JP6341376B2 - 異種金属材の真空圧延接合方法及び装置 - Google Patents

異種金属材の真空圧延接合方法及び装置 Download PDF

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Description

本開示は異種金属材の真空圧延接合方法及び装置に関する。
異種合金材の真空圧延接合方法として、特許文献1が開示するものでは、アルミ合金と溶接用構造用炭素鋼が接合される。特許文献1が開示する異種合金材の真空圧延接合方法は、接合面の表面粗さが3.0s以下にすることを特徴としている。このような特徴を有することになったのは、特許文献1によれば、当初は表面粗さがある程度に大きいことが好ましいと思われていたが、粗さをある上限値以下に抑えることによって初めて直接接合が可能になることが見出されたからである。
特開2000−94162号公報
特許文献1が開示する異種金属材の真空圧延接合方法のように、接合面の表面粗さを3.0s以下にするには研磨加工が必要である。研磨加工を行う場合、研削加工や切削加工に比べて長大な時間がかかり、結果として、異種金属材の接合には長大な時間がかかっていた。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、接合面の表面粗さが3.2s以上であっても良好な接合強度が確保される、異種金属材の真空圧延接合方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために、接合面の表面粗さが3.2s以上になると直接接合が不可能であった原因の究明にあたった。
原因究明のために種々の実験を行った結果、本発明者等は、従来の異種金属材の真空圧延方法では、予め設定された圧下量になるようにロールギャップが設定されるのみであり、接合面の粗さとロール面圧の関係については考慮されていなかったのに対し、(i)現実には、ロール圧延する際、接合面の表面粗さに応じてロール面圧が変化すること、及び、(ii)ロール面圧と接合強度との間には相関があり、ロール面圧をある程度の大きさにすることで、表面粗さが3.2s以上であっても良好な接合強度を確保可能であることを発見した。そして、これらの発見(i)及び(ii)に基づき、本発明者等は本発明に想到した。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る、異種金属材の真空圧延接合方法は、
金属材料からなる第1の部材の第1接合面を表面処理する工程と、
前記第1の部材とは異なる金属材料からなる第2の部材の第2接合面を表面処理する工程と、
前記第1接合面と前記第2接合面が相互に接するように前記第1の部材と前記第2の部材を重ね合わせて積層体を形成する工程と、
前記積層体を真空下で加熱する工程と、
加熱された前記積層体を真空下でロール圧延する工程とを備え、
前記第1接合面を表面処理する工程において、前記第1接合面の表面粗さが最大高さにて3.2s以上25s以下になるように前記第1接合表面を加工し、
前記第2接合面を表面処理する工程において、前記第2接合面の表面粗さが最大高さにて3.2s以上25s以下になるように前記第2接合表面を加工し、
前記ロール圧延する工程では、前記ロール圧延された積層体における前記第1の部材と前記第2の部材の間の接合強度が前記第1の部材及び前記第2の部材の各々の破壊強度以上になるように、前記積層体に加えられるロール面圧が設定される。
上記構成(1)によれば、第1の部材と第2の部材の接合強度が第1の部材及び第2の部材の各々の破壊強度以上になるように、積層体に加えられるロール面圧を設定することで、第1接合面及び第2接合面の表面粗さが3.2s以上であっても、良好な接合強度を確保することができる。
一方、表面処理する工程にて加工された第1接合面及び第2接合面の表面粗さがいずれも3.2s以上であるので、第1接合面及び第2接合面を研削加工又は切削加工によって仕上げることができる。このため、研磨加工を行う場合に比べて加工時間を削減することができ、第1の部材と第2の部材を短時間で接合することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記第1の部材は鉄鋼からなり、
前記第2の部材はアルミ合金からなり、
