JP6345541B2 - オイルセパレータ - Google Patents

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本発明は、機器を通過した空気に含まれる油分を分離するオイルセパレータに関する。
トラック、バス、建機等の車両は、コンプレッサから送られる圧縮空気を利用してブレーキやサスペンション等のシステムを制御している。コンプレッサから送出される圧縮空気には、大気中に含まれる水分やコンプレッサ内を潤滑する油分が含まれている。この水分や油分を含む圧縮空気が各システム内に侵入すると、錆の発生やゴム部材の膨潤を招き、当該システムの作動不良の原因となる。このため、上記コンプレッサの下流には、圧縮空気から水分や油分を除去するためのエアドライヤが設けられている。
エアドライヤでは、圧縮空気を乾燥剤に通過させて水分や油分を除去するロード運転と、乾燥剤に捕捉された水分や油分を外部に排出することによって乾燥剤を再生するアンロード運転とが行われる。アンロード運転の際にエアドライヤから排出される空気には、水分と油分とが含まれている。このため、最近では、環境負荷を考慮して、エアドライヤから排出される空気から油分を分離して回収するオイルセパレータを設けることが提案されている。
オイルセパレータは、水分や油分を含んだ空気を衝突材に衝突させることにより気液分離を行う。この気液分離によって、水分や油分が除去された空気は外部に放出され、空気と分離された水分や油分は、ドレンとしてオイルセパレータ内のドレン溜め部に回収される(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−234632号公報
ところで、上記特許文献1に記載のオイルセパレータでは、ドレンがオイルセパレータ内のドレン溜め部に回収されるので、回収されたドレンの量がドレン溜め部の容積に達すると、ドレンの回収ができなくなる。このため、溜まったドレンをオイルセパレータから定期的に回収する必要があるが、この回収作業等のメンテナンス作業の回数は少ないことが望まれている。そこで、分離して溜めたドレンの回収作業の回数を抑制するオイルセパレータが求められている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分離して溜めたドレンの回収作業の回数を抑制することができるオイルセパレータを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決するオイルセパレータは、筐体と前記筐体内に設けられた衝突材とを備え、油分を含む空気を前記筐体内に導入して前記衝突材に衝突させることによって、導入された空気から油分を分離してドレン溜め部に回収するオイルセパレータにおいて、オイルセパレータは、ディーゼルエンジンが搭載された車両に設置され、前記ドレン溜め部の排出口と、前記ディーゼルエンジンの排気に含まれる微粒子を捕集する排気浄化装置に設けられる燃焼部とが接続され、前記ドレン溜め部に溜まったドレンを前記排気浄化装置の燃焼部に供給することをその要旨としている。
ディーゼルエンジンでは、排気に含まれる微粒子を捕集する排気浄化装置が設置されている。排気浄化装置には、微粒子を捕集するディーゼル微粒子捕集フィルターと、燃料の燃焼によって排気の温度を上昇させる燃焼部とが設けられているものがある。この燃焼部において温度が上昇された排気は、微粒子を酸化させてディーゼル微粒子捕集フィルターから取り除く。
上記構成によれば、オイルセパレータのドレン溜め部に溜まったドレンを、油を利用する排気浄化装置の燃焼部に送出することで、オイルセパレータが分離して溜めたドレンの回収作業の回数を抑制することができる。また、排気浄化装置に用いるための燃料を抑制することができる。
上記オイルセパレータについて、前記ドレン溜め部に溜まったドレンを加熱する加熱装置を備えることが好ましい。
上記構成によれば、ドレン溜め部に溜まったドレンを加熱するので、ドレンから水分を蒸発させて、水分の割合を減らしたドレンを排気浄化装置の燃焼部に供給することができる。
上記オイルセパレータについて、前記排気浄化装置の燃焼部に供給するドレンを燃焼用の燃料と混合して供給することが好ましい。
上記構成では、ドレンと燃料用の燃料である油とを混合することで、排気浄化装置の燃焼部に供給されるドレンに含まれる油分の割合を高めることができ、燃焼効率を高めることができる。
本発明によれば、分離して溜めたドレンの回収作業の回数を抑制することができる。
オイルセパレータの一実施形態の概略構成を示すブロック図。 オイルセパレータの変形例の概略構成を示すブロック図。
以下、図1を参照して、オイルセパレータの一実施形態について説明する。
