JP7231424B2 - 紫外線硬化性塗料組成物、その硬化方法、及び硬化塗膜 - Google Patents
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Description
前記知見に基づき得られた態様は以下のとおりである。
紫外線硬化性樹脂又はオリゴマー(a1)と、5官能以上のエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)とを含有する紫外線硬化性化合物(A)と、
着色顔料(B)と、
波長360nm以上410nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c1)と、波長340nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c2)とを含有する光重合開始剤(C)と、
を含有する紫外線硬化性塗料組成物であって、
前記着色顔料(B)が、組成物の不揮発分に対して0.01~1質量%の黒色顔料、0.1~10質量%の赤色顔料、0.1~3質量%の黄色顔料及び0.5~18質量%の白色顔料から選ばれる少なくとも1種以上を含む、紫外線硬化性塗料組成物である。
前記光重合開始剤(c1)が、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤であり、
前記光重合開始剤(c2)が、オキシフェニル酢酸エステル系光重合開始剤及びα-ヒドロキシケトン系光重合開始剤から選択される少なくとも1種である。
前記5官能以上のエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)が、1分子中のアルキレンオキサイドの付加モル数が5~50モルのアルキレンオキサイド基変性(メタ)アクリレートモノマーである。
前記光重合開始剤(C)が、組成物の不揮発分に対して3~5質量%である。
第1~第4の態様のいずれかに記載の紫外線硬化性塗料組成物が硬化されてなる、硬化塗膜である。
膜厚が30~120μmである。
基材上に、第1~第4の態様のいずれかに記載の紫外線硬化性塗料組成物を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程後に得られる塗布膜に対し、UV-LEDランプにより波長350~420nmの紫外線を照射する照射工程(i)と、
前記照射工程(i)後、前記塗布膜に対し、紫外線ランプにより紫外線を照射する照射工程(ii)と、
を行う、紫外線硬化性塗料組成物の硬化方法である。
前記照射工程(i)と前記照射工程(ii)の波長320~445nmにおける積算光量の合計が600mJ/cm2以上である。
本明細書における「~」は所定の値以上かつ所定の値以下のことを指す。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、「紫外線」は、特に断りが無い場合は、200~410nmの波長域の光を指すものとする。
また、「不揮発分」とは、沸点が100℃を超える成分のことを指すものとし、本明細書における「質量%」は、溶媒または希釈剤を併記したり不揮発分の質量%を併記していない限り、不揮発分をベースにした値である。
本実施形態に係る紫外線硬化性塗料組成物(すなわち紫外線硬化性エナメル塗料)は、主に以下のものが含有(配合)されてなる。
・紫外線硬化性樹脂又はオリゴマー(a1)と、5官能以上のエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)とを含有する紫外線硬化性化合物(A)
・着色顔料(B)
・波長360nm以上410nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c1)と、波長340nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c2)とを含有する光重合開始剤(C)
以下、本実施形態の紫外線硬化性塗料組成物を構成する各成分について述べる。なお、以降、各成分のことを単に符号で称することもある(例:紫外線硬化性化合物(A)→成分(A))。
成分(A)は、紫外線硬化性樹脂又はオリゴマー(a1)と、5官能以上のエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)とを含有する。
