から選択される化合物である。
ここで開示されるアスベスト処理剤に含まれ得るフッ化物としては、上述の化合物が挙げられる。これらの化合物を用いることによって、より好適にアスベストを無害化することができる。なお、上述した化合物の中でも、フッ化アンモニウムやフッ化水素アンモニウムなどを特に好ましく用いることができる。
ここに開示されるアスベスト処理剤の好ましい他の一態様では、処理剤全体を100wt%としたときのフッ化物の濃度が5wt%〜25wt%である。
かかる濃度でフッ化物を添加することによって、アスベストをより好適に無害化することができる。
ここに開示されるアスベスト処理剤の好ましい他の一態様では、処理剤全体を100wt%としたときのN−メチル−2−ピロリドンの濃度が0.1wt%〜10wt%である。
上述したように、ここで開示されるアスベスト処理剤は、NMPが含まれているため、従来のアスベスト処理剤よりも好適にアスベストを無害化することができる。ここで、アスベスト処理剤に含まれるNMPの濃度は、0.1wt%〜10wt%であると好ましく、1wt%〜10wt%であるとより好ましく、例えば、2.5wt%である。
本発明の一実施形態に係るアスベストの無害化処理方法を説明するフロー図である。 第1の試験で用いたアモサイト標準試料のX線回折分析結果を示す図である。 第1の試験における無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 第2の試験で用いたアモサイト標準試料のX線回折分析結果を示す図である。 例1の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例2の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例3の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例4の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例5の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例4の無害化処理で用いたアスベスト処理剤の残渣のX線回折分析結果を示す図である。 第3の試験で用いたクロシドライト標準試料のX線回折分析結果を示す図である。 第3の試験における無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 第4の試験で用いたクロシドライト標準試料のX線回折分析結果を示す図である。 例6の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例7の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例8の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例9の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例10の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を示す図である。 例9の無害化処理で用いたアスベスト処理剤の残渣のX線回折分析結果を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術知識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において数値範囲を「A〜B」と示す場合、「A以上B以下」を意味するものとする。
1.アスベスト処理剤
先ず、本実施形態に係るアスベストの無害化処理方法に用いられるアスベスト処理剤について説明する。
本実施形態に係るアスベスト処理剤は、鉱酸とN−メチル−2−ピロリドンとフッ化物とを含んでいる。詳しくは後述するが、このようなアスベスト処理剤を用いて、アスベストの無害化処理を行うことによって、アスベスト含有物質中のアスベストを好適に無害化することができる。以下、かかるアスベスト処理剤に含まれる各材料について説明する。
(1)鉱酸
