JP6694757B2 - 給湯システム - Google Patents

給湯システム Download PDF

Info

Publication number
JP6694757B2
JP6694757B2 JP2016110408A JP2016110408A JP6694757B2 JP 6694757 B2 JP6694757 B2 JP 6694757B2 JP 2016110408 A JP2016110408 A JP 2016110408A JP 2016110408 A JP2016110408 A JP 2016110408A JP 6694757 B2 JP6694757 B2 JP 6694757B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
hot water
heat
storage tank
supply system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016110408A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017215113A (ja
Inventor
泰平 林
泰平 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rinnai Corp
Original Assignee
Rinnai Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rinnai Corp filed Critical Rinnai Corp
Priority to JP2016110408A priority Critical patent/JP6694757B2/ja
Publication of JP2017215113A publication Critical patent/JP2017215113A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6694757B2 publication Critical patent/JP6694757B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、給湯システムに関する。
蓄熱タンクの水を電気加熱器(例えばヒートポンプ)で加熱し、温水利用箇所での要求温度が蓄熱タンクの水温よりも高い場合には蓄熱タンクの水をガス加熱器で追加熱する給湯システムが知られている(例えば特許文献1)。そのような給湯システムは、電気とガスの双方で水を加熱するのでハイブリッド式給湯システムと呼ばれる場合がある。なお、温水利用箇所での要求温度が蓄熱タンクの水温よりも低い場合には、ガス加熱器を使うことなく、蓄熱タンク内の温水に常温の水を混合して供給する。特許文献1の給湯システムは、さらに太陽光発電装置に接続されており、商用電源の電力と太陽光発電装置の電力のいずれかで電気加熱器を駆動することができる。
一方、近年、建屋内の電気機器の情報(運転状態や消費電力などの情報)を収集するシステムが提案されている(例えば特許文献2)。そのようなシステムは、HEMS(Home Energy Management System)と呼ばれている。特許文献2に開示されたシステムは、ヒートポンプ給湯器その他の電気機器と、太陽光発電装置と、蓄電装置を備えており、それらがHEMSに組み込まれている。電気機器などの情報と、太陽光発電装置と蓄電装置の情報の双方を用いることによって、太陽光発電装置の発電電力と蓄電装置を効率よく運用することで、建屋全体でのエネルギコストが低減される。
特開2014−47944号公報 特開2015−29360号公報
本明細書は、太陽光発電装置及び蓄電装置と接続されているハイブリッド式の給湯システムに関し、ハイブリッド式の給湯システムの特徴を活用し、他の電気機器にも電力を供給する太陽光発電装置の発電電力を有効に使って蓄熱する技術を提供する。なお、以下では、太陽光発電装置と蓄電装置に接続されており、それらの電力で動作する電気機器群を電力消費機器と総称する。
ハイブリッド式の給湯システムでは、蓄熱タンク内の水が目標温度となるように電気加熱器を駆動する。説明の便宜上、そのような処理を「沸き上げ運転」と称する。電気とガスの双方で水を加熱するハイブリッド式の給湯システムでは、電気加熱器による沸き上げ運転で予め蓄熱タンク内の水を加熱しておき、温水利用時にユーザの要求温度が蓄熱タンクの水温よりも高い場合はガス加熱器で水を追加熱して供給する。従ってハイブリッド式の給湯システムでは、沸き上げ運転の目標温度に設定自由度がある。本明細書が開示する技術は、電力消費機器の駆動のため蓄電装置の残電力量を確保しつつ、太陽光発電装置の発電で余剰となる電力を熱エネルギに変換して蓄える給湯システムを提供する。なお、蓄熱タンクに蓄える熱媒は水に限られない。蓄熱タンクに蓄える熱媒が水以外の媒体の場合、蓄熱タンクに蓄えられた熱媒の熱を利用して温水利用箇所に温水を供給する。
本明細書が開示する技術の一つの態様は、次の給湯システムに具現化することができる。給湯システムは、太陽光発電装置と接続されているとともに、太陽光発電装置の発電電力を蓄える蓄電装置と接続されている。その給湯システムは、熱媒を蓄える蓄熱タンクと、電気加熱器と、供給手段と、ガス加熱器と、制御器と、電力データ取得手段を備えている。電気加熱器は、太陽光発電装置又は他の電源から供給される電力で蓄熱タンクの熱媒を加熱することができる。供給手段は、蓄熱タンクに蓄えられた熱媒の熱を利用して温水利用箇所に温水を供給する。ガス加熱器は、蓄熱タンクの熱媒で加熱された水の温度が温水利用箇所で要求される水の温度よりも低い場合、温水利用箇所に到達する前の水を加熱する。制御器は、蓄熱タンクの熱媒が目標温度になるように電気加熱器を駆動する沸き上げ運転を行う。データ取得手段は、蓄電装置の残電力量を取得する。そして、制御器は、電力データ取得手段によって取得された残電力量が蓄電装置の満充電量に等しいとき、残電力量が満充電量に等しいことが検知された時刻に基づいて目標温度を設定して沸き上げ運転を行う。典型的には、制御器は、残電力量が満充電に等しいことが検知された時刻が早いほど高い目標温度を設定する。
時刻が早ければ、太陽光発電装置によるその後の発電量が多くなることが見込まれる。それゆえ、時刻が早いときに高い目標温度を設定して多くの電気エネルギを熱エネルギに変換して蓄えても、その後の太陽光発電装置の発電によって蓄電装置の残電力量の回復が見込める。蓄電装置の残電力量を減らさないようにしつつ余剰の電気エネルギを熱エネルギに変換して蓄えることによって、電力消費機器へ供給可能な電力を蓄電装置に確保しつつ、多くの熱エネルギを蓄えることができる。
