図1は、本発明の実施例に係る油圧ショベルを示す側面図である。
油圧ショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはバケット6が取り付けられている。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントを構成し、油圧シリンダであるブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。上部旋回体3には、キャビン10が設けられ、且つエンジン等の動力源が搭載される。
図2は、図1の油圧ショベルの駆動系の構成を示すブロック図である。図2において、機械的動力系は二重線、高圧油圧ラインは太実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御系は細実線でそれぞれ示されている。
機械式駆動部としてのエンジン11の出力軸には、可変容量型油圧ポンプとしてのメインポンプ14、固定容量型油圧ポンプとしてのパイロットポンプ15、及び、可変容量型油圧ポンプモータとしてのポンプモータ35が接続されている。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されている。また、パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26が接続されている。
コントロールバルブ17は、油圧ショベルにおける油圧系の制御を行う装置である。下部走行体1用の油圧モータ1A(右用)及び1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、旋回油圧モータ21等の油圧アクチュエータは、高圧油圧ラインを介してコントロールバルブ17に接続されている。
操作装置26は、レバー26A、レバー26B、及びペダル26Cを含む。レバー26A、レバー26B、及びペダル26Cは、油圧ライン27及び28を介して、コントロールバルブ17及び圧力センサ29にそれぞれ接続されている。
圧力センサ29は、操作装置26を用いた操作者の操作内容を検出するためのセンサであり、例えば、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダルの操作方向及び操作量を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。なお、操作装置26の操作内容は、圧力センサ以外の他のセンサを用いて検出されてもよい。
コントローラ30は、油圧ショベルの駆動制御を行う主制御部としてのコントローラである。コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、内部メモリに格納された駆動制御用のプログラムをCPUに実行させて油圧ショベルの駆動制御を行う。
圧力センサS1は、メインポンプ14の吐出圧を検出するセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
圧力センサS2Lは、旋回油圧モータ21の第1ポート側の作動油の圧力を検出するセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
圧力センサS2Rは、旋回油圧モータ21の第2ポート側の作動油の圧力を検出するセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
圧力センサS3は、アキュムレータ部41の作動油の圧力(以下、「アキュムレータ圧力」とする。)を検出するセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
圧力センサS4は、ブームシリンダ7のボトム側油室の作動油の圧力を検出するセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
アキュムレータ部41は、油圧回路内の作動油を蓄積し、必要に応じてその蓄積した作動油を放出する油圧回路要素である。
第1蓄圧部42は、旋回油圧モータ21とアキュムレータ部41との間の作動油の流れを制御する油圧回路要素である。
第2蓄圧部43は、コントロールバルブ17とアキュムレータ部41との間の作動油の流れを制御する油圧回路要素である。
第1放圧部44は、メインポンプ14とコントロールバルブ17とアキュムレータ部41との間の作動油の流れを制御する油圧回路要素である。
第2放圧部45は、メインポンプ14とタンクとアキュムレータ部41との間の作動油の流れを制御する油圧回路要素である。
なお、アキュムレータ部41、第1蓄圧部42、第2蓄圧部43、第1放圧部44、及び第2放圧部45についてはその詳細を後述する。
次に、図3を参照しながら、図1の油圧ショベルに搭載されるアキュムレータ部41の蓄圧及び放圧について説明する。なお、図3は、図1の油圧ショベルに搭載される油圧回路の要部構成例を示す。
図3に示す油圧回路は、主に、旋回制御部40、アキュムレータ部41、第1蓄圧部42、第2蓄圧部43、第1放圧部44、及び第2放圧部45を含む。
