以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読取部10、制御部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、およびプレイヤ操作受付部15を含む。
ゲームプログラム読取部10は、ゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵するゲームカートリッジ20を着脱可能に受け付ける。ゲームプログラム読取部10は、挿入されたゲームカートリッジ20の記憶媒体から必要なゲームプログラムを読み出す。なお、本実施形態では、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体には、RPGに分類されるビデオゲームプログラムが記憶されているものとする。ただし、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体に記憶されるビデオゲームプログラムが属するジャンルはRPGに限定されず、ビデオゲームの進行に応じて仮想空間におけるプレイヤキャラクタに関する各種情報が変更されるものであれば、種々のジャンルのものに適用できる。
図2は、本実施形態において、ビデオゲーム処理装置100によって進行が制御されるビデオゲームについて説明するための説明図である。本実施の形態においては、ビデオゲームのプレイヤ(すなわち、ビデオゲーム処理装置100のユーザ)は、コントローラを介してプレイヤキャラクタを操作することにより、複数のエリアE1〜E8それぞれに設定されたクリア条件を満たしていく(すなわち、各エリアを攻略していく)ことでビデオゲームを進行させる。そして、図2に示すように複数のエリアが関連付けされている場合、プレイヤは、エリアE1を攻略しなければエリアE2の攻略に挑戦できない。また、プレイヤは、エリアE2を攻略し、複数のエリアの分岐点HC(以下適宜「ヒストリアクロス」という。)に進むと、ヒストリアクロスに接続された複数のエリアE3,4,5の攻略に挑戦できるようになる。
そして、本実施形態においてビデオゲーム処理装置100が進行を制御するビデオゲームにおいては、プレイヤは、ヒストリアクロスに戻ることで、一度訪れたエリアに自由に再訪することができる。以下、ビデオゲーム処理装置100が進行を制御するビデオゲームとして、プレイヤがいずれかのエリアで取得可能な特定のアイテムを取得し、取得したアイテムをヒストリアクロスに設けられた他のエリアへの移動ポイント(以下「ゲート」という。)に装着することでゲートが開き、他のエリアへのルートが開通し、他のエリアへの移動が可能となるビデオゲームを例にして説明を行う。以下、ビデオゲーム処理装置100の説明と併せて、適宜、本実施形態におけるビデオゲームの内容についても説明する。
制御部11は、プログラム読取部10により読み取られ記憶部12に格納されたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
特に、制御部11は、ビデオゲーム処理装置100に、ビデオゲームの進行を制御する制御処理と、プレイヤキャラクタが行動可能な複数のエリアそれぞれの初期状態を示す初期エリア情報を記憶する初期エリア情報記憶部12bに記憶された初期エリア情報が示すエリアと同じエリアでのビデオゲームの進行状況を示す最新エリア情報を記憶する最新エリア情報管理テーブル12cに記憶された最新エリア情報が示すエリアにおけるビデオゲームの進行に応じて、エリアに対応する最新エリア情報を更新する最新エリア情報更新処理と、プレイヤの操作に応じて、初期エリア情報を用いるか、または最新エリア情報を用いるかを判定する使用情報判定処理と、使用情報判定処理にて最新エリア情報を用いると判定された場合に、最新エリア情報を用いた制御部11による制御内容に応じて、ビデオゲームの進行に応じて変化するプレイヤキャラクタ関連情報を記憶するプレイヤキャラクタ関連情報記憶部12aに記憶されたプレイヤキャラクタ関連情報を更新するプレイヤキャラクタ関連情報更新処理とに必要な制御を行う。なお、本発明に関わる主な処理については、後で詳しく説明する。
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