上述したように、本実施形態に係るアスベスト処理剤には鉱酸が含まれている。この鉱酸には、アスベストの無害化に従来から用いられ得る鉱酸を特に制限なく使用することができる。かかる鉱酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸などが挙げられる。また、本実施形態に係るアスベスト処理剤は、上述した各種の鉱酸を2種以上含んでいてもよい。なお、上述した種々の鉱酸の中でも、安価であり、かつ、アスベストとの反応性が高いという観点から硫酸を特に好ましく用いることができる。
なお、アスベスト処理剤の全質量を100wt%とした場合の鉱酸の濃度は、1wt%〜50wt%であると好ましく、10wt%〜30wt%であるとより好ましく、例えば25wt%程度(±1wt%)である。これによって、アスベスト含有物質中のアスベストと鉱酸とを好適に反応させ、当該アスベストを適切に無害化することができる。また、かかる鉱酸を含むアスベスト処理剤のpHは、4以下、好ましくは2以下、例えば1以下であるとより好ましい。
(2)N−メチル−2−ピロリドン
また、本実施形態に係るアスベスト処理剤には、ラクタム構造を含む5員環の構造を持つ有機化合物であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が含まれている。詳しくは後述するが、本実施形態に係るアスベスト処理剤は、当該NMPが含まれているため、上述した鉱酸とアスベストとの反応を進行させ、アスベストを無害化することができる。
なお、アスベスト処理剤の全質量を100wt%とした場合のNMPの濃度は、0.1wt%〜10wt%であると好ましく、1wt%〜10wt%であるとより好ましく、1wt%〜5wt%であると特に好ましく、例えば2.5wt%前後(±1wt%)に設定される。このように適切な量のNMPを含むアスベスト処理剤を用いることによって、アスベストをより好適に無害化することができる。
(3)フッ化物
そして、本実施形態に係るアスベスト処理剤には、フッ化物が含まれている。かかるフッ化物を含むアスベスト処理剤は、針状結晶構造を有するアスベストの結晶を溶解させることができるため、更に好適にアスベストを無害化することができる。このため、本実施形態に係るアスベスト処理剤は、処理が困難なアモサイトやクロシドライトなどの無害化処理に特に好適に適用することができる。
かかるフッ化物としては、例えば、アンモニア、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物塩、及びフッ化水素酸からなる群から選択される化合物が挙げられる。このような化合物を含むアスベスト処理剤を用いることによって、より好適にアスベストを無害化することができる。なお、上述したフッ化物の中でも、フッ化アンモニウムやフッ化水素アンモニウムなどが特に好適な一例として挙げられる。
また、アスベスト処理剤の全質量を100wt%とした場合のフッ化物の濃度は5wt%〜25wt%であると好ましく、10wt%〜20wt%であるとより好ましい。このように、フッ化物を適切に含むアスベスト処理剤を用いることによって、アスベストをより好適に無害化することができる。
(4)その他の含有物
また、本実施形態に係るアスベスト処理剤には、上述した鉱酸やNMP以外に種々の含有物が含まれていてもよい。かかるアスベスト処理剤に含まれ得る含有物としては、例えば、水、シュウ酸、酒石酸、アンモニア、グリコール酸、または、グリオキシル酸やギ酸などのカルボキシル基などが挙げられる。
2.アスベストの無害化処理方法
次に、上述した実施形態に係るアスベスト処理剤を用いた無害化処理方法について説明する。図1は本実施形態に係る無害化処理方法を説明するフロー図である。
(1)アスベスト準備工程
図1に示すように、本実施形態に係る無害化処理方法では、先ず、処理対象であるアスベスト含有物質を用意するアスベスト準備工程S10を実施する。本実施形態に係る無害化処理方法の処理対象であるアスベスト含有物質は、少なくとも一種のアスベストを含んでいれば、特に限定されることなく、種々の材料を適用することができる。かかるアスベスト含有物質としては、例えば、アスベストとセメントと水の混合物を吹き付け施工した吹き付けアスベストや、当該混合物を板状に成形したアスベスト含有スレート板、アスベスト含有保温材などの種々の建築構造材が挙げられる。また、本実施形態に係る無害化処理方法は、これらの建築構造材以外の部材も処理対象とすることができる。