本明細書が開示する技術の別の態様は、次の給湯システムに具現化することができる。給湯システムは、太陽光発電装置と接続されているとともに、太陽光発電装置の発電電力を蓄える蓄電装置と接続されている。その給湯システムは、熱媒を蓄える蓄熱タンクと、電気加熱器と、供給手段と、ガス加熱器と、制御器と、電力データ取得手段を備えている。電気加熱器は、太陽光発電装置又は他の電源から供給される電力で蓄熱タンクの熱媒を加熱する。供給手段は、蓄熱タンクに蓄えられた熱媒の熱を利用して温水利用箇所に温水を供給する。ガス加熱手段は、蓄熱タンクの熱媒で加熱された水の温度が温水利用箇所で要求される水の温度よりも低い場合、温水利用箇所に到達する前の水を加熱する。制御器は、蓄熱タンクの熱媒が目標温度になるように電気加熱器を駆動する沸き上げ運転を行う。電力データ取得手段は、蓄電装置の残電力量と、現在時刻から所定時間後までの直近時間帯の太陽光発電装置の予測発電電力と、太陽光発電装置に接続されている電力消費機器の直近時間帯の予測消費電力とを取得する。制御器は、電力データ取得手段によって取得された残電力量が蓄電装置の満充電量に等しく、かつ、直近時間帯で予測発電電力が予測消費電力よりも大きい場合に沸き上げ運転を行う。典型的には、制御器は、直近時間帯における予測発電電力の積分値から直近時間帯における予測消費電力の積分値を減じた余剰電力量が大きいほど高い目標温度を設定して沸き上げ運転を行う。あるいは、制御器は、余剰電力量で沸き上げ運転が完遂するように目標温度を設定して沸き上げ運転を行う。なお、予測発電電力と予測消費電力は単位時間当たりの電力(単位は[W])を意味し、電力量は電力×時間(単位は[Wh])を意味する。
第二の態様の給湯システムは、直近時間帯で蓄電装置の電力を原則使うことなく、太陽光発電装置が発電した電力のうち、他の電力消費機器が消費した残りの電力で沸き上げ運転を行い、電気エネルギを熱エネルギに変換して蓄える。なお、予測発電電力や予測消費電力はあくまでも予測であるので現実の発電電力や消費電力は予測と相違する場合がある。その場合、蓄電装置の電力を使うこともあるが、第二の態様の給湯システムは、概ね、蓄電装置の電力を使うことなく、沸き上げ運転を行うことができる。
上記したいずれの給湯システムも、電力消費機器の駆動のため蓄電装置の残電力量を確保しつつ、太陽光発電装置の発電で余剰となる電力を熱エネルギに変換して蓄えることができる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の給湯システム2のブロック図である。 第1実施例の沸き上げ運転のフローチャートである。 目標温度テーブルの一例である。 HP目標温度決定処理の変形例で用いる目標温度テーブルである。 第2実施例の沸き上げ運転のフローチャートである。 余剰電力量とHP目標温度の関係の一例を示すテーブルである。
(第1実施例)図面を参照して第1実施例の給湯システムを説明する。図1に、第1実施例の給湯システム2のブロック図を示す。給湯システム2は、建屋3に備えられている。建屋3には、給湯システム2のほか、太陽光発電装置4、蓄電装置7、電力管理装置5、電気機器95、分電盤96、DCACコンバータ97などが備えられている。図1で一つの矩形で表している電気機器95は、建屋3に備えられている電気機器の総称であり、例えば、空調装置、テレビ、コンピュータ、冷蔵庫、照明器具などである。
給湯システム2の説明の前に、建屋3の中の電力系統について説明する。建屋3には、太陽光発電装置4が備えられており、電気機器95と給湯システム2は、分電盤96を介して太陽光発電装置4及び蓄電装置7と接続されている。なお、太陽光発電装置4と蓄電装置7は、後述する電力管理装置5を介して給湯システム2及び電気機器95と通信可能に接続されている。
建屋3の給湯システム2と電気機器95は、太陽光発電装置4が生成した電力(蓄電装置7に蓄えられた電力を含む)と、外部の商用電源91から供給される電力のいずれかを使って動作する。以下では、太陽光発電装置4及び蓄電装置7と接続されている機器であって、電力を消費する機器を電力消費機器と総称する場合がある。電力管理装置5と給湯システム2と電気機器95は、電力消費機器に含まれる。
蓄電装置7は、太陽光発電装置4が発電した電力のうち、電力消費機器で使われずに余った電力を蓄える。夜間、あるいは、曇天の日など、太陽光発電装置4の発電能力が低いときには蓄電装置7の電力が電力消費機器に供給される。太陽光発電装置4の発電能力では電力消費機器に十分な電力を供給することができず、蓄電装置7にも十分な残電力量が無い場合、電力消費機器には外部の商用電源91から電力が供給される。商用電源91は、分電盤96を介して建屋3の電力線94に接続されている。
太陽光発電装置4と蓄電装置7はDCACコンバータ(直流−交流変換器)97を介して分電盤96に接続されている。太陽光発電装置4が発電した直流電力、あるいは、蓄電装置7の直流電力は、DCACコンバータ97が交流電力に変換して分電盤96へ供給する。分電盤96によって、DCACコンバータ97から供給される電力(太陽光発電装置4の発電電力、および/または、蓄電装置7の電力)が商用電源91から供給される電力よりも優先的に電力線94へ供給される。DCACコンバータ97から供給される電力では作動中の電力消費機器の電力を賄うのに不十分な場合は、不足分の電力は商用電源91からの電力で補われる。太陽光発電装置4の発電電力が作動中の電力消費機器の電力を上回る場合は、余剰の電力は蓄電装置7に蓄えられる。後述するように、太陽光発電装置4と蓄電装置7とDCACコンバータ97は通信線92によって電力管理装置5と接続されている。電力管理装置5は、太陽光発電装置4の発電量と蓄電装置7の蓄電量をモニタしており、DCACコンバータ97を制御し、作動中の電力消費機器の電力を賄うのに十分な交流電力をDCACコンバータ97から出力させる。太陽光発電装置4の発電電力のうち、DCACコンバータ97で変換されなかった分が蓄電装置7に蓄えられる。太陽光発電装置4の発電電力のうち、余剰の電力は、建屋3の外に伝送する(売電する)ことも有り得る。