図1に示されるように、トラック、バス、建機等の車両は、コンプレッサ1から送られる圧縮空気を利用してブレーキやサスペンション等のシステムを制御している。このため、エア系統のコンプレッサ1の下流には、圧縮空気中の油水分を除去し、乾燥された空気を提供するためのエアドライヤ2が設けられている。エアドライヤ2内には、乾燥剤が設けられている。エアドライヤ2は、圧縮空気を乾燥剤に通過させて水分や油分を除去するロード運転と、乾燥剤に捕捉された水分や油分を外部に排出することによって乾燥剤を再生するアンロード運転とを行う。エアドライヤ2は、ロード運転によって乾燥した乾燥圧縮空気をシステムタンク4に送出する。システムタンク4は、ブレーキやサスペンション等の各システムに圧縮空気を供給する。システムタンク4の圧力が所定値に達すると、エアドライヤ2の図示しないガバナが駆動することでコントロールエアが導入される。エアドライヤ2は、コントロールエアによってエキゾストバルブ2aが開放されるアンロード運転を行う。エアドライヤ2は、エキゾストバルブ2aが開放されると、圧縮空気が逆流して、水分とともに油分も含まれる空気(パージエア)を排出口2bから送出する。
エア系統のコンプレッサ1の下流には、環境負荷を考慮してオイルセパレータ3が設けられている。特に、オイルセパレータ3は、エアドライヤ2の排出口2bにエアドライヤ接続ホース20を介して接続され、エアドライヤ2内の乾燥剤を再生する際に排出されるパージエアから油水分を分離して回収する。
オイルセパレータ3は、衝突方式で気液分離するオイルセパレータである。オイルセパレータ3の筐体3a内には、油水分を含んだパージエアが衝突する複数の衝突材3bが設けられている。この衝突方式のオイルセパレータ3は、油水分を含んだパージエアを衝突材3bに衝突させてパージエアから油水分を分離し、排出口3dから清浄エアを排出する。パージエアから分離された油水分を含む液体を以下ではドレンと記載する。オイルセパレータ3には、分離したドレンを溜めるドレン溜め部3cが設けられている。
オイルセパレータ3は、回収されたドレンの量がドレン溜め部3cの容積に達すると、ドレンの回収ができなくなる。そこで、オイルセパレータ3は、油を利用する外部装置に還元する。さらに、オイルセパレータ3では、ドレン溜め部3cに溜まったドレンを加熱することで水分を蒸発させて、ドレンに含まれる水分の割合を減らしている。オイルセパレータ3は、ドレン溜め部3cから外部装置にドレンを送出する。
エンジン6は、ディーゼルエンジンである。このため、エンジン6の排気管6aには、排気に含まれる微粒子を捕集する排気浄化装置7が設けられている。排気浄化装置7には、微粒子を捕集するディーゼル微粒子捕集フィルター7aと、排気の温度を上昇させる燃焼部7bとが設けられている。燃焼部7bは、燃料を燃焼させることで排気の温度を上昇させる。燃焼部7bにおいて温度が上昇された排気は、微粒子を酸化させてディーゼル微粒子捕集フィルター7aから取り除く。
オイルセパレータ3のドレン溜め部3cは、排気浄化装置7の燃焼部7bとドレン供給ホース30を介して接続されている。ドレン溜め部3cに溜まったドレンは、排気浄化装置7の燃焼部7bに供給される。燃焼部7bは、供給されたドレンを燃料として使用して、ドレンを燃焼させて排気の温度を上昇させる。ドレン供給ホース30には、逆流を防ぐチェックバルブ30aが設けられている。ドレン溜め部3cに溜まったドレンは、加熱装置としての圧縮空気供給ホース10によって加熱される。圧縮空気供給ホース10は、オイルセパレータ3の筐体3aを巻回し、熱がオイルセパレータ3の筐体3aに伝達されるようになっている。圧縮空気供給ホース10には、コンプレッサ1によって圧縮された圧縮空気が通過する。圧縮によって加熱された圧縮空気から熱がオイルセパレータ3の筐体3aに伝達されて、ドレン溜め部3cのドレンを加熱する。その結果、ドレンに含まれる水分の蒸発が促される。
次に、図1を参照して、上記のように構成されたオイルセパレータの作用について説明する。
図1に示されるように、コンプレッサ1は、エンジン6の駆動によって圧縮空気を発生させて、エアドライヤ2に圧縮空気を送出する。エアドライヤ2は、コンプレッサ1から導入された圧縮空気を乾燥剤に通過させて、圧縮空気に含まれる水分や油分を除去するロード運転を行い、乾燥圧縮空気をシステムタンク4に送出する。システムタンク4は、各システムに圧縮空気を供給する。一方、エアドライヤ2は、システムタンク4の圧力が所定値に達すると、ガバナによってコントロールエアが導入されて、乾燥剤を再生させるアンロード運転を行い、圧縮空気を逆流させて、排出口2bから水分とともに油分も含まれるパージエアを送出する。オイルセパレータ3の排出口2bから送出されたパージエアは、エアドライヤ接続ホース20を介してオイルセパレータ3に導入される。
