JP2011200101A - 蓄電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電池以外に夜間に電力を消費する機器があっても、夜間の消費電力が電力容量を超えないように蓄電池を充電できるようにする。
【解決手段】蓄電システム1は、組電池4と、この組電池4へ充電を行う充電モードとこの組電池から放電を行う放電モードとを制御すると共に充電モードを深夜電力の時間帯で行い、当該充電モードは充電開始時には組電池4を予め定めた定電流値に基づく定電流制御で充電を行い充電の終了時には組電池を定電圧制御で充電を行うように制御する制御装置30とを備え、深夜電力の時間帯に作動する蓄電システム1以外の機器の有無を判断する判断部31を設け、機器が作動する際には充電モードで組電池4に充電を行う際の定電流値を機器が作動しない際の値より小さくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の電池モジュールで構成される組電池の充放電を行う蓄電システムに関する。
従来、商用の電力系統に接続される蓄電池を備え、夜間などの予め決められた時間帯に、商用の電力系統から蓄電池に充電を行い、昼間などの特に電力使用量の増加が予想される時間帯を中心に蓄電池を放電させるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−149037号公報
ところで、夜間などの予め定められた時間帯に動作する機器(例えば給湯機)が既に設置された状態で、同じ商用の電力系統に上記のような蓄電池を接続して充電を行うような場合、蓄電池への充電と上記機器とが同時に動作すると多量の電力を必要とし、上記機器の数や規模によっては、使用可能な単位時間当たりの電力容量の上限を超えてしまうことあり、使用可能な電力容量の上限値の変更が必要となって蓄電池システムの導入を難しくする要因となり得る。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、商用電力で蓄電池を充電可能に成す構成において、予め定められた時間帯に上記機器と蓄電池の充電とが重なるような際の不具合を解消することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数の電池モジュールを組み合わせた組電池と、この組電池への充電の開始時には前記組電池を予め定めた定電流値に基づく定電流制御で充電を行い充電の終了付近では前記組電池を定電圧制御で充電を行う充電モード及び前記組電池から放電を行う放電モードとを制御する蓄電システムにおいて、予め定めた時間帯で前記充電モードを開始する際に、前記蓄電システム以外に同じ電力系統に接続されている機器の作動を判断部が判断した時、前記充電モードで組電池に充電を行う際の前記定電流値を前記機器が作動しない際の値より小さくすることを特徴とする。
また、本発明は、上記蓄電システムにおいて、予め定めた時間帯に前記組電池へ充電を行う電流/電力量の充電予定量を前記予め定めた時間帯の期間にほぼ渡って充電を行うに必要な前記充電モードでの定電流制御に用いる定電流値を求め当該定電流値で充電を開始することを特徴とする。
本発明は、上記蓄電システムにおいて、前記充電予定量に対応する充電開始時の定電流制御に用いる定電流値を充電予定量毎に記憶する記憶部を備え、前記充電モードでの充電開始時の前記定電流値を前記充電予定量に基づいて記憶部から読み出すことを特徴とする。
本発明は、上記蓄電システムにおいて、前記記憶部に記憶される定電流値は前記機器の作動の際の電流値との合算値が予め定めた電流値を超えないように設定されていることを特徴とする。
本発明は、上記蓄電システムにおいて、前記機器が作動する予定期間を取得し、この予定期間から前記予め定めた時間帯において前記機器が作動しない時間帯を推定し、この推定された時間帯で前記組電池に充電予定量の充電が可能な場合は前記機器が作動していない時間帯に前記組電池の充電を開始しることを特徴とする。
本発明は、上記蓄電システムにおいて、前記機器が作動する予定期間を取得し、この予定期間から前記予め定めた時間帯において前記機器が作動しない時間帯を推定し、この推定された時間帯で前記組電池に充電予定量の充電が可能でない場合は前記充電モードの充電開始時に前記定電流値を小さくした値を用いて前記組電池への充電を開始することを特徴とする。
本発明は、上記蓄電システムにおいて、前記充電モードの充電開始時は前記充電モードの始まりから所定の時間の間を含むものであることを特徴とする。
