JP6347805B2 - 無線電力伝送システム及び送電装置 - Google Patents
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Description
本発明は、無線で電力を伝送するシステムに関する。
近年、移動する機器に対して無線で電力を伝送する無線電力伝送システムが提案されている。特許文献1には、プリンタの筺体に設置された狭長なコイル状の送電アンテナから、プリンタ内で移動するプリントヘッドに設置されたコイル状の受電アンテナへ、無線で電力を伝送することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の2つのアンテナの間で無線電力伝送を行った場合に、2つのアンテナの位置関係によっては電力伝送の効率が低下する虞がある。例えば、送電アンテナの端部付近に受電アンテナが位置する場合と、送電アンテナの中間部付近に受電アンテナが位置する場合とで、アンテナ間の結合係数が異なる場合が考えられる。そのため、これら2つの場合の一方における電力伝送の効率が高くなるように回路を設計すると、もう一方の場合において電力伝送の効率が低下してしまうことが考えられる。本発明は上記課題に鑑み、2つのアンテナの間で無線電力伝送を行う場合の、当該2つのアンテナの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る無線電力伝送システムは、例えば以下の構成を
有する。すなわち、第1アンテナと、前記第1アンテナとの間で無線による電力伝送を行う第2アンテナであって、所定方向における長さが前記第1アンテナよりも短い第2アンテナと、前記第1アンテナに対する前記第2アンテナの位置を前記所定方向に移動させる移動制御手段とを有し、前記所定方向における前記第1アンテナの少なくとも一方の端部と当該端部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離が、前記第1アンテナの端部を除く中間部と当該中間部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離よりも長い。
有する。すなわち、第1アンテナと、前記第1アンテナとの間で無線による電力伝送を行う第2アンテナであって、所定方向における長さが前記第1アンテナよりも短い第2アンテナと、前記第1アンテナに対する前記第2アンテナの位置を前記所定方向に移動させる移動制御手段とを有し、前記所定方向における前記第1アンテナの少なくとも一方の端部と当該端部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離が、前記第1アンテナの端部を除く中間部と当該中間部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離よりも長い。
本発明によれば、2つのアンテナの間で無線電力伝送を行う場合の、当該2つのアンテナの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を抑制することができる。
<第1実施形態>
[システム構成]
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る無線電力伝送システム100(以降、システム100)のシステム構成を示す図である。なお図1は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸により定義される座標系170のY軸方向から無線電力伝送システム100を見た場合の図である。
[システム構成]
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る無線電力伝送システム100(以降、システム100)のシステム構成を示す図である。なお図1は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸により定義される座標系170のY軸方向から無線電力伝送システム100を見た場合の図である。
システム100は、送電部101、受電部102、制御部103、プリントヘッド104、駆動部105、電源部106、レール150、伝送路130、伝送路131、伝送路160及び伝送路161を有する。また、送電部101は送電アンテナ110及び送電器111を有し、受電部102は受電アンテナ120及び受電器121を有する。
本実施形態では、システム100はプリンタに含まれ、送電アンテナ110から受電アンテナ120へ伝送される電力は、プリンタ内のプリントヘッド104においてインクの吐出を制御するために使用される。例えば、プリントヘッド104がピエゾ方式によるインク吐出を行う場合、伝送された電力は圧電素子への電圧の印加に使用される。また例えば、プリントヘッド104がサーマル方式によるインク吐出を行う場合、伝送された電力はヒーターによる加熱のために使用される。この吐出制御によって、プリンタに装着されたインクタンクからプリントヘッド104へ供給されるインクが、プリンタ内を搬送される用紙等の記録媒体に対して吐出され、記録媒体上に画像が形成される。ここで、プリントヘッド104が例えば記録媒体の搬送方向と垂直な方向に移動してインクの吐出を行うことによって、記録媒体の全体に画像を形成することが可能となる。具体的には、プリントヘッド104の移動及びインクの吐出と用紙の搬送とが交互に繰り返されながらプリントが行われる。
ただし、システム100の適用先はこれに限定されるものではない。システム100は例えば、工場で用いられる自動搬送車(AVG:Automatic Guided Vehicle)への電力伝送など、所定の方向に移動し電力供給が必要な移動体全般への電力伝送に適用できる。システム100を自動搬送車への電力伝送に適用する場合、地面に設置された送電部101から自動搬送車が有する受電部102へ無線で電力を伝送するなどの方法がある。なお、システム100をプリンタ以外に適用する場合、システム100はプリントヘッド104やレール150、駆動部105などを含まなくてよい。
