JP6339789B2 - Alt活性測定試薬およびその試薬を用いたアラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定方法。 - Google Patents

Alt活性測定試薬およびその試薬を用いたアラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定方法。 Download PDF

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本発明は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(以下「ALT」という)活性測定において、試薬ブランクの変動を抑えることで安定的な結果が得られる試薬および該試薬を用いたアラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定方法を提供することを目的とする。
ALTは、心臓や肝に多く分布する酵素であり、各種疾患時に血中に遊出されるので、尿や血液等の生体液中におけるALT活性の測定は、心疾患又は肝疾患の診断や治療の経過観察の指標として重要な項目の一つである。
ALT活性の測定法としては、L−アラニン及び2−オキソグルタル酸を基質として、ALTによって生成されるピルビン酸を乳酸脱水素酵素(以下、「LD」という)によって乳酸に変え、共存させておいた還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下、「NADH」という)量の減少量を、波長340nm付近で測定することにより体液中のALT活性を測定する方法が一般的に汎用されている。
日本では日本臨床化学会(JSCC)が1989年に公表したALT活性測定の勧告法[日本臨床化学会:ヒト血清中酵素活性測定の勧告法―アラニンアミノトランスフェラーゼ―(1989−08−30),臨床化学,18(4),250−262(1989)]に沿った原理をもとにしたALT活性測定法が普及している(非特許文献1)。
日本臨床化学会の公表した上記の勧告法は、測定値の互換性を得るために、臨床検査室等の環境レベルで共有することのできる共通の酵素活性測定を最適な条件で測定する方法であるため、一般には日常の検査法として使用することのできるものではないが、臨床検査薬メーカーは、日本臨床化学会の勧告法と測定値との互換性が取れるような試薬を提供している。
またLDの阻害作用を有する物質、特にオキサミン酸又はその塩を試薬に添加し、HGD活性を抑える技術も報告されている(特許文献1)。さらにLDは通常使用されるL体乳酸のみに反応するL−乳酸脱水素酵素(以下、「L−LD」という)とD体の乳酸のみに反応するD−乳酸脱水素酵素(以下、「D−LD」という)とがあり、D−乳酸脱水素酵素(D−LD)を使用することによりHGD活性を抑える試薬が可能であることが報告されている(特許文献2)。
特許第3756832号公報 特許第4884733号公報
臨床化学 勧告法総集編 2012年版
上記したもののうち、臨床検査室等の大掛かりなレベルの施設を用いてALT活性測定を行なっている施設では、一般的にその多くは日常の検査法として日本臨床化学会の勧告法と測定値との互換性が取れるような臨床検査薬メーカーの提供するALT活性測定試薬を使用するが、生体試料は多種類の成分の混合物であり、また、ALT活性測定試薬も多種類の成分の混合物であることから、試薬の安定化や夾雑物の影響を受けないようなALT活性測定試薬の開発は極めて困難である。
特に、測定試薬をセットし、条件を設定するだけで自動的に測定する自動分析機と呼ばれている分析装置を用いる場合では、数週間に渡り蓋を開けたまま放置して測定することが多く、この場合、大気中の二酸化炭素を吸収し、ALT活性測定試薬のpHが変化し、試薬ブランク反応値も変動し、得られるALT活性測定値に誤差が生じるという問題は避けられなかった。
この試薬ブランクの反応変動はLDのα−ヒドロキシグルタレートデヒドロゲナーゼ(α−Hydroxyglutarate dehydrogenase)活性(以下、「HGD活性」という)に由来し、pHをアルカリ側にした方が抑えられることが報告さている。
一方既述した特許文献1において用いられるオキサミン酸又はその塩は安価であるため、HGD活性を抑えた安価な試薬の供給が可能となるが、オキサミン酸又はその塩のみではブランク値上昇に対する抑制効果が不十分であり、試薬の測定値安定性において問題がある。
また特許文献2において、D−乳酸脱水素酵素(D−LD)を使用することによりHGD活性を抑えるようにする試薬については、これを使用した場合、ピルビン酸に対するKm値がL−乳酸脱水素酵素(L−LD)よりも高いことから、日常検査で使用される測定範囲が確保できないといった問題があった。