なお、本明細書において、オリゴマーとは、主鎖にモノマー数個~100個から成る繰り返し単位から成る構造を有する化合物を指す。また、樹脂とは、主鎖にモノマー100個超の繰返し単位からなる化合物を指す。
また、(a1)成分は、後述の成分(a2)を含まない。
このような好ましい成分(a2)としては、付加モル数が前記範囲内であるEO変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが挙げられる。
成分(a1)の含有量は、紫外線硬化性塗料組成物(不揮発分)100質量%に対して、4~60質量%が好ましく、20~40質量%がより好ましい。
成分(a2)の含有量は、紫外線硬化性塗料組成物(不揮発分)100質量%に対して、1~30質量%が好ましく、3~15質量%がより好ましい。
成分(B)は、着色顔料であり、硬化塗膜に意匠性と隠ぺい性を付与する。本実施形態においては、着色顔料の色に応じ、紫外線硬化性塗料組成物(不揮発分)100質量%に対する質量%の範囲を以下のように規定する。
・黒:0.01~1質量%、好ましくは0.1~1質量%、より好ましくは0.3~1質量%
・赤:0.1~10質量%、好ましくは1~10質量%、より好ましくは3~10質量%
・黄:0.1~3質量%、好ましくは0.3~3質量%、より好ましくは0.8~3質量%
・白:0.5~18質量%、好ましくは3~18質量%、より好ましくは5~18質量%
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、黒色酸化鉄等が挙げられる。
赤色顔料としては、赤色酸化鉄、赤色酸化鉛、ジケトピロロピロール、ペリノン、アントラキノン、ペリレン、インジゴイド、キナクリドン等が挙げられる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、亜鉛黄、クロムイエロー、イソインドリノン、イソインドリン、アゾメチン、アントラキノン、アントロン、キサンテン、ジスアゾ系顔料等が挙げられる。
白色顔料としては、二酸化チタン、亜鉛華等が挙げられる。
以降、着色顔料のことを単に顔料とも称する。
成分(C)は、波長360nm以上410nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c1)と、波長340nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c2)とを含有する。
このような好ましい光重合開始剤(c1)の市販品としては、「Omnirad TPO G」(IGM Resins製)、「HYCURE TPO」(ChemFine製)、「IRGACURE 819」(BASF製)等が挙げられる。
本実施形態に係る紫外線硬化性塗料組成物には、反応性希釈剤や他の塗膜形成成分として前記成分(a2)以外のエチレン性二重結合を有するモノマーを使用することが好ましい。このようなモノマーとしては、例えば、公知のエチレン性二重結合を1~4つ有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
具体的には、1,9-ノナンジオールジアクリレート(1,9-NDDA)、N-アクリロイルモルフォリン(ACMO)、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクレリレート等を挙げることができる。中でも、基材との付着性の観点から、1,9-ノナンジオールジアクリレート(1,9-NDDA)が好ましい。
本実施形態に係る紫外線硬化性塗料組成物には、必要に応じて、有機溶剤、重合禁止剤、非反応性希釈剤、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、体質顔料等を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。有機溶剤としては、従来公知のものを使用でき、具体的には、芳香族炭化水素類(例:キシレン、トルエン等)、ケトン類(例:メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(例:酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等)、アルコール類(イソプロピルアルコール、ブタノール等)、グリコールエーテル類(プロピレングリコールモノメチルエーテル等)等の各種有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本実施形態の硬化塗膜は、前記紫外線硬化性塗料組成物を用いた上で、主に以下の工程により作製される。
