JP6338047B2 - ブレーキシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキシステムに関する。
従来、ブレーキシステムとして、電動モータと、当該電動モータからの駆動力によってブレーキ液圧を発生するシリンダ機構と、を有するスレーブシリンダ装置を備えたものが知られている(特許文献1参照)。このようなブレーキシステムでは、ブレーキペダルのストロークセンサからの信号に基いて電動モータを駆動することで、シリンダ機構のピストンを作動させてブレーキ液圧を発生させている。
特開2012−176745号公報
しかしながら、前述した構成では、ブレーキ液圧を低液圧領域から高液圧領域まで昇圧できる性能の電動モータが必要となるため、電動モータが大型化してしまうという問題がある。また、ブレーキ液圧を高液圧領域まで昇圧するときに電動モータに大きな電流を流す必要があるため、電動モータやその制御基板が発熱し、その発熱対策のためにコストアップしてしまうといった問題もある。
そこで、本発明は、スレーブシリンダ装置の電動モータ(電動アクチュエータ)の小型化およびブレーキシステムの低コスト化を図ることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るブレーキシステムは、ブレーキ操作子の操作量を検出する操作量検出手段と、電動アクチュエータと、当該電動アクチュエータからの駆動力によってブレーキ液圧を発生するシリンダ機構と、を有するスレーブシリンダ装置と、前記スレーブシリンダ装置と車輪ブレーキとの間に配置され、前記スレーブシリンダ装置から前記車輪ブレーキに付与されるブレーキ液圧を昇圧するためのポンプと、前記スレーブシリンダ装置から前記車輪ブレーキへのブレーキ液圧の伝達と前記ポンプから前記車輪ブレーキへのブレーキ液圧の伝達を切り替えるための制御弁と、を有する液圧制御ユニットと、前記電動アクチュエータ、前記制御弁および前記ポンプを制御するための制御装置と、を備えたブレーキシステムであって、前記制御装置は、回生ブレーキに合わせてブレーキ液圧の制御を行う回生協調制御を実行可能であり、前記回生協調制御を実行する場合に、前記操作量検出手段からの信号に基いて前記車輪ブレーキの目標制動力を算出し、当該目標制動力から前記回生ブレーキの制動力を減算した値に基いてブレーキ液圧の目標液圧を設定する目標液圧設定手段と、前記目標液圧が、所定液圧以下の低液圧であるか、前記所定液圧より高い高液圧であるかを判定する判定手段と、を備え、前記判定手段により前記目標液圧が前記低液圧であると判定された場合には、前記電動アクチュエータのみを駆動してブレーキ液圧を前記目標液圧まで昇圧させ、前記判定手段により前記目標液圧が前記高液圧であると判定された場合には、前記電動アクチュエータで昇圧させる分のブレーキ液圧の目標値であるモータ側目標値を、前記所定液圧とし、前記ポンプで昇圧させる分のブレーキ液圧の目標値であるポンプ側目標値を、前記目標液圧から前記所定液圧を減算した液圧として、前記電動アクチュエータ、前記制御弁および前記ポンプを駆動してブレーキ液圧を前記目標液圧まで昇圧させるように構成され、車輪速度が所定の第1閾値以上であるときにブレーキペダルが踏まれた場合に、前記モータ側目標値を、前記目標制動力から前記回生ブレーキの制動力を減算した値である前記目標液圧として、前記電動アクチュエータのみを駆動し、車輪速度が第2閾値以下になった場合には、前記目標液圧を徐々に増加し、その後、前記目標液圧が前記所定液圧よりも大きくなった場合に、前記モータ側目標値を前記所定液圧とし、前記ポンプ側目標値を前記目標液圧から前記所定液圧を減算した液圧として電動アクチュエータおよびポンプの両方を駆動させることを特徴とする。
この構成によれば、ブレーキ液圧を高液圧に昇圧する場合には、電動アクチュエータと既存の液圧制御ユニットのポンプとを協調させるので、従来のような電動アクチュエータのみでブレーキ液圧を高液圧まで昇圧させる構造に比べ、電動アクチュエータの昇圧性能を下げることができ、電動アクチュエータを小型化することができる。また、電動アクチュエータとポンプとの協調によりブレーキ液圧を高液圧まで昇圧することで、電動アクチュエータの発熱量を抑えることができるので、発熱対策にかかるコストを抑えることができる。
これによれば、例えばブレーキ液圧を高液圧に昇圧する場合において、電動アクチュエータの昇圧性能を、最大で所定液圧までしか昇圧できない程度の性能まで下げることができるので、前述した構成よりも電動アクチュエータの小型化およびブレーキシステムの低コスト化を図ることができる。
これによれば、回生協調制御中は、回生ブレーキの制動力を考慮した分だけ目標液圧を下げるので、回生協調制御中のほとんどの間、電動アクチュエータのみに小さな電流を供給するだけで十分な制動力を得ることができ、電力消費を抑えることができる。