本発明は、上記蓄電システムにおいて、前記予め定めた時間帯は夜間の時間帯であることを特徴とする。
本発明によれば、夜間などの特定の時間帯に蓄電システム以外の機器が動作する場合も、夜間の消費電力が所定の電力容量を超えないようにして組電池を充電できる。
本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの構成を示す図である。 充電中の電圧及び電流の変化を示す図表である。 充電パターンとヒートポンプ式給湯装置の運転状態との関係を模式的に示す図である。 制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した第1の実施形態に係る蓄電システム1の構成を示す図である。
この図1に示す蓄電システム1は、電力会社から供給される商用電力系統11と、この商用電力系統11につながる組電池4を備えた蓄電ユニット3と、を備えて構成されている。
商用電力系統11は、図示しない電流制限ブレーカ、逆潮流防止装置等を内蔵した分電盤12を介して、蓄電ユニット3、及び、交流電力で動作するAC負荷13に接続され、蓄電ユニット3とAC負荷13に対して、交流電力を供給する。AC負荷13は、例えば、照明装置、空調装置、オフィス機器、各種家庭用電化製品等である。
蓄電ユニット3は、組電池4と、組電池4を充電する充電器34とを備え、充電器34は、整流回路35を介して商用電力系統11に接続されている。整流回路35は、商用電力系統11の交流電力を直流電力に変換して充電器34に供給し、この直流電力から充電器34は組電池4を充電する。
組電池4は、直列及び/又は並列に相互接続された複数の電池モジュール41と、電池モジュール41の温度や電圧や組電池4の電流を監視するコントローラ42とを内蔵する。電池モジュール41は、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の二次電池モジュールであり、本実施形態ではリチウムイオン二次電池モジュールを用いた場合について説明する。
コントローラ42は、電池モジュール41の温度を検出し、この検出した温度が所定値を上回った場合の充電・放電の停止、直列に接続された複数の電池モジュール41の両端電圧を検出し、検出した電圧値や電流値に基づくRSOC(残容量比率)の算出、これらの測定値やRSOCのデータ等を組電池4に接続される外部制御部への出力等を行う。
組電池4にはDC/ACコンバーター36が接続され、組電池4が放電した直流電力はDC/ACコンバーター36により交流に変換され、AC負荷16へ出力される。また、組電池4には、DC/DCコンバーター37が接続され、このDC/DCコンバーター37を介して、組電池4からの直流電力は所定の電圧の直流電力に変換されてDC負荷14に供給される。DC負荷14としては、直流電力で動作する直流家電などである。
一方、商用電力系統11には、分電盤12を介してヒートポンプ式給湯装置5が接続されている。ヒートポンプ式給湯装置5は、昼間の給湯利用に合わせて夜間の時間帯に湯を沸かして貯湯し、建物の各部に給湯するように構成されている。ヒートポンプ式給湯装置5は、圧縮機51、放熱器52、膨張弁53、蒸発器54からなるヒートポンプサイクル、及び、蒸発器54に設けられたファン55を備えて構成され、圧縮機51から吐出された冷媒は放熱器52において放熱し、膨張弁53により減圧されて蒸発器54に達し、蒸発器54で吸熱して圧縮機51の吸い込み管に戻される。また、ヒートポンプ式給湯装置5は、湯を貯める貯湯槽56と、貯湯槽56内の水または湯を放熱器52に循環供給するポンプ57とを備え、ポンプ57により放熱器52に供給された水または湯は放熱器52の放熱で加熱されて、高温の湯となって貯湯槽56に戻る。貯湯槽56には給水弁58を介して上水道管が貯湯槽56の下部に接続され、市水が供給されるとともに、貯湯槽56内の湯は弁59を備えた給湯口から供給される。
ヒートポンプ式給湯装置5は、圧縮機51を駆動するモーター60の運転/停止、ファン55の運転/停止、ポンプ57の運転/停止、及び、給水弁58の開閉を制御する運転制御部61を備えている。運転制御部61は時計を備え、予め設定された運転時間帯(夜間)に、貯湯運転をする。この運転時間帯は、給湯を要しないと思われる時間帯を中心に設定される。運転制御部61は、モーター60及びファン55を駆動して放熱器52に高温の冷媒を供給する一方、貯湯槽56内の湯温を検出する温度センサー(図示略)及び貯湯槽56内の湯量を検出する湯量センサー(図示略)の検出値に基づいて、給水弁58を適宜開いて貯湯槽56に市水を補給し、ポンプ57を駆動して貯湯槽56内の湯を沸き上げる。