・基材上に、前記紫外線硬化性塗料組成物を塗布する塗布工程
・前記塗布膜に対し、UV-LEDランプにより波長350~420nmの紫外線を照射する照射工程(i)
・照射工程(i)に引き続き、前記塗布膜に対し、紫外線ランプにより紫外線を照射する照射工程(ii)
以降、照射工程(i)及び照射工程(ii)を続けて行うことを二段階照射とも称する。
また、前記UV-LEDランプにより紫外線を照射する際の波長320~445nmにおける積算光量は、後掲の紫外線ランプ(水銀ランプ:Hg-UV)の積算光量との兼ね合いもあるが、例えば、200mJ/cm2以上が好ましく、500mJ/cm2以上がより好ましい。また、前記積算光量の上限は、1,500mJ/cm2以下であることが好ましい。
また、前記紫外線ランプにより紫外線を照射する際の波長320~445nmにおける積算光量は、UV-LEDランプの積算光量との兼ね合いもあるが、例えば、400mJ/cm2以上が好ましく、1,100mJ/cm2以上がより好ましい。また、前記UV-LEDランプの積算光量の上限は、2,000mJ/cm2以下であることが好ましい。
積算光量が前記範囲内であると、硬化塗膜の硬度及び基材との付着性のバランスに優れる。
本発明の硬化塗膜は必要に応じて、塗装や印刷、スパッタや蒸着、粘着剤塗布等の後加工を施すことができる。
本実施形態によれば、UV-LEDランプによる紫外線の照射を行い、それに次いで紫外線ランプによる紫外線の照射を行うという手法を採用することにより、前記課題が解決される。すなわち、エナメル塗料の塗布膜内において硬化収縮の差を低減することが可能となる。更には、前記手法を採用することにより、従来のやり方では硬化不良が生じるおそれのある紫外線硬化性エナメル塗料(紫外線硬化性塗料組成物)も、エナメル塗膜を形成可能な塗料として新たに創出可能となり、使用可能となる。
実施例1では、塗料ベースに対して着色顔料を混合することにより、本発明に係る紫外線硬化性塗料組成物を調製した。
以下の表1に記載する原材料(各製品)を、同じく表1に記載の配合量に設定して塗料ベースを調製した。なお、表1中のUV-56には、紫外線硬化樹脂又はオリゴマーである成分(a1)と、成分(a2)以外のエチレン性二重結合を有するモノマーである成分(D)(1,9-NDDA)が共に含有されている。UV-56のうち成分(D)は25質量%を占める。
成分(a1),(D):UV-56、大竹明新(株)製、ウレタンアクリレート(25% 1,9-NDDA) Mw:1550
成分(a1):紫光 UV-7600B、日本合成化学工業(株)製、ウレタンアクリレート Mw:1400
成分(a2):MIRAMER M246、MIWON製、5~6官能モノマー[DPE(EO)24A](ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのEO24モル付加物)
成分(D):ニューフロンティア ND-DA、第一工業製薬(株)製、二官能アクリレートモノマー(1,9-NDDA)
成分(c1):Omnirad TPO G、IGM Resins製、アシルホスフィンオキサイド系光開始剤
成分(c2):HYCURE 184-2、ChemFine International製、アルキルフェノン系光開始剤
成分(c2):Omnirad 754、IGM Resins製、分子内水素引抜型光開始剤
その他成分:BYK-1791、ビックケミー・ジャパン(株)製、ポリマー系消泡剤
その他成分:BYK UV-3500、ビックケミー・ジャパン(株)製、高極性シリコ-ン系表面調整剤
その他成分:ミズカシルP-802Y、水澤化学工業(株)製、不定形シリカ
本実施形態で述べたように、目的とする硬化塗膜の色に応じて、用いる着色顔料を選択する。例えば、実施例1では黒色のエナメル塗装を実現すべく、顔料としてカーボンブラック(三菱カーボンブラック MA100、三菱ケミカル(株)製)を使用した。
表1の割合にて調製した塗料ベース(その1)に対し、反応性希釈剤として、成分(D)であるACMO(N-アクリロイルモルフォリン)を使用したうえで、前記カーボンブラックを顔料として後掲の表2に記載の配合にて混合し、実施例1の紫外線硬化性塗料組成物を得た。次に、測定紙(太佑機材(株)製、H-2030)に対し、6ミルのフィルムアプリケーターを用いてこの紫外線硬化性塗料組成物を塗布した。
