[1.印刷装置1の概要]
以下、本発明を具体化した印刷装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図中に矢印で示す方向を、上下、左右、前後方向とする。
図1から図3に示すように、印刷装置1は、テープ印刷部50(以下「印刷部50」という。)及びチューブ印刷部60(以下「印刷部60」という。)を備える。印刷装置1は、印刷部50によって、帯状の印刷媒体であるテープに印刷可能である。印刷装置1は、印刷部60によって、筒状の印刷媒体であるチューブ9(図3参照)に印刷可能である。
印刷装置1は、本体ケース11、カバー12及びロック機構13を含む、直方体状の筐体10を備える。本体ケース11は、上方に装着面111を有する、左右方向に長い直方体状の箱状部材である。本例の装着面111は水平面と略平行に延設され、光を遮断する(つまり、光透過性を有さない)素材で形成されている。カバー12は、本体ケース11の上側に配置された板状部材である。カバー12は、本体ケース11に枢支され、本体ケース11の装着面111を塞ぐ閉位置(図1参照)と、本体ケース11の装着面111を開放する開位置(図2参照)とに移動可能である。カバー12の移動方向は、図2の矢印Y1によって示される。以下の説明では、カバー12が閉位置にある場合を基準として、筐体10、カバー12、及びカバー12に設けられる部材の構成を説明する。ロック機構13は、本体ケース11の前端部上側に設けられる。ロック機構13は、本体ケース11に対して閉じられたカバー12の前端部を係止して、カバー12の開放を規制する。図1に示すように、カバー12が閉位置にある場合、カバー12は装着面111を覆う。ユーザはカバー12を開く場合、ロック機構13を操作してカバー12の係止を解除し、カバー12をロック機構13から上側に回動させる。図2に示すように、カバー12が本体ケース11に対して開かれた場合、装着面111は上方に露出する。
図1から図6に示すように、筐体10は、側面に、排出口14、供給部15の開口151、排出部16の開口161、ユーザインターフェイス部17、及びハンドル部18を備える。本例では、筐体10の側面は、実質的に本体ケース11の側面に相当する。
図1から図3に示すように、排出口14は、テープを筐体10の外部に排出するための開口である。排出口14は、筐体10の前面の右上部に設けられ、且つ上下方向に長い矩形状である。供給部15は、チューブ9を筐体10の内部に案内可能な開口151を有する。開口151は、筐体10の右面の後側上部に設けられ、且つ上下方向に若干長い矩形状である。排出部16は、チューブ9を筐体10の外部に排出可能な開口161を有する。開口161は、筐体10の左面の後側上部に設けられ、且つ上下方向に若干長い矩形状である。
図3から図5に示すように、排出部16の開口161の前側には、後ろ側に向かって延びる、可撓性を有する繊維状のブラシ162が設けられる。排出部16の開口161の後側には、前側に向かって延びる、可撓性を有する繊維状のブラシ163が設けられる。ブラシ162、163は、粘着性を有するテープにより、本体ケース11の左面に貼り付けられる。ブラシ162、163は、開口161を横切って配置されることで、開口161から筐体10内部に侵入する光を低減させる。
ユーザインターフェイス部17は、表示部及び操作部を含む。本例では、表示部は、印刷装置1の動作状態を示す複数のLEDである。操作部は、電源ボタン及びスタートボタンを含む複数の操作ボタンである。ユーザインターフェイス部17は、筐体10の前面における排出口14の右側に設けられる。ハンドル部18は、ユーザが印刷装置1を持ち運ぶときに把持する部材である。ハンドル部18は、筐体10の左面及び右面に架設され、且つ本体ケース11の上側を経由して前後両側に回転可能である。
図1及び図2に示すように、筐体10は、上面に窓部121、122を備える。本例では、筐体10の上面は、カバー12の上面に相当する。窓部121、122は、光透過性を有する部材で平面視矩形状に形成されている。窓部121は、後述の装着部20に対応する位置(つまり、平面視でカバー12の右部)に設けられる。窓部122は、カバー12が閉位置にある場合に、後述のリボン装着部30に対応する位置(つまり、平面視でカバー12の左部)に設けられる。ユーザは、窓部121を介して装着部20に装着されたテープカセット80を確認できる。ユーザは、窓部122を介してリボン装着部30に装着されたリボンカセット90を確認できる。
