詳細な説明
ゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む組成物を使用する、個体における膵臓がんの処置のための方法が、本明細書で提供される。
ゲムシタビンと組み合わせたパクリタキセル(Nab−パクリタキセル、即ちAbraxane(登録商標))のアルブミン安定化ナノ粒子製剤対ゲムシタビン単独を使用した第III相試験を、膵臓の転移性腺癌を有する患者において実施した。ゲムシタビン(例えば、GEMZAR(登録商標))は、膵臓がんを処置するための標準的なファーストライン処置である。試験により、包括解析分析における生存中央値が、ゲムシタビンアームにおける6.7カ月間と比較して、Abraxane(登録商標)/ゲムシタビンアームにおいては8.5カ月間であったことが示された。Abraxane(登録商標)/ゲムシタビンアームにおける無進行生存期間(PFS)は、ゲムシタビンアームにおける3.7カ月間のPFSと比較して、5.5カ月間であり、有意な改善を示した。試験により、9カ月および12カ月のPFS率が、Abraxane(登録商標)/ゲムシタビンアームにおいて2倍化したこと、ならびに独立した放射線学的精査による全体的な奏効率が、ゲムシタビンアームにおける7%からAbraxane(登録商標)/ゲムシタビンアームにおける23%へと3倍化したこともまた示された。この試験の結果は、統計的および臨床的に説得力があり、頑健であり、下位群にわたって一貫しており、複数のエンドポイントによって支持された。さらに、この組合せは、予後不良を有する膵臓がん患者、例えば後期ステージ(例えば、ステージIV)の膵臓がんを有する患者、3つまたはそれより多くの(3つよりも多いなど)転移部位を有する患者、肝臓に転移を有する患者、肺に転移を有する患者、≧59×ULN(正常の上限)の血清CA19−9レベルを有する患者、パフォーマンスステータス不良を有する患者(<90、例えば70〜80のカルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)スコアを有する患者など)、および/または膵臓がんの原発位置が膵臓の頭部である患者であるがこれらに限定されない患者において、特に有効である。
したがって、本発明は、ゲムシタビンと組み合わせた、タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む組成物の投与による、種々の個体における膵臓がんの処置のための、方法、組成物およびキットを提供する。
定義
「個体」という用語は、ヒトを含めた哺乳動物を指す。個体には、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類が含まれるがこれに限定されない。一部の実施形態では、個体はヒトである。「個体」という用語はまた、実施例に記載されるヒト患者を含む。
本明細書で用いられる「処置」または「処置すること」とは、臨床的な結果を含めた有益な結果または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的では、有益または所望の臨床結果に、以下:疾患から結果として生じる1またはそれより多くの症状を緩和すること、疾患の程度を軽減すること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の増悪を予防するかまたは遅延させること)、疾患の拡大(例えば、転移)を予防するかまたは遅延させること、疾患の再発を予防するかまたは遅延させること、疾患の進行を遅延させるかまたは緩徐にすること、疾患状態を改善すること、疾患の寛解(部分寛解または完全寛解)をもたらすこと、疾患を処置するのに必要とされる1またはそれより多くの他の医薬の用量を低減すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上もしくは改善させること、体重増加を増大させること、および/または生存を延長することのうちの1または複数が含まれるがこれらに限定されない。また、「処置」には、膵臓がんの病理学的帰結の軽減も包含される。本発明の方法は、処置のこれらの側面のうちの任意の1または複数を意図する。
本明細書で用いられる「有効量」という用語は、その症状のうちの1または複数を改善するか、緩和するか、軽減するか、かつ/または遅延させるなど、指定された障害、状態、または疾患を処置するのに十分な量の化合物または組成物を指す。膵臓がんについて、有効量は、腫瘍を縮小させ、かつ/もしくは腫瘍の増殖速度を減少させる(腫瘍の増殖を抑制するなど)か、または膵臓がんにおける望ましくない他の細胞増殖を予防するかもしくは遅延させるのに十分な量を含む。一部の実施形態では、有効量が、膵臓がんの発症を遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量が、再発を予防するかまたは遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。膵臓がんの場合、薬物または組成物の有効量は、(i)膵臓がん細胞の数を低減することが可能であり、(ii)腫瘍のサイズを縮小させることが可能であり、(iii)末梢器官への膵臓がん細胞の浸潤をある程度まで阻害し、遅滞させ、緩徐にし、好ましくは停止させることが可能であり、(iv)腫瘍の転移を阻害する(すなわち、ある程度まで緩徐にし、好ましくは停止させる)ことが可能であり、(v)腫瘍の増殖を阻害することが可能であり、(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発を予防するかもしくは遅延させることが可能であり、(vii)膵臓がんと関連する症状のうちの1もしくは複数をある程度まで緩和することが可能であり、および/または(viii)膵臓がん間質を崩壊させる(例えば、破壊する)ことが可能である。
本明細書で用いられる「組合せ療法」とは、第1の薬剤を、別の薬剤と共に投与することを意味する。「〜と共に」とは、同じ個体への他の薬剤の投与に加えた、本明細書に記載されるナノ粒子組成物の投与など、別の処置モダリティーに加えた、1つの処置モダリティーの投与を指す。したがって、「〜と共に」は、個体に他の処置モダリティーを送達する前、送達する間、または送達した後における、1つの処置モダリティーの投与を指す。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性の」とは、生物学的でも他の点でも望ましい材料を意味し、例えば、材料は、あらゆる顕著に望ましくない生物学的作用を引き起こさず、またはそれが含有される組成物の他の成分のうちのいずれかとも有害な様式で相互作用もせずに、個体または患者に投与される医薬組成物へと組み込むことができる。薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤は、好ましくは、毒性試験および製造試験の要求基準を満たし、かつ/または米国食品医薬品局により作成された「不活性成分についての指針」に含まれるものである。
本明細書および付属の特許請求の範囲で用いられる単数形の「ある(a)」、「ある(an)」、および「その」は、文脈が別段のことを明らかに示さない限り、複数の指示を包含する。
本明細書における「おおよその」値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とする実施形態を包含(および記載)する。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を包含する。
本明細書に記載される本発明の態様および実施形態は、態様およびバリエーション「からなる」こと、および/または態様およびバリエーション「から本質的になる」ことを包含することを理解されたい。
膵臓がんを処置する方法
本発明は、ゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む組成物を使用する、個体(例えば、ヒト)における膵臓がん(例えば、転移性膵臓がんまたは局所進行切除不能な膵臓がん)の処置のための方法を提供する。
一部の実施形態では、個体における膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、島細胞腫瘍である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、膵臓内分泌腫瘍である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、膵臓神経内分泌腫瘍である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、腺管腺癌である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、外分泌膵臓がんである。
一部の実施形態では、処置される膵臓がんは、ステージ0、ステージI、ステージII、ステージIIIまたはステージIVである。一部の実施形態では、処置される膵臓がんは、ステージ0、ステージIA、ステージIB、ステージIIA、ステージIIB、ステージIIIまたはステージIVである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、転移性膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、ステージM0にある。一部の実施形態では、この膵臓がんは、ステージM1にある。一部の実施形態では、上記個体は、遠隔転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、遠隔転移を有さない。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんの診断の時点で、ステージI、II、IIIまたはIVのうちのいずれか1つのステージの膵臓がんを有した。例として、膵臓がんのステージ分類は、当業者に公知の方法に基づき得る。膵臓がんのステージ分類は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)Pancreas Cancer Staging、第7版(http://www.cancerstaging.org/staging/posters/pancreas12x15.pdfにおいて入手可能、2012年12月20日に最後にアクセスした)に示される基準に従い得る。例えば、膵臓がんのステージ分類は、表1および2に示される基準に従い得る。
一部の実施形態では、この膵臓がんは、初期ステージの膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、後期ステージの膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、進行膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、局所進行膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、再発性膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、非転移性膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、転移性膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、原発性膵臓がんである。一部の実施形態では、この原発性膵臓腫瘍は、転移している。一部の実施形態では、この膵臓がんは、寛解後に再発している。一部の実施形態では、この膵臓がんは、進行性膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、寛解中の膵臓がんである。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する(例えば、RECIST基準に従って)。一部の実施形態では、上記個体は、例えばCTスキャン(またはMRI)によって測定可能な、1つまたはそれより多くの転移性腫瘍を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは、転移性膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、ステージIVの膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、局所進行切除不能な膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、切除可能な膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、切除可能境界膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、リンパ節陽性(node−positive)である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、切除される。
一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約25歳、約30歳、約35歳、約40歳、約45歳、約50歳、約55歳、約60歳、約65歳、約70歳、約75歳、約80歳、約85歳または約90歳のうちのいずれかである。一部の実施形態では、上記個体は、約25歳、約30歳、約35歳、約40歳、約45歳、約50歳、約55歳、約60歳、約65歳、約70歳、約75歳、約80歳、約85歳または約90歳のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、上記個体は、本開示の例において記載される患者の特徴のうちの1つまたはそれより多くを有する。例えば、上記個体は、以下の特徴のうちの少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは7つのうちのいずれか)を有し得る:(1)組織学的または細胞学的に確認された膵臓の転移性腺癌;(2)CTスキャン(またはMRI)によって測定可能な1つまたはそれより多くの転移性腫瘍;(3)転移性疾患の処置のための先の放射線療法、手術、化学療法または試験的治療なし;(4)男性または非妊娠かつ非授乳中の女性(≧18歳);(5)カルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)≧70;(6)黄疸について無症候性;(7)脳転移なし;(8)島細胞新生物なし;ならびに(9)間質性肺疾患なし。
一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを、上記個体に投与するステップを含む。上記個体は、該個体の転移状態に基づいて選択され得る。例えば、一部の実施形態における処置される個体は、1つまたはそれより多くの(少なくともいずれか1つ、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10つなど)転移部位を有し得る。一部の実施形態では、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有する。一部の実施形態では、上記個体は、3つよりも多い転移部位を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、脳転移を有さない。一部の実施形態では、上記個体は、脳転移を有する。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、個体におけるステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体におけるステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づいて高レベル)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づいて低レベル)を有する。
一部の実施形態では、個体における局所進行切除不能な膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における局所進行切除不能な膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づいて高レベル)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づいて低レベル)を有する。
一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部、体部、尾部または頸部である。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発病変は、膵臓の頭部、体部、尾部または頸部にある。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発病変は、膵臓の頭部にない。例えば、一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性膵臓がんまたは局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、この膵臓がんは、膵臓の腺癌である。一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。例えば、一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約10×正常の上限(「ULN」)、20×ULN、30×ULN、40×ULN、50×ULN、55×ULN、59×ULN、60×ULN、70×ULN、80×ULN、90×ULN、100×ULN、110×ULN、120×ULN、130×ULN、140×ULN、または150×ULNのうちのいずれかの血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約10×ULN、20×ULN、30×ULN、40×ULN、50×ULN、55×ULN、59×ULN、60×ULN、70×ULN、80×ULN、90×ULN、100×ULN、110×ULN、120×ULN、130×ULN、140×ULNまたは150×ULNのうちのいずれかよりも低い血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約10×ULN、20×ULN、30×ULN、40×ULN、50×ULN、55×ULN、59×ULN、60×ULN、70×ULN、80×ULN、90×ULN、100×ULN、110×ULN、120×ULN、130×ULN、140×ULNまたは150×ULNのうちのいずれかの血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約1×ULN〜10×ULN、1×ULN〜20×ULN、1×ULN〜30×ULN、1×ULN〜40×ULN、1×ULN〜50×ULN、1×ULN〜55×ULN、1×ULN〜59×ULN、1×ULN〜60×ULN、1×ULN〜70×ULN、1×ULN〜80×ULN、>1×ULN〜59×ULN、10×ULN〜20×ULN、20×ULN〜30×ULN、30×ULN〜40×ULN、40×ULN〜50×ULN、50×ULN〜59×ULN、50×ULN〜60×ULN、60×ULN〜70×ULN、70×ULN〜80×ULN、90×ULN〜100×ULN、100×ULN〜120×ULN、120×ULN〜150×ULNまたは150×ULN〜200×ULNのうちのいずれかの血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約ULNまたはULN未満である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約ULN以下である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約ULNと約59×ULN未満との間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約59×ULN以上(例えばそれよりも高い)血清CA19−9レベルを有する。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。
一部の実施形態では、上記個体は、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約100のうちのいずれかのカルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)スコアを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約99のうちのいずれかよりも高いKPSスコアを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約100のうちのいずれか以下のKPSスコアを有する。一部の実施形態では、上記個体は、約10〜20、約20〜30、約30〜40、約40〜50、約50〜60、約60〜70、約70〜80、約80〜90または約90〜100のうちのいずれかのKPSスコアを有する。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、約90未満(例えば、約70〜80)のKPSスコアを有する。一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、約90未満(例えば、約70〜80)のKPSスコアを有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。
膵臓がん(例えば、転移性膵臓がん)を有する任意の個体は、本明細書に記載される方法を使用して処置され得る。一部の実施形態では、上記個体は、化学療法ナイーブであるか、または化学療法で処置されていない。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんについて先に処置されていない。一部の実施形態では、上記個体は、転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)について先に処置されていない。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がん(例えば、転移性膵臓がん)に対する先行する治療も先行する化学療法(先行する細胞傷害性化学療法など)も受けていない。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がん(例えば、転移性膵臓がん)に対する放射線療法も手術も受けていない。一部の実施形態では、上記個体は、先行する補助療法(adjuvant therapy)(例えば、補助細胞傷害性化学療法)を受けていない。一部の実施形態では、上記個体は、補助の状況(adjuvant setting)において、放射線増感剤としての5−FUで先に処置されている(例えば、本明細書に記載される処置方法の開始前の少なくとも約6カ月間)。一部の実施形態では、上記個体は、補助の状況において、放射線増感剤としてのゲムシタビンで先に処置されている(例えば、本明細書に記載される処置方法の開始前の少なくとも約6カ月間)。
本明細書中に提供される方法は、補助の状況において実施され得る。「補助の状況」とは、個体が本明細書中に記載のがんの既往歴を有し、個体が治療に全般的に応答性である(しかし、必ずしもそうである必要はない)臨床状況を指すことができ、これには、手術(例えば、手術による切除)、放射線療法、および化学療法が含まれるがこれらに限定されない;しかし、彼らのがんの既往歴のために、これらの個体は、疾患を発症する危険性があると考えられる。「補助の状況」における処置または投与は、後続の処置方式を指す。危険性の程度(例えば、補助の状況にある個体が「高危険性」または「低危険性」とみなされる場合の)は、複数の因子に依存し、最初に処置された時における疾患の程度に依存することが最も通常である。
一部の実施形態では、この方法は、新補助の状況(neoadjuvant setting)で実施される、即ち、この方法は、一次/二次(definitive)治療の前に実施され得る。一部の実施形態では、この方法は、先に処置された個体を処置するために使用される。本明細書に提供される処置方法のいずれかは、先に処置されていない個体を処置するために使用され得る。
本明細書に記載される方法は、膵臓がんについて先に処置された、膵臓がんを有する個体を処置するために使用され得る。この先行する処置は、ゲムシタビン(例えば、GEMZAR)などの化学療法剤を含み得る。一部の実施形態では、この先行する処置は、ゲムシタビンおよび/またはエルロチニブを含む。一部の実施形態では、この先行する処置は、5−FUを含む。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんについて先に処置されており、上記個体は、この先行する処置に対して実質的に不応性である。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんについて先に処置されており、先行する処置に対してもはや応答性でないか、または部分的にのみ応答性である。一部の実施形態では、上記個体は、先行する処置に対して最初は応答性であるが、先行する処置で進行している。一部の実施形態では、上記個体は、先行する処置に対して応答性ではない。