上記アスベスト含有物質に含まれるアスベストとしては、クリソタイル(白石綿:MgSi(OH))、アモサイト(茶石綿:(Fe,Mg)Si22(OH))、クロシドライト(青石綿:NaFe2+ Fe2+ Si22(OH))などが挙げられる。また、本実施形態に係るアスベスト処理方法の対象であるアスベスト含有物質は、これらのアスベストを複数種類含んでいてもよい。なお、アモサイトとクロシドライトは、上述したアスベストの中でも無害化が困難であるという特性を有しているが、本実施形態に係る無害化処理方法を適用することによって、好適に無害化できることが本発明者の試験によって確認されている。
また、アスベスト含有物質には、上述したようなアスベスト以外に種々の不純物が含まれていてもよい。かかる不純物としては、例えば、ブルーサイト(burucite:Mg(OH))、石英(α−quartz:SiO)、方解石(calcite:CaCO)、磁鉄鉱(magnetite:Fe)、シリカ(SiO)、炭酸カルシウム(CaCO)などが挙げられる。
なお、本実施形態に係る無害化処理方法の処理対象であるアスベスト含有物質は、後述の処理剤接触工程S40を実施する前に破砕・粉砕処理が施されていると好ましい。かかる破砕・粉砕処理によって得られた粉末状のアスベスト含有物質を処理対象とすることによって、アスベスト処理剤とアスベスト含有物質との接触面積を大きくし、処理時間の短縮に貢献することができる。
また、このように破砕・粉砕処理が施されたアスベスト含有物質をX線回折分析で解析すると、ピークの半値幅が増加することが確認されている。このことから、破砕・粉砕処理が施されたアスベスト含有物質には歪みが生じており、かかる歪みの発生によってアスベスト処理剤とアスベスト含有物質との反応性が更に向上すると解される。
かかるアスベスト含有物質の破砕・粉砕処理には、建材や廃材を破砕・粉砕し得る公知の手段を特に限定することなく用いることができる。例えば、処理対象のアスベスト含有物質のサイズが大きい場合には、ジョークラッシャー、インパクトクラッシャーなどを用いて予め粗粉砕処理を行った後に、ボールミル、振動ミル等を用いた微粉砕処理を行うと好ましい。これによって、粒径が小さな粉末状のアスベスト含有物質を好適に得ることができる。例えば、対象物のほぼ全体が直径数mm以下(例えば1mm以下)となるようにアスベスト含有物質を破砕(粉砕)することが好ましい。なお、粉末状のアスベスト含有物質の飛散による周辺環境への悪影響を考慮すると、上述の破砕・粉砕処理は、密閉環境や湿潤環境で実施した方が好ましい。
(2)処理剤準備工程
次に、本実施形態に係る無害化処理方法では、鉱酸とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用意する(処理剤準備工程S20)。
本工程は、鉱酸とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用意することができれば、その手段は特に限定されない。例えば、上述した鉱酸とNMPとフッ化物とを混合してアスベスト処理剤を調製してもよいし、予め調製されたアスベスト処理剤を別途用意してもよい。また、後述の濾過工程S50で回収された使用済みのアスベスト処理剤(残液)の成分を調整して再利用してもよい。
(3)加温工程
また、本実施形態に係る無害化処理方法では、アスベスト含有物質に接触させる前のアスベスト処理剤を加温する加温工程S30を実施する。このように、使用前のアスベスト処理剤を予め加温しておくことによって、アスベスト処理剤中の鉱酸の反応性を向上させることができるため、無害化処理に要する時間を短縮することができる。
なお、加温工程S30におけるアスベスト処理剤の温度は、50℃以上に設定すると好ましく、60℃以上(例えば70℃)に設定するとより好ましい。一方で、アスベスト処理剤を加温し過ぎると鉱酸の反応性が向上し過ぎて安全上の問題が生じるため、加温工程S30を行う場合には、アスベスト処理剤の温度をアスベスト処理剤の沸点未満(例えば、80℃以下)にする方が好ましい。
なお、本工程においてアスベスト処理剤を加温する手段は、特に限定されず、従来公知の種々の手段を採用することができる。かかる加温手段の一例として、ヒーターやマイクロ波などが挙げられる。
(4)処理剤接触工程
次に、本実施形態に係る無害化処理方法では、アスベスト含有物質とアスベスト処理剤とを接触させる処理剤接触工程S40を実施する。本工程を実施することによって、アスベスト含有物質とアスベスト処理剤とが反応し、アスベスト含有物質中のアスベストが無害化される。