本例においては、記憶部12は、プレイヤキャラクタ関連情報記憶部12aと、初期エリア情報記憶部12bと、最新エリア情報管理テーブル12cと、巻き戻しエリア情報管理テーブル12dとを含む。
プレイヤキャラクタ関連情報記憶部12aは、ビデオゲームの進行に応じて変化するプレイヤキャラクタ情報を記憶する記憶媒体である。プレイヤキャラクタ情報は、プレイヤがプレイヤキャラクタを操作してビデオゲームにおける各種イベント(本実施形態においては、複数のエリアE1〜E8。)を攻略する際の困難性に影響を与え情報であればよい。
図3は、プレイヤキャラクタ関連情報記憶部12aに記憶されたプレイヤキャラクタ関連情報(あるいは、パーティセーブデータ)の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、プレイヤキャラクタ関連情報は、プレイヤが操作可能のプレイヤキャラクタ群(以下「パーティ」という。)に関する情報であるパーティ情報と、ビデオゲームの進行(すなわち、複数のエリアE1〜E8の攻略)に関する情報であるエリア攻略情報とを含む。
ここで、パーティ情報は、パーティを構成するプレイヤキャラクタ毎のキャラクタ名、レベル及び生命値(HP)を含む。なお、パーティ情報がプレイヤキャラクタ単体の情報を示していてもよい。
また、エリア攻略情報は、プレイヤが選択可能なエリア(すなわち、ビデオゲームにおいて、ヒストリアクロスにおけるゲートが開き、ルートが開通したエリア。プレイヤにとっては、パーティを操作して攻略に挑戦可能なエリア。)と、攻略関連情報と、巻き戻し可能フラグとを含む。
ここで、「攻略関連情報」とは、各エリア毎の攻略の進み具合や攻略結果などを示す情報である。本実施形態においては、図3に示すように、攻略関連情報としては、取得アイテム(例えば、攻略結果としてパーティが取得したアイテムなど。本例においては、ゲートに装着する特定のアイテムを含む。)や、攻略時間(例えば、エリアを攻略するためにプレイヤが要した実時間など。)や、セーブ場所(例えば、エリア攻略の途中にプレイヤがデータをセーブした場所。)を示す。
また、「巻き戻しフラグ」とは、プレイヤが、一度攻略したエリアについて、再度挑戦(あるいは、プレイ)することが許容されるか否かを示すフラグであり、許容されるときは「1」が、許容されないときは「0」が設定される。エリアに再度挑戦するための条件(以下「再度挑戦条件」という。)は、後述する最新エリア情報に含まれ「攻略割合」に対応したものがあらかじめ設定されているものとする。すなわち、例えば本実施形態においては、「エリア1」の「攻略割合」が「100%」のときに、対応する巻き戻しフラグが「1」になる、また、「エリア2」の「攻略割合」が「90%以上」のときに、対応する巻き戻しフラグが「1」になる(図3,5参照)。以下、本実施形態においては、「エリアを攻略する」とは、巻き戻しフラグを「1」にすることを意味するものとする。ただし、プレイヤキャラクタ関連情報の構成はこれに限定されず、例えば、一度開いたゲートはいつでも通過することができる構成としてもよい。そして、ルートが開通しているエリアの巻き戻しフラグが、エリアの攻略割合に関わらず常に「1」である構成としてもよい。
初期エリア情報記憶部12bは、プレイヤキャラクタが行動可能な複数のエリアそれぞれの初期状態を示す初期エリア情報を記憶する記憶媒体である。初期エリア情報は、各エリアの初期状態(すなわち、ビデオゲームの進行に応じて変化する前の状態)を示す。なお、初期エリアによるビデオゲームを実行するための情報(例えば、画像情報やノンプレイヤキャラクタ情報など。)は、初期エリア情報記憶部12bに格納される構成としてもよいし、制御部11が必要に応じてゲームプログラム読取部10を介して取得する構成としてもよい。
図4は、初期エリア情報記憶部12bに記憶された初期エリア情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、初期エリア情報は、エリアを一意に特定可能なエリア番号と、エリア名と、エリアの攻略に使用された時間と、進行状況とを含む。
ここで、「進行状況」とは、エリアにおけるビデオゲームの進行状況を示すものであり、本実施形態においては、エリア毎に設定されたイベントを示すイベント名と、各イベントが攻略されたか否かを示す攻略フラグと、イベントの攻略数に応じて算出される攻略割合とを含む。なお、「イベント」の例としては、「アイテムの取得」や「特定の敵キャラクタと対戦し、勝利すること」など、種々の内容が考えられる。