運転制御部61は、設定された貯湯のための運転時間帯の前、または、運転時間帯に達したときに、貯湯槽56内の残湯量と湯温とを検出して、沸き上げが必要な湯量を求め、この湯量を沸き上げるために必要な時間を算出する。そして、運転制御部61は、設定された運転時間帯の終了時刻(例えば、午前7時)に必要量の湯の沸き上げが終了するように、沸き揚げを開始する運転開始時刻を求め、この運転開始時刻に達したときに、ヒートポンプ式給湯装置5の各部を動作させる。つまり、ヒートポンプ式給湯装置5は、貯湯槽56に残っている湯量や湯温、市水の水温等に基づいて、運転開始時刻を調整する一方、運転終了時刻は設定された時刻に固定される。運転制御部61は、外部接続された装置に対し、運転開始時に運転開始信号を出力する機能を備える。
一方、蓄電ユニット3は、組電池4の充放電を制御する制御装置30を備えている。蓄電ユニット3は、電力需要の少ない夜間の時間帯に組電池4を充電する充電モードと、AC負荷13及びDC負荷14の電力需要が増す時間帯を中心に放電する放電モードと、を切り替えて実行する。
制御装置30は、ヒートポンプ式給湯装置5の運転制御部61と信号のやり取りが可能に構成されており、運転制御部61から入力される運転開始信号を検出することでヒートポンプ式給湯装置5が運転中か否かを判断する判断部31と、判断部31が判断したヒートポンプ式給湯装置5の運転開始時刻を記憶する記憶部32と、記憶部32に記憶された複数の運転開始時刻に基づいて組電池4を充電する充電制御部33とを備える。尚、ヒートポンプ式給湯装置5の運転は電流検出器などを用いてその電流の増加から運転中か否かの判断を行うことも可能である。
判断部31は、時計を備え、充電モードにおいて運転制御部61から入力される運転開始信号を監視し、運転開始信号を検出した場合には検出時刻をヒートポンプ式給湯装置5の運転開始時刻として記憶部32に記憶させる。本実施形態では、記憶部32には少なくとも最近7日間以上について、ヒートポンプ式給湯装置5の運転開始時刻が日毎に記憶される。
充電制御部33は、充電モードを開始する際に、組電池4のコントローラ42が出力するRSOCのデータ(残存量)に基づいて組電池4に充電する電力量(電流量)を求めるとともに、記憶部32に記憶された最近7日分の運転開始時刻に基づいて充電器34の出力電流及び電圧のパターンを選択し、選択したパターンに従って組電池4を充電する。
図2は、充電モードで充電器34が出力する電流及び電圧の変化を示す図表であり、図2(A)は組電池4を定格電流で充電する際の充電器34の出力を示し、図2(B)は充電器34の出力電流を定格電流の半分にした場合を示す。図中、曲線Scは電流値の変化を示し、曲線Svは電圧値の変化を示す。
図2(A)に示すように、組電池4の充電は、定電流・定電圧充電制御(CCCV)により行われる。リチウムイオン二次電池の充電中は電流値及び電圧値が既定値を超えないよう管理する必要があるので、充電開始から組電池4の端子電圧が定格電圧の近くに上昇するまでは電流値Scを一定に保つ定電流制御が行われ、組電池4の充電量が増加して組電池4の端子電圧が定格電圧近くまで上昇すると、この電圧値Svが定格既定値を超えないよう一定に保つ定電圧制御に移行する。充電終了は、組電池4の電圧が満充電に相当する定格電圧に至るかコントローラ42が出力するRSOCデータ(充電量)が所定値に達することにより判定される。充電開始後に定電流制御が行われる期間を定電流制御期間t1、定電流制御期間t1の後に定電圧制御が行われる期間を定電圧制御期間t2とする。
充電器34による出力電流の値は充電制御部33からの信号で調整可能であり、図2(A)は充電電流1C(充電時の定格電流)で充電した場合を示し、図2(B)は充電電流0.5Cで充電した場合を示している。0.5Cで充電すると、組電池4に流れる電流が低いため定電流制御期間t1は電流1Cの場合のほぼ2倍(2t1)となる。その一方で定電圧制御期間t2の長さは、1Cの場合と0.5Cの場合でほぼ変わらない。つまり、充電モードでは、充電器34の出力電流値を変化させると、定電流制御期間t1が電流値にほぼ反比例して変化するので、充電モードの電流値と充電時間との相関をもとに電流値及び充電時間を調整できる。
蓄電システム1が充電モードを実行する時間帯には、ヒートポンプ式給湯装置5も貯湯を行うため稼働するので、商用電力系統11からヒートポンプ式給湯装置5の運転用の電力と、組電池4の充電用の電力との両方が供給される。しかし、分電盤12には所定の容量の電流制限ブレーカが内蔵されており、ヒートポンプ式給湯装置5の運転用に流れる電流と組電池4の充電のために流れる電流との和が、分電盤12のブレーカの許容電流(単位時間当たりの電流量)を超えてしまうと電源が遮断されるおそれがある。