前記ロール面圧は、50MPa以上である。
上記(2)の構成によれば、ロール面圧を50MPa以上に設定することで、鉄鋼からなる第1の部材とアルミ合金からなる第2の部材を、高い接合強度を実現しながら短時間で接合することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記第1接合面及び前記第2接合面を表面処理する工程において、前記第1接合面及び前記第2接合面の表面粗さを、それぞれ最大高さにて6.3s以上15s以下にする。
上記構成(3)によれば、前記第1接合面及び前記第2接合面の表面粗さが15s以下であることにより、第1の部材と第2の部材を高い接合強度にて確実に接合することができる。一方、第1接合面及び第2接合面の表面粗さが6.3s以上であることにより、第1接合面及び第2接合面を切削加工によって仕上げることができる。このため、研磨加工を行う場合に比べて加工時間を大幅に削減することができ、第1の部材と第2の部材を短時間で接合することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか1つに記載の構成において、
前記積層体に加えるロール面圧とロールギャップとの関係を調査する工程を更に備え、
前記ロール圧延する工程では、前記ロール面圧の設定のために、前記ロール面圧と前記ロールギャップとの関係に基づいて設定すべきロール面圧に対応するロールギャップを選択する。
上記構成(4)によれば、ロール面圧とロールギャップとの関係を予め調査しておくことで、ロールギャップを直接の制御対象としながら、ロール面圧を間接的に制御することができる。ロール面圧の制御に比べてロールギャップの制御は容易であり、この構成によれば、第1の部材と第2の部材を、高い接合強度を実現しながら容易に接合することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、上記(1)乃至(4)の何れか1つの異種金属材の真空圧延接合装置が提供される。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、接合面の表面粗さが3.2s以上であっても良好な接合強度が確保される、異種金属材の真空圧延接合方法及び装置が提供される。
本発明の少なくとも一実施形態に係る異種金属材の真空圧延接合方法の手順を概略的に示すフローチャートである。 第2の部材の表面粗さと接合強度(引張強度)との関係を示すグラフである。 ロール面圧と接合強度(引張強度)との関係を示すグラフである。 図2及び図3の評価結果とともに、評価条件を示すグラフである。 幾つかの実施形態に係る異種金属材の真空圧延接合方法の概略的な手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る異種金属材の真空圧延接合方法により製造された構造用異材継手を有するLNG船の概略的な横断面である。 図6中の構造用異材継手を概略的に示す縦断面である。 本発明の一実施形態に係る異種金属材の真空圧延接合方法に用いられる、異種金属材の真空圧延接合装置の概略構成図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の少なくとも一実施形態に係る異種金属材の真空圧延接合方法(以下、単に接合方法とも称する。)の概略的な手順を示すフローチャートである。
接合方法は、第1の部材と、第2の部材とを相互に接合するための方法である。第1の部材は板形状を有し、第1の金属からなる。第2の部材は板形状を有し、第1の金属とは異なる金属からなる。
第1の金属は、例えば、鉄を含む鋼鉄である。鋼鉄は、例えば、SUS304L等のステンレス鋼である。
第2の金属は、例えば、アルミニウムを含むアルミ合金である。アルミ合金は、例えば、A3003P−H14である。
接合方法では、図1に示すように、第1の部材の第1接合面及び第2の部材の第2接合面がそれぞれ表面処理される(S10)。
表面処理S10では、まず、第1接合面及び第2接合面の表面粗さが、研削加工又は切削加工等の機械加工により、JIS B0601:1994に規定された最大高さRyにて、3.2s以上25s以下(即ち3.2μm以上25μm以下)、幾つかの実施形態では、3.2s以上15s以下(即ち3.2μm以上15μm以下)にされる。また、幾つかの実施形態では、6.3s以上15s以下(即ち6.3μm以上15μm以下)にされる。