また、本実施形態において、送電アンテナ110から受電アンテナ120への電力伝送には電磁誘導方式又は磁界共鳴方式が用いられる。なお、電磁誘導方式と磁界共鳴方式とが選択的に用いられてもよいし、その他の方式が用いられてもよい。
本実施形態において送電アンテナ110はコイル状であり、同じくコイル状の受電アンテナ120との間で無線電力伝送を行う。送電アンテナ110及び受電アンテナ120は、例えばFR4(Frame Retardant Type 4)のような誘電体基板上にコイルが存在する構成であってもよいし、リッツ線が巻かれて形成されるコイルにより構成されていてもよい。またこれに限らず、コイルを有するその他の構成であってもよい。送電器111は、電磁誘導方式や磁界共鳴方式の無線電力伝送に用いられる公知の送電回路を有する。具体的には、送電器111は、電源部106から供給される直流電圧を、スイッチング回路を用いて送電に適した周波数の交流電圧へ変換し、送電アンテナ110を構成するコイルに対して印加する。つまり、送電部101は、送電器111において直流電圧を交流電圧へ変換し、送電アンテナ110において交流磁界を生成する。
システム100内には、送電アンテナ110を構成するコイルと受電アンテナ120を構成するコイルの2つのコイルが存在し、送電アンテナ110を構成するコイルは受電アンテナ120を構成するコイルへ無線送電を行うコイルである。以下では、送電アンテナ110を構成するコイルを送電コイルと記載し、受電アンテナ120を構成するコイルを受電コイルと記載する。なお、システム100内のコイルの数はこれに限らず、1つの送電用コイルと複数の受電用コイルが存在してもよいし、複数の送電用コイルと1つの受電用コイルが存在してもよいし、複数の送電用コイルと複数の受電用コイルが存在してもよい。
受電コイルは、座標系170におけるZ軸方向から見た場合に送電コイルと少なくとも一部が重なるように位置する。なお、受電部102はプリントヘッド104と物理的に結合しているため、受電コイルはレール150上をスライドするプリントヘッド104と連動してX軸方向に移動可能である。即ち、受電コイルは送電コイルに対する位置がX軸方向において可変である。また、送電コイルは受電コイルよりもX軸方向における長さが長いものとする。より具体的には、送電コイルが形成する輪は、受電コイルが形成する輪よりも、受電コイルが移動する方向における外径の長さが長い。なお、受電コイルのY軸方向の長さは、コイル間の結合係数を高くするという目的から、送電コイルのY軸方向の長さと同等である。ただしこれに限らず、受電コイルと送電コイルのY軸方向の長さが異なっていてもよい。図5に、本実施形態に係る送電コイル501と受電コイル502の例を示す。図5の詳細については後述する。
受電器121は、電磁誘導方式や磁界共鳴方式の無線電力伝送に用いられる公知の受電回路を有し、送電器111による電圧の印加に応じて送電コイルから送信された電力を受電コイルによって受信する。より具体的には、受電器121は、受電アンテナ120において交流磁界から生じた交流電圧を、整流回路を用いて直流電圧へ変換し、さらに電圧変換回路を用いて適切な電圧へ変換し、伝送路161を介してプリントヘッド104へ電力供給する。つまり、受電部102は、送電部101により生成された交流磁界に基づいて受電アンテナ120において受電し、受電器121において交流電圧を直流電圧へ変換し、電力を出力する。上記の構成により、プリントヘッド104への無線での電力供給が実現される。
制御部103は、伝送路130を介してプリントヘッド104と接続され、プリントヘッド104を制御する。また制御部103は、伝送路131を介して駆動部105と接続され、駆動部105を制御する。プリントヘッド104は、伝送路130を介して制御部103から伝送される制御信号に基づいてインク等を吐出し、紙などの媒体に文字や画を記録する。駆動部105は、伝送路131を介して制御部103から伝送される制御信号に基づいて、プリントヘッド104をレール150に沿って移動させる。電源部106は、送電部101、制御部103及び駆動部105の各々に適した直流電圧を商用電源(不図示)などから生成し、伝送路160を介して電力供給する。
なお、本実施形態では、受電部102により受信された電力はプリントヘッド104によるインクの吐出制御のために使用され、プリントヘッド104の移動は電源部106から供給される電力を用いて駆動部105により行われるものとして説明する。ただしこれに限らず、プリントヘッド104自身がレール150に沿って移動するための機構を有し、受電部102により受信された電力がプリントヘッド104の移動のために使用されても良い。
なお、伝送路130、伝送路131、伝送路160及び伝送路161は、有線の伝送路であってもよいし無線の伝送路であってもよい。ただし、プリントヘッド104の移動に伴ってケーブルが摩耗してしまうことを回避するために、特に伝送路130は無線化することが望ましい。無線の伝送路は、Wi−Fiなどの標準規格に従った技術により実現してもよいし、独自の無線技術により実現してもよい。
[高効率な電力伝送の条件]
無線電力伝送を行う場合に、伝送の効率を高めるためには、送電側と受電側のアンテナにおけるインピーダンス整合が求められる。特に、上記のような受電アンテナ120が移動するシステム100において効率の良い電力伝送を実現するためには、受電アンテナ120が移動してもインピーダンスの整合が大きく崩れないことが求められる。
無線電力伝送を行う場合に、伝送の効率を高めるためには、送電側と受電側のアンテナにおけるインピーダンス整合が求められる。特に、上記のような受電アンテナ120が移動するシステム100において効率の良い電力伝送を実現するためには、受電アンテナ120が移動してもインピーダンスの整合が大きく崩れないことが求められる。