電力管理装置5、電気機器95、太陽光発電装置4、蓄電装置7、DCACコンバータ97、給湯システム2(後述する給湯器コントローラ6)は、通信線92(例えば、LAN:Local Area Network)で接続されており、各装置(太陽光発電装置4、蓄電装置7、給湯システム2、電気機器95など)の情報は全て電力管理装置5に送られる。電力管理装置5は、建屋3の外のインターネット93にも接続されている。電力管理装置5は、建屋3の内の各装置の情報や状態、及び、インターネット93を通じて得られる情報に基づいて、建屋3におけるエネルギ効率が高まるように、建屋3の装置を管理する。すなわち、電力管理装置5とそれに接続されている装置は、HEMS(Home Energy Management System)を構成する。なお、後述するように、給湯システム2は、そのコントローラ(給湯器コントローラ6)が電力管理装置5と連携して、太陽光発電装置4の電力と蓄電装置7の電力を有効に使って熱を蓄える。
給湯システム2を説明する。給湯システム2は、給湯器コントローラ6、ヒートポンプ10、蓄熱タンク20、ガス加熱器47を備えている。給湯システム2は、電気式のヒートポンプ10で水を目標温度まで加熱して蓄熱タンク20に蓄える。ユーザの要求温度が蓄熱タンク20の水温よりも高い場合には、蓄熱タンク20の水をガス加熱器47で再加熱して供給する。給湯システム2は、水の加熱に電気とガスの両方を用いるいわゆるハイブリッド式である。
ヒートポンプ10は、外気の熱を利用して蓄熱タンク20の水を加熱する。ヒートポンプ10は、一次熱交換器12、圧縮機13、二次熱交換器14、膨張弁15を備えている。それらの機器は、冷媒流路16によって接続され、上記した機器の間を冷媒が循環するようになっている。一次熱交換器12は、外気の熱で冷媒を加熱する。一次熱交換器12には電動ファン17が備えられており、その電動ファン17が外気をフィンの付いた冷媒流路16へ送る。一次熱交換器12へ流入前の冷媒は液体状であり、一次熱交換器12にて外気の熱を吸収して気化する。圧縮機13は、一次熱交換器12にて気化した冷媒を圧縮する。気体の冷媒は圧縮されることでさらに温度が上昇する。なお、圧縮機13も電動である。二次熱交換器14では、圧縮された高温の冷媒が蓄熱タンク20の水を加熱する。二次熱交換器14にて蓄熱タンク20の水を加熱する間に冷媒は温度が下がり液化する。膨張弁15は、水を加熱した後の冷媒の圧力を下げて冷媒の温度を下げる。冷媒は、例えば自然冷媒R32や二酸化炭素(CO)などである。膨張弁15を通過した冷媒は再び一次熱交換器12にて外気の熱を吸収する。蓄熱タンク20の水は、タンク循環路30を通じて二次熱交換器14へ送られる。電動ファン17と電動の圧縮機13を備えているヒートポンプ10は、電気で蓄熱タンク20の水(熱媒)を加熱する電気式加熱器である。
蓄熱タンク20は、ヒートポンプ10によって加熱された温水を蓄える。蓄熱タンク20は、密閉型であり、断熱材によって外側が覆われている。蓄熱タンク20には満水まで水が貯留されている。蓄熱タンク20の容量は例えば80Lである。蓄熱タンク20には、サーミスタ22a、22b、22c、22dが備えられている。サーミスタ22a〜22dは、蓄熱タンク20の高さ方向に所定間隔で取り付けられている。各サーミスタ22a〜22dは、その取付位置の水の温度を測定する。例えば、各サーミスタ22a、22b、22c、22dは、それぞれ、蓄熱タンクの下から5L、20L、40L、60Lの位置の水の温度を測定する。
タンク循環路30は、上流端が蓄熱タンク20の下部に接続されており、下流端が蓄熱タンク20の上部に接続されている。タンク循環路30には、循環ポンプ36が備えられている。循環ポンプ36は、タンク循環路30の中の水を上流側から下流側に送り出す。また、タンク循環路30は、ヒートポンプ10の二次熱交換器14を通過している。循環ポンプ36とヒートポンプ10を運転すると、蓄熱タンク20の下部の水がヒートポンプ10で加熱され、加熱された水が蓄熱タンク20の上部に戻される。タンク循環路30のうち、ヒートポンプ10の入口側(即ち上流側)と出口側(即ち下流側)には、それぞれ、サーミスタ32、34が備えられている。サーミスタ32は、ヒートポンプ10によって加熱される前の水(すなわち蓄熱タンク20の底部の水)の温度を測定する。サーミスタ34は、ヒートポンプ10によって加熱された後の水の温度を測定する。
水道水導入路40は、上流端が水道水供給源42に接続されている。水道水導入路40の下流側は、第1導入路40aと第2導入路40bに分岐している。第1導入路40aの下流端は、蓄熱タンク20の下部に接続されている。第2導入路40bの下流端は、後述する供給路45の途中に接続されている。第2導入路40bの下流端と供給路45との接続部分には、混合弁44が設けられている。混合弁44は、ユーザが要求する水温が蓄熱タンク20の水温よりも低い場合、供給路45を流れる温水に第2導入路40b内の水を混合し、水温を調整する。蓄熱タンク20の温水が温水利用箇所へ供給される分だけ、第1導入路40aを通じて常温の水が蓄熱タンク20へ供給される。即ち、蓄熱タンク20は常に水で満たされている。
供給路45は、上流端が蓄熱タンク20の上部に接続されている。前述したように、供給路45の途中には、水道水導入路40の第2導入路40bが接続されており、接続部分には混合弁44が設けられている。混合弁44より下流側の供給路45には、ガス加熱器47が備えられている。また、ガス加熱器47より下流側の供給路45には、サーミスタ46が備えられている。サーミスタ46は、温水利用箇所へ供給される温水の温度を測定する。ガス加熱器47は、ユーザが要求する水温が蓄熱タンク20の水温よりも高い場合、供給路45を通る水(温水利用箇所に到達する前の水)を加熱する。別言すれば、ガス加熱器47は、蓄熱タンク20の水温が温水利用箇所で要求されている水温よりも低い場合、蓄熱タンク20から温水利用箇所へ流れる間で水を加熱する。具体的には、ガス加熱器47は、サーミスタ46が測定する水温が給湯設定温度(ユーザの要求温度)と一致するように、供給路45内の水を加熱する。供給路45の下流端は、温水利用箇所(給湯蛇口48や浴槽等)に接続されている。
太陽光発電装置4は、太陽光を受光することによって発電する装置である。太陽光発電装置4が発生した電力は、電力管理装置5の管理のもと、DCACコンバータ97と分電盤96を介して、給湯システム2、及び、電気機器95に供給される。給湯システム2では、給湯器コントローラ6、ヒートポンプ10のファン17や圧縮機13などが電力を使う。太陽光発電装置4が発生した電力のうち、給湯システム2と電気機器95で使われずに余った電力は蓄電装置7に蓄えられる。
