JP6340581B2

JP6340581B2 - 食材容器入り食材と食材容器入り食材用加熱装置

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Publication number: JP6340581B2
Application number: JP2014032683A
Authority: JP
Inventors: 片岡　章; 章片岡; 澁谷　昌樹; 昌樹澁谷
Original assignee: Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Current assignee: Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date: 2014-02-24
Filing date: 2014-02-24
Publication date: 2018-06-13
Anticipated expiration: 2034-02-24
Also published as: JP2015156818A; CN106102478B; WO2015125491A1; CN106102478A; US10368681B2; US20160367062A1

Description

本発明は、予め食材容器に入れられた蒸気で加熱する食材と、この食材容器入り食材を蒸気で加熱する食材容器入り食材用加熱装置に関するものである。

従来、食材容器入り食材は、冷凍された調理食品を収納したまま解凍調理する食材入り容器が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

実開昭６０−６８０７１号公報

しかしながら、従来の食材容器入り食材は、筒状胴部の一方の口縁側を開口し、他方の口側に多数の小孔を有する底板を設け、いずれか一方の口縁を蒸気導入用口部に、他方の口縁を蒸気吸引用口部としており、非常に大がかりな装置を必要としていた。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、予め食材容器に入れられた状態の蒸気で加熱する食材と、この食材を加熱する加熱装置を提供することを目的とする。

上記従来の課題を解決するために、本発明の食材容器入り食材は、蒸気とマイクロ波で加熱される冷凍食材と、上面と側面と底面とを有する容器であり、前記冷凍食材が収容封止された食材容器と、を備え、前記食材容器の側面には、前記食材容器内に蒸気を吸入する蒸気吸入用開口穴が設けられており、前記冷凍食材は、前記食材容器の上面と側面と底面との間に隙間を設けて配置され、前記食材容器の底面は、前記食材容器の内側に向けて、前記冷凍食材の底部と前記食材容器との間に隙間を設けるための突部を有するものである。

これにより、食材周囲空間に蒸気を投入するすると、簡単に食材に蒸気が到達し、食材を蒸気加熱できる。

また、本発明の食材容器入り食材用加熱装置は、蒸気とマイクロ波で加熱される冷凍食材が収容封止されている、上面と側面と底面とを有する食材容器と前記食材容器を収容する調理容器と、前記調理容器内に蒸気を供給する蒸気発生装置と、前記調理容器内にマイクロ波を供給するマイクロ波発生装置と、を備え、前記食材容器は、蒸気を吸入する蒸気吸入用開口穴が側面に設けられており、前記冷凍食材を、前記食材容器の上面と側面と底面との各々の間に隙間を設けて収容しており、前記調理容器は、前記食材容器を、前記食材容器の側面と前記食材容器の側面との間に隙間を設けて収容可能であり、前記蒸気発生装置からの蒸気を給気するための開口である蒸気投入口を有しているものである。

これにより、食材容器入り食材の周囲には、前記食材容器周囲の外側空間と連通した前記食材容器の内側空間ができ、前記食材容器の内側空間は、前記食材容器に設けられた開口穴と連通し、前記食材容器を設置している前記調理容器内に蒸気を投入すると、簡単に食材に蒸気が到達し、蒸気で加熱することができる。したがって、従来技術で用いているような大がかりな蒸気吸引の装置等を必要とせずに、容器入り食材を加熱することができる。

また、外食店等で食材をお客様に提供する加熱システムの場合は、食材は容器に入っており、しかも容器には、予め開口穴が設けられているので、外食店側では、食材に直接手を触れることなく、そのまま調理庫に、食材入り容器を入れるだけで加熱ができ、清潔で、取扱いが簡単な容器入り食材を加熱する加熱装置を提供できる。

本発明の食材容器入り食材と食材容器入り食材用加熱装置は、大がかりな装置を必要とせず、簡単な加熱装置で蒸気加熱でき、安価に提供でき、また、清潔で、取扱いが簡単という効果がある。

