JP6343234B2 - 炭化珪素焼結体、炭化珪素焼結体の製造方法、焼成治具、焼成炉および金属溶湯保持炉 - Google Patents

炭化珪素焼結体、炭化珪素焼結体の製造方法、焼成治具、焼成炉および金属溶湯保持炉 Download PDF

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Description

開示の実施形態は、炭化珪素焼結体、炭化珪素焼結体の製造方法、焼成治具、焼成炉および金属溶湯保持炉に関する。
従来、炭化珪素焼結体の一種である再結晶炭化珪素の製造方法においては、たとえば、先ず炭化珪素粉末などを溶媒中に分散させてスラリー状の混合物を作り、かかる混合物を成形して成形体を作製するようにしている。そして、従来の製造方法では、成形体を焼成炭化させた後、炭素粉末およびシリカ粉末の混合粉末に埋設しつつ加熱処理することで、再結晶炭化珪素を製造している(たとえば、特許文献1参照)。また、上記した炭化珪素焼結体は、たとえば、焼成治具や焼成炉材などに用いられることがある。
特開昭51−76310号公報
しかしながら、近年、上記した焼成治具等は、従来よりも急熱急冷の条件下、高温酸化雰囲気での条件下で使用される傾向にあることから、炭化珪素焼結体においては、従来よりも耐熱衝撃性、強度、高温強度および耐酸化性に優れるものが望まれていた。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、耐熱衝撃性、強度、高温強度および耐酸化性に優れた炭化珪素焼結体、炭化珪素焼結体の製造方法、焼成治具、焼成炉および金属溶湯保持炉を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る炭化珪素焼結体は、炭化珪素の粒度分布において、炭化珪素の最大粒径D99の1/3の値を基準粒径Dpとするとともに、粒径が0mm以上でDp以下の範囲を第1範囲、粒径がDpより大きくDpの2倍の値以下の範囲を第2範囲、粒径がDpの2倍の値より大きくD99以下の範囲を第3範囲としたとき、第1範囲に10%〜40%の粒子が存在し、かつ、第3範囲に10%〜40%の粒子が存在し、かつ、第1範囲および第3範囲に存在する粒子の合計が34%以上である。
実施形態の一態様によれば、上記した粒度分布となっていることで嵩比重が増加し、よって耐熱衝撃性、強度、高温強度および耐酸化性に優れた炭化珪素焼結体、炭化珪素焼結体の製造方法、焼成治具、焼成炉および金属溶湯保持炉を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る製造方法によって製造される炭化珪素焼結体を概略的に説明するための図である。 図2は、炭化珪素焼結体の断面を示すSEM画像の一例である。 図3は、第1の実施形態に係る焼成治具の構成例を示す斜視図である。 図4は、第1の実施形態に係る炭化珪素焼結体を製造する処理手順を示すフローチャートである。 図5Aは、実施例1により製造された炭化珪素焼結体の粒度分布図である。 図5Bは、実施例2により製造された炭化珪素焼結体の粒度分布図である。 図6は、比較例1により製造された炭化珪素焼結体の粒度分布図である。 図7は、第2の実施形態に係る焼成炉の構成例を示す断面図である。 図8は、第2の実施形態に係る焼成炉の変形例を示す断面図である。 図9は、第3の実施形態に係る金属溶湯保持炉の構成例を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する炭化珪素焼結体、炭化珪素焼結体の製造方法、焼成治具、焼成炉および金属溶湯保持炉の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る炭化珪素焼結体は、原料である炭化珪素粉末の調合、混練、成形、乾燥および焼結の各工程を含む製造方法により製造される。図1は、第1の実施形態に係る製造方法によって製造される炭化珪素焼結体を概略的に説明するための図である。
図1において、上部には、各工程のうち、成形工程によって作製された成形体1の拡大断面図を示し、下部には、焼結工程によって製造された炭化珪素焼結体2の拡大断面図を示している。なお、図1および後述する図3,7〜9は、図示の簡略化および理解の便宜のため、いずれも模式的に示した図である。
先ず、第1の実施形態に係る炭化珪素焼結体2について製造方法に沿って順に説明する。原料の調合工程は、原料となる炭化珪素粉末と、多糖類系のバインダと、水とを調合する工程である。炭化珪素粉末は、たとえば、粒径が互いに異なる3種類以上の炭化珪素粉末が含まれていることが好ましい。
なお、ここでは、理解の便宜のため、3種類の粒径を有する炭化珪素粉末を例にとって説明するが、これはあくまでも例示であって、粒径は3種類に限定されるものではない。また、以下では、上記した3種類の粒径を有する炭化珪素粉末について、粒径が小さい順に、小粒径粉末11、中粒径粉末12および大粒径粉末13と相対的な大きさで区別して記載することがある(図1参照)。
また、上記した小粒径粉末11、中粒径粉末12および大粒径粉末13は、それぞれ粒径が1種類である必要はない。すなわち、炭化珪素粉末の粒径が4種類以上ある場合であっても、かかる炭化珪素粉末を小粒径粉末11、中粒径粉末12および大粒径粉末13の3つに分類するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、炭化珪素粉末の最大粒径D99の1/3の値を粉末基準粒径Dpaとした場合、粒径が0μm以上でDpa未満の範囲を「小粒径範囲」とし、かかる小粒径範囲に存在する炭化珪素粉末を「小粒径粉末11」と分類してもよい。
また、粒径がDpa以上でDpaの2倍の値未満の範囲を「中粒径範囲」とし、かかる中粒径範囲に存在する炭化珪素粉末を「中粒径粉末12」と分類してもよい。また、粒径がDpaの2倍の値以上でD99以下の範囲を「大粒径範囲」とし、かかる大粒径範囲に存在する炭化珪素粉末を「大粒径粉末13」と分類してもよい。
なお、上記した炭化珪素粉末の最大粒径D99とは、画像解析式粒子径分布測定方法によって炭化珪素粉末の粒径を測定し、その粒径の小さい方から体積を積算して99%の位置にあたる粒子の粒径を意味している。
そして、本実施形態では、原料である炭化珪素粉末の粒度分布において、小粒径範囲に30重量%〜70重量%の小粒径粉末11(粒子)が存在していることが好ましく、より好ましくは40重量%〜65重量%存在している。
また、中粒径範囲に15重量%〜35重量%の中粒径粉末12(粒子)が存在していることが好ましく、より好ましくは20重量%〜30重量%存在している。また、大粒径範囲に15重量%〜35重量%の大粒径粉末13(粒子)が存在していることが好ましく、より好ましくは15重量%〜25重量%存在している。
小粒径粉末11、中粒径粉末12および大粒径粉末13の3種類の粒子がそれぞれ、上記した割合で存在していることから、大粒径粉末13同士の間にある隙間が中粒径粉末12や小粒径粉末11で埋まることとなり、成形する際に充填率が向上し、焼成後の嵩比重を向上させることができる。