次に、給湯システム2の動作について説明する。先に述べたように、本実施例の給湯システム2は、電気式のヒートポンプ10を使って水を目標温度(HP目標温度)まで加熱して蓄熱タンク20に蓄える。給湯器コントローラ6は、所定の条件が成立したときに、蓄熱タンク20の中の水の所定量がHP目標温度となるようにヒートポンプ10を運転する。「所定の条件」の例は、(1)予め定められた時刻になったとき、(2)蓄熱タンク20の上部の水温(最上位のサーミスタ22dの計測温度)がHP目標温度よりも低くなったとき、(3)蓄電装置7の残電力量が満充電量に等しくなったとき、である。蓄熱タンク20の中の水がHP目標温度になるようにヒートポンプ10を運転することを「沸き上げ運転」と称する。
上記した(1)の「予め定められた時刻」には、例えば、温水を多く使う時間帯の1−2時間前が設定されている。給湯器コントローラ6は、毎日の温水の利用履歴を記憶し、過去の利用履歴から温水が大量に使われる時間帯を特定する。給湯器コントローラ6は、特定した時間帯の1〜2時間前を、沸き上げ運転の開始時刻として設定する。多くの家庭では、起床時から朝食の時間帯、及び、夕食後の入浴時間帯が、温水が大量に使われる時間帯となる。
上記した(3)の「蓄電装置7の残電力量が満充電量に等しくなったとき」の沸き上げ運転について説明する。この沸き上げ運転は、蓄電装置7が満充電のときに、太陽光発電装置4の発電電力を使って行われる。これは、蓄電装置7が満充電であり、それ以上に電力を蓄えることができないときに、太陽光発電装置4の発電電力を無駄にしないために行われる。
(3)の沸き上げ運転のフローチャートを図2に示す。給湯器コントローラ6は、定期的(例えば30分毎)に、図2の処理を実行する。先に述べたように、給湯器コントローラ6は、通信線92により電力管理装置5と通信する。給湯器コントローラ6は、電力管理装置5から、蓄電装置7の残電力量を取得する(S2)。なお、給湯器コントローラ6は、予め電力管理装置5から、蓄電装置7の満充電量の値も取得している。
次に、給湯器コントローラ6は、取得した残電力量が、蓄電装置7の満充電量に等しいか否かをチェックする(S3)。給湯器コントローラ6は、残電力量が満充電量に満たないときは(S3:NO)、図2の処理を終了する。一方、給湯器コントローラ6は、残電力量が満充電量に等しい場合(S3:YES)、ステップS4に進み、現在時刻が16時前か否かをチェックする(S4)。なお、ステップS3の残電力量が満充電量に等しいか否かの判断において、満充電量に等しいとみなす所定の許容値(クリアランス)が設定されている。例えば、給湯器コントローラ6は、残電力量が満充電量の95%以上の場合に残電力量が満充電量に等しいと判断する。
ステップS4において、現在時刻が16時以後であるときには、給湯器コントローラ6は処理を終了する。16時以後では、沸き上げ運転に十分な電力を太陽光発電で得られない可能性が高いからである。現在時刻が16時前の場合(S4:YES)、給湯器コントローラ6は、沸き上げ運転の準備として、次のステップS5でHP目標温度を決定する。
ステップS5において、給湯器コントローラ6は、予め記憶されている目標温度テーブルを参照し、HP目標温度を決定する。目標温度テーブルの一例を図3に示す。現在時刻が12時前の場合、給湯器コントローラ6は、HP目標温度に65[℃]を設定する。現在時刻が12時から14時の間の場合、給湯器コントローラ6は、HP目標温度に55[℃]を設定する。現在時刻が14時から16時の間の場合、給湯器コントローラ6は、HP目標温度に45[℃]を設定する。
図3のテーブルに示されているように、HP目標温度には、蓄電装置7の残電力量が満充電量に等しいことが検知された時刻が早いほど高い温度が設定されている。これは、時刻が早ければ、その時刻以降、太陽光発電装置4に多くの発電量が期待できるからである。すなわち、給湯システム2は、残電力量が満充電量に等しくなった時刻が早いほど、その後に多くの発電量が見込めるので、高いHP目標温度を設定して多くの電気エネルギを熱エネルギに変換して蓄える。
給湯器コントローラ6は、蓄熱タンク20の下部の水温(最下位のサーミスタ22aの計測温度)が、ステップS5で決定したHP目標温度と同じかそれ以上の場合(S6:YES)、HP目標温度を、蓄熱タンク20の下部の水温よりも高い温度に引き上げる(S7)。蓄熱タンク20の下部の水温がステップS5で決定したHP目標温度以上の場合であっても余剰電力を熱に変換して蓄えるため、HP目標温度を引き上げ、沸き上げ運転を行えるようにする。
次に給湯器コントローラ6は、ヒートポンプ10の運転を開始する(S8)。即ち、給湯システム2は沸き上げ運転を開始する。給湯器コントローラ6は、ヒートポンプ10の入口側の水温(サーミスタ32の計測温度)がHP目標温度と同じかそれ以上となるまで沸き上げ運転を続ける(S9:NO)。給湯器コントローラ6は、ヒートポンプ10の入口側の水温がHP目標温度と同じかそれ以上となったら、ヒートポンプ10を停止する(S10)。即ち、給湯器コントローラ6は、沸き上げ運転を終了する。ステップS10の判断がYESとなったとき、蓄熱タンク20の水の全量がHP目標温度になっている。
以上の処理により、蓄熱タンク20にHP目標温度の水が貯えられる。上記の処理は、蓄電装置7が満充電状態のときに実施される。上記の処理では、沸き上げ運転に蓄電装置7の電力を使う必要がない(あるいは、ほとんど使わない)。沸き上げ運転を行っている間でも、蓄電装置7の電力で他の電力消費機器を駆動することができ、商用電源91の電力を使わずに済む。給湯システム2は、蓄電装置7の残電力量が満充電量に等しいことが検出された時刻が早いほど、高いHP目標温度を設定して沸き上げ運転を行う。給湯システム2は、その後の日照時間が長く、発電量が多いことが見込めるときには高いHP目標温度を設定し、多くの電気エネルギを熱エネルギに変換して蓄える。
図2のフローチャートの処理に従って沸き上げ運転を実行している間も、電力管理装置5は、給湯システム2を含め、電力消費機器の状態をモニタし、電力線94へ供給する電力を調整する。沸き上げ運転の実行中、他の電力消費機器(例えばエアコンなど)が起動され、電力消費機器の総消費電力が一時的に増大すると、電力管理装置5はDCACコンバータ97の出力を高める。その結果、蓄電装置7の電力も電力線94に供給される可能性がある。その場合、沸き上げ運転中に蓄電装置7の残電力が減ることになる。しかし、実施例の給湯システム2では、沸き上げ運転中に蓄電装置7の蓄電量が一時的に低下しても、以下で説明するように、その後の太陽光発電装置4の発電により、蓄電装置7の残電力量を回復できる。その結果、沸き上げ運転後に商用電源91の電力を使う可能性を低減できる。その一方で、給湯システム2は、沸き上げ運転により、電気エネルギを熱エネルギに替えて蓄える。給湯システム2は、建屋3の総エネルギ効率を高めることができる。給湯システム2は、電力消費機器の駆動のため蓄電装置7の残電力量を確保しつつ、太陽光発電装置4の発電で余剰となる電力を熱エネルギに変換して蓄えることができる。