本発明の実施の形態１における食材容器入り食材と食材容器入り食材用加熱装置を示す断面図本発明の実施の形態１における食材容器入り食材の裏面図本発明の実施の形態１における食材容器入り食材が冷凍ごはんの例を示す要部断面図本発明の実施の形態１における食材容器入り食材が冷凍麺の例を示す要部断面図本発明の実施の形態２における食材容器入り食材の断面図本発明の実施の形態３における食材容器入り食材と食材容器入り食材用加熱装置を示す断面図本発明の実施の形態４における食材容器入り食材と食材容器入り食材用加熱装置示す断面図本発明の実施の形態４における食材容器入り食材と食材容器入り食材用加熱装置を示す要部断面図

第１の発明は、蒸気加熱する食材容器入り食材であって、１つまたは複数の蒸気加熱用食材を収容封止した食材容器と、前記食材容器に設けられ前記食材容器の内側空間と外側空間とを連通する蒸気吸入用開口穴と、前記食材容器の内壁と前記食材との空間及び／または前記食材と前記食材との間に設けた食材周囲空間と、を備え、前記食材周囲空間と前記外側空間とを前記開口穴を介して連通させたことを特徴とする食材容器入り食材である。

第２の発明は、１つまたは複数の食材を収容する食材容器と、前記食材容器を収容する調理容器と、前記調理容器内に蒸気を供給する蒸気発生装置と、を備え、前記食材容器は、前記食材容器に設けられ前記食材容器の内側空間と外側空間とを連通する開口穴と、前記食材容器の内壁と前記食材との空間及び／または前記食材と前記食材との間に設けた食材周囲空間と、を有し、前記食材周囲空間と前記外側空間とを前記開口穴を介して連通し、前記調理容器内に蒸気を供給し蒸気加熱することを特徴とする食材容器入り食材用加熱装置である。

これにより、前記容器を設置している前記調理庫内に蒸気を投入すると簡単に食材に蒸気が直接接触し、加熱することができる。したがって、蒸気吸引の装置等の大がかりな装置を必要とすることなく、食材を蒸気により、加熱することができる。

第３の発明は、食材容器入り食材を加熱後、食材容器の一部もしくは全部を外装容器で
覆い、前記外装容器の内側に前記食材容器を保持することにより、前記食材を蒸気で加熱後、前記食材容器の開口穴から結露した熱い凝縮水が排出され、周囲を汚し、場合によっては、熱い水分でやけどをする等の問題があるが、外装容器で前記食材容器を覆うため、前記従来の問題を防止することができる。また、加熱直後は、前記食材容器が熱いので、前記食材容器を外装容器で覆うことにより、容器自体の断熱をし、かつ、食材容器の熱さを低減し取扱いし易くできる。

第４の発明は、食材容器入り食材として、冷凍した食材を用いることにより、食材の消費期限を大幅に延ばすことができる。

第５の発明は、調理容器に開口部を設け、前記開口部と食材容器の外壁面の一部とを接合し、前記調理容器に蒸気を投入し、食材容器内に蒸気を送り、食材容器内の食材に蒸気を当てて加熱することにより、調理容器の大きさを容器全体が入る大きさにする必要が無くなり、調理容器自体の大きさを低減できる。また、調理容器から食材容器に対して蒸気を投入し、食材容器内から食材容器外に蒸気が流れ出る状態を作ることで、食材に当たる蒸気の流れを良化させ、結果として、蒸気による食材の加熱性能が向上する。

第６の発明は、食材容器内の食材を蒸気で加熱することに加えて、マイクロ波でも加熱することにより、食材容器内の食材への加熱が、食材表面から熱を供給する蒸気加熱に加え、マイクロ波によって、食材内部を直接加熱する手段が加わり、加熱性能が向上する。

