JP6345183B2 - ガラスまたはガラスセラミックの温度依存性または応力依存性の物理量の時間遅延性変化を特定する方法 - Google Patents

ガラスまたはガラスセラミックの温度依存性または応力依存性の物理量の時間遅延性変化を特定する方法 Download PDF

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Description

本発明は一般的には、ガラスまたはガラスセラミック製品の製造または供給に関する。具体的には本発明は、正確に規定された熱機械特性に基づいてガラス製品やガラスセラミック製品をキャラクタリゼーション、製造および/または選定するのを可能にする方法に関する。
特定の用途にカスタマイズして開発および製造される特殊なガラスまたはガラスセラミック製品では、たとえば熱膨張や構造緩和等の熱機械量には用途ごとに特有の異なる要求が課されるので、上述のような特殊なガラスまたはガラスセラミック製品に課される、製造後のガラス部品またはガラスセラミック部品が遵守しなければならない要求は非常に異なる。このようなカスタマイズ製品の例には、望遠鏡ミラー基板や、ガラスセラミック製のマイクロリソグラフィ用部品が含まれる。
ガラスセラミックは、製品に依存して異なる使用温度範囲でも、低い熱膨張特性を示す。たとえばゼロデュアは、室温範囲において超低熱膨張を実現するために特別に開発されたものである。たとえばツェラン等の他のガラスセラミックは、比較的幅広い温度範囲において低熱膨張性を示す。
ゼロデュアや他のガラスセラミックの熱膨張係数(CTE)は、0℃から50℃までの温度範囲にわたる平均CTEとして仕様化され、複数の膨張クラスに分類される。しかし厳密には、この分類は、温度変化速度および温度保持時間を正確に観測しながら行う所定の測定手順にしか適用できない。この仕様化は大部分の用途では十分であるが、これにより得られる、材料の詳細な像は不正確である。第一に、熱膨張係数は0℃から50℃までの温度範囲全体でみると一定ではなく、温度に依存する。その上、膨張挙動は時間にも依存し、これはヒステリシス挙動として知られている。CTEの温度依存性および時間依存性はゼロデュアに特有の特性ではなく、すべてのガラスセラミックに内在する特徴である。従来は、各用途におけるたとえばゼロデュア等のガラスセラミックの仕様化に際して、ヒステリシス挙動を考慮することができなかった。その理由は、上述のようなガラスセラミックを仕様化および予測するのに適した手法が無かったからである。
ガラスセラミックが機械的負荷を受けたときに生じる遅延弾性を仕様化することもできなかった。これについての問題の1つとして、カスタマイズされた要求を満たすためには、室温におけるガラスセラミックの熱機械的特性に基づいてガラスセラミックを選定しなければならないのに、ガラス転移範囲における構造緩和および応力緩和の計算手法しか知られていない、という問題がある。したがって、温度と時間とに依存してガラスまたはガラスセラミック材料の挙動を特定し、および/または、応力と時間とに依存して遅延弾性を特定する必要があり、また、これに基づいてガラス品またはガラスセラミック品を製造または選定できるようにする必要もある。
たとえば巨大望遠鏡TMT(Thirty Meter Telescope)またはESOのE‐ELT(双方とも「超大型望遠鏡」;ELT)等の、ゼロデュアの最近の潜在的可能性のある用途では、CTE(0℃〜50℃)のみが仕様化されるのではなく、たとえば、望遠鏡の将来の設置場所における使用条件下での材料挙動も仕様化されている。これは、−13℃から+27℃までの規定温度範囲を含み、これは、通常の0℃から50℃までの範囲とは有意に異なる。また、動作中の温度変化速度は0.17K/h未満の範囲内であるから、典型的に測定される36K/hの速度と比較すると格段に低速である。
本発明の課題は、熱機械的特性値が非常に正確に仕様化されたガラスまたはガラスセラミック製品を実現できるようにすることである。前記課題の解決手段は、独立請求項にて特定されている。従属請求項に、有利な実施形態と、更なる改良形態とが記載されている。
本願発明は、古典的なガラス転移点を下回る温度における緩和現象を考慮して、ガラスおよびガラスセラミックの熱機械的特性の高精度のキャラクタリゼーションを可能にする適切な方法およびモデルの開発に基づいている。以下、「ガラス転移点を下回る」との記載(ISO 7884‐8にて定義された変換温度T)は、T−100Kを下回る温度範囲を指し、この温度範囲では、ガラス転移物理学のモデルや技術によっては緩和現象を表すことができない。ガラスセラミックの場合には、温度Tは残留ガラス相のガラス転移温度である。
構造緩和および応力緩和の従前のモデルは、ガラス転移範囲内の緩和過程しかシミュレートすることができない。それよりも格段に低い温度において緩和過程が存在することは知られており、これは測定可能なものである。測定精度を向上させる手法は開発されているものの、緩和現象は、その影響を受ける材料特性の評価およびキャラクタリゼーションにおいて無視されている。その結果、物性を十分に良好に数値化するためには、測定において使用条件(たとえば温度‐時間履歴)を正確に表現する必要があった。このことは、測定上の理由と、時間が足りないこととにより、多くの事例において不可能である。上記の緩和現象を表現するのに適したモデルは、現在のところ存在しない。
したがって、測定条件と使用条件との差により、測定不確かさに基づいては推定できない、格段に大きな誤差が生じることとなる。特に、異なる温度範囲では緩和現象がどのように相互に影響を及ぼすのかが、明らかでなかった。
本発明はさらに、T<T−100Kの場合に、熱履歴と、自由に選択可能な熱的使用条件と、これに対応する緩和現象とを考慮して、熱膨張を予測する方法も提供する。
従来、熱膨張は、熱的使用条件とは大きく異なる測定条件下で測定技術を用いて所定の温度範囲にわたって測定した熱膨張率の平均に基づいてキャラクタリゼーションされていた。本願にて開示している熱膨張予測方法により、この問題を解消することができる。つまり、実際に使用される測定手法により、格段に高い予測精度を実現できるほど良好に材料挙動をキャラクタリゼーションすることが可能となる。
同様のことは、熱機械的履歴と、自由に選択可能である熱機械的な使用条件と、これに対応する緩和現象とを考慮して行われる、ガラス転移点未満の温度における遅延弾性の予測についても当てはまる。
こうするために本発明は、ガラス転移温度より100K低い温度より上限が上回らない(すなわち、ガラス転移温度より100K低い温度であるか、または、ガラス転移温度より100K低い温度未満である)温度範囲内でガラスまたはガラスセラミックの温度依存性または応力依存性の物理量の時間遅延性変化を特定する方法を提供するものであり、当該方法では、時間に依存する温度または機械的応力の変化速度を変えて、ガラス材料またはガラスセラミック材料の変形を少なくとも2回測定する。この変形の測定を行う温度も、ガラス転移温度より100K低い温度を上回らない温度で行われる。前記方法ではさらに、1つの参照温度に対して、前記ガラス材料またはガラスセラミック材料の複数の緩和時間を特定し、当該ガラスまたはガラスセラミックの緩和時における緩和時間の重みを表す重み付け係数を求める。この緩和時間および重み付け係数により、温度依存性または応力依存性の物理量の時間遅延性変化を、所定の温度変化または応力変化に応じて計算することが可能となる。
「時間遅延性変化」との用語は本発明では、温度または機械的応力が変化しても直ちには生じないが、その変化後に生じる物理量の変化を指す。有利には上記計算は、少なくとも10秒の時間または期間にわたって、有利には、温度変化または機械的応力変化後少なくとも10分の時間または期間にわたって行われる。
前記方法は特に、ガラスまたはガラスセラミックの熱変形または機械的変形の形態の物理量を予測するのに適しているが、その他にも、ガラスまたはガラスセラミック材料の緩和に影響を受ける物理量が存在する。この他の物理量には、熱容量や屈折率も含まれる。
本発明は一般的に、以下の時間遅延変化を計算するのに適している:
・長さ変化
・体積変化
・屈折率変化
・熱容量変化
・ずれ弾性率の変化
・体積弾性率の変化
・ねじり剛性率の変化
・ヤング率変化。
このことにより、時間遅延性変化を計算したり予測することが可能になるだけでなく、温度または機械的応力の変化に依存する上述の物理量の、時間遅延性変化に対応する絶対値を計算および予測することも可能になる。
物理量として時間遅延性変形をキャラクタリゼーションするためには、ガラス転移温度より少なくとも100K低いガラスまたはガラスセラミックの温度(すなわち、ガラス転移温度より100K低い温度を越えない温度)における当該ガラスまたはガラスセラミックの変形を表す、材料の1つまたは複数の時間依存性の変形パラメータを用いることができる。このパラメータの時間依存性は、求めた緩和時間に基づいて特定することができる。たとえば上記の時間遅延性変形等の、物理量の時間依存性を計算する対象となる温度の偏差が比較的大きい場合には、緩和時間と重み付け係数とを求める他に、熱変位関数を特定することもできる。この変位関数は、ガラスまたはガラスセラミック材料の緩和が、温度に依存してどのように変化するかを記述したものである。この変位関数は、温度変化に起因する変形について上述の依存関係を表すだけでなく、より一般的に、ガラスまたはガラスセラミックの緩和状態に依存する、たとえば屈折率、ずれ弾性率またはねじり剛性率等の他の物理量や、熱容量についても、上述の温度依存性を表すことができる。