図2は、送電部101と受電部102の等価回路を示す図である。送電アンテナ110は、インダクタ201、抵抗成分202、及びインダクタ201と共振するコンデンサ203からなり、受電アンテナ120は、インダクタ204、抵抗成分205、及びインダクタ204と共振するコンデンサ206からなる。また、抵抗成分207は受電器121の入力インピーダンスに対応し、電源208は送電器111に対応する。
図2に示した回路構成において、最も効率の良い電力伝送を実現するためには、下記の数1に示す条件が満たされる必要がある。すなわち、数1に示す条件が満たされる場合、インピーダンスが整合している。
数1において、Rは受電器121の入力インピーダンスを表し、r2は受電アンテナ120の抵抗成分205を表し、fm 2は送電アンテナ110のQ値と受電アンテナ120のQ値とコイル間の結合係数の2乗との積である。本実施形態では、r2、送電アンテナ110のQ値、受電アンテナ120のQ値、及び入力インピーダンスRが一定であるものとする。数1から分かるように、受電アンテナ120が移動して送電コイルと受電コイルとの位置関係が変化することによってコイル間の結合係数が大きく変化すると、インピーダンスの整合が大きく崩れて電力伝送の効率が低下してしまう。
そこで、本実施形態におけるシステム100は、受電アンテナ120の移動に伴う結合係数の変化量が小さい送電アンテナ110を用いる。このような送電アンテナ110の構成の詳細については後述する。このような構成によれば、例えば送電部101や受電部102にインピーダンスを動的に調整するための回路を追加する方法と比較して、回路を追加する必要がないためシステム100のサイズを小さく抑えられる。そのため、小型の機器にシステム100を搭載することができる。
[アンテナの構成]
図3は、従来技術により実現される送電コイル301と座標系170におけるX軸方向に移動可能な受電コイル302の例を示す図である。また図4は、図3に示した送電コイル301からZ軸方向に所定間隔離れた位置を受電コイル302がX軸方向に移動した際の、結合係数の変化に関するシミュレーション結果を示す図である。縦軸はコイル間の結合係数を表し、横軸はコイル間のX軸方向における相対距離(図3のaに対応)を表している。なお、図4のシミュレーションにおいては、送電コイル301のX軸方向の長さは800mmとし、Y軸方向の幅は70mmとしている。また、受電コイル302のX軸方向の長さは100mmとし、Y軸方向の幅は70mmとしている。また、送電コイル301と受電コイル302の巻き数はそれぞれ1turn(1巻き)としている。
図3は、従来技術により実現される送電コイル301と座標系170におけるX軸方向に移動可能な受電コイル302の例を示す図である。また図4は、図3に示した送電コイル301からZ軸方向に所定間隔離れた位置を受電コイル302がX軸方向に移動した際の、結合係数の変化に関するシミュレーション結果を示す図である。縦軸はコイル間の結合係数を表し、横軸はコイル間のX軸方向における相対距離(図3のaに対応)を表している。なお、図4のシミュレーションにおいては、送電コイル301のX軸方向の長さは800mmとし、Y軸方向の幅は70mmとしている。また、受電コイル302のX軸方向の長さは100mmとし、Y軸方向の幅は70mmとしている。また、送電コイル301と受電コイル302の巻き数はそれぞれ1turn(1巻き)としている。
図4から分かるように、受電コイル302が送電コイル301の端部付近に位置する場合には結合係数が高く、受電コイル302が送電コイル301の中心部に近づくのに伴って結合係数が低下する。図4において、結合係数の最大値と最小値の差は0.0165程度である。このように、受電コイル302の位置が変わることで結合係数が変化するため、例えば結合係数が最大値となる場合にインピーダンスが整合するように回路を設計すると、結合係数が最小値となる場合にインピーダンスの整合が大きく崩れてしまう。
一方、図5は、本実施形態に係るシステム100に含まれる、結合係数の変化が抑制される形状の送電コイル501と受電コイル502の例を示す図である。なお、受電コイル502の形状は図3の受電コイル302と同様である。送電コイル501は、導体部分503、導体部分504、導体部分505、導体部分506、導体部分507、導体部分508、導体部分509及び導体部分510という、複数の直線状の部分を有する。
図5に示すように、送電コイル501は、座標系170のX軸方向に略平行な長辺を有する狭長なコイルである。また、導体部分505、導体部分506、導体部分507、導体部分508、導体部分509及び導体部分510は、導体部分503及び導体部分504と比べて、Z軸方向における受電コイル502との距離が長い。すなわち、送電コイル501は、X軸方向における端部と当該端部に最も接近した受電コイル502との距離が、X軸方向における中間部と当該中間部に最も接近した受電コイル502との距離よりも長い形状をしている。
図5において、送電コイル501のX軸方向における端部とは、導体部分505、導体部分506、導体部分507及び導体部分508に対応する部分である。即ち、送電コイル501のX軸方向における端部とは、送電コイル501のX軸方向における端に存在する導体部分509又は導体部分510から送電コイル501の内部に向かって所定距離内の範囲に対応する部分である。また、送電コイル501のX軸方向における端部は、受電コイル502がX軸方向における可動範囲の端に移動した際に、Z軸方向から見て受電コイル502と重なる送電コイル501の一部分でもある。送電コイル501のX軸方向における中間部とは、送電コイル501の端部以外の部分であり、導体部分503及び導体部分504に対応する部分である。即ち、送電コイル501のX軸方向における中間部とは、送電コイル501のX軸方向における端から所定距離以上離れた部分である。当該所定距離(端部の長さ)の決め方によってコイル間の結合係数の安定性が異なるが、これについては図7を用いて後述する。