本明細書に記載される方法は、ファーストライン治療として使用され得る。例えば、一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、この処置はファーストライン処置である。
本明細書に記載される方法は、膵臓がんに対する先行する処置が失敗したもしくは実質的に失敗した後に、または膵臓がんがファーストライン治療に対して実質的に不応性であるときに、セカンドラインまたはサードラインの治療としても使用され得る。一部の実施形態では、上記個体は、本明細書に記載される処置を受ける前に、膵臓がん(例えば、転移性膵臓がん)を処置するための少なくとも1つのラインの治療(例えば、化学療法または免疫療法)を受けている。一部の実施形態では、この患者は、治療の1つのラインまたは治療の2つのライン(例えば、化学療法もしくは免疫療法の1つのライン、または化学療法もしくは免疫療法の2つのライン)を受けている。したがって、本明細書に記載される処置は、セカンドライン治療またはサードライン治療として使用され得る。本明細書に記載される治療の先行するラインは、化学療法または免疫療法の先行するラインであり得る。ファーストラインの治療は、以下のいずれかを含み得る:ゲムシタビン、5−FUおよび/またはエルロチニブ。
一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有する。一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有する。一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記個体は、肝臓に転移を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有する。一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づいて)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づいて)を有する。
一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有する。一部の実施形態では、個体における転移性、局所進行切除不能なまたはステージIVの膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にある。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
本明細書に記載される方法は、種々の態様の膵臓がん処置に有用である。一部の実施形態では、ゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を使用する、個体(例えば、ヒト)における膵臓がんの処置のための方法が提供される。一部の実施形態では、有効量は、膵臓がんの発症を遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量は、膵臓がんの発生および/または再発を予防するまたは遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量は、膵臓がんに対して本明細書に記載される方法のいずれかで個体が処置される場合に、完全奏効を生じるのに十分な量を含む。一部の実施形態では、有効量は、膵臓がんに対して本明細書に記載される方法のいずれかで個体が処置される場合に、部分奏効を生じるのに十分な量を含む。
一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物は、完全奏効、部分奏効、膵臓腫瘍のサイズにおける低減、転移の低減、安定な疾患、および/または全体的な奏効率における増加を生じる。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質はアルブミンである。本明細書に記載される有効性パラメーター(完全奏効または部分奏効など)は、当業者に公知の方法のいずれかによって決定され得る。例えば、これらの有効性パラメーターは、RECISTバージョン1.0または1.1基準などのRECISTに従って決定され得る。RECISTバージョン1.1基準は、その開示が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Eisenhauer EAら、2009年、Eur J Cancer.、45巻(2号):228〜47頁に記載されている。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん細胞増殖を阻害する方法が提供され、この方法は、(i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびに(b)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、個体における膵臓がん細胞増殖を阻害する方法が提供され、この方法は、パクリタキセルおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約100%のうちのいずれかを含む)の細胞増殖が阻害される。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIVまたは転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、個体における膵臓がんの転移を予防または阻害する方法が提供され、この方法は、有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、個体における膵臓がんの転移を予防または阻害する方法が提供され、この方法は、パクリタキセルおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のうちのいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、個体における膵臓がんの転移を遅延させるまたは緩徐にする方法が提供され、この方法は、タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIVまたは転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、個体における膵臓腫瘍のサイズを低減させるまたは膵臓腫瘍体積を低減させる方法が提供され、この方法は、有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなどのアルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、腫瘍サイズまたは腫瘍体積の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%または約95%のうちのいずれかが低減される。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIV、局所進行切除不能なまたは転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、低い(減少した)hENT発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、個体における膵臓がんの疾患進行までの時間を延長する方法が提供され、この方法は、有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、個体における膵臓がんの疾患進行までの時間を延長する方法が提供され、この方法は、有効量のゲムシタビンと組み合わせて、パクリタキセルおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、少なくとも約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約2週間、約24週間、約26週間、約28週間、約30週間、約35週間、約40週間、約45週間または約50週間のうちのいずれかだけ、疾患進行までの時間を延長する。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIV、局所進行切除不能なまたは転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIVまたは転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、膵臓がんを有する個体の生存期間を延長する方法が提供され、この方法は、有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、膵臓がんを有する個体の生存期間を延長する方法が提供され、この方法は、有効量のゲムシタビンと組み合わせて、パクリタキセルおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、少なくとも約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間、約18カ月間または約24カ月間のうちのいずれかだけ、上記個体の生存期間を延長する。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIV、局所進行切除不能なまたは転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIVまたは転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法で処置された個体中の血清CA19−9のレベルは、有意に減少する。一部の実施形態では、個体における膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含み、上記個体中の血清CA19−9のレベルは、この処置の前の血清CA19−9のレベルと比較して、少なくとも約20%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約52%、約53%、約55%、約57%、約59%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のうちのいずれかを含む)だけ減少する。一部の実施形態では、ゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物が投与された個体中の血清CA19−9のレベルは、この処置の前の血清CA19−9のレベルと比較して、少なくとも約50%だけ減少する。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIV、局所進行切除不能なまたは転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIV、局所進行切除不能なまたは転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、約50mg/m2と約200mg/m2の間(約100mg/m2と約200mg/m2の間または約100mg/m2と約150mg/m2の間など、例えば約125mg/m2)である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物は、毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、ゲムシタビンの用量は、約600mg/m2〜約2000mg/m2(約1000mg/m2〜約2000mg/m2など、例えば約1000mg/m2)である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、約50mg/m2と約200mg/m2の間(約100mg/m2と約150mg/m2の間など、例えば約125mg/m2)である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物は毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、ゲムシタビンの用量は、約600mg/m2〜約2000mg/m2(約1000mg/m2など)である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体におけるステージIVまたは局所進行切除不能な膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、約50mg/m2と約200mg/m2の間(約100mg/m2と約150mg/m2の間など、例えば約mg/m2)である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物は毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、ゲムシタビンの用量は、約600mg/m2〜約2000mg/m2(約1000mg/m2など)である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、約50mg/m2と約200mg/m2の間(約100mg/m2と約150mg/m2の間など、例えば約mg/m2)である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物は毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、ゲムシタビンの用量は、約600mg/m2〜約2000mg/m2(約1000mg/m2など)である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、約50mg/m2と約200mg/m2の間(約100mg/m2と約150mg/m2の間など、例えば約mg/m2)である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物は毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、ゲムシタビンの用量は、約600mg/m2〜約2000mg/m2(約1000mg/m2など)である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、約50mg/m2と約200mg/m2の間(約100mg/m2と約150mg/m2の間など、例えば約mg/m2)である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物は毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、ゲムシタビンの用量は、約600mg/m2〜約2000mg/m2(約1000mg/m2など)である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、約90未満(例えば、約70〜80)のKPSスコアを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、約50mg/m2と約200mg/m2の間(約100mg/m2と約150mg/m2の間など、例えば約mg/m2)である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物は毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、ゲムシタビンの用量は、約600mg/m2〜約2000mg/m2(約1000mg/m2など)である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、毎週投与される(例えば、4週間サイクルにおける4週間のうちの3週間)。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
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一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約800mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の転移性腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記個体は、肝臓に転移を有し、上記個体は、少なくとも3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有し、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有し、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部にあり、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約600mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、表3に提供される投与レジメンのいずれか1つに従って、個体(本明細書に記載される個体のいずれかなど)における膵臓がんを処置する方法が提供される。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行切除不能な膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のカペシタビン(Xeloda)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。カペシタビンは、腫瘍中で5−フルオロウラシルに酵素的に変換される経口投与される化学療法剤であり、腫瘍においてDNA合成を阻害し得、腫瘍増殖を緩徐にし得る。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量の5−FU(フルオロウラシル)(Efudex)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。5−FUは、dTMPの合成を遮断し得るチミジル酸シンターゼ(thymidilate synthase)阻害剤として主に作用する代謝拮抗薬であり、したがって、がん細胞におけるDNA合成および細胞分裂を妨害する。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のFOLFIRINOXを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。FOLFIRINOXは、フルオロウラシル(上記に記載されている)、ロイコボリンカルシウム(フォリン酸、フルオロウラシルの効力を増強し得る)、イリノテカン塩酸塩(DNA複製を防止し得るトポイソメラーゼ阻害剤)およびオキサリプラチン(DNA中に鎖間および鎖内の架橋を形成することによってDNA合成を阻害し得る白金ベースの化合物)を含む薬物組合せである。一部の実施形態では、FOLFIRINOXの投与は、1日目の約400mg/m2 5−フルオロウラシル、400mg/m2ロイコボリン、85mg/m2オキサリプラチンおよび180mg/m2イリノテカン、その後隔週の2400mg/m2 5−フルオロウラシルの投与を含む。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のFOLFIRIを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。FOLFIRIは、それぞれが上記に記載されている、フォリン酸、フルオロウラシルおよびイリノテカンを含む薬物組合せである。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のFOLFOXを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。FOLFOXは、それぞれが上記に記載されている、フォリン酸(ロイコボリン)、フルオロウラシルおよびオキサリプラチンを含む薬物組合せである。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のオキサリプラチン、DNA合成を阻害し得る白金ベースの化合物を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のヘッジホッグ阻害剤を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、このヘッジホッグ阻害剤は、スムーズンド(Smoothened)(SMO)の活性を阻害する。一部の実施形態では、このヘッジホッグ阻害剤は、シクロパミンまたはその誘導体である。一部の実施形態では、このヘッジホッグ阻害剤は、XL139、IPI926またはIPI609である。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のビスモデギブ(GDC−0449またはErivedge(商標)としても公知)(ヘッジホッグシグナル伝達を阻害し得るスムーズンド(SMO)受容体のシクロパミン競合的アンタゴニスト)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のLDE−225(ヘッジホッグシグナル伝達を阻害し得る経口投与可能なSMOアンタゴニスト)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のロイコボリン(またはフォリン酸)(フルオロウラシルの活性を増強し得、メトトレキセートの有害な影響を防止し得る葉酸アナログ)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のベバシズマブ(VEGF−Aタンパク質を標的化することによって血管新生を阻害し得る抗体)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のサリラシブ(ファルネシルチオサリチル酸)(Rasの活性を阻害し得るサリチル酸誘導体)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のスニチニブ(SutentまたはSU11248)(受容体チロシンキナーゼ(PDGF−R、VEGFRおよびKIT(CD117)など)を阻害し得る抗血管新生剤)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のカーフィルゾミブ(CFZまたはKyprolis)(20Sプロテアソームのキモトリプシン様活性を阻害することによって細胞周期停止を引き起こし得るエポキソミシン誘導体)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のイリノテカン(CamptosarまたはCampto)(DNA複製を阻害し得るトポイソメラーゼ阻害剤)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のセレコキシブ(Celebrex)(COX−2の活性を阻害し得るスルホンアミド非ステロイド性抗炎症薬(NSAID))を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のセツキシマブ(Erbitux)(EFGR阻害剤を目的とし、上皮増殖因子受容体(EGFR)を発現しているKRAS野生型がんを有する患者において細胞分裂を阻害し得る抗体)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のカルシトリオール(1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール、1,25−ジヒドロキシビタミンD3、Rocaltrol、CalcijexまたはVectical)(抗新生物活性を示し得るホルモン的に活性な形態のビタミンD)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のテモゾロミド(TMZ、Temodar、TemodalまたはTemcad)(DNA複製および細胞分裂を阻害し得るアルキル化剤ダカルバジンのイミダゾテトラジン(imidazotetrazine)誘導体)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量の、PI3K/AKTシグナル伝達経路の下流エフェクターmTORC1を阻害し得るラパマイシン(Sirolimus)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のシスプラチン(Platin)(DNAに結合し得、架橋を引き起こし得、アポトーシスを誘発し得る白金化合物)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のカルボプラチン(Paraplatin、Paraplatin−AQ)(DNAに結合し得、架橋を引き起こし得、アポトーシスを誘発し得る白金化合物)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のODSH(2−0,3−0脱硫酸化ヘパリン)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。ODSHは、抗転移効果を示し得、化学療法の効果を増強し得る、最小の抗凝固特性を有する脱硫酸化ヘパリンである。