また、前記した構成において、前記ブレーキ操作子の操作によってブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダと、当該マスタシリンダと前記液圧制御ユニットとの間に設けられる第1電磁弁と、前記マスタシリンダと前記第1電磁弁との間に設けられ、前記マスタシリンダと第2電磁弁を介して接続されたストロークシミュレータと、を備え、前記制御装置は、前記電動アクチュエータによってブレーキ液圧を昇圧させる場合には、前記第1電磁弁を閉じ、前記第2電磁弁を開けるように構成されていてもよい。
これによれば、電動アクチュエータによってブレーキ液圧を昇圧させる場合には、第1電磁弁を閉じるので、スレーブシリンダ装置や液圧制御ユニットからマスタシリンダに伝わるブレーキ液の脈動(例えば、ポンプの駆動時における脈動)や電動アクチュエータのみの制御から電動アクチュエータとポンプの両方を用いた制御に切り替えた際のフィーリングの変化がマスタシリンダ(運転者)側に伝わるのを抑えることができる。また、電動アクチュエータによってブレーキ液圧を昇圧させる場合には、第2電磁弁を開くことで、マスタシリンダから発生した液圧がストロークシミュレータに吸収されるので、運転者が違和感なくブレーキ操作子を操作することができる。
本発明によれば、スレーブシリンダ装置の電動アクチュエータの小型化およびブレーキシステムの低コスト化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るブレーキシステムを備えた車両を示す構成図である。 入力装置およびスレーブシリンダ装置のブレーキ液圧回路を示す構成図である。 液圧制御ユニットのブレーキ液圧回路を示す構成図である。 制御装置の構成を示すブロック図である。 制御装置の動作を示すフローチャートである。 制動時における各パラメータの変化を示すタイムチャートである。 第2の実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。 回生協調制御時における各パラメータの変化を示すタイムチャートである。
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るブレーキシステム1は、通常時用として、電気信号を伝達してブレーキを作動させるバイ・ワイヤ(By Wire)式の電動ブレーキシステムと、フェイルセイフ用として、ブレーキ操作子の一例としてのブレーキペダルBPの踏力により発生した油圧をそのまま伝達してブレーキを作動させる旧来の油圧式のブレーキシステムの双方を備えて構成されている。
このため、ブレーキシステム1は、運転者によってブレーキペダルBPが操作されたときにその操作を入力する入力装置U1と、ブレーキペダルBPの操作量(以下、「ブレーキ操作量」ともいう。)に応じ、また、必要な制御に応じてブレーキ液圧を発生するスレーブシリンダ装置U2と、車両挙動の安定化を支援するためのブレーキ液圧制御を行うための液圧制御ユニットU3とを備えて構成されている。これらの入力装置U1、スレーブシリンダ装置U2および液圧制御ユニットU3は、右前の車輪ブレーキFRおよび左後の車輪ブレーキRLを司る第1系統と左前の車輪ブレーキFLおよび右後の車輪ブレーキRRを司る第2系統との2つの系統で構成され、それぞれの系統について、例えば、ホースやチューブ等の管材で形成された液圧路によって独立に接続されている。また、入力装置U1とスレーブシリンダ装置U2とは、図示しないハーネスで電気的に接続されている。
ブレーキシステム1は、電動ブレーキシステムと液圧制御ユニットU3による車両挙動の制御のために、車両CRの適宜な箇所に、車輪速センサ91、操舵角センサ92、横加速度センサ93、前後加速度センサ94、アクセルペダルAPのストロークを検出するアクセルペダルストロークセンサ95、ブレーキペダルBPのストロークを検出する操作量検出手段の一例としてのブレーキペダルストロークセンサ96、モータ回転角センサ97を備えており、これらのセンサの出力値は制御装置100に出力されている。なお、モータ回転角センサ97は、スレーブシリンダ装置U2を駆動する電動アクチュエータの一例としての電動モータ42(図2参照)の回転角を検出するセンサである。
制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力回路を備えており、上述の各センサの出力値や、ROMに記憶されたプログラムやデータに基いて各演算処理を行い、入力装置U1、スレーブシリンダ装置U2および液圧制御ユニットU3を制御するように構成されている。これにより、制御装置100は各車輪ブレーキFR,RL,FL,RRのホイールシリンダHに付与されるブレーキ液圧を制御し、各車輪Wに適切なブレーキ力を与えることが可能となっている。
図2に示すように、入力装置U1の第1系統の接続ポート63aは、スレーブシリンダ装置U2の出力ポート32aおよび液圧制御ユニットU3の入力ポート68aと配管により接続され、同様に、第2系統の接続ポート63bは、スレーブシリンダ装置U2の出力ポート32bおよび液圧制御ユニットU3の入力ポート68bと配管により接続されている。
液圧制御ユニットU3には、4つの出力ポート69a〜69dが設けられ、これらに車輪ブレーキFR,RL,RR,FLの各ホイールシリンダHがそれぞれ接続されている。
