JP6090928B2 - 制御装置及び方法並びにプログラム、それを備えた空気調和装置 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、デマンド指令に対して抑制制御を行うことにより、使用電力の総和が指令電力値以下となるように設定電流値を調整してデマンド制御することが記載されている。
本発明は、電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機を制御し、使用電力を調整する空気調和装置の制御装置であって、前記デマンド指令信号を取得し、デマンド制御が有効とされた場合に、前記デマンド指令信号に基づく要求電力や電力量を満たすように、前記空気調和装置の室内機又は室外機に設定される定格周波数より小さい周波数で前記圧縮機を制御する制御手段と、所定期間と、前記デマンド指令信号に基づく要求電力値を分割する単位時間当たりのグリッド数とに基づいて、前記所定期間内で使用できる電力量を示す全グリッド数を決定するグリッド数決定手段と、前記全グリッド数から、単位時間毎に使用した電力に相当するグリッド数を減算した残グリッド数から算出される前記所定期間のうち残り期間における使用可能電力に基づいて電力制御値を決定する電力決定手段とを具備し、前記制御手段は、前記電力制御値に基づいて、前記圧縮機を制御する空気調和装置の制御装置を提供する。
これにより、定格周波数を超えない範囲で空気調和装置を制御することができる。
これにより、電力のデマンド指令信号が入力された場合には、所定期間内で、かつ、デマンド指令信号に基づく要求電力値内の電力量で空気調和装置が制御されるので、空気調和装置はデマンド指令信号に応じた制御ができる。また、グリッド単位によって使用可能電力量を演算することにより、電力量演算が簡便となり、グリッド数を可視化することにより管理者の把握もしやすくなる。なお、本発明においては、使用した電力量を面積で扱うにあたり、単位時間当たりの使用電力量をグリッド単位で減算しているので、実際に使用している電力量と比較して多めに電力量の面積を減算することとなり、安全側に制御している。
これにより、残グリッド数に応じて圧縮機を確実に停止することができる。
制御手段による圧縮機制御よりも、保護制御を優先させることにより、圧縮機の高低圧間の差圧を確実に確保することができる。
室内機又は室外機が有するCPUのクロック及びメモリの空き容量を考慮してグリッドの分割数を決定するので、CPU及びメモリ等のスペック以上の処理が設定されることがなく、CPU及びメモリ等のスペックに応じた処理を行わせることができる。
室外機2は、圧縮機5、室外DRED基板6、図示しないインダクタ、電子膨張弁コイル、室外ファン、四方弁コイル、吐出管センサ、外温センサ、熱交センサ等を備えて構成されている。
室外DRED基板6は、DRED信号入力用インターフェースの役割を果たす。
DRED規格によるデマンド指令信号(デマンド管理要求)は、電力会社から送信される信号であり、圧縮機5を複数段階で回転数制御する。圧縮機5の回転数制御の制御モードは、DRM(Demand Response Mode)1、DRM2、DRM3であり、DRM1は、圧縮機5の運転停止指令とされている。DRM2は、使用電力を制限することにより圧縮機5の回転数を制御する指令であり、ユニット入力値を定格入力値の50%以下に抑える、又はDRED規格に対応させる制御期間中である所定期間(30分間)の電力量を[定格入力×0.5×0.5〔h〕]以下に抑えることとされている。
また、DRED規格においては、デマンド制御が有効(オン状態)とされている場合には、定格入力を超えてはならないという制約がある。以下、本実施形態に係る空気調和装置1が、DRED規格に適用可能に制御されていることを「DRED対応制御」という。
制御装置4は、電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機5を制御し、使用電力を調整する。具体的には、制御装置4は、グリッド数決定部(グリッド数決定手段)41と、電力決定部(電力決定手段)42と、制御部(制御手段)43と、を具備している。
なお、ユニット保護制御中とは、例えば、ユニット起動直後に低冷風、高温風を確保するため、或いは、暖房時の四方弁切換えを可能にするための高低圧間の差圧を確保する低負荷始動制御中を指す。
以下に、電力決定部42による電力制御値の決定方法について数式を用いて具体的に説明する。
[W]a=(CTa+α)×Va×Pf ・・・(ア)
入力電圧を検出できない場合は、図3に示されるように圧縮機5の回転数とインバータ効率〔%〕との関係から(イ)式により消費電力が導かれる。
[W]a=インバータ消費電力/(インバータ効率/100) ・・・(イ)
ただし、a=0であり、ユニット保護制御中の場合は[DRM2]0´=[DRM2]×A2×2、または[DRM3]0´=[DRM3]×A2×4/3とし、ユニット保護制御中以外では、[DRM2]0´=[DRM2]×A2、または[DRM3]0´=[DRM3]×A2とする。