時間依存性の変形パラメータとは、時間依存性の量に依存して材料の機械的特性または機械的状態に影響を及ぼす物理量を指す。機械的状態には、とりわけ、ガラスまたはガラスセラミック材料から成る物品の幾何形状が含まれる。重要な機械的状態は、たとえば、ガラスまたはガラスセラミック部品の寸法/形状である。部品の幾何的寸法は、膨張係数と温度変化とに起因する熱膨張により影響を受け、また温度変化速度も、上記の望遠鏡ミラーの事例を参照して説明したように、熱膨張係数に対してある程度の影響を及ぼす。したがって、熱膨張係数と、熱膨張係数から導出される物理量、特に部品の寸法とが、時間依存性の変形パラメータになる。力を受けたときの弾性変形と、これに対応する、たとえばずれ弾性率や体積弾性率等の物性値も、同様に時間依存性の変形パラメータになる。また、材料の誘電率および/または機械的内部摩擦もパラメータとして適している。
このようにして、ある時間にわたるガラスまたはガラスセラミックの熱機械的挙動を正確にキャラクタリゼーションすることにより、ガラスまたはガラスセラミック部品に温度変化および/または力の変化が与えられたときに、既に分かっている予測された通りの長期変形を正確に示すことができる、ガラスまたはガラスセラミック部品を供給することもできるようになる。とりわけ本発明は、予め規定された通りの時間遅延性の熱変形または機械的変形を示すガラス品またはガラスセラミック品の供給方法も提供する。こうするためには、
・ガラス転移温度より100K低い温度を越えない上限を有する温度範囲において、時間遅延性の熱変形または機械的変形の値の許容範囲を予め規定し、
・ガラス転移温度より少なくとも100K低い温度で(すなわち、ガラス転移温度より100K低い温度より越えない温度で)、ガラスまたはガラスセラミック材料の変形を少なくとも2回、時間に依存して、温度変化速度または機械的応力変化速度を変えて測定し、
・1つの参照温度に対して前記ガラスまたはガラスセラミック材料の複数の緩和時間を求め、かつ、当該ガラスまたはガラスセラミックの緩和中の各緩和時間の重み付けを表す各重み付け係数を求め、
・前記緩和時間および重み付け係数に基づき、予め規定された温度変化または応力変化に依存する、温度依存性または応力依存性の時間遅延性変形の時間遅延性変化を計算する。
非等温性の場合、つまり、変形を計算する対象である温度と参照温度との偏差が比較的大きい場合、本発明の1つの実施形態では、熱変位関数のパラメータを更に求める。
・前記1つまたは複数の緩和時間を用いて、前記熱変形または機械的変形を、予め規定された許容可能な数値範囲まで外挿する。
・外挿した前記熱変形または機械的変形が前記数値範囲内にあるか否かの比較を行う。
・その後、時間依存性の熱変形または機械的変形の前記外挿した値が前記許容可能な数値範囲内にある場合には、前記ガラスまたはガラスセラミック材料を選定し、当該予め規定された数値範囲を満たさない場合には、ガラス品またはガラスセラミック品を拒絶する。
本発明の1つの実施形態では、ガラス品またはガラスセラミック品の供給には、予め規定された数値範囲が観察されるかまたは得られるようにガラスまたはガラスセラミック製造の製造条件を調整することにより、当該予め規定された数値範囲に対応するように当該ガラスまたはガラスセラミック品を選択的に製造することが含まれる。このことは、製造パラメータを内挿補間または外挿することにより簡単に実現することができる。特に対象となる製造パラメータには組成が含まれ、ガラスセラミックの場合には更に、セラミゼーションの温度時間推移も含まれる。たとえば、セラミゼーション条件および/または組成が異なる2つのガラスセラミックがあり、かつ、これら2つのガラスセラミックが、予め規定された許容可能な数値範囲を超えるか、または当該予め規定された許容可能な数値範囲内である場合、指定された数値範囲を満たすように組成および/またはセラミゼーション条件を補間することにより、ガラスまたはガラスセラミックを選択的に製造することができる。既存の材料が双方とも、予め規定された数値範囲内にあるか、または当該予め規定された数値範囲を超える場合、当該数値範囲を満たすように、両材料間の偏差が小さくなる方向に外挿を行うことができる。もちろん、新規に製造されたガラスまたはガラスセラミック材料において、本発明によって緩和時間および重み付け係数を測定することにより、数値範囲の認容可能性を検証することも有利である。ガラスセラミックの製造に際しては、こうするために、セラミゼーションの最大温度での保持時間と、本発明の測定により求められた時間依存性の熱膨張係数との関係を用いて、ガラスセラミックの製造時の、時間に依存する特定の熱膨張係数を選択的に設定することが可能である。
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
ガラス転移範囲におけるガラスの長さ変化のヒステリシスを示す図である。 ゼロデュアガラスセラミックの線形の熱膨張係数を示す図である。 緩和スペクトルを生成する元となり得る熱膨張測定の例を示す図である。 測定値に当てはめた熱変位関数および複数の異なる変位関数の常用対数の測定値を示す図である。 測定値に当てはめた熱変位関数および複数の異なる変位関数の常用対数の測定値を示す図である。 4つの異なるサンプルの緩和スペクトルの測定結果を示す図である。 複数の異なる降温速度の場合の同一サンプルの熱膨張特性を示す図である。 熱膨張特性のモデルパラメータを求めるための最適化プログラムのフローチャートである。 1つの参照温度に対する典型的な緩和関数を示す図であり、これは緩和スペクトルを反映している。 温度を周期的に時間的変化させてガラスセラミックの熱膨張特性を測定した結果と、比較のための熱膨張特性の計算結果とを示す図である。 複数の異なる温度変化速度に応じた熱膨張係数を示す図である。 2つのガラスセラミックサンプルの熱膨張特性の測定値を示す図である。 特定の温度‐時間推移を与えたときの2つのサンプルの熱膨張特性を示す図である。 座標測定装置のガラスセラミック成分の熱膨張特性の予測結果を示す図である。 ガラスセラミック製望遠鏡ミラーに使用するときの2つのサンプルの熱膨張特性の予測結果を示す図である。 成分変形を測定するために力を加えたときの、複数の異なる構成におけるガラスまたはガラスセラミックサンプルを概略的に示す図である。 望遠鏡ミラーの加圧ミラー研磨時に加わる曲げモーメントの形態の機械的応力の時間的変化を示す図である。 望遠鏡ミラーの、時間に依存する深皿状の最大反りspvの測定結果と計算結果とを示す図である。 低温の場合の粘度を、温度に依存して示す図である。 対象となる温度範囲全体における粘度を、温度に依存して示す図である。 ハワイの温度条件下での、2つのサンプルの熱膨張の時間的変化を示す図である。 複数の異なるサンプルの長さの相対的な時間的変化を示す図である。 複数の異なるサンプルの長さの時間的な相対的変化を測定したものと、モデリングしたものとを比較する図である。
ガラス転移範囲(ISO7884−8により定義されている転移温度Tg前後)における原子構造の緩和および応力緩和を数学的にモデリングすることは知られており、この数学的モデリングは、ガラス製造業やガラス加工業においてガラスの熱機械的処理法を数学的にモデリングするのに用いられる。このモデルは、FEM計算ソフトウェア(たとえばANSYS)で実装される。O.S. Narayanaswamy による「A model of structural relaxation in glass」(J. Am. Ceram. Soc. 54, 491-498 (1971))から、ガラス転移温度T範囲における上述の構造緩和を十分に良好なモデリング品質で記述することができるモデルが知られている。構造緩和は、ガラス構造が非平衡状態から平衡状態へ転移する過程(原子再配置過程)として見られるものである。
ガラスの特徴は、非平衡状態を凍結できることである。熱的条件(高速/低速降温)に依存して、ガラスは異なる状態で凍結される。緩和過程の特徴は、膨張測定を行うとヒステリシスが見られることであり、このヒステリシスは、昇温/降温中の緩和挙動が異なることにより引き起こされるものである。図1に、5K/minと20K/minという2つの異なる温度変化速度の場合の、ガラスの相対的な熱膨張特性Δl/lの2つのヒステリシス曲線の例を示す。温度に依存する熱膨張率の勾配Δl/lが変化するガラス転移範囲では、はっきりとヒステリシスを観察することができ、上述のモデルによってこのヒステリシスを表すことができる。しかし、ガラス転移点より100K以上下回る温度では、ヒステリシスは非常に小さいので、上記モデルによって表されるものではなくなる。しかし、温度変化速度に依存する長さ変化は、この低温範囲においても重要となることがあり、たとえば、長さ寸法が非常に正確に分かると有利である場合に重要となる。