[入力装置U1]
入力装置U1は、運転者によるブレーキペダルBPの操作によって液圧を発生可能なタンデム式のマスタシリンダ10と、マスタシリンダ10に付設された第1リザーバ65とを有する。マスタシリンダ10のシリンダチューブ11内には、シリンダチューブ11の軸方向に沿って所定間隔離間して第1ピストン12aおよび第2ピストン12bが摺動自在に配設されている。第1ピストン12aは、ブレーキペダルBPに近接して配置され、プッシュロッド12zを介してブレーキペダルBPと連結されている。また、第2ピストン12bは、第1ピストン12aよりもブレーキペダルBPから離間して配置される。
第1ピストン12aおよび第2ピストン12bの外周面には、軸方向に離れて一対のピストンパッキン13a,13bがそれぞれ装着され、一対のピストンパッキン13a,13bの間には、第1ピストン12aおよび第2ピストン12bの直径が小さくなっていることで背室14a,14bがそれぞれ形成されている。背室14a,14bは、それぞれサプライポート17a,17bを介して第1リザーバ65に接続されている。
第1ピストン12aと第2ピストン12bの間には、第1圧力室15aが形成され、第1圧力室15aは、リリーフポート18aを介して第1リザーバ65に接続されている。同様に、第2ピストン12bとシリンダチューブ11の側端部との間には、第2圧力室15bが形成され、第2圧力室15bは、リリーフポート18bを介して第1リザーバ65に接続されている。第1圧力室15aおよび第2圧力室15bは、運転者がブレーキペダルBPを踏み込むことで、その踏力に対応したブレーキ液圧を発生させる。
第1ピストン12aと第2ピストン12bの間には、スプリング16aが設けられ、第2ピストン12bとシリンダチューブ11の側端部との間には、スプリング16bが設けられている。これにより、運転者がブレーキペダルBPの操作を止めたときに第1圧力室15aと第2圧力室15bを適宜な容積に戻すことができるようになっている。
また、シリンダチューブ11には、各圧力室15a,15bに対応して、これらに連通する出力ポート19a,19bがそれぞれ形成されており、出力ポート19a,19bがそれぞれ配管により入力装置U1の接続ポート63a,63bに接続されている。
マスタシリンダ10の出力ポート19aと入力装置U1の接続ポート63aを接続する配管上には、第1電磁弁の一例としての常開型電磁弁61aが配設され、マスタシリンダ10の出力ポート19bと入力装置U1の接続ポート63bを接続する配管上には、第1電磁弁の一例としての常開型電磁弁61bが配設されている。
マスタシリンダ10の出力ポート19bと常開型電磁弁61bを接続する配管(分岐液圧路64)には、第2電磁弁の一例としての常閉型電磁弁62を介してストロークシミュレータ20が接続されている。
なお、図2の常開型電磁弁61a,61bは通電された通常動作時の状態(閉状態)が示されており、常閉型電磁弁62についても、通電された通常動作時の状態(開状態)が示されている。
ストロークシミュレータ20は、バイ・ワイヤ制御時において、ブレーキのストロークと反力を発生させて、あたかも踏力で制動力を発生させているかのごとく運転者に感じさせる装置であり、シリンダ21内にピストン22が配設され、ピストン22の一方側に、分岐液圧路64に常閉型電磁弁62を介して連通する液圧室24が形成されている。液圧室24は、マスタシリンダ10の第2圧力室15bから導出されるブレーキ液が吸収可能である。
ピストン22とシリンダ21の側端部の間には、ばね定数の高い第1リターンスプリング23aとばね定数の小さい第2リターンスプリング23bとが直列に設けられ、これにより、ブレーキペダルBPの踏み込み初期にペダル反力の増加勾配が低く、踏み込み後期にペダル反力の増加勾配が高くなるように設定されている。このため、ブレーキペダルBPのペダルフィーリングが既存のマスタシリンダと同等となっている。
マスタシリンダ10の出力ポート19aと常開型電磁弁61aを繋ぐ液圧路上には、第1液圧センサPmが配設され、常開型電磁弁61bと接続ポート63bを繋ぐ液圧路上には、第2液圧センサPpが設けられている。第1液圧センサPmは、通常作動時に閉じている常開型電磁弁61aのマスタシリンダ10側の液圧を測定するものであり、第2液圧センサPpは、通常作動時に閉じている常開型電磁弁61bの接続ポート63b側(液圧制御ユニットU3側)の液圧を測定するものである。これらのセンサの出力値は、制御装置100に出力される。
[スレーブシリンダ装置U2]
スレーブシリンダ装置U2は、電動モータ42を含むアクチュエータ機構40と、アクチュエータ機構40によって作動されるシリンダ機構30とを有してなる。
アクチュエータ機構40は、アクチュエータハウジング41を有し、アクチュエータハウジング41は、ねじ軸43aおよびナット43bを含むボールねじ機構43と、電動モータ42の回転動作をナット43bに伝達する減速ギア列44とを収容している。ねじ軸43aは、後述する第1スレーブピストン35aに連結されている。
