JP6348344B2 - 配設体の設置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配設体の設置方法に関する。
従来、建築物の壁裏空間に配線又は配管を行うべく、建築物を構成する構築面(壁面)に断熱材を介して(配線・配管ボックスや該配線・配管ボックス用の台座等を含む)配設体を設置するために様々な手段が用いられている。
特許文献1は、コンクリート建物における断熱構造の壁内にケーブル配線を施すための配線ボックスの設置方法を開示する。該設置方法では、駆体壁(W1)一面に形成された断熱壁(W3)を構成する断熱材(D3)を除去して、ボックス(B)及び電線管(P)の設置空間(V1、V2)を形成する。そして、該設置空間(V1、V2)に配線ボックス(B)及び電線管(P)を挿入して設置する。このボックス(B)の底壁(6)外面には、断熱シート(D1)が貼着されており、且つ、電線管(P)の外周が断熱被覆材(D2)で被覆されている。そして、ボックス設置空間(V1)に挿入設置された配線ボックス(B)の底壁(6)をコンクリートビス(21)を使用して駆体壁(W1)に固定する。次に、断熱壁(W3)の外側に仕上げ壁(W2)を設置固定して、仕上げ壁(W2)における配線ボックス(B)の配置位置を切り欠いて、方形開口(22)を設ける。
特許文献2は、配線用ボックスの取付構造を開示する。この取付構造を設置する方法において、まず、奥壁(11)の前面(11a)に配線用ボックス(2)を取り付けるための取付用台部材(5)を複数の固着具(65)で取付ける。この取付台部材(5)の前面板部(51)の背面側には、断熱材である断熱用板部材(16)が設けてある。そして、該取付台部材(5)を取り付けた奥壁(11)の前面(11a)側に吹付け発泡樹脂層(12)を形成する。次に、取付用台部材(5)の前面に形成された吹付け発泡樹脂層(12)を除去して、配線用ボックス(2)の背面板部(4)を取付用台部材(5)の前面板部(51)に重なるように当接させ、取付用台部材(5)の前面板部(51)の側端面(51a)より突設する保持部(57)にて配線用ボックス(2)の背面板部(4)の左右の側端部を掴んで保持する。続いて、接着材(14)を介して、配線用ボックス(2)の前面側端部に内装側面板(13)を固定し、該内装側面板(13)に配線用開口(15)を穿孔する。
特開2003− 32836号公報 特開2002−315145号公報
特許文献1の設置方法では、断熱材で配線ボックス周壁を包囲するようにボックス設置空間を断熱壁に形成した上で、該ボックス設置空間に挿入設置された配線ボックスの壁部をビスで壁材に固定する。すなわち、特許文献1において、配線ボックス(配設体)を設置する前に、断熱壁を設置するボックス形状に合わせて除去しなければならず、作業の手間がかかることが問題であった。さらに、断熱壁をボックスの形状に合致するように正確に切断することは困難である。そのため、ビスで配線ボックスを固定する際、配線ボックスがボックス設置空間内で傾動し、ボックスを取り付け難いことが問題であった。
これに対し、特許文献2の設置方法では、配線用ボックスを設置した後に断熱材が吹き付けられるため、断熱壁を除去する手間が省かれている。しかしながら、特許文献2の設置方法では、断熱用板部材を取付用台部材(配設体)の背面に配置した上で複数本の固着具(ビス)を壁面に打ち付けることにより、取付用台部材を壁材に固定し、さらに取付用台部材に対してボックスを固定しなければならなかった。このように複数本のビスで配設体を壁面に固定する作業は非常に手間がかかるものである。さらに、取付用台部材をビスで増し締めするときに、取付用台部材が傾動して、断熱用板部材や壁面に対する取付用台部材の設置位置がずれたり、断熱用板部材が側方から抜け落ちたりする虞があった。すなわち、特許文献2の設置方法においても、配設体の設置に手間がかかることが問題であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、断熱性能を担保しつつ、構築面に配設体を容易に設置可能とする配設体の設置方法を提供することにある。
請求項1に記載の配設体の設置方法は、壁部を有する配設体を建築物の構築面に断熱材を介して設置する方法であって、
構築面に断熱ボードを接着するとともに、配設体の壁部から外方に突出するように形成された少なくとも1つの突出部を断熱ボードに係合させる工程と、
壁部に形成された固定孔を介してビスで壁部及び断熱ボードを貫通することによって、配設体及び断熱ボードを構築面に固定する工程と、を含み、
断熱ボードの前面及び後面が、配設体の少なくとも1つの突出部が突出する方向から見た前記壁部の形状と同形状を有していることを特徴とする。
請求項2に記載の配設体の設置方法は、請求項1に記載の配設体の設置方法において、少なくとも1つの突出部を断熱ボードに係合させる工程は、配設体の壁部外面を断熱ボードの前面に押し付けて、少なくとも1つの突出部を断熱ボードに食い込ませることを特徴とする。
請求項3に記載の配設体の設置方法は、請求項1又は2に記載の配設体の設置方法において、固定孔は、ビスのビス軸部が通過可能であるとともにビス頭部が通過不能な大きさに形成され、固定孔に連通するとともにビスのビス頭部が通過可能な大きさを有する通過孔が壁部に形成され、且つ、該通過孔を開閉可能な閉塞片が形成されており、
構築面に断熱ボードを固定した後に、断熱ボードにビス軸部を部分的に埋め込んでビス頭部を断熱ボードの外面から突出させ、
ビス頭部を壁部の外面から通過孔に通過させて、ビス軸部を固定孔内に配置し、閉塞片で通過孔を閉塞するとともに突出部を断熱ボードに係合させ、
ビスを構築面内に螺進させることにより、ビス頭部を固定孔の周縁に圧接させて、配設体及び断熱ボードを構築面に固定することを特徴とする。