非平衡状態をキャラクタリゼーションするための量的パラメータは、いわゆる仮想温度である。この状態変数はガラス構造(原子構造)を表す尺度であり、平衡状態(たとえば、ガラス転移範囲を上回る温度)では、この状態変数は実際の温度に等しい値をとる。構造の凍結により、材料の熱機械特性値が変化する。
これはたとえば、熱膨張係数(CTE)と、ガラスやガラスセラミックの比熱容量とを含む。
したがって本発明の1つの実施形態では、仮想温度を求めるために緩和時間を用いるか、または、以下にて説明するように、これに対応する状態変数と、その時間依存特性とを用いる。以下、仮想温度および時間遅延性変形の求め方を詳細に説明する。
変形εは一般的に、熱的部分εthと機械的部分εmechとを含む。
Figure 0006345183
ある期間Δt内では、膨張の熱的部分は以下のように変化する:
Figure 0006345183
同式中、αは直後の長さ変化の線形の熱膨張係数であり(実際の温度Tに依存する)、αは時間遅延性の長さ変化の線形の熱膨張係数である(仮想温度Tに依存する)。伸びの機械的部分εmechはフックの法則にしたがい、時間依存性の体積弾性率K(t)と、時間依存性のずれ弾性率G(t)の変化とともに変化する。これについては、以下の数式(12)から(16)までを参照されたい。
状態変数である仮想温度は、n個の仮想温度の総和を重み付けしたものである。
Figure 0006345183
幾つかの個別プロセスのイメージとして、重み付け係数をwとすると、その総和は以下の通りになる:
Figure 0006345183
そして、ガラス構造の緩和関数は以下の通り、伸長指数関数(Kohlrausch function)となる:
Figure 0006345183
各個別の仮想温度の変化速度
Figure 0006345183
は、緩和時間
Figure 0006345183
に依存する。ここで、熱変位関数の対数は
Figure 0006345183
である。
数式(8)は常用対数として求められるものであるが、その底の選択は任意である。というのも、各対数は互いに変換可能であるからである。数式(8)の変位関数は、上記にて挙げた O.S. Narayanaswamy による刊行物「A model of structural relaxation in glass」(J. Am. Ceram. Soc. 54, 491-498 (1971))に記載された、いわゆる「Tool-Narayanaswamy」モデルの変位関数に相当する。
この熱変位関数は、時間‐温度重ね合わせに用いられる。時間‐温度重ね合わせの有効性が十分である場合には、室温において非常に低速または非常に高速で進行する材料中の過程は、高温または低温において数分持続する過程と等価である。そのように材料が振舞う場合には、適切な変位関数を用いれば、低温でも高温でも、また、材料における非常に低速の過程も、非常に高速の過程も、使用条件/衝撃に対する応答特性も、モデル予測が可能になる。
数式(8)に代えて、ガラス転移領域において以下の数式を用いることも可能である:
Figure 0006345183
Figure 0006345183
Figure 0006345183
これらの3つの数式により求められる結果は、非常に似ているが同一ではない。数式(8)から(11)までのうちどの数式が測定結果に良好に当てはまるか、測定精度の観点でははっきりと決めることができないことが多い。
数式(8)ないし(11)における下付文字「ref」は、固定的に選択された温度Trefの場合の参照状態を表す。
上記の数式では、変位関数の重み付け係数wstr,k、緩和時間τstr,ref,kおよび係数B,Cはモデルパラメータであり、これらは、変形測定結果に上記数式のモデルを当てはめることにより求めることができる。
仮想温度のモデル手法と同様、体積弾性率
Figure 0006345183
(K=瞬時体積弾性率)は、当該体積弾性率の以下の緩和関数
Figure 0006345183
にしたがって緩和する。ここで、τK,kは体積弾性率の緩和時間を表す。重み付け係数wK,kの総和を求めるためには、非常に長時間にわたって、以下の数式を適用する:
Figure 0006345183
上記式の上限値は、以下の通りである:
Figure 0006345183
ずれ弾性率も同様の手法のモデルにしたがって緩和する。上記モデルと相違する点は、十分に高い温度かつ十分に長い時間では、限界Gは0に近づくこと、つまり、
Figure 0006345183
を用いることができることである。変位関数は、仮想温度を用いる場合と同じである。
ガラスやガラスセラミックにおける緩和過程も、ガラス転移の数学的モデルを用いて検出可能である緩和過程の範囲を超えて生じる。ガラスにて生じるこの作用は随分以前から知られており、たとえば、いわゆる温度計ガラスにおいて知られていた。この作用は「ゼロ点の抑圧(depression of the zero point)」とも称され、混合アルカリ効果に基づく。しばしば、この作用のオーダは、必要とされる精度を下回ることが多く、測定では無視されることが多い。
非常に高精度の要求が課されるガラスやガラスセラミック(たとえば、いわゆるゼロ膨張材料)では、緩衝作用は長い間、定量的に知られており、ガラス製造において、有利には規定された再現可能な製造条件により、間接的に考慮されている。ゼロ膨張材料(たとえばゼロデュア)の場合、熱膨張係数(CTE)は0℃から50℃までの温度範囲に対して規定されており、複数の異なるクラスに分類される。しかし厳密には、この分類は、温度変化速度および温度保持時間を高精度で観測して行う、規定通りの1つの測定手順にしか適用できない。この仕様化で十分である用途もあるが、これにより得られる、材料の詳細な像は不完全である。たとえば、図2には、とりわけゼロデュアガラスセラミック等のゼロ膨張材料の線形の熱膨張係数CTEを示している。これは、同様の材料をキャラクタリゼーションするために従来仕様化されていたものと同じである。図2に示した線形の熱膨張係数は、緩和過程に起因する熱膨張の時間依存性を無視しているが、これは本発明では、材料の複数の緩和時間と変位関数とを求めることにより検出される。
第一に、熱膨張係数は0℃から50℃までの温度範囲全体でみると一定ではなく、温度に依存し、第二に、膨張挙動はさらに時間にも依存する。この時間依存性については、O. Lindig, W. Pannhorst による「Thermal expansion and length stability of Zerodur in dependence on temperature and time」(Appl. Opt., Vol. 24, No. 20 (1985))においてヒステリシス挙動の観点で既に記載されている。これは、たとえば具体的には、降温中と昇温中とにおいて、図2に示した温度範囲AおよびBにおける曲線は互いに正確に重なり合わず、これらの曲線の温度は僅かに異なる、ということを意味する。緩和過程を定量的にキャラクタリゼーションして、当該緩和過程に依存して特性値(熱膨張率、熱容量、応力、変形)を計算する方法は、従来は存在していなかった。緩和現象を理解するための手法は幾つか存在していたが(F. Bayer-Helms, H. Darnedde, G. Exner による「Metrologia 21, 49 57 (1985)」および R.Schoedel、G.Boensch による「Precise interferometric measurements at single crystal silicon yielding thermal expansion coefficients from 12 °C to 28 °C and compressibility」(Proc. Spie (2001)))、この手法は緩和の現象学的な説明(測定結果の補間)に限定されており、測定中の条件とは異なる条件下において生じる特性値の変化を、外挿または予測によって定量的に記述するためのモデル手法や、物性を特定するためのモデル手法を何ら提供するものではない。
従来使用されていた「記述的」測定手順は、とりわけ、使用範囲が異なる材料を互いに比較するときに誤解を生む原因となっていた。というのも、たとえば測定で観測される熱膨張率のヒステリシスが実際の動作条件下において材料性能に及ぼす影響は、測定結果に基づいて想定可能なものよりも遙かに小さいからである。
本発明により、とりわけ、カスタマイズされた温度域および温度変化速度に対するゼロデュアの熱膨張係数の特性曲線を計算することが可能になる。このことにより、超大型顕微鏡プロジェクトにおいて仕様化の検討に際して、ガラスセラミック品の使用条件に関して格段に詳細に材料を選定することができ、これにより、従前よりも良好な性能を実現することができるようになる。
本発明はまた、機械的負荷を受けたときのガラスまたはガラスセラミック成分の時間遅延性弾性、たとえばゼロデュアの時間遅延性弾性を、記述および予測することも可能にする。たとえば、本発明により特定された応力緩和挙動を、応力ミラー研磨時に考慮することもでき、このことにより、大型望遠鏡ミラーの寸法安定性を改善することができる。また、自身の重量と機械的応力とが加わった状態の高精密機械部品の時間依存性の寸法安定性を予測し、当該機械部品を用いるときにこの予測した寸法安定性を適切に考慮することもできる。
