JP6338077B2 - 設備計画支援システム、設備計画支援方法及びプログラム - Google Patents
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Description
以下、本発明の一実施形態による設備計画支援システムを図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態における設備計画支援システムの構成の一例を示す概略ブロック図である。本実施形態において、設備計画支援システムは、例えば、1台のPCやサーバ装置によって構成される。図1の設備計画支援装置10は、設備計画支援システムの一例である。設備計画支援装置10は、さまざまな製品に対する世界中の顧客からの需要(注文)に対し、納期を守りながら製品を供給できるように、それぞれの製品を生産する拠点の設備計画を支援する情報を提供する。生産拠点は、世界の各所に存在し、ある製品の生産工程は、1つの生産拠点で行われるとは限らない。例えば、ある製品の生産についてある生産工程を日本で行い、それ以降の生産工程をアメリカで行うなど、地理的に離れた拠点間を跨いで生産が行われる場合がある。また、顧客からの注文内容を示す情報である需要情報は、膨大なデータ量であり、さらに次々と新たな需要情報が発生する。これらの需要情報に含まれる製品について、その生産工程ごとに生産拠点を割り当てて各生産拠点の設備の分析や計画を行うことは手動では困難である。なお、本明細書中、生産工程とは、ある製品を生産する一連の全工程を構成する、1つ1つの工程を示している。
生産グループ条件取得部12は、需要情報を、生産工程ごとに、製品の種類や顧客の生産拠点に対する要求に応じたグループに分類する条件を示す生産グループ条件を取得する。
工程グルーピング実施部13は、需要情報を、生産工程ごとに生産グループ条件に基づいて分類する。
生産ルート集約部14は、生産グループ条件に基づいて分類した需要情報について、当該需要情報に含まれる生産工程ごとの生産拠点に応じた生産ラインを割り当てて生産ルートを決定し、さらに、需要情報を当該生産ルートごとに集約する。
生産割当部15は、集約した生産ルートごとに、その生産ルートを構成する各生産ラインに需要情報に基づく生産量を割り当てる。
設備能力比較部16は、生産割当部15が割り当てた生産ラインごとの生産量と予め定められた生産ラインごとの設備能力との比較を行う。
記憶部17は、需要情報取得部11が取得した需要情報など種々の情報を記憶する。
図示するように需要情報は、「需要No」、「顧客」、「小組立拠点」、「部品加工拠点」、「タイプ」、「燃料」の各項目を有している。この需要情報は、例えばターボチャージャに関する需要情報である。需要情報とは、実際に顧客から受けた注文や、量産品の場合には需要の予測に基づく注文の内容を示した情報である。「需要No」には、あるターボチャージャ製品に対する需要情報の識別子が格納されている。「顧客」には、当該需要情報に係る製品を購入する顧客を示す情報が格納されている。「小組立拠点」には、その需要情報に係る製品の小組立を行う生産拠点が格納されている。「部品加工拠点」には、その需要情報に係る製品の部品加工を行う生産拠点が格納されている。ここでは、生産工程の一例として需要情報に「小組立拠点」、「部品加工拠点」が含まれる場合を例に挙げたが、需要情報には、他の種類の生産工程における生産拠点を指定する項目が含まれていてもよい。「タイプ」には、ターボチャージャの種類を示す型番などが格納される。「燃料」には、ターボチャージャの動作に用いられる燃料の種類が格納される。これら「タイプ」、「燃料」は、生産するターボチャージャの種類を規定する情報である。また、需要情報には、この他にも、例えば製品の生産個数や納期、納品先の情報を格納する項目が含まれている。需要情報取得部11は、この需要情報を取得し、記憶部17へ記録する。