そこで本発明者らは、L−アラニン、2−オキソグルタル酸、乳酸脱水素酵素、及び還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを含むアラニンアミノトランスフェラーゼ活性測定試薬において、試薬ブランク反応の上昇を抑制することを試みた結果、HGD活性の試薬に対する影響を減少させることにより、その結果として試薬ブランク反応の変動を抑えることで安定的な測定結果が得られるALT活性測定試薬および該試薬を用いたALT活性測定方法を見出すことに成功した。具体的には上記の課題を解決するため、D−乳酸脱水素酵素(D−LD)のみではなく、これに敢えて上記したD−LDと同じ基質のL−乳酸脱水素酵素(L−LD)を組み合わせることを試みた。
このように、通常の場合において当業者らは、酵素活性測定は基質に対するKmとVmaxから酵素活性を定義するため、D−LDとL−LDとの組み合わせのように複数の同じ基質に反応する酵素を組み合わせることは考えない。また本発明の課題でもあるHGD活性を抑えるために、わざわざL−LDを組み合わせるというようなことは通常考えない。その理由は、L−LDを少量でも組み合わせた場合、試薬ブランク反応の上昇が起こり得るためである。そこで本発明者らは鋭意検討した結果、D−LDのみでHGD活性を抑えることが可能となるが、D−LD単独では他の課題も出てくることから問題となる測定範囲の確保のために敢えてL−LDを組み合わせるという発想を試みたところ、それぞれの課題を解決することができることを見いだした。
具体的には、L−アラニン、2−オキソグルタル酸、乳酸脱水素酵素、及び還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下、「NADH」という)を含むアラニンアミノトランスフェラーゼ活性測定試薬において、一定量のD−LDと一定量のL−LDとを組み合わせた、前記アラニンアミノトランスフェラーゼ活性測定試薬とすることにより前記した課題を解決することができた。また、本発明は、アラニンアミノトランスフェラーゼを含有する可能性のある被検試料と、L−アラニン、2−オキソグルタル酸、一定量のD−LDと一定量のL−LD、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを一定量処方することを特徴とする、アラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定方法に関する。
本発明は、ALT活性測定試薬としてそれぞれ個別には知られているD−LDと、これと同じ基質のL−LDとを敢えて組み合わせることで、LD自体が示すHGD活性を測定結果に影響しない程度に抑制し、その結果、定量性が損なわれることなく、試薬ブランクを小さくし、また試薬容器開封保存後の試薬pH低下による試薬ブランク上昇の回避や、ピルビン酸に対するLDの見かけのKm上昇によるALT活性測定値への負の誤差を低減することに成功した。
また、D−LDとL−LDとを組み合わせることによりD−LDのみでは十分な測定範囲が確保できない問題を解決し、HGD活性の測定値変動のない安定した測定性能が得られるHGD活性測定のための試薬および、該試薬を用いたアラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定方法を完成させるに至った。
オキサミン酸処方及び比較用のALT活性測定試薬におけるブランク感度の経時的変化を示すグラフである。 本発明及び比較用のALT活性測定試薬における測定上限を示すグラフである。 本発明及び比較用のALT活性測定試薬におけるブランク感度の経時的変化を示すグラフである。 本発明及び比較用のALT活性測定試薬を用いて測定した、プール血清中におけるALT活性測定値の経時的変化を示すグラフである。
本発明のALT活性測定試薬は、L−アラニン、2−オキソグルタル酸、乳酸脱水素酵素(LD)、及び還元型ニコチンアミドアデニンヌクレオチド(NADH)を含む、これまで汎用されてきたALT活性測定試薬の革命的改良である。汎用のL−アラニン、2−オキソグルタル酸、LD、及びNADHを含む一般的なALT活性測定試薬では、既述したようにL−アラニン及び2−オキソグルタル酸を基質として、ALTによって生成されるピルビン酸をLDによって乳酸に変え、共存させておいたNADH量の減少量を、波長340nm付近で測定することにより、ALT活性を測定することができるが、試薬ブランク反応の変動による測定結果のバラツキが避けられない、という大きな課題を有している。