最新エリア情報管理テーブル12cは、初期エリア情報が示すエリアと同じエリアでのビデオゲームの進行状況を示す最新エリア情報を記憶する記憶媒体である。すなわち、プレイヤの操作に応じてあるエリアの状況が変更した場合(例えば、あるエリアにおけるイベントの1つが攻略された場合)、制御部11は、原則、最新エリア情報管理テーブル12cに格納された最新エリア情報を更新する。
図5は、最新エリア情報管理テーブル12cに記憶された最新エリア情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、最新エリア情報は、初期エリア情報に含まれる項目を含む(図4参照。)ただし、最新エリア情報管理テーブル12cは、初期エリア情報記憶部12aに記憶された初期エリア情報とは異なり、ビデオゲームの進行に応じて適宜更新される。
巻き戻しエリア情報管理テーブル12dは、後述するゲーム処理(図6参照)において初期エリア情報を用いると判定された場合に、初期エリア情の複製(コピー。一部のコピーを含む。以下適宜「巻き戻しエリア情報」という。)の保存先となる記憶媒体である。すなわち、本実施形態においては、制御部11は、初期エリア情報記憶部12bに記憶された初期エリア情報自体は更新せず、必要に応じて初期エリア情報の複製を複製し、複製した情報を更新することにより、エリアの再攻略または再挑戦をプレイヤに体験させる(すなわち、エリアにおける時間軸を「巻き戻した」状態でのゲームを実行させる。言い換えれば、エリアの再プレイを実行させる。)。
初期エリア情報記憶部12bと巻き戻しエリア情報管理テーブル12dとを備える構成とすることにより、初期エリア情報記憶部12dには常に更新されていない初期エリア情報が記憶され、巻き戻しエリア情報管理テーブル12dにて巻き戻しエリア情報が更新されることになる。よって、プレイヤがエリアの再プレイを行う場合、巻き戻しエリア情報管理テーブル12dのみが更新される。よって、例えば、1つのエリアについて複数の攻略方法を試みることをプレイヤが望む場合、同一の初期エリア情報を複数巻き戻しエリア情報管理テーブル12dに登録するだけで対応することができる。なお、再プレイを終了したときには巻き戻しエリア情報を常にリセットする構成とする場合は、記憶部12には、初期エリア情報記憶部12bと巻き戻しエリア情報管理テーブル12dのどちらか一方のみが含まれる構成としてもよい。なお、この場合、更新された初期エリア情報をリセットするための情報を更新不能な状態で記憶する記憶媒体が必要になる。
表示部13は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。
プレイヤ操作受付部15は、複数のボタンやマウスなどによって構成されるコントローラからのプレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
図6は、ビデオゲーム処理装置100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。ゲーム処理では、プレイヤの操作に応じて、最新エリア情報を用いたビデオゲームの進行と、初期エリア情報を用いたビデオゲームの進行とを実行するための処理が行われる。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
ゲーム処理は、例えば、ビデオゲーム処理装置100が起動したときに開始される。
ゲーム処理が開始されると、制御部11は、ゲームプログラム読取部10によって読み取られたビデオゲームプログラムに従って、表示部13の表示画面に、エリア選択画面を表示する(ステップS101)。
図7は、エリア選択画面の例を示す説明図である。図7に示すように、エリア選択画面には、図1に示した複数のエリアE1〜E8とヒストリアクロスHCとの関係を示す画像(以下「エリア選択画像」という。)を表示するエリア選択画像表示領域101と、エリア選択領域においてプレイヤの操作に応じて仮選択されたものと判定されたエリアE2を中心とする所定範囲の領域(以下「拡大表示領域」という。)102と、拡大表示領域102内の画像が拡大表示される拡大画像表示領域103とが設けられる。なお、エリアの仮選択がされていない場合、拡大画像表示領域103には、エリア選択画像全体が表示画面に収まる程度に拡大された画像が表示されるものとする。