一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のメトホルミン(Glucophage)(がんの危険性を低減させ得る抗糖尿病薬)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のエピルビシン(Ellence)(DNAおよびRNAの合成ならびにトポイソメラーゼII活性を阻害し得るアントラサイクリン薬物)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量の、EFGRチロシンキナーゼを標的化することによってEFGRシグナル伝達を阻害し得るエルロチニブ(Tarceva)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のヒドロキシクロロキン(Plaquenil、Axemal、DolquineまたはQuensyl)(腫瘍の増殖を阻害し得る抗マラリア薬)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のFG−3019(結合組織増殖因子(CTGF)に対するヒトモノクローナル抗体)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。FG−3019は、ステージIIIおよびステージIVのがん患者において、疾患進行を変更し得る。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量のCO−101(DNA合成および細胞分裂を阻害し得る代謝拮抗デオキシヌクレオシドアナログ)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における転移性または局所進行膵臓がん(膵臓の腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル)、(ii)有効量のゲムシタビン、およびiii)有効量の、Gタンパク質共役受容体スムーズンド(SMO)を阻害することによってヘッジホッグシグナル伝達を阻害し得るIPI−926(Saridegib)を、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。
上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Na−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、ステージIVの膵臓がんを有する。上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、局所進行切除不能な膵臓がんを有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。上記に記載されている三重または多重組合せ治療方法(例えば、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビン+別の薬剤)のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、個体における進行転移性膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、パクリタキセルおよびヒト血清アルブミン(Nab−パクリタキセルなど、例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2のNab−パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記個体は、ゲムシタビンベースの治療で進行している。一部の実施形態では、粘液性嚢胞新生物を処置する方法が提供され、この方法は、パクリタキセルおよびヒト血清アルブミン(Nab−パクリタキセルなど、例えば、約5〜10mgのNab−パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、個体の嚢胞腔に注射するステップを含む。一部の実施形態では、化学療法ナイーブ個体における進行ステージIV転移性膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(a)パクリタキセルおよびヒト血清アルブミン(Nab−パクリタキセルなど、例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約100mg/m2のNab−パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、(b)有効量の5−フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチンおよびベバシズマブを、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンベースの治療が失敗した個体における転移性膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(a)パクリタキセルおよびヒト血清アルブミン(Nab−パクリタキセルなど、例えば、21日サイクルの1日目、8日目の約125mg/m2のNab−パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、(b)有効量のカペシタビン(例えば、21日サイクルの1〜14日目の経口約825mg/m2)を、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、転移性膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(a)パクリタキセルおよびヒト血清アルブミン(Nab−パクリタキセルなど、例えば、21日サイクルの1日目、8日目の約125mg/m2のNab−パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、(b)有効量のFOLFIRINOXを、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、転移性膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(a)パクリタキセルおよびヒト血清アルブミン(Nab−パクリタキセルなど、例えば、21日サイクルの1日目、8日目の約125mg/m2のNab−パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、(b)有効量のFOLFOXを、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
本明細書に記載される方法は、処置について患者を選択するステップ(例えば、膵臓がんに対する処置に適切な個体を同定するステップ)をさらに含み得る。したがって、例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載される膵臓がんサブタイプもしくはステージ分類特徴、年齢、性別、CA19−9レベル、転移状態またはWhipple法の状態などの本明細書に記載される特徴のうち1つを有する個体を同定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(例えば、転移性膵臓腺癌)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、本明細書に記載される膵臓がんサブタイプもしくはステージ分類特徴、年齢、性別、CA19−9レベル、転移状態またはWhipple法の状態に基づいて、処置のために選択される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)本明細書に記載される膵臓がんなどの膵臓がんを上記個体が有するかどうかを決定するステップ、ならびに(ii)有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)本明細書に記載される性別または年齢を上記個体が有するかどうかを決定するステップ、ならびに(ii)有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)本明細書に記載されるCA19−9レベルなどの膵臓がんを上記個体が有するかどうかを決定するステップ、ならびに(ii)有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)転移状態(例えば、転移部位の位置または転移部位の数)を上記個体が有するかどうかを決定するステップ、ならびに(ii)有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体の転移状態(例えば、転移部位の数または転移の位置(肝臓など))に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が3つまたはそれより多くの転移部位を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が肝臓に転移を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを、上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が3つまたはそれより多くの転移部位および肝臓に転移を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体の転移状態を決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体の転移状態を決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が3つまたはそれより多くの転移部位を有する場合に、投与のために選択される。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体の転移状態を決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、該個体が肝臓に転移を有する場合に、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体の転移状態を決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が3つまたはそれより多くの転移部位を有し、肝臓に転移を有する場合に、処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体の転移状態に基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体が3つまたはそれより多くの転移部位を有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体が肝臓に転移を有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体が3つまたはそれより多くの転移部位および肝臓に転移を有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体の転移状態を決定するステップ;b)個体の転移状態に基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体の転移状態を決定するステップ;b)個体が3つまたはそれより多くの転移部位を有することに基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体の転移状態を決定するステップ;b)個体が肝臓に転移を有することに基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における転移性膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体の転移状態を決定するステップ;b)個体が3つまたはそれより多くの転移部位および肝臓に転移を有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体のがんステージに基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体がステージIVの膵臓がんを有することに基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のがんステージを決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のがんステージを決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体がステージIVの膵臓がんを有する場合に処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のがんステージに基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体がステージIVの膵臓がんを有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体における膵臓がんのステージを決定するステップ;b)個体のがんステージに基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体における膵臓がんのステージを決定するステップ;b)個体がステージIVの膵臓がんを有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんの原発位置に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)、磁気共鳴画像化(MRIスキャン)、陽電子放射断層撮影(PETスキャン)、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)、腹部超音波、胆管造影、胸部X線、腹腔鏡検査によって、または手術もしくは生検の間に取り出された組織の試験(例えば、顕微鏡試験)によって、決定される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、膵臓がんの原発位置に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、膵臓の頭部にあるがんの原発位置に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体における膵臓がんの原発位置を決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体における膵臓がんの原発位置を決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、膵臓がんの原発位置が膵臓の頭部にある場合に、処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)膵臓がんの原発位置に基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)膵臓の頭部にあるがんの原発位置に基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)膵臓がんの原発位置を決定するステップ;b)膵臓がんの原発位置に基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)膵臓がんの原発位置を決定するステップ;b)膵臓の頭部にあるがんの原発位置に基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。
一部の実施形態では、上記個体は、CA19−9レベルに基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、このCA19−9レベルは、イムノアッセイ、例えば、ELISAまたはサンドイッチELISAを介して決定される。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体のCA19−9レベルに基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が≧59ULNのCA19−9レベルを有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のCA19−9レベルを決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のCA19−9レベルを決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が≧59ULNのCA19−9レベルを有する場合に、処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のCA19−9レベルに基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)≧59ULNの個体のCA19−9レベルに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のCA19−9レベルを決定するステップ;b)個体のCA19−9レベルに基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のCA19−9レベルを決定するステップ;b)≧59ULNの個体のCA19−9レベルに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、上記個体は、個体のKPS(カルノフスキーパフォーマンスステータス)に基づいて処置のために選択される。KPSは、がん患者の全般的健康および日常生活活動を定量する。この尺度は、患者が化学療法を受けることができるかどうか、用量調整が必要かどうか、および患者が必要な強度の緩和ケアを受けているかどうかを決定するために使用される。一部の実施形態では、上記個体は、約90%と約100%の間のKPSを有し、このとき、上記個体は、膵臓がんの軽微な徴候または症状を有し、正常な活動を継続することができる。一部の実施形態では、上記個体は、約80%と約90%の間のKPSを有し、このとき、上記個体は、努力を伴って正常な活動を継続することができ、膵臓がんのいくつかの徴候を有する。一部の実施形態では、上記個体は、約80%と約70%の間のKPSを有し、このとき、上記個体は、セルフケアすることができるが、正常な活動を持続することも正常な作業をすることもできない。一部の実施形態では、上記個体は、約60%と約70%の間のKPSを有し、このとき、上記個体は、個人的支援を必要とするが、自分自身の個人的要求のほとんどをケアすることができる。一部の実施形態では、この患者は、約50%と60%の間のKPSを有し、このとき、上記個体は、かなりの支援および頻繁な医療的ケアを必要とする。一部の実施形態では、上記個体は、約40%と約50%の間のKPSを有し、このとき、上記個体は、不具であり、特別なケアおよび支援を必要とする。一部の実施形態では、上記個体は、約30%と約40%の間のKPSを有し、このとき、上記個体は、重度の不具であり、入院を必要とするが、死は切迫していない。一部の実施形態では、上記個体は、約20%と約30%の間のKPSを有し、このとき、この患者は、非常に病的であり、入院および積極的な支持的処置を必要とする。一部の実施形態では、この患者は、約10%と約20%の間のKPSを有し、この患者は、瀕死であり、この患者では、致死的なプロセスが迅速に進行中である。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体のKPS(カルノフスキーパフォーマンスステータス)に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が約90未満(例えば、約70〜80)のKPSを有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のKPSを決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のKPSを決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が約90未満(例えば、約700〜80)のKPSを有する場合に、処置のために選択される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のKPSに基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体が約90未満(例えば、約70〜80)のKPSを有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のKPSを決定するステップ;b)個体のKPSに基づいて処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のKPSを決定するステップ;b)個体が約90未満(例えば、約70〜80)のKPSを有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、上記個体は、hENT1レベルに基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、個体におけるhENT1(ヒト受動拡散型ヌクレオシド輸送体1(equilibrative nucleoside transporter1))のレベルを決定するステップを含む。一部の実施形態では、このレベルは、試料中のhENT1の活性レベルであり、この活性レベルは、例えば、細胞、試料または腫瘍中の、hENT1によって膜を横切って移動される親水性ヌクレオシドの総量の尺度を包含し得る。一部の実施形態では、このレベルは、活性レベルと相関する発現レベルである。一部の実施形態では、このレベルは、細胞(例えば、細胞の表面)、試料または腫瘍に存在するhENT1タンパク質の尺度である。一部の態様では、このレベルは、細胞、試料または腫瘍に存在する核酸の尺度である。一部の実施形態では、このレベルは、hENT1のタンパク質またはmRNAレベルと相関する、hENT1遺伝子中の変異または多型に基づく。一部の実施形態では、このレベルは、タンパク質発現レベルである。一部の実施形態では、このレベルは、mRNAレベルである。
hENT1などのヌクレオシド輸送体のレベルは、当該分野で公知の方法によって決定され得る。例えば、Spratlinら、Cancers 2010年、2巻、2044〜2054頁;Santiniら、Current Cancer Drug Targets、2011年、11巻、123〜129頁;Kawadaら、J. Hepatobiliary Pancreat. Sci.、2012年、19巻:17〜722頁;Morinagaら、Ann. Surg. Oncol.、2012年、19巻、S558〜S564頁を参照のこと。米国特許出願公開第2013/0005678号もまた参照のこと。
個体におけるhENT1のレベルは、試料(例えば、個体由来の試料または参照試料)に基づいて決定され得る。一部の実施形態では、この試料は、組織、臓器、細胞または腫瘍由来である。一部の実施形態では、この試料は、生物学的試料である。一部の実施形態では、この生物学的試料は、生物学的流体試料または生物学的組織試料である。さらなる実施形態では、この生物学的流体試料は、体液である。体液には、血液、リンパ液、唾液、精液、腹水、脳脊髄液、母乳および胸水が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この試料は、例えば血小板、リンパ球、多形核細胞、マクロファージおよび赤血球を含む血液試料である。
一部の実施形態では、この試料は、腫瘍組織、前記腫瘍に隣接する正常組織、前記腫瘍に対して遠位の正常組織、血液試料または他の生物学的試料である。一部の実施形態では、この試料は、固定された試料である。固定された試料には、ホルマリン固定された試料、パラフィン包埋試料または凍結試料が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この試料は、がん細胞を含む生検である。さらなる一実施形態では、この生検は、膵臓がん細胞の細針吸引物である。さらなる一実施形態では、この生検は、腹腔鏡検査により取得された膵臓がん細胞である。一部の実施形態では、この生検細胞は、ペレットへと遠心分離され、固定され、パラフィン中に包埋される。一部の実施形態では、この生検細胞は、急速凍結される。一部の実施形態では、この生検細胞は、hENT1を認識する抗体と混合される。一部の実施形態では、生検は、個体ががんを有するかどうかを決定するために採取され、次いで試料として使用される。一部の実施形態では、この試料は、手術により取得された腫瘍細胞を含む。一部の実施形態では、試料は、hENT1レベルの決定が行われるときとは異なる時点で取得され得る。