多糖類系のバインダとしては、たとえば、デキストリンやグルコースなどを適用することができるが、これらに限定されるものではない。
混練工程は、調合工程で調合された原料を混練し、混練物を作製する工程である。なお、混練工程における原料の混練は、たとえば、図示しない混合攪拌機を用いて行われることが好ましいが、これに限定されるものではない。
成形工程は、混練工程で得られた混練物をプレス成形し、成形体1を作製する工程である。具体的に成形工程では、たとえば、混練物を図示しないプレス機に投入し、プレス機で加圧して成形体1を作製する。
図1の上部に示すように、成形体1にあっては、大粒径粉末13と大粒径粉末13との間に中粒径粉末12や小粒径粉末11が入り込むようになることから、成形体1の密度を増加させることが可能となる。
このように、原料たる炭化珪素粉末を、たとえば、小粒径粉末11、中粒径粉末12および大粒径粉末13の粒径が互いに異なる3種類の粉末とし、かかる原料をプレス成形することで、高密度な成形体1を得ることができる。
また、たとえば、仮に、原料をスラリー状にして石膏型に流し込む、鋳込み成形で成形体を作製しようとした場合、粒径が比較的大きい大粒径粉末13などは沈降するため、使用することが難しい。そこで、本実施形態では、プレス成形を用いることで、上記した大粒径粉末13の沈降を生じさせることなく、成形体1を作製することができる。
なお、上記では、プレス成形を用いて成形体1を作製する場合を例にとって説明したが、これに限られず、たとえば、冷間静水圧プレス成形などその他の手法によって成形体1を作製してもよい。
乾燥工程は、成形工程で得られた成形体1を乾燥させる工程である。かかる乾燥工程によって、成形体1に含まれる水分が除去される。
焼結工程は、成形体1を炭素粉末およびシリカ粉末の混合粉末に埋設し、埋設された状態の成形体1を加熱して焼結させ、図1の下部に示す炭化珪素焼結体2を製造する工程である。上記した炭化珪素焼結体2は、詳しくは再結晶炭化珪素(RSiC)である。
具体的に焼結工程では、たとえば、炭素粉末およびシリカ粉末の混合粉末に埋設された成形体1を焼成炉(図1で図示せず)に収容し、焼成炉の温度をたとえば2000℃以上まで上げて焼結させる。このとき、たとえば、アルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気下で焼結が行われることが好ましい。
なお、上記では、焼結が行われる焼成炉の温度を2000℃以上としたが、たとえば2000℃〜2500℃が好ましい。これにより、成形体1の炭化珪素粉末を確実に焼結させることができる。
たとえば、焼成炉の温度が2000℃未満の場合、炭化珪素粉末の焼結が進行せず、耐熱衝撃性や強度が低くなって好ましくない。他方、焼成炉の温度が2500℃以上の場合、焼成のコストが高くなるとともに、炭化珪素の昇華が激しくなって嵩比重を低下させる可能性があるので避けた方が好ましい。
成形体1における炭化珪素粉末にあっては、焼結する際に、小粒径粉末11、中粒径粉末12および大粒径粉末13の炭化珪素の相互拡散により、粒子同士を結合する粒子間ネック24が形成される。なお、図1にあっては、理解し易くするため、粒子間ネック24に斜線を引いて示した。
また、本実施形態では、成形体1を炭素粉末に埋設して炭素源を添加するようにしたことから、焼結時の炭化珪素粉末の蒸発を促進することができる。また、本実施形態では、成形体1を炭素粉末およびシリカ粉末に埋設して焼成させることで、粒子間ネック24の成長を促進させることができる。
さらに、小粒径粉末11、中粒径粉末12および大粒径粉末13の3種類の粒子がそれぞれ、上述の割合で存在していることにより、適度に焼結が進行し、炭化珪素粉末の焼結ならびに粒子間ネック24の生成を促進させることができる。
また、上記した焼結が行われる際、小粒径粉末11、中粒径粉末12および大粒径粉末13はそれぞれ、粒径を維持した状態、あるいは、粒径が大きくなった状態の粒子となり、上記した粒子間ネック24によって互いに結合される。
したがって、以下では、炭化珪素焼結体2において、小粒径粉末11が焼結して形成され、粒径が比較的大きい粒子を「小粒子21」ということがある。同様に、炭化珪素焼結体2において、中粒径粉末12が焼結して形成された粒子を「中粒子22」、大粒径粉末13が焼結して形成された粒子を「大粒子23」ということがある。
なお、例えば仮に、粒子間ネック24の成長が進行せず、粒子間の結合が弱い場合、炭化珪素焼結体2のおける強度、高温強度、高温でのクリープひずみ、耐酸化性が悪化するおそれがある。例えば、炭化珪素焼結体2を高温酸化雰囲気で使用した場合、小粒径粉末11の焼結および小粒径粉末11と粒子間ネック24が進行していないと、高温で酸化しやすくなり、高温強度、高温でのクリープひずみ、耐酸化性を著しく悪化させるおそれがある。
ここで、上記した炭化珪素焼結体2について炭化珪素の粒度分布を求める。具体的には、たとえば、炭化珪素焼結体2の断面のSEM(Scanning Electron Microscope)画像を撮像し、かかるSEM画像からインターセプト法による面積比率をもとに炭化珪素の粒径を測定し、粒度分布を求める。図2は、上記した炭化珪素焼結体2の断面を示すSEM画像の一例である。
具体的な粒径の測定手順としては、SEM画像に任意の線を引き、かかる線と交差した粒子について、その長径と短径とを測定する。次いで、粒子形状を楕円とし、長径および短径からその粒子の面積を算出する。また、長径および短径の平均値を、その粒子の粒径とする。そして、別の視野の複数のSEM画像も撮像し、撮像した複数のSEM画像を用いて前述の測定を繰り返し、500個以上の粒子の粒径および面積を測定した後、統計的に処理することで、炭化珪素焼結体2の断面組織における炭化珪素粒子の粒度分布を求める。
上記によって求められた炭化珪素の粒度分布において、炭化珪素の最大粒径D99の1/3の値を基準粒径Dpとするとともに、粒径が0mm以上でDp以下の範囲を第1範囲、粒径がDpより大きくDpの2倍の値以下の範囲を第2範囲、粒径がDpの2倍の値より大きくD99以下の範囲を第3範囲と称することとする。すなわち、粒度分布を粒径に応じて3つの範囲に分け、かかる3つの範囲を小さい順に第1、第2、第3範囲と称するようにした。
なお、炭化珪素の最大粒径D99とは、インターセプト法によって炭化珪素焼結体2における炭化珪素の粒径を測定し、その粒径の小さい方から面積を積算して99%の位置にあたる粒子の粒径を意味している。
また、粒度分布において、上記した第1範囲には小粒子21が含まれるとともに、第2範囲には中粒子22が含まれ、第3範囲には大粒子23が含まれているものとする。
そして、粒度分布を評価・解析すると、粒度分布においては、第1範囲に10%〜40%、好ましくは20%〜34%の小粒子(粒子)21が存在し、第2範囲に36%〜66%、好ましくは42%〜60%の中粒子(粒子)22が存在し、第3範囲に10%〜40%、好ましくは16%〜25%の大粒子(粒子)23が存在している。
また、粒度分布においては、第1範囲および第3範囲に存在する粒子の合計、すなわち、小粒子21および大粒子23の合計が全体の34%以上である。言い換えれば、第2範囲に存在する中粒子22は全体の66%未満である。
