JP6343420B2 - ヒューズ素子 - Google Patents

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本発明は、ヒューズ素子およびその製造方法に関する。そのような素子は、例えば「温度ヒューズ素子」として使用することができる。
ヒューズ素子は、例えば、電気機器(例えば2次電池パック)の回路を流れる電流が何らかの理由で過剰になった場合に、回路の種々の要素を保護するために、あるいは電気機器が何らかの理由で過熱状態となった場合に、その電気機器を保護するために、その電気機器の回路を流れる電流を遮断するために、そのような回路に挿入して用いられる保護デバイスである。
そのようなヒューズ素子として種々のタイプのものが市販されている。そのようなヒューズ素子は、例えば、ヒューズ部材の両端部にリード線を接合し、このヒューズ部材の周囲にフラックス樹脂を塗布し、このようなヒューズ部材を筒状のケーシングで覆い、ケーシングの各端とリード線との間を封止材で封止した構造を有する。即ち、ケーシング内にヒューズ部材が封入された構造となっている。
このようなヒューズ素子のケーシングは、素子が作動した場合に、ヒューズ部材を構成する金属材料が溶融して素子の外部に飛散するのを防止するための保護ガードとして機能すると共に、素子の周辺環境からヒューズ部材への酸素のアクセスを防止するシールとして機能する。
容易に理解できるように、上述のようなヒューズ素子の構造は複雑であり、従って、そのようなヒューズ素子は、その製造に多数の工程を必要とする。具体的には、2本のリード線の間にヒューズ部材が位置するようにこれらを接続してヒューズ部材の両端で接続部を形成し、双方の接続部にまたがるようにヒューズ部材の周囲にフラックス樹脂層を形成し、その後、ヒューズ部材とその両端部のリード線との接続部を包囲するようにケーシングを配置し、ケーシングの両端でケーシングとリード線との間を樹脂で封止することによって、ヒューズ素子を製造できる。
特開2005−71925号公報
上述のように、既知のヒューズ素子は、その構造が複雑であるため、より簡単な構造のヒューズ素子を提供することが望まれている。
発明者は、上記課題に関して鋭意検討を重ね、その結果、ヒューズ部材が加熱されて溶融するに際して、溶融したヒューズ材料は、それに酸素が容易にアクセスできる場合は、球状になり難く、逆に、酸素が容易にアクセスできない場合は、球状になり易いこと、また、アクセスできる酸素の量が少ないほど、ヒューズ材料を構成する金属または合金の融点により近い高い温度で溶融し易いことを利用してヒューズ素子を構成する場合、そのようなヒューズ素子の構造をより簡単にできることを見出した。
第1の要旨において、本発明は、
ヒューズ部材を有して成るヒューズ素子であって、
ヒューズ部材は、それを電流が流れる場合の電流の流れ方向に沿って、少なくとも1つの酸素難アクセス領域(即ち、酸素が容易にアクセスできない領域)、および少なくとも1つの酸素易アクセス領域(即ち、酸素が容易にアクセスできる領域)を有して成ることを特徴とするヒューズ素子を提供する。これらの領域は、電流の流れ方向に沿って隣接して存在するのが好ましい。特に好ましい態様では、酸素難アクセス領域の両側に酸素易アクセス領域が存在する。即ち、酸素難アクセス領域が酸素易アクセス領域によって挟まれている。酸素易アクセス領域の数、および酸素難アクセス領域の数は特に限定されるものではなく、それぞれの数は、必要に応じて、2またはそれ以上であってよい。これらの領域は、ヒューズ素子を流れる電流の流れ方向に沿って存在する。従って、これらの領域は電気的には直列に接続されていることになる。
尚、本明細書において、酸素難アクセス領域と酸素易アクセス領域は、ヒューズ部材の一部分である領域に、酸素がアクセスし易いか否かの相対的な程度に基づき判断する。具体的には、ヒューズ部材が少なくとも2つの領域を有し、その領域の中で最も酸素がアクセスし難い領域を酸素難アクセス領域と呼び、それ以外の相対的に酸素がアクセスし易い少なくとも1つの領域を酸素易アクセス領域と呼ぶ。