本実施形態において、製品の種類(仕様)によって生産できる生産ラインは決まる。また、顧客からの要望により生産ラインが決まることもある。この生産グループ条件は、需要情報を生産工程ごとに同じ生産ラインで生産することができるもの同士に分類するために用いる。図示するように生産グループ条件は、「工程」、「顧客」、「小組立拠点」、「部品加工拠点」、「タイプ」、「燃料」の各項目を有している。「工程」には、その生産グループ条件の対象となる生産工程が格納されている。「小組立拠点」には、小組立を行う拠点の条件が格納されている。「部品加工拠点」には、部品加工を行う拠点の条件が格納されている。「タイプ」および「燃料」には、ターボチャージャの種類の条件が、格納されている。この生産グループ条件は、予め記憶部17に記録された情報である。
次に、需要情報と生産グループ条件とを用いて、製品単位の需要情報を生産工程ごとに設備単位でグルーピングする処理について説明を行う。
図4Bは、本発明の第一実施形態における工程グルーピング処理を説明する第二の図である。
図4Cは、本発明の第一実施形態における工程グルーピング処理を説明する第三の図である。
図4A〜図4Cは、工程グルーピング実施部13が、図2に例示した需要情報の小組立工程について、工程グルーピング処理を実施した結果を示したものである。
図4Aは、工程グルーピング実施部13が、図2の需要情報を図3の1行目の生産グループ条件でグルーピングしたことによって生成されるグループである。工程グルーピング実施部13は、需要No=1の需要情報を記憶部17から読み出し、生産工程ごとに分割する。分割後のデータは、例えば、小組立工程のデータは、「需要No」、「顧客」、「小組立拠点」、「タイプ」、「燃料」の各項目を有する情報である。一方、部品加工工程のデータは、「需要No」、「顧客」、「部品加工拠点」、「タイプ」、「燃料」の各項目を有する情報である。これら、需要情報を生産工程ごとに分割した情報を分割需要情報と呼ぶ。
図4Bは、図2の需要情報に係る小組立工程の分割需要情報を図3の2行目の生産グループ条件でグルーピングしたことによって生成されるグループである。このグループには、需要No=4、6の分割需要情報がグルーピングされる。需要No=4、6の分割需要情報が属するグループを「Gr No.2」とする。
例えば顧客からの要望のような優先的な条件については、生産グループ条件のより上位に設定しておくことで、当該条件を満たす需要情報を、より確実に1つのグループに分類することができる。
続いて、生産ルート集約部14は、拠点で集約した各拠点集約グループに対して、その工程を行う生産ラインを割り当てる。図4A〜図4Cの「生産ライン」項目は、生産ルート集約部14が割り当てた生産ラインが格納されている。この生産ラインの情報は、例えば、顧客と小組立拠点と製品の種類ごとに予め記憶部17に記録されており、生産ルート集約部14は、この情報を読み出して、各拠点集約グループに生産ラインを割り当てる。
図5Bは、本発明の第一実施形態における工程グルーピング処理を説明する第五の図である。
図5Cは、本発明の第一実施形態における工程グルーピング処理を説明する第六の図である。
図5A〜図5Cは、工程グルーピング実施部13が、図2に例示した需要情報に係る部品加工工程の分割需要情報について、グルーピング処理を実施した結果を示したものである。
工程グルーピング実施部13のグルーピング処理の方法は、小組立工程の場合と同様である。但し、部品加工工程の場合、工程グルーピング実施部13は、需要情報の「顧客」、「部品加工拠点」、「タイプ」、「燃料」の各値を条件に、生産グループ条件からそれらを満たす生産グループ条件を取得する。図3の生産グループ条件のより上位に記載された条件をより優先的に取得することは小組立工程の場合と同じである。
同様にして、需要No=3、4、5、6、7の部品加工工程の分割需要情報がGr No.6にグルーピングされる。
図5Aは、図3の4行目の生産グループ条件を満たすグループである。このグループを「Gr No.4」とする。図2の需要情報の中には、図3の4行目の生産グループ条件を満たすデータが存在しない為、Gr No.4には、データが存在しない。
図6Bは、本発明の第一実施形態における生産ルートの集約処理を説明する第二の図である。
図6Cは、本発明の第一実施形態における生産ルートの集約処理を説明する第三の図である。
図6Dは、本発明の第一実施形態における生産ルートの集約処理を説明する第四の図である。
図6Eは、本発明の第一実施形態における生産ルートの集約処理を説明する第五の図である。