ここで、制御部11は、プレイヤキャラクタ関連情報を参照して、選択可能エリアとして登録されたエリアを識別可能に表示する。なお、制御部11が、選択可能エリアのみを表示する構成としてもよい。また、制御部11が、攻略済みのエリアを選択不能に表示する構成としてもよい。
エリア選択画面を表示すると、制御部11は、所定の「ゲート閉鎖操作」を受け付けたか否かを判定する(ステップS102)。ここで、「ゲート閉鎖操作」とは、プレイヤが「初期クエスト処理」を望む場合に行われるものとして設定された操作であり、例えば、プレイヤ操作受付部15を構成するボタンのうち所定のボタンを長押しする操作などが割り当てられる。
「ゲート閉鎖操作」を受け付けていないと判定すると(ステップS102のN)、制御部11は、エリアの仮選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。ここで、エリアの仮選択を受け付けていないと判定すると(ステップS103のN)、制御部11は、ステップS101の処理に移行する。なお、エリアの仮選択を受け付けた状態(例えば、図7に示すようにエリアE2の仮選択を受け付けた状態)で、所定の選択解除操作を受け付けた場合、制御部11は、エリアの仮選択状態を解除して、ステップS101の処理に移行する。
一方、エリアの仮選択を受け付けたと判定すると(ステップS103のY)、ステップS103は、表示部13の表示画面にブリーフィング画面を表示する(ステップS104)。ここで、「ブリーフィング画面」とは、仮選択されたエリアに関する各種情報をプレイヤに提供することを目的した画面である。以下、エリアE2の仮選択を受け付けた場合を例にして説明を行う。
図8は、ブリーフィング画面の例を示す説明図である。図8に示すように、ブリーフィング画面には、仮選択状態にあるエリアE2に対応する画像が表示されるエリア画像表示領域201と、仮選択状態にあるエリアE2に関する説明テキストを表示するテキスト表示領域202とが設けられる。
ここで、ブリーフィング画面の表示は、プレイヤに対する確認フェーズを兼ねている。また、エリア画像表示領域201には、エリアにおけるフラグメント確保数(例えば、攻略済みイベント数など。)やゲート解放数(例えば、攻略済みエリア数など。)に応じた攻略ムービーを表示する構成としてもよい。また、ブリーフィング画像の表示は、背景データなどの裏読みを促進させるためのステップを兼ねている。
ブリーフィング画面を表示すると、制御部11は、エリアの本選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS105)。ここで、例えば所定時間の経過によりエリアE2の本選択を受け付けていないと判定すると(ステップS105のN)、制御部11は、ブリーフィング画面を消去して、ステップS101の処理に移行する。
一方、例えばブリーフィング画面におけるエリア画像表示領域201に対する選択操作を受け付けたことにより、エリアE2の本選択を受け付けたものと判定すると(ステップS105のY)、制御部11は、最新エリア情報管理テーブル12cを参照して、エリアE2に対応する最新エリア情報に基づくクエスト処理(エリアにおけるイベントを実行する処理。以下、最新エリア情報を用いたクエスト処理を「最新クエスト処理」という。)を実行する(ステップS200)。
本実施形態において、制御部11は、最新クエスト処理として、最新エリア情報を用いてビデオゲームの進行を制御するための処理を実行する。
図9は、ビデオゲーム処理装置100が実行する最新クエスト処理の例を示すフローチャートである。最新クエスト処理において、制御部11は、先ず、ゲーム処理にて選択を受け付けたエリアに対応する最新エリア情報に基づくクエスト処理を開始する(ステップS201)。なお、本実施形態においては、制御部11は、最新エリア情報が示すエリアにおいて、プレイヤキャラクタ関連情報に基づいてプレイヤキャラクタを動作させる。
クエスト処理を開始すると、制御部11は、ビデオゲームの進行に応じてプレイヤキャラクタ関連情報を更新する(ステップS202)。具体的には、例えば、制御部11は、プレイヤが敵キャラクタを倒した場合、倒した敵キャラクタに応じた経験値をプレイヤキャラクタ(または、パーティ)に付与し、付与した経験値が所定値に達した場合に、プレイヤキャラクタのレベルを向上させる。
