JP6345397B2 - 制御装置及び方法並びにプログラム、それを備えた空気調和装置 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、デマンド指令に対して抑制制御を行うことにより、使用電力の総和が指令電力値以下となるように設定電流値を調整してデマンド制御することが記載されている。
本発明は、電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機を制御し、使用電力を調整する空気調和装置の制御装置であって、前記デマンド指令信号を取得し、デマンド制御が有効とされた場合に、所定期間において、前記空気調和装置の室内機又は室外機に設定される定格周波数より小さい範囲で前記圧縮機を制御し、過去の前記所定期間における最大電力値に対する第1補正係数、過去の前記所定期間における電力量に対する第2補正係数、及び前記デマンド指令信号に基づく要求電力値に対する第3補正係数のうち、少なくともいずれか1つの補正係数を選定し、選定した補正係数によって前記空気調和装置の使用電力を調整する制御手段を具備する空気調和装置の制御装置を提供する。
これにより、最大電力値、所定期間内の電力量、及びデマンド指令信号に基づく要求電力値の少なくともいずれか1つを補正することにより、使用電力を抑制できるので、所定期間内で空気調和装置を使用できる期間が延長され、ユーザの快適性が向上される。また、定格周波数を超えない範囲で空気調和装置が制御される。
定格周波数に補正をかけることにより、電力を定格入力以下に確実に調整することができる。
これにより、電力のデマンド指令信号が入力された場合には、所定期間内で、かつ、デマンド指令信号に基づく要求電力値内の電力量で空気調和装置が制御されるので、空気調和装置はデマンド指令信号に応じた制御ができる。また、グリッド単位によって使用可能電力量を演算することにより、電力量演算が簡便となり、グリッド数を可視化することにより管理者の把握もしやすくなる。なお、本発明においては、使用した電力量を面積で扱うにあたり、単位時間当たりの使用電力量をグリッド単位で減算しているので、実際に使用している電力量と比較して多めに電力量の面積を減算することとなり、安全側に制御している。
上記空気調和装置の制御装置において、前記第2補正係数は、各前記グリッドの電力値に対する補正係数とすることが好ましい。
各グリッドの電力値に補正をかけることにより、電力量を確実に調整することができる。
CPUのクロック及びメモリの空き容量を考慮してグリッドの分割数を決定するので、CPU及びメモリのスペックに応じた処理を行わせることができる。
図1は、本実施形態における空気調和装置1の概略構成図である。本実施形態に係る空気調和装置1は、豪州規格AS4755.3.1−2008(通称:DRED(Demand Response Enabling Device)、以下「DRED規格」という)に適用させる場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されない。
室外機2は、圧縮機5、室外DRED基板6、図示しないインダクタ、電子膨張弁コイル、室外ファン、四方弁コイル、吐出管センサ、外温センサ、熱交センサ等を備えて構成されている。
室外DRED基板6は、DRED信号入力用インターフェースの役割を果たす。
DRED規格によるデマンド指令信号(デマンド管理要求)は、電力会社から送信される信号であり、圧縮機5を複数段階で回転数制御する。圧縮機5の回転数制御の制御モードは、DRM(Demand Response Mode)1、DRM2、DRM3であり、DRM1は、圧縮機5の運転停止指令とされている。DRM2は、使用電力を制限することにより圧縮機5の回転数を制御する指令であり、ユニット入力値を定格入力値の50%以下に抑える、又はDRED規格に対応させる制御期間中である所定期間(30分間)の電力量を[定格入力×0.5×0.5〔h〕]以下に抑えることとされている。
また、DRED規格においては、デマンド制御が有効(オン状態)とされている場合には、定格入力を超えてはならないという制約がある。以下、本実施形態に係る空気調和装置1が、DRED規格に適用可能に制御されていることを「DRED対応制御」という。