ここで、本実施形態のように、鉱酸とNMPとフッ化物を含むアスベスト処理剤を使用すると、アスベスト含有物質中のアスベストを従来よりも好適に無害化できる。特に限定するものではないが、例えば10wt%〜30wt%の硫酸(HSO)を鉱酸として含むアスベスト処理剤100mlに対し、処理対象であるアスベスト量が5g〜50g程度(例えば10g〜30g)となるようにアスベスト含有物質とアスベスト処理剤との量比を調整すると好ましい。
以下、処理対象であるアスベストをアモサイト(茶石綿)とし、アスベスト処理剤中の鉱酸を硫酸とし、フッ化物をフッ化アンモニウムとした場合の反応を例に挙げて説明する。なお、以下の説明は、処理対象のアスベストや鉱酸やフッ化物の種類を限定する意図はなく、ここで開示される無害化処理方法では、アスベストや鉱酸やフッ化物の種類を必要に応じて適宜変更できる。
アモサイトを含むアスベスト含有物質と、硫酸とフッ化アンモニウムを含むアスベスト処理剤とを接触させて反応させた場合、下記の式(1)に示されるような反応が生じると推測される。
MgFeSi22(OH)+7HSO→4MgSO+3FeSO+8SiO+8HO (1)
しかし、本工程を実施した後のアスベスト含有物質(以下、「処理結果物」という)を本発明者が解析したところ、アモサイトの殆どが無害化されて存在していないにも関わらず、硫酸とフッ化アンモニウムとの混合物とアモサイトとを反応させた際に生じる硫酸マグネシウム(MgSO)が確認されなかった。そして、かかる処理結果物には、硫酸マグネシウム(MgSO)の代わりに、カミナイト(MgSO(Mg(OH)0.33(HO)0.33)が生成されていることが確認された。
このことから、本実施形態に係る無害化処理方法のように、鉱酸とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を使用した場合、鉱酸およびフッ化物を含む混合物とアスベストとの反応促進にNMPが寄与するため、アスベストの無害化反応が更に進行し、アスベストが好適に無害化されるものと推測される。
なお、本工程は、アスベストとアスベスト処理剤とが適切に反応できるように所定の時間継続して実施することが好ましい。具体的には、本実施形態において、アスベスト含有物質とアスベスト処理剤とを接触させる時間は、30分以上であると好ましく、1時間以上であるとより好ましく、1時間〜2時間程度(例えば1.5時間)であると特に好ましい。アスベスト含有物質とアスベスト処理剤との接触時間をこのように設定することによって、アスベストとアスベスト処理剤とを適切に反応させ、迅速かつ好適にアスベストを無害化することができる。
(5)濾過工程
次に、本実施形態では、処理剤接触工程S40を実施した後の処理結果物を濾過する濾過工程S50を実施する。かかる濾過工程S50には、例えば、加圧濾過器(フィルタープレス)などの所定の濾過装置を特に制限なく使用することができる。
なお、上述したように、本実施形態に係る無害化処理方法では、本工程において分離された使用後のアスベスト処理剤(残液)を回収し、当該回収された残液の成分を調整することによってアスベスト処理剤として再利用することができる。これによって、処理コストの低減や環境への負荷軽減などに貢献することができる。
(6)洗浄・中和工程
そして、本実施形態では、濾過工程S50後の処理結果物を洗浄し、中和する洗浄・中和工程S60を実施する。この洗浄・中和工程S60では、例えば、水などの洗浄液に処理結果物を分散させた後に再び濾過を行うという処理を複数回繰り返すと好ましい。
なお、本工程において使用した洗浄液は、環境への負荷を考慮し、凝集剤や中和剤などの添加や沈殿物の除去などを行う廃液工程S70を経て廃棄される。
(7)乾燥工程
そして、本実施形態に係る無害化処理方法では、上述の洗浄工程S60を行った後の処理結果物を乾燥させる乾燥工程S80が実施される。これによって得られた処理結果物は、確実にアスベストが無害化されているため、人体や環境に悪影響を与えることなく、埋め立てなどの方法によって安全かつ容易に廃棄することができる。
また、本実施形態に係る無害化処理方法によって生じる処理結果物は、石膏を多量に含んでおり、かつ、アスベストが確実に除去されているため、石膏を含む建築材料として再利用することもできる。換言すると、本実施形態に係る無害化処理方法は、石膏を含む建築材料の製造方法として実施することもできる。
ここでは詳細な説明を省略するが、本発明者は、上述の実施形態に係る無害化処理方法を実施した後に、X線回折と、位相差顕微鏡と、透過型電子顕微鏡(TEM)の各々の手法を用い、処理結果物中にアスベスト(例えば、アモサイトやクロシドライト)が存在しているかを確認した結果、何れの手法を用いて確認した場合でも、針状結晶構造を有するアスベストの存在が確認されなかった。