一部の実施形態では、この試料は、循環する転移性膵臓がん細胞を含む。一部の実施形態では、この試料は、膵臓の循環腫瘍細胞(CTC)を血液からソーティングすることによって取得される。さらなる一実施形態では、これらのCTCは、原発性腫瘍から脱離したものであり、体液中を循環する。なおさらなる一実施形態では、これらのCTCは、原発性腫瘍から脱離したものであり、血流中を循環する。さらなる一実施形態では、これらのCTCは、転移の指標である。
一部の実施形態では、hENT1のタンパク質発現レベルが決定される。一部の実施形態では、hENT1のmRNAレベルが決定される。一部の実施形態では、hENT1のレベルは、免疫組織化学的方法によって決定される。
hENT1のレベルは、対照試料と比較して、高いレベルまたは低いレベルであり得る。一部の実施形態では、個体中のhENT1のレベルは、対照試料中のhENT1のレベルと比較される。一部の実施形態では、被験体中のhENT1のレベルは、複数の対照試料中のhENT1のレベルと比較される。一部の実施形態では、複数の対照試料が、がんを有する個体中のhENT1のレベルを分類するために使用される統計値を生成するために使用される。
一部の実施形態では、DNAコピー数が決定され、hENT1をコードする遺伝子についての高いDNAコピー数(例えば、対照試料と比較して高いDNAコピー数)は、高いレベルのhENT1を示す。
hENT1レベルの分類またはランキング(即ち、高いまたは低い)は、対照レベルの統計学的分布と比較して決定され得る。一部の実施形態では、この分類またはランキングは、個体から取得された対照試料との比較である。一部の実施形態では、hENT1のレベルは、対照レベルの統計学的分布と比較して分類またはランキングされる。一部の実施形態では、hENT1のレベルは、被験体から取得された対照試料からのレベルと比較して分類またはランキングされる。
対照試料は、非対照試料と同じ供給源および方法を使用して取得され得る。一部の実施形態では、この対照試料は、異なる個体(例えば、がんを有さない個体、ならびに/または類似の民族、年齢および性別の実体(identity)を共有する個体)から取得される。試料が腫瘍組織試料である一部の実施形態では、この対照試料は、同じ個体由来の非がん性試料であり得る。一部の実施形態では、複数の対照試料(例えば、異なる個体由来)が、特定の組織、臓器または細胞集団におけるhENT1のレベルの範囲を決定するために使用される。一部の実施形態では、この対照試料は、適切な対照であることが決定されている、培養された組織または細胞である。一部の実施形態では、この対照は、hENT1を発現しない細胞である。一部の実施形態では、標準化された試験における臨床的に許容された正常レベルが、hENT1レベルを決定するために対照レベルとして使用される。一部の実施形態では、被験体中のhENT1の参照レベルは、免疫組織化学ベースのスコアリング系などのスコアリング系、例えば、本明細書でさらに議論されるH−スコアに従って、高い、中間または低いと分類される。一部の実施形態では、被験体中のhENT1の参照レベルは、H−スコアが全中央値H−スコア以下である場合に、低い試料として分類される。
一部の実施形態では、このhENT1レベルは、個体においてhENT1のレベルを測定し、対照または参照(例えば、所与の患者集団についての中央値レベルまたは第2の個体のレベル)と比較することによって、決定される。例えば、単一の個体についてのhENT1のレベルが、患者集団の中央値レベルを上回ると決定される場合、その個体は、hENT1の高い発現を有すると決定される。あるいは、単一の個体についてのhENT1のレベルが、患者集団の中央値レベルを下回ると決定される場合、その個体は、hENT1の低い発現を有すると決定される。一部の実施形態では、上記個体は、処置に対して応答性である第2の個体および/または患者集団と比較される。一部の実施形態では、上記個体は、処置に対して応答性でない第2の個体および/または患者集団と比較される。本明細書の実施形態のいずれかでは、これらのレベルは、hENT1をコードする核酸のレベルを測定することによって決定される。例えば、単一の個体についてのhENT1をコードするmRNAのレベルが、患者集団の中央値レベルを上回ると決定される場合、その個体は、高いレベルの、hENT1をコードするmRNAを有すると決定される。あるいは、単一の個体についてのhENT1をコードするmRNAのレベルが、患者集団の中央値レベルを下回ると決定される場合、その個体は、低いレベルの、hENT1をコードするmRNAを有すると決定される。
一部の実施形態では、hENT1の参照レベルは、hENT1レベルの統計学的分布を得ることによって決定される。
一部の実施形態では、hENT1のmRNAレベルが決定され、低いレベルは、臨床的に正常とみなされるレベルまたは対照から取得されたレベルに対して、約1.1倍未満、約1.2倍未満、約1.3倍未満、約1.5倍未満、約1.7倍未満、約2倍未満、約2.2倍未満、約2.5倍未満、約2.7倍未満、約3倍未満、約5倍未満、約7倍未満、約10倍未満、約20倍未満、約50倍未満、約70倍未満、約100倍未満、約200倍未満、約500倍未満、約1000倍未満または1000倍未満のmRNAレベルである。一部の実施形態では、高いレベルは、臨床的に正常とみなされるレベルまたは対照から取得されたレベルに対して、約1.1倍超、約1.2倍超、約1.3倍超、約1.5倍超、約1.7倍超、約2倍超、約2.2倍超、約2.5倍超、約2.7倍超、約3倍超、約5倍超、約7倍超、約10倍超、約20倍超、約50倍超、約70倍超、約100倍超、約200倍超、約500倍超、約1000倍超または1000倍超の、mRNAレベルである。
一部の実施形態では、hENT1のタンパク質発現レベルは、例えば、免疫組織化学によって決定される。例えば、低いレベルまたは高いレベルについての基準は、例えばhENT1タンパク質を特異的に認識する抗体を使用することによる、陽性染色細胞の数および/または染色の強度に基づいて作成され得る。一部の実施形態では、このhENT1レベルは、約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満または約50%未満の細胞が陽性染色を有する場合、低い。一部の実施形態では、このhENT1レベルは、染色が、陽性対照染色よりも、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%低い強度である場合、低い。
一部の実施形態では、このhENT1レベルは、約40%超、約45%超、約50%超、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超または約90%超の細胞が陽性染色を有する場合、高い。一部の実施形態では、このhENT1レベルは、染色が陽性対照染色と同等の強度である場合、高い。一部の実施形態では、このhENT1レベルは、染色が陽性対照染色の強度の80%、85%または90%である場合、高い。
一部の実施形態では、このスコアリングは、米国特許出願公開第2013/0005678号に記載された「H−スコア」に基づく。H−スコアは、式:3×強く染色する細胞の百分率+2×中程度に染色する細胞の百分率+弱く染色する細胞の百分率によって得られ、0〜300の範囲を与える。
一部の実施形態では、強い染色、中程度の染色および弱い染色は、範囲が確立され、染色の強度がその範囲内にビニングされる(binned)、較正されたレベルの染色である。一部の実施形態では、強い染色は、75パーセンタイルを上回る強度範囲の染色であり、中程度の染色は、25パーセンタイル〜75パーセンタイルの強度範囲の染色であり、低い染色は、25パーセンタイルを下回る強度範囲の染色である。一部の態様では、特定の染色技術に精通している当業者は、ビンのサイズを調整し、染色カテゴリーを定義する。
一部の実施形態では、高いhENT1染色という表示(label)は、染色された細胞の50%超が強い反応性を示した場合に割り当てられ、hENT1染色なしという表示は、染色された細胞の50%未満において染色が観察されなかった場合に割り当てられ、低いhENT1染色という表示は、他の全ての場合に割り当てられる。
一部の実施形態では、試料、患者などにおけるhENT1レベルの評価およびスコアリングは、1人またはそれより多くの経験を積んだ臨床医、即ち、hENT1発現およびhENT1の染色パターンについて経験を積んだ臨床医によって実施される。例えば、一部の実施形態では、この臨床医(複数可)は、評価されスコアリングされている試料、患者などについての臨床的特徴およびアウトカムに関して盲検にされる。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体のhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)に基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を決定するステップ、b)個体のhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)に基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、高いhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を有する個体が処置される。一部の実施形態では、低いhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を有する個体が処置される。高いまたは低いhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)は、当該分野で公知の方法、例えば免疫組織化学アッセイによって決定され得る。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が高いhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を決定するステップ、ならびに(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、個体が高いhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を有する場合に、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体が高いhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を決定するステップ;b)個体が高いhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を有することに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、個体の選択は、本明細書に記載される少なくとも2つ、3つ、4つ、5つまたはそれより多くの特徴に基づく。したがって、例えば、これらの方法は、(i)3つまたはそれより多くの転移部位を有すること、(ii)肝臓に転移を有すること、(iii)膵臓の頭部の原発位置に膵臓がんを有すること;および/または(iv)≧59UNLのCA19−9レベルを有することに基づいて、個体を選択するステップを含み得る。一部の実施形態では、これらの方法は、上記個体における転移状態、原発位置および/またはCA19−9レベルを決定するステップを含み、上記個体は、個体が(i)3つまたはそれより多くの転移部位を有し、(ii)肝臓に転移を有し、(iii)膵臓の頭部の原発位置に膵臓がんを有し、および/または(iv)≧59UNLのCA19−9レベルを有する場合に、処置のために選択される。一部の実施形態では、上記個体は、KPSおよび/またはhENT1レベルについて評価(またはさらに評価)され、上記個体は、該個体が(i)約90未満(例えば約70〜80)のKPSを有し、および/または(ii)高いhENT1レベル(hENT1発現レベルなど)を有する場合に、処置のために選択される。種々の特徴の他の組合せもまた企図される。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法で処置された個体では、PET(陽電子放射断層撮影)スキャンによって測定される代謝活性および/またはFDG(2−フルオロ−2−デオキシグルコース)取り込みは、有意に減少する。一部の実施形態では、個体における膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、有効量のゲムシタビンと組み合わせて、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含み、上記個体においてPETスキャンによって測定される代謝活性またはFDG取り込みは、処置の前の代謝活性と比較して、(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約52%、約53%、約55%、約57%、約59%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のうちのいずれかだけ)減少する。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIVの、局所進行切除不能な、または転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ステージIVの、局所進行切除不能な、または転移性の膵臓がん(膵臓の転移性腺癌など)を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。一部の実施形態では、上記個体は、測定可能な疾患を有する。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は、約65歳未満(または70歳未満、75歳未満)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約65歳(または70歳、または75歳)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約3つの(例えば、3つよりも多い)転移部位を有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、上記個体は、胆管ステントを有する。一部の実施形態では、上記個体は、Whipple法を先に受けている。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULN以内である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、ULNと<59×ULNの間である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULNである血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)である。一部の実施形態では、この処置はファーストライン処置である。一部の実施形態では、上記個体は、hENT1過剰発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、減少した(低い)hENT1発現(例えば、免疫組織化学評価に基づく)を有する。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)の処置を継続する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、初期の処置の前の代謝活性と比較して、個体がPETスキャンによって測定される代謝活性および/またはFDG取り込みにおける減少(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約52%、約53%、約55%、約57%、約59%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のうちのいずれかだけ)を示したことに基づいて、継続処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)の処置を継続する方法が提供され、この方法は、a)個体の代謝活性および/またはFDG取り込みをPETスキャンによって決定するステップ、ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)することを継続するステップを含み、上記個体は、個体が、初期の処置の前の代謝活性と比較して、PETスキャンによって測定される代謝活性および/またはFDG取り込みにおける減少(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約52%、約53%、約55%、約57%、約59%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のうちのいずれかだけ)を示した場合に、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)の処置を継続する方法が提供され、この方法は、a)初期の処置の前の代謝活性と比較して、個体がPETスキャンによって測定される代謝活性および/またはFDG取り込みにおける減少(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約52%、約53%、約55%、約57%、約59%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のうちのいずれかだけ)を示したことに基づいて、処置のために個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)することを継続するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性または局所進行切除不能な膵臓がんなど)の処置を継続する方法が提供され、この方法は、a)個体の代謝活性および/またはFDG取り込みを個体がPETスキャンによって決定するステップ;b)初期の処置の前の代謝活性と比較して、PETスキャンによって測定される代謝活性および/またはFDG取り込みにおける減少(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約52%、約53%、約55%、約57%、約59%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のうちのいずれかだけ)を示したことに基づいて、継続処置のために個体を選択するステップ;およびc)(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、上記個体は、CT(コンピュータ断層撮影)スキャンに基づいて、処置に対する初期応答を示さない。一部の実施形態では、このPETスキャンおよび/またはCTスキャンは、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間またはそれより長い日数の処置の後に実施される。一部の実施形態では、このPETスキャンおよび/またはCTスキャンは、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間またはそれより長い週数の処置の後に実施される。一部の実施形態では、この転移性膵臓がんは、膵臓の転移性腺癌である。一部の実施形態では、この方法は、(i)有効量のNab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのNab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約50mg/m2〜約150mg/m2(例えば、約75mg/m2、約80mg/m2または約100mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約600mg/m2、約800mg/m2または約1000mg/m2を含む)である。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約2カ月間、例えば、少なくとも約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、約8カ月間、約9カ月間、約10カ月間、約11カ月間、約12カ月間またはそれより長い月数のうちのいずれかにわたり処置される。
投与の方式
本明細書に記載される方法に従って(または方法に適用される)個体(ヒトなど)に投与される、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物の用量および/またはゲムシタビンの用量は、特定の組成物、投与の方式および処置されている本明細書に記載される膵臓がんの型によって変動し得る。個体(ヒトなど)に投与されるタキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物の用量および/またはゲムシタビンの用量は、個体の症状(有害反応など)に基づいて調整(低減など)もされ得る。一部の実施形態では、この用量または量は、応答を結果としてもたらすのに有効である。一部の実施形態では、その用量または量が、客観的な応答(部分奏効または完全奏効など)を結果としてもたらすのに有効である。一部の実施形態では、投与されるタキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物の用量(および/またはゲムシタビンの用量)が、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物および/またはゲムシタビンにより処置される個体の集団のうち、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約64%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%のうちのいずれかを超える全体的な奏効率をもたらすのに十分である。本明細書に記載される処置方法に対する個体の応答は、当該分野において公知の方法を用いて決定することができる。
一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物の量および/またはゲムシタビンの量が、個体の無進行生存(progression−free survival)を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(および/またはゲムシタビンの用量)が、個体の生存期間を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(および/またはゲムシタビンの用量)が、個体の生活の質を改善するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(および/またはゲムシタビンの用量)は、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物および/またはゲムシタビンにより処置される個体の集団のうち、約50%、約60%、約70%、または約77%のうちのいずれかを超える臨床的利益をもたらすのに十分である。
一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物またはゲムシタビンの量が、処置前の同じ個体における、対応する腫瘍サイズ、膵臓腫瘍細胞の数、もしくは膵臓腫瘍増殖速度と比較して、またはこの処置を受けていない他の個体における対応する活性と比較して少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約100%のうちのいずれか、膵臓腫瘍サイズを縮小させるか、膵臓腫瘍細胞の数を減少させるか、または膵臓腫瘍の増殖速度を低下させるのに十分な量である。この効果の大きさを測定するために使用することができる方法は、当該分野において公知である。
一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)(および/またはゲムシタビン)の量が、毒性作用(すなわち、臨床的に許容される毒性レベルを上回る作用)を誘導するレベル未満であるか、または組成物(および/またはゲムシタビン)を個体に投与する場合に、潜在的な副作用を制御または忍容しうるレベルである。
一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)の量が、同じ投与レジメンに従う組成物(および/またはゲムシタビン)の最大許容投与量(MTD)に近接する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)の量が、MTDの約80%、約90%、約95%、または約98%のうちのいずれかを超える。