旋回制御部40は、主に、旋回油圧モータ21、リリーフ弁400L、400R、及び逆止弁401L、401Rを含む。
リリーフ弁400Lは、旋回油圧モータ21の第1ポート21L側の作動油の圧力が所定の旋回リリーフ圧を超えるのを防止するための弁である。具体的には、第1ポート21L側の作動油の圧力が所定の旋回リリーフ圧に達した場合に、第1ポート21L側の作動油をタンクに排出する。
同様に、リリーフ弁400Rは、旋回油圧モータ21の第2ポート21R側の作動油の圧力が所定の旋回リリーフ圧を超えるのを防止するための弁である。具体的には、第2ポート21R側の作動油の圧力が所定の旋回リリーフ圧に達した場合に、第2ポート21R側の作動油をタンクに排出する。
逆止弁401Lは、第1ポート21L側の作動油の圧力がタンク圧未満になるのを防止するための弁である。具体的には、第1ポート21L側の作動油の圧力がタンク圧まで低下した場合に、タンク内の作動油を第1ポート21L側に供給する。
同様に、逆止弁401Rは、第2ポート21R側の作動油の圧力がタンク圧未満になるのを防止するための弁である。具体的には、第2ポート21R側の作動油の圧力がタンク圧まで低下した場合に、タンク内の作動油を第2ポート21R側に供給する。
アキュムレータ部41は、油圧回路内の作動油を蓄積し、必要に応じてその蓄積した作動油を放出する油圧回路要素である。具体的には、アキュムレータ部41は、旋回減速中に旋回油圧モータ21の制動側(吐出側)の作動油を蓄積する。また、アキュムレータ部41は、ブーム下げ操作中にブームシリンダ7が排出する作動油を蓄積する。そして、アキュムレータ部41は、油圧アクチュエータを操作する際に、その蓄積した作動油をメインポンプ14の上流側(吸い込み側)又は下流側(吐出側)に放出する。
本実施例では、アキュムレータ部41は、主に、アキュムレータ410及びアキュムレータ切換弁411を含む。
アキュムレータ410は、油圧回路内の作動油を蓄積し、必要に応じてその蓄積した作動油を放出する装置である。本実施例では、アキュムレータ410は、バネの復元力を利用するバネ型アキュムレータである。
アキュムレータ切換弁411は、アキュムレータ410と油圧回路の他の部分との間の作動油の流れを制御する弁である。本実施例では、アキュムレータ切換弁411は、2ポート2位置の切換弁であり、コントローラ30からの制御信号に応じて弁位置を切り換える電磁弁が用いられる。また、パイロット圧を用いた比例弁が用いられてもよい。具体的には、アキュムレータ切換弁411は、第1位置及び第2位置を弁位置として有する。なお、図中の括弧内の数字は、弁位置の番号を表す。他の切換弁についても同様である。第1位置は、アキュムレータ410と油圧回路の他の部分との間の連通を遮断する弁位置である。また、第2位置は、アキュムレータ410と油圧回路の他の部分とを連通させる弁位置である。なお、アキュムレータ切換弁411は、省略されてもよい。
第1蓄圧部42は、旋回制御部40(旋回油圧モータ21)とアキュムレータ部41との間の作動油の流れを制御する油圧回路要素である。本実施例では、第1蓄圧部42は、主に、第1切換弁420及び第1逆止弁421を含む。
第1切換弁420は、アキュムレータ部41の蓄圧(回生)動作の際に、旋回制御部40からアキュムレータ部41への作動油の流れを制御する弁である。本実施例では、第1切換弁420は、3ポート3位置の切換弁であり、コントローラ30からの制御信号に応じて弁位置を切り換える電磁弁が用いられる。また、パイロット圧を用いた比例弁が用いられてもよい。具体的には、第1切換弁420は、第1位置、第2位置、及び第3位置を弁位置として有する。
第1位置は、第1ポート21Lとアキュムレータ部41とを連通させる弁位置である。また、第2位置は、旋回制御部40とアキュムレータ部41との間の連通を遮断する弁位置である。また、第3位置は、第2ポート21Rとアキュムレータ部41とを連通させる弁位置である。
第1逆止弁421は、アキュムレータ部41から旋回制御部40に作動油が流れるのを防止する弁である。
第2蓄圧部43は、コントロールバルブ17とアキュムレータ部41との間の作動油の流れを制御する油圧回路要素である。本実施例では、第2蓄圧部43は、ブームシリンダ用流量制御弁17Bとタンクとアキュムレータ部41との間に配置され、主に、第2切換弁430及び第2逆止弁431を含む。なお、ブームシリンダ用流量制御弁17Bは、アームシリンダ用流量制御弁等の1又は複数の他の流量制御弁であってもよい。