そして、表面処理S10では、機械加工の後、化学処理が行われる。化学処理では、所定の溶剤、例えばアセトンやイソプロピルアルコールにより、第1接合面及び第2接合面を洗浄してから乾燥させる。
表面処理S10の後、真空圧延処理S12が行われる。なお、真空圧延処理S12は、表面処理S10の後、可及的速やかに行われる。
真空圧延処理S12では、第1の部材と第2の部材が、積層体を構成するように、第1接合面と第2接合面とが接触した状態で重ね合わされる。そして、積層体は、例えば10−3Pa〜10−5Paの真空下で、例えば400℃〜550℃以下の温度まで加熱される。温度は、第1の部材又は第2の部材の表面温度であり、例えばステンレス鋼からなる第1の部材の表面温度である。
真空圧延処理S12では、積層体の温度が所定の温度まで上昇した後、その温度のまま、積層体が一対の圧延ロールを用いて圧延(ロール圧延)される。圧延速度は、例えば、2mm/秒〜15mm/秒であり、圧下率は、例えば10〜25%である。例えば、第1の部材が鉄鋼からなり、第2の部材がアルミ合金からなる場合、第1の部材の塑性変形量は無視できるので、積層体の圧下量は、アルミ合金の圧下量に等しくなる。
そして、この圧延では、圧延された積層体における第1の部材と第2の部材との間の接合強度(引張強度)が第1の部材及び第2の部材の各々の破壊強度(最大強度)以上になるように、積層体に加えられるロール面圧が設定される。
ここで、ロール面圧をσ、圧延荷重をW、板幅をB、圧延ロールの半径(ロール半径)をR、圧下量をδとしたとき、ロール面圧σは次式:
σ=W/(B×(R−(R−δ)0.5
にて表すことができる。
なお、圧延荷重Wは、積層体の厚さ方向、換言すれば鉛直方向にて圧延ロールに作用する荷重であり、板幅Bは、第1の部材及び第2の部材の圧延ロールの軸線方向での長さである。圧下量は、圧延前後での厚さの差である。
上式によれば、ロール面圧σを制御するために、板幅B、ロール半径R及び圧下量δを決定した上で、圧延荷重Wを制御すればよいことがわかる。
真空圧延処理S12が終了すると、第1の部材と第2の部材が接合され、接合方法の一連の手順が終了する。
上記した異種金属材の真空圧延接合方法によれば、第1の部材と第2の部材の接合強度が第1の部材及び第2の部材の各々の破壊強度以上になるように、積層体に加えられるロール面圧を設定することで、第1接合面及び第2接合面の表面粗さが3.2s(即ち3.2μm)以上であっても、良好な接合強度を確保することができる。これは以下の理由による。
本発明者等は、従来の異種金属材の真空圧延接合方法において、接合面の表面粗さが3.2s以上になると直接接合が不可能であった原因の究明にあたった。
原因究明のために種々の実験を行った結果、本発明者等は、従来の異種金属材の真空圧延方法では、予め設定された圧下量になるようにロールギャップ(圧延ロールの間隔)が設定されるのみであり、接合面の粗さとロール面圧の関係については考慮されていなかったのに対し、(i)現実には、ロール圧延する際、接合面の表面粗さに応じてロール面圧が変化すること、及び、(ii)ロール面圧と接合強度との間には相関があり、ロール面圧をある程度の大きさにすることで、表面粗さが3.2s以上であっても良好な接合強度を確保可能であることを発見した。そして、これらの発見(i)及び(ii)に基づき、本発明者等は本発明に想到した。
上記(i)について更に詳述すると、本発明者等は、第1の部材として鉄鋼(SUS304L)からなる部材を用い、第2の部材としてアルミ合金(A3003P−H14)からなる部材を用い、第1の部材の表面粗さを変化させながら種々の条件で表面処理S10及び真空圧延処理S12を実行した。そして、接合された第1の部材と第2の部材の間の接合強度を引張試験により評価した。
図2及び図3は評価結果を示すグラフであり、図2は、第1接合面の表面粗さと接合強度(引張強度)との関係を示し、図3は、ロール面圧と接合強度(引張強度)との関係を示している。図4は、図2及び図3の評価結果とともに、評価条件を示す表である。
図2及び図3を見ると、第1接合面の表面粗さが相対的に粗い場合、例えば15s〜25s(即ち15μm〜25μm)では、表面粗さが粗くなるほど、ローラ面圧が低下する傾向があることがわかる。