シリンダ機構30は、シリンダ本体31と、シリンダ本体31に付設された第2リザーバ66とを有する。第2リザーバ66は、配管65aにより第1リザーバ65と接続されている。シリンダ本体31内には、シリンダ本体31の軸方向に沿って所定間隔離間して第1スレーブピストン35aおよび第2スレーブピストン35bが摺動自在に配設されている。第1スレーブピストン35aは、ボールねじ機構43側に近接して配置され、ねじ軸43aの一端部に当接してねじ軸43aと一体的にシリンダ本体31の長手方向に沿って変位可能となっている。また、第2スレーブピストン35bは、第1スレーブピストン35aよりもボールねじ機構43から離間して配置されている。
第1スレーブピストン35aおよび第2スレーブピストン35bの外周面には、軸方向に離れて一対のスレーブピストンパッキン39a,39bがそれぞれ装着され、一対のスレーブピストンパッキン39a,39bの間には、第1スレーブピストン35aおよび第2スレーブピストン35bの直径が小さくなっていることで、それぞれ第1背室37aおよび第2背室37bが形成されている。第1背室37aおよび第2背室37bは、それぞれリザーバポート33a,33bを介して第2リザーバ66に接続されている。
第1スレーブピストン35aと第2スレーブピストン35bの間には、第1液圧室36aが形成され、第2スレーブピストン35bとシリンダ本体31の側端部との間には、第2液圧室36bが形成されている。また、シリンダ本体31には、第1液圧室36aおよび第2液圧室36bに対応して、これらに連通する出力ポート32a,32bがそれぞれ形成されている。これらの出力ポート32a,32bは、それぞれ入力装置U1の接続ポート63a,63bおよび液圧制御ユニットU3の入力ポート68a,68bに接続されている。第1液圧室36aおよび第2液圧室36bは、電動モータ42の作動によりねじ軸43aが第1スレーブピストン35aに向けて移動したときにブレーキ液圧を発生し、この液圧が出力ポート32a,32bを介して液圧制御ユニットU3に供給されるようになっている。
第1スレーブピストン35aと第2スレーブピストン35bの間には、スプリング34aが設けられ、第2スレーブピストン35bとシリンダ本体31の側端部との間には、スプリング34bが設けられている。これにより、電動モータ42の作動によりねじ軸43aが第1スレーブピストン35aと逆側に向けて移動したときに第1液圧室36aと第2液圧室36bを適宜な容積に戻すことができるようになっている。
第1スレーブピストン35aと第2スレーブピストン35bとの間には、第1スレーブピストン35aと第2スレーブピストン35bの最大ストローク(最大変位距離)と最小ストローク(最小変位距離)とを規制する規制リンク38aが設けられ、第2スレーブピストン35bには、第2スレーブピストン35bの摺動範囲を規制して、第1スレーブピストン35a側へのオーバーリターンを阻止するストッパピン38bが設けられている。
[液圧制御ユニットU3]
図3に示すように、液圧制御ユニットU3は、周知のものからなり、車輪ブレーキFR,RLを司る第1液圧系統50Aと、車輪ブレーキFL,RRを司る第2液圧系統50Bとを有する。第1液圧系統50Aと第2液圧系統50Bとは同様の構成を有するので、ここでは、第1液圧系統50Aのみについて説明し、第2液圧系統50Bの説明は省略する。
第1液圧系統50Aは、入力ポート68aと、出力ポート69a,69bを繋ぐ液圧路上に、供給する電流に応じてその上下流の液圧の差を調整可能な常開型比例電磁弁である制御弁の一例としての調圧弁51が設けられている。調圧弁51には、並列して、出力ポート69a,69b側へのみの流れを許容するチェック弁51aが配設されている。
調圧弁51よりも車輪ブレーキRL,FR側の液圧路は途中で分岐して、それぞれが出力ポート69aおよび出力ポート69bに接続されている。この出力ポート69a,69bに対応する各液圧路上には、それぞれ常開型比例電磁弁である入口弁52が配設されている。各入口弁52には、並列して、調圧弁51側へのみの流れを許容するチェック弁52aが配設されている。
出力ポート69aとこれに対応する入口弁52との間の液圧路、および、出力ポート69bとこれに対応する入口弁52との間の液圧路からは、それぞれ、常閉型電磁弁からなる出口弁53を介して調圧弁51と入口弁52の間に繋がる還流液圧路57が設けられている。
この還流液圧路57上には、出口弁53側から順に、過剰なブレーキ液を一時的に吸収するリザーバ54と、チェック弁54aと、チェック弁55aと、ポンプ55と、チェック弁55bとが配設されている。各チェック弁54a,55a,55bは、いずれも、調圧弁51と入口弁52の間へ向けての流れのみを許容するように配置されている。また、ポンプ55は、モータMにより駆動され、調圧弁51と入口弁52の間へ向けての圧力を発生するように設けられている。
入力ポート68aと調圧弁51を繋ぐ導入液圧路58と、還流液圧路57におけるチェック弁54aとチェック弁55aの間の部分とは、制御弁の一例としての常閉型電磁弁である吸入弁56を介して吸入液圧路59により接続されている。