図3に、ガラス体またはガラスセラミック体の典型的な緩和曲線が求められる、0℃から50℃までの間の温度における熱膨張特性の測定結果の例を示す。この測定は、ゼロデュアガラスセラミック体について行ったものである。同図中、右側の縦軸には温度目盛を用いて温度推移を時間に依存して示しており、左側の縦軸には、長さ変化Δl/lの形態の変形を時間に依存して示している。同図から、温度が異なると緩和速度が異なることがはっきりと見て取れる。したがって、ガラス転移範囲を下回る温度であっても、周期的な熱的補助条件により、ガラス転移範囲において観察されるのと同様のヒステリシス現象(図1参照)が生じる。このヒステリシスの領域の寸法は異なる場合があり、材料組成および熱的補助条件(昇温速度/降温速度)の影響を受けて変わることがある。本発明の1つの実施形態では、ガラスまたはガラスセラミック材料のキャラクタリゼーションは、上述のヒステリシス現象および緩和現象を予測できるようにするためのものである。
ガラス転移点を下回る温度における構造緩和のモデルを見出そうとすると、驚くべきことに、公知の緩和モデルを他の温度範囲にまで拡張した形態のモデル(たとえばTool-Narayanaswamy)により、モデルと測定結果との間に、十分に高い精度の一致が得られることが判明した。しかしこのことは、温度範囲A,B,Cにおける緩和をキャラクタリゼーションするための新規の状態変数TfX(X={A,B,C,・・・})を導入した場合にのみ限られる。この状態変数が、ガラス転移範囲において仮想温度が示す関数を引き継ぐ。
しかし、これらの状態変数は、大きさの点でも、また熱機械特性値に及ぼす影響の点でも相違する。以下では、状態変数TfX(X={A,B,C,・・・})は互いに依存しないとみなす。簡略化するため、本発明では上記の状態変数を仮想温度とも称する。
以下、10℃から50℃までの温度範囲Aを参照して上記モデルを説明するが、このモデルは、緩和過程が観察される10KからT−100Kまでのどの対象温度範囲にも適用することができる。たとえば、変形を予測するために本発明を使用する対象となりうる、熱機械特性のキャラクタリゼーションに関連する比較的狭い温度範囲は、150KからT−200Kまでの間の範囲となる。ガラスまたはガラスセラミック材料の関連する用途の大部分は、この範囲に含まれる。より好適なのは、−50℃<T<+80℃の温度について予測を行うことであり、さらに好適なのは、−20℃<T<+50℃の温度について予測を行うことである。
屋外スペースにて使用する場合、たとえば時間遅延性の熱膨張や、機械的負荷を受けたときの時間遅延性膨張を予測および考察する際には、非常に低い温度も重要となる。
モデルでは、緩和に関連する熱機械特性値p(たとえば熱膨張率)は温度Tと状態変数TfX(X={A,B,C,・・・})に依存する:
p = p(T, TfA, TfB, …)
使用温度範囲が(下記の記載において想定している事例のように)1つの緩和温度範囲に限られている場合、上述の依存関係を温度と1つの状態変数とに縮小することができる:
p=p(T,TfA
特性値または物理量p(たとえば熱膨張率、エンタルピー、密度)の変化は、たとえば温度Tと状態変数TfAとの多項式として表現することができる:
Figure 0006345183
上記式中、p(T)は、単位温度あたりの特性値または物理量固有の変化(たとえば固有の熱膨張係数(CTE)または比熱容量)を示している。ΔT,ΔTfAは、温度変化または仮想温度変化を示している。したがって、数式(17)中のp(TfA)は、単位温度あたりの特性値または物理量固有の時間遅延性変化であり、数式(17)中のp ,i,p ,jは、上記多項式の項の係数である。
上記数式において変化とは、対象となる量の時間的変化を指す。
緩和は、状態変数TfAの緩和に由来するものであり、これも、ガラス転移の仮想温度として、緩和の仕方が異なる複数の状態変数TfA に重み付け係数vを加えたもののスペクトルとして、また緩和時間τとして、上記数式(6)と同様に表現することができる:
Figure 0006345183
ガラス転移範囲に対応するモデルの上記数式(4)によれば、重み付け係数の総和は1に等しくなる:
Figure 0006345183
ここでも、緩和関数Ψ(t)に対して一般化マクスウェルモデルを用いることができる:
Figure 0006345183
緩和時間のスペクトルは状態変数の緩和挙動を表しており、この緩和時間スペクトルは、少数のパラメータを有する伸長指数関数として記述できる場合もある。
適切な測定手法を用いて、1つの参照温度Trefに対し、温度変化速度または機械的応力を変えながら複数の緩和時間を求め、本発明の1つの実施形態では、これら複数の緩和時間も、温度と、時間依存性の状態変数と、重み付け係数と、材料定数B,Cとに依存し、下記の2式によって表される:
Figure 0006345183
Figure 0006345183
数式(21.1)は数式(8)に相当し、数式(21.2)の変位関数の対数を用いている。数式(22)は数式(3)に相当し、数式(22)では状態変数TfAは、仮想温度と同様、重み付け係数wと状態変数TfA との積として得られるものである。
これらの数式と適切な数値計算アルゴリズムとを用いることにより、材料の緩和モデルのパラメータが分かっている場合には、状態変数を計算し、(温度および状態変数に依存して)物性値を計算することができる。
本発明の1つの実施形態では、重み付け係数wと、参照温度Trefの場合の緩和時間τ(Tref)とを少なくとも2回、異なる温度変化速度または機械的負荷で求め、測定した値に数式(17),(18),(19),(20),(21.1),(22)のパラメータを当てはめることにより、この重み付け係数wおよび緩和時間(Tref)から、温度依存性の複数の緩和時間τ(T)と、数式(21.2)のパラメータB,Cと、状態変数TfA,TfA とを求める。パラメータが分かっている上記数式から、物理量の時間依存変化を求めることができ、たとえばガラスまたはガラスセラミック材料の時間依存性変形を、温度の変化もしくは機械的応力がかかったときの屈折率の変化を、または一般的に、変形に関連する量を、温度または機械的応力の時間的変化に依存して特定することができる。数式(17)から(22)までのモデルは、200Kを越えない制限された温度範囲に特に適しており、たとえば、室温に近い温度に特に適している。たとえば、−50℃から+80℃までの間の温度範囲において、特に、温度Trefが当該範囲内にある場合に、熱膨張に起因する変形等の物理量の温度依存性の変化を、良好に予測することが可能となる。数式(21.2)の熱変位関数に代えて、異なる熱変位関数を用いることもできる。以下、適切な変位関数を詳細に説明する。
本発明の他の1つの実施形態では、数式(18)ないし(22)のパラメータΔTfAk,w,τ(Tref)を、数式(17)と共に用いて、−50℃から+80℃までに及ぶ温度において、時間的に変化する温度または機械的応力を加えられたときのガラスの温度依存性変形を求める。
上記数式(8)ないし(11)の変位関数のモデル手法では、ガラス転移範囲内すなわちT±100Kの温度範囲内の温度に対するモデルと測定結果とが十分に一致するが、温度範囲をT<T−100Kの温度にまで拡大すると、そうではなくなる。図4にその一例を示す。
測定した値は、中空の円で示している。曲線1は、数式(9)の熱変位関数の当てはめを示しており、ここではT=Tに設定されている。曲線2,3および4は、数式(18)から(22)までの本発明のモデルを用いて前記測定値に当てはめを行うことにより計算したものである。ここでは特に、前記モデルの熱変位関数は、数式(21)の指数関数係数によって求められる。
曲線1は、Tを越える温度では測定値と良好な一致を示しているが、このガラス転移温度を下回ると、曲線は急激に測定値から偏差していく。室温域について発見した数式(18)から(22)までのモデルは、−50℃から+80℃までの間において良好な結果が得られることが明らかになった(曲線4)。曲線2および3も、本発明のモデルを用いて計算し、ほぼTの温度(曲線2)と約300℃の温度(曲線3)との間の温度範囲において測定した熱変位関数に当てはめたものである。
曲線2に対する温度範囲と、曲線3に対する温度範囲という2つの温度範囲の間の顕著な相違点は、「温度に依存する変位関数」曲線の勾配、または等価的に、活性化エネルギーのモデルパラメータBである。たとえば特定のガラスでは、ほぼTの温度ではB(T)の値は27000Kとなり、同一のガラスにおいて室温に近い温度では、B(T)=4500Kとなる。
実用的な予測モデル化を実現するためには、数学的モデルが、ガラス転移点付近の温度範囲と、室温付近の温度範囲との双方を、十分に高精度で、かつ同一のモデルパラメータを用いて記述できることが望ましい。
以下、本発明の一実施形態を説明する。同実施形態は、適切な変位関数を用いて幅広い温度範囲において、ガラスまたはガラスセラミックの時間遅延性変形を求めて予測することができるものである。