そして、図2及び図3を見ると、第1接合面の表面粗さが25s(即ち25μm)以下であり、且つ、ロール面圧が50MPa以上あれば、規格強度が達成されることがわかる。規格強度は、接合された第1の部材及び第2の部材の実際の使用にあたり要求される接合強度であり、例えば、第1の部材がステンレス鋼からなり、第2の部材がアルミ合金からなる場合には98MPaである。
一方、上述した接合方法によれば、接合前の第1接合面及び第2接合面の表面粗さがいずれも3.2s以上であるので、第1接合面及び第2接合面を研削加工又は切削加工によって仕上げることができる。このため、研磨加工を行う場合に比べて加工時間を削減することができ、第1の部材と第2の部材を短時間で接合することができる。
更に、接合前の第1接合面及び第2接合面の表面粗さを6.3s以上にすれば、第1接合面及び第2接合面を切削加工によって仕上げることができる。このため、研磨加工を行う場合に比べて加工時間を大幅に削減することができ、第1の部材と第2の部材を短時間で接合することができる。
なお、ステンレス鋼からなる第1の部材とアルミ合金からなる第2の部材とを接合する場合、第2の部材の第2接合面の方が第1の部材の第1接合面よりも変形量が大きいため、第2接合面の表面粗さは、少なくとも第2接合面の平面度が確保される程度であってもよい。
更に、図3を参照すると、表面処理S10にて表面粗さを15s以下にすれば、3.2s未満の場合と同程度の接合強度を確保することができることがわかる。幾つかの実施形態では、ロール面圧は100MPa以上に設定される。図3を参照すると、これにより、3.2s未満の場合と同程度の接合強度を確保することができることがわかる。
他の幾つかの実施形態では、表面処理S10の機械加工にて第1接触面及び第2接触面の表面粗さを最大高さにて15s超25s以下(即ち15μm超25μm以下)にする。この構成では、機械加工としての切削加工により第1接触面及び第2接触面の表面粗さを15s超25s以下にすることができ、より短時間で第1の部材と第2の部材とを相互に接合することができる。
なお、図2〜図4に示す評価結果において、試験片No.7では、接合界面で剥離が生じているが、ロール面圧を調整することにより、表面粗さが25sであっても、第1の部材及び第2の部材の破壊強度以上となるように接合強度を高めることができる。
幾つかの実施形態では、表面処理S10の機械加工にて第1接触面及び第2接触面の表面粗さを最大高さにて15s超20s以下(即ち15μm超20μm以下)にする。この構成では、機械加工としての切削加工により第1接触面及び第2接触面の表面粗さを15s超20s以下にすることができ、より短時間で第1の部材と第2の部材とを相互に接合することができる。一方、この構成では、表面粗さを15s超20s以下にすることで、高い接合強度を確実に実現することができる。
図5は、幾つかの実施形態に係る異種金属材の真空圧延接合方法の概略的な手順を示すフローチャートである。
図5に示したように、幾つかの実施形態では、接合方法は、積層体に加えるロール面圧とロールギャップとの関係を予め調査する工程(S14)を更に備えている。そして、ロール圧延する真空圧延処理S12では、ロール面圧の設定のために、予備調査工程S14で調査されたロール面圧とロールギャップとの関係に基づいて、設定すべきロール面圧に対応するロールギャップを選択する。
上述したように、ロール面圧σは、板幅B、ロール半径R、圧下量δ及び圧延荷重Wの関数であるから、ロール面圧σ、板幅B及びロール半径Rが決定されていれば、圧延荷重Wと圧下量δとの関係を求めることができる。圧下量δはロールギャップに対応しているので、圧延荷重Wと圧下量δとの関係を求めることは、ロールギャップ圧延荷重Wとロールギャップとの関係を求めることに相当する。従って、当該関係を予め求めておけば、ロール面圧σが50MPa以上となるのに必要なロールギャップを該関係に基づいて選択し、選択したロールギャップで圧延することにより、設定すべきロール面圧にて圧延することができる。
上記構成によれば、ロール面圧とロールギャップとの関係を予め調査しておくことで、ロールギャップを直接の制御対象としながら、ロール面圧を間接的に制御することができる。ロール面圧の制御に比べてロールギャップの制御は容易であり、この構成によれば、第1の部材と第2の部材を、高い接合強度を実現しながら容易に接合することができる。