この塗膜に対し、UV-LEDランプ(パナソニック(株)製、UD-90)を用いて、最大ピーク波長385nmの紫外線を、波長320~445nmにおける積算光量560mJ/cm2(光源との距離:150mm)にて照射し、塗膜内部を硬化させた。
続いて、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス(株)製、HAL500NL)を用いて、紫外線を、波長320~445nmにおける積算光量1,200mJ/cm2(光源との距離:245mm)にて照射し、塗膜表面を硬化させた。
紫外線照射後の硬化塗膜表面を目視にて観察した。更に、カッターナイフを用いて、硬化塗膜表面から基材側へ垂直に切り込みを入れ、塗膜内部の未硬化部の有無を観察し、以下の評価基準で硬化性の評価を行った。
○…塗膜表面に欠陥がなく、塗膜内部まで完全に硬化している。
△…塗膜表面に欠陥がないが、塗膜内部に未硬化部が見られる。
×…塗膜表面に未硬化部及び膨れやシワなどの欠陥が見られる。
硬化性については〇を合格とし、それ以外を不合格とした。
紫外線照射後の硬化塗膜に対し、以下の評価基準で耐傷性の評価を行った。
○…爪で擦った際、白化傷が生じない。
△…爪で擦った際、白化傷が生じる。
×…爪で擦った際、容易に大きな白化傷が生じる。
-…塗膜の硬化性が△又は×のため、耐傷性評価ができないものを指す。
耐傷性については〇を合格とし、それ以外を不合格とした。
隠ぺい率試験紙(TP技研(株)製)に上記と同様の方法で塗膜を作製し、JIS K 5600に基づき、塗膜の隠ぺい率を測定した。具体的には、測色計(JUKI産機テクノロジー(株)製)にて白地部分の塗膜の三刺激値のY値(YW)及び黒地部分の塗膜の三刺激値のY値(YB)を測定、以下の式を用いて塗膜の隠ぺい率(HP)を算出した。
HP[%]=YB/YW
なお、隠ぺい率は一部の試験例に対してのみ得た。
従来のやり方であるところの高圧水銀ランプでの照射を2回行った場合、硬化性は使用に堪えない状態であり、耐傷性に至っては評価できなかった。ところが、本発明の一態様である二段階照射を行ったところ、硬化性も耐傷性も合格であった。
実施例2では、実施例1における着色顔料濃度を0.38質量%に増加させ、硬化塗膜の膜厚が70μmであったことを除けば、実施例1と同様に試験を行った。試験結果を表2に示す。
その結果、実施例1と同様、従来のやり方であるところの高圧水銀ランプでの照射を2回行った場合、硬化性は使用に堪えない状態であり、耐傷性に至っては評価できなかったが、本発明の一態様である二段階照射を行ったところ、硬化性も耐傷性も合格であった。
実施例3では、実施例1における着色顔料濃度を0.57質量%に増加させ、4ミルのフィルムアプリケーターを用い、硬化塗膜の膜厚が48μmであったことを除けば、実施例1と同様に試験を行った。試験結果を表2に示す。
実施例4では、実施例1における着色顔料を黒色から赤色に変更した。実施例4では赤色のエナメル塗装を実現すべく、顔料として、キナクドリン(Cinquasia Red L 4100 HD、BASFジャパン(株)製)を使用した。実施例4では、表3に記載の配合で各成分を混合した。着色顔料濃度は3.81質量%とし、硬化塗膜の膜厚は76μmであった。試験結果を表3に示す。
実施例5では、実施例4における着色顔料濃度を4.72質量%に増加させ、4ミルのフィルムアプリケーターを用い、硬化塗膜の膜厚が60μmであったことを除けば、実施例1と同様に試験を行った。試験結果を表3に示す。
その結果、実施例4と同様、従来のやり方であるところの高圧水銀ランプでの照射を2回行った場合、硬化性は使用に堪えない状態であり、耐傷性に至っては評価できなかったが、本発明の一態様である二段階照射を行ったところ、硬化性も耐傷性も合格であった。
実施例6では、実施例1における着色顔料を黒色から白色に変更した。実施例6では白色のエナメル塗装を実現すべく、顔料として、二酸化チタンを使用し、反応性希釈剤としてジプロピレンジアクリレートを使用した。実施例6では、表4に記載の配合で各成分を混合した。着色顔料濃度は9.01質量%とし、4ミルのフィルムアプリケーターを用い、硬化塗膜の膜厚は52μmであった。試験結果を表4に示す。
実施例7では、実施例1における着色顔料を赤色と黒色とを混合したものに変更した。実施例7では赤黒混合色のエナメル塗装を実現すべく、顔料として、実施例1で使用したカーボンブラックと、実施例4で使用したキナクドリンとを共に使用した。実施例7における着色顔料濃度は、0.68質量%(内訳:カーボンブラックは0.31質量%、キナクドリンは0.37質量%)とし、4ミルのフィルムアプリケーターを用い、硬化塗膜の膜厚は50μmであった。試験結果を表5に示す。