図6Fは、本発明の第一実施形態における生産ルートの集約処理を説明する第六の図である。
図6A〜図6Fは、生産ルート集約部14が、生産ラインを割り当てた各生産工程の分割需要情報を足し合わせて分割前の需要情報に各生産工程の生産ラインが加わった情報を生成し、さらにそれらを生産ルートごとに集約した結果を示している。
図6A〜図6Fは、図4A〜図4C、図5A〜図5Cで示した生産ラインの情報を付加した生産工程ごとの拠点集約グループを組み合わせ需要情報単位とし、生産ルートごとに集約したデータである。生産ルートとは、どの設備を使って加工や組み立てを行い、顧客に届けるかを示す情報である。これまでに説明したとおり、各需要情報に関する製品の生産は、小組立工程を図4A〜図4Cの説明で割り当てた生産ラインで行い、部品加工工程を図5A〜図5Cの説明で割り当てた生産ラインで行う。図6A〜図6Fの「生産ルート」に記載された生産ラインは、小組立工程と部品加工工程に割り当てられた生産ラインであって、これらの組み合わせが生産ルートとなることを示している。図6Aは、需要No=1の製品について、部品加工を日本(生産ライン=L7)で行い、小組立工程を日本(生産ライン=L1)で行うことを示している。同様に、図6Bは、需要No=4の製品について、部品加工工程をインドまたは日本(生産ライン=L8)で行い、小組立工程をインド(生産ライン=L2)で行うことを示している。図6C〜図6Eについても同様である。また、図6Fは、需要No=5の製品と需要No=7の製品について、部品加工を日本(生産ライン=L7)で、小組立工程をアメリカ(生産ライン=L5)で行うことを示している。
このように、需要情報に対して、生産工程ごとに生産拠点と生産ラインを割当てることで各需要情報の生産ルートが決定し、さらにそれら生産ラインの情報が加えられた需要情報を生産ルートごとに集約することで、膨大な需要情報を生産ルート単位に集約することができる。需要情報を生産ルート単位に集約すると、ある一つの生産ルートについて、各生産工程間の輸送リードタイムを生産ルート単位で一律に設定できるようになる。また、生産ルート単位で需要情報を集約することで、需要情報の数が膨大になったとしても、輸送リードタイムを考慮するパターンの数は増加しない。次に、生産割当部15による生産ラインごとの生産割付処理について説明を行う。
部品加工工程から小組立工程へ工程を進めるためには、部品加工を行う拠点の生産ラインから小組立を行う拠点の生産ラインへの輸送リードタイムが発生する。各生産ライン間のリードタイムは、予め定められており記憶部17に記録されている。生産割当部15は、各工程の生産ラインを有する拠点間の輸送リードタイムを記憶部17から読み出して、生産ライン間ごとに割り当てる。生産割当部15は、全生産ルートに対し、生産ルート単位でこの輸送リードタイムの割り当て処理を行う。図7は、生産割当部15が各生産ルートについて、輸送リードタイムを割り当てた結果を示している。例えば、破線20で囲んだ範囲が示す生産ルートNo1の部品加工工程の生産ラインはL7で、小組立工程の生産ラインはL1である。生産割当部15は、生産ライン=L7〜L1の間の輸送リードタイムを記憶部17から読み出す。図7の例では、生産ラインL7と生産ラインL1の間の輸送リードタイムは1週間である。また、生産割当部15は、小組立工程とその後の工程である総組み立て工程の間の輸送リードタイムについても同様にして輸送リードタイムを記憶部17から読み出す。図7の例では、生産ラインL1から需要No=1の需要情報に対する最終組み立て工程を行う生産ラインを有する拠点までの輸送リードタイムは1週間である。なお、総組み立て工程を行う拠点は、納品場所の近くであって総組み立てが可能な生産ラインを有する拠点が選択される。また、総組み立て工程が完了すると製品が顧客が指定する場所へ納品される。