図2から図18を参照して、筐体10の内部構成を説明する。図2及び図3に示すように、印刷装置1は、筐体10の内部に、印刷部50及び60を備える。本体ケース11の装着面111よりも下側には、図示略の制御基板及び電源が設けられる。制御基板は、図示略のCPU、ROM、RAM、及びCGROM等を備える基板であり、印刷装置1の各種動作を制御する。例えば制御基板は、印刷部50及び60の各印刷動作を制御する。本例の制御基板は、本体ケース11の内部における右後部に設けられ、且つ上下方向及び左右方向に延びる。電源部は、本体ケース11内に装着された電池(図示略)に接続され、又はコードを介して外部電源(図示略)に接続され、印刷装置1に電源を供給する。本例の電源部は、制御基板の前側に設けられる。
[2.テープ印刷部50]
印刷部50は、本体ケース11に設けられた、装着部20、逃がし部21、22、及び搬送路23(図3参照)を備える。装着部20は、テープカセット80を着脱可能な部位である。テープカセット80は、平面視矩形状の箱状体である。テープカセット80は、例えば、ラミネートタイプのテープカセットである。装着部20は、平面視でテープカセット80と略対応する開口形状で形成された、上方に開口する凹部である。本例の装着部20は、装着面111の右部、且つ後述する装着部40の前側に設けられる。
逃がし部21は、装着部20の前部から前方に延設された、装着面111よりも下方に凹む部位である。逃がし部22は、装着部20の後部から後方に延設された、装着面111よりも下方に凹む部位である。カバー12が開位置にある状態で、ユーザは、テープカセット80を装着部20に対して上方から着脱可能である。ユーザは、テープカセット80を把持した指を逃がし部21、22に挿入することで、テープカセット80を装着部20に対して着脱しやすい。搬送路23は、装着部20の右前部から連続して前方に延びる溝部である。搬送路23の前端部は、排出口14に接続する。
図3に示すように、印刷部50はさらに、本体ケース11に設けられた、印刷ヘッド52、プラテンローラ53、可動搬送ローラ54、プラテンホルダ(図示略)、カッタ(図示略)、及びカッタモータ(図示略)等を備える。印刷ヘッド52は、装着部20の右前部に設けられた、発熱体(図示略)を備えるサーマルヘッドである。プラテンローラ53は、印刷ヘッド52に相対して回転可能なローラである。可動搬送ローラ54は、テープ駆動軸55に相対して回転可能なローラである。プラテンローラ53及び可動搬送ローラ54は、プラテンホルダの先端で回転可能に支持される。プラテンホルダは、装着部20の右側に配置され、カバー12の開閉に伴って作動位置と退避位置とに変位可能である。カッタは、搬送路23にあるテープを切断可能である。カッタモータは、カッタを駆動するモータである。
[3.チューブ印刷部60]
印刷部60は、リボン装着部30、逃がし部31、32、供給部15、装着部40、排出部16、第1押圧部材41、第2押圧部材46、第1検知部33、及び第2光学センサ95、案内部材128を備える。リボン装着部30は、本体ケース11に設けられ、リボンカセット90を着脱可能な部位である。リボンカセット90は、インクリボンを収容可能な箱状体である。リボン装着部30は、本体ケース11内の、印刷ヘッド61(後述)に対して装着部40側とは反対側となる位置に設けられた、装着面111よりも下方に凹んだ凹部である。リボン装着部30は、平面視でリボンカセット90と略対応する開口形状で形成される。本例のリボン装着部30は、装着面111の左部、且つ装着部40の前側に設けられる。即ち、装着部20及びリボン装着部30は、互いに左右方向に並ぶように、後述の搬送方向に沿って配置される。
逃がし部31は、本体ケース11に設けられ、リボン装着部30の右部から右方に延設された、装着面111よりも下方に凹む部位である。逃がし部32は、リボン装着部30の左前部から左前方に延設された、装着面111よりも下方に凹む部位である。ユーザは、カバー12が開かれた状態で、リボンカセット90をリボン装着部30に対して上方から着脱可能である。このときユーザは、リボンカセット90を把持した指を逃がし部31、32に挿入することで、リボンカセット90をリボン装着部30に対して着脱しやすい。