そこで、本実施形態の蓄電ユニット3は、充電制御部33の制御により、ヒートポンプ式給湯装置5の運転状態に合わせて充電器34の出力電流を調整し、分電盤12の許容電流値を超えないように組電池4を充電する。
図3は、充電モードにおける電流値の調整の具体例として、3つの充電パターン(1)〜(3)とヒートポンプ式給湯装置5の運転状態とを模式的に示す図である。図の縦軸方向は電流値を示し、商用電力系統11において許容される最大の電流値を破線で示す。図の横軸は時間軸である。
また、図中、Texpは、ヒートポンプ式給湯装置5の運転開始時刻の予測値である。このヒートポンプ式給湯装置5の運転開始予測時刻Texpは、後述するように、充電制御部33が、記憶部32に記憶した最近一週間分のヒートポンプ式給湯装置5の運転開始時刻から求められた予測値である。
充電制御部33は、運転開始予測時刻Texpと、組電池4の充電に要する時間とに基づいて、図3に示す充電パターン(1)〜(3)のいずれかを選択して実行する。
充電パターン(1)では、充電モードの開始時刻(ここでは午後11:00)から充電器34の出力電流を最大にして組電池4を充電する。充電パターン(1)は、ヒートポンプ式給湯装置5の運転開始予測時刻Texpより前に組電池4の充電を完了できる場合に行われる。運転開始予測時刻Texpは予測値であるため、蓄電システム1は30分のマージンを見込んでいる。このため、組電池4の充電が運転開始予測時刻Texpの30分以上前に終了する場合に、充電パターン(1)が選択される。
充電パターン(2)では、充電モードの開始時刻に充電器34の出力電流を最大にして充電を開始し、運転開始予測時刻Texpの30分前からは、充電器34の出力電流を低下させて、引き続き充電を行う。低下後の充電器34の出力電流は、ヒートポンプ式給湯装置5に流れる電流値と合算しても分電盤12の許容電流を超えない電流量であり、かつ、その電流量で充電モードの終了時刻まで充電を行えば組電池4の充電を完了できる電流量である。この電流量は、予め設定され、記憶部32に記憶されていてもよいし、充電モードの開始時に組電池4の充電量に基づいて充電制御部33が算出してもよい。
充電パターン(2)は、ヒートポンプ式給湯装置5の運転開始予測時刻Texpの30分以上前に組電池4の充電を済ませることができないが、運転開始予測時刻Texpの前30分以内または運転開始予測時刻Texpと同時に充電を完了できる場合に実行される。
充電パターン(3)では、充電モードの開始時刻から充電器34の出力電流を低い値にして充電する。充電パターン(3)は、ヒートポンプ式給湯装置5の運転開始予測時刻Texpが算出できない場合、及び、ヒートポンプ式給湯装置5の運転開始予測時刻Texpと同時またはそれ以前に組電池4の充電を済ませることができない場合に実行される。充電器34の出力電流は、充電パターン(2)の出力低下後と同様、ヒートポンプ式給湯装置5に流れる電流値と合算しても分電盤12の許容電流を超えない電流量であり、かつ、その電流量で充電モードの終了時刻まで充電を行えば組電池4の充電を完了できる電流量である。
ところで、充電パターン(1)及び(2)における充電開始後の定電流制御期間t1における最大電流値、および、充電パターン(3)における充電開始後の定電流制御期間t1における電流値は、一つの固定的な値が予め記憶部32に記憶されている値としてもよいが、制御装置30が充電モードの開始時に組電池4の充電予定量に基づいて決定することも可能である。この場合、充電制御部33は、組電池4の電池モジュール41が出力するRSOCのデータに基づいて組電池4を充電するための充電予定量を算出し、この充電予定量を充電するための電流値を求める。充電予定量から最大電流値を求める方法としては、予め、充電予定量と、これに対応する最大電流値との組を、記憶部32に複数組記憶しておき、充電モードの開始時に充電制御部33が記憶部32から最も近い充電予定量を選択し、この充電予定量に対応する最大電流値を取得する方法が挙げられる。この場合、充電予定量すなわち組電池4の残量に最適な最大電流値を容易に設定できる。また、組電池4の残量に最適な条件で充電を行えるので、組電池4の容量に対し100%の充電をせず、余裕を持った量を充電することで組電池4の長寿命化を図ることもできる。
図4は、制御装置30の動作を示すフローチャートである。