このようなヒューズ部材を有するヒューズ素子を徐々に加熱すると、ヒューズ部材を構成する金属の融点付近において、酸素難アクセス領域が優先的に溶融・破断(または分離)して、その部分が離隔した半球状または球状となる。その結果、ヒューズ部材を流れていた電流が遮断され、いわゆるヒューズとしての機能を果たす。尚、球状または半球状なる形状は、その部分が球または半球の一部分の形状を意味する。離間したヒューズ部材の対向する端部の少なくとも一部分が球状または半球状のヒューズ材料の部分となることを意味する。
ヒューズ部材は、一般的にヒューズとして用いられているいずれの適当な金属材料でできた部材であってもよく、特に合金で形成された長尺の部材であるのが好ましい。その場合、ヒューズ素子を電気回路に挿入して用いる時、電流はヒューズ部材の長手方向に沿って流れる。具体的には、線状、糸状、帯状、棒状のヒューズ部材を使用でき、その長手方向に垂直な断面は、いずれの形状であってもよく、例えば円形、楕円形、矩形、またはフラットな形状であってもよい。別の態様では、これらの形状の組み合わせであってもよい。ヒューズ部材の酸素難アクセス領域が溶融する場合に、その溶融部が球状になって離間することを助長するためには、断面が円形または楕円形、あるいはそれに近い形状のヒューズ部材を用いるのが特に好ましい。別の態様では、ヒューズ部材にノッチ部を設けて、溶融後に球状部が離間し易いようにしてよい。
ヒューズ部材を構成できる金属材料としては、通常ヒューズに用いられている金属または合金、一般的にハンダ材料として用いられる金属または合金等を例示できる。具体的にはSn、Sn/Pb合金、Sn/Ag合金、Sn/Cu合金、Sn/Sb合金、Sn/In合金、Sn/Zn合金、Sn/In/Bi合金、Sn/In/Bi/Zn合金、Sn/Bi/Pb/Cd合金、Sn/Bi/Pb合金、Sn/Bi/Cd合金、Bi/Pb合金、Sn/Bi/Zn合金、Sn/Bi合金、Sn/Bi/Pb合金、Sn/Pb/Cd合金、Sn/Cd合金等の既知の材料を例示でき、鉛フリーおよび/またはカドミウムフリーのものが特に好ましい。具体的には、43Sn/57Bi合金、42Sn/58Bi合金、40Sn/56Bi/4Zn合金、48Sn/52In合金、39.8Sn/52In/7Bi/1.2Zn合金のような合金、特に17.3Sn/57.5Bi/25.2In合金のような低融点合金を例示できる。
ヒューズ素子は、一般的に酸素を含む環境(例えば空気)中において使用されるので、ヒューズ部材の酸素難アクセス領域は、そのような環境から遮蔽された領域であり、他方、ヒューズ部材の酸素易アクセス領域は、そのような環境に露出している領域であってよい。具体的には、酸素難アクセス領域は、ヒューズ部材の一部分(例えば中間部)に酸素遮断性要素、例えば酸素遮断性層を配置することによって形成できる。1つの態様では、酸素遮断性層は、ヒューズ部材の一部分の周囲に配置されたコーティングの形態、またはヒューズ部材の一部分を包囲するフィルムの形態であってよい。例えば、ヒューズ部材を2枚のフィルムで挟んでもよい。また、ヒューズ部材の一部分の周囲に加えて、ヒューズ部材の端面をも酸素遮断性要素で覆ってもよい。その場合、端面への電気的なアクセスを可能にするリードを端面に接続しておく必要がある。
酸素易アクセス領域は、ヒューズ部材の別の一部分(例えばヒューズ部材の中間部に隣接する部分)に位置するコーティングの形態またはそのような一部分を包囲するフィルムの形態であってよい。但し、これらのコーティングまたはフィルムは、酸素難アクセス領域の酸素遮断性要素と比較して、相対的に酸素を遮断し難い、従って、酸素がアクセスし易い必要がある。
従って、本発明の1つの好ましい態様では、ヒューズ部材およびその一部分の周囲に配置された酸素遮断性コーティングまたはフィルムを有して成るヒューズ素子を提供する。この態様では、酸素遮断性コーティングまたはフィルムが周囲に配置されている、ヒューズ部材の該一部分は、酸素難アクセス領域に相当し、他方、酸素遮断性コーティングが配置されていない(即ち、ヒューズ素子の周辺環境に露出する)、ヒューズ部材の部分は、酸素易アクセス領域に相当する。この態様において、本発明のヒューズ素子は、ヒューズ部材および酸素遮断性コーティングまたはフィルムから実質的に構成されていてよく、これらの要素以外の要素を含まないでもよい。