請求項4に記載の配設体の設置方法は、壁部を有する配設体を建築物の構築面に断熱材を介して設置する方法であって、
構築面に断熱ボードを接着するとともに、配設体の壁部から外方に突出するように形成された少なくとも1つの突出部を断熱ボードに係合させる工程と、
壁部に形成された固定孔を介してビスで壁部及び断熱ボードを貫通することによって、配設体及び断熱ボードを構築面に固定する工程と、を含み、
固定孔は、ビスのビス軸部が通過可能であるとともにビス頭部が通過不能な大きさに形成され、固定孔に連通するとともにビスのビス頭部が通過可能な大きさを有する通過孔が壁部に形成され、且つ、(固定孔を閉塞せずに)該通過孔を開閉可能な閉塞片が形成されており、
構築面に断熱ボードを固定した後に、断熱ボードにビス軸部を部分的に埋め込んでビス頭部を断熱ボードの外面から突出させ、
ビス頭部を壁部の外面から通過孔からボックス内部に通過させて、ビス軸部を固定孔内に配置し、閉塞片で通過孔を閉塞するとともに突出部を断熱ボードに係合させ、
ビスを構築面内に螺進させることにより、ビス頭部を固定孔の周縁圧接させて、配設体及び断熱ボードを構築面に固定することを特徴とする。
請求項1に記載の配設体の設置方法によれば、断熱ボードを構築面に固定するとともに配設体に設けられた突出部を断熱ボードに係合させたことで、該断熱ボード及び構築面に対して、1本のビスで配設体を固定することができる。すなわち、配設体及び断熱ボードに対してビスを増し締めするときに、該突出部が断熱ボードと係合して、配設体がビスを軸として断熱ボード及び構築面に対して回動することが規制される。これにより、配設体の傾動に配慮することなく、ビスの締結作業をより安定的に実施することができる。よって、本設置方法によれば、ビス1本操作するだけで、配設体及び断熱ボードを構築面に容易に取り付けることができる。したがって、本発明の配設体の設置方法は、断熱性能を担保しつつ、配設体設置の作業容易性を大幅に改善する。さらに、断熱ボードの前面及び後面が配設体の壁部外面と略同形状を有していることにより、配設体を断熱ボードに取り付けたときに、断熱ボード側面と配設体側面とが略同一平面上に位置する。これにより、断熱材を吹き付けたときに、配設体と断熱ボードとの境界で隙間が形成される虞を軽減することができる。
請求項2に記載の配設体の設置方法によれば、請求項1の発明の効果に加えて、配設体の壁部外面を断熱ボード前面に押し付けて、突出部を断熱ボードに食い込ませることにより、簡単且つ確実に突出部を断熱ボードに係合させることができる。
請求項3に記載の配設体の設置方法によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、被固定部に突出状態で固定(螺合)したビスのビス頭部を、配設体壁部の通過孔から壁部内側に通過させて、ビス軸部を固定孔内に相対移動させる。そして、ビス軸部が固定孔を貫通した状態で閉塞片で通過孔を閉塞することにより、配設体が被固定部に対して脱落しないようにビスで連結される。このように、ビス軸部が固定孔を貫通した状態で閉塞片が通過孔を閉塞するため、該閉塞片がビス頭部を係止して、該ビス頭部が通過孔を再度通過することが規制される。すなわち、閉塞片で通過孔を閉塞した状態では、配設体及び被固定部がビスに係止されて互いに離脱することを防止される。よって、本発明によれば、配設体を被固定部に対して簡単且つ迅速に取り付け可能であるとともに、配設体を被固定部に対して安定的に支持可能である。すなわち、固定孔を介してビスで配設体及び断熱ボードを構築面に固定する作業が容易となり、配設体の設置容易性を改善する。
請求項4に記載の配設体の設置方法によれば被固定部に突出状態で固定(螺合)したビスのビス頭部を、配設体壁部の通過孔から壁部内側に通過させて、ビス軸部を固定孔内に相対移動させる。そして、ビス軸部が固定孔を貫通した状態で閉塞片で通過孔を閉塞することにより、配設体が被固定部に対して脱落しないようにビスで連結される。このように、ビス軸部が固定孔を貫通した状態で閉塞片が通過孔を閉塞するため、該閉塞片がビス頭部を係止して、該ビス頭部が通過孔を再度通過することが規制される。すなわち、閉塞片で通過孔を閉塞した状態では、配設体及び被固定部がビスに係止されて互いに離脱することを防止される。よって、本発明によれば、配設体を被固定部に対して簡単且つ迅速に取り付け可能であるとともに、配設体を被固定部に対して安定的に支持可能である。すなわち、固定孔を介してビスで配設体及び断熱ボードを構築面に固定する作業が容易となり、配設体の設置容易性を改善する。
本発明の一実施形態(実施例1)の配線装置の分解斜視図。 図1の配線装置の配線ボックスの(a)前方斜視図及び(b)後方斜視図。 図2の配線ボックスの(a)正面図、(b)背面図、(c)側面図、及び(d)平面図。 図3(a)のA−A断面図。 図2の配線ボックスを積み重ねた形態を示す模式図。 図1の配線装置の断熱ボードの(a)斜視図、及び(b)縦断面図。 本発明の一実施形態(実施例1)の配線構造の概略断面図。 図7の配線構造を構築する方法を示す模式図であり、(a)は、ビス頭部を通過孔からボックス内部に通過させる工程を示し、(b)は、ビス軸部を固定孔にスライドして閉塞片で通過孔を閉塞した状態でビスを操作する工程を示し、(c)は、ビス頭部が固定孔周縁及び閉塞片に圧接するまでビスを螺進させる工程を示す。 図7の配線構造を構築する方法を示す模式図であり、(a)は、構築面に発泡断熱材を吹き付ける工程を示し、(b)は、断熱層を形成するとともに、ケーブルを配線する工程を示し、(c)は、壁孔を介して配線器具を配線ボックスに取り付ける工程を示す。 本発明の別実施形態(実施例2)の配線ボックスの設置方法を示す概略断面図。 図10の配線ボックスの設置方法を示す模式図であり、(a)は、突出部を介して配線ボックスを断熱ボードに取り付ける工程を示し、(b)は、固定孔を介してビスで配線ボックス及び断熱ボードを構築面に固定する工程を示し、(c)は、ビス頭部が固定孔周縁に圧接するまでビスを螺進させる工程を示す。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。また、本発明における上下左右の方向は、相対的な位置を示す概念にすぎず、これらを入れ替えて適用可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