一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、以下の範囲:約0.1mg〜約500mg、約0.1mg〜約2.5mg、約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、または約450〜約500mgのうちのいずれかで包含される。一部の実施形態では、組成物(例えば、単位剤形)におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、約30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgなど、約5mg〜約500mgの範囲にある。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度を、例えば、約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2mg/ml〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、または約5mg/mlのうちのいずれかを含め、希釈(約0.1mg/ml)または濃縮(約100mg/ml)する。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度が、少なくとも約0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、または50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度が、約100mg/ml、90mg/ml、80mg/ml、70mg/ml、60mg/ml、50mg/ml、40mg/ml、30mg/ml、20mg/ml、10mg/ml、または5mg/mlのうちのいずれか以下である。
ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)における例示的な量(用量)には、少なくとも約25mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、540mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2、または1080mg/m2のタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちのいずれかが含まれるがこれらに限定されない。多様な実施形態では、組成物が、約350mg/m2、300mg/m2、250mg/m2、200mg/m2、150mg/m2、120mg/m2、100mg/m2、90mg/m2、50mg/m2、または30mg/m2のタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちのいずれか未満を包含する。一部の実施形態では、投与1回当たりのタキサン(例えば、パクリタキセル)の量が、約25mg/m2、22mg/m2、20mg/m2、18mg/m2、15mg/m2、14mg/m2、13mg/m2、12mg/m2、11mg/m2、10mg/m2、9mg/m2、8mg/m2、7mg/m2、6mg/m2、5mg/m2、4mg/m2、3mg/m2、2mg/m2、または1mg/m2のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、以下の範囲:約1〜約5mg/m2、約5〜約10mg/m2、約10〜約25mg/m2、約25〜約50mg/m2、約50〜約75mg/m2、約75〜約100mg/m2、約100〜約125mg/m2、約100〜約200mg/m2、約125〜約150mg/m2、約125〜約175mg/m2、約150〜約175mg/m2、約175〜約200mg/m2、約200〜約225mg/m2、約225〜約250mg/m2、約250〜約300mg/m2、約300〜約350mg/m2、または約350〜約400mg/m2のうちのいずれかで包含される。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量は、以下の範囲:約10mg/m2〜約400mg/m2、約25mg/m2〜約400mg/m2、約50mg/m2〜約400mg/m2、約75mg/m2〜約350mg/m2、約75mg/m2〜約300mg/m2、約75mg/m2〜約250mg/m2、約75mg/m2〜約200mg/m2、約75mg/m2〜約150mg/m2、約75mg/m2〜約125mg/m2、約100mg/m2〜約260mg/m2、約100mg/m2〜約250mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2または約125mg/m2〜約175mg/m2のいずれかで包含される。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が約5〜約300mg/m2、約100〜約200mg/m2、約100〜約150mg/m2、約50〜約150mg/m2、約75〜約150mg/m2、約75〜約125mg/m2または約70mg/m2、約80mg/m2、約90mg/m2、約100mg/m2、約110mg/m2、約120mg/m2、約130mg/m2、約140mg/m2、約150mg/m2、約160mg/m2、約170mg/m2、約180mg/m2、約190mg/m2、約200mg/m2、約250mg/m2、約260mg/m2もしくは約300mg/m2である。
上記の態様のうちのいずれかについての一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、または60mg/kgのうちのいずれかを包含する。多様な実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、少なくとも約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kgのタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちのいずれか未満を包含する。
ナノ粒子組成物を投与するための例示的な投与頻度には、毎日、隔日、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、休みなく毎週、4週間のうちの3週間にわたって毎週、3週間ごとに1回、2週間ごとに1回、または3週間のうちの2週間が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、組成物を、2週間ごとに約1回、3週間ごとに約1回、4週間ごとに約1回、6週間ごとに約1回、または8週間ごとに約1回投与する。一部の実施形態では、組成物を、一週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、毎日)のうちのいずれかで投与する。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約6カ月間、3カ月間、1カ月間、20日間、15日間、14日間、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、または1日間のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、8カ月間、または12カ月間のうちのいずれかより長い。一部の実施形態では、投与スケジュールに休みがない。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、および11回にわたる。一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、5回にわたる。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)を、少なくとも10日間にわたり投与し、各投与間の間隔が、約2日間以下であり、各回の投与におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量が、約0.25mg/m2〜約25mg/m2、約25mg/m2〜約50mg/m2または約50mg/m2〜約100mg/m2など、約0.25mg/m2〜約250mg/m2、約0.25mg/m2〜約150mg/m2、約0.25mg/m2〜約75mg/m2である。
組成物の投与は、約1カ月間〜約7年間など、長期間にわたり延長することができる。一部の実施形態では、組成物を、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月間のうちのいずれかの期間にわたり投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の投与量が、3週間のスケジュールで与える場合、5〜400mg/m2の範囲にあり得るか、毎週のスケジュールで与える場合、5〜250mg/m2(75〜200mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、例えば、125〜175mg/m2など)の範囲にあり得る。例えば、タキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、3週間のスケジュールで約60〜約300mg/m2(例えば、約100mg/m2、約125mg/m2、約150mg/m2、約175mg/m2、約200mg/m2、約225mg/m2、約250mg/m2または約260mg/m2)である。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、4週間のうちの3週間にわたって毎週のスケジュールで投与される、約60〜約300mg/m2(例えば、約100mg/m2、約125mg/m2、約150mg/m2、約175mg/m2、約200mg/m2、約225mg/m2、約250mg/m2または約260mg/m2)である。
ナノ粒子組成物(例えば、パクリタキセル/アルブミンナノ粒子組成物)を投与するための、他の例示的な投与スケジュールには、休みなしに毎週100mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週75mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週100mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週125mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週150mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週175mg/m2;3週間のうち2週間にわたり毎週125mg/m2;休みなしに毎週130mg/m2;2週間ごとに1回175mg/m2;2週間ごとに1回260mg/m2;3週間ごとに1回260mg/m2;3週間ごとに180〜300mg/m2;休みなしに毎週60〜175mg/m2;毎週2回20〜150mg/m2;毎週2回150〜250mg/m2;毎週2回50〜70mg/m2;毎週3回50〜70mg/m2および毎日30〜70mg/m2が含まれるがこれらに限定されない。組成物の投与頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の過程にわたり調整することができる。
一部の実施形態では、個体を、少なくとも約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の処置サイクルのうちのいずれかにわたり処置する。
本明細書に記載される組成物は、約24時間より短い注入時間にわたり、個体に組成物を注入することを可能とする。例えば、一部の実施形態では、組成物を、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、50分間、40分間、30分間、20分間、または10分間のうちのいずれか以下(例えば、未満)の注入期間にわたり投与する。一部の実施形態では、組成物を、約30分間の注入期間にわたり投与する。一部の実施形態では、組成物を、約30〜40分間の注入期間にわたり投与する。
ナノ粒子組成物におけるタキサン(一部の実施形態では、パクリタキセル)の他の例示的な用量には、約50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、140mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、260mg/m2、および300mg/m2のうちのいずれかが含まれるがこれらに限定されない。例えば、ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの投与量は、3週間のスケジュールで与える場合、約100〜400mg/m2の範囲であり得、毎週のスケジュールで与える場合、約50〜250mg/m2の範囲にあり得る。
本明細書中に記載の方法に従って(または方法に適用される)個体に投与されるゲムシタビンは、約100mg/m2〜約5000mg/m2、約100mg/m2〜約2000mg/m2、約200〜約4000mg/m2、約300〜約3000mg/m2、約400〜約2000mg/m2、約500〜約1500mg/m2、約500mg/m2〜約2000mg/m2 約750〜約1500mg/m2、約800〜約1500mg/m2、約900〜約1400mg/m2、約900〜約1250mg/m2、約1000〜約1500mg/m2、約800mg/m2、約850mg/m2、約900mg/m2、約950mg/m2、約1000mg/m2、約1050mg/m2、約1100mg/m2、約1150mg/m2、約1200mg/m2、約1250mg/m2、約1300mg/m2、約1350mg/m2、約1400mg/m2、約1450mg/m2、1500mg/m2、1550mg/m2、1600mg/m2、1700mg/m2、1800mg/m2、1900mg/m2、または2000mg/m2の範囲内にあり得る。ゲムシタビンは、静脈内(IV)注入によって、例えば、約10〜約300分間、約15〜約180分間、約20〜約60分間、約10分間、約20分間または約30分間の期間にわたって投与され得る。
ゲムシタビンを投与するための例示的な投与頻度には、毎日、隔日、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、休みなく毎週、4週間のうちの3週間にわたって毎週、3週間ごとに1回、2週間ごとに1回、または3週間のうちの2週間が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、ゲムシタビンを、2週間ごとに約1回、3週間ごとに約1回、4週間ごとに約1回、6週間ごとに約1回、または8週間ごとに約1回投与する。一部の実施形態では、組成物を、一週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、毎日)のうちのいずれかで投与する。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約6カ月間、3カ月間、1カ月間、20日間、15日間、14日間、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、または1日間のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、8カ月間、または12カ月間のうちのいずれかより長い。一部の実施形態では、投与スケジュールに休みがない。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、および11回にわたる。一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、5回にわたる。一部の実施形態では、ゲムシタビンを、少なくとも10日間にわたり投与し、各投与間の間隔が、約2日間以下であり、各回の投与におけるゲムシタビンの用量が、約25mg/m2〜約500mg/m2、約25mg/m2〜約250mg/m2、または約25mg/m2〜約100mg/m2など、約0.25mg/m2〜約1500mg/m2、約10mg/m2〜約1000mg/m2、約25mg/m2〜約750mg/m2である。
ゲムシタビンの他の例示的な量としては、以下の範囲のいずれかが挙げられるがこれらに限定されない:約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、約450〜約500mg、約500〜約600mg、約600〜約700mg、約700〜約800mg、約800〜約900mg、約900〜約1000mg、約1000〜約1250mg、または約1250〜約1500mg。
ゲムシタビンの投与は、約1カ月間〜約7年間など、長期間にわたり延長することができる。一部の実施形態では、ゲムシタビンを、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月間のうちのいずれかの期間にわたり投与する。
タキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含む組成物(「ナノ粒子組成物」とも呼ぶ)とゲムシタビンとは、同時に(即ち、同時投与)および/または逐次的に(即ち、逐次投与)投与され得る。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物およびゲムシタビンを、同時投与する。
本明細書で用いられる「同時投与」という用語は、ナノ粒子組成物と他の薬剤とが、約10分間、約5分間または約1分間のうちのいずれか以下など、約15分間以下の時間をあけて投与されることを意味する。薬物を同時投与する場合、ナノ粒子中の薬物と、他の薬剤とは、同じ組成物(例えば、ナノ粒子および他の薬剤の両方を含む組成物)に含有される場合もあり、別個の組成物(例えば、ナノ粒子が1つの組成物に含有され、他の薬剤が別の組成物に含有されている)に含有される場合もある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、ゲムシタビンとを、逐次投与する。本明細書で用いられる「逐次投与」という用語は、ナノ粒子組成物における薬物と、他の薬剤とが、約20分間、約30分間、約40分間、約50分間、約60分間またはそれより長い分間のうちのいずれかを超えるなど、約15分間を超える時間をあけて投与されることを意味する。ナノ粒子組成物またはゲムシタビンのいずれを最初に投与してもよい。一部の実施形態では、ゲムシタビンを、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与する。ナノ粒子組成物と、ゲムシタビンとは、別個の組成物中に含有され、これらは、同じパッケージ内に含有される場合もあり、異なるパッケージ内に含有される場合もある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物とゲムシタビンとの投与は共時(concurrent)である、すなわち、ナノ粒子組成物の投与期間とゲムシタビンの投与期間とが、互いに重なり合う。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物を、ゲムシタビンの投与に先だって少なくとも1サイクル(例えば、少なくとも、2サイクル、3サイクル、または4サイクルのいずれか)にわたり投与する。一部の実施形態では、ゲムシタビンを、少なくとも1、2、3、または4週間のうちのいずれかにわたり投与する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物およびゲムシタビンの投与を、ほぼ同時に(例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、または7日間のうちのいずれか以内に)開始する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与とゲムシタビンの投与とを、ほぼ同時に(例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、または7日間のうちのいずれか以内に)終了する。一部の実施形態では、ゲムシタビンの投与を、ナノ粒子組成物の投与を終了した後、(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかにわたり)継続する。一部の実施形態では、ゲムシタビンの投与を、ナノ粒子組成物の投与を開始した後(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかの後)に開始する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、ゲムシタビンの投与とを、ほぼ同時に開始し、終了する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、ゲムシタビンの投与とを、ほぼ同時に開始し、ゲムシタビンの投与を、ナノ粒子組成物の投与を終了した後、(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかにわたり)継続する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、ゲムシタビンの投与とを、ほぼ同時に終了し、ゲムシタビンの投与を、ナノ粒子組成物の投与を開始した後、(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかの後)開始する。
一部の実施形態では、方法が、1つより多い処置サイクルを含み、この場合、これらの処置サイクルのうちの少なくとも1つが、(i)タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびに(ii)有効量のゲムシタビンの投与を含む。一部の実施形態では、処置サイクルが、約21日間以上(約21日間など)(例えば4週間)を含む。一部の実施形態では、処置サイクルが、約21日間未満(例えば、毎週または毎日)を含む。一部の実施形態では、処置サイクルが約28日間を含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、ゲムシタビンの投与とが、非共時的(non−concurrent)である。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与を、ゲムシタビンを投与する前に終了する。一部の実施形態では、ゲムシタビンの投与を、ナノ粒子組成物を投与する前に終了する。これらの2つの非共時投与間の期間は、約4週間など、約2〜8週間の範囲でありうる。
薬物を含有するナノ粒子組成物およびゲムシタビンの投与頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の過程にわたり調整することができる。別個に投与する場合、薬物を含有するナノ粒子組成物と、ゲムシタビンとは、異なる投与頻度または異なる投与間隔で投与することができる。例えば、薬物を含有するナノ粒子組成物を毎週投与しうる一方で、ゲムシタビンは、より高頻度で投与することもでき、より低頻度で投与することもできる。一部の実施形態では、薬物を含有するナノ粒子および/またはゲムシタビンの持続放出製剤を用いることができる。当技術分野では、持続放出を達成するための多様な製剤およびデバイスが公知である。例示的な投与頻度は本明細書中にさらに提供される。
ナノ粒子組成物と、ゲムシタビンとは、同じ投与経路を用いて投与することもでき、異なる投与経路を用いて投与することもできる。例示的な投与経路は本明細書中にさらに提供される。一部の実施形態では(同時投与および逐次投与のいずれについても)、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)とゲムシタビンとを、所定の比で投与する。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)とゲムシタビンの重量比が、約1対1である。一部の実施形態では、重量比が、約0.001対約1〜約1000対約1の場合もあり、約0.01対約1〜100対約1の場合もある。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)とゲムシタビンの重量比が、約100:1、50:1、30:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、および1:1のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)とゲムシタビンの重量比が、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、30:1、50:1、100:1のうちのいずれかを超える。他の比も意図される。