このように、炭化珪素焼結体2にあっては、小粒子21、中粒子22および大粒子23の3種類の粒子がそれぞれ、上記した割合で存在していることから、大粒子23同士の間にある隙間が中粒子22や小粒子21で埋まることとなる。これにより、炭化珪素焼結体2において、嵩比重が増加して耐熱衝撃性、強度、高温強度および耐酸化性を向上させることができる。
詳しくは、炭化珪素焼結体2の嵩比重が2.6〜2.8であることが好ましく、より好ましくは2.65〜2.75である。嵩比重が上記した範囲にあることから、炭化珪素焼結体2の耐熱衝撃性、強度および高温強度を向上させることができる。
炭化珪素焼結体2は、耐熱衝撃性が400℃以上であることが実用上好ましく、より好ましくは500℃以上である。
また、炭化珪素焼結体2は、平均曲げ強度が20MPa以上であることが実用上好まく、より好ましくは40MPa以上である。
また、炭化珪素焼結体2は、高温環境下(たとえば1000℃〜1500℃の温度)での平均曲げ強度が20MPa以上であることが実用上好ましく、より好ましくは40MPa以上である。
また、炭化珪素焼結体2は、高温環境下(たとえば1500℃の温度)での平均曲げ強度の60%の負荷を10時間かけた場合のクリープひずみが5%以下であることが実用上好ましく、より好ましくは3%以下である。
また、炭化珪素焼結体2は、耐酸化性を示す値の一種である酸化重量増加率が2%以下であることが実用上好ましく、より好ましくは1.7%以下である。なお、嵩比重、耐熱衝撃性、平均曲げ強度、高温時の平均曲げ強度、高温時のクリープひずみおよび酸化重量増加率は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
また、上記した炭化珪素の粒度分布においては、炭化珪素の粒子の度数が0.5%未満の区間(ギャップ)が存在し、かかる区間は第2範囲から第3範囲までの間に1つ以上ある。なお、上記した0.5%未満の区間については、後に説明する。
このような粒度分布を有する炭化珪素焼結体2にあっては、大粒子23、中粒子22および小粒子21の充填効率が良くなって嵩比重がより増加し、よって耐熱衝撃性、強度および高温強度をより一層向上させることができる。
また、炭化珪素焼結体2において、炭化珪素の最大粒径D99は800μm以上が好ましく、より好ましくは1mm以上である。このように、炭化珪素焼結体2は、比較的粗くて大きな粒子を含んでいることから、熱衝撃による熱応力が作用する場合であっても、大きな粒子の周辺に形成される気孔によって応力が緩和され、そのため焼結体に亀裂が入りにくく、耐熱衝撃性をより一層向上させることができる。
また、上記のようにして得られる炭化珪素焼結体2の気孔率は、5%〜20%の範囲が好ましく、より好ましくは14%〜18%である。ここで、「気孔率」とは、JISR1634:2008に規定する手法に基づき、アルキメデス法により得られた値をいう。
また、炭化珪素焼結体2の純度は、98%〜99.999%の範囲が好ましく、より好ましくは99%〜99.999%である。ここで、「純度」とは、蛍光X線分析、TC(トータルカーボン)分析、FC(フリーカーボン)分析および酸素分析などにより得られた値をいう。なお、炭化珪素焼結体2の純度が99.999%以上でも問題はないが、使用する炭化珪素粉末の純度を高くする必要があり、コストが高くなるため好ましくない。
また、炭化珪素焼結体2の熱伝導率は、50W/m・K以上の範囲が実用上好ましく、より好ましくは80W/m・K以上である。
このようにして製造された炭化珪素焼結体2は、たとえば積層セラミックスコンデンサなどの電子部品を製造する過程に含まれる、電子部品を焼成する工程で使用される焼成治具として利用することができる。
以下、第1の実施形態に係る炭化珪素焼結体2を適用し得る焼成治具について、図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態に係る焼成治具の構成例を示す斜視図である。なお、図3においては、説明を分かり易くするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図3に示すように、焼成治具30は、基台31と、セッター32とを備える。そして、焼成治具30のセッター32の上には、被焼成物33が載置されている。
被焼成物33は、たとえば積層セラミックスコンデンサなどの電子部品である。すなわち、上記した焼成治具30は、電子部品用の焼成治具である。なお、上記では、被焼成物33を積層セラミックスコンデンサとしたが、これは例示であって限定されるものではない。すなわち、被焼成物33は、たとえばチップインダクタや半導体基板など、焼成が行われる電子部品であればどのような種類のものであってもよい。
焼成治具30は、セッター32の上面32aに被焼成物33が載置された状態で、図3で図示しない焼成炉内に配置され、被焼成物33を焼成する工程が行われる。
焼成治具30の基台31は、プレート部31aと、支持部31bとを備える。プレート部31aは、上面にセッター32を載せることが可能な形状、具体的にたとえば略平板状で、かつ平面視略矩形状とされる。
支持部31bは、複数個(たとえば4個。図3では1個見えず)あり、プレート部31aの下面側の適宜位置に形成される。具体的に支持部31bは、プレート部31aの下面の四隅部分からZ軸の負方向に向けて突出するように形成され、プレート部31aを支持する。
また、基台31は、図3に示す形状に限定されるものではない。すなわち、基台31は、たとえばさや(匣鉢)やラックなどであってもよく、要はセッター32を載せることが可能な形状であればよい。さらに、基台31とセッター32とは、別体である必要はなく、一体化するように構成してもよい。
また、プレート部31aの形状は、上記した略矩形状に限定されるものではない。すなわち、プレート部31aの形状は、たとえば正方形や三角形などの多角形、または円形や楕円形などその他の形状であってもよい。
上記のように構成された焼成治具30として、本実施形態に係る炭化珪素焼結体2を適用することができる。炭化珪素焼結体2は、上述したように強度および耐熱衝撃性に優れることから、セッター32やプレート部31aなどを、Z軸方向における厚さが比較的薄い、薄板状とすることが可能になる。このように、セッター32等が薄板状とされることで、焼成治具30の軽量化を図ることができる。
また、炭化珪素焼結体2は、熱伝導率が比較的高いことから、熱が焼成治具30から被焼成物33への効率よく伝達され、よって被焼成物33の焼成を促進させることができる。
なお、上記では、本実施形態に係る炭化珪素焼結体2は基台31およびセッター32に適用されるとして説明したが、基台31およびセッター32のうち、一方のみに炭化珪素焼結体2を適用してもよい。また、基台31を構成するプレート部31aおよび支持部31bのうち、一方のみに炭化珪素焼結体2を適用してもよい。
次に、本実施形態に係る炭化珪素焼結体2を製造する方法について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る炭化珪素焼結体2を製造する処理手順を示すフローチャートである。
