JP6339493B2 - 連続体の板幅測定方法および鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、2台のカメラを用いたステレオマッチング法により、鋼板のエッジの3次元空間上の座標を求め、この座標から鋼板の幅を計算する方法が開示されている。
さらに、本発明の一態様に係る鋼板の製造方法は、上記の連続体の板幅測定方法により、鋼板の板幅を検査する工程を備えることを特徴とする。
はじめに、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る連続体の板幅測定装置1について説明する。本実施形態では、連続体として鋼板2の板幅が測定される。板幅測定装置1は、鋼板2の製造ラインの搬送方向下流側に設けられ、熱間・冷間圧延または表面処理され、板幅測定装置1を通過する鋼板2の板幅を測定する。図1に示すように、板幅測定装置1は、検出部11a,11bと、測定部12a,12bと、算出部13と、記憶部14とを有する。
撮像部111a,111bは、非テレンセントリックレンズとラインセンサ等の撮像素子とを有し、図2の上下方向であるy軸方向において、鋼板2よりもy軸正方向側に設けられる。撮像部111a,111bは、y軸負方向側に設けられた光源部112a,112bの発光面を撮像する。また、撮像部111a,111bは、板幅測定装置1のx軸方向の中心位置P1を中間として、x軸方向に距離2F[mm]離隔して設けられる。ここで、撮像部111a,111bと光源部112a,112bとのy軸方向の距離をL[mm]とする。このように配された撮像部111a,111bは、y軸負方向側に距離L[mm]離れた位置において、x軸方向に距離2C[mm]の視野を有する。撮像部111a,111bの距離L[mm]離れた位置における必要な視野は、x軸方向において(5)式で算出される距離2C[mm]以上であればよい。(5)式において、WMAXは製造ラインにて製造される鋼板2のうち最大の板幅[mm]、WMINは製造ラインにて製造される鋼板2のうち最小の板幅[mm]、Δxは幅測定装置を通過する鋼板2のx軸方向の最大蛇行量[mm]をそれぞれ示す。
記憶部14は、算出部13から取得した板幅の算出結果を記憶する。また、記憶部14は、必要に応じて、算出部13から取得したエッジ位置の検出結果および高さh1,h2の測定結果を記憶する。
[板幅測定装置の校正方法]
次に、本実施形態に係る板幅測定方法について説明する。まず、図3および図4を参照して、板幅測定装置1の校正方法について説明する。本実施形態では、鋼板2の板幅の測定に先立ち、板幅測定装置1の校正を行う。板幅測定装置1の校正は、板幅の測定の度に行われる必要はなく、例えば検出部11a,11bや測定部12a,12bが交換または補修されるタイミングで行われてもよい。
はじめに、検出部11a,11bおよび測定部12a,12bの校正を行う。まず、図3に示すように、第1の校正板21が板幅測定装置1の基準位置に配される。第1の校正板21は、2つの撮像部111a,111bが設けられた間隔と同じ幅を有する鋼板である。つまり、図3に示すように、第1の校正板21は、2つの撮像部111a,111bのx軸方向の離間距離となる距離2F[mm]と同じ幅(W1a+W1b)[mm]を有する。基準位置は、第1の校正板21が図3に示すような搬送方向に垂直なx−y断面視において、幅方向がx軸方向と平行となる位置であり、且つ第1の校正板21の下面が基準高さP2から高さHs[mm]となる位置である。第1の校正板21の下面が基準高さP2から高さHs[mm]となる位置は、通板時の鋼板の上下方向のばたつきやローリング方向の傾きが生じていない通常時において、鋼板2が通過する高さに設定するのが好ましい。また、基準位置は、第1の校正板21の下面が基準高さP2から高さHs[mm]離れ、且つ幅方向の中心位置が板幅測定装置1の中心位置P1と同じとなる位置である。なお、上記の基準位置において、中心位置P1から鋼板2の幅方向両端部までの距離W1a,W1b[mm]は、W1a=W1b=Fの関係となる。
さらに、測定部12a,12bの設置高さのズレ等により測定部12a,12bの測定結果である高さh1,h2が異なる場合、高さh1,h2の値が同じとなるように調整をすることで、測定値の校正を行う。測定部12a,12bの調整は、測定部12a,12bの出力値を調整または、測定部12a,12bの上下方向の設置高さを調整することで行われる。なお、高さh1,h2が同じである場合、測定部12a,12bの調整は行われない。
次いで、エッジ位置の検出結果において、エッジ位置が撮像部111a,111bの中心位置からずれている場合、エッジ位置が撮像部111a,111bの中心となるように検出部11a,11bの左右方向の設置位置を調整する。撮像部111a,111bがx軸方向に2048画素並んだ撮像素子を有する場合、撮像結果のうち明暗の境界が1024画素目となるように検出部11a,11bの設置位置を調整する。なお、エッジ位置が撮像部111a,111bの中心位置となる場合、検出部11a,11bの設置位置の調整は行われない。