ビデオゲームの進行に応じてプレイヤキャラクタ関連情報を更新すると、制御部11は、ビデオゲームの進行に応じて最新エリア情報を更新する(ステップS203)。具体的には、例えば、プレイヤがエリアにおけるイベントを攻略すると、制御部11は、最新エリア情報において攻略されたイベントに対応する攻略フラグに「1」を設定し、攻略割合を更新する。なお、本例においては、制御部11は、最新クエスト処理の実行中にプレイヤ操作受付部15を介して、プレイヤにより入力された他のエリアへの移動操作を受け付けると、制御部11は、移動操作に応じたエリアについて、最新クエスト処理を開始する。
最新エリア情報を更新すると、制御部11は、更新した最新エリア情報に基づいて、エリアが攻略されたか否かを判定する(ステップS204)。ここで、更新後の最新エリア情報が所定のエリア攻略条件を満たしていないことにより、エリアが攻略されていないと判定すると(ステップS204のN)、制御部11は、後述するステップS206に移行する。
一方、更新後の最新エリア情報が所定のエリア攻略条件を満たしたことにより、エリアが攻略されたと判定すると(ステップS204のY)、制御部11は、攻略されたと判定したエリアを巻き戻し可能エリアとして設定する(ステップS205)。具体的には、制御部11は、プレイヤキャラクタ関連情報において、更新された最新エリア情報が示すエリアに対応する巻き戻しフラグに「1」を設定する。
そして、制御部11は、エリアに応じたクエスト終了条件に従い、クエスト処理を終了するか否かを判定する(ステップS206)。ここで、クエスト処理を終了しないと判定すると(ステップS206のN)、制御部11は、最新エリア情報(及びプレイヤキャラクタ関連情報)に基づくクエスト処理を継続して、ステップS202の処理に移行する。
一方、例えば最新エリア情報における攻略割合が「100%」になったこと等に応じて、クエスト処理を終了すると判定すると(ステップS206のY)、制御部11は、最新クエスト処理を終了し(ステップS207)、ゲーム処理におけるステップS106に移行する(図6参照。)。なお、クエスト処理を終了する際、制御部11は、予め攻略割合に対応付けされたクエスト終了演出を実行する。
最新クエスト処理を終えると、制御部11は、所定のゲーム終了条件に従い、ゲームを終了するか否かを判定する(ステップS106)。ここで、ゲームを終了しないと判定すると(ステップS106のN)、制御部11は、ステップS101の処理に移行する。
一方、ゲームを終了すると判定すると(ステップS106のY)、制御部11は、ここでの処理を終了する。
一方、ゲーム処理におけるステップS102の処理において、「ゲート閉鎖操作」を受け付けたと判定すると(ステップS102のN)、制御部11は、巻き戻しエリア選択処理を実行する(ステップ8S300)。
本実施形態において、制御部11は、巻き戻しエリア選択処理として、プレイヤによる巻き戻しエリアの選択を受け付けるための処理を実行する。
図10は、ビデオゲーム処理装置100が実行する巻き戻しエリア選択処理の例を示すフローチャートである。巻き戻しエリア選択処理において、制御部11は、先ず、プレイヤキャラクタ関連情報を参照し、巻き戻しエリアとして表示するエリアを決定する(ステップS301)。本実施形態においては、制御部11は、プレイヤキャラクタ関連情報において、巻き戻しフラグとして「1」が設定されたエリアを、巻き戻しエリアとして表示するエリアに決定する(すなわち、巻き戻しエリアを決定する。)。
巻き戻しエリアを決定すると、制御部11は、表示部13の表示画面に、巻き戻しエリアを選択可能に表示する巻き戻しエリア選択画面を表示する(ステップS302)。
図11は、巻き戻しエリア選択画面の例を示す説明図である。巻き戻しエリアが複数ある場合、図11に示すように、巻き戻しエリア選択画面には、複数の巻き戻しエリアそれぞれに対応する画像が表示される巻き戻しエリア画像表示領域301,302,303が設けられる。
巻き戻しエリア選択画面を表示すると、制御部11は、巻き戻しエリアの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS303)。ここで、例えばエリア選択画面の表示要求を受け付けたことにより巻き戻しエリアの選択を受け付けていないと判定すると(ステップS303のN)、制御部11は、巻き戻しエリア選択画面を消去して、ゲーム処理におけるステップS101の処理に移行する(図6参照。)。