受電コイル502は、受電コイル502に囲まれた面と送電コイル501に囲まれた面がZ軸方向から見て少なくとも一部重なるように、送電コイル501付近をX軸方向に移動する。図6は、受電コイル502がX軸方向に移動した際の、結合係数の変化に関するシミュレーション結果を示す図である。縦軸はコイル間の結合係数を表し、横軸はコイル間のX軸方向における相対距離(図5のbに対応)を表している。なお、図3の送電コイル301と同様、送電コイル501のX軸方向の長さは800mmとし、Y軸方向の幅は70mmとしている。ここで送電コイル501の長さとは、導体部分509と導体部分510との間のX軸方向の距離(図5のcに対応)である。また、導体部分505、導体部分506、導体部分507及び導体部分508の長さはそれぞれ50mmとしている。また、受電コイル502のX軸方向の長さは100mmとし、Y軸方向の幅は70mmとしている。送電コイル501と受電コイル502の巻き数はそれぞれ1turnとしている。
図6から分かるように、受電コイル502が送電コイル501の端部付近に位置する場合には結合係数が高く、受電コイル502が送電コイル501の中心部に近づくのに伴って結合係数が低下する。ただし、受電コイル502が送電コイル501の端部付近に位置する場合のコイル間の結合係数は、図4に示した同様の場合における従来のコイル間の結合係数と比較して値が小さい。そして図6においては、結合係数の最大値と最小値の差が0.010程度である。つまり、従来の送電コイル301の代わりに本実施形態に係る送電コイル501を使用することで、受電コイル502の移動に伴う結合係数の変化量を小さくすることができる。その結果、2つのコイルの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を抑制することができる。
図7は、送電コイル501の長さを800mmに固定し、送電コイル501のX軸方向における端部の長さ(図5のdに対応)を0mmから300mmまで変化させた場合の、結合係数の最大値と最小値の差の変化に関するシミュレーション結果を示す。図7から分かるように、送電コイル501の端部の長さが50mm〜200mmの場合に、結合係数の最大値と最小値の差が小さい。さらに、送電コイル501の端部の長さが80mm〜140mmの場合に、結合係数の最大値と最小値の差が特に小さい。なお、送電コイル501の端部の長さと結合係数の最大値と最小値の差との関係は、受電コイル502のX軸方向の長さに基づいて定まる。即ち、送電コイル501の端部が、受電コイル502のX軸方向における長さの大凡1/2倍以上且つ2倍以下の長さを有する場合に、コイル間の結合係数が安定する。さらに、送電コイル501の端部が、受電コイル502のX軸方向における長さの大凡4/5倍以上且つ7/5倍以下の長さを有する場合に、コイル間の結合係数が特に安定する。
なお、図5に示した送電コイル501は、送電コイル501と受電コイル502との、受電コイル502が存在する平面に垂直な方向(Z軸方向)における距離が、送電コイル501のX軸方向における中間部よりも端部において長い形状をしている。一方、図8のように、送電コイル801と受電コイル502との、受電コイル502が存在する平面に平行で且つX軸方向に垂直な方向(Y軸方向)における距離が、送電コイル801のX軸方向における中間部よりも端部において大きくてもよい。このような形状の送電コイル801を用いても、送電コイル501を用いる場合と同様の効果を得ることができる。特に、システム100を搭載する機器の制約により送電アンテナ110のZ軸方向の幅を小さく抑えなければならない場合には、送電コイル801を用いることが有効である。なお送電コイルは、送電コイルと受電コイルとの、Z軸方向における距離とY軸方向における距離の両方が、送電コイルのX軸方向における中間部よりも端部において長い形状をしていてもよい。
また、図5に示した送電コイル501は、X軸方向における端部と中間部の境界がZ軸方向に階段状に折れ曲がった形状をしている。送電コイル501のX軸方向における端部と中間部の境界は、送電コイル501のX軸方向における端に存在する導体部分509又は導体部分510から送電コイル501の内部に向かって所定距離離れた部分である。ただし、送電コイル501の形状はこれに限らない。例えば、図9に示すように、送電コイル901のX軸方向における端部がZ軸方向に曲線状に曲がっていてもよい。また例えば、図10に示すように、送電コイル1001の端部が中間部と平行でなくなるように、端部と中間部の境界が折れ曲がっていてもよい。このような送電コイル901や送電コイル1001を用いても、送電コイル501を用いる場合と同様の効果を得ることができる。ただし、送電コイル501を用いる場合には、X軸方向において送電コイル501上(Z軸方向から見て図5のcの範囲内)に受電コイル502の全体が含まれる状況において結合係数が安定する。一方、送電コイル1001を用いる場合には、X軸方向において送電コイル1001の中間部上(Z軸方向から見て図10のeの範囲内)に受電コイル502の全体が含まれる状況において結合係数が安定する。
また、図5に示した送電コイル501は、送電コイル501と受電コイル502との距離が、X軸方向における中間部よりも両端部において長い形状をしている。ただしこれに限らず、送電コイル501は、X軸方向における何れか一方の端部において受電コイル502との距離が中間部よりも長い形状であってもよい。例えば、導体部分503と導体部分506との境界及び導体部分504と導体部分505との境界は図5のように折れ曲がっており、導体部分503と導体部分507との境界及び導体部分504と導体部分508との境界は直線状につながっていてもよい。このような形状の送電コイル501を用いる場合、送電コイル501のX軸方向における端部のうち受電コイル502との距離が長い一方の端部において、従来の送電コイル301を用いる場合よりもコイル間の結合係数を小さく抑えることができる。図8、図9及び図10に示した各送電コイルに関しても同様である。