図2の沸き上げ運転では、残電力量が満充電量に等しくなった時刻が早ければ高いHP目標温度が設定され、給湯システム2の消費電力は大きくなる。逆に、残電力量が満充電量に等しくなった時刻が遅ければ低いHP目標温度が設定され、給湯システム2の消費電力は低く抑えられる。建屋3の総消費電力が一時的に増大しても、図2の沸き上げ運転の処理では、沸き上げ運転後の日照時間が長く、多くの発電量が期待できる時間帯ではHP目標温度を高く設定する。逆に、沸き上げ運転後の日照時間が短く、多くの発電量が期待できない時間帯ではHP目標温度を低く設定する。それゆえ、沸き上げ運転中に蓄電装置7の電力を使うことになっても、沸き上げ運転終了後の太陽光発電装置4の発電により、蓄電装置7の残電力量を回復でき、商用電源91の電力を使う可能性を低減できる。
図2のフローチャートにおいて、ステップS5のHP目標温度の決定手順の変形例を説明する。実施例では、給湯器コントローラ6は、残電力量が満充電量に等しいことが検知された時刻と図3のテーブルに基づいてHP目標温度を決定した。変形例では、給湯器コントローラ6は、残電力量が満充電量に等しいことが検知された時刻と、そのときの蓄熱タンク20の下部の水温と、図4のテーブルに基づいてHP目標温度を決定する。図4のテーブルにおける加算温度(+20[℃]、+15[℃]、+10[℃])は、蓄熱タンク20の下部の水温に加算する温度を意味する。即ち、この変形例では、残電力量が満充電量に等しいことが検知された際、図4のテーブルに記されている加算温度を、蓄熱タンク20の下部の水温に加算した温度をHP目標温度に設定する。加算温度は、残電力量が満充電量に等しいことが検知された時刻が早いほど、大きい値に設定されている。図4のテーブルに基づいた手順によっても、残電力量が満充電量に等しいことが検知された時刻が早いほど高いHP目標温度が設定される。この変形例を採用すると、図2のフローチャートにおけるステップS6、S7の処理が不要となる。
(第2実施例)次に第2実施例の給湯システムを説明する。なお、第2実施例の給湯システムのハードウエア構成は第1実施例の給湯システム2と同じである。即ち、第2実施例の給湯システムの構成は、図1のブロック図で示される。第2実施例の給湯システムは、給湯器コントローラ6が実行する処理が第1実施例の場合と異なる。また、第2実施例の給湯システムの場合、電力管理装置5は、蓄電装置7の残電力量に加え、現在時刻から所定時間後までの直近時間帯の太陽光発電装置4の予測発電電力と、電力消費機器(太陽光発電装置4に接続されている機器)の直近時間帯の予測消費電力とを取得する。本実施例では、「直近時間帯」は、現在時刻から例えば2時間である。2時間は、沸き上げ運転に要する時間の目安となる時間である。なお、沸き上げ運転に要する時間は、HP目標温度と、そのときに蓄熱タンク20に蓄えられている熱エネルギの大きさと、外気温に依存して変化する。2時間は、給湯器コントローラ6が過去の沸き上げ運転のデータから算出した値である。例えば、給湯器コントローラ6は、過去の複数回の沸き上げ運転の所要時間の平均値を上記した「直近時間帯」として設定する。
予測発電電力は、太陽光発電装置4の能力と、その日の日照状態予測データから求められる。電力管理装置5は、インターネット93を介して他のコンピュータ(例えば気象庁のコンピュータなど、気象に関するデータを提供しているコンピュータ)から、その日の日照状態予測データを取得する。電力管理装置5は、太陽光発電装置4の能力と日照状態予測データから、毎時の発電電力を予測する。また、電力管理装置5は、通信線92を介して電力消費機器の毎日の動作をモニタしており、過去のデータから、各電力消費機器の一日の電力消費のパターンを特定して記憶している。電力管理装置5は、各電力消費機器の電力消費パターンから、直近時間帯の毎時の予測消費電力を特定する。
第2実施例の給湯システムでは、給湯器コントローラ6は、電力管理装置5から取得した残電力量が蓄電装置7の満充電量に等しく、かつ、太陽光発電装置4の予測発電電力が直近時間帯で常に予測消費電力よりも大きい場合に沸き上げ運転を行う。図5に、第2実施例の沸き上げ運転のフローチャートを示す。
給湯器コントローラ6は、定期的(例えば1時間毎)に、図5の処理を実行する。給湯器コントローラ6は、電力管理装置5から、上記したデータ(残電力量、直近時間帯の予測発電電力と予測消費電力)を取得する(S12)。先に述べたように、予測発電電力と予測消費電力は、直近時間帯の毎時ごとにデータがある。次に、給湯器コントローラ6は、受信した残電力量が、蓄電装置7の満充電量に等しいか否かをチェックする(S13)。蓄電装置7の満充電量は、予め給湯器コントローラ6が電力管理装置5から取得している。給湯器コントローラ6は、残電力量が満充電量に満たないときは(S13:NO)、図4の処理を終了する。一方、給湯器コントローラ6は、残電力量が満充電量に等しい場合(S13:YES)、ステップS14に進み、予測発電電力と予測消費電力を比較する。なお、第1実施例の場合と同じく、残電力量に対して満充電量とみなす許容値が設定されている。
ステップS14の処理において、給湯器コントローラ6は、直近時間帯の毎時ごとに予測発電電力が予測消費電力よりも大きいか否かを比較する。即ち、給湯器コントローラ6は現在時刻における予測発電電力と予測消費電力を比較し、次いで1時間後の予測発電電力と予測消費電力を比較し、さらに2時間後の予測発電電力と予測消費電力を比較する。給湯器コントローラ6は、全ての時間帯で予測発電電力が予測消費電力以上の場合、ステップS14にてYESと判断する。別言すれば、給湯器コントローラ6は、直近時間帯の間、常に予測発電電力が予測消費電力よりも大きい場合、ステップS14にてYESと判断し、ステップS15に進む。なお、ステップS14の判断がNOの場合、給湯器コントローラ6は、処理を終了する。
ステップS14の判断がYESの場合、給湯器コントローラ6は、余剰電力量を算出し、その余剰電力量からHP目標温度を決定する(S15)。余剰電力量とは、直近時間帯における毎時の予測発電電力の積分値から、直近時間帯における毎時の予測消費電力量の積分値を減じた値である。なお、直近時間帯における毎時の予測発電電力の積分値は、直近時間帯における予測発電量を意味し、直近時間帯における毎時の予測消費電力の積分値は、直近時間帯における予測消費電力量を意味する。予測発電電力と予測消費電力の単位は[W]であり、予測発電量、予測消費電力量、余剰電力量の単位は[Wh]である。