なお、着色顔料を黄色とした場合についても試験を行った。試験結果を表6に示す。
実施例8~9では、表6に記載の配合で各成分を混合した。実施例8における着色顔料濃度は0.98質量%とし、硬化塗膜の膜厚は56μmであった。
実施例9における着色顔料濃度は1.46質量%とし、4ミルのフィルムアプリケーターを用い、硬化塗膜の膜厚は50μmであった。
実施例10における着色顔料濃度は2.88質量%とし、2ミルのフィルムアプリケーターを用いた。
実施例8~10では、従来のやり方であるところの高圧水銀ランプでの照射を2回行った場合も、本発明の一態様である二段階照射を行った場合も、硬化性も耐傷性も合格であった。二段階照射による効果は顕著ではないが、実施例8~10に示す紫外線硬化性塗料組成物が二段階照射により良好に硬化したことは確かである。
実施例11~13では、実施例1における着色顔料は黒色のままとしつつ、塗料ベースの成分を変更した(前掲の表1に記載)。具体的には、光重合開始剤である成分(C)を構成する、波長360nm以上410nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c1)と、波長340nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c2)とを増量した(実施例11~12)。実施例13での塗料ベースでは、成分(c2)のみを増量した。
実施例11においては、成分(c1)及び成分(c2)を増量した塗料ベース(その2)を使用した以外は実施例1と同様に試験を行った。硬化塗膜の膜厚は74μmであった。
実施例12においては、実施例11に対し、着色顔料濃度は0.57質量%に増量し、4ミルのフィルムアプリケーターを用いた以外は、実施例11と同様に試験を行った。硬化塗膜の膜厚は50μmであった。
実施例13においては、成分(c2)を増量した塗料ベース(その3)を使用し、着色顔料濃度は0.57質量%に増量し、4ミルのフィルムアプリケーターを用いた以外は、実施例1と同様に試験を行った。硬化塗膜の膜厚は50μmであった。
試験結果を表7に示す。表7には参考までに実施例1を再掲する。
比較例1~3では、実施例1における着色顔料は黒色のままとしつつ、塗料ベースの成分を変更した(前掲の表1に記載)。
比較例1においては、紫外線硬化性化合物(A)を構成する、5官能以上のエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)を用いない塗料ベース(その4)を使用した。硬化塗膜の膜厚は72μmであった。
比較例2においては、光重合開始剤である成分(C)を構成する、波長360nm以上410nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c1)を用いない塗料ベース(その5)を使用した。
比較例3においては、光重合開始剤である成分(C)を構成する、波長340nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c2)を用いない塗料ベース(その6)を使用した。
試験結果を表8に示す。表8には参考までに実施例1を再掲する。
Claims (12)
- 紫外線硬化性樹脂又はオリゴマー(a1)と、5官能以上のエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)とを含有する紫外線硬化性化合物(A)と、
着色顔料(B)と、
波長360nm以上410nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c1)と、波長340nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c2)とを含有する光重合開始剤(C)と、
を含有する紫外線硬化性塗料組成物であって、
前記着色顔料(B)が、組成物の不揮発分に対して0.01~1質量%の黒色顔料、0.1~10質量%の赤色顔料、0.1~3質量%の黄色顔料及び0.5~18質量%の白色顔料から選ばれる少なくとも1種以上を含む紫外線硬化性塗料組成物を基材上に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程後に得られる塗布膜に対し、UV-LEDランプにより波長350~420nmの紫外線を照射する照射工程(i)と、