なお、本実施形態に係るシステム100においては、送電コイル501から受電コイル502へ送電が行われるが、これに限らず、コイルの送電側と受電側が入れ替わってもよい。すなわち、送電アンテナ110が図5の受電コイル502と同様の形状のコイルにより構成され、受電アンテナ120が図5の送電コイル501と同様の形状のコイルにより構成され、送電アンテナ110から受電アンテナ120へ送電が行われてもよい。この構成によれば、受電コイル302と同様の形状のコイルにより構成される送電アンテナ110から送電コイル301と同様の形状のコイルにより構成される受電アンテナ120へ送電を行う場合と比較して、2つのコイルの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を抑制できる。図8、図9及び図10に示した各送電コイルに関しても同様である。
また、本実施形態では、送電アンテナ110がプリンタに固定されており、受電アンテナ120がプリントヘッド104と共にX軸方向に移動する場合について説明した。ただしこれに限らず、送電コイルと受電コイルとの位置関係が所定方向において可変であれば、本実施形態を適用できる。例えば、受電アンテナ120が固定されており送電アンテナ110が移動可能であってもよいし、送電アンテナ110と受電アンテナ120の両方が移動可能であってもよい。
また、本実施形態では送電アンテナ110及び受電アンテナ120がコイル状である場合について説明したが、これに限らず、送電アンテナ110及び受電アンテナ120が平板状であってもよい。即ち、図5、図8、図9及び図10の説明において、送電アンテナ110及び受電アンテナ120は線状の導体が巻かれたコイルであるものとして説明したが、同様の輪郭を有し平面に形成された板状の導体であってもよい。このような送電アンテナ110及び受電アンテナ120を用いる場合でも、図3で説明したコイルと同様の輪郭を有する平板状のアンテナを用いて無線電力伝送を行う場合と比較して、2つのアンテナの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を抑制できる。
以上説明したように、本実施形態に係るシステム100は、第1アンテナに対する位置が所定方向において可変である第2アンテナと、第2アンテナとの間で無線による電力伝送を行うための第1アンテナとを有する。またシステム100は、第1アンテナと第2アンテナとのうち無線送電を行う一方のアンテナに対して電圧を印加し、電圧の印加に応じて一方のアンテナから送信された電力を他方のアンテナによって受信する。ここで第1アンテナは、第2アンテナよりも該所定方向における長さが長い。また第1アンテナは、該所定方向における少なくとも一方の端部と当該端部に最も接近した第2アンテナとの距離が、該所定方向における中間部と当該中間部に最も接近した第2アンテナとの距離よりも長い形状である。これにより、第1アンテナと第2アンテナとの位置関係の変化に伴うアンテナ間の結合係数の変化量を小さくすることができる。その結果、2つのアンテナの間で無線電力伝送を行う場合の、当該2つのアンテナの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を抑制することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、送電コイルの端部と受電コイルとの距離が送電コイルの中間部と受電コイルとの距離より長い送電コイルを用いることで、受電コイルが送電コイルの端部付近に位置する場合に結合係数が大きくなるのを抑制する方法について述べた。一方、第2実施形態では、受電コイルが送電コイルの中間部付近に位置する場合の結合係数を増大させ、受電コイルが送電コイルの端部付近に位置する場合の結合係数との差を小さくする構成について述べる。本実施形態に係るシステム100において、送電アンテナ110以外の構成は第1実施形態で説明したものと同様である。以下では、送電アンテナ110に関する本実施形態と第1実施形態との差異を中心に説明する。
第1実施形態では、送電コイルの端部と受電コイルとの距離が送電コイルの中間部と受電コイルとの距離より長い送電コイルを用いることで、受電コイルが送電コイルの端部付近に位置する場合に結合係数が大きくなるのを抑制する方法について述べた。一方、第2実施形態では、受電コイルが送電コイルの中間部付近に位置する場合の結合係数を増大させ、受電コイルが送電コイルの端部付近に位置する場合の結合係数との差を小さくする構成について述べる。本実施形態に係るシステム100において、送電アンテナ110以外の構成は第1実施形態で説明したものと同様である。以下では、送電アンテナ110に関する本実施形態と第1実施形態との差異を中心に説明する。
図11を用いて、本実施形態に係る送電アンテナ110について説明する。送電アンテナ110は、送電コイル1101により構成され、近傍に磁性体1103が位置する。本実施形態においては、送電コイル1101が設置された基板に、座標系170におけるX軸方向に略平行な長辺を有するシート状のフェライトが磁性体1103として貼付される。ただし、磁性体1103の形状や素材はこれに限定されない。なお、送電コイル1101及び受電コイル1102はそれぞれ、図3を用いて説明した送電コイル301及び受電コイル302と同様の形状である。