制御装置4は、電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機5を制御し、使用電力を調整する。具体的には、制御装置4は、グリッド数決定部(グリッド数決定手段)41と、電力決定部(電力決定手段)42と、制御部(制御手段)43と、を具備している。
なお、ユニット保護制御中とは、例えば、ユニット起動直後に低冷風、高温風を確保するため、或いは、暖房時の四方弁切換えを可能にするための高低圧間の差圧を確保する低負荷始動制御中を指す。
以下に、電力決定部42による電力制御値の決定方法について数式を用いて具体的に説明する。
[W]a=(CTa+α)×Va×Pf ・・・(ア)
入力電圧を検出できないユニットの場合は、図3に示されるように圧縮機5の回転数とインバータ効率〔%〕との関係から(イ)式により消費電力が導かれる。
[W]a=インバータ消費電力/(インバータ効率/100) ・・・(イ)
ただし、a=0であり、ユニット保護制御中の場合は[DRM2]0´=[DRM2]×A2×2、または[DRM3]0´=[DRM3]×A2×4/3とし、ユニット保護制御中以外では、[DRM2]0´=[DRM2]×A2、または[DRM3]0´=[DRM3]×A2とする。
つまり、ユニット保護制御中の場合は定格入力を上限とした電力制限運転を実施し、ユニット保護制御中以外の場合は、デマンド指令信号で制限された電力での運転を実施する。
[DRM2]×A2×0.1×(na−1)<[W]a≦[DRM2]×A2×0.1×na ・・・(ウ)
または
[DRM3]×A2×0.1×(na−1)<[W]a≦[DRM3]×A2×0.1×na ・・・(エ)
ユニット保護制御中の場合は[DRM2]a´≦[DRM2]×A2×2、または[DRM3]a´≦[DRM3]×A2×4/3とし、ユニット保護制御中以外では、[DRM2]a´=[DRM2]×A2、または[DRM3]a´=[DRM3]×A2とする。
[DRM2]1´=[DRM2]×A2×0.1×(18000−n0)
または
[DRM3]1´=[DRM3]×A2×0.1×(18000−n0)
a=2の場合は、
[DRM2]2´=[DRM2]×A2×0.1×(18000−n0−n1)
または
[DRM3]2´=[DRM3]×A2×0.1×(18000−n0−n1)
・・・
a=1799の場合は、
[DRM2]1799´=[DRM2]×A2×0.1×(18000−n0−n1・・・−n1798)
または
[DRM3]1799´=[DRM3]×A2×0.1×(18000−n0−n1・・・−n1798)
とする。
なお、時間とnxの添え字との関係は、図4に示される通りである。
このように、ユニット保護制御中の場合は定格入力以下の値での運転となるような電力制御値とし、ユニット保護制御中以外の場合は、デマンド指令信号で制限された電力以下の値での運転となるような電力制御値とする。
(1)圧縮機5は、DRED対応制御中においては、保護制御を有効とする。
(2)下記(ケ)式が成立した場合、圧縮機5を即時停止にする。本実施形態においては、残グリッド数が10より小さくなった時点で圧縮機5を停止することとして説明するが、残グリッド数はこれに限定されない。
室外機2は、DRM1をオン状態とするデマンド指令信号を取得した場合を開始条件としてDRED対応のDRM1制御を開始し、DRM1をオフ状態とするデマンド指令信号を取得した場合を解除条件としてDRED対応のDRM1制御を解除する。制御モードDRM1が開始された場合には、室外機2は圧縮機5を即時停止させる。また、DRM1をオン状態とするデマンド指令信号を取得した場合には、室外機2は室内機3の室内コントローラ(図示略)へデマンド制御中である旨を通知する信号を送信する。
室外機2は、DRM2(または、DRM3)をオン状態とするデマンド指令信号を取得した場合を開始条件としてDRED対応のDRM2制御(または、DRM3制御)を開始し、DRM2(または、DRM3)をオフ状態とするデマンド指令信号を取得した場合を解除条件としてDRED対応のDRM2制御(または、DRM3制御)を解除する。
(i)圧縮機5の回転数Ncompの値を+1〔rps〕し、その回転数を10秒間保持して運転する。