また、冷凍食材を食材容器内に収容した際には、冷凍した際に食材容器の開口穴を周囲の空気や食材等から出た水分が凍って氷となり、開口穴を塞ぎ、このため、調理容器に蒸気を投入しても、開口穴を塞いでいた氷が融け水となり、開口穴から水が抜け、開口穴の塞がりが無くなるまで、なかなか食材を加熱できない問題があったが、蒸気加熱とマイクロ波加熱とを併用加熱することで、開口穴を塞いでいた氷に対して、蒸気とマイクロ波で加熱でき、塞いでいた氷を素早く融かし、すぐに開口穴を連通状態にでき、また、たとえ蒸気が前記氷に塞がれている間もマイクロ波で食材を直接加熱できるので、食材の加熱を安定して早くすることができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における食材容器入り食材と食材容器入り食材用加熱装置を示す断面図、図２は、同蒸気で加熱する食材容器入り食材の裏面図、図３は、同蒸気で加熱する食材容器入り食材が冷凍ごはんである例を示した要部断面図、図４は、同蒸気で加熱する食材容器入り食材が冷凍麺である例を示した要部断面図を示したものである。

図１、図２において、肉饅頭等の複数の食材２ａ、２ｂ（食材容器入り食材）を内部に具備する容器１（食材容器）は、例えばポリプロピレン樹脂等で形成されている。３は容器１の容器蓋で、例えばポリプロピレン樹脂等で形成されている。容器１の底面には、複数の開口穴４ａ、容器１側面には複数の開口穴４ｂ、容器蓋３には複数の開口穴４ｃを設けて、容器１の内側と外側とを連通させている。

容器１の底面内壁には、球面状の突起からなる保持部５を設け、食材２ａ、２ｂを保持し、容器１の底面内壁と食材２ａ、２ｂとの間に、空間６ａ（食材周囲空間）を設けている。食材２ａと食材２ｂとの間に、空間６ｂ（食材周囲空間）を設けている。食材２ａ、２ｂと容器１の側面内壁との間には、空間６ｃ（食材周囲空間）を設けでいる。そして、食材２ａ、２ｂと容器蓋３の内壁との間には、空間６ｄ（食材周囲空間）を設けている。

また、各空間６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄはお互い連通した状態で、開口穴４ａ、４ｂ、４ｃに連通している。７は容器足部であり、容器１の底面外壁に設けられた球面状の突起からなっている。８は調理庫（調理容器）で、例えば、ポリプロピレン樹脂等で形成されている。調理庫８の内部に、容器蓋３付き容器１を収納し、調理庫８の上面には調理庫蓋９を載せることで、調理庫８を密閉空間としている。調理庫蓋９は例えばポリプロピレン樹脂等で形成されている。

容器１の容器足部７にて、調理庫８の底面内壁と容器１の底面との間に、隙間１０ａ、容器１と調理庫の側面内壁との間に隙間１０ｂ、容器蓋３と調理庫の上面内壁との間に隙間１０ｃを設けている。隙間１０ａ、１０ｂ、１０ｃは、お互い連通し、開口穴４ａ、４ｂ、４ｃに繋がっている。

調理庫８の底面の外壁には、円柱状の調理庫足部１１を設け、調理庫８全体を支えている。１２は調理器本体で、内部に調理室１３を有している。調理室１３の側面の外側には、例えば、ヒータ加熱等で蒸気を発生させる蒸気発生装置１４を具備している。調理室１３の前面には扉（図示せず）が有り、調理室１３を密閉できるようになっている。また、扉部には操作部（図示せず）を設け、蒸気発生の制御をしている。

蒸気発生装置１４には、突起状の蒸気吐出部１５を具備し、通常は調理室１３内に蒸気を供給している。図１においては、蒸気吐出部１５を調理庫８の蒸気投入口１６に差し込み、調理庫８内部に蒸気を導入できるように、調理室１３内に調理庫８を設置している。

