JP2007028873A - デマンド制御システム - Google Patents

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Atsuya Oyabu
敦也 大藪
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Abstract


【課題】 目標とする電力使用量の削減率を確実に達成できるデマンド制御システムを提供することにある。
【解決手段】 使用電力量が上限電力量を超える場合には、制御部6は室内の温度変化に基づき、室内の温度が停止温度に到達する停止予定時刻t1を算出する。次いで、この停止予定時刻t1と予め入力された目標削減率に基づいて、空調機2の実際の停止時刻t2を決定する。この決定に基づき、制御部6は空調機2に運転停止時刻t1の指示を与え、停止時刻t2に到達するとコンプレッサーの運転を停止させる。このように本実施形態によれば、制御運転中の空調機2におけるコンプレッサーの稼働時間が、通常運転時と比較して、停止時刻t1を停止予定時刻t2よりも早めた分だけ確実に削減されることとなる。このため、目標とする電力使用量の削減率を確実に達成できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デマンド制御システムに関する。
現在の日本の電気料金のうち基本料金は、過去1年間で最も使用電力量の多い月の使用電力量を基準として決められている。すなわち、使用電力量を30分単位で計量し、平均電力量(需用電力=デマンド)を求める。そして、この30分毎の需用電力の過去1年間での最大値(最大需用電力)を算定基準としてその年の基本料金が決定される。
このため、家庭やオフィス等で比較的電力を多く消費し、特に夏場の電力ピークの原因となる空調機に着目して、電力使用量を抑制するシステム(デマンド制御システム)が提案されてきている(例えば特許文献1参照)。このものは、単位時間毎の使用電力量を予測し、その予測値があらかじめ設定した電力量を超えた場合に空調機の運転を制御することで、使用電力量を抑えようとするものである。
特開平10−309037号公報
しかし、上記のようなデマンド制御システムは、使用電力量の予測値が設定電力量を超えた場合に、単に所定時間空調機の運転を止めることで、使用電力量の削減を図ろうとするものである。
すなわち、図4に示すように、例えば通常の運転時(図中点線で示す)には、空調機のコンプレッサーが稼動して室温が下がり、所定の停止温度となったところで停止する。そして室温が所定の起動温度まで上昇したところでコンプレッサーが再び稼動を始める。これを繰り返して室温を調整する。一方、使用電力量の予測値が設定電力量を超えた場合には、空調機の稼動途中で強制的にコンプレッサーを一時停止状態とし、稼働時間を減らすことで使用電力量を削減しようとする(制御運転;図中実線で示す)。この一時停止の時間は、例えば使用電力量の目標削減率20%の場合には3分間、というように、目標削減率に応じて決定されている。
ここで、制御運転時には強制的に一時停止した分だけ空調機の稼働時間が少なくなっているはずであるから、一見、使用電力量が削減されているように思われる。しかし、一時停止をしている間に室温はわずかながら上昇しているため、停止温度に達するまでに空調機は余分に稼動しなければならない。すなわち、一時停止をした分だけ、室温を維持するために必要な電力量を先送りしているにすぎない。したがって、数サイクル分を合算してみれば通常運転時と制御運転時とで稼働時間が変わっていないこととなり、電力の削減がどれだけ達成できているのか分かりにくいという問題があった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、目標とする電力使用量の削減率を確実に達成できるデマンド制御システムを提供することにある。
上記の課題を解決するための請求項1の発明に係るデマンド制御システムは、空調機の使用電力を計測する電力計からの信号に基づいて所定時間毎の使用電力量を算出する電力量処理手段と、前記所定時間内の使用電力量が予め定められた上限電力量を超えたときに使用電力量の削減指示を出力する削減指示手段と、前記削減指示手段からの指示に従って前記空調機の運転−停止サイクルの制御を行う運転制御手段とを備えた空調機のデマンド制御システムであって、前記運転制御手段が、前記空調機の運転中における室温の変化に基づいて前記室温が所定の停止温度に達する停止予定時刻を算出するとともに予め定められた目標削減率に基づいて算出された時間だけ前記空調機の運転を前記停止予定時刻よりも早めて停止させる停止時刻調整手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、デマンド制御システムには停止時刻調整手段が備えられており、空調機の運転中における室温の変化に基づいて室温が所定の停止温度に達する停止予定時刻を算出するとともに、予め定められた目標削減率に基づいて算出された時間だけ空調機の運転を停止予定時刻よりも早めて停止させるようになっている。
このような構成によれば、制御運転中は空調機の稼働時間が、通常運転時と比較して、停止時刻を停止予定時刻よりも早めた分だけ確実に削減されることとなる。このため、空調機の使用電力量を確実に削減することができる。また、停止時刻は目標削減率に基づいて算出され、空調機の稼働時間がこの目標削減率に対応した時間だけ削減されるから、目標とする電力使用量の削減率を確実に達成できる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態のデマンド制御システム1のブロック図を図1に示した。このデマンド制御システム1は、空調機2の使用電力量を制御するものである。
空調機2には、この空調機2の使用電力量を測定するための電力計3と、この空調機2が設置されている部屋の温度を測定するための温度センサ4と、これら電力計3および温度センサ4による計測結果に基づいて空調機2の運転を制御するデマンドコントローラ5とが接続されている。