本発明の一実施形態として、電気ケーブルを配線するための配線ボックス110の設置方法について説明する。ただし、本発明の配設体は、配線ボックスに限定されるものでなく、電気ケーブルの代わりに可撓管等の配管材を配管する配管ボックス、ボックスを固定するための台座及び管材を配管するための管固定部材等を含む概念である。すなわち、配設体は、建築物の構築面に断熱材を介して配設するものを全て含み、本願明細書に具体的な記載がなくとも、当業者であれば、配設体の用途及び種類を任意に選択及び/又は変更することができる。また、本実施例では、配線ボックス110及び断熱ボード130が固定される構築壁W1は、建築物外壁をなすコンクリート壁である。しかし、本発明の構築壁は、本実施形態に限定解釈されず、配設体及び断熱ボードを設置可能な任意の壁材を含む概念である。
次に、図1乃至6を参照して、本実施形態の配線ボックス110の設置方法に使用される各構成部材について説明する。
図1は、本実施形態の配線装置100の分解斜視図である。該配線装置100は、配線ボックス110を断熱状態で構築面W1に設置して配線を行うための装置であり、本実施形態の設置方法を実施するものである。図1に示すとおり、配線装置100は、壁裏のケーブルCを配線するための筐体状の配線ボックス110と、該配線ボックス110の背面と構築面W1との間に配置される直方体状の断熱ボード130と、これら配線ボックス110及び断熱ボード130を構築面W1に連結するための(ビス頭部151及びビス軸部152からなる)ビス150とを備えてなる。
まず、図2から図4を参照して、本発明の一実施形態の配線ボックス110の構成を説明する。図2(a)、(b)は、該配線ボックス110の前方斜視図及び後方斜視図である。図3(a)から(d)は、該配線ボックス110の正面図、背面図、側面図及び平面図である。図4は、図3(a)の配線ボックス110のA−A断面図である。
図2に示すとおり、一実施形態の配線ボックス110は、底壁111a及び側壁111bからなる周壁111により前面に開口112を有する薄型配線ボックスである。当該配線ボックス110において、開口112は、周壁111の前端をなす開口縁部112aによって縁取られている。また、開口縁部112aの上下には、コンセントやスイッチなどの配線器具Eを取り付けるための一対の器具取付孔121が設けられている。さらに、配線ボックス110の側壁111bのうちの上壁及び下壁には、ケーブルCを挿通するための挿通孔122が穿設されている(図3(d)参照)。各挿通孔122は、側壁111bから底壁111aにかけて切り欠かれており、平面視矩形状を有している。
また、図2及び図3(a)に示すとおり、ビス150が配線ボックス110の側壁111bに設けられた第1ビス保持部118によって一時的に保持されている。ビス150は、径d1を有するビス頭部151と、径d2を有するビス軸部152とからなる。他方、第1ビス保持部118は、配線ボックス110の長辺側の両側壁111bに設けられている。第1ビス保持部118は、側壁111bを貫通するとともに該側壁111b外面に突出形成された対向する一対の突壁の間に設けられた溝からなる。ビス150のビス軸部152先端が溝内に螺合することにより、ビス150が第1ビス保持部118によって保持されている。
当該配線ボックス110は、周壁111のうちの底壁111aに形成された固定部を介して建築物の被固定部(本実施形態では断熱ボード130及び構築面W1)にビス150で固定されるように構成されている。該配線ボックス110の固定部(又は固定機構)は、後述する固定孔113、通過孔114及び閉塞片115を備えてなる。
図3(a)に示すとおり、該配線ボックス110の正面視において、底壁111aの略中央に固定孔113が穿設されている。この固定孔113は、上方の半円形状と下方の矩形状とが組み合わさってなり、横幅s1と縦幅s2(s1<s2)とを有する。該固定孔113は、ビス150のビス軸部152が通過可能であるとともにビス頭部151が通過不能な大きさに形成されている。本実施形態では、固定孔113の横幅s1、縦幅s2は、ビス頭部151の径d1よりも小さく、且つ、ビス軸部152の径d2よりも大きい(d1>s1,s2>d2)。なお、固定部を長孔形状としてもよく、固定孔の横幅s1、縦幅s2のいずれか一方がビス頭部151よりも小さければ、ビス頭部151の通過を規制できる。
また、該配線ボックス110の底壁111aにおいて、該固定孔113の下端縁に連通してビス150が通過可能な通過孔114が穿設されている。この通過孔114は、上方の半円形状と下方の長尺矩形状とが組み合わさってなり、横幅t1と縦幅t2(t1<t1)とを有する。該通過孔114は、ビス150のビス頭部151及びビス軸部152が通過可能な大きさに形成されている。すなわち、通過孔114の横幅t1、縦幅t2は、ビス頭部151の径d1及びビス軸部152の径d2よりも大きい(t1、t2>d1、d2)。