なお、導入液圧路58には、第1液圧系統50Aのみに第3液圧センサPhが設けられている。第3液圧センサPhの出力値は、制御装置100に出力される。
以上のような構成の液圧制御ユニットU3は、通常時には、各電磁弁に通電がなされず、入力ポート68aから導入されたブレーキ液圧は、調圧弁51、入口弁52を通って出力ポート69a,69bに出力され、各ホイールシリンダHにそのまま付与される。そして、アンチロックブレーキ制御を行うために、ホイールシリンダHの過剰なブレーキ液圧を減圧する場合には、対応する入口弁52を閉じ、出口弁53を開くことで還流液圧路57を通してブレーキ液をリザーバ54へと流し、ホイールシリンダHのブレーキ液を抜くことができる。また、例えば運転者のブレーキペダルBPの操作が無い場合にホイールシリンダHの加圧を行う場合には、吸入弁56を開いた上で、モータMを駆動することで、ポンプ55の加圧力により積極的にホイールシリンダHへブレーキ液を供給することができる。さらに、ホイールシリンダHの加圧の程度を調整したい場合には、調圧弁51に適宜な電流を流すことで調整が可能となっている。
次に、制御装置100の詳細について説明する。
図4に示すように、制御装置100は、各センサから入力された信号に基き、公知のバイ・ワイヤ式の液圧制御やABS(アンチロックブレーキシステム)制御等を実行するように構成されている。そして、本実施形態では、制御装置100は、運転者が通常のブレーキ操作を行う際において、運転者が要求する要求ブレーキ液圧が所定液圧Pth以下の低液圧である場合には、電動モータ42のみを駆動してブレーキ液圧を発生させ、要求ブレーキ液圧が所定液圧Pthよりも高い高液圧である場合には、電動モータ42とポンプ55の両方を駆動してブレーキ液圧を発生するように構成されている。
具体的に、制御装置100は、目標液圧設定手段110と、判定手段120と、電動モータ制御手段130と、ユニット制御手段140と、記憶部150とを備えている。
目標液圧設定手段110は、ブレーキペダルストロークセンサ96からの信号に基いて車輪ブレーキFR,RL,FL,RRの目標制動力を算出し、当該目標制動力に基いてブレーキ液圧の目標液圧(要求ブレーキ液圧)を設定する機能を有している。そして、目標液圧設定手段110は、ブレーキ液圧の目標液圧を設定すると、設定した目標液圧を、判定手段120、電動モータ制御手段130およびユニット制御手段140に出力する。
判定手段120は、目標液圧設定手段110から出力されてくる目標液圧が、所定液圧Pth以下の低液圧であるか、所定液圧Pthより高い高液圧であるかを判定する機能を有している。そして、判定手段120は、目標液圧が低液圧であるか高液圧であるかの判定を行った場合には、その判定結果を電動モータ制御手段130およびユニット制御手段140に出力する。
なお、所定液圧Pthは、電動モータ42の能力に応じて適宜設定されており、記憶部150に記憶されている。
電動モータ制御手段130は、判定手段120から出力されてくる判定結果に基いて、電動モータ42で昇圧させる分のブレーキ液圧の目標値であるモータ側目標値を設定し、当該モータ側目標値に基いて電動モータ42の駆動電流値を設定して電動モータ42を制御する機能を有している。具体的に、電動モータ制御手段130は、判定結果が低液圧である場合には、目標液圧設定手段110から出力されてくる目標液圧をそのままモータ側目標値とし、判定結果が高液圧である場合には、モータ側目標値を所定液圧Pthとするように構成されている。
ユニット制御手段140は、判定手段120から出力されてくる判定結果に基いて、ポンプ55で昇圧させる分のブレーキ液圧の目標値であるポンプ側目標値を設定し、当該ポンプ側目標値に基いてポンプ55(モータM)の駆動電流値を設定してポンプ55を制御する機能を有している。具体的に、ユニット制御手段140は、判定結果が低液圧である場合には、ポンプ側目標値を0とし、判定結果が高液圧である場合には、ポンプ側目標値を、目標液圧から所定液圧Pthを減算した液圧とするように構成されている。
また、ユニット制御手段140は、判定結果が低液圧である場合には、液圧制御ユニットU3を通常のブレーキ状態(スレーブシリンダ装置U2からポンプ55を介さずに各車輪ブレーキFR,RL,FL,RRにブレーキ液圧が伝達される状態)に保ち、判定結果が高液圧である場合には、ポンプ55から各車輪ブレーキFR,RL,FL,RRにブレーキ液圧が伝達される状態に切り替えるように構成されている。詳しくは、ユニット制御手段140は、判定結果が低液圧である場合には、入口弁52、出口弁53、調圧弁51および吸入弁56に電流を流さないことで、入口弁52を開放、出口弁53を閉塞、調圧弁51を開放、吸入弁56を閉塞させた通常のブレーキ状態に保持する。