第2切換弁430は、アキュムレータ部41の蓄圧(回生)動作の際に、油圧アクチュエータからアキュムレータ部41への作動油の流れを制御する弁である。本実施例では、第2切換弁430は、3ポート2位置の切換弁であり、コントローラ30からの制御信号に応じて弁位置を切り換える電磁弁が用いられる。また、パイロット圧を用いた比例弁が用いられてもよい。具体的には、第2切換弁430は、第1位置及び第2位置を弁位置として有する。第1位置は、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとタンクとを連通させ、且つ、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとアキュムレータ部41との間の連通を遮断する弁位置である。また、第2位置は、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとアキュムレータ部41とを連通させ、且つ、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとタンクとの間の連通を遮断する弁位置である。
第2逆止弁431は、アキュムレータ部41から第2切換弁430に作動油が流れるのを防止する弁である。
第1放圧部44は、メインポンプ14とコントロールバルブ17とアキュムレータ部41との間の作動油の流れを制御する油圧回路要素である。本実施例では、第1放圧部44は、主に、ポンプモータ35、第3切換弁440及び第3逆止弁441を含む。
ポンプモータ35は、コントローラ30からの制御信号に応じて吐出流量が変化する可変容量型油圧ポンプモータであり、最小流量を極めて小さく、好ましくは略ゼロに設定可能なものである。本実施例では、ポンプモータ35は、その回転軸がエンジン11の駆動軸に結合される。なお、ポンプモータ35の回転軸は、クラッチ機構、無段変速機構(例えば、変速比無限大変速機)等を介してエンジン11の駆動軸に結合されてもよい。この場合、最小流量は略ゼロに設定可能なものでなくてもよい。また、ポンプモータ35の上流側には、ポンプモータ35の停止時のキャビテーションを防止するためのメークアップ回路が設置される。
また、ポンプモータ35は、必要に応じて、油圧ポンプとしても油圧モータとしても動作し得る。本実施例では、ポンプモータ35は、アキュムレータ圧力Paがメインポンプ14の吐出圧Pp以上の場合に油圧モータとして動作し、アキュムレータ圧力Paが吐出圧Pp未満の場合に油圧ポンプとして動作する。
具体的には、油圧モータとして動作するポンプモータ35は、吐出圧Pp以上の圧力レベルにあるアキュムレータ部41内の作動油を利用してエンジン11の回転をアシストする。その上で、ポンプモータ35は、吐出圧Pp未満の圧力レベルにある作動油を吐出し、メインポンプ14の上流側の合流点でその作動油を合流させる。なお、ポンプモータ35は、油圧モータとして動作する場合であっても、吐出圧Pp以上の圧力レベルにある作動油を吐出し、メインポンプ14の下流側の合流点でその作動油を合流させてもよい。
また、油圧ポンプとして動作するポンプモータ35は、エンジン11の駆動力を利用して、吐出圧Pp未満の圧力レベルにあるアキュムレータ部41内の作動油を吸い込む。その上で、ポンプモータ35は、吐出圧Pp以上の圧力レベルにある作動油を吐出し、メインポンプ14の下流側の合流点でその作動油を合流させる。なお、ポンプモータ35は、油圧ポンプとして動作する場合であっても、吐出圧Pp未満の圧力レベルにある作動油を吐出し、メインポンプ14の上流側の合流点でその作動油を合流させてもよい。
第3切換弁440は、アキュムレータ部41の放圧(力行)動作の際に、ポンプモータ35からメインポンプ14の上流側の合流点又は下流側の合流点への作動油の流れを制御する弁である。本実施例では、第3切換弁440は、3ポート2位置の切換弁であり、コントローラ30からの制御信号に応じて弁位置を切り換える電磁弁が用いられる。また、パイロット圧を用いた比例弁が用いられてもよい。具体的には、第3切換弁440は、第1位置及び第2位置を弁位置として有する。第1位置は、メインポンプ14の上流側の合流点とポンプモータ35の吐出ポートとを連通させ、且つ、メインポンプ14の下流側の合流点とポンプモータ35の吐出ポートとの間の連通を遮断する弁位置である。また、第2位置は、メインポンプ14の下流側の合流点とポンプモータ35の吐出ポートとを連通させ、且つ、メインポンプ14の上流側の合流点とポンプモータ35の吐出ポートとの間の連通を遮断する弁位置である。
第3逆止弁441は、メインポンプ14の上流側からポンプモータ35の吐出ポートに作動油が流れるのを防止する弁である。
第2放圧部45は、タンクとメインポンプ14とアキュムレータ部41との間の作動油の流れを制御する油圧回路要素である。本実施例では、第2放圧部45は、主に、第4切換弁450及び第4逆止弁451を含む。
第4切換弁450は、アキュムレータ部41の放圧(力行)動作の際に、アキュムレータ部41からメインポンプ14の上流側の合流点への作動油の流れを制御する弁である。本実施例では、第4切換弁450は、2ポート2位置の切換弁であり、コントローラ30からの制御信号に応じて弁位置を切り換える電磁弁が用いられる。また、パイロット圧を用いた比例弁が用いられてもよい。具体的には、第4切換弁450は、第1位置及び第2位置を弁位置として有する。第1位置は、メインポンプ14の上流側の合流点とアキュムレータ部41との間の連通を遮断する弁位置である。また、第2位置は、メインポンプ14の上流側の合流点とアキュムレータ部41とを連通させる弁位置である。
