JP6348266B2 - 光硬化樹脂組成物 - Google Patents
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また、LCD等の表示体に用いられるバックライトとして、発光ダイオード(LED)が利用されるようになってきている。
したがって、本発明の課題は、表示体からの青色光を効率よく除去することが可能な光硬化樹脂組成物を提供することである。
本発明の第三の態様は、前記光硬化樹脂組成物からなる光学部品用接着剤である。
本発明の第四の態様は、前記光硬化樹脂組成物からなる表示体と光学機能性材料との貼り合わせ剤である。
また「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及びアクリレートの少なくとも一方を意味する。
本発明の光硬化樹脂組成物は、ポリイソプレン、ポリブタジエン及びポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種を骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーと、400nm〜480nmに極大吸収波長を有する色材と、を含む。これにより表示体からの青色光を効率よく除去することができる。
光硬化樹脂組成物は、ポリイソプレン、ポリブタジエン及びポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種を骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの少なくとも1種を含む。(メタ)アクリレートオリゴマーは1種単独でも2種以上を組合わせて使用できる。
ポリイソプレンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、クラレ社製の「UC−1」(重量平均分子量25000)が挙げられる。
ポリブタジエンを骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、日本曹達社製の「TE2000」(重量平均分子量2000)が挙げられる。
ポリウレタンを骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、ライトケミカル社製の「UA−1」が挙げられる。
光硬化樹脂組成物は、400nm〜480nmに極大吸収波長を有する色材の少なくとも1種を含む。色材は400nm〜480nmに極大吸収波長を有する限り特に制限されず、顔料であっても染料であってもよい。色材は1種単独でも2種以上を組合わせて使用してもよい。
色材のモル吸光係数は特に制限されない。
光硬化樹脂組成物は、上記成分に加えて(メタ)アクリレートモノマー(以下、単に(メタ)アクリレートともいう)の少なくとも1種を更に含むことが好ましい。(メタ)アクリレートは特に制限されず、通常用いられる(メタ)アクリレートから適宜選択することができる。
中でも光硬化樹脂組成物は、水酸基含有(メタ)アクリレート及び脂環式(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、水酸基含有(メタ)アクリレートの少なくとも1種及び脂環式(メタ)アクリレートの少なくとも1種を含むことがより好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートは、1分子中に1以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートであれば特に制限されない。水酸基含有(メタ)アクリレートとして具体的には、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド付加ポリオール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの水酸基含有(メタ)アクリレートは、1種単独でも2種以上を組合わせて使用してもよい。
脂環式(メタ)アクリレートは、炭素数3〜20の単環又は多環(好ましくは2環〜4環)の脂環式基を有する(メタ)アクリレートである。脂環式基が多環の場合、縮合環であっても架橋環であってもよい。脂環式(メタ)アクリレートとして具体的には、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単環式(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等の2環式(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の3環式(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
これらの脂環式(メタ)アクリレートは、1種単独でも2種以上を組合わせて使用してもよい。
光硬化樹脂組成物は、水酸基含有(メタ)アクリレート及び脂環式(メタ)アクリレート以外のその他の(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。その他の(メタ)アクリレートとしては、直鎖又は分岐鎖のアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらのその他の(メタ)アクリレートは、1種単独でも2種以上を組合わせて使用してもよい。
光硬化樹脂組成物は、光開始剤の少なくとも1種を含んでいてもよい。光開始剤としては、一般的な光開始剤が使用できる。光開始剤としては例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−メチルチオ]フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン、2,4−ジエチルチオキサントン、2ークロロチオキサントン、エチルアントラキノン、ベンゾフェノンアンモニウム塩、チオキサントンアンモニウム塩、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1,4−ジベンゾイルベンゼン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)1,2’−ビイミダゾール、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイル ビフェニル、4−ベンゾイルジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、活性ターシャリアミン、カルバゾール・フェノン系光重合開始剤、アクリジン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、ベンゾイル系光重合開始剤等を例示できる。
これらの中でも、好ましい光開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが挙げられる。
光硬化樹脂組成物は、柔軟化成分の少なくとも1種を含んでいてもよい。柔軟化成分としては、上記(メタ)アクリレートオリゴマーと相溶可能なポリマー、オリゴマー、フタル酸エステル類、ヒマシ油類等が挙げられる。
柔軟化成分であるオリゴマー又はポリマーとして具体的には、ポリイソプレン系、ポリブタジエン系、キシレン系等のオリゴマー又はポリマーを例示できる。
これらの柔軟化成分は、クラレからLIRシリーズ、デグッサ社からポリオイルシリーズとして市販されている。これらの柔軟化成分は1種単独でも2種以上を組合わせて使用してもよい。
