JP6342692B2 - くり抜き調理器具 - Google Patents
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へたと硬い底部分をくり抜く際、通常包丁を用いるが、包丁の先を立てて突き刺しながら曲切り(円を描くように切る)してへたをくり抜くことは難しい。これは包丁という大きな平面を持つ調理器具を曲切りという細かなコントロールをすることのむずかしさであるが、包丁の先を南瓜に突き刺した際に、包丁の平面が南瓜の硬くて肉厚な実に突き刺さった状態になるために、包丁の面が南瓜の実に挟まれた状態になり、包丁の刃の方向を曲切りという円を描く方向に向けることができない。特に肉厚の南瓜の場合は包丁の面を挟む実の面積も多くなるために曲切りすることはできない。この場合はへたの周縁から包丁の先を立てて突き刺す方向を何度も変え、直線の切り口をつなぎ合わせることでへたをくり抜く。
包丁の刃先を何度も南瓜に突き刺すという動作を繰り返すことは、包丁の突き刺す角度によって南瓜を何度も適切な角度にずらしながら調整しなくてはならないために煩わしく、また南瓜内部に刺さっていない刃の部分が調理者の方向に向かって多く露出しており危険である。
本発明は、硬い南京の皮に容易に刃を刺し込むことができ、南京のへたや底の硬い部分をくり抜く際に簡単かつ安全に行うことを課題としている。
スプーン頭部の先端を南瓜のへたの周縁部に突き刺し(スプーン頭部の内面側がへたの中心に向かうように突き刺す)、横方向に力を入れるとスプーン頭部の曲面形状にしたがって円を描き南瓜の周縁部をカットしてへたをくり抜く。南瓜の底面の硬い部分についても同様の手順でくり抜くことができる。へたと底の硬い部分を失った南瓜に対し、くり抜かれた場所に包丁を入れて真半分にすることは容易である。
くり抜くという操作のしやすい調理用具である本発明により既存のくり抜き作業を容易にするとともに、新しい調理が創作される可能性を高めることができる。
図6に示すとおり、本発明であるくり抜き調理器具1は大きく2つの部品で構成されている。1つ目は南瓜等の具材に切れ込みを入れてくりぬくスプーン頭部20であり、2つ目はスプーン頭部20に力を入れて任意の方向にくり抜く操作をするための柄10である。
スプーン頭部20と連続している首部22を介してスプーン頭部20は柄10に固着している。
図1乃至図6に示すとおり、スプーン頭部20はいわゆる曲面を形成しつつ凹んでいるスプーン形状をしており、図7に示すとおりスプーン頭部20の周縁に刃21を有している。刃21は首部22との概ね境部分までついていることが望ましい。
図1乃至図6に示すとおり、本発明であるくり抜き調理器具1の柄10は単純な棒状体ではなく力を加えやすくしたり操作し易くする為の特徴的形状を備えている。
南瓜のように硬い食材を切るためには力が必要となる。そのために柄10の握り部14の前部から左右それぞれの方向に側方枝部11が設けられている。
図12に示すとおり手のひらで握り部14を握りつつ、指(図12の場合は人差し指)の背側あるいは側部を側方枝部11にあてることにより、スプーン頭部20の先端を食材に突き刺すための支えとすることができ突き刺すという行為に対して力がいれやすくなる。また、食材をくり抜く際にスプーン頭部20の横側の刃で食材を切る必要があるが、側方枝部11と握り部14の境に指(図12の場合は人差し指)の掌側あるいは側部をあてることにより、横方向に力を入れることが容易になる。
南瓜のへたをくり抜く際にもし側方枝部11が無ければ握り部14をしっかり握った状態で前方或は側方に力を入れなければならず、力の弱い高齢者や女性にとってはくり抜くという操作ができなくなってしまう。
本発明の極めて特徴的な部位である側方枝部11はスプーン頭部20をさまざまな方向に力の強弱をつけて操作するに際してきわめて有効な部位である、特に側方枝部11の付け根の部分は指の力を伝えやすく操作の要となる部位である。