第4逆止弁451は、メインポンプ14の上流側の合流点及びアキュムレータ部41からタンクに作動油が流れるのを防止する弁である。
ここで、図4〜図7を参照しながら、コントローラ30がアキュムレータ部41の蓄圧及び放圧を制御する処理(以下、「蓄圧・放圧処理」とする。)について説明する。なお、図4は、蓄圧・放圧処理の流れを示すフローチャートであり、コントローラ30は、所定周期で繰り返しこの蓄圧・放圧処理を実行する。また、図5は、図3の油圧回路の状態と各切換弁の状態との対応関係を示す対応表である。また、図6は、「ポンプ放圧」にある油圧回路の状態を示し、図7は、「モータ放圧」にある油圧回路の状態を示す。
最初に、コントローラ30は、油圧ショベルの状態を検出するための各種センサの出力に基づいて、油圧アクチュエータの操作が行われたか否かを判定する(ステップST1)。本実施例では、コントローラ30は、圧力センサ29の出力に基づいて油圧アクチュエータの操作が行われたか否かを判定する。
油圧アクチュエータの操作が行われたと判定すると(ステップST1のYES)、コントローラ30は、その操作が回生操作又は力行操作の何れであるかを判定する(ステップST2)。本実施例では、コントローラ30は、圧力センサ29の出力に基づいて、旋回減速操作、ブーム下げ操作等の回生操作が行われたか、或いは、旋回加速操作、ブーム上げ操作等の力行操作が行われたかを判定する。
回生操作が行われたと判定すると(ステップST2のYES)、コントローラ30は、その回生操作が旋回減速操作であるか或いはそれ以外の回生操作であるかを判定する(ステップST3)。
そして、回生操作が旋回減速操作であると判定すると(ステップST3のYES)、アキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にあるか否かを判定する(ステップST4)。本実施例では、コントローラ30は、圧力センサS2L又は圧力センサS2Rが出力する旋回油圧モータ21の制動側(吐出側)の圧力Psoと、圧力センサS3が出力するアキュムレータ圧力Paとに基づいてアキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にあるか否かを判定する。具体的には、コントローラ30は、圧力Psoがアキュムレータ圧力Paを上回る場合にアキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にあると判定し、圧力Psoがアキュムレータ圧力Pa以下の場合に、アキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にないと判定する。
そして、アキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にあると判定すると(ステップST4のYES)、コントローラ30は、油圧回路の状態を「旋回蓄圧」の状態にする(ステップST5)。
図5に示すように、「旋回蓄圧」の状態では、コントローラ30は、アキュムレータ切換弁411を第2位置とし、アキュムレータ410と油圧回路の他の部分とを連通させる。また、コントローラ30は、第1切換弁420を第1位置又は第3位置とし、第1蓄圧部42を通じて旋回制御部40とアキュムレータ部41とを連通させる。また、コントローラ30は、第2切換弁430を第1位置とし、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとタンクとを連通させ、且つ、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとアキュムレータ部41との間の連通を遮断する。また、コントローラ30は、第3切換弁440を第1位置とし、メインポンプ14の上流側の合流点とポンプモータ35の吐出ポートとを連通させる。また、コントローラ30は、第4切換弁450を第1位置とし、メインポンプ14の上流側の合流点とアキュムレータ部41との間の連通を遮断する。また、コントローラ30は、ポンプモータ35を停止させ、第3切換弁440とアキュムレータ部41との間の連通を遮断する。ここで、ポンプモータ35の停止とは、最小流量(例えば、略ゼロ)に設定すること、又は、クラッチ機構の解放若しくは無段変速機構の出力回転速度が略ゼロとなる変速比への切り換えを行うことを含む。すなわち、コントローラ30は、ポンプモータ35による、アキュムレータ部41における作動油のメインポンプ14の上流側及び下流側への供給を禁止する。
その結果、「旋回蓄圧」の状態では、旋回油圧モータ21の制動側の作動油が第1蓄圧部42を通じてアキュムレータ部41に流れてアキュムレータ410に蓄積される。また、第2切換弁430、第3切換弁440、第4切換弁450がそれぞれアキュムレータ部41から見て遮断状態にあるため、旋回油圧モータ21の制動側の作動油がアキュムレータ部41以外の場所に流入することはない。