そして、図3(a)及び図4に示すように、該通過孔114を閉塞するように閉塞片115が設けられている。この閉塞片115は、通過孔114と対応する細長い薄板形状を有しており、通過孔114の(隙間を除いた)ほぼ全体を覆うが、固定孔113までは延在していない。そして、該閉塞片115は、その基端部115aで通過孔114の固定孔113の反対側の周縁に一体的に形成されている。他方、閉塞片115の側端部及び先端部115bは、底壁111aに結合しておらず、通過孔114周縁と閉塞片115外周との間に僅かな隙間が設けられている。すなわち、閉塞片115の基端部115aが固定端となり、且つ、その先端部115bが自由端となっている。図4に示すとおり、閉塞片115は、基端部115bにおいて薄肉となっており、固定端を支点として弾性変形可能である。つまり、該閉塞片115は、その固定端を軸としてその自由端が前後に回動自在である。本実施形態では、閉塞片115は、その初期位置で底壁111aと平行に延在して通過孔114を閉塞し、弾性変形して回動することで通過孔114を開放し、そして、通過孔114の開放後に弾性復帰して初期位置に戻って通過孔114を再度閉塞するように構成されている。なお、本発明の閉塞片は、初期位置で通過孔を開放するように構成されてもよく、尚且つ、弾性変形可能でなくてもよい。
また、図3(a)に示すとおり、配線ボックス110の底壁111a内面の右上の角隅部には、器具取付用の一対のビス121aを保持するための第2ビス保持部124が設けられている。第2ビス保持部124は、底壁111aから内方(前方)に突出した3つの突起124aと、該突起124aの間に穿設された2つの孔124bとからなり、器具取付用の2本のビス121aを配線ボックス110内に保持可能である。ビス121aは、その軸部が突起124aに挟み込まれることによって保持されている。そして、突起124a基端近傍の孔124bを介して、底壁111a外面からビス121a軸部を前面側に押すことにより、ビス121aを簡単に第2ビス保持部124から取り外すことができる。
さらに、本実施形態では、配線ボックス底壁111aの固定孔113の両脇に一対のビス孔123が穿設されている。この一対のビス孔123は、配線ボックス110を被固定部にビスで固定すべく任意に用いられる。
そして、図3(b)、(c)に示すとおり、配線ボックス110の底壁111a外面の四隅には、ピン状の突出部116が外方にそれぞれ突出している。該突出部116は配線ボックス底壁111aに一体的に形成されている。この突出部116は、被固定部である断熱ボード130に食い込んで、該断熱ボード130に係合可能に構成されている。この突出部116は、後述するように、ビス150と協働して配線ボックス110の回動を係止するように機能する。他方、図3(a)に示すとおり、配線ボックス110の開口縁部112aの四隅には、嵌合孔117がそれぞれ設けられている。4つの嵌合孔117は、4つの突出部116に対応する位置に配置されている。そして、各嵌合孔117は各突出部116に対応する大きさで穿設されている。すなわち、図5に示すように、複数の配線ボックス110を積み重ねると、各突出部116が各嵌合孔117に嵌合し、互いにずれないように積層される。これにより、該配線ボックス110の保管、出荷時における省スペース化が可能となる。
なお、本実施形態の配線ボックス110は、合成樹脂から成形されてなる。しかしながら、本発明の配線ボックスの材質、形状寸法は上記実施形態に限定されることなく、当業者であれば、任意に選択可能である。
次に、図6を参照して、本発明の一実施形態の配線装置100の断熱ボード130を説明する。図6に示すとおり、該断熱ボード130は、直方体状の発泡プラスチック、発泡ゴム等の断熱材料で直方体状に成形されている。この断熱ボード130は、ビス150で構築面Wに固定するときの力で押圧変形しないように、硬質な発泡材料で形成されることが好ましい。例えば、本実施例では、断熱ボード130は、硬質ポリウレタンフォームからなる。この断熱ボード130は、その前面及び後面形状において配線ボックス底壁111と略同形状(寸法)を有していることが好ましい。また、該断熱ボード130の厚みは、配線ボックス110の厚み(開口縁部112aから底壁111a裏面までの距離)と合わせて、構築面W1と(立設される)内壁W3との間の距離と等しくなるように定められることが好ましい。すなわち、断熱ボード130の介在により、配線ボックス110の設置箇所における断熱性能の低下が軽減される。さらに、断熱ボード130の前面及び後面には、両面接着層131、132がそれぞれ貼着されている。これら両面接着層131、132により、断熱ボード130の前後面が配線ボックス110の底壁111外面及び構築面W1にそれぞれ粘着され、ビス150による連結が補助される。配線ボックス110及び断熱ボード130の設置前では、両面接着層131、132には、利便上、剥離シート133が貼り付けられている。
なお、本実施形態では、両面接着層131、132は、配線ボックス110の設置作業を容易にするために、断熱ボード130を配線ボックス110及び構築面W1に簡易的(又が一時的)に接着することに使用される。最終的に、ビス150で配線ボックス110を断熱ボード130及び構築面W1に連結すれば十分であるため、前面側の両面接着層131を省略してもよい。他方、後面側の断熱ボード130と構築面W1とを接着する両面接着層132は、設置時又は設置後において、断熱ボード130が構築面W1に対してビス150を軸として回動することを防止する回動防止手段としても機能する。
図7は、本実施形態の配線装置100及び配線ボックス110を構築面W1及び内壁W3の間に設置した配線構造10を示している。本実施形態では、構築面W1は、建築物を構成するコンクリート外壁の内壁面であり、且つ、内壁W3は、石膏ボード又はベニヤ板からなる仕上げ壁である。そして、壁表空間と外側環境との間に所望の断熱性能を担保すべく、構築面W1と内壁W3との間の壁裏空間には、所定厚の断熱層W2が一面に亘って設けられている。該断熱層W2の厚みは、構築面W1と内壁W3裏面との間の距離にほぼ等しい。この断熱層W2は、発泡ポリウレタン等の発泡樹脂からなる。なお、本発明は、この形態に限定されず、断熱層W2を断熱ボード130の周囲のみに形成してもよい。