図11に示すように送電コイル1101は、X軸方向に略平行な長辺を有する狭長なコイルである。また、磁性体1103は、送電コイル1101よりもX軸方向の長さが短く、基板上において送電コイル1101の端部に対応する部分には貼付されない。そのため、送電コイル1101に囲まれた面のうち送電コイル1101の端部に対応する部分は、Z軸方向から見て磁性体1103と重ならない。すなわち磁性体1103は、送電コイル1101のX軸方向における端部の近傍には位置せず、送電コイル1101のX軸方向における中間部の近傍に位置する。
本実施形態において、送電コイル1101のX軸方向における端部とは、図11のgに対応する部分であり、送電コイル1101のX軸方向における端から送電コイル1101の内部に向かって所定距離内の範囲に対応する部分である。また、送電コイル1101のX軸方向における端部は、受電コイル1102がX軸方向における可動範囲の端に移動した際に、Z軸方向から見て受電コイル1102と重なる送電コイル1101の一部分でもある。送電コイル1101のX軸方向における中間部とは、図11の送電コイル1101のうちgに対応する部分を除いた部分であり、送電コイル1101のX軸方向における中心部から所定距離内の範囲に対応する部分である。当該所定距離(端部の長さ)の決め方によってコイル間の結合係数の安定性が異なるが、これについては図13を用いて後述する。
また本実施形態では、磁性体1103が送電コイル1101の端部の近傍に位置せず中間部の近傍に位置する状況として、基板上において送電コイル1101の中間部に対応する部分にのみ磁性体1103が貼付される場合を想定する。ただしこれに限らず、送電コイル1101の端部と磁性体1103との間の距離が、中間部と磁性体1103との間の距離よりも大きくなるように、磁性体1103が設置されればよい。例えば、送電コイル1101が設置された基板と磁性体1103とが接していなくてもよい。
受電コイル1102は、受電コイル1102に囲まれた面と送電コイル1101に囲まれた面がZ軸方向から見て少なくとも一部重なるように、送電コイル1101付近をX軸方向に移動する。図12は、受電コイル1102がX軸方向に移動した際の、結合係数の変化に関するシミュレーション結果を示す図である。縦軸はコイル間の結合係数を表し、横軸はコイル間のX軸方向における相対距離(図11のfに対応)を表している。なお、図3の送電コイル301と同様、送電コイル1101のX軸方向の長さは800mmとし、Y軸方向の幅は70mmとしている。また、受電コイル1102のX軸方向の長さは100mmとし、Y軸方向の幅は70mmとしている。送電コイル1101と受電コイル1102の巻き数はそれぞれ1turnとしている。
図12から分かるように、受電コイル1102が送電コイル1101の端部付近に位置する場合には結合係数が高く、受電コイル1102が送電コイル1101の中心部に近づくのに伴って結合係数が低下する。ただし、受電コイル1102が送電コイルの1101の中央部付近に位置する場合の結合係数は、図4に示した同様の場合における従来のコイル間の結合係数と比較して長い。そして図12においては、結合係数の最大値と最小値の差が0.010程度である。つまり、従来の送電アンテナ110の代わりに、磁性体1103が送電コイル1101の端部の近傍には位置せず中間部の近傍に位置する送電アンテナ110を使用することで、受電コイル1102の移動に伴う結合係数の変化量を小さくすることができる。その結果、2つのコイルの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を抑制することができる。なお、本実施形態における従来の送電アンテナ110とは、送電コイル301の近傍に磁性体が位置しない送電アンテナ110である。
図13は、送電コイル1101の長さを800mmに固定し、送電コイル501のX軸方向における端部の長さ(図11のgに対応)を0mmから300mmまで変化させた場合の、結合係数の最大値と最小値の差の変化に関するシミュレーション結果を示す。図13から分かるように、送電コイル1101の端部の長さが50mm〜200mmの場合に、結合係数の最大値と最小値の差が小さい。さらに、送電コイル1101の端部の長さが75mm〜125mmの場合に、結合係数の最大値と最小値の差が特に小さい。なお、端部の長さと結合係数の最大値と最小値の差との関係は、受電コイル1102のX軸方向の長さに基づいて定まる。即ち、送電コイル1101の端部が、受電コイル1102のX軸方向における長さの大凡1/2倍以上且つ2倍以下の長さを有する場合に、コイル間の結合係数が安定する。さらに、送電コイル1101の端部が、受電コイル1102のX軸方向における長さの大凡3/4倍以上且つ5/4倍以下の長さを有する場合に、コイル間の結合係数が特に安定する。
なお、図11を用いて説明した送電アンテナ110においては、送電コイル1101の両端部の近傍には磁性体1103が位置せず、送電コイル1101の中間部の近傍に磁性体1103が位置している。そのため、磁性体1103のX軸方向における長さは送電コイル1101のX軸方向における長さよりも短い。ただしこれに限らず、送電コイル1101の何れか一方の端部の近傍には磁性体1103が位置せず、他方の端部と中間部との近傍に磁性体1103が位置していてもよい。即ち、送電コイル1101が設置された基板上において、送電コイル1101の一方の端部以外に対応する部分に磁性体1103が貼付されてもよい。このような構成の送電アンテナ110を用いる場合、従来の送電アンテナ110を用いる場合と比べて、送電コイル1101の端部のうち近傍に磁性体1103が位置しない一方の端部における結合係数と、中間部における結合係数との差を小さく抑えられる。