以上のように構成された食材容器入り食材と食材容器入り食材用加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。

まず、図１のように調理室１３内に調理庫８を設置し、調理庫８内には、食材２ａ、２ｂを収容した容器蓋３付き容器１を入れ、調理庫８の上面に調理庫蓋９を載せている。調理器本体１２の操作部（図示せず）にて、蒸気発生装置１４を駆動すると蒸気吐出部１５から蒸気が調理庫８内に充満し、矢印Ａのように隙間１０ａ、１０ｂ、１０ｃを介して、開口穴４ａ、４ｂ、４ｃまで到達し、開口穴４ａ、４ｂ、４ｃから空間６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄを介して、食材２ａ、２ｂに到達する。このようにして、蒸気で食材２ａ、２ｂを簡単に加熱することができる。

また、加熱は容器１内の食材に合わせて所定の時間行われる。したがって、蒸気発生装置１４だけが有れば良く、従来のような蒸気吸引の装置等の大がかりな装置は不要にできる。しかも、外食産業にて、調理物を加熱してお客様に提供する際には、食材２ａ、２ｂは、予め容器１内に収められており、食材２ａ、２ｂを店員が直接触れることなく作業でき、結果として、清潔で、取扱いが簡単な加熱システムを提供できる。

さらに、容器１に冷凍ごはん等の複数の細かい冷凍食材１７を詰める際は、単に容器１に詰め込むのではなく、図３のように予め冷凍食材１７の中に複数の連通穴からなる空間１８を設け、例えば略直方体形状にして冷凍させて固めている。冷凍ごはん等の食材としては、冷凍ごはん、冷凍おこわ、冷凍ピラフ等が有る。

また、このように予め冷凍させて食材を固めることで、容器１の底面内壁と冷凍食材１７との間に空間１９ａを設け、冷凍食材１７と容器１の側面内壁との間に空間１９ｂを設け、冷凍食材１７と容器蓋３の内壁との間には、空間１９ｃを設けることができる。したがって、この空間１９ａ、１９ｂ、１９ｃ、１８を介して、冷凍食材１７全体に蒸気を当てることができ、冷凍食材１７の加熱を促進することができる。

また、容器１に冷凍麺等詰める際は、単に容器１に詰め込むのでなく、図４のように予め冷凍食材２０の中に複数の空間２１を連通した状態で形成し、例えば略直方体形状にして冷凍させて固めている。冷凍麺等の冷凍食材２０としては、冷凍うどん、冷凍そば、冷凍ラーメン、冷凍パスタ等がある。

また、このように予め冷凍させて食材を固めることで、容器１の底面内壁と冷凍食材２０との間に空間２２ａを設け、冷凍食材２０と容器１の側面内壁との間に空間２２ｂを設け、冷凍食材２０と容器蓋３の内壁との間には、空間２２ｃを設けることができる。したがって、この空間２２ａ、２２ｂ、２２ｃ、２１を介して、冷凍食材２０全体に蒸気を当てることができ、冷凍食材２０の加熱を促進することができる。

なお、容器１の保持部５は、樹脂の肉厚を一定にして、球面状の突起を形成しているが、形状は線状のリブ形状でも良く、要は食材と容器１との間に空間を設けるような形状であれば良い。

また、本実施の形態では、調理室１３の内部に調理庫８を設けることで、容器１内へ蒸気を投入する際の空間を小さくし、加熱性能を向上させているが、容器に食材が多く有り、調理庫８より容器が大きい場合は、調理庫８を取り外し、調理室１３を調理庫８の代わりとして、蒸気発生装置１４及び蒸気突出部１５を使って、容器内に蒸気を投入することもできる。即ち、容器の大きさに合わせて調理庫８と調理室１３を使い分けすることができる。