このことから、本実施形態に係る無害化処理方法によれば、鉱酸とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用いることによって、アスベスト含有物質中のアスベストを迅速かつ確実に無害化し、アスベストによる人体や環境への悪影響の低減に大きく貢献できることが確認された。
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態に係るアスベストの無害化処理方法について説明した。しかし、ここで開示されるアスベストの無害化処理方法は、上記した実施形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。
例えば、図1に示すように、上記した実施形態に係る無害化処理方法では、アスベスト処理剤を予め加温する加温工程S30を実施しているが、かかる加温工程S30は、必ずしも行われなくてもよい。具体的には、常温のアスベスト処理剤を用いた場合でも、アスベスト含有物質中のアスベストを適切に無害化することができる。但し、鉱酸の反応性が指数関数的に向上するため、上述した実施形態のようにアスベスト処理剤を予め加温した方が好ましい。また、上述した実施形態のように、加温工程と処理剤接触工程とを別途設ける必要もなく、例えば、処理剤接触工程を実施している間にアスベスト処理剤を加温してもよい。
また、上記した実施形態では、処理剤接触工程S40を実施した後に、濾過工程S50、洗浄工程S60、廃液工程S70、乾燥工程S80を実施している。
しかし、ここで開示される無害化処理方法は、アスベスト含有物質を用意する工程(アスベスト準備工程)と、鉱酸とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用意する工程(処理剤準備工程)と、当該アスベスト処理剤をアスベスト含有物質と接触させる工程(処理剤接触工程)とを包含していればよく、これらを除く工程については、処理設備や処理環境に応じて適宜変更することができる。
[試験例]
以下、本発明に関するいくつかの試験例を説明する。なお、以下の試験例は、本発明を限定することを意図したものではない。
[第1の試験]
本試験においては、鉱酸とN−メチル−2−ピロリドンとフッ化物を含むアスベスト処理剤を用いて、アスベスト含有物質中のアスベストの無害化処理を行い、処理結果物の組成を調査した。
1.無害化処理の手順
本試験では、先ず、水を溶媒とし、25wt%の硫酸と、25mg/LのNMPと、10%フッ化アンモニウムとを含むアスベスト処理剤を調製し、当該アスベスト処理剤を70℃に加温した。次に、アモサイトを主成分として含む粒径数mm以下(概ね1mm以下)に調整させた粉末状のアスベスト含有物質(以下、「アモサイト標準試料」と称する)を用意し、当該アモサイト標準試料とアスベスト処理剤とを混合し、撹拌しながら2時間保持した。その後、混合液に対して遠心分離を行い、沈殿した固形の処理結果物(残渣物)を採集し、当該処理結果物を水で洗浄した後に乾燥させた。
2.評価試験
本試験では、上述の無害化処理を行った結果得られた処理結果物の組成を、以下の評価試験によって調査した。
本評価試験では、無害化処理前のアモサイト標準試料と、無害化処理後の処理結果物とに対してX線回折分析を実施し、各々に含まれている化合物を分析した。このX線回折分析においては、リガク社製のX線回折装置(Ultima IX型)を使用し、Cu−Kα線を生じさせる銅対陰極管球をX線源として用いた。そして、管電圧を40kV、管電流を40mAに設定してX線回折分析を行い、観察されたX線回折ピークをX線回折データベースソフト(ICCD:International center for Diffraction date)を用いて同定した。第1の試験で用いたアモサイト標準試料のX線回折分析結果を図2に示し、第1の試験における無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を図3に示す。なお、本明細書で示すX線回折分析の結果は、回折強度の弱いピークを正確に確認するために、縦軸を対数目盛りとしている。
図2に示すように、無害化処理前のアモサイト標準試料には、10.6°、27.3°、29.1°にアモサイトに由来する強いピークが確認された(図2中の「A」参照)。