また、ユニット制御手段140は、判定結果が高液圧である場合には、調圧弁51および吸入弁56に電流を流して、調圧弁51を閉塞、吸入弁56を開放させることで、各車輪ブレーキFR,RL,FL,RRへのブレーキ液圧の伝達状態を、スレーブシリンダ装置U2から各車輪ブレーキFR,RL,FL,RRへブレーキ液圧が伝達される状態から、ポンプ55から各車輪ブレーキFR,RL,FL,RRへブレーキ液圧が伝達される状態に切り替えている。なお、調圧弁51に流す電流値は、調圧弁51の上下流の差圧がポンプ側目標値となる値に設定されている。ただし、ブレーキペダルの操作速度に応じて昇圧させるブレーキアシスト制御等では、調圧弁に流す電流値を、調圧弁の上下流の差圧がポンプ側目標値よりも高くなるような値にすることもできる。
また、制御装置100は、電動モータ42によってブレーキ液圧を昇圧させる場合には、入力装置U1の常開型電磁弁61bおよび常閉型電磁弁62に電流を流すことで、常開型電磁弁61a,61bを閉じ、常閉型電磁弁62を開けるように構成されている。
次に、制御装置100の動作を詳細に説明する。
図5に示すように、制御装置100は、まず、ブレーキペダルストロークセンサ96からの信号に基いて、ブレーキペダルBPがONされたか否かを判断する(S1)。ステップS1において、制御装置100は、ブレーキペダルBPがONされていると判断すると(Yes)、ブレーキペダルBPのストローク量に基いてブレーキ液圧の目標液圧を設定する(S2)。
ステップS2の後、制御装置100は、目標液圧が所定液圧Pth以下であるか否かを判断する(S3)。ステップS3において、制御装置100は、目標液圧が所定液圧Pth以下の低液圧であると判断すると(Yes)、モータ側目標値を目標液圧とし(S4)、当該モータ側目標値に対応した駆動電流値で電動モータ42を駆動する(S5)。
ステップS3において、制御装置100は、目標液圧が所定液圧Pthよりも高い高液圧であると判断すると(No)、モータ側目標値を所定液圧Pthとし(S6)、ポンプ側目標値を目標液圧から所定液圧Pthを減算した値とする(S7)。ステップS7の後、制御装置100は、モータ側目標値に対応した駆動電流値で電動モータ42を駆動し、かつ、調圧弁51および吸入弁56に電流を流すとともに、ポンプ側目標値に対応した値の電流を調圧弁51に流すとともに、ポンプ側目標値に対応した駆動電流値でポンプ55のモータMを駆動する(S8)。
ステップS5,S8の後や、ステップS1でNoと判断した場合には、制御装置100は、本制御を終了する。
次に、運転者が通常のブレーキ操作(ブレーキアシスト制御のきっかけとなるような急ブレーキ操作よりも緩やかなブレーキ操作)によりブレーキ液圧を低液圧から高液圧まで昇圧させた後、低液圧に戻すときの各パラメータの変化について説明する。
図6(a),(b)に示すように、運転者がブレーキペダルBPを徐々に踏み込んでいくと(時刻t1)、制御装置100は、ブレーキペダルストロークセンサ96からの信号に基いてブレーキ液圧の目標液圧を算出し、この目標液圧をそのままモータ側目標値として、電動モータ42のみを駆動する。これにより、目標液圧が所定液圧Pth以下の低液圧である場合には(時刻t1〜時刻t2)、電動モータ42の駆動力のみでブレーキ液圧が目標液圧まで昇圧される。
目標液圧が所定液圧Pthを超えた場合には(時刻t2)、制御装置100は、モータ側目標値を所定液圧Pthにするとともに、図6(c)に示すように、ポンプ側目標値を目標液圧から所定液圧Pthを減算した値にして、電動モータ42とポンプ55の両方を駆動する。これにより、目標液圧が所定液圧Pthより高い高液圧である場合には(時刻t2〜t3)、電動モータ42が一定の駆動力で駆動されつつ、補助的にポンプ55が駆動されることで、ブレーキ液圧が目標液圧まで昇圧される。
また、制御装置100は、ブレーキ液圧が高液圧である際に、目標液圧が一定に保持されている場合には(時刻t3〜t4)、ポンプ側目標値を一定にして調圧弁51に流す電流値を一定にするとともにポンプ55を一定の駆動力で駆動し、目標液圧が徐々に降圧していく場合には(時刻t4〜t5)、ポンプ側目標値を徐々に下げて調圧弁51に流す電流値やポンプ55の駆動力を徐々に下げていく。
そして、目標液圧が高液圧から再び低液圧に切り替わった場合には(時刻t5)、制御装置100は、調圧弁51に流す電流値を0にするとともにポンプ55を停止し、電動モータ42の駆動力を徐々に下げていくことでブレーキ液圧を徐々に降圧させる(時刻t5〜t6)。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
ブレーキ液圧を高液圧に昇圧する場合には、電動モータ42と既存の液圧制御ユニットU3のポンプ55とを協調させるので、従来のような電動モータのみでブレーキ液圧を高液圧まで昇圧させる構造に比べ、電動モータ42の昇圧性能を下げることができ、電動モータ42を小型化することができる。また、電動モータ42とポンプ55との協調によりブレーキ液圧を高液圧まで昇圧することで、電動モータ42の発熱量を抑えることができるので、発熱対策にかかるコストを抑えることができる。