図7に示すとおり、壁裏空間に配線装置100が設置されており、配線ボックス110及び断熱ボード130が構築面W1にビス150で固定されている。配線ボックス110の開口112の開口縁部112aが内壁W3裏面にほぼ当接するように配置されている。また、断熱ボード130は、配線ボックス110と構築面W1との間に位置している。より詳細には、該断熱ボード130の前面が両面接着層131を介して配線ボックス110の底壁111a外面に接触(粘着)し、且つ、その後面が両面接着層132を介して構築面W1に接触(粘着)している。そして、配線ボックス側壁111bと断熱ボード130側面がほぼ面一となっている。さらに、配線ボックス110の底壁111a外面から突出する4つの突出部116が断熱ボード130の内部に食い込んで、該断熱ボード130に係合している。
そして、ビス150のビス軸部152が配線ボックス110の固定孔113及び断熱ボード130を貫通して構築面W1内に螺着(螺合)している。このとき、閉塞片115は、(固定孔113を閉塞せずに)通過孔114を閉塞しており、ビス頭部151と構築面W1との間に位置する。該配線構造10では、ビス軸部152が構築面W1内に深く螺入して、ビス頭部151が固定孔113周縁(底壁111a内面)及び閉塞片115の先端部115bに圧接している。つまり、閉塞片115が閉塞方向にビス頭部151によって強く押圧されることにより、通過孔114が開放することを防止するとともに、ビス軸部152を固定孔113内に安定的に維持している。さらに、少なくとも1つの突出部116が断熱ボード130に係合しているため、ビス150を軸として配線ボックス110が断熱ボード130に対して回動することが規制されている。したがって、当該配線構造10では、配線ボックス110及び断熱ボード130が構築面W1にビス150で強固に固定されている。なお、本実施形態では、固定孔113が通過孔114の上方に配置されているが、上下逆さまに配置してもよい。
また、本実施形態では、構築面W1と内壁W3との間の壁裏空間で所定厚の断熱層W2が充填され、配線装置100の周囲を覆っている。すなわち、本配線構造10では、断熱層W2が配線ボックス110の側壁111b外面及び断熱ボード130の外周側面にほぼ密接し、有意な隙間が形成されていない。また、この断熱層W2の一部が配線ボックス110のケーブル挿通部122上方で切り欠かれており、配線ボックス110内部にケーブルCを配線するための通路が形成されている。該配線構造10では、電源(図示せず)に接続されたケーブルCが該通路を介して壁裏に延線されている。
そして、配線ボックス110の開口112の前方(壁表側)で内壁W1に壁孔Hが穿設されている。この壁孔Hを介して配線ボックス110の開口112とともに開口縁部112aに設けられた一対の器具取付孔121が壁表に臨んでいる。そして、コンセント、スイッチ等である配線器具Eが壁表側から一対の器具取付孔121にビス121aで固定されている。つまり、該配線器具Eは、配線ボックス110の一対の器具取付孔121を介して配線ボックス110の開口112を被覆するように固定されている。さらに、ケーブルCが配線ボックス110の側壁111bに穿設されたケーブル挿通孔122を貫通し、配線ボックス110内部に配線されている。そして、該ケーブルCの先端が、該配線ボックス110に器具取付孔121を介して取り付けられた配線器具Eに接続されている。すなわち、図7の配線構造10では、壁裏空間に配置された断熱層W2が壁表空間と外部空間とを効果的に断熱した状態で、配線装置100(配線ボックス110及び断熱ボード130)が壁裏に設置されている。
次に、図8及び図9を参照して、配線ボックス110及び/又は配線装置100を設置して配線構造10を構築する方法を説明する。
まず、構築面W1の面内における配線ボックス110を設置する位置を定め、該構築面W1に配線ボックス110の取付位置をけ書く。断熱ボード130を該け書き線に位置合わせしつつ、断熱ボード130後面で(剥離シートを除去して)露出した両面接着層132を構築面W1に貼り付ける。そして、両面接着層132で仮止めした状態で、ビス150を断熱ボード130前面の略中心に打ち込む。ビス150のビス軸部152先端を構築面W1の内部に螺進させて、断熱ボード130を構築面W1にビス150で固定する。このとき、図8(a)のように、ビス軸部152基端を断熱ボード130の前面から突出させるとともに、ビス頭部151を断熱ボード130前面から離隔させるように配置する。なお、ビス頭部151と被固定部との間の距離は、ビス頭部151を通過孔114に通過させて配線ボックス底壁111aをこれらの間に少なくとも配置可能であればよい。
次に、配線ボックス110を把持して、配線ボックス110の底壁111a外面を断熱ボード130前面に近づける。このとき、剥離シートが剥離されて断熱ボード130前面の両面接着層131が露出している。そして、配線ボックス110をビス150に押し付けるように、断熱ボード130から突出したビス頭部151を(通過孔114を閉塞する)閉塞片115に当接させる。これにより、ビス頭部151が通過孔114に進入するとともに、閉塞片115がその基端部115aを軸として配線ボックス底壁111a内面側に回動するように弾性変形する(図8(a)参照)。該ビス頭部151が通過孔114を完全に通過したら、配線ボックス110を下方にスライドさせることで、ビス軸部152が通過孔114から固定孔113に相対移動する。そして、ビス軸部152が固定孔113内に移動すると、閉塞片115とビス頭部151とが離隔する同時に、閉塞片115が弾性復帰して通過孔114を閉塞する。