一方、図3に示す無害化処理後の処理結果物のX線回折分析の結果においては、上述したようなアモサイトに由来するピークが消失するという驚くべき結果が得られた。このことから、硫酸(鉱酸)とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用いることによって、無害化が困難なアモサイトであっても好適に無害化できることが確認された。
そして、無害化処理後の処理結果物では、MgH(SOOに由来するピーク(図3中の「M」参照)と、SiOに由来するピーク(図3中の「S」参照)が確認された。一般に、硫酸とフッ化アンモニウムとの混合物をアモサイトと反応させた場合、処理結果物に硫酸マグネシウム(MgSO)が含まれると推測される。
しかし、本試験例では、無害化処理後の処理結果物に、硫酸マグネシウムが含まれていなかった(硫酸マグネシウムに由来する24.6°、25.2°、33.4°、36.7°のピークが確認されなかった)。このことから、鉱酸とフッ化物との混合物とアスベストとをNMPの存在下で反応させると、アスベストの無害化反応が更に進行すると推測できる。
[第2の試験]
本試験では、アスベスト処理剤とアスベスト含有物質との接触時間に関する実験を行った。
1.各サンプルの説明
(1)例1
例1では、25wt%の硫酸と、2.5mg/LのNMPと、10%フッ化アンモニウムを含むアスベスト処理剤を使用し、アスベスト含有物質(アモサイト標準試料)に含まれるアモサイトの無害化を行った。ここでは、アスベスト処理剤とアスベスト含有物質との接触時間(混合後の保持時間)を10分に設定した。なお、その他の処理手順は、上述した第1の試験と同条件に設定した。
(2)例2
例2では、アスベスト処理剤とアモサイト標準試料との接触時間を30分に変更した点を除いて、例1と同じ条件でアモサイト標準試料中のアモサイトの無害化処理を行った。
(3)例3
例3では、アスベスト処理剤とアモサイト標準試料との接触時間を1時間に変更した点を除いて、例1と同じ条件でアモサイト標準試料中のアモサイトの無害化処理を行った。
(4)例4
例4では、アスベスト処理剤とアモサイト標準試料との接触時間を2時間に変更した点を除いて、例1と同じ条件でアモサイト標準試料中のアモサイトの無害化処理を行った。
(5)例5
例5では、アスベスト処理剤とアモサイト標準試料との接触時間を4時間に変更した点を除いて、例1と同じ条件でアモサイト標準試料中のアモサイトの無害化処理を行った。
2.評価試験
本試験では、例1〜例5の無害化処理後の処理結果物に対してX線回折分析を実施した。なお、X線回折分析の条件は、上述の第1の試験と同じ条件に設定した。
図4は無害化処理前のアモサイト標準試料のX線回折分析の結果である。また、図5〜図9は、例1〜例5の各例の無害化処理後の処理結果物のX線回折分析の結果である。
先ず、図4に示すように、無害化処理前のアモサイト標準試料にX線回折分析を行った結果、本試験で使用したアモサイト標準試料には、アモサイト(図4中の「A」参照)の他に、CaCO(図中の「Ca」参照)が不純物として含まれていることが確認された。
そして、図5〜図9に示すように、硫酸とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤で無害化処理を行った例1〜例5では、何れにおいても、上記無害化処理前のアモサイト標準試料と比べてアモサイトに由来するピークの強度が低減すると共に、MgH(SOOが生成されていることが確認された(図5〜図9中の「M」参照)。
また、図5〜図9に示すように、例1〜例5では、上述したMgH(SOO以外に、CaSO(図中の「Ca」参照)、CaSO(HO)(図中の「Ca」参照)、CaSi(図中の「Ca」参照)、SiO(図中の「S」参照)などが確認された。
また、アスベスト処理剤とアモサイト標準試料との接触時間が異なる例1〜例5を比較すると、当該接触時間が長くなるに従ってアモサイトに由来するピーク(例えば、10.6°、27.3°、29.1°のピーク)の強度が低減することが確認された。そして、接触時間を2時間以上に設定した例4および例5では、アモサイトに由来するピークがほぼ消失していた。このことから、鉱酸とNMPとフッ化物を含むアスベスト処理剤を使用する場合には、アスベスト処理剤とアスベスト含有物質との接触時間を2時間以上に設定することによって、アモサイトを確実に無害化できることが確認できた。