給湯器コントローラ6は、算出した余剰電力量に基づき、図6のテーブルを参照してHP目標温度を決定する。例えば、余剰電力量が3.0[kWh]以上の場合、給湯器コントローラ6は、HP目標温度に65[℃]を設定し、余剰電力量が2.0〜3.0[kWh]の場合、給湯器コントローラ6は、HP目標温度に55[℃]を設定する。余剰電力量が2.0[kWh]未満の場合、給湯器コントローラ6は、HP目標温度に45[℃]を設定する。
HP目標温度が決定された後、給湯器コントローラ6は、ヒートポンプ入口の水温(サーミスタ32の計測温度)がHP設定温度以上となるまでヒートポンプを運転する(S18、S19)。なお、余剰電力量が2.0[kWh]未満の場合、給湯器コントローラ6は、ヒートポンプ入口の水温がHP設定温度以上となるまで沸き上げ運転を継続するのではなく、蓄熱タンク20の上下方向の中間に位置するサーミスタ22bまたは22cの計測温度がHP目標温度に達した時点で沸き上げ運転を停止してもよい。すなわち、給湯器コントローラ6は、蓄熱タンク20の中の所定量の水がHP目標温度に達するように沸き上げ運転を行ってもよい。この処理は、余剰電力量が少ない場合に、蓄電装置7の電力を使うことなく、太陽光発電装置4の発電電力を熱エネルギに変換するためである。
図6に示されているように、給湯器コントローラ6は、余剰電力量が大きいほど高い目標温度を設定する。そうすることで、余剰電力量を有効に熱エネルギに換えて蓄えることができる。第2実施例の給湯システム2は、蓄電装置7の残電力量を減らさないようにしつつ余剰の電気エネルギを熱エネルギに変換して蓄える。第2実施例の給湯システム2は、電力消費機器へ供給可能な電力を蓄電装置7に確保しつつ、できるだけ多くの熱エネルギを蓄えることができる。
第2実施例の給湯システム2は、蓄電装置7の残電力量が満充電量に等しいとき、余剰電力量(直近時間帯における予測発電電力の積分値から直近時間帯における予測消費電力の積分値を減じた値)が大きいほど高いHP目標温度を設定して沸き上げ運転を行う。この処理により、太陽光発電装置4が発電しなくなった後の他の電力消費機器のために蓄電装置7の電力を残しつつ、余剰の電力を熱エネルギに換えて蓄えることができる。
ステップS15のHP目標温度の決定処理の変形例を説明する。この変形例では、HP目標温度の決定に先立って、給湯器コントローラ6は、電力管理装置5から外気温度を取得する。給湯器コントローラ6は、外気温度とヒートポンプ10のCOP(成績係数)から、余剰電力量でヒートポンプ10を駆動したときに蓄熱タンク20の水に与え得る熱量を算出する。また、給湯器コントローラ6は、蓄熱タンク20のサーミスタ22a〜22dの計測値から、蓄熱タンク20に蓄えられている熱量を算出する。給湯器コントローラ6は、蓄熱タンクの熱量にヒートポンプ10で与え得る熱量を加えた合計熱量を算出する。給湯器コントローラ6は、合計熱量によって得られる蓄熱タンク20の平均水温を算出する。給湯器コントローラ6は、その平均水温を沸き上げ運転の目標温度(HP目標温度)に設定する。この変形例の処理によれば、給湯システム2は、蓄電装置7の残電力量を下げることなく、余剰電力量だけで沸き上げ運転を完遂することができる。また、給湯システム2は、直近時間帯の余剰電力量に基づいてHP目標温度を定めており、概ね直近時間帯の間に、沸き上げ運転を完遂することができる。
実施例の給湯システム2に関する留意点を述べる。一般に、ヒートポンプ(電気加熱器)のCOP(成績係数)は、HP目標温度が低いほど良い。一方、ハイブリッド式給湯システムでは、蓄熱タンク内の水を給湯前に加熱するガス加熱器を備えているため、蓄熱タンク内の水温が低くても、ユーザが要求する温度の水を供給することができる。すなわち、ハイブリッド式給湯システムでは、沸き上げ運転の目標温度(HP目標温度)の決定に自由度があり、HP目標温度を低めに設定することによってエネルギ効率を高めることができる。第1実施例の給湯システムでは、残電力量が満充電量に等しいことが検知された時刻が早い場合、高いHP目標温度を設定し、COPが多少下がっても多くの電気エネルギを熱エネルギに変換して蓄えることで、太陽光発電装置4と蓄電装置7に接続されている電力消費機器全体のエネルギ効率を向上させる。第2実施例の給湯システムでは、太陽光発電装置4による余剰電力量が大きい場合、高いHP目標温度を設定し、COPが多少下がっても余剰の電気エネルギを熱エネルギに変換して蓄えることで、太陽光発電装置4と蓄電装置7に接続されている電力消費機器全体のエネルギ効率を向上させる。
給湯器コントローラ6は、沸き上げ運転の途中で電力消費機器の消費電力が予測消費電力を上回った場合、沸き上げ運転を途中で停止してもよい。
図5のステップS14では、給湯器コントローラ6は、直近時間帯の間、常に予測発電電力が予測消費電力よりも大きい場合にYESと判断する。給湯器コントローラ6は、一次的に予測発電電力が予測消費電力よりも小さくなっても、直近時間帯の大半で予測発電電力が予測消費電力よりも大きい場合にYESと判断するようにしてもよい。また、ステップS14の処理では、2時間の余剰電力の場合としているが、給湯器コントローラ6は、一時間毎に判断を実行してもよい。
本実施例における沸き上げ運転では、給湯器コントローラ6は、蓄熱タンク20の中の水の全量がHP目標温度になるようにヒートポンプ10を運転する。「沸き上げ運転」は、蓄熱タンク20の中の水の全量をHP目標温度にする処理に限られない。「沸き上げ運転」は、蓄熱タンク20の中の水の所定量をHP目標温度にする処理である。他の例では、給湯器コントローラ6は、蓄熱タンク20の中の半分の水がHP目標温度になるようにヒートポンプ10を運転してもよい。その場合、給湯器コントローラ6は、蓄熱タンク20の高さ方向の中間に配置されたサーミスタ22b又は22cの計測温度がHP目標温度に達した時点でヒートポンプ10の運転を停止する。
実施例のヒートポンプ10が請求項の「電気加熱器」の一例に相当する。実施例のヒートポンプ10は、外気から吸熱して水(熱媒)を加熱する装置である。「電気加熱器」は、蓄熱タンク20の内部に設置される電気ヒータであってもよい。実施例の商用電源91が請求項の「他の電源」の一例に相当する。「他の電源」は、燃料電池やエンジン式発電装置であってもよい。本明細書が開示する技術は、商用電源と燃料電池その他の電源を併用するものであってもよい。