一方、画面中央の巻き戻しエリア画像表示領域301にエリアE2に対応する画像が表示された状態で、プレイヤによる所定の操作を受け付けたことに応じて、巻き戻しエリアとして表示されたエリアE2の選択を受け付けたものと判定すると(ステップS303のY)、制御部11は、ゲーム処理におけるステップS107の処理に移行する(図6参照。)。
巻き戻しエリア選択処理において、巻き戻しエリアの選択を受け付けると、制御部11は、選択された巻き戻しエリアを示す初期エリア情報を巻き戻しエリア情報管理テーブルに保存する(ステップS107)。本例においては、制御部11は、エリアE2の初期エリア情報を、巻き戻し情報管理テーブル12dに保存する。
巻き戻しエリア情報管理テーブル12dに初期エリア情報を保存すると、制御部11は、巻き戻しエリア情報管理テーブル12dに保存された初期エリア情報(以下適宜「巻き戻しエリア情報」という。)に基づくクエスト処理(以下、保存された初期エリア情報を用いたクエスト処理を「初期クエスト処理」または「巻き戻しクエスト処理」という。)を実行する(ステップS400)。
本実施形態において、制御部11は、初期クエスト処理として、初期エリア情報を用いてビデオゲームの進行を制御するための処理を実行する。
図12は、ビデオゲーム処理装置100が実行する初期クエスト処理の例を示すフローチャートである。初期クエスト処理において、制御部11は、先ず、ゲーム処理にて巻き戻しエリア情報管理テーブル12dに保存された初期エリア情報に基づくクエスト処理を開始する(ステップS401)。なお、本実施形態においては、制御部11は、初期エリア情報が示すエリアにおいて、プレイヤキャラクタ関連情報に基づいてプレイヤキャラクタを動作させる。すなわち、ビデオゲームにおいて時間を巻き戻しても、プレイヤキャラクタが所持するアイテムなどは減らず、レベルや最大HP等のパラメータを維持される。このような構成とすることにより、エリアに関して、以前とは異なる印象やプレイ感覚をプレイヤに提供することができるようになる。また、例えばプレイヤが最初にエリアを攻略したときよりも高いレベルでエリア攻略に挑むことにより、別の分岐シナリオを見ることができるような構成としてもよい。
なお、初期エリア情報に基づくクエスト処理において、制御部11が、最新エリア情報を用いてビデオゲームの進行を制御する場合とは異なり、プレイヤキャラクタのレベルなど、ゲーム本編に影響するものとしてあらかじめ定められた情報に関しては更新しない構成としてもよい。巻き戻しデータを用いるときにプレイヤキャラクタ関連情報を更新しない構成とすることにより、エリアの再プレイによりゲームのリアリティが低下してしまうこと等を防止することができるようになる。
クエスト処理を開始すると、制御部11は、ビデオゲームの進行に応じて巻き戻しエリア情報を更新する(ステップS402)。
巻き戻しエリア情報を更新すると、制御部11は、更新した巻き戻しエリア情報に基づいて、エリアに応じたクエスト終了条件に従い、クエスト処理を終了するか否かを判定する(ステップS403)。ここで、クエスト処理を終了しないと判定すると(ステップS403のN)、制御部11は、巻き戻しエリア情報(及びプレイヤキャラクタ関連情報)に基づくクエスト処理を継続して、ステップS402の処理に移行する。
一方、例えば初期エリア情報における攻略割合が「100%」になったこと等に応じて、クエスト処理を終了すると判定すると(ステップS403のY)、制御部11は、初期クエスト処理を終了し(ステップS404)、ゲーム処理におけるステップS106に移行する(図6参照。)。なお、クエスト処理を終了する際、制御部11は、予め攻略割合に対応付けされたクエスト終了演出を実行する。また、このとき制御部11が、巻き戻しエリア情報をリセットする構成としてもよい。