図6は、本発明の一実施形態に係る異種金属材の真空圧延接合方法により製造された構造用異材継手(STJ:Structural Transition Joint)を有するLNG船の概略的な横断面を示しており、図7は、該STJの概略的な縦断面を示している。
図6に示したように、LNG船10は鋼鉄製の船殻12を有し、船殻12にはアルミ合金製のLNGタンク14が搭載されている。船殻12とLNGタンク14との間には、LNGタンク14を支持するため構造体として、円筒形状のスカート16が設けられている。
図7は、スカート16の一部を概略的に示す縦断面図である。スカート16は、船殻12に固定される下側の部分16aが鋼鉄により形成され、LNGタンク14に固定される上側の部分16bがアルミ合金により形成されている。そして、下側の部分16aと上側の部分16aとの間に、上述した異種金属材の真空圧延接合方法により接合された第1の部材18a及び第2の部材18bが介在している。この場合、SUS304L製の第1の部材18aの背面に対して下側の部分16aが隅肉溶接され、A3003−H14製の第2の部材18bの背面に対して上側の部分16bが隅肉溶接されている。つまり、下側の部分16a、上側の部分16b、第1の部材18a及び第2の部材18bは、十字隅肉溶接継手を構成している。
このLNG船10では、スカート16が異種金属からなる下側の部分16aと上側の部分16bとを含んでいるが、本発明の少なくとも一実施形態に係る異種金属材の真空圧延接合方法により接合された第1の部材18aと第2の部材18bが介在しているので、下側の部分16aと上側の部分16bとの間で高い接合強度を実現することができる。
一方、接合前の第1の部材18aの第1接合面及び第2の部材18bの第2接合面の表面粗さがいずれも3.2s以上であってもよいので、第1接合面及び第2接合面を研削加工又は切削加工によって仕上げることができる。このため、研磨加工を行う場合に比べて加工時間を削減することができ、第1の部材と第2の部材を短時間で接合することができる。よって、スカート16が大きくても、LNG船10を短期間で安価に製造することができる。
図8は、本発明の一実施形態に係る異種金属材の真空圧延接合方法に用いられる、異種金属材の真空圧延接合装置(以下、単に接合装置とも称する)の構成を概略的に示している。
接合装置は、真空チャンバ20を有する。真空チャンバ20には、真空ポンプ22が接続され、真空ポンプ22を作動させることにより、真空チャンバ20内の圧力を10−3Pa〜10−5Paにすることができる。真空チャンバ20内の圧力は、例えば、真空チャンバ20に取り付けられた真空計24により測定可能である。
真空チャンバ20の内部には、積層体の搬送経路を規定する複数のローラ26が配置されている。また、真空チャンバ20の内部には、搬送経路の一部を囲むように高周波加熱コイル28が配置され、高周波加熱コイル28に外部の高周波電源30から高周波電流を供給することにより、積層体を加熱することができる。そして、真空チャンバ20には、積層体の表面温度、例えば第1の部材の表面温度を測定可能な温度計31が取り付けられている。温度計31は、例えば赤外線温度計である。
更に、真空チャンバ20の内部には、搬送経路の一部を上下方向に挟むように、1組の圧延ロール32a,32bが互いに平行に配置されている。圧延ロール32a,32bは、駆動モータ33によりそれぞれ回転可能である。なお、圧延ロール32a,32bは、搬送方向にて高周波加熱コイル28の下流に配置され、温度計31は、圧延ロール32a,32bの直上流の積層体の部分の温度を計測可能である。
一方の圧延ロール32aは、油圧シリンダ等により構成される圧力装置34に接続され、圧延ロール32aにより積層体に加えられる荷重、換言すればロール面圧は、圧力装置34により可変制御可能である。例えば、圧力装置34が油圧シリンダである場合、油圧シリンダに接続された油圧供給装置36から作動油が油圧シリンダに供給される。
圧力装置34と圧延ロール32aの間には、圧延ロール32aに加わる荷重を測定可能な荷重測定装置38が設けられている。荷重測定装置38は、例えばロードセルによって構成され、圧延ロール32aにより積層体に加えられるロール面圧に対応する信号を出力するように構成されたセンサである。