そこで本発明においては、L−アラニン、2−オキソグルタル酸、LD、及びNADHを含むアラニンアミノトランスフェラーゼ活性測定試薬において、試薬ブランク反応の上昇を抑制するための研究を重ねた結果、予想外のブランク反応の上昇を抑制することに成功したものである。つまりD−LDのみでは測定範囲が確保できないという問題を解決し、LD自体が示すHGD活性の試薬に対する影響を測定結果に影響しない程度にまで抑制することにより、その結果として定量性が損なわれることなく試薬ブランク反応の変動幅を極端に小さくし、試薬容器開封保存後の試薬pH低下による試薬ブランク上昇の回避や、ピルビン酸に対するLDの見かけのKm上昇によるALT活性測定値への負の誤差を著しく低減させることに成功した。
具体的には、本発明のALT活性測定試薬は、上記した公知の構成成分に加え、D−LDと、敢えてこれに同じ基質のL−LDとを処方する。通常、当業者は酵素活性測定に際して基質に対するKmとVmaxから酵素活性を定義するために、D−LDと、これに同じ基質のL−LDを組み合わせることは考えない。ここで用いるD−LDとしては、ラクトバチラス属(Lactobacillus sp.)由来の天然型D−LD、又はそれらの組み換え型D−LD、その変異型D−LDを用いることができる。
また、L−LDとしては、例えば、ニワトリ心臓由来、ブタ心臓由来、ブタ筋肉由来、若しくはロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostocmesenteroides)由来の天然型L−LD、又はそれらの組換え型L−LDを用いることができ、その由来は特には限定されない。なお本発明において「LD活性」とは、ピルビン酸を乳酸に還元する活性を意味する。また、その単位「U」は、1分間に1μmolの基質(ピルビン酸)を生成物(乳酸)に転換する酵素活性の量(標準温度は30℃)で定義される。
L−LDの処方量としては10U/L未満では検体中のALT活性を正確に測定することは難しく、また反対に3,000U/Lを超えても、測定範囲を改善する上でそれ以上の効果が期待できないところからL−LDの処方量としては10〜3,000U/Lまでの処方量とし、さらにこれにD−LDを処方する。D−LDの処方量としては、1,000U/L未満では検体中のALT活性を正確に測定することは難しく、反対に30,000U/Lを超えても、測定範囲を担保する上でそれ以上の効果が期待できないところから、D−LDの処方量としては、1,000〜30,000U/Lの範囲とするのが好ましい。
さらにこの場合、炭酸塩及び炭酸水素塩の処方も試薬ブランク反応の上昇を抑制するという点で効果的である。具体的には、例えば、炭酸塩及び炭酸水素塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素セシウム等を使用することができる。この場合の炭酸塩及び炭酸水素塩については1.0mmol/L未満では効果がなく、反対に150mmol/Lを超えても試薬ブランク反応の上昇を抑制する上でそれ以上の効果が期待できないことから1〜150mmol/Lの範囲内であるのが好ましい。
本発明のALT活性測定試薬に含有される構成成分の内、公知のALT活性測定試薬に含まれる各種成分、すなわち、LD、NADH、L−アラニン、及び2−オキソグルタル酸については、公知のALT活性測定試薬と同様に用いることができる。
さらに本発明のALT活性測定試薬は、公知のALT活性測定試薬と同様に、適当な緩衝剤を更に含むことができ、この場合の緩衝剤としては、ALT活性測定への悪影響がない限り、従来公知の緩衝液を適宜選択して使用することができる。具体的には、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リン酸、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジル]エタンスルホン酸、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−ヒドロキシ−N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、又はn−エチルモルフォリン等を使用することができる。
更に、本発明のALT活性測定試薬は、前記必須配合成分及び緩衝剤の他に、必要により、一般的に添加される成分、例えば、キレート剤[例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等]、防腐剤(例えば、アジ化物等)、安定化剤(例えば、アルブミン又はグリセロール等)、及び/又は各種界面活性剤等を適宜添加することができる。