図4に示すように、先ず、炭化珪素粉末、多糖類系のバインダおよび水などの原料を調合する(ステップS1)。このとき、炭化珪素粉末に、遊離炭素を含ませることが好ましい。ここで、遊離炭素とは、原料となる炭化珪素粉末を生成する際に、炭化珪素とならずに余った炭素のことである。
このように、遊離炭素を含む炭化珪素粉末を使用することで、成形体1に炭素を含有させることができる。炭素を含ませることにより、焼結工程において炭化珪素の粒子間ネック24の成長を促進させることが可能となる。なお、遊離炭素の量は、0.1〜5重量%であることが好ましく、1〜3重量%であることがより好ましい。また、遊離炭素は多すぎても少なすぎても、粒子間ネック24の成長が促進されにくい。さらに、遊離炭素は、小粒径粉末11や中粒径粉末12よりも焼結の起こりにくい大粒径粉末13に多く含まれている方が好ましく、例えば、トータルの遊離炭素量のうちの半分以上が大粒径粉末13に含まれていることが好ましい。
続いて、ステップS1において調合した原料を混練し、混練物を作製する(ステップS2)。次いで、混練物をプレス成形し、成形体1を作製する(ステップS3)。
次いで、成形体1を乾燥させて水分を除去する(ステップS4)。そして、成形体1を炭素粉末およびシリカ粉末の混合粉末に埋設し、埋設された状態の成形体1を加熱して焼結させ、炭化珪素焼結体(再結晶炭化珪素)2を作製する(ステップS5)。
上述してきたように、第1の実施形態に係る炭化珪素焼結体2は、炭化珪素の粒度分布において、最大粒径D99の1/3の値を基準粒径Dpとするとともに、粒径が0mm以上でDp以下の範囲を第1範囲、粒径がDpより大きくDpの2倍の値以下の範囲を第2範囲、粒径がDpの2倍の値より大きくD99以下の範囲を第3範囲としたとき、第1範囲に10%〜40%の粒子が存在し、かつ、第3範囲に10%〜40%の粒子が存在し、かつ、第1範囲および第3範囲に存在する粒子の合計が34%以上である。このような粒度分布を有する炭化珪素焼結体2は、嵩比重が増加によって強度が向上するとともに、優れた耐熱衝撃性、高温強度および耐酸化性を有している。
なお、炭化珪素焼結体2に金属シリコンなどの金属成分やガラスのような、高温(1500℃)で軟化・溶解するものが含まれている場合、高温での強度やクリープ特性が著しく悪くなるため、金属シリコン等が含まれる量は少量か含まれないことが望ましい。
また、炭化珪素焼結体2に、炭化硼素やアルミナ、希土類酸化物など、炭化珪素の焼結助剤成分として機能する化合物が含まれていてもよいが、たとえば焼成治具として長期間使用した場合、被焼成体と反応して、焼成治具の強度が低下し、寿命が短くなることがある。そのため、炭化珪素焼結体2においては、焼結助剤成分として機能する化合物が含まれる量は少量か含まれないことが望ましい。
また、純度が比較的低い炭化珪素焼結体2を焼成治具として用いた場合、上記に示した通り、被焼成体と反応しやすくなり、焼成治具の寿命が短くなったり、被焼成体に不純物元素が移動し、被焼成体の特性を低下させたりする可能性がある。また、純度が比較的低い炭化珪素焼結体2を金属溶湯と接触する部材として用いた場合、不純物元素が金属溶湯に移動し、金属溶湯を汚染する可能性があるため望ましくない。
(実施例1)
実施例1では、粒径が互いに異なる6種類の炭化珪素粉末を原料として用いる。実施例1で用いられる炭化珪素粉末の平均粒径および含有率を表1に示す。
表1に示すように、原料となる炭化珪素粉末の種類は、炭化珪素粉末a〜fの6種類ある。炭化珪素粉末aは、平均粒径が900μmであり、含有率が25重量%である。炭化珪素粉末bは、平均粒径が500μmであり、含有率が20重量%である。また、炭化珪素粉末cは、平均粒径が300μmであり、含有率が10重量%である。
炭化珪素粉末dは、平均粒径が80μmであり、含有率が10重量%である。また、炭化珪素粉末eは、平均粒径が50μmであり、含有率が25重量%である。炭化珪素粉末fは、平均粒径が4μmであり、含有率が10重量%である。
ここで、原料たる炭化珪素粉末a〜fを、上記した小粒径粉末11、中粒径粉末12および大粒径粉末13に分類する。なお、実施例1においては、炭化珪素粉末の最大粒径D99は、全粒子の粒子径分布測定の結果、1200μmであったため、粉末基準粒径Dpaは400μmである。
したがって、炭化珪素粉末c〜fは、炭化珪素粉末の粒度分布において小粒径範囲(0μm≦粒径<Dpa)に存在し、小粒径粉末11に分類される。また、炭化珪素粉末bは、中粒径範囲(Dpa≦粒径<2Dpa)に存在し、中粒径粉末12に分類されるとともに、炭化珪素粉末aは、大粒径範囲(2Dpa≦粒径≦D99)に存在し、大粒径粉末13に分類される。
以上から、実施例1の炭化珪素粉末の粒度分布においては、表1に示すように、小粒径範囲に55重量%の小粒径粉末11が存在し、中粒径範囲に20重量%の中粒径粉末12が存在し、大粒径範囲に25重量%の大粒径粉末13が存在している。なお、炭化珪素粉末a〜fに含まれている遊離炭素は、全体で1.5%であり、そのうち大粒径範囲の炭化珪素粉末aに1%の遊離炭素が含まれていた。
そして、上記した炭化珪素粉末a〜f等を原料としてプレス成形によって成形体1を作成し、成形体1をアルゴン雰囲気、2400℃で焼結させて炭化珪素焼結体2を得る。
図5Aは、実施例1により製造された炭化珪素焼結体2の粒度分布図である。なお、炭化珪素焼結体2の粒度分布図における「面積割合」は、上記したSEM画像における炭化珪素焼結体2の全体の断面積のうち、各粒径ごとの炭化珪素の面積が占める割合を意味している。なお、本明細書では、「面積割合」を「度数」と表現する場合がある。
また、炭化珪素焼結体2の粒度分布において第1〜第3範囲41〜43に存在する粒子の度数、第1範囲41および第3範囲43に存在する粒子を合計した度数、嵩比重、耐熱衝撃性、平均曲げ強度、高温時の平均曲げ強度、高温時のクリープひずみ、気孔率、純度、熱伝導率、および耐酸化性を表2にまとめて示す。
ここで、「嵩比重」は、アルキメデス法で測定した値である。また、「耐熱衝撃性」は、以下のようにして測定した。先ず、横幅450mm×奥行き幅360mm×厚さ10mmの試料を作製する。次に、試料の半分の重量の煉瓦材質のブロックを試料中央に載せた状態で、電気炉にて高温加熱して、1時間以上所望の温度に保持した後に、電気炉からすばやく取り出して室温に晒し、肉眼にて試料の割れの有無を評価した。初期設定温度を300℃として試験を開始し、割れが生じなければ、50℃ずつ昇温させながら試験を繰り返し、割れの生じない温度の上限を「耐熱衝撃性」とした。
また、「平均曲げ強度」は、JISR1601:2008に規定する3点曲げ試験に基づいて測定した値である。「高温時の平均曲げ強度」は、1000℃〜1500℃の高温環境下において、JISR1601:2008に規定する3点曲げ試験に基づいて測定した値である。
また、「高温時のクリープひずみ」は、横幅3mm×奥行き幅4mm×厚さ35mmの試料を大気炉にて1500℃で10時間、平均曲げ強度の60%の負荷を与え、そのときのひずみを測定した値である。