また、ステップST3において、回生操作が旋回減速操作以外の回生操作であると判定すると(ステップST3のNO)、コントローラ30は、アキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にあるか否かを判定する(ステップST6)。本実施例では、コントローラ30は、圧力センサS4が出力するブームシリンダ7のボトム側油室の圧力Pbbと、圧力センサS3が出力するアキュムレータ圧力Paとに基づいてアキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にあるか否かを判定する。具体的には、コントローラ30は、圧力Pbbがアキュムレータ圧力Paを上回る場合にアキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にあると判定し、圧力Pbbがアキュムレータ圧力Pa以下の場合に、アキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にないと判定する。
そして、アキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にあると判定すると(ステップST6のYES)、コントローラ30は、油圧回路の状態を「油圧シリンダ蓄圧」の状態にする(ステップST7)。本実施例では、コントローラ30は、回生操作がブーム下げ操作であると判定すると、油圧回路の状態を「油圧シリンダ蓄圧」の状態にする。
図5に示すように、「油圧シリンダ蓄圧」の状態では、コントローラ30は、第1切換弁420を第2位置とし、第1蓄圧部42を通じた旋回制御部40とアキュムレータ部41との間の連通を遮断する。また、コントローラ30は、第2切換弁430を第2位置とし、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとアキュムレータ部41とを連通させ、且つ、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとタンクとの間の連通を遮断する。なお、アキュムレータ切換弁411、第3切換弁440、第4切換弁450、ポンプモータ35の状態は、「旋回蓄圧」のときの状態と同じであるため、説明を省略する。
その結果、「油圧シリンダ蓄圧」の状態では、ブームシリンダ7のボトム側の作動油が第2蓄圧部43を通じてアキュムレータ部41に流れてアキュムレータ410に蓄積される。また、第1切換弁420、第3切換弁440、第4切換弁450がそれぞれアキュムレータ部41から見て遮断状態にあるため、ブームシリンダ7のボトム側の作動油がアキュムレータ部41以外の場所に流入することはない。
また、ステップST2において、回生操作ではなく力行操作であると判定すると(ステップST2のNO)、コントローラ30は、アキュムレータ部41の蓄圧状態が放圧に適した状態であるか否かを判定する(ステップST8)。本実施例では、コントローラ30は、圧力センサS3の出力に基づいて、アキュムレータ圧力Paが所定圧Pa0未満であるか否かを判定する。
そして、アキュムレータ部41の蓄圧状態が放圧に適した状態であると判定すると(ステップST8のYES)、コントローラ30は、アキュムレータ圧力Paが、圧力センサS1の出力である吐出圧Pp未満であるか否かを判定する(ステップST9)。本実施例では、アキュムレータ圧力Paが所定圧Pa0以上であると判定すると、コントローラ30は、アキュムレータ圧力Paが吐出圧Pp未満であるか否かを判定する。
そして、コントローラ30は、アキュムレータ圧力Paが吐出圧Pp未満であると判定すると(ステップST9のYES)、コントローラ30は、油圧回路の状態を「ポンプ放圧」の状態にする(ステップST10)。
図5に示すように、「ポンプ放圧」の状態では、コントローラ30は、第1切換弁420を第2位置とし、第1蓄圧部42を通じた旋回制御部40とアキュムレータ部41との間の連通を遮断する。また、コントローラ30は、第2切換弁430を第1位置とし、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとタンクとを連通させ、且つ、ブームシリンダ用流量制御弁17Bの排出ポートとアキュムレータ部41との間の連通を遮断する。また、コントローラ30は、第3切換弁440を第2位置とし、メインポンプ14の下流側の合流点とポンプモータ35の吐出ポートとを連通させる。また、コントローラ30は、第4切換弁450を第2位置とし、メインポンプ14の上流側の合流点とアキュムレータ部41とを連通させる。また、コントローラ30は、ポンプモータ35を油圧ポンプとして動作させる。
その結果、図6に示すように、「ポンプ放圧」の状態では、アキュムレータ部41内の作動油の一部は、ポンプモータ35によってその圧力が吐出圧Pp以上に高められ、第3切換弁440を通じてメインポンプ14の下流側の合流点で放出される。また、アキュムレータ部41内の作動油の別の一部は、第2放圧部45を通じてメインポンプ14の上流側の合流点で放出され、メインポンプ14によってその圧力が吐出圧Pp以上に高められる。そして、メインポンプ14が吐出する作動油は、第3切換弁440からの作動油と合流してコントロールバルブ17に向かって流れる。また、第1切換弁420、第2切換弁430がそれぞれアキュムレータ部41から見て遮断状態にあるため、アキュムレータ部41内の作動油がメインポンプ14の上流側の合流点及び下流側の合流点以外の場所で放出されることはない。