また、本実施形態で説明した送電アンテナ110の構成と、第1実施形態で説明した送電コイルの形状とを、併せて採用してもよい。例えば図14に示すように、図5を用いて説明した送電コイル501のX軸方向における端部の近傍に磁性体1103が位置し、送電コイル501のX軸方向における中間部の近傍に磁性体1103が位置する送電アンテナ110を用いてもよい。このような構成の送電アンテナ110を用いることにより、図5や図11で説明した送電アンテナ110を用いる場合と比べて、コイル間の結合係数をさらに安定させることができ、無線電力伝送の効率低下をさらに抑制することができる。
図15は、図14に示した構成の送電アンテナ110を用いた場合の、コイル間の相対距離と結合係数の関係に関するシミュレーション結果を示す図である。図15においては、結合係数の最大値と最小値の差が0.009程度である。なお、図8、図9及び図10に示した各送電コイルについても同様に、X軸方向における中間部の近傍に磁性体1103を設置し、X軸方向における端部の近傍には磁性体1103を設置しないことで、無線電力伝送の効率低下を更に抑制することができる。
なお本実施形態では、送電コイル1101が設置される基板上において送電コイル1101のX軸方向における端部に対応する位置には磁性体を貼付しない場合を中心に説明した。ただしこれに限らず、基板上において送電コイル1101の端部に対応する位置に、透磁率が低い磁性体を貼付してもよい。すなわち、送電コイル1101のX軸方向における中間部の近傍に位置する磁性体1103よりも透磁率が低い別の磁性体が、送電コイル1101のX軸方向における端部の近傍に位置する送電アンテナ110を用いてもよい。
このような構成の送電アンテナ110について、図16を用いて説明する。送電コイル1101の近傍には、磁性体1103に加え、磁性体1601及び磁性体1602が位置する。図16に示すように、送電コイル1101に囲まれる面のうちX軸方向における端部に対応する部分は、座標系170におけるZ軸方向から見て磁性体1601又は磁性体1602と重なる。磁性体1601及び磁性体1602は、ともに磁性体1103と比べて透磁率が低い。なお、本実施形態では磁性体1601と磁性体1602の透磁率が同等であるものとするが、磁性体1601と磁性体1602の透磁率が異なっていてもよい。また、送電コイル1101のX軸方向における一方の端部の近傍に磁性体1103が位置する場合には、もう一方の端部の近傍に磁性体1601又は磁性体1602が位置すればよい。
このような構成の送電アンテナ110を用いても、従来の送電アンテナ110を用いる場合よりも、受電コイル1102の移動に伴う結合係数の変化量を小さくすることができ、2つのコイルの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を抑制できる。さらに、送電コイル1101付近に金属の物体が存在する場合には、送電コイル1101全体の近傍に磁性体が位置することで、送電コイル1101から生じる交流磁界が金属に与える影響を低減することができる。また、交流磁界の影響により金属に発生する渦電流を低減できるため、渦電流の影響で無線電力伝送の効率が低下することを抑制できる。
なお、第1実施形態で説明したのと同様に、本実施形態に係るシステム100においても、コイルの送電側と受電側が入れ替わってもよい。また、受電アンテナ120の代わりに送電アンテナ110が移動可能であってもよいし、送電アンテナ110と受電アンテナ120の両方が移動可能であってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るシステム100は、第1アンテナに対する位置が所定方向において可変である第2アンテナと、第2アンテナとの間で無線による電力伝送を行うための第1アンテナとを有する。ここで第1アンテナは、第2アンテナよりも該所定方向における長さが長い。またシステム100は、第1アンテナの該所定方向における少なくとも一方の端部の近傍には位置せず、第1アンテナの該所定方向における中間部の近傍に位置する磁性体を有する。そしてシステム100は、第1アンテナと第2アンテナとのうち無線送電を行う一方のアンテナに対して電圧を印加し、電圧の印加に応じて一方のアンテナから送信された電力を他方のアンテナによって受信する。これにより、第1アンテナと第2アンテナとの位置関係の変化に伴うアンテナ間の結合係数の変化量を小さくすることができる。その結果、2つのアンテナの間で無線電力伝送を行う場合の、当該2つのアンテナの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を抑制することができる。
なお、上記の各実施形態においては、送電コイルと受電コイルの巻き数が何れも1turnである場合のシミュレーション結果を基に説明を行った。ただし、送電コイル及び受電コイルの巻き数は1turnに限定されるものではない。また、送電コイルと受電コイルの巻き数が異なっていてもよい。このような場合においても、送電コイルと受電コイルの位置関係に基づく電力伝送の効率低下を従来よりも抑制できる。
また、上記の各実施形態においては、座標系170のZ軸方向から見て受電コイルに囲まれる面の全体が送電コイルに囲まれる面と重なる範囲内において、受電コイルが移動する場合のシミュレーション結果を基に説明を行った。ただし、Z軸方向から見て受電コイルに囲まれる面の一部が送電コイルに囲まれる面と重ならない範囲まで受電コイルが移動してもよい。
また、上記の各実施形態においては、送電コイルと受電コイルが何れも直線状の導体部分から構成される場合を中心に説明を行ったが、送電コイルと受電コイルの形状はこれに限らない。例えば、送電コイルと受電コイルの少なくとも何れかが円形や楕円形であってもよい。
100 無線電力伝送システム
110 送電アンテナ
111 送電器
120 受電アンテナ
121 受電器
110 送電アンテナ
111 送電器
120 受電アンテナ
121 受電器
Claims (14)
- 第1アンテナと、
前記第1アンテナとの間で無線による電力伝送を行う第2アンテナであって、所定方向における長さが前記第1アンテナよりも短い第2アンテナと、