(ii)圧縮機5の回転数Ncompがファジー演算などにより決定される圧縮機5への指令回転数Ninvとなるまで、上記(i)を繰り返す。
(iii)回転数が圧縮機5への指令回転数Ninvとなったときに解除運転を終了する。或いは、wが[W]a≧[DRM2]a´、または[W]a≧[DRM3]a´となる[制御値]以上となった場合は、上記表1及びその段落に記載の内容に従い、解除運転を終了する。
(iv)圧縮機5への指令回転数Ninvによる圧縮機5の回転数指令が、本制御による回転数以下となったとき
(v)デマンド制御の制御モードDRMのモードが変更されたとき
本実施形態においては、実測結果として、電力量実測結果が592.6〔Wh〕、30分間の電力量スペック対比が100.9〔%〕、最大電力実測結果が2314〔W〕、最大電力スペック対比98.5〔%〕とする。
ここで、最大電力目標値は、最大電力スペック×95%以下、30分間電力量の目標値は、30分間の電力量スペック×100%以下とする。
図5に示されるように、DRM2(2)においては、ユニット電力〔W〕は、DRM2制御開始から所定期間30〔分〕よりも手前の29.5〔分〕のタイミングで0になっている。
このように、DRM2(2)の終了後に、DRM2(2)の実測結果に基づいて補正係数を算出し、以降のDRM2の制御に算出した補正係数を用いることにより、空気調和装置1が所定期間30分間、運転が継続できる仕様となり、空気調和装置の延命につながる。
空気調和装置1の始動制御(保護制御)、制御モードDRM2に対応するデマンド対応制御がなされ、前回(過去)の所定期間(30分)の最大電力値、前回(過去)の所定期間の電力量、前回(過去)のデマンド指令信号に基づく要求電力値の情報が取得される。最大電力及び所定期間内の電力量のスペックの情報と前回値とに基づいて、前回の所定期間における最大電力値に対する第1補正係数A1、前回の所定期間における電力量に対する第2補正係数A2、及びデマンド指令信号に基づく要求電力値に対する第3補正係数A3が算出される。第1補正係数A1、第2補正係数A2、及び第3係数A3のうち、少なくともいずれか1つの補正係数が選定され、選定された補正係数によって対応するパラメータが補正され、補正後の制御値によって空気調和装置1の使用電力が調整される。
これにより、最大電力値、所定期間内の電力量、及びデマンド指令信号に基づく要求電力値の少なくともいずれか1つを補正することにより所定期間内で空気調和装置を使用できる期間を延長できるので、ユーザの快適性が向上される。また、定格周波数を超えない範囲で空気調和装置1が制御される。
これにより、デマンド指令信号が入力された場合には、所定期間内で、かつ、デマンド指令信号に基づく要求電力値内の電力量で空気調和装置1が制御されるので、空気調和装置1はデマンド指令信号に応じた制御ができる。また、グリッド数によって使用可能電力量を演算することにより、電力量演算を簡便に電力量制限ができ、グリッド数を可視化することもできる。なお、本実施形態においては、使用した電力量を面積で扱うにあたり、単位時間当たりの使用電力量をグリッド単位で減算しているので、実際に使用している電力量と比較して多めに電力量の面積を減算することとなり、安全側に制御している。
以下、本発明の参考実施形態について説明する。本参考実施形態に係る空気調和装置は、残り使用可能電力に基づいて電力目標を随時算出する点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、図1、図6及び図7を用いて異なる点について主に説明する。
〔参考実施形態の変形例〕
参考実施形態の変形例においては、現在の電力消費の実績に応じ、グリッド数の余剰が推定される場合には、制限値(例えば、制御モードがDRM2であれば[DRM2]の値)を超えて電力消費できるようにする点で上記と異なる。即ち、図7に示されるように、制限値[DRM2]としていたものを、所定期間のうち残りの使用可能な電力量を残り時間で除算した結果が制限値[DRM2]よりも大きくなった場合には、上限値を引き上げ、電力をできるだけ使用可能にする。具体的には、制御部43は、単位時間毎(例えば、毎秒)に残りの電力を残り時間で平均化して新たな制限値として算出する。