また、ステップST9において、アキュムレータ圧力Paが吐出圧Pp以上であると判定すると(ステップST9のNO)、コントローラ30は、油圧回路の状態を「モータ放圧」の状態にする(ステップST11)。
図5に示すように、「モータ放圧」の状態では、コントローラ30は、第3切換弁440を第1位置とし、メインポンプ14の上流側の合流点とポンプモータ35の吐出ポートとを連通させる。また、コントローラ30は、第4切換弁450を第1位置とし、メインポンプ14の上流側の合流点とアキュムレータ部41との間の連通を遮断する。また、コントローラ30は、ポンプモータ35を油圧モータとして動作させる。なお、アキュムレータ切換弁411、第1切換弁420及び第2切換弁430の状態は、「ポンプ放圧」のときの状態と同じであるため、説明を省略する。
その結果、図7に示すように、「モータ放圧」の状態では、アキュムレータ部41内の作動油は、ポンプモータ35によってその圧力が吐出圧Pp未満に低められ、第3切換弁440を通じて、メインポンプ14の上流側の合流点で放出される。また、第1切換弁420、第2切換弁430、第4切換弁450がそれぞれアキュムレータ部41から見て遮断状態にあるため、アキュムレータ部41内の作動油がメインポンプ14の上流側の合流点以外の場所で放出されることはない。
また、「モータ放圧」の状態では、ポンプモータ35は、油圧モータとして動作し、エンジン11をアシストする。そのため、エンジン11は、メインポンプ14におけるより大きな吸収馬力を許容でき、メインポンプ14は、吐出可能な最大流量を増大させることができる。具体的には、メインポンプ14は、ポンプモータ35によるアシストがない場合の許容最大吐出流量Q1(=η×Te×N/Pp)よりも大きな許容最大吐出流量Q2(=η×(Te+Tm)×N/Pp)を実現できる。なお、η、Te、Tm、N、Ppはそれぞれ、効率、エンジントルク、ポンプモータトルク、メインポンプ回転数、吐出圧を表す。
また、ステップST8において、アキュムレータ部41の蓄圧状態が放圧に適した状態でないと判定すると(ステップST8のNO)、コントローラ30は、油圧回路の状態を「タンク供給」の状態にし(ステップST12)、アキュムレータ部41からの作動油の放出を禁止する。
図5に示すように、「タンク供給」の状態では、コントローラ30は、アキュムレータ切換弁411を第1位置とし、アキュムレータ410と油圧回路の他の部分との間の連通を遮断する。また、コントローラ30は、第3切換弁440を第1位置とし、メインポンプ14の上流側の合流点とポンプモータ35の吐出ポートとを連通させる。また、コントローラ30は、第4切換弁450を第1位置とし、メインポンプ14の上流側の合流点とアキュムレータ部41との間の連通を遮断する。また、コントローラ30は、ポンプモータ35を停止させ、第3切換弁440とアキュムレータ部41との間の連通を遮断する。なお、第1切換弁420及び第2切換弁430の状態は、「ポンプ放圧」のときの状態と同じであるため、説明を省略する。
その結果、「タンク供給」の状態では、メインポンプ14は、タンクから吸い込んだ作動油を操作中の油圧アクチュエータに対して供給する。また、第1切換弁420、第2切換弁430、第3切換弁440、第4切換弁450がそれぞれアキュムレータ部41から見て遮断状態にあるため、アキュムレータ部41内の作動油が蓄積或いは放出されることはない。但し、第1切換弁420、第2切換弁430は、アキュムレータ部41が作動油を蓄積できるように切り換えられてもよい。
また、ステップST1において、油圧アクチュエータの操作が行われていないと判定すると(ステップST1のNO)、コントローラ30は、油圧回路の状態を「待機」の状態にする(ステップST13)。
図5に示すように、「待機」の状態では、アキュムレータ切換弁411、第1切換弁420、第2切換弁430、第3切換弁440、第4切換弁450、ポンプモータ35の状態は、「タンク供給」のときの状態と同じである。その結果、「待機」の状態では、アキュムレータ部41内の作動油が蓄積或いは放出されることはない。
また、ステップST4において、アキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にないと判定した場合にも(ステップST4のNO)、コントローラ30は、油圧回路の状態を「待機」の状態にする(ステップST13)。この場合、第1切換弁420が第2位置となるため、旋回油圧モータ21の制動側(吐出側)の作動油は、リリーフ弁400L又はリリーフ弁400Rを経由してタンクに排出される。