本発明のALT活性測定試薬の試薬構成については、既知のALT活性測定試薬と同様に、特に限定されるものではなく、例えば、1試薬にまとめることもできるし、あるいは、2試薬以上の試薬構成とすることもできるが、一般的には、各構成成分が安定な条件に分け、活性測定に至適な条件にて反応することができる試薬構成にすることが好ましい。このような試薬構成としては、例えば、アルカリ性で安定なNADH及びLD等を含む第一試薬と、2−オキソグルタル酸等を含む第二試薬とに分け、反応時に活性測定に至適な試薬濃度及びpHになるようにこれらの各試薬を構成し、更に、第一試薬又は第二試薬のいずれか一方、あるいは、両方に、L−アラニンを添加することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
また、被検試料として、ピルビン酸を含有する可能性のある被検試料(例えば、血液、血清、血漿、若しくは尿等の体液、又は細胞組織等)を測定する場合には、被検試料由来のピルビン酸の影響を排除するために、少なくともLDを第一試薬として含有し、2−オキソグルタル酸を第二試薬として含有する2試薬系とすることが好ましい。この場合ピルビン酸を含有する可能性のある被検試料と、LDを含む第一試薬とを混合し、被検試料由来のピルビン酸を消去した後に第二試薬を添加することにより、被検試料由来のピルビン酸の影響を受けることなく、ALT活性を測定することができる。
なお、少なくともLD及び2−オキソグルタル酸を第二試薬として含有する2試薬系であっても、第二試薬添加後、例えば、数十秒から1分間程度で被検試料由来のピルビン酸を消去した後にALT活性を測定することができるし、あるいは、1試薬系であっても同様の目的を果たすことができる。従って、本発明のALT活性測定試薬は、特定の試薬構成に限定されるものではない。
本発明のALT活性測定試薬は、本発明によるALT活性測定方法に用いることができる。本発明のALT活性測定方法では、被検試料と、L−アラニン、2−オキソグルタル酸、LD、及びNADHとを接触させ、NADH量の減少量を、波長340nm付近で測定することにより、ALT活性を安定的に測定することができる。
前記被検試料は、ALT活性を含有する可能性のある被検試料である限り、特に限定されるものではなく、例えば、臨床診断に一般的に用いられる生体由来液、例えば、血液、血清、血漿、若しくは尿、又は細胞組織、あるいは実験サンプルなどを挙げることができる。
以下に本発明の内容を実施例の記載に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明のALT活性測定用の試薬として、表1に示す組成の第一試薬と、表2に示す組成の第二試薬とを調整した(以下これを「試薬A」と称する)。また比較例として、オキサミン酸が含まれない第一試薬を調整し、表2に示す組成の第二試薬とを合わせて調整した(以下これを「試薬B」と称する)。
Figure 0006339789
Figure 0006339789
上記した試薬Aと試薬Bとにより開封保存安定性試験をおこなった。
上記により調整した試薬Aと試薬Bとを、それぞれ容器の蓋を開けた状態で自動分析装置(H7180;株式会社日立製作所製)にセットして21日間放置し、3日目、7日目、14日目、21日目に、それぞれのブランク値を測定した。
具体的には、上記の自動分析装置の反応セルに、検体として生理食塩水4.5μLと第一試薬120μLとを加えて攪拌し、その後これを37℃環境下において5分間加温した後、第二試薬40μLを加えて攪拌し、その後約1分後から5分後までの波長340nmにおける吸光度変化量を自動分析装置により算出した。その結果は図1に示した通りであり、同図によりオキサミン酸が処方されている試薬Aは、比較例としての試薬Bに比べてブランク値が低く、経時的なブランク変動についても0.6mAbs/minと、きわめて僅かであることから経時的なブランク変動が抑制されていることが明らかである。
本発明のALT活性測定用の試薬として、表3に示す組成を有する第一試薬と、前記実施例1の表2に示す組成を有する第二試薬とを調整した(以下この二試薬系試薬を「試薬C」と称する)。また比較例として、表3に示す組成よりL−LDのみを除外した第一試薬を調整し、前記表2の第二試薬と合わせた二試薬系試薬を調整した(以下この二試薬系試薬を「試薬D」と称する)。
Figure 0006339789
測定範囲の上限について調べた結果、以下のことが明らかとなった。
つまり、前記した実施例2で調整した試薬Cおよび試薬Dを上記した実施例1および2で用いたのと同じ自動分析装置にセットし、実施例1と同じ方法により測定をした。この場合検体には生理食塩水を用いて5段階希釈されたハイレベルチェック・E(シスメックス株式会社製)を用いた。検体のALT活性測定には検体の代わりに酵素キャリブレーター(株式会社カイノス製)を用い、得られた測定結果に基づいて算出した。