タキサン(パクリタキセルなど)および/またはゲムシタビンに必要とされる用量は、各薬剤を単独で投与する場合に通常必要とされる用量よりも少ない可能性がある。したがって、一部の実施形態では、治療量未満の量の、ナノ粒子組成物中の薬物および/またはゲムシタビンを投与する。「治療量未満の量(subtherapeutic amount)」または「治療レベル未満のレベル」とは、治療量(therapeutic amount)未満の量、すなわち、ナノ粒子組成物中の薬物および/またはゲムシタビンを単独で投与する場合に通常用いられる量未満の量をいう。この低減は、所与の投与で投与される量に関して反映させることもでき、かつ/または所与の期間にわたり投与される量に関して反映させる(頻度の低減)こともできる。
一部の実施形態では、同程度の処置を実施するのに必要とされるナノ粒子組成物における薬物の通常用量を、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%またはより多くのうちのいずれかだけ低減することを可能とするのに十分なゲムシタビンを投与する。一部の実施形態では、同程度の処置を実施するのに必要とされるゲムシタビンの通常用量を、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%またはより多くのうちのいずれかだけ低減することを可能とするのに十分な、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)を投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)、およびゲムシタビンの両方の用量を、単独で投与される場合の各々の対応する通常用量と比較して低減する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)、およびゲムシタビンの両方を、治療レベル未満のレベル、すなわち、低減させたレベルで投与する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および/またはゲムシタビンの用量は、確立された最大毒性用量(maximum toxic dose)(MTD)よりも実質的に少ない。例えば、ナノ粒子組成物および/またはゲムシタビンの用量は、MTDの約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満または約10%未満である。
一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)および/またはゲムシタビンの用量を、各薬剤が単独で投与される場合に通常必要とされる用量と比較して多くする。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および/またはゲムシタビンの用量は、確立された最大毒性用量(MTD)よりも実質的に多い。例えば、ナノ粒子組成物および/またはゲムシタビンの用量は、単独で投与される場合のその薬剤のMTDの約50%超、約40%超、約30%超、約20%超または約10%超である。
当業者に理解されるように、ゲムシタビンの適切な用量は、おおよそ、ゲムシタビンが単独で投与されるか他の薬剤と組み合わせて投与される臨床治療において既に使用される用量である。投与量におけるバリエーションは、処置されている状態に依存して生じる可能性がある。上記に記載のように、一部の実施形態では、ゲムシタビンは、低減されたレベルで投与され得る。
ナノ粒子組成物および/またはゲムシタビンは、例えば、非経口経路、静脈内経路、脳室内(intraventricular)経路、動脈内経路、腹腔内経路、肺内経路、経口経路、吸入経路、膀胱内(intravesicular)経路、筋肉内経路、気管内経路、皮下経路、眼内経路、髄腔内経路、経粘膜(transmucosal)経路、および経皮経路を含めた各種の経路を介して、個体(ヒトなど)に投与することができる。一部の実施形態では、組成物および/またはゲムシタビンの持続放出製剤を用いることができる。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、静脈内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、門脈内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、動脈内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、腹腔内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、髄腔内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、脊髄液へと運ばれたカテーテル(ported catheter)を通して投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、脳室内に投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、全身投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、注入により投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、移植したポンプを通した注入により投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、脳室カテーテルにより投与する。一部の実施形態では、組成物(および/またはゲムシタビン)を、ポートまたは留置ポートを通して投与する。一部の実施形態では、このポートまたは留置ポートは、静脈(頸静脈、鎖骨下静脈または上大静脈など)中に挿入される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(例えば、転移性膵臓腺癌)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)の用量は、約50mg/m2〜約400mg/m2の間(例えば、約100mg/m2〜約300mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、または約100mg/m2〜約150mg/m2、または約100mg/m2、または約125mg/m2、または約150mg/m2を含む)であり、ゲムシタビンの用量は、約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約750mg/m2〜約1500mg/m2、約800mg/m2〜約1200mg/m2、約750mg/m2、約1000mg/m2、約1250mg/m2、または約1500mg/m2)である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって毎週、または毎週投与される。一部の実施形態では、ゲムシタビンは、4週間のうちの3週間にわたって毎週、または毎週投与される。
本明細書に記載される投与構成の組合せを用いることができる。本明細書に記載される方法は、単独で実施することもでき、化学療法、放射線療法、手術、ホルモン療法、遺伝子療法、免疫療法、化学免疫療法、寒冷療法、超音波療法、肝移植、局所焼灼療法(local ablative therapy)、無線周波数焼灼療法(radiofrequency ablation therapy)、光ダイナミック療法など、追加の療法と組み合わせて実施することもできる。
ナノ粒子組成物
本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)と、キャリアタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなどのアルブミン)(から本質的になる様々な実施形態において)含むナノ粒子を含む。水溶性が乏しい薬物(タキサンなど)のナノ粒子は、例えば、それらの各々が参照によりそれらの全体において組み込まれる、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;同第6,537,579号;および同第7,820,788号において開示され、また、米国特許出願公開第2006/0263434号および同第2007/0082838号;PCT特許出願第WO08/137148号においても開示されている。
一部の実施形態では、組成物が平均(averageまたはmean)直径が、約900、800、700、600、500、400、300、200、および100nmのうちのいずれか以下(または約それ未満)など、約1000ナノメートル(nm)以下であるナノ粒子を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約200nm以下(約200nm未満など)である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約150nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約100nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約20〜約400nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約40〜約200nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子が、滅菌濾過可能である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物におけるナノ粒子の平均直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)の直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)が、例えば、約20〜約200nm、約40〜約200nm、約30〜約180nm、ならびに約40〜約150nm、約50〜約120nm、および約60〜約100nmを含む、約20〜約400nmの範囲内に収まる。
一部の実施形態では、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)が、ジスルフィド結合を形成しうるスルフヒドリル基を有する。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)のうちの少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のうちのいずれか1つを含む)が、架橋されている(例えば、1またはそれより多くのジスルフィド結合を介して架橋されている)。
一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子が、キャリアタンパク質(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなどのアルブミン)でコーティングされる。一部の実施形態では、組成物が、ナノ粒子形態および非ナノ粒子形態の両方でのタキサン(パクリタキセルなど)を含み(例えば、パクリタキセル溶液の形態、または可溶性キャリアタンパク質/ナノ粒子複合体の形態での)、組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)のうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかがナノ粒子形態である。一部の実施形態では、ナノ粒子中のタキサン(パクリタキセルなど)が、ナノ粒子の重量で約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかを構成する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、非ポリマーマトリックスを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、ポリマー材料(ポリマーマトリックスなど)を実質的に含まないタキサン(パクリタキセルなど)のコアを含む。
一部の実施形態では、組成物が、その組成物のナノ粒子部分および非ナノ粒子部分の両方においてキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含み、組成物におけるキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)のうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかが、組成物の非ナノ粒子部分にある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とタキサンの重量比が、約15:1以下、例えば、約10:1以下など、約18:1以下である。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とタキサン(パクリタキセルなど)の重量比が、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約13:1、約4:1〜約12:1、または約5:1〜約10:1のうちのいずれかの範囲内に収まる。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンとタキサンの重量比が、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:9、1:10、1:15以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とタキサン(パクリタキセルなど)の重量比が、以下:約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、約1:1〜約2:1、または約1:1〜約1:1のうちのいずれかである。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、上記の特徴のうちの1または複数を含む。
本明細書に記載されるナノ粒子は、乾燥製剤(凍結乾燥組成物など)で存在させる場合もあり、生体適合性媒体中に懸濁させる場合もある。適切な生体適合性媒体には、水、水性緩衝媒体、生理食塩液、緩衝生理食塩液、アミノ酸の必要に応じて緩衝化させた溶液、タンパク質の必要に応じて緩衝化させた溶液、糖の必要に応じて緩衝化させた溶液、ビタミンの必要に応じて緩衝化させた溶液、合成ポリマーの必要に応じて緩衝化させた溶液、脂質含有エマルジョンなどが含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、薬学的に許容されるキャリアは、キャリアタンパク質(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなどのアルブミン)を含む。適切なキャリアタンパク質の例には、血液または血漿において通常見出されるタンパク質が含まれ、これには、アルブミン、IgAを含む免疫グロブリン、リポタンパク質、アポリポタンパク質B、α−酸性糖タンパク質(α−acid glycoprotein)、β−2−マクログロブリン、サイログロブリン、トランスフェリン、フィブロネクチン、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子などが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、このキャリアタンパク質は、カゼイン、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリンなどの非血液タンパク質である。これらのタンパク質は、天然起源であるか、または合成により調製され得る。一部の実施形態では、このタンパク質は、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなどのアルブミンである。一部の実施形態では、このアルブミンは、組換えアルブミンである。
ヒト血清アルブミン(HSA)とは、Mr65Kの高度に可溶性の球状タンパク質であり、585アミノ酸からなる。HSAは、血漿中で最も豊富なタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧のうちの70〜80%を占める。HSAのアミノ酸配列は、合計17個のジスルフィド架橋、1個の遊離チオール(Cys34)、および単一のトリプトファン(Trp214)を含有する。HSA溶液の静脈内使用は、血液量減少性ショック(hypovolumic shock)の予防および処置に適用があり(例えば、Tullis、JAMA、237巻、355〜360頁、460〜463頁(1977年)、およびHouserら、Surgery、Gynecology and Obstetrics、150巻、811〜816頁(1980年)を参照されたい)、新生児高ビリルビン血症の処置における交換輸血と共に行われる(例えば、Finlayson、Seminars in Thrombosis and Hemostasis、6巻、85〜120頁(1980年)を参照されたい)。ウシ血清アルブミンなど、他のアルブミンも意図される。このような非ヒトアルブミンの使用は、例えば、獣医学(家庭用ペットおよび農業上の状況を含む)など、非ヒト哺乳動物においてこれらの組成物を使用する状況で適切でありうる。ヒト血清アルブミン(HSA)は、複数の疎水性結合部位(HSAの内因性リガンドである脂肪酸について、合計8つ)を有し、タキサンの多様なセット、特に、中性の疎水性化合物および負に荷電した疎水性化合物に結合する(Goodmanら、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、9版、McGraw−Hill New York(1996年))。極性リガンド特徴に対する結合点として機能する表面近傍の荷電リシン残基および荷電アルギニン残基を伴う、極めて細長い疎水性ポケットである、HSAのIIAサブドメインおよびIIIAサブドメインでは、2つの高アフィニティーの結合部位が提起されている(例えば、Fehskeら、Biochem. Pharmcol.、30巻、687〜92頁(198a)、Vorum、Dan. Med. Bull.、46巻、379〜99頁(1999年)、Kragh−Hansen、Dan. Med. Bull.、1441巻、131〜40頁(1990年)、Curryら、Nat. Struct. Biol.、5巻、827〜35頁(1998年)、Sugioら、Protein. Eng.、12巻、439〜46頁(1999年)、Heら、Nature、358巻、209〜15頁(199b)、およびCarterら、Adv. Protein. Chem.、45巻、153〜203頁(1994年)を参照されたい)。パクリタキセルおよびプロポフォールは、HSAに結合することが示されている(例えば、Paalら、Eur. J. Biochem.、268巻(7号)、2187〜91頁(200a)、Purcellら、Biochim. Biophys. Acta、1478(a)、61〜8頁(2000年)、Altmayerら、Arzneimittelforschung、45巻、1053〜6頁(1995年)、およびGarridoら、Rev. Esp. Anestestiol. Reanim、41巻、308〜12頁(1994年)を参照されたい)。さらに、ドセタキセルは、ヒト血漿タンパク質に結合することが示されている(例えば、Urienら、Invest. New Drugs、14(b)、147〜51頁(1996年)を参照)。
組成物におけるキャリアタンパク質(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなどのアルブミン)は一般に、タキサンのキャリアとして役立つ、すなわち、組成物におけるアルブミンは、キャリアタンパク質を含まない組成物と比較して、タキサン(パクリタキセルなど)を、水性媒体中でより容易に懸濁可能とするか、またはこの懸濁物を維持する一助となる。これは、タキサンを可溶化するための毒性溶媒(または界面活性剤)の使用を回避することが可能であり、これにより、個体(ヒトなど)にタキサン(パクリタキセルなど)を投与することによる1またはそれより多くの副作用を軽減しうる。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物が、Cremophor(またはポリオキシエチル化ヒマシ油)(Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)などの界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。ナノ粒子組成物を個体に投与するとき、組成物におけるCremophorまたは界面活性剤の量が、その個体において1またはそれより多くの副作用を引き起こすのに十分でない場合は、その組成物は、「Cremophorを実質的に含まない」か、または「界面活性剤を実質的に含まない」。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%、または1%のうちのいずれか未満の有機溶媒または界面活性剤を含有する。一部の実施形態では、キャリアタンパク質はアルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンはヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは組換えアルブミンである。
本明細書に記載される組成物におけるキャリアタンパク質(アルブミンなど)の量は、その組成物における他の成分に応じて変化する。一部の実施形態では、組成物が、水性懸濁物、例えば、安定的なコロイド状懸濁物(ナノ粒子の安定的な懸濁物など)の形態でタキサン(パクリタキセルなど)を安定化させるのに十分な量でキャリアタンパク質(アルブミンなど)を含む。一部の実施形態では、キャリアタンパク質(アルブミンなど)が、水性媒体におけるタキサン(パクリタキセルなど)の沈降速度を低減する量である。粒子含有組成物の場合、キャリアタンパク質(アルブミンなど)の量はまた、タキサンのナノ粒子のサイズおよび密度にも依存する。
タキサン(パクリタキセルなど)は、少なくとも約0.1時間、0.2時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、または72時間のうちのいずれかにわたるなど、長時間にわたり水性媒体において懸濁されたままである(目視可能な沈殿も沈降もないなど)場合、タキサンは、水性懸濁物中で「安定化」されている。懸濁物は一般に、個体(ヒトなど)への投与に適するが、必ずしもそうではない。懸濁物の安定性は一般に、保存温度(室温(20〜25℃など)または冷蔵条件(4℃など)など)で評価する(しかし、必ずしもそうではない)。例えば、懸濁物の調製後約15分で、懸濁物が、肉眼で目視可能なフロキュレーションも粒子凝集も、または1000倍の光学顕微鏡下で観察したときにフロキュレーションも粒子凝集も示さない場合、その懸濁物は、保存温度で安定的である。安定性はまた、約40℃より高温の温度など、加速試験条件下でも評価することができる。
一部の実施形態では、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)が、特定の濃度の水性懸濁物においてタキサン(パクリタキセルなど)を安定化させるのに十分な量で存在する。例えば、組成物中のタキサン(パクリタキセルなど)の濃度は、例えば、約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2〜約8mg/ml、約4〜約6mg/mlまたは約5mg/mlのうちのいずれかを含む、約0.1〜約100mg/mlである。一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)の濃度が、約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、および50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物が、界面活性剤(Cremophorなど)を含まないか、または実質的に含まないように、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)が、界面活性剤(Cremophorなど)の使用を回避する量で存在する。