また、ステップST6において、アキュムレータ部41が蓄圧可能な状態にないと判定した場合にも(ステップST6のNO)、コントローラ30は、油圧回路の状態を「待機」の状態にする(ステップST13)。この場合、第2切換弁430が第1位置となるため、ブームシリンダ7のボトム側油室の作動油は、ブームシリンダ用流量制御弁17B及び第2切換弁430を経由してタンクに排出される。
次に、図8を参照して、図1のショベルに搭載されるアキュムレータ410の放圧について説明する。なお、図8は、アキュムレータ410の放圧の際の操作レバー圧力、アキュムレータ圧力、並びに、アキュムレータ切換弁411、第3切換弁440、及び第4切換弁450に対する制御信号の時間的推移の一例である。なお、本実施例では、図8上段の操作レバー圧力Piの推移は、ブーム操作レバーのブーム上げ方向への操作に応じて変動するパイロット圧の推移を表す。また、図8中段のアキュムレータ圧力Paの推移は、圧力センサS3の検出値の推移を表す。また、図8下段の制御信号の推移は、アキュムレータ切換弁411に対する制御信号の推移(一点鎖線)、第3切換弁440に対する制御信号の推移(実線)、及び第4切換弁450に対する制御信号の推移(点線)を示す。
時刻t1において、ブーム操作レバーが中立位置からブーム上げ方向に傾けられると、操作レバー圧力Piは、レバー傾斜量に応じた圧力まで増大する。
コントローラ30は、圧力センサ29の出力に基づいて力行操作としてのブーム上げ操作が行われたと判定すると、アキュムレータ圧力Paが所定圧Pa0以上であるか否かを判定する。
そして、コントローラ30は、アキュムレータ圧力Paが所定圧Pa0以上であり、アキュムレータ圧力Paが放圧に適したレベルにあると判定すると、アキュムレータ410内の作動油を放出させる。
本実施例では、コントローラ30は、時刻t1においてアキュムレータ410内の作動油の放出を開始させる。
具体的には、図8中段に示すように、時刻t1においてアキュムレータ圧力Paがメインポンプ14の吐出圧Pp以上であると判定すると、コントローラ30は、油圧回路の状態を「モータ放圧」の状態にする。なお、吐出圧Ppは、実際には負荷に応じて変化する変動値であるが、本実施例では説明の簡略化のために一定値とする。
より具体的には、コントローラ30は、図8下段に示すように、時刻t1においてアキュムレータ切換弁411に対する制御信号のレベルをONレベル(第2位置を実現するためのレベル)にする。ONレベルの制御信号を受信したアキュムレータ切換弁411は第2位置となり、アキュムレータ410と油圧回路の他の部分とを連通させる。そして、コントローラ30は、ポンプモータ35を油圧モータとして動作させる。そのため、アキュムレータ部41内の作動油は、ポンプモータ35によってその圧力が吐出圧Pp未満に低められ、第1位置にある第3切換弁440を通じて、メインポンプ14の上流側の合流点で放出される。このようにして、ブームシリンダ7のボトム側油室は、アキュムレータ410から放出される作動油を受け入れて伸張し、ブーム4を上昇させるようにする。
このように、アキュムレータ410は、時刻t1において、アキュムレータ410内の作動油をメインポンプ14の上流側の合流点に放出する。そのため、アキュムレータ圧力Paは、図8中段に示すように、時間の経過と共に減少し、時刻t2において吐出圧Ppを下回る。
時刻t2においてアキュムレータ圧力Paが吐出圧Pp未満であると判定すると、コントローラ30は、油圧回路の状態を「ポンプ放圧」の状態にする。
より具体的には、コントローラ30は、図8下段に示すように、時刻t2において、第3切換弁440に対する制御信号のレベルをONレベル(第2位置を実現するためのレベル)にし、且つ、第4切換弁450に対する制御信号のレベルをONレベルにする。ONレベルの制御信号を受信した第3切換弁440は第2位置となり、メインポンプ14の下流側の合流点とポンプモータ35の吐出ポートとを連通させる。また、ONレベルの制御信号を受信した第4切換弁450は第2位置となり、メインポンプ14の上流側の合流点とアキュムレータ410とを連通させる。そして、コントローラ30は、ポンプモータ35を油圧ポンプとして動作させる。そのため、アキュムレータ部41内の作動油の一部は、ポンプモータ35によってその圧力が吐出圧Pp以上に高められ、第3切換弁440を通じてメインポンプ14の下流側の合流点で放出される。また、アキュムレータ部41内の作動油の別の一部は、第2放圧部45を通じてメインポンプ14の上流側の合流点で放出され、メインポンプ14によってその圧力が吐出圧Pp以上に高められる。そして、メインポンプ14が吐出する作動油は、第3切換弁440からの作動油と合流してコントロールバルブ17に向かって流れる。このようにして、ブームシリンダ7のボトム側油室は、アキュムレータ410から放出された作動油を受け入れて伸張し、ブーム4の上昇を継続させるようにする。
このように、アキュムレータ410は、時刻t2において、アキュムレータ410内の作動油の一部をメインポンプ14の上流側の合流点に放出することに加え、アキュムレータ410内の作動油の別の一部をメインポンプ14の下流側の合流点にも放出する。その後、アキュムレータ圧力Paは、図8中段に示すように、時間の経過と共に減少し続け、時刻t3において所定圧Pa0を下回る。