前記第1アンテナに対する前記第2アンテナの位置を前記所定方向に移動させる移動制御手段とを有し、
前記所定方向における前記第1アンテナの少なくとも一方の端部と当該端部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離が、前記第1アンテナの端部を除く中間部と当該中間部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離よりも長いことを特徴とする無線電力伝送システム。 - 前記第1アンテナの前記少なくとも一方の端部と当該端部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離であって前記第2アンテナが存在する平面に垂直な第1方向における距離が、前記第1アンテナの中間部と当該中間部に対向する位置における前記第2アンテナとの前記第1方向における距離よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送システム。
- 前記第1アンテナの前記少なくとも一方の端部と当該端部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離であって前記第2アンテナが存在する平面に平行で且つ前記所定方向に垂直な第2方向における距離が、前記第1アンテナの中間部と当該中間部に対向する位置における前記第2アンテナとの前記第2方向における距離よりも長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線電力伝送システム。
- 前記所定方向における前記第1アンテナの少なくとも一方の端部の近傍には位置しない磁性体であって、前記第1アンテナの中間部の近傍に位置する磁性体を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の無線電力伝送システム。
- 第1アンテナと、
前記第1アンテナとの間で無線による電力伝送を行う第2アンテナであって、所定方向における長さが前記第1アンテナよりも短い第2アンテナと、
前記第1アンテナに対する前記第2アンテナの位置を前記所定方向に移動させる移動制御手段と、
前記所定方向における前記第1アンテナの少なくとも一方の端部の近傍には位置しない磁性体であって、前記第1アンテナの端部を除く中間部の近傍に位置する磁性体とを有することを特徴とする無線電力伝送システム。 - 前記磁性体よりも透磁率が低い別の磁性体であって、前記第1アンテナの前記少なくとも一方の端部の近傍に位置する別の磁性体を有することを特徴とする請求項5に記載の無線電力伝送システム。
- 前記第1アンテナに対して電圧を印加する印加手段と、
前記印加手段による前記第1アンテナに対する電圧の印加に応じて前記第2アンテナに発生する電力を、プリンタが有するプリントヘッドへ出力する出力手段とを有し、
前記移動制御手段は、前記第2アンテナを前記プリントヘッドと連動させて前記所定方向に移動させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の無線電力伝送システム。 - 前記所定方向における前記第1アンテナの端部の長さは、前記第1アンテナの端部と前記第2アンテナとが対向しない場合であり、且つ、前記第1アンテナの中間部と前記第2アンテナとが対向する場合において、前記第1アンテナと前記第2アンテナとの間の結合係数が所定の範囲内の値となる長さであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の無線電力伝送システム。
- 前記所定方向における前記第1アンテナの端部の長さは、前記所定方向における前記第2アンテナの長さの1/2倍以上且つ2倍以下の長さであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の無線電力伝送システム。
- 前記第1アンテナ及び前記第2アンテナは、線状の導体が巻かれたコイル又は板状の導体であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の無線電力伝送システム。
- 第1アンテナに対する位置が所定方向において可変である第2アンテナへ無線送電するための第1アンテナであって、前記所定方向における長さが前記第2アンテナよりも長い第1アンテナと、
前記無線送電のために前記第1アンテナに対して電圧を印加する印加手段とを有し、
前記所定方向における前記第1アンテナの少なくとも一方の端部と当該端部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離が、前記第1アンテナの端部を除く中間部と当該中間部に対向する位置における前記第2アンテナとの距離よりも長いことを特徴とする送電装置。 - 前記所定方向における前記第1アンテナの少なくとも一方の端部の近傍には位置しない磁性体であって、前記第1アンテナの中間部の近傍に位置する磁性体を有することを特徴とする請求項11に記載の送電装置。
- 第1アンテナに対する位置が所定方向において可変である第2アンテナへ無線送電するための第1アンテナであって、前記所定方向における長さが前記第2アンテナよりも長い第1アンテナと、
前記所定方向における前記第1アンテナの少なくとも一方の端部の近傍には位置しない磁性体であって、前記第1アンテナの端部を除く中間部の近傍に位置する磁性体と、
前記無線送電のために前記第1アンテナに対して電圧を印加する印加手段とを有する
ことを特徴とする送電装置。 - 前記磁性体よりも透磁率が低い別の磁性体であって、前記第1アンテナの前記少なくとも一方の端部の近傍に位置する別の磁性体を有することを特徴とする請求項13に記載の送電装置。
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