制御装置30が有する判断部31は、ヒートポンプ式給湯装置5の運転制御部61から入力される運転開始信号を監視し(ステップS1)、運転開始信号を検出した場合は(ステップS1;Yes)、検出時刻を運転開始時刻Tsとして記憶部32に記憶し(ステップS2)、ステップS3に移行する。また、運転開始信号を検出しなかった場合はそのままステップS3に移行する。なお、運転開始信号の検出は、このステップS1、S2の後も充電モード中は常時行い、運転開始信号を検出した場合は運転開始時刻を記憶部32に記憶する。
ステップS3では、制御装置30の充電制御部33が、記憶部32に運転開始時刻Tsが一週間分(7日間分)以上記憶されているか否かを判別する。ここで、記憶部32に記憶された運転開始時刻Tsが一週間分に満たない場合、或いは、運転開始時刻Tsが記憶部32に記憶されていない場合(ステップS3;No)、充電制御部33は充電パターン(3)(図3)を選択して、充電器34の出力電流を設定された最小値にして充電を実行し(ステップS4)、充電が完了したら本処理を終了する。
一方、記憶部32に運転開始時刻Tsが一週間分(7日間分)以上記憶されていた場合(ステップS3;Yes)、充電制御部33の機能は、記憶部32に記憶された運転開始時刻Tsに基づいて、その日のヒートポンプ式給湯装置5の運転開始時刻を予測する演算を行って、運転開始予測時刻Texpを算出する(ステップS5)。運転開始予測時刻Texpの算出は、例えば、最近一週間分の運転開始時刻Tsの平均を求める演算、標準偏差を求める演算、最小二乗法等の近似演算などにより行われる。この運転開始予測時刻Texpを求めることにより、充電モードの時間帯においてヒートポンプ式給湯装置5が作動しない期間が明らかになる。
続いて充電制御部33は、充電器34の出力電流を最大、すなわち分電盤12の許容電流値とほぼ同じ値にしたと仮定した場合の、組電池4の充電が終了する充電終了時刻Tcを算出する(ステップS6)。
ここで、充電制御部33は、その日の運転開始時刻Tsが充電終了時刻Tcより後か否かを判別し(ステップS7)、運転開始時刻Tsが充電終了時刻Tc以前である場合は(ステップS7;No)ステップS4に移行して充電器34の出力電流を設定された最小値にして充電を実行し、充電が完了したら本処理を終了する。
また、その日の運転開始時刻Tsが充電終了時刻Tcより後である場合(ステップS7;Yes)、充電制御部33は、算出した運転開始予測時刻Texpと充電終了時刻Tcとを比較し(ステップS8)、運転開始予測時刻Texpが充電終了時刻Tcより30分以上後であるか否かを判別する(ステップS9)。
ここで、運転開始予測時刻Texpが充電終了時刻Tcより30分以上後である場合(ステップS9;Yes)、充電制御部33は、充電パターン(1)(図3)を選択して、充電器34の出力電流を最大にして充電を実行し(ステップS10)、充電が完了したら本処理を終了する。
また、運転開始予測時刻Texpが充電終了時刻Tcの30分以上後でない場合(ステップS9;No)、充電制御部33は、さらに、運転開始予測時刻Texpが、「充電終了時刻Tcと同時または充電終了時刻Tcの後30分以内」に該当するか否かを判別する(ステップS11)。ここで、運転開始予測時刻Texpが、「充電終了時刻Tcと同時または充電終了時刻Tcの後30分以内」に該当する場合(ステップS11;Yes)、充電制御部33は充電パターン(2)(図3)を選択して、充電器34の出力電流を最大にして充電を開始し、運転開始予測時刻Texpの30分前に充電器34の出力電流を最小値に切り替えて充電し(ステップS12)、充電が完了したら本処理を終了する。
一方、運転開始予測時刻Texpが、「充電終了時刻Tcと同時または充電終了時刻Tcの後30分以内」に該当しない場合、すなわち、運転開始予測時刻Texpが充電終了時刻Tcより前である場合には(ステップS11;No)、充電制御部33はステップS4に移行して充電パターン(3)で組電池4を充電する。
以上のように、本発明を適用した第1の実施形態に係る蓄電システム1によれば、複数の電池モジュール41を組み合わせ充放電可能に構成した組電池4と、この組電池4へ充電を行う充電モードとこの組電池4から放電を行う放電モードとを制御すると共に充電モードを深夜電力の時間帯または時間帯別電力契約に基づく夜間時間帯で行い、当該充電モードは充電開始時には組電池4を予め定めた定電流値に基づく定電流制御で充電を行い充電の終了時には組電池4を定電圧制御で充電を行うように制御する制御装置30とを備えた蓄電システム1において、深夜電力の時間帯または時間帯別電力契約に基づく夜間時間帯に作動するヒートポンプ式給湯装置5の有無を判断する判断部31を設け、ヒートポンプ式給湯装置5が作動する際には充電モードで組電池4に充電を行う際の定電流値をヒートポンプ式給湯装置5が作動しない際の値より小さくするので、組電池4の充電に要する電流とヒートポンプ式給湯装置5を作動させる電流との総和が分電盤12の許容電流を超えないように、夜間の安価な電力を利用して組電池4を充電できる。