なお、本実施の形態では、冷凍食材１７、１８を略直方体形状とし、平面視矩形形状にしているが、これに限定されるものではなく、例えば、冷凍食材１７、１８の形状を平面視丸形状や楕円形状してもよく、要は、空間１８、２１を設ければよい。

（実施の形態２）
図５は、本発明の実施の形態２における蒸気で加熱する食材入り容器の断面図を示したものである。

図５において、１は容器、２ａ、２ｂは食材、３は容器蓋、４ａ、４ｂ、４ｃは開口穴、５は保持部、６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄは空間、７は容器足部で、以上は実施の形態１で説明した構成と同じのため、同一符号、同一名称を付して、その詳細な説明を省略する。

２３は外容器（外装容器）で、例えばポリプロピレン樹脂等で形成されている。外容器２３は容器１を覆っている。

食材２ａ、２ｂを蒸気にて加熱した直後の容器１内には、結露した熱い水分が溜まっており、その結露水が開口穴４ａ等から排出され、装置設置場所周囲を汚し、場合によっては、熱い水分でやけどをする等の問題がある。しかし、外容器２３で容器１を覆うため、前記した問題を防止することができる。

また、加熱直後は、容器１が熱いので、容器１を外容器２３で覆うことにより、容器１自体の断熱をし、かつ、容器１の熱さを低減し取扱いを良くすることができる。結果的に外食産業にて、調理物を加熱してお客様に提供する際には、店員の作業が円滑になり、素早くお客様に加熱直後の調理物を提供することができる。

（実施の形態３）
図６は、本発明の実施の形態３における食材容器入り食材と食材容器入り食材用加熱装置を示す断面図を示すものである。

図６において、１は容器、２ａ、２ｂは食材、３は容器蓋、４ａ、４ｂ、４ｃは開口穴、５は保持部、６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄは空間、７は容器足部、１０ａ、１０ｂは隙間、１２は調理器本体、１３は調理室、１４は蒸気発生装置、１５は蒸気吐出部で、以上は実施の形態１で説明した構成と同じのため、同一符号、同一名称を付して、その詳細な説明を省略する。

２４は調理庫で例えばポリプロピレン樹脂等で形成されている。調理庫２４の上面に開口部２５を設け、開口部２５に容器１のフランジ部２６を載せ、調理庫２４を閉ざした空間にしている。２７は調理庫２４の側面壁に設けられた蒸気投入口で、突起状の蒸気吐出部１５を嵌め込んで、調理庫２４内に蒸気を供給している。２８は、円柱状の調理庫足部である。

図６のように調理室１３内に調理庫２４を設置し、調理庫２４の開口部２５に容器１のフランジ部２６を載せ、この容器１自体が、調理庫２４の蓋がわりになり、調理庫２４を閉ざした空間にすることができる。容器１内には食材２ａ、２ｂを具備し、容器蓋３で蓋をしている。

調理器本体１２の操作部（図示せず）にて、蒸気発生装置１４を駆動すると蒸気吐出部１５から蒸気が調理庫２４内に充満し、矢印Ｂのように隙間１０ａ、１０ｂを介して、開口穴４ａ、４ｂまで到達し、開口穴４ａ、４ｂから空間６ａ、６ｂ、６ｃを介して、食材２ａ、２ｂに到達し、蒸気で食材２ａ、２ｂを簡単に加熱することができる。また、容器１内に投入された蒸気の一部は、容器蓋３に具備された開口穴４ｃから吐出することになる。

これにより、食材２ａ、２ｂに当たる蒸気の流れが円滑になり、蒸気による食材２ａ、２ｂへの加熱性能が、向上することになる。さらに調理庫蓋９が不要になり、調理庫２４の内空間を少なくし、調理庫２４を小型化にでき、また、調理庫蓋９が無い分、容器１の調理庫２４に置く作業が簡単になり、結果的に外食産業にて、調理物を加熱してお客様に提供する際には、店員の作業が円滑になり、素早くお客様に加熱直後の調理物を提供することができる。