デマンドコントローラ5には、制御部6(本発明の電力量処理手段、削減指示手段、運転制御手段、および停止時刻調整手段に該当する)、記憶部7および入力部8から構成されている。制御部6は、予め書き込まれているデマンド制御プログラムによって空調機2の運転制御を行う。また、記憶部7には、予め入力部8から入力された上限電力量、および使用電力量を削減する制御運転時における電力の目標削減率が記憶されている。
次に、上記のように構成されたデマンド制御システム1の動作について述べる。図2には、デマンド制御プログラムによるデマンド制御の手順を示すフローチャートを示した。
デマンド制御をスタートすると、制御部6は、空調機2に接続された電力計3からの信号を読み取り、運転開始から30分の使用電力量を算出する(ステップS1)。そして、算出された値を予め記憶部7に保存された上限電力量と比較し(ステップS2)、この上限電力量を超えない場合には空調機2の通常運転を継続させる。すなわち、図2に点線で示すように、空調機2は温度センサ4によって室内の温度をモニタリングし、室内の温度が使用者によって設定された設定温度よりも1℃低い温度(停止温度)に到達すると、コンプレッサーの運転を停止する。そして、室内の温度が上昇して空調機2の設定温度よりも1℃高い温度(運転温度)に到達すると、再びコンプレッサーの運転を開始する。これを繰り返して室温の調整を行う。
そして、30分経過後は、システム全体の運転停止指示(ステップS5)がなされない限り、ステップS1に戻って次の30分の使用電力量の算出が行われる。
さて、使用電力量が上限電力量を超える場合には、制御部6は空調機2の使用電力量を削減するため、制御運転に切り替える。まず、温度センサ4からの信号に基づいて室内の温度変化を計測し、室内の温度が設定温度よりも1℃低い温度(停止温度)に到達する停止予定時刻t1を算出する。次いで、この停止予定時刻t1と予め入力された目標削減率に基づいて、空調機2の実際の停止時刻t2を決定する(ステップS3)。例えば、コンプレッサーの運転開始t0から停止予定時刻t1に到達するまでに15分を要しており、かつ、目標削減率が20%であるならば、コンプレッサーの停止時刻t2を停止予定時刻t1よりも3分早めればよい。この決定に基づき、制御部6は空調機2に運転停止時刻t1の指示を与える(ステップS4)。空調機2は制御部6からの指示に従い、停止時刻t2に到達するとコンプレッサーの運転を停止する。そして、室内の温度が上昇して空調機2の設定温度よりも1℃高い温度(運転温度)に到達すると、再びコンプレッサーの運転を開始する。これを繰り返して室温の調整を行う。そして、30分経過後は、上記の通常運転時と同様にステップS1に戻って、次の30分の使用電力量の算出が行われる。
このように本実施形態によれば、制御運転中は空調機2におけるコンプレッサーの稼働時間が、通常運転時と比較して、停止時刻t1を停止予定時刻t2よりも早めた分だけ確実に削減されることとなる。このため、空調機2の使用電力量を確実に削減することができる。また、停止時刻t2は目標削減率に基づいて算出され、コンプレッサーの稼働時間がこの目標削減率に対応した時間だけ削減されるから、目標とする電力使用量の削減率を確実に達成できる。
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記実施形態では、使用電力量の目標削減率を20%としたが、目標削減率は上記実施形態の限りではなく、当日の屋外の気温等に基づいて適宜設定すればよい。また、例えば10%、20%、30%というように複数の削減率を設定しておき、使用電力量の上限電力量からの超過率に基づいて目標削減率が選択されるようにしても良い。
(2)上記実施形態では、1台の空調機2についてのデマンド制御を行ったが、例えばデマンドコントローラを複数の空調機に接続して同時に制御を行っても良い。また、空調機を他の電気機器とともにデマンドコントローラに接続して同時に制御を行っても良い。
本実施形態のデマンド制御システムのブロック図 デマンド制御システムによるデマンド制御の手順を示すフローチャート 通常運転中および制御運転中における室内温度の変化および空調機の稼働時間を示すタイムチャート 従来のデマンド制御システムを使用した場合における通常運転中および制御運転中における室内温度の変化および空調機の稼働時間を示すタイムチャート
符号の説明
1…デマンド制御システム
2…空調機
3…電力計
6…制御部(電力量処理手段、削減指示手段、運転制御手段、および停止時刻調整手段)

Claims (1)

  1. 空調機の使用電力を計測する電力計からの信号に基づいて所定時間毎の使用電力量を算出する電力量処理手段と、
    前記所定時間内の使用電力量が予め定められた上限電力量を超えたときに使用電力量の削減指示を出力する削減指示手段と、
    前記削減指示手段からの指示に従って前記空調機の運転−停止サイクルの制御を行う運転制御手段とを備えた空調機のデマンド制御システムであって、
    前記運転制御手段が、前記空調機の運転中における室温の変化に基づいて前記室温が所定の停止温度に達する停止予定時刻を算出するとともに予め定められた目標削減率に基づいて算出された時間だけ前記空調機の運転を前記停止予定時刻よりも早めて停止させる停止時刻調整手段を備えることを特徴とするデマンド制御システム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008281241A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Toko Electric Corp 空調制御システム
JP2009236408A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Daikin Ind Ltd 空調制御システム
JP2013038887A (ja) * 2011-08-08 2013-02-21 Misawa Homes Co Ltd 情報提供システム
JP2015153349A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 三菱電機株式会社 電力料金最適化システム

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