生産割当部15は、輸送リードタイムの割り当てが終わると、需要情報単位で、納期や生産個数を考慮して、各生産工程を行うべき時期を求め、各生産ラインに需要情報に基づく生産量を割り当てる生産割付を行う。図8は、需要No=1、3、5、6、7の需要情報について生産割付を行った場合の、部品加工工程と小組立工程における生産割付結果を示したものである。生産割当部15は、需要情報に含まれる製品の納期の情報から、総組み立て工程から納品までに掛かる輸送等の時間、総組み立て工程に掛かる時間、小組立工程を行う生産ラインを有する拠点から総組み立て工程を行う拠点への輸送リードタイム、小組立工程に掛かる時間などを加えた時間分を逆算して、小組立工程を行う時期を特定する。生産割当部15が特定した結果、図8が示すように、需要No=1、3、5、6、7のいずれの場合も小組立工程を2月の第3週に行わなければならなくなったとする。次に、生産割当部15は、部品加工工程から小組立工程の輸送リードタイム、部品加工工程に掛かる時間などを加えた時間分を逆算して、部品加工工程を行う時期を特定する。ここで、部品加工工程に1週間かかるとすると、図8の場合、生産割当部15は、小組立工程を日本で行う分(生産ライン=L1,L5)に関しては、輸送リードタイムの1週間、部品加工工程の1週間を考慮して、部品加工工程を2月の第1週に行うことを特定する。また、生産割当部15は、生産ラインL7で2月第1週に加工する部品の個数(例えば1000個)を算出する。また、生産割当部15は、小組立工程をアメリカで行う分(生産ライン=L3、L5)に関しては1月第3週に行うことを特定する。また、生産割当部15は、生産ラインL7で1月第3週に加工する部品の個数(例えば1300個)を算出する。なお、各生産工程に掛かる時間は予め記憶部17に記録されている。
図9のグラフは、ある生産ラインにおける需要情報に基づく生産量と設備能力の時間的推移を示したものである。図9の縦軸は生産量を、横軸は時期を示している。図8で説明したように、生産割当部15は、生産割当処理を行って、生産ラインごとに生産量と生産を行う時期を求める。設備能力比較部16は、予め定められた各生産ラインの設備能力(例えば、部品加工であれば、所定期間に何個の部品を加工できるか)を記憶部17から読み出し、生産割当部15が求めた生産量の推移と比較する。図9において、グラフ21は、予め定められた生産ラインの設備能力を示している。また、グラフ22A、22B、22C、22Dは、生産割当部15が算出した時期ごとの需要情報に基づく生産量を示している。
設備能力比較部16は、例えば図9で例示した比較結果を、設備計画支援装置10に接続されたディスプレイ装置に出力する。また、設備能力比較部16は、グラフ22Cの生産量が、グラフ21が示す生産量を上回っていることを検出し、1月第3週の需要情報に基づく生産量が設備能力を超えることを出力してもよい。
ユーザは、この比較結果を見て、例えば、1月第3週の生産を比較的余裕のある1月第2週に前倒しすることを決定することができる。あるいは、ユーザは、他の拠点に生産量が分散するように図2で例示した生産グループ条件を変更して、再度、設備計画支援装置10にこれまで説明した処理を行わせ、設備能力比較部16による比較結果を確認しながら生産量と設備能力の調整を行ってもよい。また、ユーザは、設備能力の増強(設備の増設、移設など)を検討してもよい。
図10は、本発明の第一実施形態における設備計画支援システムの処理フローである。
まず、ユーザが、設備計画支援装置10に需要情報の入力を行う。すると、需要情報取得部11が、需要情報を取得し(ステップS11)、記憶部17に記録する。次にユーザが、設備計画支援装置10に、需要情報に基づく生産量と設備能力の比較処理の実行を指示する。すると、生産グループ条件取得部12が、記憶部17から生産グループ条件を読み出して工程グルーピング実施部13へ出力する。次に、工程グルーピング実施部13が、記憶部17から需要情報を読み出して、需要情報を生産工程ごとに分割し、分割需要情報を生産グループ条件に基づいてグルーピングする(ステップS12)。グルーピング処理については図4A〜図4C、図5A〜図5Cで説明したとおりである。次に、生産ルート集約部14は、生産ルートの集約を行う(ステップS13)。具体的には、生産ルート集約部14は、工程グルーピング実施部13が分類したグループを更に生産拠点ごとに集約し、集約してできた拠点集約グループに生産ラインを割り当てる。次に、生産ルート集約部14は、生産ラインを割り当てた生産工程ごとの分割需要情報を、同じ需要Noを持つ情報同士を足し合わせて、需要情報ごとの生産ルートを決定する。生産ルートは、各生産工程の生産ラインを組み合わせた情報を含んでいる。また、生産ルート集約部14は、生産ルートを決定した全需要情報を、生産ルート単位に集約する。需要情報が同一の生産ルートのグループに属する場合、それらの需要情報に関する製品は、全工程について同じ生産ラインで生産することを意味する。生産ルート集約部14は、図6で例示したような需要情報と生産ルートを対応付けた情報を記憶部17に記録する。