時刻t3においてアキュムレータ圧力Paが所定圧Pa0未満であると判定すると、コントローラ30は、油圧回路の状態を「タンク供給」の状態にする。
より具体的には、コントローラ30は、図8下段に示すように、時刻t3において、アキュムレータ切換弁411及び第4切換弁450のそれぞれに対する制御信号のレベルをOFFレベルにする。OFFレベルの制御信号を受信したアキュムレータ切換弁411及び第4切換弁450はそれぞれ第1位置となり、アキュムレータ410と油圧回路の他の部分との連通、及び、メインポンプ14の上流側の合流点とアキュムレータ410との間の連通を遮断する。また、コントローラ30は、ポンプモータ35を停止させ、メインポンプ14の下流側の合流点とアキュムレータ410との間の連通を遮断する。すなわち、コントローラ30は、アキュムレータ410内の作動油の一切の放出を停止する。そして、ブームシリンダ7のボトム側油室は、タンクから作動油を吸い込んだメインポンプ14が吐出する作動油を受け入れて伸張し、ブーム4の上昇をさらに継続させるようにする。
時刻t4においてブーム操作レバーが中立位置に戻されると、ブームシリンダ用流量制御弁17Bは、メインポンプ14とブームシリンダ7との間の連通を遮断し、ブームシリンダ7のボトム側油室の伸張を停止させる。
以上の構成により、第1実施例に係る油圧回路は、油圧アクチュエータから排出される回生可能なエネルギを伴う作動油をアキュムレータ410に蓄積した上で再利用できる。また、第1実施例に係る油圧回路は、アキュムレータ圧力Paが吐出圧Pp以上の場合ばかりでなく、吐出圧Pp未満の場合であっても、アキュムレータ部41内の作動油を利用できるようにする。そのため、第1実施例に係る油圧回路は、アキュムレータ部41に蓄積された油圧エネルギをより効率的に利用することができる。
具体的には、上述の油圧回路は、アキュムレータ部41の圧力が、動作させようとする油圧アクチュエータの駆動側の圧力より低い場合であっても、アキュムレータ部41の放圧(力行)動作を実行させることができる。
また、上述の油圧回路は、力行操作が行われる場合には、アキュムレータ部41に作動油を流入させないようにするが、アキュムレータ部41に作動油を流入させてもよい。
また、上述の油圧回路において、コントローラ30は、旋回蓄圧と油圧シリンダ蓄圧とを二者択一的に実行するが、旋回蓄圧及び油圧シリンダ蓄圧を同時に実行してもよい。具体的には、コントローラ30は、第1切換弁420を第1位置又は第3位置としながら、第2切換弁430を第2位置としてもよい。
また、上述の油圧回路は、油圧アクチュエータからの戻り油をアキュムレータ部41に蓄積し、その蓄積した作動油を必要に応じて放出できる。そのため、上述の油圧回路は、アキュムレータ部41が無い構成に比べてタンクの容量を小さくでき、或いは、タンク自体を省略できる。
また、上述の油圧回路は、メインポンプ14の上流側の合流点又は下流側の合流点でアキュムレータ部41からの作動油を合流させる構成を有する。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、本発明の実施例に係る油圧回路は、メインポンプ14の下流側の合流点でアキュムレータ部41からの作動油を合流させる構成の代わりに、アキュムレータ部41から油圧アクチュエータに直接的に作動油を放出できる構成を有していてもよい。その上で、本発明の実施例に係る油圧回路は、メインポンプ14の上流側の合流点でアキュムレータ部41からの作動油を合流させる構成を有するものであってもよい。
また、第1実施例に係る油圧回路は、メインポンプ14の上流側の合流点でアキュムレータ部41からの作動油を放出できるようにする。そのため、メインポンプ14は、比較的低い圧力の作動油をタンクから吸い込んで吐出する場合に比べて吸収馬力(所定量の作動油を吐出するために必要なトルク)を低減でき、省エネルギ化を促進できる。また、メインポンプ14は、吐出量制御の応答性を高めることができる。
また、第1実施例において、アキュムレータ部41は、単一のアキュムレータ410を有する。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、アキュムレータ部41は、並列に接続される2以上のアキュムレータを含んでいてもよい。また、各アキュムレータの容量は任意であり、全て同じ容量であってもよく、それぞれ異なる容量であってもよい。
また、各アキュムレータの最大放出圧力は、それぞれ異なる圧力であってもよい。要求される放出圧力に応じて、最大放出圧力をそれぞれ異ならせた複数のアキュムレータから作動油の供給元又は蓄積先としてのアキュムレータを選択できるようにするためである。なお、「最大放出圧力」とは、アキュムレータが放出できる最大の圧力であり、蓄圧(回生)動作の際のアキュムレータの最大圧力によって決まる圧力である。
また、各アキュムレータは、それぞれ異なるタイミングで蓄圧され或いは放圧されてもよく、2つ以上のアキュムレータが、部分的に或いは全体的に重複するタイミングで蓄圧され或いは放圧されてもよい。