つまり、ユニット保護制御中の場合は定格入力を上限とした電力制限運転を実施し、ユニット保護制御中以外の場合は、デマンド指令信号で制限された電力での運転を実施する。
[DRM2]×A2×0.1×(na−1)<[W]a≦[DRM2]×A2×0.1×na ・・・(ウ)
または
[DRM3]×A2×0.1×(na−1)<[W]a≦[DRM3]×A2×0.1×na ・・・(エ)
ユニット保護制御中の場合は[DRM2]a´≦[DRM2]×A2×2、または[DRM3]a´≦[DRM3]×A2×4/3とし、ユニット保護制御中以外では、[DRM2]a´=[DRM2]×A2、または[DRM3]a´=[DRM3]×A2とする。
[DRM2]1´=[DRM2]×A2×0.1×(18000−n0)
または
[DRM3]1´=[DRM3]×A2×0.1×(18000−n0)
a=2の場合は、
[DRM2]2´=[DRM2]×A2×0.1×(18000−n0−n1)
または
[DRM3]2´=[DRM3]×A2×0.1×(18000−n0−n1)
・・・
a=1799の場合は、
[DRM2]1799´=[DRM2]×A2×0.1×(18000−n0−n1・・・−n1798)
または
[DRM3]1799´=[DRM3]×A2×0.1×(18000−n0−n1・・・−n1798)
とする。
なお、時間とnxの添え字との関係は、図4に示される通りである。
このように、ユニット保護制御中の場合は定格入力以下の値での運転となるような電力制御値とし、ユニット保護制御中以外の場合は、デマンド指令信号で制限された電力以下の値での運転となるような電力制御値とする。
(1)圧縮機5は、DRED対応制御中においては、保護制御を有効とする。
(2)下記(ケ)式が成立した場合、圧縮機5を即時停止にする。本実施形態においては、残グリッド数が10より小さくなった時点で圧縮機5を停止することとして説明するが、残グリッド数はこれに限定されない。
室外機2は、DRM1をオン状態とするデマンド指令信号を取得した場合を開始条件としてDRED対応のDRM1制御を開始し、DRM1をオフ状態とするデマンド指令信号を取得した場合を解除条件としてDRED対応のDRM1制御を解除する。制御モードDRM1が開始された場合には、室外機2は圧縮機5を即時停止させる。また、DRM1をオン状態とするデマンド指令信号を取得した場合には、室外機2は室内機3の室内コントローラ(図示略)へデマンド制御中である旨を通知する信号を送信する。
室外機2は、DRM2(または、DRM3)をオン状態とするデマンド指令信号を取得した場合を開始条件としてDRED対応のDRM2制御(または、DRM3制御)を開始し、DRM2(または、DRM3)をオフ状態とするデマンド指令信号を取得した場合を解除条件としてDRED対応のDRM2制御(または、DRM3制御)を解除する。
(i)圧縮機5の回転数Ncompの値を+1〔rps〕し、その回転数を10秒間保持して運転する。
(ii)圧縮機5の回転数Ncompがファジー演算などにより決定される圧縮機5への指令回転数Ninvとなるまで、上記(i)を繰り返す。
(iii)回転数が圧縮機5への指令回転数Ninvとなったときに解除運転を終了する。或いは、wが[W]a≧[DRM2]a´、または[W]a≧[DRM3]a´となる[制御値]以上となった場合は、上記表1及びその段落に記載の内容に従い、解除運転を終了する。
(iv)圧縮機5への指令回転数Ninvによる圧縮機5の回転数指令が、本制御による回転数以下となったとき
(v)デマンド制御の制御モードDRMのモードが変更されたとき
図5の時刻t0において、空気調和装置1が起動され、室内機3に設定される定格周波数より小さい周波数で圧縮機5が制御され、起動時などの高低圧間の差圧を確保するための所定時間(例えば、5分間)は定格入力を上限とした運転が実施される(保護制御)。
保護制御の期間(保護制御の終了が検知されない期間)中においては、電力の上限値が定格入力とされて、圧縮機5が制御される。また、単位時間(例えば、1秒)毎に使用された電力量が上記分割されたグリッド単位で減算され、単位時間経過毎に残グリッド数が算出される。
図5の時刻t1において、保護制御の終了が検出されると、DRM2の制御モードとするDRED規格のデマンド制御信号が取得され、DRM2の制御モードが有効とされ、電力の上限値が[DRM2]とされ、上限値[DRM2]以下の消費電力となるように圧縮機5が制御される。
図5の時刻t2において、残グリッド数が10グリッド以下であると検出された場合には、圧縮機5を停止させる。これにより、所定期間(1800秒)以内であっても、圧縮機5を停止させ、強制的に消費電力をゼロにさせることにより、DRED規格によって規定される30分間における消費電力量を超えることがなく、DRED規格に準拠させることができる。