なお、初期クエスト処理の実行中に、プレイヤ操作受付部15を介して、プレイヤにより入力された他のエリアへの移動操作を受け付けると、制御部11は、移動操作に応じたエリアについて、初期クエスト処理を開始する。すなわち、本例においては、制御部11は、何れかのエリア(ステージ)の巻き戻しデータからゲームを始めた場合、プレイヤキャラクタがゲームを始めたエリア(スタートエリア)から他のエリアに移動していくと、スタートエリアについてだけでなく、移動先のエリアについても、巻き戻しデータを更新する(本例においては、巻き戻しエリア情報管理テーブル12dを更新する)。よって、本例においてビデオゲーム処理装置100が提供するビデオゲームでは、プレイヤは、一度「巻き戻し」を行うと、「巻き戻し」を解除するまで、プレイヤキャラクタ以外の全てが初期状態(すなわち、「巻き戻し」で戻すことが許容された状態)からゲームをプレイすることができる。そして、逆に、プレイヤは、最新データからエリア攻略をスタートさせない場合には、他のエリアの最新データを更新することができない。
以上に説明したように、上述した実施の形態では、ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲームの進行に応じて変化するプレイヤキャラクタ関連情報を記憶するプレイヤキャラクタ関連情報記憶部12aと、プレイヤキャラクタが行動可能な複数のエリアそれぞれの初期状態を示す初期エリア情報を記憶する初期エリア情報記憶部12bと、初期エリア情報が示すエリアと同じエリアでのビデオゲームの進行状況を示す最新エリア情報を記憶する最新エリア情報管理テーブル12cとを備え、ビデオゲームの進行を制御し、エリア(例えば、エリアE2)におけるビデオゲームの進行に応じて、エリアに対応する最新エリア情報(例えば、エリアE2に対応する最新エリア情報)を更新し、プレイヤの操作に応じて、初期エリア情報を用いるか、または最新エリア情報を用いるかを判定し(例えば、ゲート閉鎖操作を受け付けたか否かを判定し)、最新エリア情報を用いると判定した場合に、最新エリア情報を用いた制御部11による制御内容に応じて、プレイヤキャラクタ関連情報を更新する構成としているので、ゲームの進行に応じてキャラクタの設定が変化するゲームシステムの趣向性を低下させることを防止し、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
すなわち、最新エリア情報と初期エリア情報とを別々に記憶することにより、一度攻略したエリアを、攻略時とは異なるプレイヤキャラクタのレベル(すなわち、更新されたプレイヤキャラクタ関連情報)で再攻略(または、リプレイ。)することを、効率的に実現することができるようになる。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、初期エリア情報を用いると判定した場合に(例えば、ゲーム処理にてゲート閉鎖操作を受け付けたものと判定した場合に)、初期エリア情報の複製を所定の記憶領域に保存し(例えば、ゲーム処理にて、選択された巻き戻しエリアを示す初期エリア情報を巻き戻しエリア情報管理テーブル12dに保存し)、所定の記憶領域に保存された初期エリア情報が示すエリアにおけるビデオゲームの進行に応じて、初期エリア情報(例えば、初期エリア情報記憶部12dに記憶された初期エリア情報でなく、巻き戻しエリア情報管理テーブル12dに保存された初期エリア情報。すなわち、複製された初期エリア情報。)を更新し、初期エリア情報記憶部12bに記憶された初期エリア情報と、最新エリア情報管理テーブル12cに記憶された最新エリア情報と、所定の記憶領域(例えば、巻き戻しエリア情報管理テーブル12d)に保存された初期エリア情報とのうち少なくともいずれか1つの情報に対応するエリアを含むエリア選択画面(例えば、エリア選択画面や巻き戻しエリア選択画面。図6,10参照。)を表示装置(例えば、表示部13)の表示画面に表示し、表示したエリア選択画面に対するプレイヤの操作に応じて、初期エリア情報、最新エリア情報または所定の記憶領域に保存された初期エリア情報(例えば、巻き戻しエリア情報)を用いるか否かを判定する構成としているので、例えば、プレイヤが、ビデオゲームの本編を進めることを望む場合には、最新エリア情報を用いた制御を行い、プレイヤキャラクタのレベル等が以前と変わった状態で攻略済みのエリアを再攻略することを望む場合には、最新エリア情報とは独立した初期エリア情報を用いた制御を行うことができるようになるため、一度攻略したエリアをリプレイすることができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。