（実施の形態４）
図７は、本発明の実施の形態４における蒸気で加熱する食材入り容器及び、前記容器を加熱する容器加熱システムを示す断面図で、図８は、同要部断面図を示すものである。

図７、図８において、１は容器、２ａ、２ｂは食材、３は容器蓋、４ａ、４ｂ、４ｃは開口穴、５は保持部、６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄは空間、７は容器足部、１０ａ、１０ｂは隙間、１４は蒸気発生装置、１５は蒸気吐出部、２４は調理庫、２５は開口部、２６はフランジ部、２７は蒸気投入口、２８は調理庫足部で、以上は実施の形態３で説明した構成と同じのため、同一符号、同一名称を付して、その詳細な説明を省略する。

２９は調理器本体で、上部にマイクロ波を出すマグネトロン３０ａと下部にマイクロ波
を出すマグネトロン３０ｂを設け、マグネトロン３０ａから出るマイクロ波は導波管３１ａを介して調理室３２の上面から出し、マグネトロン３０ｂから出るマイクロ波は導波管３１ｂを介して調理室３２の底面から出し、調理室３２内の調理物をマイクロ波加熱する。

図７のように、調理室３２内に調理庫２４を設置し、調理庫２４の開口部２５に容器１のフランジ部２６を載せ、この容器１自体が、調理庫２４の蓋がわりになり、調理庫２４を閉ざした空間にすることができる。容器１内には食材２ａ、２ｂを具備し、容器蓋３で蓋をしている。

調理器本体２９の操作部（図示せず）にて、蒸気発生装置１４を駆動すると、蒸気吐出部１５から蒸気が調理庫２４内に充満し、矢印Ｂのように隙間１０ａ、１０ｂを介して、開口穴４ａ、４ｂまで到達する。そして、蒸気は、開口穴４ａ、４ｂから空間６ａ、６ｂ、６ｃを介して、食材２ａ、２ｂに到達し、蒸気で食材２ａ、２ｂを簡単に加熱することができる。

また、容器１内に投入された蒸気の一部は、容器蓋３に具備された開口穴４ｃから吐出することになる。また、この時、蒸気発生装置１４を駆動すると同時にマグネトロン３０ａ、３０ｂを駆動させることにより、調理室３２の上面と底面からマイクロ波が出力され、容器１内の食材２ａ、２ｂを図８の矢印Ｃ及び矢印Ｄのようにマイクロ波加熱することができる。

したがって、食材２ａ、２ｂは蒸気で加熱することに加えて、マイクロ波でも加熱することにより、食材２ａ、２ｂへの加熱が、食材表面から熱を供給する蒸気による加熱に加え、マイクロ波によって食材内部を直接加熱する手段が加わり、加熱性能が向上し、加熱時間の短縮を図ることができる。また、特に消費期限を延ばすために食材に冷凍食材を用いた際には、蒸気加熱とマイクロ波加熱を同時に働かすことにより、特に下記の２つの効果を発揮する。

（１）マイクロ波は、氷に比べ水に対する加熱が約２０００倍向上する性質があり、冷凍食材に蒸気が当たると食材表層部分に結露水が即座に発生し、その結露水にマイクロ波が効率よく作用して加熱し、冷凍食材に対する加熱効率が大幅に向上する。

（２）容器１内に冷凍食材を具備した際には、周囲の空気や食材等から出た水分が氷３３（図８参照）になり、その氷３３が容器１の開口穴４ａ等についてしまうことが多々有る。このため、調理庫２４内に、蒸気だけを投入した場合は、開口穴４ａに着いた氷３３が、冷凍食材への蒸気（矢印Ｂ）の通路を塞いでしまう。