次に、本試験では、使用後のアスベスト処理剤に含まれる化合物の特定を行った。具体的には、例4で使用したアスベスト処理剤をフィルター(目開き:5μm)で吸引濾過して得られた液体を乾燥させ、乾燥後の固形分(アスベスト処理剤の残渣)に対してX線回折分析を実施した。なお、X線回折分析の条件は、上述の第1の試験と同条件に設定した。かかるアスベスト処理剤の残渣のX線回折分析の結果を図10に示す。
図10に示すように、使用後のアスベスト処理剤には、MgH(SOOと、硫酸カルシウム(CaSO)と、その水和物((CaSO(HO))が含まれていることが確認された。また、使用後のアスベスト処理剤においても、アスベスト(アモサイト)は確認されなかった。
[第3の試験]
本試験においては、処理対象として、クロシドライトを主成分として含むアスベスト含有物質を用いた場合の無害化処理の結果を調べた。
1.無害化処理の手順
本試験では、先ず、25wt%の硫酸と、25mg/LのNMPと、20%フッ化アンモニウムとを含むアスベスト処理剤を調製し、当該アスベスト処理剤を70℃に加温した。次に、クロシドライトを主成分として含む粒径数mm以下(概ね1mm以下)の粉末状のアスベスト含有物質(以下、「クロシドライト標準試料」と称する)を用意し、当該クロシドライト標準試料とアスベスト処理剤とを混合し、撹拌しながら2時間保持した。その後、混合液に対して遠心分離を行い、沈殿した固形の処理結果物(残渣物)を採集し、当該処理結果物を水で洗浄した後に乾燥させた。
2.評価試験
本試験では、無害化処理前のクロシドライト標準試料と、無害化処理後の処理結果物とに対してX線回折分析を実施し、各々に含まれている化合物を分析した。なお、X線回折分析の条件は、上述の第1の試験と同じ条件に設定した。第3の試験で用いたクロシドライト標準試料のX線回折分析結果を図11に示し、第3の試験における無害化処理後の処理結果物のX線回折分析結果を図12に示す。
図11に示すように、無害化処理前のクロシドライト標準試料には、10.5°、28.7°、33.8°にクロシドライトに由来する強いピークが確認された(図11中の「C」参照)。
一方、図12に示す無害化処理後の処理結果物のX線回折分析の結果においては、上述したようなクロシドライトに由来するピークが消失していた。そして、無害化処理後の処理結果物では、(NHSiF(図12中の「N」参照)と、(NHNaFeF(図12中の「N」参照)と、FeSO(HO)(図12中の「Fe」参照)とが確認された。このことから、硫酸(鉱酸)とNMPとフッ化物とを含むアスベスト処理剤は、上記したアモサイトだけでなく、クロシドライトも好適に無害化できることが確認された。
[第4の試験]
本試験においては、アスベスト処理剤とクロシドライト標準試料との接触時間に関する実験を行った。
1.各サンプルの説明
(1)例6
例6では、無害化処理の対象として、クロシドライトを含有するクロシドライト標準試料を用いた点と、フッ化アンモニウムの濃度を20wt%にした点とを除き、上述した第2の試験の例1と同じ条件に設定し、クロシドライト標準試料中のクロシドライトの無害化処理を行った。
(2)例7
例7では、アスベスト処理剤とクロシドライト標準試料との接触時間を30分に変更した点を除いて、例6と同じ条件でクロシドライト標準試料中のクロシドライトの無害化処理を行った。
(3)例8
例8では、アスベスト処理剤とクロシドライト標準試料との接触時間を1時間に変更した点を除いて、例6と同じ条件でクロシドライト標準試料中のクロシドライトの無害化処理を行った。
(4)例9
例9では、アスベスト処理剤とクロシドライト標準試料との接触時間を2時間に変更した点を除いて、例6と同じ条件でクロシドライト標準試料中のクロシドライトの無害化処理を行った。
(5)例10
例10では、アスベスト処理剤とクロシドライト標準試料との接触時間を4時間に変更した点を除いて、例6と同じ条件でクロシドライト標準試料中のクロシドライトの無害化処理を行った。
2.評価試験
(1)処理結果物の分析
本試験では、上述した第1の試験と同様の手順で、無害化処理後のクロシドライト標準試料(処理結果物)に対してX線回折分析を実施した。図13は第4の試験で使用したクロシドライト標準試料に対するX線回折分析の結果であり、図14〜図18は例6〜例10の各例の無害化処理後の反応結果物のX線回折分析の結果である。