荷重測定装置38は、例えばコンピュータにより構成される制御装置40に電気的に接続され、制御装置40は、荷重測定装置38から出力された信号に基づいて圧力装置34を制御し、圧延ロール32aにより積層体に加えられるロール面圧を調整する。なお、制御装置40は、駆動モータ33、温度計31、高周波電源30、真空計24及び真空ポンプ22に接続されていてもよく、制御装置40が、駆動モータ33、高周波電源30及び真空ポンプ22の動作を制御してもよい。
上述した異種金属材の真空圧延接合装置によれば、上述した異種金属材の真空圧延接合方法を容易に実行することができる。
本発明は上述した幾つかの実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
10 LNG船
12 船殻
14 タンク
16 スカート
16a スカートの上側部分
16b スカートの下側部分
18a 第1の部材
18b 第2の部材
20 真空チャンバ
22 真空ポンプ
24 真空計
26 ローラ
28 高周波加熱コイル
30 高周波電源
31 温度計
32a,32b 圧延ロール
33 駆動モータ
34 圧力装置
36 油圧供給装置
38 荷重測定装置
40 制御装置
S10 表面処理
S12 真空圧延処理
S14 予備調査工程

Claims (5)

  1. 金属材料からなる第1の部材の第1接合面を表面処理する工程と、
    前記第1の部材とは異なる金属材料であって、前記第1の部材よりも変形量の大きな金属材料からなる第2の部材の第2接合面を表面処理する工程と、
    前記第1接合面と前記第2接合面が相互に接するように前記第1の部材と前記第2の部材を重ね合わせて積層体を形成する工程と、
    前記積層体を真空下で加熱する工程と、
    加熱された前記積層体を真空下でロール圧延する工程とを備え、
    前記第1接合面を表面処理する工程において、前記第1接合面の表面粗さが最大高さにて3.2s以上25s以下になるように前記第1接合表面を加工し
    記ロール圧延する工程では、前記ロール圧延された積層体における前記第1の部材と前記第2の部材の間の接合強度が、接合された前記第1の部材及び前記第2の部材の規格強度以上になるように、前記積層体に加えられるロール面圧が設定される
    ことを特徴とする異種金属材の真空圧延接合方法。
  2. 前記第1の部材は鉄鋼からなり、
    前記第2の部材はアルミ合金からなり、
    前記ロール面圧は、50MPa以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の異種金属材の真空圧延接合方法。
  3. 前記第1接合面及び前記第2接合面を表面処理する工程において、前記第1接合面の表面粗さを、それぞれ最大高さにて6.3s以上15s以下にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の異種金属材の真空圧延接合方法。
  4. 前記積層体に加えるロール面圧とロールギャップとの関係を調査する工程を更に備え、
    前記ロール圧延する工程では、前記ロール面圧の設定のために、前記ロール面圧と前記ロールギャップとの関係に基づいて設定すべきロール面圧に対応するロールギャップを選択する
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の異種金属材の真空圧延接合方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の異種金属材の真空圧延接合方法に用いられる異種金属材の真空圧延接合装置であって、
    真空チャンバと、
    前記真空チャンバ内に配置された高周波加熱コイルと、
    前記真空チャンバ内に配置された圧延ロールと、
    前記圧延ロールを前記積層体に押し付けるように構成された圧力装置と、
    前記圧延ロールにより前記積層体に加えられるロール面圧に対応する信号を出力するように構成されたセンサと、
    前記センサにより出力された信号に基づいて前記圧力装置を制御し、前記圧延ロールにより前記積層体に加えられるロール面圧を調整する制御装置と
    を備える異種金属材の真空圧延接合装置。
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