このため、開口穴４ａに着いた氷３３を溶かすまで、冷凍食材を蒸気で加熱することができず、加熱時間がかかってしまうことになる。しかし、蒸気とマイクロ波とで同時に加熱することにより、開口穴４ａを塞いでいた氷３３に蒸気が作用して、上記（１）で述べた作用と同様に、氷の表面に結露水ができると主にその結露水に図８の矢印Ｃ´及び矢印Ｄ´のようにマイクロ波が効率良く作用して加熱し、前記結露水の加熱を介して塞いでいた氷３３を早く溶かし、水に変え開口穴４ａから流し出し、蒸気の通路を確保できる。

したがって、冷凍食材に蒸気を素早く当てることができ、氷３３のトラブルを解消することができる。もちろん、たとえ蒸気が前記氷３３に塞がれている間も、図８の矢印Ｃ及
び矢印Ｄのように、マイクロ波で冷凍食材を直接加熱できる効果もある。このように蒸気加熱とマイクロ波加熱とを同時に働かす併用加熱は利点が大きい。

なお、本実施の形態では、食材に肉饅頭等の食材２ａ、２ｂを用いて説明したが、冷凍ごはん等の冷凍食材１７や、冷凍麺等の冷凍食材２０を用いても良い。前記したように本実施の形態では、蒸気とマイクロ波との併用加熱のため、このような冷凍食材に対して、特に加熱性能を向上させることができる。

また、本実施の形態では、マイクロ波を調理室３２の上面と底面から出しているが、どちらか一方から出す構成でも良く、要は蒸気とマイクロ波との併用加熱ができれば良い。

さらに、本実施の形態では、容器１や調理庫２４の材料にマイクロ波を通し易いポリプロピレン樹脂を用いているので、マイクロ波による食材等の加熱性能を向上させるとともに、樹脂価格も比較的安く、安価な構成を提供することができる。

なお、本実施の形態１、形態３、形態４において、蒸気吐出部１５を調理庫８、２４の蒸気投入口１６、２７に差し込んで調理庫８、２４に蒸気を投入しているが、蒸気吐出部１５と蒸気投入口１６、２７とを別の部材にて位置合わせし、蒸気を投入できるようにしても良く、要は調理庫８、２４内に蒸気を投入できる構成にすれば良い。

以上のように、本発明にかかる蒸気で加熱する食材入り容器及び、前記容器を加熱する容器加熱システムは、容器に入った食材を簡単な蒸気発生装置だけで加熱できるので、容器に入った食材に対する食品工場内の加熱工程等にも適用できる。

１容器（食材容器）
２ａ，２ｂ食材（食材容器入り食材）
４ａ、４ｂ、４ｃ開口穴
６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ空間（食材周囲空間）
８、２４調理庫（調理容器）
１０ａ、１０ｂ、１０ｃ隙間
１７、２０冷凍食材（食材容器入り食材）
２３外容器（外装容器）
２５開口部

Claims

蒸気とマイクロ波で加熱される冷凍食材が収容封止されている、上面と側面と底面とを有する食材容器と
前記食材容器を収容する調理容器と、
前記調理容器内に蒸気を供給する蒸気発生装置と、
前記調理容器内にマイクロ波を供給するマイクロ波発生装置と、を備え、
前記食材容器は、
蒸気を吸入する蒸気吸入用開口穴が側面に設けられており、
前記冷凍食材を、前記食材容器の上面と側面と底面との各々の間に隙間を設けて収容しており、
前記調理容器は、
前記食材容器を、前記食材容器の側面と前記食材容器の側面との間に隙間を設けて収容可能であり、
前記蒸気発生装置からの蒸気を給気するための開口である蒸気投入口を有している、
食材容器入り食材用加熱装置。
前記蒸気投入口は、前記食材の一側面と対向する前記食材容器の側面に設けられている、請求項１に記載の食材容器入り食材用加熱装置。
前記調理容器は、前記食材容器が嵌入され、嵌入時に前記食材の外壁面の一部と接合する開口部を上面に有する、請求項１に記載の食材容器入り食材用加熱装置。