次いで、ビス軸部152が固定孔113に挿通された状態で、配線ボックス110の底壁111a外面を断熱ボード130前面に押し付けて、4つの突出部116を断熱ボード130内部に食い込ませることにより、該突出部116を断熱ボード130に係合させる。この係合と同時に、両面接着層131が配線ボックス底壁111a外面と断熱ボード130前面とを接着する。
図8(b)に示すように、配線ボックス110がビス150で被固定部(断熱ボード130及び/又は構築面W1)に安定的に支持されて仮固定される。この図8(b)の支持状態(取付状態)では、閉塞片115が通過孔114を閉塞しているため、ビス軸部152の通過孔114内への相対移動が規制され、配線ボックス110がビス頭部151から脱落することが防止される。そして、配線ボックス110が被固定部に支持された状態で、ビス150を増し締めし、ビス頭部151が固定孔113周縁及び閉塞片先端部115bに圧接するまでビス軸部152を構築面W1内に螺進させる。このとき、配線ボックス110の突出部116が断熱ボード130に係合しているため、ビス150の螺進とともに配線ボックス110が断熱ボード130に対して回動することが規制される。同様に、両面接着層132によって、断熱ボード130が構築面W1に対して回動されることが規制される。すなわち、図8(b)の状態では、配線ボックス110が被固定部に安定的に支持されているとともに該配線ボックス110の回動が突出部116によって規制されているので、作業者は、配線ボックス110の脱落や位置(設置角度)のずれを気にすることなく、(片手で配線ボックス110を押さえないで)簡単且つ迅速に配線ボックス110(配線装置100)を構築面W1に本固定することが可能である。その結果、図8(c)に示すように、配線ボックス110が被固定部に取り付けられる。なお、図示しないが、配線ボックス110の一対のビス孔123に他のビスを打ち込んで配線ボックス110をより強固に構築面W1に固定してもよい。
次に、図9(a)に示すように、配線ボックス110の開口112をマスキングテープMでマスキングした上で、構築面W1に亘って、配線装置100全体を包囲(被覆)するように吹付け発泡断熱材W2’を吹き付ける。これにより、配線ボックス110及び断熱ボード130が吹付け発泡断熱材W2’内に隙間なく埋設される。そして、マスキングテープMを開口112から除去するとともに、吹付け発泡断熱材W2’の一部を除去して、所定厚の断熱層W2を形成する。さらに、ケーブル(配線・配管材)Cを壁裏空間に配線すべく、断熱層W2の一部を削って配線用通路を設ける。なお、吹付け発泡断熱材W2’を断熱ボード130周囲のみに吹き付けてもよい。また、吹付け発泡断熱材W2’を形成する前にケーブルCを配線し、該ケーブルCを保護管に収容した後に、該保護管の上から吹付け発泡断熱材W2’を吹き付けて、ケーブルCごと配線装置100を断熱層W2に埋設させてもよい。
次いで、図9(b)に示すように、この配線用通路に沿って、ケーブルCを配線し、その先端を配線ボックス側壁111bのケーブル挿通部122に挿通する。ケーブルCの配線後、内壁W3を立設する。図示しないが、内壁W3は壁裏の造営材(例えば、柱材や胴縁材)を介して構築される。このとき、配線ボックス110の開口縁部112a及び断熱層W2前面が内壁W3裏面に当接するように、内壁W3を立設することが好ましい。
続いて、壁表側から配線ボックス110の位置を探知し、配線ボックス110の開口112及び一対の器具取付孔121が壁表に臨むように、ホルソー等で(例えば、長円形状の)壁孔Hを穿設する。次に、ケーブルCの先端を壁表側に引き出して、コンセントやスイッチ等の配線器具Eに接続する。そして、配線器具Eを一対の器具取付孔121を介してビス121aで配線ボックス110に固定することによって、配線構造10を構築することができる。なお、ここで説明した配設体の設置方法は、一例にすぎず、当業者であれば、各工程の順序を入れ替え、状況に応じて不要な工程を変更又は省略し、あるいは、追加の工程を付加することも可能である。
以下、本発明に係る一実施形態の配線ボックス110の設置方法における作用効果について説明する。
本実施形態の配線ボックス110の設置方法によれば、断熱ボード130を構築面W1に固定するとともに配線ボックス110の突出部116を断熱ボード130に係合させたことで、該断熱ボード130に対して、1本のビス150で配線ボックス130を固定することができる。このとき、配線ボックス110の底壁111a外面を断熱ボード130前面に押し付けて、突出部116を断熱ボード130に食い込ませることにより、簡単且つ確実に突出部116を断熱ボード130に係合させることができる。そして、該突出部116が断熱ボード130と係合して、配線ボックス110がビス150を軸として断熱ボード130及び構築面W1に対して回動することが規制される。これにより、ビス150の増し締めと同時に配線ボックス110が(構築面W1に固定された)断熱ボード130に対して回動することを抑え、配線ボックス110の傾動に配慮して配線ボックス110を手で把持する必要なしに、ビス150の締結作業をより安定的に実施することができる。よって、本設置方法によれば、ビス1本操作するだけで、配線ボックス110及び断熱ボード130を構築面W1に容易に取り付けることができる。したがって、本配線ボックス110の設置方法は、断熱性能を担保しつつ、配線ボックス110設置の作業容易性を大幅に改善する。
また、本設置方法では、当該配線ボックス110及び断熱ボード130を構築面W1に設置した取付状態では、構築面W1全体を覆う断熱層W2が未だ形成されていない。そのため、該取付状態の構築面W1に対して断熱層W2を形成すべく、断熱ボード130とともに構築面W1に固定した配線ボックス110を被覆するように断熱材W2を吹き付けて、配線ボックス110及び断熱ボード130を吹付け発泡断熱材W2’内に埋設させることができる。すなわち、本設置方法は、特許文献1のように断熱層を切り欠いて配線ボックスを配置する設置方法と異なり、断熱ボード130周囲及び/又は配線ボックス側壁111bと、構築面W1全体に形成された断熱層W2との間に有意な隙間を生じることを抑えることができる。さらに、配線ボックス側壁111bと断熱ボード130側面とが段差なく並んでいるため、断熱層W2との間に隙間が生じる虞をさらに軽減することができる。