また、「耐酸化性」は、以下のようにして測定した。ここでは、酸化重量増加率を「耐酸化性」として取り扱うこととする。具体的には、先ず、横幅3mm、奥行き幅4mm、厚さ35mmの試料の重量を予め測定した後、かかる試料を1500℃の大気炉にて100時間酸化させる。次いで、酸化後の試料の重量を測定し、酸化前と酸化後との重量変化に基づいて「酸化重量増加率」を算出する。
(実施例2)
実施例2では、粒径が6種類の炭化珪素粉末を原料として用いる。実施例2で用いられる炭化珪素粉末の平均粒径および含有率を表3に示す。
表3に示すように、実施例2では、実施例1で用いた炭化珪素粉末cを除去し、それに代えて、炭化珪素粉末gを原料として含むようにした。炭化珪素粉末gは、平均粒径が1600μmであり、含有率が15重量%である。また、炭化珪素粉末aの含有率は20重量%である。なお、その他の炭化珪素粉末b,d,e,fは、実施例1と同じである。
また、実施例2では、炭化珪素粉末の最大粒径D99が2100μm、粉末基準粒径Dpaは700μmであったため、炭化珪素粉末b,d,e,fが小粒径粉末11、炭化珪素粉末aが中粒径粉末12、炭化珪素粉末gが大粒径粉末13として分類される。
したがって、実施例2の炭化珪素粉末の粒度分布においては、表3に示すように、小粒径範囲に65重量%の小粒径粉末11が存在し、中粒径範囲に20重量%の中粒径粉末12が存在し、大粒径範囲に15重量%の大粒径粉末13が存在している。なお、炭化珪素粉末a,b,d〜gに含まれている遊離炭素は、全体で3%であり、そのうち大粒径範囲の炭化珪素粉末gに1.6%の遊離炭素が含まれていた。
炭化珪素粉末a,b,d〜g等を原料として成形体1を作成し、成形体1をアルゴン雰囲気、2400℃で焼結させて炭化珪素焼結体2を得る。図5Bは、実施例2により製造された炭化珪素焼結体2の粒度分布図である。また、得られた炭化珪素焼結体2における粒度分布図等の特性を表2にまとめて示す。
(実施例3)
実施例3では、粒径が5種類の炭化珪素粉末を原料として用いる。実施例3で用いられる炭化珪素粉末の平均粒径および含有率を表4に示す。
表4に示すように、実施例3では、実施例1で用いた炭化珪素粉末a、cを除去し、それに代えて、炭化珪素粉末hを原料として含むようにした。炭化珪素粉末hは、平均粒径が800μmであり、含有率が33重量%である。また、炭化珪素粉末b,d,e,fの含有率はそれぞれ、30重量%、20重量%、5重量%、12重量%である。
また、実施例3では、炭化珪素粉末の最大粒径D99が1000μm、粉末基準粒径Dpaが333μmであったことから、炭化珪素粉末d,e,fが小粒径粉末11、炭化珪素粉末bが中粒径粉末12、炭化珪素粉末hが大粒径粉末13として分類される。
したがって、実施例3の炭化珪素粉末の粒度分布においては、小粒径範囲に37重量%の小粒径粉末11が存在し、中粒径範囲に30重量%の中粒径粉末12が存在し、大粒径範囲に33重量%の大粒径粉末13が存在している。なお、炭化珪素粉末b,d〜f,hに含まれている遊離炭素は、全体で0.5%であり、そのうち大粒径範囲の炭化珪素粉末hに0.3%の遊離炭素が含まれていた。
そして、実施例1と同様に、炭化珪素焼結体2を作製し、得られた炭化珪素焼結体2における粒度分布図等の特性を表2にまとめて示す。
(実施例4)
実施例4では、粒径が5種類の炭化珪素粉末を原料として用いる。実施例4で用いられる炭化珪素粉末の平均粒径および含有率を表5に示す。
表5に示すように、実施例4では、実施例1で用いた炭化珪素粉末a、b、cを除去し、それに代えて、炭化珪素粉末i、jを原料として含むようにした。炭化珪素粉末iは、平均粒径が600μmであり、含有率が20重量%である。炭化珪素粉末jは、平均粒径が350μmであり、含有率が35重量%である。また、炭化珪素粉末d,e,fの含有率はそれぞれ、20重量%、10重量%、15重量%である。
また、実施例4では、炭化珪素粉末の最大粒径D99が780μm、粉末基準粒径Dpaが260μmであったことから、炭化珪素粉末d,e,fが小粒径粉末11、炭化珪素粉末jが中粒径粉末12、炭化珪素粉末iが大粒径粉末13として分類される。
したがって、実施例4の炭化珪素粉末の粒度分布においては、小粒径範囲に45重量%の小粒径粉末11が存在し、中粒径範囲に35重量%の中粒径粉末12が存在し、大粒径範囲に20重量%の大粒径粉末13が存在している。なお、炭化珪素粉末d〜f,i,jに含まれている遊離炭素は、全体で0.7%であり、そのうち大粒径範囲の炭化珪素粉末iに0.4%の遊離炭素が含まれていた。
そして、実施例1と同様に、炭化珪素焼結体2を作製し、得られた炭化珪素焼結体2における粒度分布図等の特性を表2にまとめて示す。
(比較例1)
次に、比較例1〜3について説明する。比較例1では、粒径が互いに異なる2種類の炭化珪素粉末を原料として用いる。比較例1で用いられる炭化珪素粉末の粒径および含有率を表6に示す。
表6に示すように、比較例1では、炭化珪素粉末pは、平均粒径が200μmであり、含有率が50重量%である。炭化珪素粉末qは、平均粒径が5μmであり、含有率が50重量%である。
また、比較例1の炭化珪素粉末の粒度分布においては、表6に示すように、小粒径範囲に50重量%の小粒径粉末11が存在し、大粒径範囲に50重量%の大粒径粉末13が存在している一方、中粒径範囲には粒子が存在していないものとされる。なお、比較例1においては、炭化珪素粉末の最大粒径D99は、全粒子の粒子径分布測定の結果、240μmであったため、粉末基準粒径Dpaは80μmである。なお、炭化珪素粉末p,qに含まれている遊離炭素は、全体で0.05%であり、そのうち大粒径範囲の炭化珪素粉末pに0.02%の遊離炭素が含まれていた。
そして、かかる炭化珪素粉末と、分散剤と、水とをボールミルにて混合し、スラリー状の混合物を作製する。次いで、スラリー状の混合物を石膏型に流し込む「鋳込み成形」で成形体を作製し、その後、成形体を乾燥させた後にアルゴン雰囲気、2400℃で焼結させて炭化珪素焼結体を得る。
図6は、比較例1により製造された炭化珪素焼結体の粒度分布図である。また、得られた炭化珪素焼結体の粒度分布において、第1〜第3範囲41〜43に存在する粒子の度数、第1範囲41および第3範囲43に存在する粒子を合計した度数、嵩比重、耐熱衝撃性、平均曲げ強度、高温時の平均曲げ強度、高温時のクリープひずみ、気孔率、純度、熱伝導率、および耐酸化性を表2にまとめて示す。
(比較例2)
比較例2では、粒径が3種類の炭化珪素粉末を原料として用いる。比較例2で用いられる炭化珪素粉末の粒径および含有率を表7に示す。
表7に示すように、比較例2では、炭化珪素粉末rを原料として含むようにした。炭化珪素粉末rは、平均粒径が100μmであり、含有率が50重量%である。また、炭化珪素粉末p,qの含有率はそれぞれ、3重量%、47重量%である。
また、比較例2では、炭化珪素粉末の最大粒径D99が240μm、粉末基準粒径Dpaが80μmであったため、炭化珪素粉末qが小粒径粉末11、炭化珪素粉末rが中粒径粉末12、炭化珪素粉末pが大粒径粉末13として分類される。
したがって、比較例2の炭化珪素粉末の粒度分布においては、小粒径範囲に47重量%の小粒径粉末11が存在し、中粒径範囲に50重量%の中粒径粉末12が存在し、大粒径範囲に3重量%の大粒径粉末13が存在している。なお、炭化珪素粉末p,q,rに含まれている遊離炭素は、全体で0.05%であり、そのうち大粒径範囲の炭化珪素粉末pに0.01%の遊離炭素が含まれていた。