さらに、検出部11a,11bは、設置位置の調整が行われた後、第1の校正板21の両端のエッジ位置を検出し、検出結果を算出部13へと送信する。
検出部11a,11bおよび測定部12a,12bの校正を行った後、鋼板2の板幅を測定する際に用いる分解能Mを算出する。まず、図4に示すように、第2の校正板22を板幅測定装置1の基準位置に設ける。第2の校正板22は、製造ラインにて製造される鋼板2のうち板幅が最小となる鋼板2と同じ板幅(W2a+W2b)[mm]を有する。基準位置は第1の校正板21と同じであり、第2の校正板22が基準位置に設けられた際、板幅はW2a=W2bの関係となる。
次に、図5および図6を参照して、本実施形態に係る鋼板2の板幅測定方法について説明する。図5に図示した例では、鋼板2は、第1の校正板21よりも小さな板幅を有する。図6に示した例では、鋼板2は、第1の校正板21よりも大きな板幅を有する。また、図5および図6では、ローリング方向に鋼板2が傾いた状態として、鋼板2の板幅方向がx軸に対して傾いた状態をそれぞれ示す。
板幅を算出する際、算出部13は、はじめに、両端部のエッジ位置として検出される画素数が半画角c[画素]以下か否かをそれぞれ判断する。半画角cは、撮像部111a,111bの撮像素子のx軸方向の画素数の1/2となる画素数であり、基準高さP2においてx軸方向の撮像領域の1/2となる距離Cに相当する画素数である。例えば、撮像部111a,111bの撮像素子が2048画素である場合、半画角cは、1024[画素]となる。なお、鋼板2の板幅と位置とに応じて、両端部は、両端部のエッジ位置の画素数が半画角c以下となる場合、両端部のエッジ位置の画素数が半画角cよりも大きくなる場合、および一方の端部のエッジ位置の画素数が半画角c以下となり他方の端部のエッジ位置の画素数が半画角cよりも大きくなる場合の3つの状態になると考えられる。
以上のように、エッジ位置として検出される画素数が半画角c以下となる場合には、上述の算出方法によって、エッジ位置から中心位置P1までの幅が算出される。なお、(19)式において、(x4b・M)で算出される値は、距離X4b[mm]を示す。
なお、図5および図6では、両端部のエッジ位置の画素数が半画角c以下または半画角cよりも大きくなる場合について説明したが、上記のように一方の端部のエッジ位置の画素数が半画角c以下となり他方の端部のエッジ位置の画素数が半画角cよりも大きくなる場合も考えられる。この場合、両端部について、上記の画素数が半画角c以下および半画角cよりも大きくなる場合における幅の算出方法をそれぞれ適用することで、エッジ位置から中心位置P1までの幅が算出される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
さらに、上記実施形態では、測定部12a,12bは、鋼板2よりも下方に設けられるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。測定部12a,12bは、鋼板2よりも上方に設けられ、鋼板2よりも上方における基準高さから鋼板2の上面までの距離を測定してもよい。
さらに、上記実施形態では、連続体として鋼板2の板幅を測定するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。板幅を測定する連続体は、板状または帯状のものであれば、鋼以外の他の金属、繊維や樹脂等の他の材質のものであってもよい。
(1)本発明の実施形態に係る板幅測定装置1は、鋼板2等の連続体の厚み方向から挟んで設けられた光源部112a,112bおよび撮像部111a,111bを有し、通過する連続体の幅方向両端の位置を検出する検出部11a,11bと、連続体の幅方向に離隔した複数箇所において、連続体の厚み方向における基準高さP1から連続体までの距離を測定する測定部12a,12bと、検出部11a,11bにて検出される連続体の幅方向両端の位置と、測定部12a,12bにて測定される基準高さP1から連続体までの距離とに基づいて、連続体の板幅を算出する算出部13と、を有する。
さらに、上記構成によれば、連続体の高さおよび傾きが測定部12a,12bによって測定される。このため、特許文献2のように、2台のカメラから算出される座標を用いて連続体の高さや傾きを把握する方法に比べ、連続体がどの位置にあったとしても板幅を精度よく測定することができる。