驚くべきことに、この広範の温度範囲には、基本的に新規のモデルを用いる必要がないことが判明した。しかし、公知の数式と本発明との大きな相違点は、数式(8)から(11)までの変位関数のモデル手法にて用いられる実際の温度Tを、当該実際の温度と仮想温度との和を重み付けしたもの(1−q)T+q・Tに置き換えたことである。本発明のさらに他の1つの実施形態では、実際の温度を、当該実際の温度と仮想温度との積を重み付けしたものT(1−q)・T に置き換える。いずれの実施例においても、上述のように修正した熱変位関数により、測定結果とモデルとの一致を格段に改善することができ、とりわけ、モデルの当てはめ範囲がT<Tの高温からT<T−100Kの低温までの範囲に及んでも、上記一致を格段に改善することができる。
よって、モデルパラメータBおよびCの他にさらに、第3のモデルパラメータqも求めなければならない。その限界は、0<q<1である。これにより、変位関数の以下の対数log(a)が求められる。これは、本発明に特に適した対数である:
Figure 0006345183
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q=1であるときのモデルと測定結果とが十分に一致している場合には、特にロバストなモデルを実現することができる。というのもその場合には、第3のモデルパラメータqは事実上固定しており、定義について不確かな要素が無いからである。これは、最後の4つの項(29)〜(32)について当てはまる。したがって、このようなモデルを当てはめるのが有利であるが、どのような材料でも上手くいくとは限らない。
したがって、本発明の他の1つの実施形態では、モデルパラメータB,C,qを含む熱変位関数であって、数式(23)から(32)までのいずれかの選択した対数を有する熱変位関数を、時間的に変化する変形の測定値に基づいて特定する。ここで、Trefは、選択された固定的な参照温度を表し、Tは、ガラスまたはガラスセラミック材料の仮想温度を表す。この熱変位関数を当てはめることにより、ここでも、温度変化または時変性の機械的応力の作用を受けたときのガラスまたはガラスセラミック材料の時間依存性の変形を特定することができる。有利には、このようにする場合、項(29)から(32)までのうちいずれか1つ、または、これに対応する変位関数を選択する。
その際には、変位関数のモデルパラメータBおよびCの他にさらに、1つまたは複数の重み付け係数wと時定数τk,refとを測定値に当てはめることができる。この当てはめでは、上記の数式(7)を緩和時間τ,kに適用する。
こうするためのものとして、図5に、熱変位関数の測定値と、数式(9)の変位関数とを再度示す。ここでは、T=T(曲線1)である。同図にはさらに、(1)〜(7)により計算された仮想温度を用いた数式(9)の変位関数(曲線5)も示している。最後に、曲線6は、測定した値に当てはめた、上記項(23)から(32)による本発明の変位関数である。とりわけ、変位関数の対数としては項(27)を選択し、パラメータqは0.32の値に設定した。曲線6から明らかであるように、計算した熱変位関数は、室温から軟化点までの温度範囲全体にわたって、測定した値と非常に良好に一致している。
本発明のさらに他の1つの実施形態では、数式(8)および(23)ないし(32)の変位関数を組み合わせることにより、特に適切な変位関数を得ることができる。こうするためには、以下の数式の変位関数aを用いる:
Figure 0006345183
同式中、インデックスΦ=A,B,C,・・・は、数式(8)および(23)ないし(32)の各変位関数の連続符号である。よって、aT,Aは数式(8)の変位関数であり、aT,Bは数式(23)の変位関数であり、aT,Cは数式(24)の変位関数であり、以下同様である。数式(33)の変位関数は多くの計算量を必要とするが、この関数は、数式(8),(23)ないし(32)の基礎である2つ以上の緩和過程A,B,C,・・・の制限を表すことができるので、この関数が特に有利である。
以下、実施例を参照して、緩和時間およびモデルパラメータを求めるために使用される構造緩和を測定するための測定法を詳細に説明する。
本発明の1つの実施形態では、緩和が評価対象の特性に有意に寄与する温度範囲であって、対象となる使用温度範囲を包含する温度範囲において、熱膨張を時間に依存して測定する。温度または機械的応力の変化速度を変えてガラスまたはガラスセラミック材料の変形を時間に依存して少なくとも2回測定するのに用いるのに有利な温度範囲は、−70℃から+100℃までの温度域、または、−50℃から+150℃までの温度域内にある温度範囲である。実施例のゼロデュアガラスセラミックの場合には、−10℃から+50℃までの間の温度範囲を選択した。というのも、50℃を越えると緩和が非常に迅速になるからである。
また、−10℃までは測定にかかる手間は小さく、上述の温度域により主な使用温度がカバーされる。緩和パラメータを求めるためには、複数の等温レベルと、(昇温速度および降温速度が指定された)非等温温度プログラムを用いることができる。
熱膨張の測定には、上述の温度範囲に対応するように構成された押し棒式膨張計を用いた。その測定精度は6.2ppb/Kより良好であり、再現性は1.2ppb/Kである。
図6は、4つのガラスセラミックサンプルの各緩和スペクトルと、各対応する緩和時間とを求める元になる、熱膨張の測定結果を示す。ここでは、非等温的な温度時間推移を用いて相対熱膨張率Δl/lを測定した。4つのサンプルすべてがゼロデュアガラスセラミックであるにもかかわらず、すなわち、すべてのサンプルが同種類のガラスセラミック製であるにもかかわらず、これらの各サンプルは緩和挙動のばらつきを示し、よって、各サンプルの緩和時間にもばらつきが現れた。上記4つの各サンプルの曲線は、符号7,8,9,10で示されている。符号11は、温度の推移を示している。この温度推移から分かるように、温度を0℃から50℃までの間で変化させ、降温時の変化速度と、その次の昇温時の変化速度とを変えた。
本発明の他の1つの実施形態では、等温の階段状温度推移を適用する。緩和スペクトルは、平衡状態から温度を変化させて、各個別の温度において緩和曲線を評価することにより求められる。典型的には、温度変化量は数Kであり、有利には10Kを越えない。
本発明の1つの実施形態では、緩和時間を含めた材料パラメータまたはモデルパラメータは、数値最適化アルゴリズムによるシミュレーションモデルを適用することにより求められる。適したアルゴリズムは、たとえばレーベンバーグ・マーカートアルゴリズムまたはガウス‐ニュートンアルゴリズムである。これらのアルゴリズムは、モデル予測結果と測定結果との差を最小値まで低減させるように、モデルパラメータを当てはめるものである。こうするためには、図6に示すように、1つの温度測定プログラムを当てはめのために用いるか、または、図7に示すように、複数の異なる測定プログラムを用いることができる。図7は、複数の異なる降温温度における1つのサンプルの時間依存性の長さ変化と、各対応する、時間依存性の長さ変化の計算値とを示す。図中に示した実施例では、36K/hの降温速度(曲線12,13)と、18K/hの降温速度(曲線14,15)と、9K/hの降温速度(曲線16,17)とを用いた。実線で示した曲線12,14,16は長さ変化の計算値を示しており、点線で示した曲線13,15,17は長さ変化の測定値を示している。
図8は、項(21.2)および(23)ないし(32)のいずれかの熱変位関数と組み合わせて、数式(17)〜(22)のモデルのモデルパラメータを特定するための最適化プログラムの実施例を示す。
当該プログラムは、モデルパラメータの初期値(ステップ20)と、温度時間推移の測定値(ステップ21)とを用いて開始する。これらのパラメータは最適化プログラム22へ供給され、この最適化プログラム22は、時間および温度に依存する熱機械的パラメータpのモデル予測を計算する。たとえばこのパラメータは、図3,6および7に示した測定において検出されるような、相対伸長率Δl/lとすることができる。最適化プログラム22は、モデル予測結果23と測定結果24とを比較して、最適化されたモデルパラメータセットが既に存在するか否かを判定する(判定25)。最適化されたセットが見つかった場合、たとえば、計算したパラメータpと測定したパラメータとの偏差が閾値未満である場合、最適化プログラムはステップ26においてモデルパラメータを出力する。そうでない場合には、モデルパラメータを変化させ(ステップ27)、ステップ23において、この変化したモデルパラメータを用いて、パラメータpのモデル予測結果をもう一度計算する。
このモデルパラメータから、数式(5)の緩和関数を計算することができる。図9は、特定の参照温度における、当てはめたモデルパラメータセットの、緩和時間tに依存する典型的な緩和関数Ψ(t)を示す。
本発明の1つの実施形態では、最初のモデルパラメータは、たとえば図6から9までを参照して説明したような時間依存性の変形の測定に基づいて求め、その後、温度または機械的応力を周期的に繰り返し変更して、変形の周期的な測定を行いながら、当該モデルパラメータを検証。この周期的測定はとりわけ、温度または機械的応力の変化速度を変えて行う、時間依存性の変形の少なくとも2回の測定のいずれか1つとすることができる。
緩和時間を含めた、特定したモデルパラメータを検証するためには、前記周期的測定を行うときの温度の時間推移、または機械的応力の変化が、モデルパラメータを求めるのに使用した温度時間推移とは格段に異なると有利である。