以下、本発明の第二実施形態による設備計画支援システムを、図11を参照して説明する。
第一実施形態では、生産割当を現状の設備能力に関係なく行った。第二実施形態では、生産割当に数理最適化手法を用いる。次に図11を用いて、本実施形態の処理について説明を行う。
ステップS11〜S13までは第一実施形態と同様である。つまり、需要情報取得部11が、需要情報を取得し(ステップS11)、工程グルーピング実施部13が、需要情報を工程ごとに生産グループ条件に基づいてグルーピングする(ステップS12)。次に、生産ルート集約部14が、グルーピングされた各工程を拠点で集約して生産ラインと紐付け、生産ルートで集約を行う(ステップS13)。
次に、生産割当部15が、数理計画手法を用いて生産割当を行う(ステップS141)。例えば、生産割当部15は、以下の数理最適化問題を、例えば線形最適化問題などのモデルを用いて解く。生産割当部15は、求めた最適化変数を用いて生産割当を行う。
各生産ラインの生産量
各生産ライン間の輸送量
各生産ラインの在庫量
[制約条件]
輸送リードタイムを考慮した物流
生産量が設備能力を超えない
[目的関数]
生産コスト、輸送コスト、在庫コストの合計を最小化する。
以下、本発明の第三実施形態による設備計画支援システムを、図12を参照して説明する。
第三実施形態では、生産割当に加え、設備計画についても数理最適化手法を用いる。次に図12を用いて、本実施形態の処理について説明を行う。
ステップS11〜S13までは第一実施形態、第二実施形態と同様であるため、説明を省略する。次に、生産割当部15が、数理計画手法を用いて生産割当および設備計画を行う(ステップS142)。本実施形態では、生産割当部15は、以下の数理最適化問題を、公知の手法を用いて解く。生産割当部15は、求めた最適化変数(各生産ラインの生産量、各生産ライン間の輸送量、各生産ラインの在庫量)を用いて生産割当処理を行う。
各生産ラインの生産量
各生産ライン間の輸送量
各生産ラインの在庫量
各生産ラインの設備の増減数
[制約条件]
輸送リードタイムを考慮した物流
生産量が設備能力を超えない
[目的関数]
生産コスト、輸送コスト、在庫コスト、生産ラインの設備の増減コストの合計を最小化する。
以下、本発明の第四実施形態による設備計画支援システムを図13〜図16を参照して説明する。
第一実施形態〜第三実施形態では、生産能力と設備能力の比較が行われるが、様々な状況の変化、制約等が加わると、生産割当部15による割り当てどおりに生産を行うことが難しい場合がある。この第四実施形態に係る設備計画支援装置10は、生産計画の調整を行う機能を有している。
本発明の第四実施形態に係る構成のうち、本発明の第一実施形態に係る設備計画支援装置10と同様の機能部には同じ符号を付し説明を省略する。
第四実施形態に係る設備計画支援装置10は、第一実施形態の構成に加えて生産計画調整部18を備えている。
生産計画調整部18は、生産割当部15が割り当てた生産ラインごとの需要情報に基づく生産量について、当該生産量の生産に対して影響をおよぼす要因となる制約情報をディスプレイ装置などに出力して、ユーザに提示する。より具体的には、生産計画調整部18は、生産割当部15が生産ラインに割り当てた製品について、当該製品の生産量と生産する時期とを示した生産スケジュール情報を提示する。生産計画調整部18は、この生産スケジュール情報に加えて、当該製品への出荷情報、在庫情報を提示する。また、生産計画調整部18は、この生産スケジュール情報に加えて、当該生産ラインで計画されている例えば日ごと生産量に対する生産ラインの生産能力の上限を示す情報を提示する。また、生産計画調整部18は、この生産スケジュール情報に加えて、当該製品の生産に使用される使用部品の在庫情報の推移を提示する。これらの情報を提示することで、ユーザは、生産割当部15が計画した生産計画通りに生産が可能かどうかを、部品ごと、生産ラインごとに把握することができる。また、生産計画調整部18は、提示した制約情報に対してユーザが入力した生産量の変更を指示する生産計画調整情報を取得して、その生産計画調整情報によって、生産割当部15による割り当てを変更する。