供給部15は、装着部40の一端部(右端部)に設けられた、開口151を有し、装着面111よりも下方に凹んだ凹部である。供給部15は、供給部15の凹部を塞ぐ、スポンジ状のクリーナ152を有する。図2に示すように、クリーナ152は、右側面視正六角形の対角線状の3本の切れ目を有する。3本の切れ目の内の切れ目153は上下方向に延び、切れ目153の上端はクリーナ152の上端に達する。チューブ9が装着部40に装着される場合、チューブ9は、切れ目153の上端から下方に挿入される。チューブ9は、3本の切れ目の交点が、チューブ9の断面の中心と略一致する姿勢で、クリーナ152に挟持される。クリーナ152は、印刷装置1の外部から供給されるチューブ9の姿勢を安定させる。クリーナ152は、印刷面となるチューブ9の表面に付着した埃を拭き取る。
装着部40は、本体ケース11に設けられ、チューブ9が装着される凹部である。装着部40は、供給部15から排出部16まで延びる、装着面111よりも下方に凹んだ凹部である。図5に示すように、装着部40は、基準面401、第1側面402、及び第2側面403を有する。基準面401は、装着部40の下方の面(底面)である。基準面401は、略水平な平面である。第1側面402は、装着部40の後ろ側の側面である。第2側面403は、装着部40の前側の側面である。第1側面402及び第2側面403は基準面401に対して略垂直である。本例の印刷装置1では、ユーザはチューブ9を基準面401に沿って装着させることで、チューブ9の上下方向の位置決めを行う。
装着部40の延設方向を、搬送方向という。搬送方向において、供給部15から排出部16に向かう側を、搬送方向下流側という。排出部16から供給部15に向かう側を、搬送方向上流側という。本例の排出部16は供給部15よりも若干前側にある。搬送方向において、供給部15と、後述する印刷ヘッド61との間では、装着部40は若干左前側に傾いて略左右方向に延びる。搬送方向において、印刷ヘッド61と、排出部16との間では、装着部40は若干右前側に傾いて(つまり、開口161の延設面に直行する方向である左右方向よりも前方に傾いて)、略左右方向に延びる。搬送方向において、印刷ヘッド61と、排出部16との間の搬送方向は、図3及び図4の矢印Y2によって示される。本例の装着部40には、チューブ9の延伸方向と直交する断面(つまり、チューブ9の横断面)の外径が、搬送方向と直交する装着部40の開口断面より小さいチューブ9を装着可能である。
逃がし部22の後端部は、供給部15の左側で、装着部40と空間的に繋がる。リボン装着部30の後端部は、排出部16の右側で、装着部40と空間的に繋がる。ユーザは、カバー12が開かれた状態で、チューブ9を装着部40に対して上方から着脱可能である。このときユーザは、チューブ9を把持した指を逃がし部22及びリボン装着部30の少なくとも1つに挿入することで、チューブ9を装着部40に対して着脱しやすい。ユーザは、チューブ9が供給部15から排出部16まで延びるように、チューブ9を搬送方向に沿って装着部40に装着する。
排出部16は、開口161を有し、搬送方向下流側に設けられた、装着面111よりも下方に凹んだ凹部である。排出部16には、ローラ部材19が設けられる。図6及び図7に示すように、ローラ部材19は、板部材191、ローラ192、及び支持部193を備える。板部材191は、一端部を支持部193に回動可能に支持された板状の部材である。板部材191は、下方向に延びる第1姿勢(図7(A)参照)と、排出部16から外部に向かう左方向に延びる第2姿勢(図7(B)参照)とに、軸195を中心として回動可能である。ローラ部材19の回動方向は、図7(A)の矢印Y3によって示される。板部材191は、第1姿勢における右上端側に規制部194を有する。規制部194は、軸195からの距離が、軸195と支持部193との間の最短距離よりも長い部分である。規制部194は、支持部193と当接することで、板部材191が、第1姿勢から右方(反時計周り)に回動することを規制する。板部材191の左上端側の形状は、軸195からの距離が、軸195と支持部193との間の最短距離以下となる、正面視円弧状の形状である。ローラ192は、板部材191の他端部に、左方向に回動可能に支持される。図5及び図6に示すように、装着部40にチューブ9が装着されていない場合、板部材191は、第1姿勢である。装着部40にチューブ9が装着され、排出部16からチューブ9が排出される場合、図3及び図4に示すように、ローラ192の下端がチューブ9に接し、板部材191は、第2姿勢となる。