酸素遮断性要素、例えば酸素遮断性コーティングは、いずれの適当な材料によって形成してもよく、いわゆる酸素バリヤー性を有する材料で形成するのが好ましい。その酸素遮断性能としては、コーティングまたはフィルムの形態に加工した場合、例えば1cc・mm/(m・atm・day)未満の酸素透過係数を有するものが好ましい。コーティングまたはフィルムは、より好ましくは0.60cc・mm/(m・atm・day)未満、特に好ましくは0.50cc・mm/(m・atm・day)未満、例えば0.30cc・mm/(m・atm・day)未満、特に0.1cc・mm/(m・atm・day)未満の酸素透過係数を有する。尚、酸素透過係数の単位は、1気圧の分圧差にて24時間で、1mmの厚さおよび1mの面積を有するコーティングを通過する酸素の体積(cc)を意味する。尚、ここで言及する酸素透過係数は、JIS K7126 B法に基づいて測定されるものを意味する。
本発明の特に好ましい態様では、酸素遮断性コーティングまたはフィルムは、酸素バリヤー性を提供できる樹脂により形成されている、即ち、樹脂のコーティングまたはフィルムの形態である。そのような樹脂は、酸素を遮断する機能をもたらし得る樹脂であって、ヒューズ素子が作動する温度、即ち、ヒューズ部材が溶融する温度(市販されているヒューズ部材の場合は、公称溶融温度または作動温度)より少なくとも10℃高い温度、好ましくは少なくとも20℃高い温度、より好ましくは少なくとも30℃高い温度、例えば少なくとも40℃高い温度においてもヒューズ素子を使用する環境において、コーティングまたはフィルムの形態として安定であるのが好ましい。尚、「形態として安定」であるには、樹脂の融点または軟化点が、ヒューズ部材が溶融する温度より上述のように高いのが好ましい。
尚、「形態として安定」なる用語は、酸素難アクセス領域としてのヒューズ部材の一部分の溶融およびその後の離間の結果として、離間したヒューズ部材の端部が球状または半球状に変形するのを許容しながら、溶融したヒューズ部材を形成する材料を通過してその内部から外部に飛び出るのを防止できればよい。従って、「形態として安定」であれば、ヒューズ部材が溶融する温度で軟化してコーティングまたはフィルムの形態が変化してもよい。
上述のような樹脂を用いると、ヒューズ部材が溶融する場合であっても、樹脂コーティングまたはフィルム自体は溶融せずに形態として安定な状態を実質的に維持できる。その結果、コーティングまたはフィルムの内側(または下側)でヒューズ部材を構成する金属材料が溶融しても、溶融した金属材料は樹脂コーティングまたはフィルムを通過してその外側に実質的に出ない。組み合わせるヒューズ部材を構成する金属材料の種類にもよるが、一般的には熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等)、ガラス、セラミック等を用いて酸素遮断性要素、例えばコーティングまたはフィルムを形成できる。
このような樹脂コーティングまたはフィルムを形成できる熱硬化性樹脂(または熱硬化性ポリマー)は、例えば特開2006−121049号公報に開示されているポリアミン−ポリエポキシド材料であり、その公報の内容を本明細書においても参照できる。更に、米国特許第5300541号および米国特許第5637365号に開示されているガスバリヤー材料も本発明のヒューズ素子において酸素遮断性コーティングまたはフィルムに使用できる。この米国特許の内容も本明細書においても参照できる。また、使用するのが好ましい樹脂としては、具体的には、エポキシ樹脂(三菱ガス化学社製、マクシーブ、ポリエポキシ樹脂とポリアミン樹脂との2液型エポキシ樹脂;藤倉化成社製、PS−MISC−ZETRET、同様の他のエポキシ樹脂)等を例示できる。
本発明のヒューズ素子は、構造がより簡単であり、その結果、ヒューズ素子をより簡単に製造できる。例えば、酸素遮断性要素を形成する材料、例えば熱硬化性樹脂の溶液をヒューズ部材の一部分の周囲に塗布し、それを硬化することによってヒューズ素子を製造できる。別の態様では、ヒューズ部材の一部分を2枚の酸素バリヤー性フィルムの間に挟むように配置してフィルムを一体に熱圧着することによって、ヒューズ素子を製造できる。