目標液圧が高液圧である場合には、モータ側目標値を所定液圧Pth(低液圧と高液圧との境界となる閾値)とするので、例えばブレーキ液圧を高液圧に昇圧する場合において、電動モータで所定液圧よりも高く、かつ、目標液圧よりも低い液圧までブレーキ液圧を昇圧させる構成に比べ、電動モータ42の昇圧性能を、最大で所定液圧Pthまでしか昇圧できない程度の性能まで下げることができるので、前述した構成よりも電動モータ42の小型化およびブレーキシステムの低コスト化を図ることができる。
電動モータ42によってブレーキ液圧を昇圧させる場合には、入力装置U1の常開型電磁弁61a,61bを閉じるので、スレーブシリンダ装置U2や液圧制御ユニットU3からマスタシリンダ10に伝わるブレーキ液の脈動(例えば、ポンプ55の駆動時における脈動)や電動モータ42のみの制御から電動モータ42とポンプ55の両方を用いた制御に切り替えた際のフィーリングの変化がマスタシリンダ10(運転者)側に伝わるのを抑えることができる。また、電動モータ42によってブレーキ液圧を昇圧させる場合には、入力装置U1の常閉型電磁弁62を開くことで、マスタシリンダ10から発生した液圧がストロークシミュレータ20に吸収されるので、運転者が違和感なくブレーキペダルBPを操作することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1の実施形態に係る構造の一部を変更したものであるため、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
図7に示す第2の実施形態に係る制御装置101は、回生ブレーキに合わせてブレーキ液圧の制御を行う回生協調制御を実行可能となっている。ここで、回生協調制御では、主に、車両を走行させるための駆動用電動モータを利用した回生ブレーキで制動力を発生させ、制動力の不足分を液圧ブレーキで補うように電動モータ42や液圧制御ユニットU3を制御している。
具体的に、制御装置101は、車輪速度の平均値が所定の第1閾値V1以上であるときにブレーキペダルBPがONされたと判定すると、回生協調制御を実行する。その後、制御装置101は、車輪速度の平均値が第1閾値V1よりも小さな第2閾値V2以下になった場合に、回生ブレーキと液圧ブレーキとによって昇圧されているブレーキ液圧全体のうち液圧ブレーキに対応するブレーキ液圧の割合を徐々に増やしていき、回生協調制御から液圧制御に徐々に移行する。
前述したような回生協調制御および液圧制御を実行するべく、制御装置101は、第1の実施形態とは異なる目標液圧設定手段111を備えている。目標液圧設定手段111は、ブレーキペダルストロークセンサ96からブレーキペダルBPのストローク量に対応した信号を取得するとともに、ECU(Electronic Control Unit)200から回生ブレーキの制動力に対応した信号を取得するように構成されている。
目標液圧設定手段111は、回生協調制御を実行する場合には、ブレーキペダルBPのストローク量に基いて各車輪ブレーキFR,RL,FL,RRの目標制動力を算出し、当該目標制動力から回生ブレーキの制動力を減算した値に基いて、各車輪ブレーキFR,RL,FL,RRの目標液圧を設定するように構成されている。そして、目標液圧設定手段111は、設定した目標液圧を、判定手段120、電動モータ制御手段130およびユニット制御手段140に出力するようになっている。
以上のように構成される制御装置101は、図8に示すフローチャートに従って制御を実行している。このフローチャートは、図5に示すフローチャートのステップS2に代えて、ステップS1とステップS3との間に、新たなステップS100,S101を追加しただけの構成となっている。したがって、以下においては、新たなステップS100,S101のみについて説明し、第1の実施形態と同様のステップS1,S3〜S8については説明を省略する。
ステップS100において、制御装置101は、ECU200から回生ブレーキの制動力を取得する。ステップS100の後、制御装置101は、ブレーキペダルBPのストローク量に基いて算出した目標制動力から回生ブレーキの制動力を減算した値に基いて目標液圧を設定する(S101)。
次に、図9を参照して回生協調制御時における各パラメータの変化について説明する。なお、図9において、車両に働く実際の制動力を実線で示し、液圧ブレーキによる制動力を破線で示し、実線と破線の間の領域を、回生ブレーキによる制動力として示している。
図9(a),(c)に示すように、車両CRの走行中に運転者がアクセルペダルAPから足を離すと(時刻t11)、まず、回生ブレーキだけが働いて、車両CRが減速していく。その後、車輪速度の平均値が第1閾値V1以上の状態において、図9(b)に示すように、運転者がブレーキペダルBPを踏むと(時刻t12)、制御装置101は、回生協調制御を開始する。
回生協調制御において、制御装置101は、ブレーキペダルBPのストローク量に基いて算出した目標制動力から回生ブレーキの制動力を減算することで、ブレーキシステム1による目標液圧を算出する。算出した目標液圧が所定液圧Pth以下である場合には、言い換えると図9(c)に示す制動力が所定の制動力Fth以下である場合には(時刻t12〜t13)、制御装置101は、図9(d)に示すように、モータ側目標値を目標液圧に設定し、電動モータ42のみを駆動する。