前記照射工程(i)後、前記塗布膜に対し、少なくとも波長280~350nmの紫外線を照射する照射工程(ii)と、
を行う、紫外線硬化性塗料組成物の硬化方法。 - 前記照射工程(i)と前記照射工程(ii)の波長320~445nmにおける積算光量の合計が600mJ/cm2以上である、請求項1に記載の紫外線硬化性塗料組成物の硬化方法。
- 前記光重合開始剤(c1)が、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤であり、
前記光重合開始剤(c2)が、オキシフェニル酢酸エステル系光重合開始剤及びα-ヒドロキシケトン系光重合開始剤から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性塗料組成物の硬化方法。 - 前記5官能以上のエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)が、1分子中のアルキレンオキサイドの付加モル数が5~50モルのアルキレンオキサイド基変性(メタ)アクリレートモノマーである、請求項1~3のいずれかに記載の紫外線硬化性塗料組成物の硬化方法。
- 前記光重合開始剤(C)が、前記組成物の不揮発分に対して3~5質量%である、請求項1~4のいずれかに記載の紫外線硬化性塗料組成物の硬化方法。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の紫外線硬化性塗料組成物の硬化方法により硬化塗膜を得る、硬化塗膜の製造方法。
- 膜厚を30~120μmとする、請求項6に記載の硬化塗膜の製造方法。
- 紫外線硬化性塗料組成物を基材上に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程後に得られる塗布膜に対し、UV-LEDランプにより波長350~420nmの紫外線を照射する照射工程(i)と、
前記照射工程(i)後、前記塗布膜に対し、少なくとも波長280~350nmの紫外線を照射する照射工程(ii)と、
を行う、紫外線硬化性塗料組成物の硬化方法に使用される前記紫外線硬化性塗料組成物であって、
紫外線硬化性樹脂又はオリゴマー(a1)と、5官能以上のエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)とを含有する紫外線硬化性化合物(A)と、
着色顔料(B)と、
波長360nm以上410nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c1)と、波長340nm以下の領域に極大吸収波長を有する光重合開始剤(c2)とを含有する光重合開始剤(C)と、
を含有する紫外線硬化性塗料組成物であって、
前記着色顔料(B)が、組成物の不揮発分に対して0.01~1質量%の黒色顔料、0.1~10質量%の赤色顔料、0.1~3質量%の黄色顔料及び0.5~18質量%の白色顔料から選ばれる少なくとも1種以上を含み、
前記5官能以上のエチレン性不飽和基含有モノマー(a2)が、1分子中のアルキレンオキサイドの付加モル数が5~50モルのアルキレンオキサイド基変性(メタ)アクリレートモノマーである、紫外線硬化性塗料組成物。 - 前記光重合開始剤(c1)が、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤であり、
前記光重合開始剤(c2)が、オキシフェニル酢酸エステル系光重合開始剤及びα-ヒドロキシケトン系光重合開始剤から選択される少なくとも1種である、請求項8に記載の紫外線硬化性塗料組成物。 - 前記光重合開始剤(C)が、前記組成物の不揮発分に対して3~5質量%である、請求項8又は9に記載の紫外線硬化性塗料組成物。
- 請求項8~10のいずれか1項に記載の紫外線硬化性塗料組成物が硬化されてなる、硬化塗膜。
- 膜厚が30~120μmである、請求項11に記載の硬化塗膜。
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JP2019014724A JP7231424B2 (ja) | 2019-01-30 | 2019-01-30 | 紫外線硬化性塗料組成物、その硬化方法、及び硬化塗膜 |
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