オイルセパレータ3は、油水分を含んだパージエアが導入されると、筐体3a内に設けられた衝突材3bにパージエアが衝突することでパージエアから油水分を分離する。パージエアから油水分が分離された清浄エアは、排出口3dから排出される。一方、パージエアから分離された油水分は、ドレン溜め部3cにドレンとして回収される。ドレン溜め部3cは圧縮空気供給ホース10によって巻回されて加熱されているので、ドレン溜め部3cに溜まったドレンは圧縮空気供給ホース10によって加熱される。
そして、オイルセパレータ3のドレン溜め部3cに溜まったドレンは、ドレン供給ホース30によって排気浄化装置7の燃焼部7bに供給される。燃焼部7bは、ドレンを燃料として使用して燃焼させ、排気の温度を上昇させる。
このように、オイルセパレータ3のドレン溜め部3cに溜まったドレンを圧縮空気によって加熱することで、水分量を減らしたドレンを外部装置である排気浄化装置7の燃焼部7bに供給する。よって、オイルセパレータ3が分離して溜めたドレンの回収作業の回数を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)オイルセパレータ3のドレン溜め部3cに溜まったドレンを、油を利用する排気浄化装置7の燃焼部7bに送出することで、オイルセパレータ3が分離して溜めたドレンの回収作業の回数を抑制することができる。また、排気浄化装置7の燃焼部7bに用いる燃料を抑制することができ、燃費を改善することができる。
(2)オイルセパレータ3のドレン溜め部3cに溜まったドレンを加熱するので、ドレンから水分を蒸発させて、水分の割合を減らしたドレンを排気浄化装置7の燃焼部7bに供給することができる。
(3)コンプレッサ1を備えた車両に搭載されたオイルセパレータ3であれば、コンプレッサ1で生成される圧縮空気が通過する圧縮空気供給ホース10をオイルセパレータ3まで引き込めばよいので、新たな加熱装置を装着する必要がなく、圧縮空気が有する熱を有効活用することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもができる。
・上記実施形態では、圧縮空気によってドレン溜め部3cのドレンを加熱させたが、エンジン6を冷却して加熱された冷却水によってドレン溜め部3cのドレンを加熱させてもよい。
・上記実施形態において、電熱ヒータ等の他の加熱装置をドレン溜め部3cに設けてもよい。
・図2に示されるように、排気浄化装置7の燃焼部7bの燃料としてドレン溜め部3cのドレンだけでなく、燃料タンク9からも燃料を混合して供給してもよい。すなわち、燃料タンク9に接続された燃料供給ホース90をドレン供給ホース30に接続する。さらに、混合された燃料の状態を検出する検出センサ91を設け、燃料の状態に応じて燃料タンク9からの燃料の供給量を制御バルブ92によって制御してもよい。なお、検出センサ91は、例えば水分センサを採用してもよい。このような構成によれば、ドレンと燃料用の燃料である油とを混合することで、排気浄化装置7の燃焼部7bに供給されるドレンに含まれる油分の割合を高めることができ、燃焼効率を高めることができる。
1…コンプレッサ、2…エアドライヤ、2a…エキゾストバルブ、2b…排出口、3…オイルセパレータ、3a…筐体、3b…衝突材、3c…ドレン溜め部、3d…排出口、4…システムタンク、6…エンジン、6a…排気管、7…排気浄化装置、7a…ディーゼル微粒子捕集フィルター、7b…燃焼部、9…燃料タンク、10…圧縮空気供給ホース、20…エアドライヤ供給ホース、30…ドレン供給ホース、30a…チェックバルブ、90…燃料供給ホース、91…検出センサ、92…制御バルブ。

Claims (3)

  1. 筐体と前記筐体内に設けられた衝突材とを備え、油分を含む空気を前記筐体内に導入して前記衝突材に衝突させることによって、導入された空気から油分を分離してドレン溜め部に回収するオイルセパレータにおいて、
    オイルセパレータは、ディーゼルエンジンが搭載された車両に設置され、
    前記ドレン溜め部の排出口と、前記ディーゼルエンジンの排気に含まれる微粒子を捕集する排気浄化装置に設けられる燃焼部とが接続され、前記ドレン溜め部に溜まったドレンを前記排気浄化装置の燃焼部に供給する
    ことを特徴とするオイルセパレータ。
  2. 請求項1に記載のオイルセパレータにおいて、
    前記ドレン溜め部に溜まったドレンを加熱する加熱装置を備える
    ことを特徴とするオイルセパレータ。
  3. 前記排気浄化装置の燃焼部に供給するドレンを燃焼用の燃料と混合して供給する
    請求項1又は2に記載のオイルセパレータ。
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