その結果は図2に表した通りであり、同図によりD−LD単独の試薬Dと比較し、L−LDとD−LDとの混合である試薬Cは、より広い測定範囲が担保されていることがわかる。具体的には、試薬Cおよび試薬Dともに1/5倍希釈の検体測定値が500U/Lであるのに対し、希釈しない検体では、試薬Dの測定値が2316U/Lであり、これに対して,試薬Cの測定値は2424U/Lであり、試薬Cを用いる場合のほうが測定範囲の向上がみられた。
本発明のALT活性測定用の試薬として、表3に示す組成のうち炭酸水素カリウムのみを除外して調整した第一試薬と、前記実施例1の表2に示す組成を有する第二試薬とを調整した(以下この二試薬系試薬を「試薬C」と称する)。また比較例1として、表4に示す組成の第一試薬を調整し、これを前記表2の第二試薬と合わせた二試薬系試薬を調整した(以下この二試薬系試薬を「試薬E」と称する)。また比較例2として、表5に示す既知のALT活性測定試薬と同じ組成の第一試薬を調整し、前記表2の組成を有する第二試薬とを合わせた二試薬系試薬を調整した(以下この二試薬系試薬を「試薬F」と称する)。
Figure 0006339789
Figure 0006339789
開封保存安定性について調べた結果、以下のことが明らかとなった。
すなわち、前記実施例1および実施例3で調整した試薬C、試薬Eおよび試薬Fを容器の蓋を開けた状態で自動分析装置(H7180;株式会社日立製作所製)にセットして35日間放置するとともに、その間7日目、14日目、21日目、28日目、35日目に、それぞれ前記実施例1と同様の方法により測定を実施した。なお、この場合に検体には生理食塩水、プール血清を用いて測定した。
その場合における生理食塩水(ブランク)のALT活性測定結果を図3に示す。この場合に、蓋を開けた状態のまま放置しておくと、比較用の試薬Eおよび試薬Fでは試薬ブランク値(吸光度mAbs/min)が経時的に変動(低下)するのに対し、本発明の試薬Cでは試薬ブランク値が殆ど変動しなかった。具体的には、試薬E:1.2mAbs/min、試薬F:1.7mAbs/minの変動に対し、本発明品である試薬Cではブランク値の変動がみられなかった。しかもそれぞれ既知の同基質であるL−LDとD−LDとを敢えて組み合わせたことにより、試薬ブランクが−2.2mAbs/minから−0.3mAbs/minと、大幅に低減させることができることを確認した。
また検体としてプール血清を用いた場合におけるALT活性の測定結果を図4に示す。この場合においても前記実施例2と同様の方法によりALT活性測定をおこなった。該検体の測定値に関しても、蓋を開けた状態のままで放置しておくと、比較用の試薬Eおよび試薬FではALT活性測定値(U/L)が経時的に上昇していくのに対し、本発明の試薬CではALT活性の測定値に殆ど変動がみられなかった。


Claims (6)

  1. L−アラニン、2−オキソグルタル酸、乳酸脱水素酵素、及び還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを含むアラニンアミノトランスフェラーゼ活性測定試薬において、D−LDと、敢えてこれと同基質のL−LDとを組み合わせることを特徴とする、前記アラニンアミノトランスフェラーゼ活性測定試薬。
  2. L−LDを10〜3,000U/L、D−LDを1,000〜30,000U/L処方することを特徴とする請求項1のアラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定試薬。
  3. 炭酸塩及び炭酸水素塩を1〜150mol/L処方することを特徴とする請求項1に記載のアラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定試薬。
  4. アラニンアミノトランスフェラーゼを含有する可能性のある被検試料と、L−アラニン、2−オキソグルタル酸、D−LDおよび該D−LDと同基質のL−LD、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドとを処方することを特徴とする、アラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定方法。
  5. L−LDを10〜3,000U/Lおよび該D−LDと同基質のD−LDを1,000〜30,000U/L処方することを特徴とする請求項4に記載のアラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定方法。
  6. 炭酸塩及び炭酸水素塩を1〜150mmol/L処方することを特徴とする請求項4に記載のアラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定方法。



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