また、制御装置30は、充電モードの際に組電池4へ充電を行う電流及び/又は電力量の充電予定量に基づいて、充電モードの期間にほぼ渡って組電池4への充電を行った際に充電予定量の充電を成すに要する組電池4への充電開始時の定電流制御に用いる定電流値を求め、当該定電流値を充電器34から出力させて充電を開始するので、充電の電流量を抑えながら、充電モードを実行する夜間または深夜の時間帯に組電池4を確実に充電できる。
さらに、制御装置30は、充電予定量に対応する充電開始時の定電流制御に用いる定電流値を充電予定量毎に複数予め求めて記憶する記憶部32を備え、充電モードでの充電開始時の定電流値を充電予定量に基づいて定めるので、充電予定量すなわち組電池4の残量に合わせて最適な最大電流値を容易に設定できる。
また、記憶部32に記憶される定電流値はヒートポンプ式給湯装置5の作動の際の電流値との合算値が予め定めた電流値を超えないように設定されているので、制限された電流値を超えないように、ヒートポンプ式給湯装置5の作動中に組電池4を充電できる。
また、制御装置30は、記憶部32に記憶されたヒートポンプ式給湯装置5の運転開始時刻Tsに基づいて、ヒートポンプ式給湯装置5が作動する予定期間(時間帯)を取得し、この予定期間から充電モードの期間におけるヒートポンプ式給湯装置5が作動しない時間帯を推定し、この推定された時間帯で組電池4に充電予定量の充電が可能な場合はヒートポンプ式給湯装置5の作動が開始する前に組電池4の充電を開始し、推定された時間帯で組電池4に充電予定量の充電が可能でない場合は充電モードの充電開始時に定電流値を小さくした値を用いて組電池4への充電を開始するので、ヒートポンプ式給湯装置5の作動状態に合わせて、組電池4の充電時の定電流値を適切に設定できる。このため、組電池4の充電を短時間で効率よく終えることができ、分電盤12の許容電流を超えないように組電池4を充電できる。
さらに、充電モードの充電開始時は充電モードの始まりから所定の時間の間を含むものであり、設定された充電モードの開始時刻(例えば、午後11時など)に限らず、開始時刻を過ぎた時間帯において、定電流制御の定電流値の決定等の動作を行ってもよい。
[第2の実施形態]
図5は、本発明を適用した第2の実施形態に係る制御装置30の動作を示すフローチャートである。
この第2の実施形態では、上記第1の実施形態で説明した蓄電システム1において、ヒートポンプ式給湯装置5が備える運転制御部61が、ヒートポンプ式給湯装置5の運転開始予定時刻を示すデータを、制御装置30に出力する構成となっている。
すなわち、ヒートポンプ式給湯装置5の運転制御部61は、設定された運転時間帯の前、または、運転時間帯に達したときに、貯湯槽56内の湯量と湯温とを検出して、沸き上げが必要な湯量を求め、この湯量を沸き上げるために必要な時間を算出する。そして、運転制御部61は、設定された運転時間帯の終了時刻に必要量の湯の沸き上げが終了するように、沸き揚げを開始する運転開始時刻を求める。運転制御部61は、求めた運転開始時刻を示すデータを制御装置30に出力し、このデータを制御装置30の判断部31が受信する。制御装置30が受信したデータに基づいて求めるヒートポンプ式給湯装置5の運転開始予定時刻を、運転開始予定時刻Tseとする。
図5に示す動作において、制御装置30は、判断部31の機能によって運転制御部61から入力されたデータに基づいて運転開始予定時刻Tseを取得し(ステップS21)、その後は、上記第1の実施形態で説明したステップS4及びステップS6以後の動作を実行する。この動作においては、運転開始予測時刻Texpに代えて、取得した運転開始予定時刻Tseを用いる。
すなわち、制御装置30は、充電制御部33の機能により、充電器34の出力電流を定格電流値としたと仮定した場合の充電終了時刻Tcを算出し(ステップS6)、取得した運転開始予定時刻Tseと充電終了時刻Tcとを比較し(ステップS8)、運転開始予定時刻Tseが充電終了時刻Tcより30分以上後であるか否かを判別する(ステップS9)。
運転開始予定時刻Tseが充電終了時刻Tcより30分以上後である場合には(ステップS9;Yes)、充電制御部33は充電パターン(1)を選択して充電を実行する(ステップS10)。