実施例の供給路45と給湯蛇口48が請求項の「供給手段」の一例に相当する。また、蓄熱タンク20に蓄えられる水が、請求項の「熱媒」の一例に相当する。実施例では「熱媒」が水であるので、蓄熱タンク20の水が、温水利用箇所に直接供給される。ヒートポンプで加熱され蓄熱タンクに蓄えられる熱媒は、水以外の媒体であってもよい。その場合、給湯システムは、蓄熱タンクの熱媒の熱で水を加熱する熱交換器を備える。その熱交換器が請求項の「供給手段」の一例に相当する。
実施例の電力管理装置5が請求項の「電力データ取得手段」の一例に相当する。実施例の給湯器コントローラ6が請求項の「制御器」の一例に相当する。電力データ取得手段は、給湯システム2が設置されている建屋3とは別の場所に備えられており、インターネットを通じて給湯システムと通信可能な装置であってもよい。あるいは、給湯システム2のコントローラ(給湯器コントローラ6)が直接に太陽光発電装置4や蓄電装置7や電気機器95と通信するものであってもよい。その場合は、給湯器コントローラ6が電力データ取得手段を兼ねる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:給湯システム
3:建屋
4:太陽光発電装置
5:電力管理装置
6:給湯器コントローラ
7:蓄電装置
10:ヒートポンプ
12:一次熱交換器
13:圧縮機
14:二次熱交換器
15:膨張弁
16:冷媒流路
17:電動ファン
20:蓄熱タンク
22a−22d、32、34、46:サーミスタ
30:タンク循環路
36:循環ポンプ
40:水道水導入路
40a:第1導入路
40b:第2導入路
42:水道水供給源
44:混合弁
45:供給路
47:ガス加熱器
48:給湯蛇口
91:商用電源
92:通信線
93:インターネット
94:電力線
95:電気機器
96:分電盤
97:DCACコンバータ

Claims (6)

  1. 太陽光発電装置と接続されているとともに、前記太陽光発電装置の発電電力を蓄える蓄電装置と接続されている給湯システムであって、
    熱媒を蓄える蓄熱タンクと、
    前記太陽光発電装置又は他の電源から供給される電力で前記蓄熱タンクの熱媒を加熱する電気加熱器と、
    前記蓄熱タンクに蓄えられた熱媒の熱を利用して温水利用箇所に温水を供給する供給手段と、
    前記蓄熱タンクの熱媒で加熱された水の温度が前記温水利用箇所で要求される水の温度よりも低い場合、前記温水利用箇所に到達する前の水を加熱するガス加熱器と、
    前記蓄熱タンクの熱媒が目標温度になるように前記電気加熱器を駆動する沸き上げ運転を行う制御器と、
    前記蓄電装置の残電力量を取得する電力データ取得手段と、を備えており、
    前記制御器は、前記電力データ取得手段によって取得された前記残電力量が前記蓄電装置の満充電量に等しいとき、前記残電力量が満充電量に等しいことが検知された時刻に基づいて前記目標温度を設定して沸き上げ運転を行うことを特徴とする給湯システム。
  2. 前記制御器は、前記残電力量が前記満充電量に等しいことが検知された時刻が早いほど高い目標温度を設定して沸き上げ運転を行うことを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
  3. 太陽光発電装置と接続されているとともに、前記太陽光発電装置の発電電力を蓄える蓄電装置と接続されている給湯システムであって、
    熱媒を蓄える蓄熱タンクと、
    前記太陽光発電装置又は他の電源から供給される電力で前記蓄熱タンクの熱媒を加熱する電気加熱器と、
    前記蓄熱タンクに蓄えられた熱媒の熱を利用して温水利用箇所に温水を供給する供給手段と、
    前記蓄熱タンクの熱媒で加熱された水の温度が前記温水利用箇所で要求される水の温度よりも低い場合、前記温水利用箇所に到達する前の水を加熱するガス加熱器と、
    前記蓄熱タンクの熱媒が目標温度になるように前記電気加熱器を駆動する沸き上げ運転を行う制御器と、
    前記蓄電装置の残電力量と、現在時刻から所定時間後までの直近時間帯の前記太陽光発電装置の予測発電電力と、前記太陽光発電装置に接続されている電力消費機器の前記直近時間帯の予測消費電力とを取得する電力データ取得手段と、を備えており、
    前記制御器は、前記電力データ取得手段によって取得された前記残電力量が前記蓄電装置の満充電量に等しく、かつ、前記直近時間帯で前記予測発電電力が前記予測消費電力よりも大きい場合に沸き上げ運転を行うとともに、
    前記直近時間帯における前記予測発電電力の積分値から前記直近時間帯における前記予測消費電力の積分値を減じた余剰電力量が大きいほど高い目標温度を設定して沸き上げ運転を行うことを特徴とする給湯システム。
  4. 太陽光発電装置と接続されているとともに、前記太陽光発電装置の発電電力を蓄える蓄電装置と接続されている給湯システムであって、
    熱媒を蓄える蓄熱タンクと、
    前記太陽光発電装置又は他の電源から供給される電力で前記蓄熱タンクの熱媒を加熱する電気加熱器と、
    前記蓄熱タンクに蓄えられた熱媒の熱を利用して温水利用箇所に温水を供給する供給手段と、
    前記蓄熱タンクの熱媒で加熱された水の温度が前記温水利用箇所で要求される水の温度よりも低い場合、前記温水利用箇所に到達する前の水を加熱するガス加熱器と、
    前記蓄熱タンクの熱媒が目標温度になるように前記電気加熱器を駆動する沸き上げ運転を行う制御器と、
    前記蓄電装置の残電力量と、現在時刻から所定時間後までの直近時間帯の前記太陽光発電装置の予測発電電力と、前記太陽光発電装置に接続されている電力消費機器の前記直近時間帯の予測消費電力とを取得する電力データ取得手段と、を備えており、
    前記制御器は、前記電力データ取得手段によって取得された前記残電力量が前記蓄電装置の満充電量に等しく、かつ、前記直近時間帯で前記予測発電電力が前記予測消費電力よりも大きい場合に沸き上げ運転を行うとともに、
    前記直近時間帯における前記予測発電電力の積分値から前記直近時間帯における前記予測消費電力の積分値を減じた余剰電力量で沸き上げ運転が完遂するように前記目標温度を設定して沸き上げ運転を行うことを特徴とする給湯システム。
  5. 前記電気加熱器は、外気から吸熱して熱媒を加熱するヒートポンプであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の給湯システム。
  6. 前記熱媒は水であり、前記供給手段は、前記蓄熱タンクに蓄えられた温水を前記温水利用箇所に供給することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の給湯システム。