一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.1%〜約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)、または約50%(w/v))のキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む。一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.5%〜約5%(w/v)のキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)対タキサン(パクリタキセルなど)の重量比が、十分な量のタキサンが、細胞に結合するか、または細胞により輸送されるような重量比である。キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)とタキサンとの異なる組合せに対して、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)対タキサンの重量比を最適化しなければならないが、一般に、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)対タキサン(パクリタキセルなど)の重量比(w/w)は、約0.01:1〜約100:1、約0.02:1〜約50:1、約0.05:1〜約20:1、約0.1:1〜約20:1、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約12:1、約4:1〜約10:1、約5:1〜約9:1、または約9:1である。一部の実施形態では、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)対タキサンの重量比が、約18:1以下、15:1以下、14:1以下、13:1以下、12:1以下、11:1以下、10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、および3:1以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、キャリアタンパク質はアルブミンである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とタキサンの重量比が、以下:約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、約1:1〜約2:1、または約1:1〜約1:1のうちのいずれか1つである。
一部の実施形態では、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)により、組成物を、個体(ヒトなど)に、重大な副作用なしに投与することが可能となる。一部の実施形態では、キャリアタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなどのアルブミン)が、ヒトへのタキサン(パクリタキセルなど)投与の1またはそれより多くの副作用を軽減するのに有効な量である。「タキサン(パクリタキセルなど)投与の1またはそれより多くの副作用を軽減すること」という用語は、タキサンにより引き起こされる1またはそれより多くの望ましくない作用、ならびにタキサンを送達するのに用いられる送達ビヒクル(タキサンを注射に適するものとする溶媒など)により引き起こされる副作用の軽減、緩和、除去、または回避をいう。このような副作用には、例えば、骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚刺激、末梢性神経障害、好中球減少性発熱(neutropenic fever)、アナフィラキシー反応、静脈血栓症(venous thrombosis)、管外遊出、およびこれらの組合せが含まれる。しかし、これらの副作用は、例示的なものであるに過ぎず、タキサン(パクリタキセルなど)と関連する他の副作用または副作用の組合せも軽減することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、パクリタキセルおよびヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、パクリタキセルおよびヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1である。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Nab−パクリタキセル(またはAbraxane(登録商標))を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Nab−パクリタキセル(またはAbraxane(登録商標))である。Abraxane(登録商標)とは、ヒトアルブミンUSPにより安定化させたパクリタキセルの製剤であり、直接注射可能な生理学的溶液中で分散させることができる。ヒトアルブミンとパクリタキセルの重量比は約9:1である。0.9%塩化ナトリウム注射液または5%デキストロース注射液など、適切な水性媒体中で分散させると、Nab−パクリタキセル(またはAbraxane(登録商標))は、パクリタキセルの安定的なコロイド状懸濁物を形成する。コロイド状懸濁物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約130ナノメートルである。HSAは、水中で際限なく(freely)可溶性であるので、例えば、約2mg/ml〜約8mg/ml、または約5mg/mlを含む、希釈(約0.1mg/mlのパクリタキセル)〜濃縮(約20mg/mlのパクリタキセル)の範囲にわたる広範な濃度で、Nab−パクリタキセル(またはAbraxane(登録商標))を再構成することができる。
当技術分野では、ナノ粒子組成物を作製する方法が公知である。例えば、タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなどのアルブミン)を含有するナノ粒子は、高せん断力条件(例えば、超音波処理、高圧ホモジナイゼーションなど)下で調製することができる。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;同第6,537,579号;および同第7,820,788号において開示され、また、米国特許出願公開第2007/0082838号、同第2006/0263434号、およびPCT出願第WO08/137148号においても開示されている。
簡潔に言うと、タキサン(パクリタキセルなど)を、有機溶媒中に溶解させ、この溶液を、キャリアタンパク質溶液(例えば、アルブミン溶液)へと添加することができる。この混合物を、高圧ホモジナイゼーションに供する。次いで、蒸発により有機溶媒を除去することができる。得られた分散物を、さらに凍結乾燥させることができる。適切な有機溶媒には、例えば、ケトン、エステル、エーテル、塩素化溶媒、および当技術分野で公知の他の溶媒が含まれる。例えば、有機溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルム/エタノール(例えば、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1の比による)でありうる。
ナノ粒子組成物における他の成分
本明細書に記載されるナノ粒子は、他の薬剤、賦形剤、または安定化剤を含む組成物中に存在させることができる。例えば、ナノ粒子の負のゼータ電位を増大させることにより安定性を増大させるために、1種または複数の負に荷電した成分を添加することができる。負に荷電したこのような成分には、グリココール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸などからなる胆汁酸による胆汁酸塩、以下のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジルコリンが含まれるレシチン(卵黄)ベースのリン脂質を含めたリン脂質が含まれるがこれらに限定されない。他のリン脂質は、L−α−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearyolphosphatidylcholine)(DSPC)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、および他の関連化合物を含む。例えば、硫酸コレステリルナトリウムなど、負に荷電した界面活性剤または乳化剤もまた、添加剤として適する。
一部の実施形態では、組成物が、ヒトへの投与に適する。一部の実施形態では、組成物が、獣医学の状況において、家庭用ペットおよび農業用動物などの哺乳動物への投与に適する。多種多様なナノ粒子組成物の適切な製剤が存在する(例えば、米国特許第5,916,596号、同第6,096,331号および同第7,820,788号を参照されたい)。以下の製剤および方法は、例示的なものであるに過ぎず、全く限定的なものではない。経口投与に適する製剤は、(a)水、生理食塩液、またはオレンジジュースなどの希釈剤中に溶解させた有効量の化合物などの液体溶液、(b)各々が、固体または顆粒として、所定量の有効成分を含有する、カプセル、小袋(sachet)、または錠剤、(c)適切な液体中の懸濁物、および(d)適切なエマルジョンからなる場合がある。錠剤形態は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、微晶質セルロース、アカシアガム、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ならびに他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、保湿剤(moistening agent)、防腐剤、矯味矯臭剤、および薬理学的に適合性の賦形剤のうちの1または複数を包含しうる。ロゼンジ形態は、矯味矯臭薬(通常はスクロースおよびアカシアガムまたはトラガカントガム)中の有効成分、ならびに、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアガムなどの不活性基剤中に有効成分を含む香錠、有効成分に加えて当技術分野で公知の賦形剤などの賦形剤を含有するエマルジョン、ゲルなどを含み得る。
適するキャリア、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントガム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩溶液、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシ安息香酸塩およびプロピルヒドロキシ安息香酸塩、滑石、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油が含まれるがこれらに限定されない。製剤は、さらに、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、防腐剤、甘味剤、または矯味矯臭剤も含み得る。
非経口投与に適する製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および製剤を、意図されるレシピエントの血液と適合性にする溶質を含有しうる水性および非水性で等張性の滅菌注射液と、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤(thickening agent)、安定化剤、および防腐剤を包含しうる水性および非水性の滅菌懸濁物とが含まれる。製剤は、アンプルおよびバイアルなど、単位用量または複数回用量の密封容器内に存在させることが可能であり、使用の直前に、注射用の滅菌液体賦形剤、例えば、水の添加だけを必要とする凍結乾燥(freeze−dried (lyophilized))条件下で保存することが可能である。既に説明した種類の滅菌粉末、滅菌顆粒、および滅菌錠剤から、即席の注射液および懸濁物を調製することができる。注射用製剤が好ましい。
一部の実施形態では、例えば、約5.0〜約8.0、約6.5〜約7.5、および約6.5〜約7.0のうちのいずれかのpH範囲を含む、pH範囲が約4.5〜約9.0となるように組成物を処方する。一部の実施形態では、例えば、約6.5、7、または8(約8など)のうちのいずれか以上を含む、組成物のpHを約6以上となるように処方する。また、グリセロールなど、適切な張度修飾剤(tonicity modifier)を添加することにより、組成物を血液と等張性とすることもできる。
製品、キット、組成物、および医薬
本発明はまた、本明細書に記載される方法のうちのいずれかで使用するためのキット、医薬、組成物、単位剤形および製品も提供する。
本発明のキットは、タキサンを含有するナノ粒子組成物(または単位剤形および/もしくは製品)および/またはゲムシタビンを含む1またはそれより多くの容器を含み、そして、一部の実施形態では、本明細書に記載される方法のうちのいずれかに従う、使用のための指示もさらに含む。キットは、処置に適する個体を選択するための説明もさらに含みうる。本発明のキットに供給される指示は、ラベルまたはパッケージの添付文書(例えば、キット内に包含される紙製シート)に書かれた指示であることが典型的であるが、機械により読み取り可能な指示(例えば、磁気的保存ディスクまたは光学的保存ディスク上に保持された指示)もまた許容可能である。
例えば、一部の実施形態では、キットが、タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなどのアルブミン)を含むナノ粒子を含む組成物を含む。一部の実施形態では、このキットは、個体における膵臓がんを処置するためにゲムシタビンと組み合わせたナノ粒子組成物を投与するための指示をさらに含む。別の例について、一部の実施形態では、キットが、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなどのアルブミン)を含むナノ粒子を含む組成物と、b)有効量のゲムシタビンとを含む。一部の実施形態では、このキットは、個体における膵臓がんを処置するために上記ナノ粒子組成物およびゲムシタビンを投与するための指示とをさらに含む。ナノ粒子と、ゲムシタビンとは、別個の容器に存在させることもでき、単一の容器に存在させることもできる。例えば、キットは、1つの異なる組成物を含む場合もあり、2つまたはそれより多くの組成物を含み、一方の組成物がナノ粒子を含み、もう一方の組成物がゲムシタビンを含む場合もある。これらの指示は、添付文書またはパッケージラベル上に存在し得る。処置は、本明細書に記載される方法のいずれか1つに従い(またはそれに適用され)得る。
本発明のキットは、適切なパッケージ(packaging)中に存在する。適切なパッケージには、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性のパッケージ(例えば、密封されたMylarバッグまたはプラスティック製のバッグ)などが含まれるがこれらに限定されない。キットは場合によって、緩衝剤および解釈情報など、さらなる構成要素も提供しうる。したがって、本出願はまた、バイアル(密封バイアルなど)、単位剤形(unit dosages or unit dosage forms)、ボトル、ジャー、可撓性パッケージなどを含む製品も提供する。
ナノ粒子組成物および/またはゲムシタビンの使用に関する指示は一般に、意図される処置のための投与量、投与スケジュール、および投与経路についての情報を包含する。容器は、単位用量の場合もあり、バルクパッケージ(例えば、複数回用量パッケージ)の場合もあり、または部分単位用量(sub−unit dose)の場合もある。例えば、1週間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間またはそれより長くのうちのいずれかなどの長期間にわたり、個体の有効な処置をもたらすのに十分な投与量の、本明細書で開示されるタキサン(パクリタキセルなど)および/またはゲムシタビンを含有するキットを提供することができる。キットはまた、複数単位用量のタキサン(パクリタキセルなど)(および/またはゲムシタビン)および医薬組成物および使用のための指示を包含し、薬局、例えば、院内薬局および調剤薬局において保存および使用されるのに十分な量でこれを包装することも可能である。
また、本明細書に記載される方法に有用な医薬、組成物、および単位剤形も提供される。一部の実施形態では、個体における膵臓がんの処置に使用するための医薬(または組成物もしくは単位剤形)が提供され、これは、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなどのアルブミン)を含む有効量のナノ粒子および/または有効量のゲムシタビンを含む。一部の実施形態では、ゲムシタビンとともに、個体における膵臓がんの処置に使用するための医薬(または組成物もしくは単位剤形)が提供され、これは、タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミンなどのアルブミン)を含むナノ粒子を含む。
例示的な実施形態
本出願は、一部の実施形態において、ヒト個体における転移性膵臓がんを処置する方法を提供し、この方法は、(i)パクリタキセルおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに(ii)有効量のゲムシタビンを、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体における局所進行膵臓がんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)パクリタキセルおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに(ii)有効量のゲムシタビンを、上記個体に投与するステップを含む。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この膵臓がんは膵臓腺癌である。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は女性であるか、または代替の実施形態では、男性である。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、65歳未満であり、または代替的な実施形態では、少なくとも約65歳(例えば、少なくとも約75歳)である。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。あるいは、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の体部であるか、または膵臓の尾部にある。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。あるいは、または加えて、上記個体は、肺転移を有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんの診断の時点で、ステージIVの膵臓がんを有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、3つよりも多い転移部位を有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULN(正常の上限)である血清CA19−9レベルを有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、約90以下(例えば、70と80との間)のカルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)を有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、高レベルのhENT1を有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、パクリタキセルおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物は、静脈内投与される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、約50mg/m2 m2〜約400mg/m2である。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、約50〜約200、例えば約100mg/m2〜約200mg/m2、例えば約125mg/m2である。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、パクリタキセルおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物は、毎週、例えば、4週間のうちの3週間にわたって毎週、投与される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、このアルブミンは、ヒト血清アルブミンである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この組成物におけるナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミンとパクリタキセルとの重量比は、約9:1またはそれより小さく、例えば約9:1である。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、このナノ粒子におけるパクリタキセルは、アルブミンでコーティングされる。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、このゲムシタビンは、約750mg/m2〜約1500mg/m2などの約500mg/m2〜約2000mg/m2、例えば約1000mg/m2で個体に投与される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、このゲムシタビンは、毎週、例えば、4週間のうちの3週間にわたって毎週、投与される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、このゲムシタビンは、静脈内投与される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この方法は、別の化学療法剤を投与するステップをさらに含む。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、前記方法は、ファーストライン処置のためのものである。
当業者は、本発明の範囲および精神の範囲内では、複数の実施形態が可能であることを認識する。ここで、本発明を、以下の非限定的な例に言及することにより、より詳細に記載する。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然ながら、いかなる形でもその範囲を限定するものとしてみなすべきではない。
(実施例1)
膵臓の転移性腺癌を有する患者における毎週のNab−パクリタキセル+ゲムシタビン対ゲムシタビン単独の無作為化第3相試験(MPACT)
このMPACT試験は、膵臓の転移性腺癌を有すると診断された患者における、全生存期間(OS)、無進行生存期間(PFS)および腫瘍応答に関して、標準的な処置(ゲムシタビン単独療法)に対して、毎週投与されるNab−パクリタキセル+ゲムシタビンを比較するためにデザインした、非盲検、無作為化、国際、多施設の第3相試験であった。
患者を、2つの処置アームのうち1つに割り当てた、これらのアームは以下であった:(1)サイクル1が、1日目、8日目、15日目、29日目、36日目および43日目に投与されるNab−パクリタキセル+ゲムシタビンによる8週間サイクルからなり、以降のサイクル2が、3週間にわたる(1日目、8日目および15日目の)毎週投与による4週間サイクルからなる、30分間の静脈内(IV)注入としてのNab−パクリタキセル(125mg/m2)とそれに続く30分間のIV注入としてのゲムシタビン(1000mg/m2)、その後1週間の休薬;または(2)サイクル1が、1日目、8日目、15日目、22日目、29日目、36日目および43日目に投与されるゲムシタビンによる8週間サイクルからなり、以降のサイクル2が、3週間にわたる(1日目、8日目および15日目の)毎週投与による4週間サイクルからなる、30分間のIV注入としてのゲムシタビン(1000mg/m2)、その後1週間の休薬。患者が、疾患進行(治験責任医師の評価に基づく)もしくは許容できない毒性を経験するまで、対症療法的放射線療法を必要とするまで、同意を引き下げるまで、または患者の医師が、処置を継続することが患者の最大の利益にもはやならないと感じるまで、処置を継続した。疾患進行を経験していない患者を、両方のアームにおいて、定期スパイラルCT/MRIスキャンで8週間ごとに追跡した。患者を、死亡または試験の終了まで、生存について追跡した。
1:1の無作為化を、以下:(1)カルノフスキーパフォーマンスステータス(PS)(70〜80対90〜100);(2)地域(オーストラリア、北アメリカ、東/西ヨーロッパ);(3)肝臓転移の存在(あり対なし)によって層別した。
一次有効性エンドポイントは、全生存期間(OS)であった。二次有効性エンドポイントは、スパイラルコンピュータ断層撮影(CT)スキャン/磁気共鳴画像化(MRI)に基づく、Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST v.1.0)に従う客観的腫瘍応答、無進行生存期間(PFS)(8週目に行われた盲検の独立した放射線医学評価によって測定した)であった。含んだ他のエンドポイントは、治験責任医師の精査による無進行生存期間および客観的奏効率(ORR)、疾患制御率(DCR)、治療成功期間(TTF)、ならびにNational Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events v.3.0(NCI CTCAE)による安全性/忍容性であった。