また、運転開始予定時刻Tseが充電終了時刻Tcの30分以上後でない場合には(ステップS9;No)、充電制御部33は、運転開始予定時刻Tseが「充電終了時刻Tcと同時または充電終了時刻Tcの後30分以内」に該当するか否かを判別し(ステップS11)、この条件に運転開始予定時刻Tseが該当する場合は充電パターン(2)を選択して充電を実行し(ステップS12)、運転開始予定時刻Tseが上記条件に該当しない場合は充電パターン(3)を選択して組電池4を充電する(ステップS4)。
このように、本発明を適用した第2の実施形態によれば、ヒートポンプ式給湯装置5が運転を開始する運転開始予定時刻Tseを、充電モードの開始時刻または開始時刻の前もしくは後に取得することで、この運転開始予定時刻Tseに基づいて充電開始時の定電流制御における定電流値を適切に設定でき、無駄なく短時間で組電池4を充電できる。
なお、運転制御部61から制御装置30が取得する運転開始予定時刻Tseは予測値ではないため、30分のマージンをより短くすることも可能である。
[第3の実施形態]
図6は、本発明を適用した第3の実施形態に係る制御装置30の動作を示すフローチャートである。
この第3の実施形態では、上記第1の実施形態で説明した蓄電システム1において、ヒートポンプ式給湯装置5が備える運転制御部61が、運転開始信号を出力しない構成、或いは、運転制御部61が出力する運転開始信号を制御装置30が検出できない構成となっている。代わって、商用電力系統11にヒートポンプ式給湯装置5が接続されるライン上には図示しない計器用変流器(CT)が設けられ、この計器用変流器においてヒートポンプ式給湯装置5に供給される電流を検出することにより、ヒートポンプ式給湯装置5の運転開始を検出する。
制御装置30の判断部31は、充電モードまたは充電モードの開始前から、ヒートポンプ式給湯装置5に繋がる電力線に設けられた上記の計器用変流器によりヒートポンプ式給湯装置5に供給される電流を検出し(ステップS31)、電流値が予め設定された所定値を超えるか否かを判別し(ステップS32)、電流値が所定値を超えた場合には(ステップS32;Yes)、その時刻をヒートポンプ式給湯装置5の運転開始時刻Tsとして、記憶部32に記憶させる(ステップS33)。なお、電流値に基づくヒートポンプ式給湯装置5の運転開始の検出は、このステップS31〜S33の後も充電モード中は常時行い、運転開始信号を検出した場合は運転開始時刻を記憶部32に記憶する。
その後、制御装置30は、上記第1の実施形態で説明したステップS3以後の動作を実行する。
すなわち、制御装置30は、充電器34の出力電流を定格電流にしたと仮定した場合の充電終了時刻Tcを算出し(ステップS6)、取得した運転開始予測時刻Texpと充電終了時刻Tcとを比較し(ステップS8)、運転開始予測時刻Texpが充電終了時刻Tcより30分以上後であるか否かを判別する(ステップS9)。
運転開始予測時刻Texpが充電終了時刻Tcより30分以上後である場合には(ステップS9;Yes)、充電制御部33は充電パターン(1)を選択して充電を実行する(ステップS10)。
また、運転開始予測時刻Texpが充電終了時刻Tcの30分以上後でない場合には(ステップS9;No)、充電制御部33は、運転開始予測時刻Texpが「充電終了時刻Tcと同時または充電終了時刻Tcの後30分以内」に該当するか否かを判別し(ステップS11)、この条件に運転開始予測時刻Texpが該当する場合は充電パターン(2)を選択して充電を実行し(ステップS12)、運転開始予測時刻Texpが上記条件に該当しない場合は充電パターン(3)を選択して組電池4を充電する(ステップS4)。
このように、本発明を適用した第3の実施形態によれば、ヒートポンプ式給湯装置5に通電される電流値を検出することでヒートポンプ式給湯装置5の運転開始時刻を求め、求めた運転開始時刻に基づいて運転開始予測時刻Texpを予測し、ヒートポンプ式給湯装置5の動作状態に合わせて充電時の定電流値を調整して組電池4を充電する。これにより、蓄電ユニット3の充電モードの実行時間帯に動作する機器が同じ商用電力系統11に接続され、この機器の動作状態を上記機器から直接取得できない場合であっても、上記機器の動作状態を正確に検出して、商用電力系統11の許容電流を超えないように、組電池4を充電することができる。