このようなヒューズ素子は、ヒューズ部材が溶融するほどに、その温度が高温になった場合、(後述の実施例によっても理解できるように)酸素難アクセス領域においてヒューズ部材の溶融・破断・離隔が酸素易アクセス領域に優先して生じ、電流を遮断できる。本発明のヒューズ素子において、酸素遮断性コーティングまたはフィルムがヒューズ部材の一部分の周囲に存在することによって酸素難アクセス領域が形成されている場合、コーティングまたはフィルムによってヒューズ部材の溶融部分が外に飛び出すことが防止され、その結果、従来の素子において用いられているケーシングを省略することができる。従って、ケーシングの両端を封止するのに必要な樹脂も省略できる。
尚、上述のように、酸素易アクセス領域ではなく、酸素難アクセス領域においてヒューズ部材の溶融・破断・離隔が生じるメカニズムは、現時点では明らかではないが、1つの可能性として、次のように考えることができる:周辺環境からの酸素難アクセス領域への酸素のアクセスが抑制され、また、酸素易アクセス領域への酸素のアクセスは特に阻害されない条件下で、ヒューズ部材が溶融するほどの高温環境にヒューズ素子が付された場合、ヒューズ部材において、酸素易アクセス領域と比較して酸素難アクセス領域では、ヒューズ部材を構成する材料が溶融して球状になり易く、他方、酸素難アクセス領域が球状になる温度においても、酸素易アクセス領域では溶融することはないので、酸素難アクセス領域においてヒューズ部材の導電機能が損なわれて電流を遮断すると考えられる。
このような考えは、1つの可能性に過ぎず、従って、後にこの考えが妥当でないからという理由によって、本発明が意味のないものになるものではない。酸素易アクセス領域および酸素難アクセス領域を共存させることによって、酸素難アクセス領域においてヒューズ部材の溶融・破断が生じ易いという事実、そして、それによって、構造がより簡単であり、従って、より簡単に製造できるヒューズ素子が提供されること、即ち、本発明は、何等影響されるものではない。
図1は、本発明のヒューズ素子10の平面図(a)および端面図(b)を模式的に示す。 図2は、本発明のヒューズ素子10の別の態様の平面図(a)および端面図(b)を模式的に示す。 図3は、本発明のヒューズ素子10の別の態様の平面図を模式的に示す。 図4は、図1の本発明のヒューズ素子10が動作してヒューズ部材が溶融・破壊・離隔した様子を平面図にて模式的に示す。
添付図面を参照して、本発明を更に詳細に説明する。図1および図2は、本発明のヒューズ素子を平面図(a)および側面図(b)にて模式的に示す。
図1に示したヒューズ素子10は、長尺のヒューズ部材12およびその中央部分の周囲に配置された酸素遮断性コーティング14を有して成る。ヒューズ部材12の内、酸素遮断性コーティング14に覆われた部分は酸素難アクセス領域16(即ち、酸素が容易にアクセスできない領域)を構成し、酸素遮断性コーティング14に覆われていない部分は酸素易アクセス領域18(即ち、酸素が容易にアクセスできる領域)を構成する。即ち、図示した態様では、2つの酸素易アクセス領域18の間に1つの酸素難アクセス領域16が存在し、これらは相互に隣接している。
図示した本発明のヒューズ素子10は、例えば、酸素遮断性コーティング14を形成できる、その前駆体としての塗料をヒューズ部材12の中央部分の周囲に塗布し、それを固化させることによって製造することができる。例えば塗料として熱硬化性樹脂を使用して、塗布の後、加熱して樹脂を硬化することによってヒューズ素子を製造できる。
図2に示したヒューズ素子10は、長尺のヒューズ部材12およびその左部分の周囲に配置された酸素遮断性コーティング14を有して成る。酸素遮断性コーティング14は、ヒューズ部材の左側端面をも覆っている。その結果、ヒューズ部材12の内、左側部分は酸素難アクセス領域16(即ち、酸素が容易にアクセスできない領域)を構成し、酸素遮断性コーティング14に覆われていない右側部分は酸素易アクセス領域18(即ち、酸素が容易にアクセスできる領域)を構成する。図2に態様では、1つの酸素易アクセス領域18および1つの酸素難アクセス領域16が存在し、これらは相互に隣接している。尚、図2に示す態様では、ヒューズ部材12の左側端部に予めリード20を接続してある。そその後、酸素遮断性コーティング14を形成する。