また、記憶部17は、製品ごとの出荷情報、在庫情報、製品の生産に用いる使用部品の在庫情報を記憶している。出荷情報には、製品の出荷日、出荷数量などの情報が含まれる。
図14は、生産計画調整部18が生成した生産計画調整画面100の画面イメージの一例である。生産計画調整画面100は、製品ごとの生産計画に関する情報を提示する領域101と、生産ラインごとの生産能力に関する情報を提示する領域102と、使用部品の在庫量推移の情報を提示する領域103と、を含む。
図16は、本発明の第四実施形態における生産計画調整機能を説明する第三の図である。
図15は、図14の製品γの在庫量が負の値になっていることに対し、ユーザが、生産計画の調整を行った例を示している。ユーザは、3月2日に予定されている出荷(「200」個)に対して、製品γの在庫量が「−125」となること見て、欠品が生じないように、例えば、3月1日に製品γを「300」個生産するよう計画したとする。ユーザは、生産計画調整画面100の領域101の「3/1」列の7行目に300を入力する。生産計画調整部18は、ユーザによって入力された値「300」と、対応する日付(「3/1」)、製品(「製品γ」)、生産ライン(「L1」)の情報を取得し、取得した情報を記憶部17に記録する。例えば、生産計画調整部18は、記憶部17が記憶する生産割当部15が記録した需要Noと稼働時期と生産個数を対応付けた情報(図10のステップS14)を、取得した情報で更新する。また、生産計画調整部18は、ユーザが入力した値を反映した生産計画調整画面100を生成する。具体的には、生産計画調整部18は、ユーザが入力した値を取得し、「3/1」列の「合計数量」および「組立時間(H)」および「段取時間(H)」および「能力(H)」、3月1日より後の日付の製品γの在庫量を再計算する。図15は、生産計画調整部18がこれらの計算を行った後に生成した生産計画調整画面100である。
また、設備計画支援システムは、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
11 需要情報取得部
12 生産グループ条件取得部
13 工程グルーピング実施部
14 生産ルート集約部
15 生産割当部
16 設備能力比較部
17 記憶部
18 生産計画調整部
Claims (12)
- 一つ又は複数の生産拠点における生産工程を経て生産される製品に対する需要を示す製品単位の情報であって、その製品の種類や顧客の前記生産拠点に対する要求を含む需要情報を取得する需要情報取得部と、
前記需要情報を、前記生産工程ごとに、前記製品の種類や前記顧客の生産拠点に対する要求に応じたグループに分類する条件を示す生産グループ条件を取得する生産グループ条件取得部と、
前記需要情報を、前記生産工程ごとに、前記生産グループ条件に基づいて分類する工程グルーピング実施部と、
前記分類した需要情報について、当該需要情報に含まれる前記生産工程ごとの前記生産拠点に応じた生産ラインを割り当てて生産ルートを決定し、前記需要情報を当該生産ルートごとに集約する生産ルート集約部と、
前記集約した生産ルートごとに、当該生産ルートを構成する各生産ラインに前記需要情報に基づく生産量を割り当てる生産割当部と、
を備える設備計画支援システム。 - 前記生産割当部は、前記生産ルートを構成する各生産ライン間に輸送リードタイムを設け、前記需要情報に基づく生産量を割り当てる、
請求項1に記載の設備計画支援システム。 - 前記生産割当部が割り当てた生産ラインごとの生産量と予め定められた生産ラインごとの設備能力との比較を行う設備能力比較部、
をさらに備える請求項1または請求項2に記載の設備計画支援システム。 - 前記生産割当部は、予め定められた各生産ラインの設備能力を超えず、且つ、コストが最小となるように生産割当を行う、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の設備計画支援システム。 - 前記生産割当部は、さらに各生産ラインの設備能力を可変に設計し、生産ラインの増減コストを含むコストが最小となるように生産割当を行う、