図2に示すように、第1押圧部材41及び第2押圧部材46は、カバー12の対向面123に設けられる。対向面123は、本体ケース11と対向する側の面である。第1押圧部材41及び第2押圧部材46は各々、カバー12が開位置にある場合に装着部40から退避する。第1押圧部材41及び第2押圧部材46は各々、カバー12が閉位置にある場合に装着部40の凹部内に配置されて装着部40に装着されたチューブ9を下方に押圧可能である。
カバー12が閉位置にある場合、第1押圧部材41は、図3のP1で示す位置に配置される。図3に示すように、第1押圧部材41は、カバー12が閉位置にある場合、搬送方向において印刷ヘッド61(後述)に対して排出部16とは反対側(つまり、供給部15側)に配置される。より詳細には、第1押圧部材41は、搬送方向において、供給部15と搬送ローラ66(後述)との略中間位置を中心M1とすると、搬送ローラ66と中心M1との略中間に対応する位置に配置される。
図8及び図9に示すように、第1押圧部材41は、回動軸42、アーム部43、第1付勢部材44、及びローラ45を備える。アーム部43は、平面視で搬送方向に延びる矩形状である。アーム部43は、一端部431が対向面123側において、カバー12の支持部124によって回動可能に支持される。アーム部43の回動軸42は、カバー12が閉位置にある場合、搬送方向に対して略直交方向に延びる。支持部124は、カバー12の対向面123に対して垂直に延設された部位である。他端部432はアーム部43の左下方向にある。即ち、他端部432は、一端部431よりも搬送方向下流側にある。図9に示すように、カバー12が閉位置にある場合に、他端部432が装着部40の凹部内に配置される。アーム部43は、一端部431と他端部432を結ぶ辺に対して対向面123側に延びるガイド部433を備える。カバー12は、対向面123に対して略垂直に延設された板状の一対のガイド部125、126を備える。ガイド部125、126は、カバー12が閉位置にある場合、搬送方向に延びる。アーム部43のガイド部433は、一対のガイド部125、126の間に配置される。アーム部43は、ガイド部125、126にガイドされ、回動軸42を中心に回動する。
第1付勢部材44は、アーム部43の他端部432を対向面123から離れる方向に付勢する。対向面123から離れる方向は、カバー12が閉位置にある場合、下方である。第1付勢部材44は、コイル部、及びコイル部から径外側に延設された2つの腕部を有するねじりバネである。第1付勢部材44の一方の腕部はアーム部43に固定されており、他方の腕部はカバー12に固定されている。第1付勢部材44は、カバー12が閉位置にある場合のアーム部43を下方向(図9では反時計回り方向)に回転させるように、付勢する。
ローラ45は、アーム部43の他端部432に、搬送方向に回転可能に支持される。ローラ45の幅は、印刷可能なチューブ9の径を考慮して決定される。ローラ45の幅は、水平面上で、搬送方向と直交する方向の長さである。本例では、ローラ45の幅は印刷可能なチューブ9の最小径よりも長い。装着部40にチューブ9が装着された状態で、カバー12が閉位置にある場合、ローラ45は、装着部40に装着されたチューブ9と接触し、チューブ9を下方に押圧する。
カバー12が閉位置にある場合、第2押圧部材46は、図3のP2で示す位置に配置される。第2押圧部材46は、カバー12が閉位置にある場合の搬送方向において、印刷ヘッド61(後述)に対して排出部16側に配置される。より詳細には、第2押圧部材46は、搬送方向において、印刷ヘッド61と搬送ローラ67(後述)の間となる、装着部40に対応する位置に設けられる。第2押圧部材46は、平面視正方形状、正面視上下方向に長い矩形状の部材である。
図8及び図10に示すように、第2押圧部材46は、押圧部47、支持部48及び第2付勢部材49を備える。押圧部47は、カバー12が開位置にある場合に装着部40から退避し、カバー12が閉位置にある場合に装着部40内に配置される。押圧部47は、対向面123から離れる側(つまり下方)にローラ471を備える。ローラ471は、搬送方向に回転可能に支持される。本例では、ローラ45と同様に、ローラ471の幅は、チューブ9の最小径より長い。支持部48は、下方に開口481を有する箱状であり、開口481から押圧部47の下端側を露出した状態で、押圧部47を対向面123と交差する方向に移動可能に支持する。本例の支持部48は、押圧部47を対向面123と略垂直な方向に移動可能に支持する。第2付勢部材49は、押圧部47を対向面123から離れる側(つまり下方)に付勢する。第2付勢部材49は、圧縮コイルバネである。装着部40にチューブ9が装着された状態で、カバー12が閉位置にある場合、ローラ471は、装着部40に装着されたチューブ9と接触し、チューブ9を下方に押圧する。