図示した本発明のヒューズ素子は、例えば、酸素遮断性コーティング14を形成できる、その前駆体としての塗料中にヒューズ部材12の左側部分を浸漬してその後引き上げ、ヒューズ部材の左側部分の周囲に付着した塗料を固化させることによって製造することができる。
図3は、U字形状のヒューズ部材12の上側および下側に透明の酸素遮断性フィルム14を配置してヒューズ部材12の両方の端部がフィルムから突出するようにし、これらを一体に接続する、例えば熱圧着することによって形成されるヒューズ素子10を模式的に示す。容易に理解できるように、フィルム14から突出している、ヒューズ部材の部分が酸素易アクセス領域18に対応し、フィルムに覆われている、ヒューズ部材の部分が酸素難アクセス領域16に対応する。
尚、図1および図3の態様では、ヒューズ素子を所定の回路に接続して使用する場合、酸素アクセス領域の双方の端部を所定の導電性要素、例えばリード、ターミナル、パッド等に接続する。図2の態様では、一方では、酸素易アクセル領域18を同様に所定の導電性要素に接続し、他方、リード20を所定の導電性要素に接続する。
ヒューズ部材として低融点金属の糸はんだ(商品名:C−LF98、千住金属社製、直径0.8mm、長さ20mm、Sn(39.8)−In(52)−Bi(7)−Zn(1.2)合金、融点98℃)の中央部分の周囲に熱硬化性樹脂を塗布し、加熱して硬化させることによって図1に示す本発明のヒューズ素子を製造した。尚、使用した熱硬化性樹脂は、硬化剤としてのアミン系樹脂(20重量部、商品名:マクシーブC−93、三菱ガス化学社製)を用いるエポキシ樹脂(10重量部、商品名:マクシーブC−100、三菱ガス化学社製)であり、それにより形成されるコーティングの酸素透過係数は、0.03cc・mm/(m・atm・day)であった。
ちなみに、汎用的な樹脂としては、例えば、硬化剤としてのダイマー酸変性ポリアミドアミン(30重量部、商品名:トーマイド225−X、富士化成(株)製)を用いるビスフェノールA型エポキシ樹脂(50重量部、商品名:エピコート828、ジャパンエポキシレジン(株)製)であり、それにより形成されるコーティングの酸素透過係数は、3.7cc・mm/(m・atm・day)である。
得られたヒューズ素子を恒温槽内に配置し、その内部温度を徐々に上昇させた。恒温槽内の温度が98℃になった時、ヒューズ素子のヒューズ部材の中央部分が溶融し、ヒューズ部材が破断状態となった。このような加熱は、ヒューズ素子が動作してヒューズ部材が溶融・破壊・離隔して電流を遮断する時のシミュレーションに相当する。
その時の破断部分を図4に模式的に断面図にて示す。図示するように、コーティング14により形成された、酸素難アクセス領域のヒューズ部材18が破断状態となり、これらの端部が空間部22を隔てて対向している。図示するように、ヒューズ部材18の端部は半球状部分を有する。
10…ヒューズ素子、12…ヒューズ部材、
14…酸素遮断性要素(コーティングまたはフィルム)、16…酸素難アクセス領域、
18…酸素易アクセス領域、20…リード、22…空間部。

Claims (5)

  1. ヒューズ部材を有して成るヒューズ素子であって、
    ヒューズ部材は、それを電流が流れる場合の電流の流れ方向に沿って、少なくとも1つの酸素難アクセス領域、および少なくとも1つの酸素易アクセス領域を有して成り、
    酸素難アクセス領域は、樹脂から形成された酸素遮断性要素に囲まれたヒューズ部材の一部分であることを特徴とし、
    酸素遮断性要素は、上記ヒューズ部材の一部分の表面に接して形成されており、
    酸素遮断性要素の酸素透過係数は、0.3cc・mm/(m・atm・day)未満であり、
    樹脂がエポキシ樹脂である、ヒューズ素子。
  2. 酸素遮断性要素は、ヒューズ部材の一部分を包囲するコーティングの形態である請求項1に記載のヒューズ素子。
  3. 酸素遮断性要素は、ヒューズ部材の一部分を挟むフィルムの形態である請求項1に記載のヒューズ素子。
  4. 酸素難アクセス領域は、酸素易アクセス領域の間に挟まれている請求項1〜3のいずれかに記載のヒューズ素子。
  5. 酸素遮断性要素の酸素透過係数は、0.1cc・mm/(m・atm・day)未満である請求項1〜4のいずれかに記載のヒューズ素子。
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