また、側方枝部11は力を入れやすく操作しやすくすると同時に、柄10を握って前方に押す際に柄10から指が滑ってスプーン頭部20に指が接触することを防止する。南瓜のように硬い素材の場合どうしても力が必要となる。指が滑って強い力でスプーン頭部20に指が接触すると刃21により指を切傷するという重大な危険性があり、側方枝部11はその危険性を回避する上でも重要な部位である。
側方枝部11の機能を有効にするためには側方枝部11にある程度の長さが必要であり、握り部14の最も細い部分から側方枝部11の先端までの長さは使用者の概ね人差し指第二関節の太さが最低限必要である。
図18・図19に示すとおり本発明の第4の実施形態であるくり抜き調理器具1dは側方枝部11を一つだけ有している。くり抜き調理器具1dは右利き仕様である。利き手側の人差し指が側方枝部11にあたることによりその操作性を増すことができるため、側方枝部は1つであっても良い。但し、親指側があたる側方枝部11が無いため、側方枝部11に親指を当てて行う操作はできなくなる。
尚、くり抜き調理器具1dの左利き仕様は逆側に側方枝部11を一つ有する。
図3に示すとおり本発明であるくり抜き調理器具1は硬い南瓜50にスプーン頭部20を最初に刺し込む際に力が入るよう、柄10の前方上部に親指の掌側指先があたる突起である前方突起部12を設けている。図11に示すとおり親指の掌側で前方突起部12を押し支えることで、スプーン頭部20の先端を刺し入れやすくなる。力の少ない高齢者や女性でも容易に南瓜の奥深くまでスプーン頭部20を刺し込むことができる。
前方突起部12の機能を有効にするためには前方突起部11にある程度の高さが必要であるが、握り部14の最も低い部分から前方突起部12の頂点までの高さは使用者の概ね親指先の厚みが最低限必要である。
柄10の長さはスプーン頭部20を細かく操作する際に重要である。握り部14を手で握った際に柄10が手首から出るほど長ければ指先でスプーン頭部20の方向を細かく操作することが難しくなる。握り部14を手で握った際に柄10の後端が手のひらに収まる長さであれば手のひら上で柄10の後端を軸にして回転させることができスプーン頭部20を細かく操作しやすくなる。スプーン頭部20を細かく操作できることで[0012]に例示したような調理のバリエーションが増える。
本発明であるくり抜き調理器具1の握り部14の後方に、手のひらの手首側で柄10を押すことが出来るよう柄10の長さが握り部14を握った際に手のひらの手首側の部分に柄10の後端があたる長さであり、柄10の後端は丸みをもった概ね半球形状をした後方押圧部13となっている。図14に示すとおり、手のひらの手首側部分にある母指小球32と小指小球31が柄10の後端にある半球形状をした後方押圧部13に被さり、柄10を軽く握った状態でも後方押圧部13を手のひらの手首側で押すことができ容易に南瓜の奥深くまでスプーン頭部20を刺し込むことができる。
スプーン頭部20を前方に差込む際に、側方枝部11や前方突起部12を使用するとともに後方押圧部13を併用することで力が弱い高齢者や女性や、手首を痛めている者でも操作することができる。
さて、南瓜を半分に切る場合の基本的な使用方法を以下に解説する。
まず、図8に示すとおり、くり抜き調理器具1のスプーン頭部20を南瓜のへた51の周辺のいずれかの部分にスプーン頭部20の凹側がへた51の中心に向かう方向に刺し入れる。柄10に側方の力を加えればスプーン頭部20はスプーン曲面形状の延長方向に向かって刃21が進んでへた51を中心にして周回運動をしながらカットしていく。スプーン頭部10がその丸みにそって一周するとへた51はくりぬかれ南瓜は図9に表す状態となる。スプーン頭部20の曲面がゆったりとしていれば(曲面半径が大きければ)くりぬいた部分の径は大きくなり、スプーン頭部20の曲面がきつければ(曲面半径が小さければ)くりぬいた部分の径は小さくなる。