そして、比較例1と同様、鋳込み成形で成形体を作製し、その後、成形体を乾燥させた後にアルゴン雰囲気、2400℃で焼結させて炭化珪素焼結体を得る。得られた炭化珪素焼結体における粒度分布図等の特性を表2にまとめて示す。
(比較例3)
比較例3では、粒径が5種類の炭化珪素粉末を原料として用いる。比較例3で用いられる炭化珪素粉末の平均粒径および含有率を表8に示す。
表8に示すように、比較例3では、実施例1で用いた炭化珪素粉末a、bを除去し、それに代えて、炭化珪素粉末sを原料として含むようにした。炭化珪素粉末sは、平均粒径が550μmであり、含有率が10重量%である。また、炭化珪素粉末c,d,e,fの含有率はそれぞれ、20重量%、30重量%、20重量%、含有率が20重量%である。
また、比較例3では、炭化珪素粉末の最大粒径D99が720μm、粉末基準粒径Dpaが240μmであったため、炭化珪素粉末d,e,fが小粒径粉末11、炭化珪素粉末cが中粒径粉末12、炭化珪素粉末sが大粒径粉末13として分類される。
したがって、比較例3の炭化珪素粉末の粒度分布においては、小粒径範囲に70重量%の小粒径粉末11が存在し、中粒径範囲に20重量%の中粒径粉末12が存在し、大粒径範囲に10重量%の大粒径粉末13が存在している。なお、炭化珪素粉末c〜f,sに含まれている遊離炭素は、全体で0.9%であり、そのうち大粒径範囲の炭化珪素粉末sに0.4%の遊離炭素が含まれていた。
そして、実施例1と同様に、炭化珪素焼結体を作製し、得られた炭化珪素焼結体における粒度分布図等の特性を表2にまとめて示す。
表2および図5A,5Bに示すように、実施例1〜4における炭化珪素焼結体2はいずれも、第1範囲41に10%〜40%の粒子が存在し、第2範囲42に36%〜66%の粒子が存在し、第3範囲43に10%〜40%の粒子が存在する粒度分布となる。また、実施例1〜4における炭化珪素焼結体2はいずれも、第1範囲41および第3範囲43に存在する粒子の合計が34%以上である粒度分布となり、嵩比重が高くなることで所望する強度や耐熱衝撃性を得ることができる。
これに対し、比較例1における炭化珪素焼結体は、第1範囲141の粒子は1%であり、また、第2範囲142に41%の粒子が存在し、第3範囲143に58%の粒子が存在している粒度分布となる。また、比較例1における炭化珪素焼結体は、第1範囲141および第3範囲143に存在する粒子の合計が59%である粒度分布となる。
また、比較例1における炭化珪素焼結体は、第2範囲142および第3範囲143に存在する粒子の合計が99%であり、同程度の大きさの粒子が多く含まれている粒度分布となる。同様に、比較例2の炭化珪素焼結体は、第2、第3範囲142,143に存在する粒子の合計が92%であり、比較例3の炭化珪素焼結体は、第1、第2範囲141,142に存在する粒子の合計が92%であり、同程度の大きさの粒子が多く含まれている粒度分布となる。比較例1〜3のような粒度分布を有する炭化珪素焼結体の場合、嵩比重が比較的に低くなって所望する強度や耐熱衝撃性を得ることが難しい。
ここで、粒度分布において、炭化珪素の最大粒径D99の1/3n(nは3以上の自然数)の値を所定粒径Drとし、第1範囲41から第3範囲43までの範囲をDrごとの区間で区画するものとする。図5A,5Bに示す例では、n=3とし、最大粒径D99の1/9の値を所定粒径Drとした場合を図示している。なお、上記では、n=3としたが、これはあくまでも例示であって、nは3以上の自然数であればよい。
また、実施例1においては、炭化珪素の最大粒径D99は、インターセプト法による測定の結果、1080μmであったため、所定粒径Drは120μmである。同様な測定手法に基づき、実施例2における炭化珪素の最大粒径D99は1890μm、所定粒径Drは210μmであり、比較例1における炭化珪素の最大粒径D99は288μm、所定粒径Drは32μmである。
このとき、実施例1,2の粒度分布においては、炭化珪素の粒子の度数が0.5%未満の区間が、第2範囲42から第3範囲43までの間に1つ以上ある。なお、図5A,5Bにおいては、第2範囲42から第3範囲43までの間にある、炭化珪素の粒子の度数が0.5%未満の区間を符号44で示した。
なお、実施例3においては、炭化珪素の最大粒径D99が810μm、所定粒径Drが90μmであった。そして、図示は省略するが、実施例3の粒度分布においては、炭化珪素の粒子の度数が0.5%未満の区間44が、第2範囲42から第3範囲43までの間に1つ存在した。
また、実施例4においては、炭化珪素の最大粒径D99が780μm、所定粒径Drが87μmであった。そして、図示は省略するが、実施例4の粒度分布においては、炭化珪素の粒子の度数が0.5%未満の区間44が、第2範囲42から第3範囲43までの間に存在しなかった。
すなわち、実施例1〜3にあっては、中粒子22を含む第2範囲42と大粒子23を含む第3範囲43とに、粒子が比較的少ないギャップ(区間44)が存在する。これにより、炭化珪素焼結体2にあっては、大粒子23、中粒子22および小粒子21の充填効率が良くなって嵩比重をより増加させることができ、よって耐熱衝撃性および強度がさらに向上することとなる。
なお、図6から分かるように、比較例1の炭化珪素焼結体の粒度分布にあっては、第2範囲142から第3範囲143までの間にギャップは存在しない。
また、比較例2においては、炭化珪素の最大粒径D99が300μm、所定粒径Drが33μmであった。そして、図示は省略するが、比較例2の粒度分布においても、第2範囲42から第3範囲43までの間にギャップは存在しなかった。
また、比較例3においては、炭化珪素の最大粒径D99が700μm、所定粒径Drが78μmであった。そして、図示は省略するが、比較例3の粒度分布においても、第2範囲42から第3範囲43までの間にギャップは存在しなかった。
表2に示されるように、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2はいずれも、嵩比重が2.6〜2.8で良好であり、また比較例1〜3の炭化珪素焼結体の嵩比重と比較しても大きかった。
そして、表2に示されるように、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2の耐熱衝撃性は、いずれも400℃以上で良好であり、また比較例1〜3と比較しても良好であった。このうち、炭化珪素の最大粒径D99が800μm以上である実施例1〜3の耐熱衝撃性は、450℃以上とより良好であった。さらには、D99が1000μm以上である実施例1および2の耐熱衝撃性は、500℃以上と最も良好であった。すなわち、本実施形態によれば、炭化珪素焼結体2において、嵩比重の増加とともに、D99を大きくすることによって耐熱衝撃性を向上させることができる。
なお、実施例4の耐熱衝撃性が他の実施例1〜3と比較して低くなった要因としては、上述のD99がやや小さい要因の他、粒度分布において、第2範囲42から第3範囲43までの間にギャップが存在しなかったことが挙げられる。