さらに、本実施形態の配線ボックス110の設置方法によれば、断熱ボード130及び構築面W1に突出状態で螺合したビス150のビス頭部151を、配線ボックス110の閉塞片115に当接させて通過孔114を弾性変形させて開放する。そして、該通過孔114からビス頭部151をボックス内部に通過させるとともにビス軸部152を固定孔113内に相対移動させて、弾性復帰した閉塞片115で通過孔114を閉塞することにより、配線ボックス110を断熱ボード130に対して簡単且つ迅速に取り付けることができる。また、ビス軸部152が固定孔113を貫通した状態で閉塞片115が通過孔114を閉塞するため、該閉塞片115がビス頭部151を係止して、該ビス頭部151が通過孔114を再度通過することが規制される。すなわち、閉塞片115で通過孔114を閉塞した状態では、配線ボックス110及び断熱ボード130がビス150に係止され、互いに離脱することが防止される。これにより、配線ボックス110を断熱ボード130及び構築面W1に対して安定的に支持することができる。さらに、この支持状態において、配線ボックス110の底壁111a外面から突出した突出部116が断熱ボード130に係合することにより、該配線ボックス110の回動が規制される。これにより、作業者は、配線ボックス110の脱落や位置(設置角度)のずれを気にすることなく、簡単且つ迅速に配線ボックス110(配線装置100)を構築面W1に本固定することが可能である。したがって、本実施形態の設置方法は、配線ボックス110の設置容易性及び作業効率を大幅に改善する。
(実施例2)
本発明の設置方法は、上記実施形態に限定されない。例えば、実施例2の設置方法では、実施例1と異なり、配線ボックスに通過孔及び閉塞片が設けられていない。図10に示すとおり、実施例2の配線ボックス210の固定部は、底壁211a略中央に穿設された固定孔213のみからなる。すなわち、実施例2の設置方法は、実施例1の設置方法を簡素化したものである。以下、図11を参照して、該配線ボックス210の設置方法を説明する。
まず、構築面W1の面内における配線ボックス210を設置する位置を定め、該構築面W1に配線ボックス210の取付位置をけ書く。断熱ボード230を該け書き線に位置合わせしつつ、断熱ボード230後面で(剥離シートを除去して)露出した両面接着層232を構築面W1に貼り付ける。次に、図11(a)に示すように、配線ボックス210を把持して、配線ボックス底壁211a外面を断熱ボード230前面の露出した両面接着層231に近づける。そして、配線ボックス210の底壁211a外面を断熱ボード230前面に押し付けて、4つの突出部216を断熱ボード230内部に食い込ませることにより、該突出部216を断熱ボード230に係合させる。この係合と同時に、両面接着層231が配線ボックス底壁211a裏面と断熱ボード230前面とを接着する。
続いて、図11(b)に示すとおり、配線ボックス210の固定孔213にビス250を挿入し、配線ボックス底壁211a及び断熱ボード230を貫通させて、構築面W1にビス軸部252先端を埋め込む。さらに、図11(c)に示すとおり、ビス250を増し締めし、ビス頭部251が固定孔213周縁に圧接するまでビス軸部252を構築面W1内に螺進させる。このとき、配線ボックス210の突出部216が断熱ボード230に係合しているため、ビス250の螺進とともに配線ボックス210が断熱ボード230に対して回動することが規制される。同様に、両面接着層232によって、断熱ボード230が構築面W1に対して回動されることが規制される。そのため、作業者は、配線ボックス210の脱落や位置(設置角度)のずれを気にすることなく、簡単且つ迅速に配線ボックス210を構築面W1に本固定することが可能である。
そして、図9で説明したように、構築面W1にビス250で固定された配線ボックス210及び断熱ボード230に対して、断熱材を吹き付け、断熱層W2及び内壁W3を構築することにより、配線ボックス210を壁裏に設置することができる。
なお、ここで説明した配設体の設置方法は、一例にすぎず、当業者であれば、各工程の順序を入れ替え、状況に応じて不要な工程を変更又は省略し、あるいは、追加の工程を付加することも可能である。例えば、断熱ボード230を構築面W1に固定する前に、配線ボックス210の突出部216を断熱ボード230に係合させてもよい。この場合、配線ボックス210及び断熱ボード230を組み合わせた状態で、断熱ボード230の両面接着層232を構築面W2に貼り付けてビス250で固定すればよい。
すなわち、本実施例2の設置方法は、実施例1と比べて構成を簡易化したものであるが、実施例1と同様に、配線ボックス210及び断熱ボード230を構築面W1に容易に取り付けることができる。また、断熱ボード230周囲及び/又は配線ボックス側壁211bと、断熱層W2との間に有意な隙間を生じることを抑えることが可能である。すなわち、本発明において、実施例1の配線ボックス110の閉塞片115を省略してもよい。よって、本実施例の配線ボックス210の設置方法は、実施例1と同様に、断熱性能を担保しつつ、配線ボックス設置の作業容易性を改善するものである。
(変形例)
本発明の配設体の設置方法は、上記実施形態に限定されずに、例えば、以下のように変形可能である。
1)設置用途に応じて、配設体の種類、形状、材質を任意に変更することができる。すなわち、配設体を配線ボックスを固定するための台座とし、該台座の底壁外面から突出部を突出させてもよい。