装着部40にチューブ9が装着され、カバー12が閉位置にある場合、第2押圧部材46がチューブ9を押圧する荷重は、第1押圧部材41がチューブ9を押圧する荷重よりも小さく設定されている。
図3に示すように、第1検知部33は、搬送方向において印刷ヘッド61よりも供給部15側に配置され、装着部40にチューブ9が装着されているか否かを光学的に検知可能に構成されている。より詳細には、第1検知部33は、搬送方向において供給部15と搬送ローラ66(後述)との中心M1と、搬送ローラ66との間に設けられる。
図11から図13に示すように、第1検知部33は、回動軸34、回動部材35、付勢部材36、及び第1光学センサ37を備える。図12に示すように、回動軸34は、本体ケース11に設けられ、装着面111における装着部40の幅方向W1の中心M2よりも矢印Y5で示す方向(後斜め左方)となる位置において、上方に延びる軸である。本例の回動軸34は、装着部40に対して、後述の印刷ヘッド61側とは反対側(つまり、後述の搬送ローラ65側)に配置される。
回動部材35は、検知部材351、検知部352、及び当接部353を備える。検知部材351は、回動軸34によって一端部354が回動可能に支持され、他端部355が装着部40内に配置された板状の部材である。図12に示すように、本例の回動軸34は、検知部材351の他端部355に対して排出部16側に配置される。図13に示すように、検知部材351の下方向の幅W2(上下方向の長さ)は、装着部40の下方向の幅W3(上下方向の長さ)より狭く、装着部40の下方向の幅W3の半分より広い。検知部材351の下方向の幅W2の中心M3は、装着部40の下方向の幅W3の中心M4よりも下方向にある。装着部40にチューブ9が装着されていない場合、検知部材351の他端部355は、中心M2よりも矢印Y6で示す方向(前斜め右方)となる位置に配置される。検知部352は、検知部材351の下方に設けられた、板状の部位である。検知部352は、装着部40の下方に配置される。当接部353は、一端部354から、平面視検知部材351の延設方向と、交差する方向に延びる、上下方向に長い板状の部位である。検知部材351、検知部352、及び当接部353は、一体に成形される。付勢部材36は、回動部材35を平面視時計回りに付勢する。付勢部材36は、バネである。
第1光学センサ37は、本体ケース11内の装着部40から退避した位置であって、装着面111よりも下方となる位置に設けられる。図12及び図13に示すように、本例の第1光学センサ37は、装着部40の下方となる位置に設けられる。装着面111及び装着部40は光を遮断する材料で形成されているため、第1光学センサ37には、筐体10内部に侵入する外乱光が届きにくい。第1光学センサ37は、回動部材35の位置を光学的に検知可能なセンサである。
装着部40にチューブ9が装着されない場合、検知部材351は、装着部40を横切るように配置される。検知部材351の他端部355は、装着部40の第2側面403に当接する。このとき、図11に示すように、検知部352の先端(回動軸34側とは反対側の端部)は、第1光学センサ37の受光部と発光部との間に配置される。第1光学センサ37の受光部は、発光部が発した光を受信せず、OFF信号を出力する。装着部40にチューブ9が装着された場合、検知部材351の他端部355は、チューブ9の後ろ側側面に当接する。このとき、検知部352は、第1光学センサ37の受光部と発光部との間から退避した位置に配置される。第1光学センサ37の受光部は、発光部が発した光を受信し、ON信号を出力する。印刷装置1は、第1光学センサ37がON信号を出力した場合、装着部40にチューブ9が装着されたと判断する。印刷装置1は、第1光学センサ37がOFF信号を出力した場合、装着部40にチューブ9が装着されていないと判断する。