JP2016110408A 2016-06-01 2016-06-01 給湯システム Active JP6694757B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016110408A JP6694757B2 (ja) 2016-06-01 2016-06-01 給湯システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016110408A JP6694757B2 (ja) 2016-06-01 2016-06-01 給湯システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017215113A JP2017215113A (ja) 2017-12-07
JP6694757B2 true JP6694757B2 (ja) 2020-05-20

Family

ID=60575502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016110408A Active JP6694757B2 (ja) 2016-06-01 2016-06-01 給湯システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6694757B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6907979B2 (ja) * 2018-03-22 2021-07-21 三菱電機株式会社 貯湯式給湯システム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012175791A (ja) * 2011-02-21 2012-09-10 Denso Corp 電力供給システム
JP5877346B2 (ja) * 2011-10-24 2016-03-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 負荷制御装置、プログラム、負荷制御システム
JP6044326B2 (ja) * 2012-12-21 2016-12-14 三菱電機株式会社 貯湯式給湯機及びソーラーシステム
CN103062927B (zh) * 2012-12-26 2014-12-31 江苏振发投资发展有限公司 一种太阳能分布式发电热水联供系统
JP2016080248A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 三菱電機株式会社 給湯システム
JP6630631B2 (ja) * 2016-05-19 2020-01-15 リンナイ株式会社 給湯システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017215113A (ja) 2017-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2284382B1 (en) Power supply system
US9261284B2 (en) Operation planning method, and heat pump hot water supply and heating system operation method
US20170358927A1 (en) Solar synchronized loads for photovoltaic systems
US9557068B2 (en) Heat pump hot-water supply system
JP4036864B2 (ja) 太陽光発電システム
JP3620701B2 (ja) コジェネレーション装置
JP6630631B2 (ja) 給湯システム
US8972073B2 (en) Operation planning method, operation planning device, heat pump hot water supply system operation method, and heat pump hot water supply and heating system operation method
US11371722B2 (en) Hot-water supply system, water heater, and control method for water heater
JP4660422B2 (ja) エネルギ供給システム
GB2562532B (en) Heat and power generation and storage system
JP2011217590A (ja) 空調システム
US20110204853A1 (en) Power storage system
JP6694757B2 (ja) 給湯システム
JP5590188B1 (ja) ハイブリッド給湯システム
JP3894489B2 (ja) 地域社会へのエネルギ供給システムおよび方法
JP7228421B2 (ja) 給湯システム
US20220235970A1 (en) Solar Heat Pump Water Heater
RU128702U1 (ru) Система энергоснабжения потребителя на основе комплексного использования классических и возобновляемых источников энергии
JP2004139914A (ja) 燃料電池発電・給湯システム
JP4897855B2 (ja) コージェネレーションシステム
WO2018066037A1 (ja) 貯湯式給湯機、給湯方法及びプログラム
GB2577231A (en) Power supply apparatus and method
JP6782130B2 (ja) 熱機器
EP2413449A2 (en) Air conditioning system

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200310

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6694757

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250