図7に示されるように、本実施形態におけるグリッドは消費電力量を示しているが、グリッドの面積は、実際に使用される圧縮機5の消費電力量を示す面積(図7の斜線部)よりも大きくなっている(白い余白部分がある)。つまり、全グリッド数から使用したグリッド数を減算して、使用可能電力量を算出することは、安全側に算出できることを意味する。
これにより、デマンド指令信号が入力された場合には、所定期間内で、かつ、デマンド指令信号に基づく要求電力値内の電力量で空気調和装置1が制御されるので、空気調和装置1はデマンド指令信号に応じた制御ができる。また、グリッド数によって使用可能電力量を簡易的に演算することにより、簡便に電力量制限ができ、グリッド数を可視化することもできる。なお、本実施形態においては、使用した電力量を面積で扱うにあたり、単位時間当たりの使用電力量をグリッド単位で減算しているので、実際に使用している電力量と比較して多めに電力量の面積を減算することとなり(図7参照)、安全側に制御している。
2 室外機
3 室内機
4 制御装置
5 圧縮機
41 グリッド数決定部(グリッド数決定手段)
42 電力決定部(電力決定手段)
43 制御部(制御手段)
Claims (7)
- 電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機を制御し、使用電力を調整する空気調和装置の制御装置であって、
前記デマンド指令信号を取得し、デマンド制御が有効とされた場合に、前記デマンド指令信号に基づく要求電力や電力量を満たすように、前記空気調和装置の室内機又は室外機に設定される定格周波数より小さい周波数で前記圧縮機を制御する制御手段と、
所定期間と、前記デマンド指令信号に基づく要求電力値を分割する単位時間当たりのグリッド数とに基づいて、前記所定期間内で使用できる電力量を示す全グリッド数を決定するグリッド数決定手段と、
前記全グリッド数から、単位時間毎に使用した電力に相当するグリッド数を減算した残グリッド数から算出される前記所定期間のうち残り期間における使用可能電力に基づいて電力制御値を決定する電力決定手段とを具備し、
前記制御手段は、前記電力制御値に基づいて、前記圧縮機を制御する空気調和装置の制御装置。 - 前記制御手段は、前記残グリッド数が所定値以下になった場合には、前記圧縮機を停止
させる請求項1に記載の空気調和装置の制御装置。 - 前記圧縮機の回転数を引き上げる保護制御中は定格入力を上限とした電力制限運転を実
施する請求項1または請求項2に記載の空気調和装置の制御装置。 - 前記室内機又は前記室外機はCPU及びメモリを具備し、
前記CPUのクロック及び前記メモリの空き容量に基づいて前記全グリッド数が決定される請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気調和装置の制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の制御装置を具備した空気調和装置。
- 電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機を制御し、使用電力を調整する空気調和装置の制御方法であって、
前記デマンド指令信号を取得し、デマンド制御が有効とされた場合に、前記デマンド指令信号に基づく要求電力や電力量を満たすように、前記空気調和装置の室内機又は室外機に設定される定格周波数より小さい周波数で前記圧縮機を制御する過程と、
所定期間と、前記デマンド指令信号に基づく要求電力値を分割する単位時間当たりのグリッド数とに基づいて、前記所定期間内で使用できる電力量を示す全グリッド数を決定する過程と、
前記全グリッド数から、単位時間毎に使用した電力に相当するグリッド数を減算した残グリッド数から算出される前記所定期間のうち残り期間における使用可能電力に基づいて電力制御値を決定する過程と、
前記電力制御値に基づいて、前記圧縮機を制御する過程と
を有する空気調和装置の制御方法。 - 電力のデマンド指令信号に基づいて圧縮機を制御し、使用電力を調整する空気調和装置の制御プログラムであって、
前記デマンド指令信号を取得し、デマンド制御が有効とされた場合に、前記デマンド指令信号に基づく要求電力や電力量を満たすように、前記空気調和装置の室内機又は室外機に設定される定格周波数より小さい周波数で前記圧縮機を制御する処理と、
所定期間と、前記デマンド指令信号に基づく要求電力値を分割する単位時間当たりのグリッド数とに基づいて、前記所定期間内で使用できる電力量を示す全グリッド数を決定する処理と、
前記全グリッド数から、単位時間毎に使用した電力に相当するグリッド数を減算した残グリッド数から算出される前記所定期間のうち残り期間における使用可能電力に基づいて電力制御値を決定する処理と、
前記電力制御値に基づいて、前記圧縮機を制御する処理と
をコンピュータに実行させるための空気調和装置の制御プログラム。
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