以上、第1から第3の各実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記各実施形態は具体的な適用例を示したもので、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、蓄電ユニット3とともに商用電力系統11に接続され、蓄電ユニット3の充電モードの時間帯に作動する機器としてヒートポンプ式給湯装置5を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷暖房用の夜間蓄熱機器等を商用電力系統11に接続した構成としてもよい。また、上記各実施形態では蓄電ユニット3が備える制御装置30により、ヒートポンプ式給湯装置5の運転状態を検出し、組電池4の定電流制御時の定電流値を求め、充電パターンを選択する等の各種処理を行う構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、蓄電ユニット3とは別に蓄電システム1に設けた制御装置によって上記の各種処理を実行してもよく、通信回線を介して蓄電システム1に接続された遠隔制御装置によって上記の各種処理を実行してもよい。さらに、蓄電システム1が設けられた商用電力系統11に、太陽光発電装置やガスエンジンによる発電装置等の発電装置を接続した構成とすることも可能であり、その他の蓄電システム1の細部構成等についても任意に変更可能であることは勿論である。
1 蓄電システム
3 蓄電ユニット
4 組電池
5 ヒートポンプ式給湯装置
11 商用電力系統
12 分電盤
30 制御装置
31 判断部
32 記憶部
33 充電制御部
34 充電器
35 整流回路
41 電池モジュール
42 コントローラ
51 圧縮機
56 貯湯槽
61 運転制御部

Claims (8)

  1. 複数の電池モジュールを組み合わせた組電池と、この組電池への充電の開始時には前記組電池を予め定めた定電流値に基づく定電流制御で充電を行い充電の終了付近では前記組電池を定電圧制御で充電を行う充電モード及び前記組電池から放電を行う放電モードとを制御する蓄電システムにおいて、予め定めた時間帯で前記充電モードを開始する際に、前記蓄電システム以外に同じ電力系統に接続されている機器の作動を判断部が判断した時、前記充電モードで組電池に充電を行う際の前記定電流値を前記機器が作動しない際の値より小さくすることを特徴とする蓄電システム。
  2. 前記予め定めた時間帯に前記組電池へ充電を行う電流/電力量の充電予定量を前記予め定めた時間帯の期間にほぼ渡って充電を行うに必要な前記充電モードでの定電流制御に用いる定電流値を求め当該定電流値で充電を開始することを特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
  3. 前記充電予定量に対応する充電開始時の定電流制御に用いる定電流値を充電予定量毎に記憶する記憶部を備え、前記充電モードでの充電開始時の前記定電流値を前記充電予定量に基づいて記憶部から読み出すことを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の蓄電システム。
  4. 前記記憶部に記憶される定電流値は前記機器の作動の際の電流値との合算値が予め定めた電流値を超えないように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の蓄電システム。
  5. 前記機器が作動する予定期間を取得し、この予定期間から前記予め定めた時間帯において前記機器が作動しない時間帯を推定し、この推定された時間帯で前記組電池に充電予定量の充電が可能な場合は前記機器が作動していない時間帯に前記組電池の充電を開始しることを特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
  6. 前記機器が作動する予定期間を取得し、この予定期間から前記予め定めた時間帯において前記機器が作動しない時間帯を推定し、この推定された時間帯で前記組電池に充電予定量の充電が可能でない場合は前記充電モードの充電開始時に前記定電流値を小さくした値を用いて前記組電池への充電を開始することを特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
  7. 前記充電モードの充電開始時は前記充電モードの始まりから所定の時間の間を含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載の蓄電システム。
  8. 前記予め定めた時間帯は夜間の時間帯であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の蓄電システム。

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