請求項4に記載の設備計画支援システム。 - 前記生産割当部が割り当てた生産ラインごとの前記需要情報に基づく生産量について、当該生産量の生産に対して影響をおよぼす要因となる制約情報を提示し、その制約情報に対する前記生産量の変更を指示する生産計画調整情報を取得して、取得した生産計画調整情報によって前記生産割当部による割り当てを変更する生産計画調整部、
をさらに備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載の設備計画支援システム。 - 前記制約情報は、前記需要情報取得部が取得した需要情報に含まれない、他の需要に基づく出荷情報であって、
前記生産計画調整部は、前記生産割当部が生産ラインに割り当てた製品について、当該製品の生産量と生産する時期とを示した生産スケジュール情報とともに、前記出荷情報を前記生産スケジュール情報に対応付けて提示する、
請求項6に記載の設備計画支援システム。 - 前記制約情報は、前記生産割当部が生産ラインに割り当てた製品の在庫情報であって、
前記生産計画調整部は、前記生産割当部が生産ラインに割り当てた製品について、当該製品の生産量と生産する時期とを示した生産スケジュール情報とともに、前記在庫情報を前記生産スケジュール情報に対応付けて提示する、
請求項6または請求項7に記載の設備計画支援システム。 - 前記制約情報は、前記生産割当部が割り当てた生産ラインの生産能力を示す情報であって、
前記生産計画調整部は、前記生産割当部が生産ラインに割り当てた製品について、当該製品の生産量と生産する時期とを示した生産スケジュール情報とともに、当該生産ラインの生産能力を示す情報を前記生産スケジュール情報に対応付けて提示する、
請求項6から請求項8の何れか1項に記載の設備計画支援システム。 - 前記制約情報は、前記生産割当部が生産ラインに割り当てた製品の生産に使用する使用部品の在庫情報であって、
前記生産計画調整部は、前記生産割当部が生産ラインに割り当てた製品について、当該製品の生産量と生産する時期とを示した生産スケジュール情報とともに、当該製品の使用部品の在庫情報を前記生産スケジュール情報に対応付けて提示する、
請求項6から請求項9の何れか1項に記載の設備計画支援システム。 - 設備計画支援システムが、
一つ又は複数の生産拠点における生産工程を経て生産される製品に対する需要を示す製品単位の情報であって、その製品の種類や顧客の前記生産拠点に対する要求を含む需要情報を取得し、
前記需要情報を、前記生産工程ごとに、前記製品の種類や前記顧客の生産拠点に対する要求に応じたグループに分類する条件を示す生産グループ条件を取得し、
前記需要情報を、前記生産工程ごとに、前記生産グループ条件に基づいて分類し、
前記分類した需要情報について、当該需要情報に含まれる前記生産工程ごとの生産拠点に応じた生産ラインを割り当てて生産ルートを決定し、前記需要情報を当該生産ルートごとに集約し、
前記集約した生産ルートごとに、当該生産ルートを構成する各生産ラインに前記需要情報に基づく生産量を割り当てる、
設備計画支援方法。 - 設備計画支援システムのコンピュータを、
一つ又は複数の生産拠点における生産工程を経て生産される製品に対する需要を示す製品単位の情報であって、その製品の種類や顧客の前記生産拠点に対する要求を含む需要情報を取得する手段、
前記需要情報を、前記生産工程ごとに、前記製品の種類や前記顧客の生産拠点に対する要求に応じたグループに分類する条件を示す生産グループ条件を取得する手段、
前記需要情報を、前記生産工程ごとに、前記生産グループ条件に基づいて分類する手段、
前記分類した需要情報について、当該需要情報に含まれる前記生産工程ごとの生産拠点に応じた生産ラインを割り当てて生産ルートを決定し、前記需要情報を当該生産ルートごとに集約する手段、
前記集約した生産ルートごとに、当該生産ルートを構成する各生産ラインに前記需要情報に基づく生産量を割り当てる手段、
として機能させるためのプログラム。
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