また、初期エリア情報の元データを更新することがないので、プレイヤに対して、容易にエリアのリプレイを提供することができるようになる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、初期エリア情報が保存される所定の記憶領域は、キャッシュメモリである構成とされていてもよい。これにより、ゲーム本編に関わる情報(最新エリア情報等)と独立した情報である複製された初期エリア情報の情報量が過大になることを防止することができるようになる。なお、複製された初期エリア情報の情報量が過大になることを回避するために、例えば、複製された初期エリア情報の削除条件に従って、ビデオゲーム処理装置が、複製された初期エリア情報の一部または全部を削除する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、初期エリア情報記憶部12bには、それぞれ異なるエリアを示す複数の初期エリア情報が記憶されており(例えば、図4参照。)、プレイヤキャラクタ関連情報は、複数の初期エリア情報それぞれの使用の可否を示すフラグ(例えば、巻き戻しフラグ。図3参照。)を含み、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタ関連情報に基づいてエリア選択画面を表示する構成としているので、ビデオゲームの進行に応じたプレイヤキャラクタ関連情報に基づいて、選択可能とするエリアの量などを調整することができるようになり、選択可能に表示するエリアに多様性を持たせることができるようになる。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、最新エリア情報を更新したことに応じて、所定のゲーム攻略条件に従い、更新した最新エリア情報が示すエリアがプレイヤキャラクタによって攻略されたか否かを判定し、最新エリア情報が示すエリアが攻略されたと判定したことに応じて、プレイヤキャラクタ関連情報に含まれるフラグのうち攻略したエリアに対応するフラグを、エリアに対応する初期エリア情報が使用可能であることを示すように更新する(例えば、巻き戻しフラグを「1」にする。)構成としているので、ビデオゲームの進度に応じて、リプレイが可能なエリアを増加させることができるようになる。
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、初期エリア情報を用いてビデオゲームの進行を制御する場合、プレイヤキャラクタのレベルの更新など、ゲーム本編に影響するものとしてあらかじめ定められた情報に関しては、更新しない場合を例にして説明をしたが、ビデオゲーム処理装置100が、初期エリア情報を用いると判定した場合に、初期エリア情報を用いた制御内容に応じて(すなわち、ビデオゲームの進行に応じて)プレイヤキャラクタ関連情報を更新する構成としてもよい。巻き戻しデータ(例えば、更新可能な初期エリア情報である巻き戻し情報)を用いるときにプレイヤキャラクタ関連情報を更新する構成とすることにより、プレイヤが得意なエリアなどで効率的にプレイヤキャラクタの経験値(レベル)を上げたり、エリアにおいて択一的に構成された別の分岐イベント(分岐ステージ)をプレイしたりすることが、容易にできるビデオゲームを提供することができるようになる。
また、巻き戻しデータを用いるときにプレイヤキャラクタ関連情報を更新する構成とした場合に、ビデオゲーム処理装置100が、初期エリア情報を用いた制御を終了するときに、初期エリア情報を用いると判定したときから行ったプレイヤキャラクタ関連情報の更新内容を削除する(すなわち、プレイヤキャラクタ関連情報を、初期エリア情報を用いる前の状態にする)構成としてもよい。また、例えば、初期エリア情報を用いると判定したときから行ったプレイヤキャラクタ関連情報の更新内容の一部を、初期エリア情報を用いた制御の終了後にも維持する構成としてもよい。
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したゲーム処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ビデオゲーム処理装置100が、インターネットなどの通信ネットワークを介してゲームプログラムを取得するようにしてもよい。また、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。