試料サイズは、検出力を80%から90%まで増加させるために、中間分析前に増加させ(842人の患者、608事象)、0.769のハザード比(HR)を検出した(両側 α:0.049)。1回の中間生存分析を、無益性について計画した。包括解析(ITT)集団を有効性について評価し、処置集団を安全性について評価した。全生存期間および無進行生存期間における処置の差異を、層別ログランクを使用して試験した;客観的奏効率を、カイ二乗検定を使用して試験した。
試験エンドポイントを、以下の基準を分析することによって決定した:(1)血清CA19−9レベルにおける変化;(2)血漿SPARC(分泌タンパク質、酸性およびシステインリッチ(secreted protein、acidic and rich in cysteine)レベルにおける変化;(3)応答の時間および持続時間(RECIST v.1.0を使用する);(4)客観的応答または安定な疾患≧16週間に基づいた疾患制御率;(5)治療成功期間;(6)治験責任医師による無進行生存期間および全体的な奏効率;ならびに(7)EORTC基準および盲検放射線医学評価を使用するPETスキャンによる腫瘍応答。試験エンドポイントを評価する際に、治験責任医師は、CTおよびPETスキャンによって決定される客観的腫瘍応答と、分子マーカーの発現および有効性と、PET、無進行生存期間、CA19−9レベル、SPARCレベルおよび全生存期間によって決定される客観的腫瘍応答との間の相関を試験した。
各患者は、以下の試験組み入れ基準を満たす必要があった:(1)確定の組織学的または細胞学的に確認された転移性膵臓腺癌(確定診断を、臨床データおよびX線検査データの文脈内の病理組織学的データを統合することによって行った;島細胞新生物を有する患者は除外した);(2)転移性疾患の初期診断は、試験における無作為化の≦6週間前に行われているべきである;(3)CTスキャン(または患者がCT造影媒体に対してアレルギーだった場合にはMRI)によって1つまたはそれより多くの転移性腫瘍が測定可能;(4)患者は、男性または非妊娠かつ非授乳中の女性であり、≧18歳であった(定期的な月経周期によって明らかな出産能のある女性患者は、試験薬物(複数可)の最初の投与の72時間前に陰性の血清妊娠試験(β−hCG)が報告されていなければならない);(5)患者は、転移性疾患に対する処置のための放射線療法、手術、化学療法または試験的治療を、先に受けていてはならない(最後の用量の完了から少なくとも6カ月間が経過しており、長引く毒性が存在しなかったことを条件として、補助の状況において放射線増感剤として投与された5−FUまたはゲムシタビンによる先行する処置を許容した;補助の状況において細胞傷害性用量のゲムシタビンまたは任意の他の化学療法を受けた患者は除外した);(6)ベースラインにおける以下の血球数(無作為化の≦14日前に取得した)によって実証される適切な生物学的パラメーター:(a)絶対的好中球計数(ANC)≧1.5×109/L;(b)血小板計数≧100,000/mm3(100×109/L);(c)ヘモグロビン(Hgb)≧9g/dL;(7)ベースラインにおける以下の血液化学レベル(無作為化の≦14日前に取得した):(a)AST(SGOT)、ALT(SGPT)≦2.5×正常範囲の上限(ULN)、肝臓転移が明らかに存在しない場合、≦5×ULNを許容した;(b)総ビリルビン≦ULN;(c)正常範囲内の血清クレアチニン、または施設の正常値を上回るもしくは下回る血清クレアチニンレベルを有する患者については計算されたクリアランス≧60mL/分/1.73m2(クレアチニンクリアランスを使用する場合、クレアチニンクリアランスを計算するために実際の体重を使用した(例えば、Cockroft−Gault式を使用する);肥満度指数(BMI)>30kg/m2を有する患者については、除脂肪体重を代りに使用した);(8)正常範囲(±15%)内のプロトロンビン時間(PT)および部分トロンボプラスチン時間(PTT)によって実証される、許容される凝固試験(無作為化の≦14日前に取得した);(9)検尿結果において臨床的に有意な異常なし(無作為化の≦14日前に取得した);(10)カルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)≧70(KPSを評価するために2人の観察者を要した;相違する場合、最も低い評価を真とみなした);(11)1日目の前に黄疸について無症候性(顕著なまたは症候性の量の腹水は、1日目の前に排出させておかねばならず、疼痛症状は、1日目の前に安定になっていなければならず、鎮痛管理における改変を必要としてはならなかった);ならびに(12)患者は、任意の試験関連の活動に参加する前に、試験の性質について通知されており、参加することに同意しており、インフォームドコンセントフォーム(ICF)にサインしていた。
患者は、以下の除外基準のいずれかに当てはまった場合、この試験への組み入れに不適格であった:(1)患者は、先に処置されず、少なくとも3カ月間にわたって十分制御されない場合、既知の脳転移を有した(臨床的に安定、浮腫なし、ステロイドなし、および少なくとも4週間離れた2回のスキャンにおいて安定と定義される);(2)患者は、局所進行疾患のみを有した;(3)患者は、ベースライン来診と無作為化前72時間以内との間に、KPSにおける≧10%の減少を経験した;(4)患者は、ベースライン来診と無作為化前72時間以内との間に、血清アルブミンレベルにおける≧20%の減少を有した;(5)患者は、過去5年間に悪性疾患の既往歴を有した(上皮内がんまたは基底細胞もしくは扁平上皮皮膚がんの既往歴を有する患者は適格であり、他の悪性疾患を有する患者は、手術単独または手術+放射線療法によって治癒され、少なくとも5年間にわたって連続的に無疾患であった場合には、適格であった);(6)患者は、Coumadinを使用していた;(7)患者は、全身治療を必要とする、活動性の制御されていない細菌、ウイルスまたは真菌の感染(複数可)を有した;(8)患者は、HIV、B型肝炎またはC型肝炎による既知の感染歴または活動性感染を有した;(9)患者は、この試験における処置1日目の前4週間以内に診断的手術(即ち−−臓器の取り出しを伴わずに診断のために生検を取得するために行われる手術)以外の大手術を受けていた;(10)患者は、試験薬物のいずれかもしくはその賦形剤のいずれかに対するアレルギーもしくは過敏症の既往歴を有したか、あるいは患者は、製品もしくはコンパレーターSmPCの禁忌のセクションもしくは特別警告(special warning)および注意のセクションまたは処方情報に概説された事象のいずれかを示した;(11)患者は、結合組織障害(例えば、ループス、強皮症、結節性動脈炎)の既往歴を有した;(12)患者は、間質性肺疾患の既往歴を有した;(13)患者は、慢性白血病(例えば、慢性リンパ性白血病)の既往歴を有した;(14)患者は、試験の1日目の前の年に、冠動脈ステントまたは心筋梗塞が含まれるがこれらに限定されない、高い心血管の危険性を有した;(15)患者は、末梢動脈疾患(例えば、跛行、レオ・バージャー病)の既往歴を有した;(16)患者は、主要臓器系のいずれかが関与する重篤な医療上の危険因子、または患者の安全性もしくは試験データの完全性を危うくし得る重篤な精神医学的障害を有した;(17)患者は、任意の他の臨床プロトコールまたは調査試験に登録された;あるいは(18)患者は、試験手順に従う気がないもしくは従うことができなかった、または試験過程の間の7日間またはそれより多くの連続する日にわたって休暇をとることを予定していた。
MPACT試験は、米国(N=476)、カナダ(N=63)、オーストラリア(N=120)、西ヨーロッパ(N=76)および東ヨーロッパ(N=126)において、転移性膵臓がんを有する861人の患者(431人はNab−パクリタキセル+ゲムシタビンアーム、430人はゲムシタビンアーム)を登録した。
図1は、MPACT試験デザインを示し、表4および5は、それぞれ、患者の人口統計およびベースライン特徴を提供する。
これらの処置アームは、人口統計、ならびに年齢、パフォーマンスステータス、肝臓転移を有する患者のパーセント、およびCA19−9レベルなどの既知の予後特徴、に関して、十分にバランスを取った。年齢中央値は63歳であり、58%が男性であった。60%は、90〜100のKPSを有し、84%は肝臓転移を有し、39%は肺転移を有した。原発病変の43%は、膵臓の頭部にあった。
包括解析分析における全生存期間中央値は、層別ログランク検定を使用して、0.72のハザード比(層別Coxモデルからの95%CI、0.617〜0.835)で、ゲムシタビンアームにおける6.7カ月間と比較して、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおいては8.5カ月間であり、これは、死亡の危険性における28%の低減、p=0.000015と言い換えられた(図2および表7)。
表8は、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンによる処置が、1年生存率を59%増加させ(ゲムシタビンアームにおける22%からNab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおける35%に)、また、2年生存率を2倍化した(4%から9%に)ことを示している。
図3は、全ての予め特定された下位群分析において、生存における一貫した改善が観察され、延命効果が、下位群の大部分において統計的有意に達したことを示している。
表9および10は、全生存期間についての全ての感度分析が、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおいて、一貫した、頑健な、統計的に有意な改善を実証することを示している。
表12は、全生存期間に対する後続治療の影響をまとめる。
図4および表13は、無進行生存期間の二次エンドポイントが有意に改善されたことを実証している。PFS中央値は、0.69のハザード比で、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおける5.5カ月間と比較して、ゲムシタビンアームにおいて3.7カ月間であり、進行または死亡の危険性の31%低減に対応した(95%CI、0.581〜0.821;p=0.000024、層別ログランク検定)。9カ月および12カ月のPFS率は、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおいて2倍化した。1.8カ月間のPFS中央値における絶対的改善は、全生存期間中央値における絶対的改善と同一であった。
図5は、全ての予め特定された下位群分析において、無進行生存期間に対する一貫した改善が観察され、この観察されたPFS利益が下位群の大部分において統計的有意に達したことを示している。
図6および表14は、治験責任医師の精査によるPFS中央値が、0.61のハザード比で、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおける5.3カ月間と比較して、ゲムシタビンアームにおいて3.5カ月間であったことを示している(95%CI(0.524〜0.714)、P<0.0001)。
表15は、盲検放射線医学が評価し確認した、包括解析集団における完全または部分的な全体的奏効率(ORR)が、3.19に等しい奏効率比で、ゲムシタビンアームにおける7%からNab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおける23%まで3倍化したことを示している(p値 1.1×10
−10)。
図7は、全体的奏効率についての下位群分析が、全生存期間および無進行生存期間における改善と一致して、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおいて頑健で一貫した利益を示すことを実証している。
表16は、独立した精査による疾患制御率が、1.46の奏効率比で、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームについての48%対ゲムシタビンアームについての33%であったことを示している。
図8は、標的病変の最長直径の合計の底におけるベースラインからのパーセント変化を示している(最大パーセント変化>100%は、100%において切り捨てた)。表17は、独立した放射線学的精査による治療成功期間を示している。
Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームの患者は、ゲムシタビンアームの患者と比較して、1回多いサイクルの処置を受けた(表18)。
ゲムシタビンの用量強度中央値は、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおいて約10%だけより低かったが、これは、Abraxane(登録商標)がゲムシタビンの適切な投与を可能にすることを示している(表18)。送達されたAbraxane(登録商標)用量強度は計画した用量の80%であり、高かった(表18)。
患者の大部分は、ゲムシタビンアームにおいてより高い百分率で、進行のために処置を中断した。しかし、組合せアームでは、より多くの患者が、有害事象のために中断した(表20)。
Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームのより高い百分率の患者に見られたグレード3〜4の有害事象は、好中球減少症、疲労、末梢神経障害、血小板減少症、貧血、脱水症、悪心および下痢であった。グレード3〜4の神経障害の率は17%であった(表21)。中央検査所により、より高い率のグレード3〜4の好中球減少症および血小板減少症が存在したが、貧血に差異は存在しなかった(表21)。
血小板減少症のわずかな増加から生じる出血に、増加は存在しなかった。組合せアームでは、より高い率の好中球減少症およびより長い観察期間と一致した、感染におけるわずかな増加が存在した(表22)。
組合せアームのより高い百分率の患者において薬物中断をもたらす、最も一般的な有害事象は、感覚神経障害であった(表23)。
死亡のアウトカムを伴う有害事象を有した患者の百分率は、両方の処置アームにおいて同一であり、4%の低さであった(表24)。
表25は、包括解析集団中の下位群による全生存期間をまとめる。
高度に代表的な患者集団において実施されたこの多国籍多施設試験において、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンは、転移性膵臓がんを有する患者に対するゲムシタビン単独と比較して、生存における頑健な高度に有意な改善を提供する。Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンは、転移性膵臓がんにおいて生存を有意に改善する最初の化学療法の一対であり、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおいて8.5カ月間の全生存期間中央値対ゲムシタビンアームにおいて6.7カ月間の全生存期間中央値である(HR=0.72、p=0.0000152)。Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンによる処置は、ゲムシタビンアームにおける22%からNab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおける35%までの、1年生存における59%の増加を生じ、2年生存率を2倍化した(4%から9%)。
独立して精査した二次エンドポイントは、一貫した有意な改善を実証し、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおける5.5カ月間の無進行生存期間中央値対ゲムシタビンアームにおける3.7カ月間の無進行生存期間中央値であり(HR=0.69、p=0.000024)、23%の客観的奏効率(ORR)(ゲムシタビンアームについての7%と比較)、3.19のORR比であった(P=1.1×10−10)。重篤な生命を脅かす毒性は増加せず、有害事象は許容可能で管理可能であった。この試験の結果は、下位群にわたって一貫しており、全ての有効性エンドポイントによって支持され、これは、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンが転移性膵臓がんの処置においてゲムシタビン単独よりも優れていることを実証している。
(実施例2)
膵臓の転移性腺癌を有する患者に対するnab−パクリタキセル+ゲムシタビン対ゲムシタビン単独の無作為化第III相試験(MPACT)から更新された生存
この実施例は、膵臓の転移性腺癌を有すると診断された患者における、全生存期間(OS)、無進行生存期間(PFS)および腫瘍応答に関して、標準的な処置(ゲムシタビン単独療法)に対して、毎週投与されるNab−パクリタキセル+ゲムシタビンを比較する、MPACT試験(実施例1に記載される)からのOSの更新された分析を提供する。2013年5月9日現在での更新された全生存期間を図9に示す。Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンを受けている患者についてのOS中央値は、ゲムシタビン単独を受けている患者についてのOS中央値よりも有意に長かった。より長い追跡は、処置アーム間における2.1カ月間のOS中央値差を実証した。以下の表26に示すように、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームの患者の4%は、3年間またはそれより長い年数にわたって生存した。
図10および以下の表28は、下位群についてのOS更新を提供する。
上の表29に示すように、上昇したベースラインCA19−9レベル(≧59×ULN)を有するより高い割合の患者は、ゲムシタビン単独と比較して、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンでは2〜3年生きていた。
Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンを受けている患者は、ベースラインにおけるCA19−9レベルにかかわらず、類似の生存を実証した;しかし、ベースラインにおいて中央値CA19−9レベルよりも高いCA19−9レベルを有する患者では、中央値CA19−9レベルよりも低いCA19−9レベルを有する患者より、ゲムシタビン単独での生存が悪化した。図11を参照のこと。
新たな安全性シグナルは、いずれの処置アームについても観察されなかった。最も一般的なグレード≧3の毒性は、好中球減少症、白血球減少症、末梢神経障害および疲労であった。Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおいて以下の注目すべき毒性が観察された:患者の17%は、グレード3の末梢神経障害を有した(グレード4の症例なし;54%は、いずれかのグレードの末梢神経障害を有した)。グレード3の末梢神経障害からグレード≦1への改善までの時間中央値は、29日間であり、患者の44%はNab−パクリタキセルによる処置を再開した。グレード≧3の疲労が、患者の17%において生じた。以下の表30を参照のこと。
(実施例3)
膵臓の転移性腺癌を有する患者に対するnab−パクリタキセル+ゲムシタビン対ゲムシタビン単独を比較する第III相試験であるMPACTからのコンピュータ断層撮影による腫瘍応答と比較した陽電子放射断層撮影による代謝応答の分析。
[18F]2−フルオロ−2−デオキシグルコース(18F−FDG)を使用する陽電子放射断層撮影(PET)スキャンは、種々の悪性腫瘍において応答評価を評価するためのがん管理におけるツールである。MPACT試験における処置アーム間のPETによる代謝応答(MR)における差異、ならびにMRと有効性の他のエンドポイントおよびマーカーとの間の関係を試験した。
本実施例のための試験デザインは、実施例1において上記に記載されている。合計861人の患者を、11カ国からの151のコミュニティおよびアカデミックセンターで、2009年5月と2012年4月の間で無作為化した。608の事象を用いて、OS、HR0.769を検出する90%の検出力が存在した(両側 α=0.049)。処置は、疾患進行まで継続した。CTスキャンを、ベースラインおよび8週間ごとに実施した。PETスキャンを、ベースライン、8週目および16週目に実施した。この試験の一次エンドポイントは、全生存期間(OS)であった。二次エンドポイントは、Response Evaluation Criteria In Solid Tumors(RECIST)v1.0基準および安全性を使用する独立した精査による無進行生存期間(PFS)および全体的奏効率(ORR)であった。PET分析は、事前に特定された調査目標であった。
図12に示すように、合計257人の患者が、ベースラインにおいてPETスキャンを受けた。8週目のPETスキャンは、218人の患者において実施し、16週目のPETスキャンは、131人の患者において実施した。
60%を超える患者が、ベースラインにおいて5つまたは6つのPET集積(avid)病変を有した。以下の表31を参照のこと。ベースラインにおける中央値最大標準化取り込み(SUV
最大)値は、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおいて18.0、ゲムシタビン単独アームにおいて19.7であった。PETによる代謝速度(MR)率は、ゲムシタビン単独アームと比較して、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームについて有意に高かった(表31)。ORR、OSおよびPFSもまた、ベースラインにおいてPETスキャンを受けた患者のコホートにおいてゲムシタビン単独アームと比較して、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームについて有意に良好であった(表31)。
プール処置アーム(pooled−treatment−arm)分析において、合計255人の患者のうち130人(51%)が、PETによる代謝応答を有した。RECISTによって応答を有したほとんどの患者は、PETによる応答も有した(42/54=78%;以下の表32)。RECISTによる応答を経験しなかった患者の多くは、PETによる応答を有した(115/203=57%;以下の表32)。PETによるMRを有する患者のなかで、32%が、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を有し、43%が安定な疾患(SD)を有し、16%が、RECISTによる進行疾患(PD)を有した。PETによる応答を有したがRECISTによる応答を有さなかった患者(n=88)についてのOS中央値は、10カ月間であった(以下の表32)。
European Organization for Research and Treatment of Cancer(EORTC)基準による代謝応答を実証した患者の百分率と一致して、8週目および16週目の両方におけるFDG取り込みにおける患者当たりの減少は、Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームにおいてより大きかった(表33)。
両方の処置アームにおいて、RECISTで定義された応答を有する患者の百分率は、FDG取り込みにおける患者当たりの最大の減少を有する患者の群において、より高かった(表34)。Nab−パクリタキセル+ゲムシタビンアームの患者の12パーセントおよびゲムシタビン単独アームの患者の25%は、8週目においてFDG取り込みにおける減少を有したが、RECISTによる進行疾患を有した(表34)。
まとめると、PET集積腫瘍を有する患者の高い数(ベースラインにおいて5つまたは6つのPET集積病変を有する患者の>60%)およびベースラインにおける高い中央値SUV最大値は、膵臓がん病変が実際にPET集積であったことを実証している。他の有効性結果と一致して、PETの結果は、Gem単独よりもnab−P+Gemを支持した、即ち、より高い代謝奏効率:63%対38%ならびに8週目および16週目のFDG取り込みにおけるより大きい低減(8週目:減少の中央値41.2%対28.6%、16週目:減少の中央値49.1%対28.6%)を支持した。この試験におけるPETによるMRの率は、RECISTによる奏効率の>2倍であり、このことは、PETが腫瘍応答のより高感度のマーカーであり得ることを示唆している。8週目および16週目におけるPETによる応答は、この試験における臨床的有効性の代用物として機能したので、PETデータが処置計画を知らせるのを可能にするより早期の時点であっても、PET応答を試験することが望まれ得る。RECISTによるCRもPRも有さない患者のうち、PETによるMRを有する患者は、それを有さない患者と比較して、より長いOS中央値を有した。RECISTによるPDを有した患者のセットは、PETによるMRを示した。したがって、PETは、CTによるSDまたはPDにもかかわらず、処置を継続することで利益を得うる患者のセットを同定し得る。
上述の発明は、理解の明確さを目的とした例示および例として、いくらか詳細に記載されてきたが、これらの記載および例は、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。