光硬化樹脂組成物は、チオール化合物の少なくとも1種を含んでいてもよい。チオール化合物として、例えば、メルカプトプロピオン酸トリデシル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート、3−メルカプトブチレート誘導体等を挙げることができる。これらのチオール化合物は、1種単独でも2種以上を組合わせて使用してもよい。
光硬化樹脂組成物は、上記以外のその他の成分を必要に応じて更に含んでいてもよい。その他の成分としては例えば、接着性付与剤、酸化防止剤、有機過酸化物、硬化促進剤等を挙げることができる。その他の成分は、それぞれ1種単独でも2種以上を組合わせて使用してもよい。
光硬化樹脂組成物が接着性付与剤を含む場合、接着性付与剤の含有量は、(A)(メタ)アクリレートオリゴマー100質量部に対して、例えば0.01〜10質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。
光硬化樹脂組成物が酸化防止剤を含む場合、酸化防止剤の含有量は、(A)(メタ)アクリレートオリゴマー100質量部に対して、例えば0.01〜10質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。
有機過酸化物の具体例としては、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、パーオキシジカーボネート系等が例示できる。
光硬化樹脂組成物が有機過酸化物を含む場合、有機過酸化物の含有量は、(A)(メタ)アクリレートオリゴマー100質量部に対して、例えば0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
混合方法は特に制限されず、通常用いられる混合方法から目的等に応じて適宜選択することができる。混合方法としては例えば、スリーワンモーター(新東社製)、プラネタリーミキサー(プライミクス社製)、ミキスタ(ミキスタ工業社製)等の混合装置を用いる方法を挙げることができる。
コーティング剤は、上記光硬化樹脂組成物からなる。コーティング剤の適用対象としては、眼鏡などのレンズやLCD、有機ELなどディスプレイ等を挙げることができる。
コーティング剤は例えば、適用対象の表面上に塗布法等により付与し、光照射により硬化することで、適用対象上にブルーライト吸収性の硬化被膜を形成することができる。
光照射条件は特に制限されず、光硬化樹脂組成物の構成等に応じて適宜選択することができる。光照射は例えば、波長300nm〜400nmの光を積算照射量が1000mJ/cm2〜10000mJ/cm2となるように照射することで行うことができる。
光学部品用接着剤は、上記光硬化樹脂組成物からなる。接着対象となる光学部品としては、眼鏡などのレンズ等を挙げることができる。
光学部品接着剤は例えば、光学部品と被着体と間に光学部品接着剤を配置し、光学部品及び/又は被着体側から光照射して硬化させることで、光学部品を被着体に接着することができる。
光照射条件は上記と同様である。
貼り合わせ剤は、上記光硬化樹脂組成物からなり、表示体と光学機能性材料との貼り合わせに用いられる。表示体としては例えば、ガラスに偏光板を貼り付けてある液晶表示装置(LCD)、ELディスプレイ、EL照明、電子ペーパー、プラズマディスプレイ等の表示素子を挙げることができる。また光学機能性材料としては、視認性向上や外部衝撃から表示素子の割れ防止を目的とするアクリル板(片面又は両面ハードコート処理やARコート処理されていてもよい)、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート(PET)板、ポリエチレンナフタレート(PEN)板等の光透過性プラスティック板、強化ガラス(飛散防止フィルムを有していてもよい)、タッチパネル入力センサー等を挙げることができる。
貼り合わせ剤は例えば、表示体と光学機能性材料と間に貼り合わせ剤を配置し、光学機能性材料側から光照射して硬化させることで、表示体と光学機能性材料とを接着することができる。
表1及び2に示した成分を表1及び2に示した量(質量部)で配合して実施例1〜7及び比較例1〜2の光硬化樹脂組成物を得た。なお、表中の空欄は未配合であることを示す。
(A)(メタ)アクリレートオリゴマー
TE2000:末端メタクリル基導入ポリブタジエンウレタン結合型オリゴマー(重量平均分子量2,000)、日本曹達社製
UC−1:ポリイソプレンメタクリレートオリゴマー(重量平均分子量25,000)、クラレ社製
(B)色材
KP Plast Yellow MH:染料、極大吸収波長420nm、紀和化学工業社製
KP Plast Yellow HK:染料、極大吸収波長450nm、紀和化学工業社製
KP Plast Yellow G:染料、極大吸収波長400nm、紀和化学工業社製
KP Plast Yellow 2G:染料、極大吸収波長420及び440nm、紀和化学工業社製
KP Plast Yellow 3G:染料、極大吸収波長400nm、紀和化学工業社製
(C)(メタ)アクリレート
FA512M:ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、日立化成社製
2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート、共栄社化学社製
HOB:2−ヒドロキシブチルメタクリレート、共栄社化学社製
(D)柔軟化成分
ポリオイル110:液状ポリブタジエン、デグッサ社製
L−LIR:液状ポリイソプレン、クラレ社製
(F)光開始剤
ルシリンTPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、BASFジャパン社製
IRGACURE184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASFジャパン社製
上記で得られた光硬化樹脂組成物を用いて、以下のようにして光透過率を測定した。結果を表3〜表5に示した。
1.0mm厚のガラス板2枚の間に50μm厚(表3及び4)又は150μm厚(表5)となるように光硬化樹脂組成物を硬化させて試験片を作製した。硬化は、光源としてメタルハライドランプ(コンベア式、アイグラフィックス社製)を用いて、積算照射量が3000mJ/cm2となるようにして行った。
得られた試験片について、380nm〜700nmにおける光透過率を日本分光社製の紫外可視分光器(型番V−570)を用いて測定した。
Claims (6)
- ポリイソプレン、ポリブタジエン及びポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種を骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーと、400nm〜480nmに極大吸収波長を有する色材と、柔軟化成分と、を含む光硬化樹脂組成物。
- 更に、(メタ)アクリレートモノマーを含む請求項1記載の光硬化樹脂組成物。
- 前記色材がフラーレン類を含まない請求項1又は2記載の光硬化樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の光硬化樹脂組成物からなるコーティング剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の光硬化樹脂組成物からなる光学部品用接着剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の光硬化樹脂組成物からなる表示体と光学機能性材料との貼り合わせ剤。
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