また、表2に示されるように、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2の平均曲げ強度は、いずれも20MPa以上で良好であった。実施例1〜4の炭化珪素焼結体2の高温時の平均曲げ強度は、いずれも20MPa以上で良好であった。また、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2の高温時のクリープひずみは、いずれも5%以下で良好であった。このように、本実施形態によれば、炭化珪素焼結体2において、嵩比重の増加によって強度を向上させることができる。
また、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2はいずれも、気孔率が5〜20%で良好であり、また比較例1〜3の炭化珪素焼結体の気孔率と比較しても低かった。すなわち、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2は、比較例1〜3の炭化珪素焼結体に比して高密度であった。
また、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2はいずれも、純度が98〜99.999%で良好であり、また比較例1〜3の炭化珪素焼結体の純度よりも高く良好であった。
また、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2はいずれも、熱伝導率が50W/m・K以上で良好であった。すなわち、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2は熱伝導性に優れる。
また、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2はいずれも、耐酸化性を示す酸化重量増加率は2%以下で良好であり、また比較例1〜3と比較しても低く良好であった。すなわち、実施例1〜4の炭化珪素焼結体2は耐酸化性に優れる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、炭化珪素焼結体2を焼成治具30に適用したが、第2の実施形態では、炭化珪素焼結体2を焼成炉の構造部材に適用するようにした。
図7は、第2の実施形態に係る焼成炉100の構成例を示す断面図である。なお、以下においては、第1の実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、焼成炉100には、焼成治具30が複数個、Z軸方向に段積みされて台板101上に配置される。台板101は、図示しない油圧プッシャーに接続され、油圧プッシャーの動作によって、たとえばX軸方向に移動可能とされる。
焼成炉100の内壁側100aには、炭化珪素焼結体2が適用される内壁部材102が設けられている。内壁部材102は、焼成炉100の構造部材の一例である。
炭化珪素焼結体2は、上述したように、嵩比重の増加によって強度が向上するとともに、耐熱衝撃性に優れている。また高温において耐酸化性、強度、たわみ性に優れていることから、内壁部材102を耐久性に優れたものとすることができる。
上記のように構成された焼成炉100にあっては、図示しないガス供給源から比較的高温のガスが炉内へ供給されて、炉内の温度が上昇する。これにより、焼成治具30上の被焼成物33は、油圧プッシャーによって台板101ごと移動させられながら、加熱されて焼成されることとなる。
なお、上記では、焼成炉100をプッシャー炉としたが、これに限定されるものではなく、たとえば、ベルトコンベアに焼成治具30や被焼成物33を載せて焼成等を行うベルト式の焼成炉など、その他の種類の焼成炉であってもよい。また、図7に示す焼成治具30の個数は、例示であって限定されるものではなく、任意に設定することが可能であり、また、1個であってもよい。
炭化珪素焼結体2が適用される焼成炉100の構造部材としては、上記した内壁部材102に限定されるものではない。図8は、第2の実施形態に係る焼成炉100の変形例を示す断面図である。
図8に示すように、変形例に係る焼成炉100にあっては、台板101の上に、複数の支柱部103がZ軸方向に沿って立設されている。かかる複数の支柱部103間には、複数の架橋部104が段々を構成するように架け渡されている。
そして、架橋部104の上には、それぞれ、上記したセッター32および被焼成物33が載置されている。なお、支柱部103および架橋部104は、セッター32および被焼成物33が載置可能なものであれば、その形状や数、配置場所は問わない。
このように、変形例に係る焼成炉100にあっては、いわゆるビーム方式の構造部材にセッター32および被焼成物33が載置された状態で、被焼成物33の焼成が行われる。
すなわち、変形例に係る焼成炉100における支柱部103および架橋部104は、焼成炉100の構造部材の一例であり、支柱部103および架橋部104に炭化珪素焼結体2が含まれるようにしてもよい。これにより、支柱部103および架橋部104の耐久性を向上させることが可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、炭化珪素焼結体2を金属溶湯保持炉の金属溶湯用部材に適用するようにした。図9は、第3の実施形態に係る金属溶湯保持炉の構成例を示す断面図である。
図9に示すように、金属溶湯保持炉200は、保持槽210と、ヒータ220と、ヒータ保護管230とを備え、保持槽210で保持された金属溶湯240を加熱・保温する装置である。
具体的に説明すると、保持槽210は、内部に空間211を有する形状に形成されている。保持槽210は、上記した空間211部分に金属溶湯240が供給され、所定量の金属溶湯240を保持している。なお、保持槽210の形状は、図9に示されるものに限られず、要は金属溶湯240を保持できればどのような形状であってもよい。
保持槽210の内壁側210aには、炭化珪素焼結体2が適用される内壁部材212が設けられている。内壁部材212は、金属溶湯保持炉200の金属溶湯用部材の一例である。
炭化珪素焼結体2は、嵩比重の増加によって強度および耐熱衝撃性に優れ、また高温において耐酸化性、強度、たわみ性にも優れていることから、内壁部材212を耐久性に優れたものとすることができる。
また、金属溶湯240は、溶解されたアルミニウム合金であるが、これに限定されるものではなく、たとえば銅、亜鉛、マグネシウム合金などその他の金属を溶解したものであってもよい。保持槽210で保持された金属溶湯240は、図示しない鋳型に供給され、金属溶湯240が供給された鋳型を冷却することで、鋳物が製作される。
ヒータ220は、図示しない制御装置に接続され、制御装置によって所定の条件下の場合(たとえば、金属溶湯240の温度が所定温度以下になった場合)に通電されて発熱する。そして、ヒータ220から発せられる熱によって、金属溶湯240が加熱・保温される。
上記したヒータ220も、金属溶湯保持炉200の金属溶湯用部材の一例であり、かかるヒータ220に炭化珪素焼結体2が含まれるようにしてもよい。これにより、ヒータ220の耐久性を向上させることも可能となる。