このように新たな制限値B´を用いることにより、グリッド数の余剰が推定される場合であっても制限値[DRM2]を継続して使用する場合と比較して、多くの電力を使用した運転が可能となるので、デマンド制限される電力量を守った上で、要求負荷に近い能力を出すことができ、空気調和装置1の運転を第1の実施形態より長くすることができるので、さらなる快適性の向上に繋がる。
2 室外機
3 室内機
4 制御装置
5 圧縮機
41 グリッド数決定部(グリッド数決定手段)
42 電力決定部(電力決定手段)
43 制御部(制御手段)
Claims (8)
- 電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機を制御し、使用電力を調整する空気調和装置の制御装置であって、
前記デマンド指令信号を取得し、デマンド制御が有効とされた場合に、所定期間において、前記空気調和装置の室内機又は室外機に設定される定格周波数より小さい範囲で前記圧縮機を制御し、過去の前記所定期間における最大電力値に対する第1補正係数、過去の前記所定期間における電力量に対する第2補正係数、及び前記デマンド指令信号に基づく要求電力値に対する第3補正係数のうち、少なくともいずれか1つの補正係数を選定し、選定した補正係数によって前記空気調和装置の使用電力を調整する制御手段を具備する空気調和装置の制御装置。 - 前記第1補正係数は、定格周波数に対する補正係数とする請求項1に記載の空気調和装置の制御装置。
- 前記所定期間と、前記デマンド指令信号に基づく要求電力値を分割する単位時間当たりのグリッド数とに基づいて、前記所定期間内で使用できる電力量を示す全グリッド数を決定するグリッド数決定手段と、
前記全グリッド数から、単位時間毎に使用した電力に相当するグリッド数を減算した残グリッド数から算出される前記所定期間のうち残り期間における使用可能電力に基づいて電力制御値を決定する電力決定手段とを具備し、
前記制御手段は、前記電力制御値に基づいて、前記圧縮機を制御する請求項1または請求項2に記載の空気調和装置の制御装置。 - 前記第2補正係数は、各前記グリッドの電力値に対する補正係数とする請求項3に記載の空気調和装置の制御装置。
- 前記室内機又は前記室外機はCPU及びメモリを具備し、
前記CPUのクロック及び前記メモリの空き容量に基づいて前記全グリッド数が決定される請求項3または請求項4に記載の空気調和装置の制御装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の制御装置を具備する空気調和装置。
- 電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機を制御し、使用電力を調整する空気調和装置の制御方法であって、
前記デマンド指令信号を取得し、デマンド制御が有効とされた場合に、所定期間において、前記空気調和装置の室内機又は室外機に設定される定格周波数より小さい範囲で前記圧縮機を制御し、過去の前記所定期間における最大電力値に対する第1補正係数、過去の前記所定期間における電力量に対する第2補正係数、及び前記デマンド指令信号に基づく要求電力値に対する第3補正係数のうち、少なくともいずれか1つの補正係数を選定し、選定した補正係数によって前記空気調和装置の使用電力を調整する過程を有する空気調和装置の制御方法。 - 電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機を制御し、使用電力を調整する空気調和装置の制御プログラムであって、
前記デマンド指令信号を取得し、デマンド制御が有効とされた場合に、所定期間において、前記空気調和装置の室内機又は室外機に設定される定格周波数より小さい範囲で前記圧縮機を制御し、過去の前記所定期間における最大電力値に対する第1補正係数、過去の前記所定期間における電力量に対する第2補正係数、及び前記デマンド指令信号に基づく要求電力値に対する第3補正係数のうち、少なくともいずれか1つの補正係数を選定し、選定した補正係数によって前記空気調和装置の使用電力を調整する処理をコンピュータに実行させるための空気調和装置の制御プログラム。
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