先ず、図13に示すように、無害化処理前のクロシドライト標準試料にX線回折分析を行った結果、本試験で使用したクロシドライト標準試料には、クロシドライト(図17中の「C」参照)の他に、β−SiO(図13中の「S」参照)と、Ca(CO)(図13中の「Ca」参照)と、Ca(SiOOH(図13中の「Ca」参照)とが不純物として含まれていることが確認された。
そして、図14〜図18に示すように、例6〜例10では、クロシドライトに由来するピーク(10.5°、28.7°、33.8°)の強度が低減していることが確認された。特に処理時間を2時間以上に設定した例9と例10では、クロシドライトに由来するピークが大きく低減していた。
(2)使用後のアスベスト処理剤の分析
また、本試験では、使用後のアスベスト処理剤に含まれる化合物の特定を行った。上述した第2の試験と同様の条件の下で、アスベスト処理剤を吸引濾過して得られた液体を乾燥させ、乾燥後の固形分(アスベスト処理剤の残渣)に対してX線回折分析を実施した。かかるアスベスト処理剤の残渣のX線回折分析の結果を図19に示す。なお、本試験では、例9で使用したアスベスト処理剤に対して分析を行った。
図19に示すように、例9において使用したアスベスト処理剤には、MgH(SOO(図19中の「M」参照)と、(NHSiF(図19中の「N」参照)と、(NHH(SOが含まれていることが確認された。また、TEM観察の結果、使用後のアスベスト処理剤中にも、アスベスト(クロシドライト)は確認されなかった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
S10 アスベスト準備工程
S20 処理剤準備工程
S30 加温工程
S40 処理剤接触工程
S50 濾過工程
S60 洗浄・中和工程
S70 廃液工程
S80 乾燥工程

Claims (11)

  1. アスベストの無害化処理方法であって、
    少なくとも一種のアスベストを含むアスベスト含有物質を用意すること;
    鉱酸とN−メチル−2−ピロリドンとフッ化物とを含むアスベスト処理剤を用意すること;
    前記アスベスト含有物質と前記アスベスト処理剤とを接触させて、前記アスベスト含有物質中のアスベストを無害化すること;
    を包含する、アスベストの無害化処理方法。
  2. 前記アスベスト含有物質がアモサイトとクロシドライトの何れかを少なくとも含む、請求項1に記載のアスベストの無害化処理方法。
  3. 前記鉱酸が硫酸である、請求項1または請求項2に記載のアスベストの無害化処理方法。
  4. 前記アスベスト含有物質と前記アスベスト処理剤とを2時間以上接触させる、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアスベストの無害化処理方法。
  5. 前記アスベスト含有物質と前記アスベスト処理剤とを接触させる前に、前記アスベスト処理剤を50℃以上であって沸点未満の温度域まで加温する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のアスベストの無害化処理方法。
  6. 前記アスベスト処理剤と接触させる前記アスベスト含有物質が粉末状である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のアスベストの無害化処理方法。
  7. 少なくとも一種のアスベストを含むアスベスト含有物質中の前記アスベストを無害化処理するためのアスベスト処理剤であって、
    鉱酸とN−メチル−2−ピロリドンとフッ化物とを含む、アスベスト処理剤。
  8. 前記鉱酸が硫酸である、請求項7に記載のアスベスト処理剤。
  9. 前記フッ化物が、アンモニア、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物塩、及びフッ化水素酸からなる群から選択される化合物である、請求項7または請求項8に記載のアスベスト処理剤。
  10. 処理剤全体を100wt%としたときの前記フッ化物の濃度が5wt%〜25wt%である、請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載のアスベスト処理剤。
  11. 処理剤全体を100wt%としたときの前記N−メチル−2−ピロリドンの濃度が0.1wt%〜10wt%である、請求項7〜請求項10のいずれか一項に記載のアスベスト処理剤。
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