上記構成によれば、検出部を一つだけ設ける場合に比べ、分解能Mを高くすることができるため、板幅の測定精度を向上させることができる。例えば、2C=400mm、撮像素子の画素数が2048画素の場合、上述のように分解能M=0.1958mm/画素となる。一方、同様な条件において、検出部を一つだけ設け、当該検出部のみで連続体の幅方向両端を撮像する場合、必要な視野は2C=1250mm+100mm=1350mm、分解能Mは1375mm/2048画素=0.6714mm/画素となるため、上記構成に比べて分解能が3.4倍低下する。なお、特許文献2においては、カメラを2台用いて撮像が行われるが、2台のカメラそれぞれが鋼板の全幅を視野として確保する必要がある。このため、カメラ視野(長さ)/カメラ画素数で定義される上記の分解能が低下するため、精度良く測定することができない。さらに、特許文献2の場合、カメラ1台あたりの視野を有効に使用するため、カメラを鋼板の上面に対して斜めに取りつける必要がある。このため、分解能が固定値として求められないことに加え、視野のうちカメラから遠い領域は近い領域に比べて小さく映るため分解能が低くなる。一方、上記構成によれば、カメラ1台あたりの視野は、連続体の全幅である必要がないため、特許文献2に比べて精度よく測定することができる。
上記構成によれば、撮像結果と、測定される高さh1,h2と、板幅との幾何学的な関係から板幅が算出されるため、精度良くかつ容易に板幅を算出することができる。また、上記構成によれば、非テレセントリックレンズを用いた場合においても、精度よく板幅を測定することができる。ここで、特許文献1の板幅計を用いた測定方法では、一般的な非テレセントリックレンズを用いる際に、鋼板のエッジ位置と鋼板の高さとによって測定誤差が生じる場合があった。図8に示すように、撮像部111aにて撮像される場合、エッジ位置が撮像部111aの中心からズレると、エッジ位置の真の値X’5に対して測定された値X5にズレが生じてしまう。一方、上記構成によれば、非テレセントリックレンズによるズレを考慮した算出式を用いて板幅を算出するため、精度良く板幅を算出することができる。また、特許文献1の板幅計を用いた測定方法では、図9および図10に示すように、一般的な非テレセントリックレンズを用いる際に、カメラ視野に対する鋼板2のエッジ位置によって、鋼板2の上下面のうちの測定される面が変わってしまうため、測定誤差が生じる場合があった。この測定される面が変わることによる誤差は、上記の鋼板のエッジ位置と鋼板の高さとによって生じる測定誤差に加えて観測されるため、測定誤差が大きくなる場合があった。しかし、上記構成によれば、撮像部111a,111bに対するエッジ位置に応じて、用いる算出式を変えることで、精度良く板幅を測定することができる。
上記構成によれば、(1)と同様な効果を得ることができる。
上記構成によれば、交換または補修等によって検出部11a,11bの左右方向の位置や、測定部12a,12bの上下方向の位置等がズレた場合でも、校正を行うことで精度良く板幅を測定することができる。
上記構成によれば、大小様々な板厚を有するような鋼板においても、板厚に影響されずれに、板幅を精度よく測定することができる。また、上記構成によれば、(1)と同様な効果から、鋼板2が基準の板幅の範囲を超えたか否かを精度よく判別することができる。また、上記構成によれば、鋼板2のどの位置において、板幅が基準を超えたか否かを判断することができる。このため、鋼板2が長手方向に長いコイル等である場合、基準を超えた箇所を除いて、コイルの基準内となった箇所のみを使用することができるため、コイルの歩留りを向上させることができる。
発明者らは、図1および図2に示す板幅測定装置1および上記実施形態における測定方法を用いて、鋼板2の板幅を測定した。鋼板2は、長手方向の長さが30,000mmのコイルである。
以上の結果から、本発明の連続体の板幅測定装置および板幅測定方法によれば、鋼板等の連続体の板幅を精度よく測定することのできることを確認した。
11a,11b :検出部
111a,111b :撮像部
112a,112b :光源部
12a,12b :測定部
13 :算出部
14 :記憶部
2 :鋼板
21 :第1の校正板
22 :第2の校正板
P1 :板幅測定装置の中心位置
P2 :基準高さ
Claims (2)
- 連続体を厚み方向から挟んで設けられた光源部および撮像部を有する撮像装置を用いて、通過する前記連続体の幅方向両端の位置を検出し、
前記連続体の幅方向に離隔した複数箇所において、前記連続体の厚み方向における基準高さから前記連続体までの距離を測定し、
検出された前記連続体の幅方向両端の位置と、測定された前記基準高さから前記連続体までの距離とに基づいて、前記連続体の板幅を算出する連続体の板幅測定方法であって、
前記撮像装置は、前記連続体の両端部をそれぞれ撮像する2つの撮像部を有し、
前記連続体の幅方向両端の位置を検出する前に、2つの前記撮像部が設けられた間隔と同じ幅を有する第1の校正板を基準位置に配した後、前記第1の校正板の幅方向両端の位置を検出し、
さらに、前記第1の校正板と異なる幅を有する第2の校正板を前記基準位置に配した後、前記第2の校正板の幅方向両端の位置を検出し、
前記第1の校正板および前記第2の校正板の、幅方向両端の位置の検出結果から、前記撮像部の位置および前記距離の測定値の校正をすることを特徴とする連続体の板幅測定方法。 - 請求項1に記載の連続体の板幅測定方法により、鋼板の板幅を検査する工程を備えることを特徴とする鋼板の製造方法。
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