南瓜を裏返してへた51と対象の位置にある底側の硬い部分も前記要領でくり抜く。
図10に示すとおり、へた51と底側の硬い部分をくり抜いた南瓜50に対し、へた51をくり抜いた部分に包丁60の先を入れながらカットする。硬い部分を取り除かれた南瓜はスムーズに包丁を入れることが出来る。
図15に示す第二実施形態のくり抜き調理器具1bはスプーン頭部20bに穴23を設けている。穴23を設けることにより南瓜をくり抜く際に、南瓜の切り面とスプーン頭部20bの間の表面張力が軽減し、より少ない力でくり抜くことができる。また、スプーン頭部に穴21が空いていることにより通常のスプーンとの見分けがつきやすくなり、子供が口に入れるなどの危険性が軽減する。穴23はスプーン頭部に複数設けても良い。また、図17に示す第三実施形態のくり抜き調理器具1cは穴を組み合わせてデザイン性をだしている。
と危険である。本発明は柄10に側方枝部11を設けているため、通常のスプーンとの大きな違いから口に入れるという誤使用を防止することができる。更に穴23を設けることで液体を溜めることができないため通常のスプーンの使途を満たさないことから口に入れるという誤使用を防止することができる。
南瓜のへたの中心から約3cm離れた位置に南瓜の外皮に対し柄10の角度約60度でスプーン頭部20の刃先あて、手で握り部14をにぎりつつ親指で前方突起部12に力をいれ刃先を約4cm刺し込み、側方枝部11の付け根に人差し指を当てて側方に力を入れると、スプーン頭部20がへたを中心に円を描きながらカットしてへたを簡単にくり抜くことができ、南瓜は図9の状態となった。
食材の傷んだ部分(部分的に腐ってしまった部分)をくり抜いて使える部分を多く残すこともできる。特に野菜や果物の傷みは表面上の傷みは小さくても奥深くまで傷んでいる場合も多い。包丁では傷んだ表面部分を真っ直ぐに切って取り除くことはできるが、包丁の広くまっすぐな刃で奥深く傷んだ部分まで取り除くことは非常に難しい。本発明はスプーン頭部20を刺し込んで横方向に力を加えると自然に円を描いてくり抜くことができるため奥まで傷んだ部分を容易にくり抜くことができる。
1b くり抜き調理器具
1c くり抜き調理器具
1d くり抜き調理器具
1e くり抜き調理器具
10 柄
10d 柄
10e 柄
11 側方枝部
11e 側方枝部
12 前方突起部
12e 前方突起部
13 後方押圧部
14 握り部
14d 握り部
14e 握り部
20 スプーン頭部
20b スプーン頭部
21 刃
22 首部
23 穴
23b 穴
30 母指球
31 小指球
50 南瓜
51 へた
60 包丁
Claims (3)
- スプーン頭部が直接或は首部を介して柄に固着している調理器具であって、
前記スプーン頭部の周縁には刃が設けられており、前記柄には前記柄前方の左側或は右側の少なくとも一方向に伸びる側方枝部を有しており、前記柄の握り部の最も細い部分から前記側方枝部の先端までの長さが使用者の概ね人差し指第二関節の太さ以上あることを特徴とするくり抜き調理器具。 - 前記柄の前方上部に親指の掌側指先があたる突起である前方突起部を有することを特徴とする請求項1に記載のくり抜き調理器具。
- 前記柄の後端は柄の中央部よりも太くかつ丸みを帯びている後方押圧部を有しており、前記柄を手で握った際に手のひらの親指小球と小指小球が前記後方押圧部に被さることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のくり抜き調理器具。
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JP2014085131A JP6342692B2 (ja) | 2014-04-17 | 2014-04-17 | くり抜き調理器具 |
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