図10に上述の周期的測定結果を示し、さらに比較対照のために、緩和時間および他のモデルパラメータに基づいて計算したその推移を示す。サンプルを周期的に加熱および冷却し、相対膨張率Δl/lを測定および計算した。温度ランプの変化速度は、約0.6K/minであった。図10中、曲線30は温度推移を示しており、曲線31は、測定した熱膨張率を示しており、曲線32は、計算した熱膨張率を示している。計算した膨張率と測定した膨張率とがほぼ完全に一致していることから、本発明により、ガラスセラミックの熱膨張の時間‐温度挙動を非常に正確に予測できることが分かる。
図面に示した実施例に限定されることなく、一般的には、ガラスまたはガラスセラミックの熱膨張率の時間的推移、および/または、指定された時点におけるガラスまたはガラスセラミックの熱膨張率を、指定された温度時間推移に対して特定された緩和時間と重み付け係数とに基づいて計算することができるようになる。
このようにして、熱履歴および熱的使用条件と、これらに対応する緩和現象とを考慮して、熱膨張率を予測する方法を実現することができる。一旦、材料パラメータが分かれば、実際の動作条件下におけるガラスやガラスセラミックの緩和現象をシミュレートおよび予測するために、緩和モデルを用いることが可能になり、ユーザに対し、物性値の精度の格段な改善を提供することができる。
このことにより、準静的な場合の物性値と、それまでの中間段階における物性値とを求めることが可能になる。これには、ガラスセラミックのいわゆる長期間収縮率も含まれている。図11に一例を示す。このグラフは、−10℃から+50℃までの間の温度範囲におけるガラスセラミックの線形の熱膨張係数を、異なる温度変化速度に依存して示している。曲線34は、36K/h(1時間あたりのケルビン値)の変化速度の場合の測定結果を示しており、曲線35は、18K/hの変化速度の場合の測定結果を示している。曲線36および37は、上記2つの変化速度、すなわち36K/hと18K/hとにおける熱膨張係数の計算結果を示している。ここでも、測定結果と非常に良好に一致していることが明らかである。さらに、曲線38ないし43は、10K/h(曲線38),5K/h(曲線39),2.5K/h(曲線40),1K/h(曲線41),0.5K/h(曲線42),0.25K/h(曲線43)の各変化速度における熱膨張係数の計算結果と、変化速度がほぼ0K/hである準静的状態の場合の熱膨張係数の計算結果(曲線43)とを示している。
したがって、本発明の1つの実施形態では、図11に示した具体的な実施例に限定されることなく、ガラスまたはガラスセラミック材料の熱膨張係数(CTE)は、温度変化速度に基づいて求められる。
このようにして、使用期間において予測される膨張を、より高い精度で計算することができる。本発明を用いることにより、たとえば望遠鏡ミラー等の、熱膨張を相殺するために必要な形状補正量を、より良好に計算することができる。
たとえば、特に標準測定では特性値が充足しないと想定される材料バッチが、特定の用途では、それより良好な性能を示すということもあり得る。以下、その一例について、図12ないし15を参照して説明する。
これらの実施例に共通している点は、温度または機械的応力の推移が予め決まっており、複数のガラスまたはガラスセラミックについてこの予め決まった推移の作用を受けたときの変形を、時間に依存して計算し、この計算結果に基づいて、当該複数のガラスまたはガラスセラミック材料のうち、最小の変形を示したガラスまたはガラスセラミックを選定することである。典型的には、この変形の計算には、ガラスまたはガラスセラミック材料の緩和時間も含めたモデルパラメータを求めるために、当該ガラスまたはガラスセラミック材料の変形を上述のように時間に依存して、少なくとも2回、それぞれ異なる温度変化速度または機械的応力変化速度で測定することが必要である。このように、多数の入手可能なガラスまたはガラスセラミック材料の中から最良の材料を選定する代わりに、特定の使用条件下における変形の限界値を予め規定してから、本発明を用いて、ガラスまたはガラスセラミック材料のうちいずれか1つまたは複数が当該限界値を満たすか否かを検査し、この検査結果に基づいて、当該1つまたは複数の材料を当該特定の用途のために選定することも可能である。したがってこの場合には、以下の手順によって、予め規定された時間遅延性の熱変形または機械的変形を示すガラスまたはガラスセラミック品を供給する:
・ガラス転移温度より100K低い温度を越えない上限を有する温度範囲において、時間遅延性の熱変形または機械的変形の値の許容範囲を予め規定する。
・前記ガラス転移温度より100K低い温度を越えない温度で、ガラスまたはガラスセラミック材料の変形を少なくとも2回、時間に依存して、それぞれ異なる温度変化速度または機械的応力変化速度で測定する。
・前記測定結果に基づき、1つの参照温度に対して前記ガラスまたはガラスセラミック材料の複数の緩和時間を求め、当該ガラスまたはガラスセラミックの緩和時の緩和時間の重みを表す重み付け係数を求め、当該緩和時間と重み付け係数とに基づき、予め規定された温度変化または応力変化に依存して、温度依存性または応力依存性でありかつ時間に依存する変形の時間遅延性変化を計算する。
・前記1つまたは複数の緩和時間と重み付け係数とを用いて、とりわけ数式(17)を使用して、前記値の予め規定した前記許容範囲にまで前記熱変形または機械的変形を外挿する。
・外挿した前記熱変形または機械的変形が前記値の範囲内にあるか否かを比較する。
次に、時間依存性の前記熱変形または機械的変形の前記外挿した値が前記値の許容範囲内である場合には、当該ガラスまたはガラスセラミック材料を選定する。
図12に、2つの異なる製造バッチに属する2つのガラスセラミックの時間依存性の熱膨張の測定値を示す。曲線45は温度推移(110分以内での、+50℃から10℃への冷却)を示している。曲線46は、第1サンプルの時間依存性の熱膨張の測定結果を示し、曲線47は、第2サンプルの時間依存性の熱膨張を示している。この実験測定の結果、サンプル1が属するガラスセラミックバッチが、生じ得る熱膨張が最小であるとの観点から、格段に良好な物性を有していると考えられる。というのも、当該温度範囲全体にわたって長さ変化がサンプル2の長さ変化(曲線47)より格段に小さいからである。
図13に、動作中に特定の温度時間推移(曲線48)を受けたときに生じ得る、2つのサンプルの熱膨張を本発明によって計算した結果を示す。ここでの時間目盛りは格段に大きくなっており、10℃より小さい温度変化間隔は、図12にて示した実験結果における温度変化間隔よりも格段に小さくなっている。したがって、温度変化速度も格段に低速になっている。曲線49はサンプル1の熱膨張を表しており、曲線50はサンプル2の熱膨張を表している。この計算結果から、指定された条件下では、長期でみたときに、サンプル2が示す熱膨張の方が小さいことが明らかである。したがって、第2のバッチの熱機械的特性値は、一見すると不十分であるように見えるが、本実施例のような温度推移を伴う用途では、第2のバッチのガラスセラミックを用いて、第2のバッチからガラスセラミック部品を製造するのが有利である、ということになる。
図14に、他の例として、上記用途にて生じる熱的条件下での座標測定装置の2つのガラスセラミック部品の熱膨張を示す。これらの部品は、ガラスセラミック材料のバッチ以外は同じである。同図では、対象となるモデルパラメータの測定結果に基づいて計算された曲線51の最大熱膨張は、曲線52の計算された最大熱膨張より小さくなっている。したがって、曲線51が算出された部品を座標測定装置に選択する方がより良い、ということになる。
図15は、3つのガラスセラミックバッチに由来する材料から成る望遠鏡ミラーの熱膨張の予測結果を示しており、これら3つのガラスセラミックバッチのモデルパラメータは、緩和時間の測定結果に基づいて求められた。ここで、温度(曲線54)は時刻に依存して、僅かではあるが変化する。考察対象のサンプルのうち2つのサンプルの時間依存性の熱膨張は、当該使用条件下では見かけ上は同一である(曲線56)。それに対し、曲線55が算出されたバッチでは、時間に依存して生じる長さ膨張は異なっており(曲線55)、その長さ膨張の最大値は格段に小さくなっている。したがって有利には、上記用途では曲線55のガラスセラミックが選択され、このガラスセラミックから望遠鏡ミラーが製造されるということになる。
上記モデル予測によって、既製のガラス製またはガラスセラミック製部品を入念に選定できる他にさらに、冒頭部分において既に説明したように、特定の使用条件を遵守するように材料を選択的に製造することも可能になる。こうするためには、製造に際して、既存のガラスまたはガラスセラミックの特性値の内挿補間または外挿を行うことにより、セラミゼーション中の組成および/または温度時間推移を予め決定しておくことができる。