なお、ヒータ220としては、たとえば電気ヒータを用いることができる。また、ヒータ220の温度は、金属溶湯240の種類によって変わるが、たとえばアルミニウム合金の場合、900℃以上まで昇温するように設定される。
ヒータ保護管230は、上記したヒータ220を収容して保護するヒータチューブであり、保持槽210に設けられている。
なお、上記では、炭化珪素焼結体2が適用される金属溶湯用部材として、内壁部材212やヒータ220を例に挙げたが、それに限られない。すなわち、図示は省略するが、炭化珪素焼結体2を含む金属溶湯用部材として、たとえば、保持槽210に接続されて、溶鉱炉から保持槽210へ金属溶湯240を流入させる樋、または、保持槽210から鋳型へ金属溶湯240を流出させる樋などであってもよい。かかる樋に炭化珪素焼結体2を適用した場合、樋の耐久性を向上させることが可能となる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 成形体
2 炭化珪素焼結体
11 小粒径粉末
12 中粒径粉末
13 大粒径粉末
21 小粒子
22 中粒子
23 大粒子
30 焼成治具
31 基台
32 セッター
33 被焼成物
41,141 第1範囲
42,142 第2範囲
43,143 第3範囲
100 焼成炉
102 内壁部材
103 支柱部
104 架橋部
200 金属溶湯保持炉
210 保持槽
211 内壁部材
220 ヒータ
230 ヒータ保護管
240 金属溶湯

Claims (19)

  1. 炭化珪素の粒度分布において、炭化珪素の最大粒径D99の1/3の値を基準粒径Dpとするとともに、粒径が0mm以上でDp以下の範囲を第1範囲、粒径がDpより大きくDpの2倍の値以下の範囲を第2範囲、粒径がDpの2倍の値より大きくD99以下の範囲を第3範囲としたとき、
    前記第1範囲に10%〜40%の粒子が存在し、かつ、前記第3範囲に10%〜40%の粒子が存在し、かつ、前記第1範囲および前記第3範囲に存在する粒子の合計が34%以上であること
    を特徴とする炭化珪素焼結体。
  2. 炭化珪素の最大粒径D99が800μm以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の炭化珪素焼結体。
  3. 前記粒度分布において、炭化珪素の最大粒径D99の1/3n(nは3以上の自然数)の値を所定粒径Drとし、前記第1範囲から前記第3範囲までの範囲をDrごとの区間で区画したとき、
    炭化珪素の粒子の度数が0.5%未満の区間が、前記第2範囲から前記第3範囲までの間に1つ以上あること
    を特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素焼結体。
  4. 嵩比重が2.6〜2.8であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体。
  5. 気孔率が5%〜20%であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体。
  6. 炭化珪素の純度が98%〜99.999%であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体。
  7. 平均曲げ強度が20MPa以上であること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体。
  8. 1000℃〜1500℃の温度での平均曲げ強度が20MPa以上であること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体。
  9. 1500℃の温度で平均曲げ強度の60%の負荷を10時間かけた場合のクリープひずみが5%以下であること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体。
  10. 熱伝導率が50W/m・K以上であること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体。
  11. 酸化重量増加率が2%以下であること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体。
  12. 粒径が互いに異なる3種類以上の炭化珪素粉末を混合して成形体を成形する成形工程と、
    前記成形体を加熱して焼結させることで、炭化珪素の粒度分布において、炭化珪素の最大粒径D99の1/3の値を基準粒径Dpとするとともに、粒径が0mm以上でDp以下の範囲を第1範囲、粒径がDpより大きくDpの2倍の値以下の範囲を第2範囲、粒径がDpの2倍の値より大きくD99以下の範囲を第3範囲としたとき、前記第1範囲に10%〜40%の粒子が存在し、かつ、前記第3範囲に10%〜40%の粒子が存在し、かつ、前記第1範囲および前記第3範囲に存在する粒子の合計が34%以上である炭化珪素焼結体を形成する焼結工程と
    を含むことを特徴とする炭化珪素焼結体の製造方法。
  13. 前記3種類以上の炭化珪素粉末の粒度分布において、
    炭化珪素粉末の最大粒径D99の1/3の値を粉末基準粒径Dpaとするとともに、粒径が0μm以上でDpa以下の範囲を小粒径範囲、粒径がDpaより大きくDpaの2倍の値以下の範囲を中粒径範囲、粒径がDpaの2倍の値より大きくD99以下の範囲を大粒径範囲としたとき、前記小粒径範囲に30重量%〜70重量%の粒子が存在し、かつ、前記中粒径範囲に15重量%〜35重量%の粒子が存在し、かつ、前記大粒径範囲に15重量%〜35重量%の粒子が存在すること
    を特徴とする請求項12に記載の炭化珪素焼結体の製造方法。
  14. 前記3種類以上の炭化珪素粉末に0.1〜5重量%の遊離炭素を含ませること
    を特徴とする請求項12または13に記載の炭化珪素焼結体の製造方法。
  15. 前記成形工程は、
    プレス成形によって前記成形体を成形すること
    を特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体の製造方法。
  16. 前記焼結工程は、
    不活性ガス雰囲気下において2000℃以上の温度で前記成形体を焼結させること
    を特徴とする請求項12〜15のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体の製造方法。
  17. 請求項1〜11のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体を含むこと
    を特徴とする焼成治具。
  18. 請求項1〜11のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体を含む構造部材
    を備えることを特徴とする焼成炉。
  19. 金属溶湯を保持する保持槽と、
    請求項1〜11のいずれか一つに記載の炭化珪素焼結体を含むとともに、前記保持槽に設けられる金属溶湯用部材と
    を備えることを特徴とする金属溶湯保持炉。
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