2)上記実施例では、配線ボックスに複数の突出部が設けられているが、この突出部は、少なくとも1つあればよく、同様に配線ボックスの断熱ボードに対する回動を抑えることができる。また、突出部は、配線ボックスの周壁のうちの底壁外面から突出しているが、配線ボックス側壁(壁部)外面から突出させて、配線ボックス側壁を断熱ボードに固定してもよい。
3)上記実施例では、突出部はピン状であるが、突出部を垂体、針状体、螺旋状突起などのような他の形状としてもよい。例えば、螺旋状突起は、断熱ボードの内部に螺合し、抜けにくいという効果を奏する。また、突出部は、配設体底壁と別体であってもよく、例えば、配設体底壁に取着されるビスや釘であってもよい。あるいは、配設体底壁及び断熱ボード前面に凹凸を設け、該凹凸の嵌合関係によって、両者を係合してもよい。さらに、突出部を断熱ボードの側面に当接させるように配設体底壁から延出させてもよい。この場合、突出部が断熱ボードの側面に係合して配設体の断熱ボードに対する回動を抑えることができる。すなわち、突出部は、断熱ボードに係合可能であればよく、当業者であれば任意の形状を選択することができる。そして、「係合」は、上記実施例の食い込みに限定されず、嵌合、螺合、当接等を含む幅広い概念を有する。
4)本発明は、少なくとも上記課題を解決できればよく、本発明の配設体から閉塞片、通過孔、ビス保持部等を省略してもよい。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
10 配線構造
100 配線装置
110 配線ボックス(配設体)
111 周壁(壁部)
111a 底壁(壁部)
111b 側壁(壁部)
112 開口
112a 開口縁部
113 固定孔(固定部の一部)
114 通過孔(固定部の一部)
115 閉塞片(固定部の一部)
115a 基端部(固定端)
115b 先端部(自由端)
116 突出部
117 嵌合孔
118 第1ビス保持部
121 器具取付孔
122 ケーブル挿通部
123 ビス孔
124 第2ビス保持部
130 断熱ボード
131 両面接着層
132 両面接着層
150 ビス
151 ビス頭部
152 ビス軸部
W1 構築面
W2 断熱層
W3 内壁
P 造営材(被固定部)
C ケーブル(配線・配管材)
E 配線器具
H 壁孔
t1 固定孔の横幅
t2 固定孔の縦幅
s1 通過孔の横幅
s2 通過孔の縦幅
d1 ビス頭部径
d2 ビス軸部径

Claims (4)

  1. 壁部を有する配設体を建築物の構築面に断熱材を介して設置する方法であって、
    前記構築面に断熱ボードを接着するとともに、前記配設体の壁部から外方に突出するように形成された少なくとも1つの突出部を前記断熱ボードに係合させる工程と、
    前記壁部に形成された固定孔を介してビスで前記壁部及び前記断熱ボードを貫通することによって、前記配設体及び前記断熱ボードを前記構築面に固定する工程と、を含み、
    前記断熱ボードの前面及び後面が、前記配設体の前記少なくとも1つの突出部が突出する方向から見た前記壁部の形状と同形状を有していることを特徴とする配設体の設置方法。
  2. 前記少なくとも1つの突出部を前記断熱ボードに係合させる工程は、前記配設体の前記壁部の外面を前記断熱ボードの前面に押し付けて、前記少なくとも1つの突出部を前記断熱ボードに食い込ませることを特徴とする請求項1に記載の配設体の設置方法。
  3. 前記固定孔は、前記ビスのビス軸部が通過可能であるとともにビス頭部が通過不能な大きさに形成され、前記固定孔に連通するとともに前記ビスのビス頭部が通過可能な大きさを有する通過孔が前記壁部に形成され、且つ、該通過孔を開閉可能な閉塞片が形成されており、
    前記構築面に断熱ボードを固定した後に、前記断熱ボードに前記ビス軸部を部分的に埋め込んで前記ビス頭部を前記断熱ボードの外面から突出させ、
    前記ビス頭部を前記壁部の外面から前記通過孔に通過させて、前記ビス軸部を前記固定孔内に配置し、前記閉塞片で前記通過孔を閉塞するとともに前記突出部を前記断熱ボードに係合させ、
    前記ビスを前記構築面内に螺進させることにより、前記ビス頭部を前記固定孔の周縁に圧接させて、前記配設体及び前記断熱ボードを前記構築面に固定することを特徴とする請求項1又は2に記載の配設体の設置方法。
  4. 壁部を有する配設体を建築物の構築面に断熱材を介して設置する方法であって、
    前記構築面に断熱ボードを接着するとともに、前記配設体の壁部から外方に突出するように形成された少なくとも1つの突出部を前記断熱ボードに係合させる工程と、
    前記壁部に形成された固定孔を介してビスで前記壁部及び前記断熱ボードを貫通することによって、前記配設体及び前記断熱ボードを前記構築面に固定する工程と、を含み、
    前記固定孔は、前記ビスのビス軸部が通過可能であるとともにビス頭部が通過不能な大きさに形成され、前記固定孔に連通するとともに前記ビスのビス頭部が通過可能な大きさを有する通過孔が前記壁部に形成され、且つ、該通過孔を開閉可能な閉塞片が形成されており、
    前記構築面に断熱ボードを固定した後に、前記断熱ボードに前記ビス軸部を部分的に埋め込んで前記ビス頭部を前記断熱ボードの外面から突出させ、
    前記ビス頭部を前記壁部の外面から前記通過孔に通過させて、前記ビス軸部を前記固定孔内に配置し、前記閉塞片で前記通過孔を閉塞するとともに前記突出部を前記断熱ボードに係合させ、
    前記ビスを前記構築面内に螺進させることにより、前記ビス頭部を前記固定孔の周縁に圧接させて、前記配設体及び前記断熱ボードを前記構築面に固定することを特徴とする配設体の設置方法。
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