本発明の他の用途に、機械的応力が加わり、かつ温度変化も生じた場合の、ガラスやガラスセラミックの遅延弾性を予測するという用途もある。この遅延弾性の予測は、機械的負荷を加えて行う材料除去について、特に、高精密部品の加圧研磨を行う際に、とりわけ高精密の光学部品の加圧研磨を行う際に使用することができる。この加圧研磨は、非球面を形成するために使用される。この技術は、ガラスおよびガラスセラミックの双方に用いられる。周知の用途の1つに、望遠鏡ミラーの加圧鏡面研磨がある。この場合には、反射体に機械的応力をかけてから、当該反射体が球面になるように研削するのが典型的である。その後にミラー本体が緩和して、これにより再変形する間に、前記球面は放物面セグメントになるように変形する。しかしとりわけ、ガラスまたはガラスセラミック材料の遅延弾性に起因して、材料除去による処理対象である表面が時間遅延性変形する。最終的にこのことによって、研磨された光学的表面の形状が、意図されていた最適形状から偏差することになる。
以下、本発明の遅延弾性の予測方法の1つの実施形態を説明する。この実施形態の遅延弾性予測方法でも、本発明により、熱機械的履歴と、自由に選択された熱機械的な使用条件と、これに付随する緩和現象とを考慮して、ガラス転移点未満の温度における、すなわちT<T−100Kにおける遅延弾性を予測することができる。
ここで何を特定するかというと、重み付け係数w(数式13)と、緩和時間τref,k(数式(13)と数式(7)とを組み合わせる)であり、これらを用いて体積弾性率とずれ弾性率とを求める。ずれ弾性率の場合、または、ずれ弾性率を導出する元になり得る特性値の場合には、多かれ少なかれ幅広く使用される測定法が知られている。ずれ弾性率を測定するための幾つかの構成を、図16Aないし16Dに示す。各事例において、ガラスまたはガラスセラミックサンプルを符号60により示している。Fはサンプルに加わる力であり、sは、測定された変形の方向を示す。この測定は、単軸引張力(図16A)を加えながら、または曲げ力を加えながら(図16B)、またはねじれ力を加えながら(図16c)、または剪断力を加えながら(図16D)行うことができる。機械的応力は、衝撃荷重の後に準静的に加えることができ、または動的に加えることができ、等温で加えることができ、または温度を変化させながら加えることができる。これらの測定手法の相違点は、複雑さと精度である。所要精度が同じである場合には、一般的に、体積弾性率を測定する方が難しくなり、または、体積弾性率を測定することはほとんど不可能となる。しかし体積弾性率は、ヤング率とずれ弾性率との差から計算することができる。
したがって、何を測定するかというと、予め定められた一定または可変の温度の場合の、時間および機械的応力に依存するサンプルの変形、ということになる。こうするためには、少なくとも2回、時間に依存して、機械的負荷の変化速度を変えて、変形を測定する。これらの測定結果のうち1つを用いて、少なくとも1回先行して行った測定に基づいて求めたモデルパラメータを検証することができる。
サンプルの時間依存性変形は、サンプルの変形全体と比較すると小さいので、測定手法の感度および再現性を確実に十分に高くするのが特に有利である。数式(12)ないし(22)と、当該数式の、項(23)ないし(32)のうちいずれか1つの項の変位関数とを用いた数学的モデルを当てはめることにより、モデルパラメータが求められる。ここでもこの当てはめは、図8を参照して説明した最適化プログラムを用いて行うことができる。
その後、このモデルパラメータとモデルとを用いて、機械的応力を加えながら材料除去を行うことにより、指定された応力履歴が加わったときの部品変形の計算を行うことができ、特にミラーブランクについて、加圧鏡面研磨を行って、指定された温度履歴が与えられたときのミラーブランクの変形の計算を行うことができる。
たとえば図17に、ミラーセグメントを深皿状に変形させるために外周に加わる曲げモーメントの時間推移の一例を示す。
さらに、図18に、深皿状の最大反りspvの測定結果と計算結果とを、時間に依存して示す。同図における時間軸は、図17にて示した時点tの後に、すなわち、部品が緩和した後に開始している。遅延弾性に起因して見られたのは、機械的応力の後にのみ発生および増大していく部品の反りである。この反りはさらに、機械的応力の持続時間にも依存し、具体的には、図17に示した実施例では時点tとtとの間の期間に依存する。
図18中、曲線62および63は、3時間の持続時間t−tに及ぶ深皿状の最大反りの測定結果と計算結果とを表し、曲線64および65は、90.5時間の持続時間t−tに及ぶ深皿状の最大反りの測定結果と計算結果とを表す。
一般的には上述の実施例は、ガラスまたはガラスセラミック材料の変形を少なくとも2回、時間に依存して、かつ時間的に変化する機械的応力で測定し、当該測定結果に基づいて、モデルに用いる緩和時間を求め、当該モデルに基づき、時間的に変化する機械的応力に依存して部品の変形を計算する、という事実に基づいている。
特にこのことにより、とりわけ光学部品の深皿状の反り等の反りの計算を行うことができ、特に、加圧鏡面研磨の後に生じる望遠鏡ミラーの反り等を計算することができる。とりわけ、部品等の研磨を補償する場合に、上述のように事前に計算された反りを考慮することができる。
一般的には、前記モデルは、ほぼあらゆる任意の期間に適用することが可能である。したがって、本発明の方法は、1年から40年までの観測期間内における長期膨張をモデリングおよび予測するのに用いることが可能である。このことにより、長期安定性と、長さスケールの変化とを評価することができる。したがって一般的には、1年から40年までの将来の期間について、部品の変形を予め特定しておくことが可能となる。本発明はさらに、より近い時点の変形を予測するのにも適しており、とりわけ、添付図面からも分かるように、有利には少なくとも100分の長さの比較的長い予測期間について変形を予測するのにも適している。
こうするために本発明の1つの実施形態では、熱変位関数aΤは以下のように、粘度ηを用いて表される:
Figure 0006345183
同式中、ηrefは参照粘度である。
図19は、複数の参照サンプルの粘度推移を示しており、同図中の値は、当該複数の参照サンプルの熱膨張を測定することにより求められたものである。これらの数値範囲によりカバーされる範囲は、数時間から1日にまで及ぶ。
ここで、室温において数分から数年にまで及ぶ期間にわたって生じる緩和過程を記述できるようにするためには、この期間全体にわたる変位関数が分かっている必要がある。よって、図19の粘度推移を、より高い温度に向かう方向と、より低い温度に向かう方向との、2つの方向において拡張しなければならない。所要測定時間が長くなるので、1013dPa・sの値を明らかに越える粘度は実際には、従前の粘度測定法を用いて測定することができない。
しかし、異なる物性が同じ変位関数に従うことが知られている(Jakobson, B., Hecksher, T., Christiansen, T., Olsen, N.B., Dyre, J.C., Niss, K. による「Identical temperature dependence of the time scales of several linear-response functions of two glass forming liquids」(J. Chem. Phys., Vol. 136, 081102 (2012)))。この技術背景に対し、図19の粘度曲線は、ガラスまたはガラスセラミック品の誘電率と機械的内部摩擦とを測定することにより拡張することができる。より高温になると、粘度は曲げ試験を用いて求められる。
図20に、上述の手法により拡張された粘度曲線の推移を示す。
これらの粘度値に基づき、対象となるすべての温度推移についても、変位関数の推移が求められる。
よって、本発明の1つの実施形態では、当該実施例に限定されることなく、粘度ηと参照粘度との比として熱変位関数を表現すること、または、当該比から熱変位関数を計算することを提案する。その場合には、ガラスまたはガラスセラミック品の誘電率および機械的内部摩擦のうち少なくとも1つの物理量を測定することにより粘度を求め、および/または、ガラスまたはガラスセラミック品の曲げ試験を行うことにより粘度を求めることができる。有利には、たとえば図20において示しているように、誘電率の測定と、機械的内部摩擦の測定と、曲げ試験とを組み合わせて併用する。
以下、ハワイ マウナケアの30m望遠鏡(TMT)プロジェクトにおける本発明の上記実施例の使用を説明する。この望遠鏡の動作温度は−5℃から+9℃の間に仕様化されており、温度勾配は0.7℃/h前後である(60分にわたって積分される)。
ここで図21を参照して、上述の望遠鏡プロジェクトの研究結果を説明する。図21中の曲線71は、2008年3月8日から11日までにマウナケアにおいて測定された温度推移を示す。この推移は、ノイズを低減するために平滑化処理されている。さらに、この温度推移は、朝の温度と夕方の温度との間で線形化されている。これは、日中は展望室が閉まっていて、望遠鏡は空気調和設備の影響を受け、夜間の始めになると、望遠鏡は当該展望室の屋外の温度になるという仮定に基づいている。
測定期間中のマウナケアの夜間平均温度は2℃であり、最低温度は−0.38℃、最高温度は5℃であった。
曲線72および73は、2つのサンプルの熱膨張を表している。第1のサンプルの曲線72の全膨張は約0.2ppmになったのに対し、第2のサンプルの膨張値は約0.1ppmにしかならなかった(曲線73)。このことは、第2の材料の方が、望遠鏡ミラー用の材料として使用するのに適していることを意味している。