車輪速度の平均値が第2閾値V2以下になった場合には(時刻t13)、制御装置101は、回生協調制御における液圧ブレーキの割合を徐々に増やしていく。つまり、ブレーキシステム1の目標液圧を徐々に上げていく。そして、目標液圧が所定液圧Pthよりも高くなった場合、言い換えると図9(c)に示す制動力が所定の制動力Fthよりも大きくなった場合には(時刻t14)、制御装置101は、図9(d),(e)に示すように、モータ側目標値を所定液圧Pthとし、ポンプ側目標値を目標液圧から所定液圧Pthを減算した値として、電動モータ42およびポンプ55の両方を駆動する。
以上によれば、回生協調制御中は、回生ブレーキの制動力を考慮した分だけ目標液圧を下げるので、回生協調制御中のほとんどの間、電動モータ42のみに小さな電流を供給するだけで十分な制動力を得ることができ、電力消費を抑えることができる。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、ブレーキ操作子としてブレーキペダルBPを例示したが、本発明はこれに限定されず、ブレーキ操作子は、例えば手で操作するブレーキ操作子であってもよい。
前記実施形態では、電動アクチュエータとして電動モータ42を例示したが、本発明はこれに限定されず、電動モータ以外の電動アクチュエータであってもよい。
1 ブレーキシステム
30 シリンダ機構
42 電動モータ
51 調圧弁
55 ポンプ
56 吸入弁
96 ブレーキペダルストロークセンサ
100 制御装置
110 目標液圧設定手段
120 判定手段
BP ブレーキペダル
FL,FR,RL,RR 車輪ブレーキ
M モータ
Pth 所定液圧
U2 スレーブシリンダ装置
U3 液圧制御ユニット

Claims (2)

  1. ブレーキ操作子の操作量を検出する操作量検出手段と、
    電動アクチュエータと、当該電動アクチュエータからの駆動力によってブレーキ液圧を発生するシリンダ機構と、を有するスレーブシリンダ装置と、
    前記スレーブシリンダ装置と車輪ブレーキとの間に配置され、前記スレーブシリンダ装置から前記車輪ブレーキに付与されるブレーキ液圧を昇圧するためのポンプと、前記スレーブシリンダ装置から前記車輪ブレーキへのブレーキ液圧の伝達と前記ポンプから前記車輪ブレーキへのブレーキ液圧の伝達を切り替えるための制御弁と、を有する液圧制御ユニットと、
    前記電動アクチュエータ、前記制御弁および前記ポンプを制御するための制御装置と、を備えたブレーキシステムであって、
    前記制御装置は、
    回生ブレーキに合わせてブレーキ液圧の制御を行う回生協調制御を実行可能であり、
    前記回生協調制御を実行する場合に、前記操作量検出手段からの信号に基いて前記車輪ブレーキの目標制動力を算出し、当該目標制動力から前記回生ブレーキの制動力を減算した値に基いてブレーキ液圧の目標液圧を設定する目標液圧設定手段と、
    前記目標液圧が、所定液圧以下の低液圧であるか、前記所定液圧より高い高液圧であるかを判定する判定手段と、を備え、
    前記判定手段により前記目標液圧が前記低液圧であると判定された場合には、前記電動アクチュエータのみを駆動してブレーキ液圧を前記目標液圧まで昇圧させ、前記判定手段により前記目標液圧が前記高液圧であると判定された場合には、前記電動アクチュエータで昇圧させる分のブレーキ液圧の目標値であるモータ側目標値を、前記所定液圧とし、前記ポンプで昇圧させる分のブレーキ液圧の目標値であるポンプ側目標値を、前記目標液圧から前記所定液圧を減算した液圧として、前記電動アクチュエータ、前記制御弁および前記ポンプを駆動してブレーキ液圧を前記目標液圧まで昇圧させるように構成され、
    車輪速度が所定の第1閾値以上であるときにブレーキペダルが踏まれた場合に、前記モータ側目標値を、前記目標制動力から前記回生ブレーキの制動力を減算した値である前記目標液圧として、前記電動アクチュエータのみを駆動し、
    車輪速度が第2閾値以下になった場合には、前記目標液圧を徐々に増加し、
    その後、前記目標液圧が前記所定液圧よりも大きくなった場合に、前記モータ側目標値を前記所定液圧とし、前記ポンプ側目標値を前記目標液圧から前記所定液圧を減算した液圧として電動アクチュエータおよびポンプの両方を駆動させることを特徴とするブレーキシステム。
  2. 前記ブレーキ操作子の操作によってブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダと、当該マスタシリンダと前記液圧制御ユニットとの間に設けられる第1電磁弁と、前記マスタシリンダと前記第1電磁弁との間に設けられ、前記マスタシリンダと第2電磁弁を介して接続されたストロークシミュレータと、を備え、
    前記制御装置は、
    前記電動アクチュエータによってブレーキ液圧を昇圧させる場合には、前記第1電磁弁を閉じ、前記第2電磁弁を開けることを特徴とする請求項1に記載のブレーキシステム。
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