図22に、複数の異なる材料サンプルN,OおよびTの熱膨張の測定結果を示す。「熱履歴」を見るため、これらのサンプルを最初に同様にセラミゼーションした後、以下説明する条件にさらした。
サンプルTおよびOには、セラミゼーションの後にさらに、最大セラミゼーション温度にまで再び上昇させてアニール処理を施した。その後に冷却工程を行い、その間にサンプルTを−60K/hで室温まで冷却し、サンプルOを−1K/hで室温まで冷却した。サンプルNには、再度のアニール処理を行わなかった。
これら異なる前処理を行った結果、測定開始時における3つのサンプルのエージングは以下のようになった:
サンプルN:992日
サンプルO:125日
サンプルT:119日
最後に図23には、図22の実験データと、計算した値との比較結果を示す。

Claims (17)

  1. ガラスまたはガラスセラミックの緩和状態に依存する、当該ガラスまたはガラスセラミックの温度依存性または応力依存性の物理量の時間遅延性変化を特定する方法であって、
    前記物理量はとりわけ、ガラス転移温度より100K低い温度を越えない上限を有する温度範囲において、ガラスまたはガラスセラミックの熱変形または機械的変形に依存するものであり、
    前記方法は、
    前記ガラス転移温度をT としたとき、150KからT −200Kまでの範囲の温度で、少なくとも2回、温度または機械的応力の変化速度を変えて、時間に依存して、前記ガラスまたはガラスセラミック材料の変形を測定するステップと、
    前記複数の測定によって、1つの参照温度に対し、前記ガラスまたはガラスセラミックの複数の緩和時間を求め、かつ、当該ガラスまたはガラスセラミックの緩和時の緩和時間の重み付けを表す重み付け係数を求めるステップと、
    前記緩和時間と前記重み付け係数とに基づき、予め規定された温度変化または応力変化に依存する、温度依存性または応力依存性の物理量の時間遅延性変化を計算するステップと
    を有することを特徴とする方法。
  2. ・長さ変化、
    ・体積変化、
    ・屈折率変化、
    ・熱容量変化、
    ・ずれ弾性率の変化、
    ・体積弾性率の変化、
    ・ねじり剛性率の変化、または
    ・ヤング率変化
    のうち少なくとも1つの時間遅延性変化を計算する、
    請求項1記載の方法。
  3. 参照温度Trefにおける緩和時間τ(Tref)と、重み付け係数wと、変位関数aΤのパラメータとを求め、これらから、測定された値に以下の数式のパラメータを当てはめることにより、状態変数TfA,TfA を求めるステップと、
    Figure 0006345183
    Figure 0006345183
    Figure 0006345183
    Figure 0006345183
    Figure 0006345183
    Figure 0006345183
    ただし、
    前記変位関数aΤは、前記ガラスまたはガラスセラミック材料の緩和が、温度に依存してどのように変化するかを記述したものであり、
    fAは、緩和の仕方が異なる複数の状態変数TfA のスペクトルとして表され、
    (T)は、単位温度当たりの物理量pの固有の変化であり、
    ΔTは温度変化であり、ΔTfAは仮想温度の変化であり、
    (TfA)は、単位温度当たりの物理量pの固有の時間遅延性変化であり、
    ,i,p ,jは係数であり、
    Ψ(t)は緩和関数を表し、
    次に、分かったパラメータを用いて上記数式から、時間的に変化する温度または機械的応力の変化の影響を受けたときの前記ガラスまたはガラスセラミック材料の前記物理量の、時間依存性の変化を求めるステップと
    を有する、
    請求項2記載の方法。
  4. 前記物理量の時間依存性の変化、とりわけ、時間的に変化する温度または機械的応力を受けたときの変形を、−50℃から+80℃までの範囲内の温度で求める、
    請求項3記載の方法。
  5. 前記ガラスまたはガラスセラミックの仮想温度を求め、当該仮想温度の時間依存性を特定する、
    請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 所定の温度範囲内において時間に依存する温度または機械的応力の変化速度を変えて少なくとも2回行われる前記ガラスまたはガラスセラミック材料の変形の測定を、−70℃から+100℃までの温度域内で行う、
    請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 時間依存性の変形の測定結果に基づき、モデルパラメータを特定し、
    温度または機械的応力を周期的に繰り返し変化させて変形を周期的に測定することにより、前記モデルパラメータを検証する、
    請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 求めた前記緩和時間に基づき、予め規定された温度時間推移を想定して、熱膨張の時間的展開を、および/または、所定の時点における熱膨張を計算するステップ
    を有する、
    請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記ガラスまたはガラスセラミック材料の熱膨張係数(CTE)を、温度の変化速度に依存して求める、
    請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 温度の推移または機械的応力の推移を規定するステップと、
    複数のガラスまたはガラスセラミックについて、前記規定した推移が加わったときの、時間に依存する変形の計算を行うステップと、
    前記計算の結果に基づき、前記複数のガラスまたはガラスセラミック材料のうち最小の変形を示すガラスまたはガラスセラミック材料を選択するステップと
    を有する、
    請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 時間的に変化する機械的応力を受けたときのガラスまたはガラスセラミック材料の、時間に依存する変形の測定を少なくとも2回行うステップと、
    前記測定の結果に基づき、緩和時間を求めるステップと、
    時間的に変化する機械的応力に依存する部品の変形を計算するステップと
    を有する、
    請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 反りを、とりわけ、機械的応力を加えながら材料除去を行った後の、特に加圧研磨を行った後の、光学部品の深皿状の反りを計算するステップ
    を有する、
    請求項11記載の方法。
  13. 前記部品を研磨するときに、事前に計算した前記反りを考慮して相殺する、
    請求項12記載の方法。
  14. 1年から約40年までの期間にわたる、将来の前記部品の変形を求める、
    請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 前記ガラスまたはガラスセラミック品の誘電率および機械的内部摩擦を測定して当該ガラスまたはガラスセラミック品に曲げ試験を行うことにより特定した粘度ηと、参照粘度との比として、前記熱変位関数を表現する、
    請求項2記載の方法。
  16. 予め規定された時間遅延性の熱変形または機械的変形を示すガラスまたはガラスセラミック品を供給するための方法であって、
    ・ガラス転移温度より100K低い温度を越えない上限を有する温度範囲内において、時間遅延性の熱変形または機械的変形の許容可能な数値範囲を規定するステップと、
    ・前記ガラス転移温度をT としたとき、150KからT −200Kまでの範囲の温度で、少なくとも2回、時間に依存して、温度または機械的応力の変化速度を変えて、ガラスまたはガラスセラミック材料の変形の測定を行うステップと、
    ・前記複数の測定によって、1つの参照温度に対して前記ガラスまたはガラスセラミック材料の複数の緩和時間を求め、当該ガラスまたはガラスセラミックの緩和時の緩和時間の重みを表す重み付け係数を求め、当該緩和時間と重み付け係数とに基づき、予め規定された温度変化または応力変化に依存して、温度依存性または応力依存性でありかつ時間遅延性の変形の時間遅延性変化を計算するステップと、
    ・前記1つまたは複数の緩和時間を用いて、前記熱変形または機械的変形を、規定した前記許容可能な数値範囲まで外挿するステップと、
    ・外挿した前記熱変形または機械的変形が前記数値範囲内にあるか否かを比較するステップと、
    ・時間依存性の前記熱変形または機械的変形の前記外挿した値が、前記許容可能な数値範囲内である場合には、前記ガラスまたはガラスセラミック材料を選定するステップと
    を有することを特徴とする方法。
  17. 前記ガラスまたはガラスセラミック品の供給には、前記許容可能な数値範囲を満たすように製造条件を調整して、前記規定した数値範囲のための当該ガラスまたはガラスセラミック品を製造することを含む、
    請求項16記載の方法。
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