図4に示すように、第2光学センサ95は、搬送方向において印刷ヘッド61に対して排出部16側に配置され、装着部40にチューブ9が装着されているか否かを光学的に検知可能に構成されている。より詳細には、第2光学センサ95は、搬送方向において搬送ローラ67(後述)と、排出部16の間に設けられる。第2光学センサ95は、受光部96及び発光部97を備える。受光部96は、装着部40の前側の側面である第2側面403に配置される。発光部97は、受光部96と対向する位置となる、第1側面402に配置される。前述のように、装着部40は、印刷ヘッド61より排出部16側において、排出部16の延設面に対して直交する方向よりも前方に傾いた矢印Y2で示す方向に延設されている。このため、図4に示すように、受光部96は、左側面視した場合の、排出部16の開口161が設けられた範囲Rの外側にある。開口161から筐体10内部に侵入する光が、第2光学センサ95の検知結果に与える影響を低減することを考慮し、装着部40は、印刷ヘッド61より排出部16側において、光を反射しにくい色(例えば、黒色)で形成されることが好ましい。
本例のカバー12は窓部122を有する。窓部122から筐体10内部に侵入する光が第2光学センサ95の検知結果に与える影響を考慮し、図8に示すようにカバー12は、リブ127を有する。リブ127は、カバー12の対向面123から、対向面123から離れる側に延設される。本例のリブ127は、対向面123に対して略垂直に延設されている。カバー12が閉位置にある場合、リブ127は、図3のP3で示す位置に配置される。リブ127は、カバー12が閉位置にある場合に窓部122と第2光学センサ95との間の光路を塞ぐ。本例のカバー12はさらに、対向面123に案内部材128を有する。案内部材128は、対向面123に対して略垂直に延設された凸部である。カバー12が閉位置にある場合、案内部材128は、搬送ローラ67と排出部16との間となる装着部40内に配置される。カバー12が開位置にある場合、案内部材128は、装着部40から退避する。装着部40にチューブ9が装着された状態で、カバー12が閉位置にある場合、案内部材128は、チューブ9が基準面401から離れてカバー12側に移動する(浮き上がる)ことを抑制する。
図2及び図3に示すように、印刷部60はさらに印刷ヘッド61、リボン巻取軸63、搬送ローラ65から69、開閉機構70、切断部100、駆動モータ(図示略)等を含む。印刷ヘッド61及びリボン巻取軸63は、リボン装着部30の底面から上方に向けて各々立設される。印刷ヘッド61は、本体ケース11に設けられ、搬送ローラ65から69によって搬送されたチューブ9に印刷可能である。印刷ヘッド61は、リボン装着部30の後部に設けられた、発熱体(図示略)を備えるサーマルヘッドである。印刷ヘッド61は、リボン装着部30に装着されたリボンカセット90から供給されるインクリボンを使用して、チューブ9に印刷可能である。印刷ヘッド61は、作動位置と退避位置とに変位可能である。印刷装置1は、チューブ9に印刷する指示を受信すると、印刷ヘッド61を作動位置(図2において点線で示す位置)に移動させる。印刷ヘッド61が作動位置にある場合、印刷ヘッド61は装着部40の内側に配置されて、搬送ローラ65に近接する。印刷装置1は、チューブ9の印刷処理が終了すると、印刷ヘッド61を退避位置(図2において実線で示す位置)に移動させる。印刷ヘッド61が退避位置にある場合、印刷ヘッド61は装着部40の前側に配置されて、搬送ローラ65から離隔する。リボン巻取軸63は、リボン巻取スプール(図示略)を回転可能な軸である。
搬送ローラ65から69は、装着部40に装着されたチューブ9を搬送方向に沿って搬送可能に構成される。搬送ローラ65は、印刷ヘッド61に相対して回転可能なローラである。搬送ローラ66は、搬送ローラ68に相対して回転可能なローラである。搬送ローラ67は、搬送ローラ69に相対して回転可能なローラである。搬送ローラ68、69は、リボン装着部30の後側に配置され、開閉レバー71の姿勢に応じて、作動位置(図2において点線で示す位置)と退避位置(図2において実線で示す位置)とに変位可能である。搬送ローラ68、69が作動位置にある場合、搬送ローラ68、69は各々装着部40の内側に配置されて、搬送ローラ66、67に近接する。搬送ローラ68、69が退避位置にある場合、搬送ローラ68、69は各々装着部40の前側に配置されて、搬送ローラ66、67から離隔する。駆動モータ(図示略)は、搬送ローラ65、66、67及びリボン巻取軸63を回転駆動するモータである。
図14から図18に示すように、開閉機構70は、開閉レバー71、リンク部材72、73、スライダー74、及びアーム部75、76を備える。リンク部材72、73及びスライダー74は、倍力構造によって出力が増大するトグル機構を構成する。開閉機構70は、開閉レバー71を閉位置(図14から図16参照)と開位置(図17及び図18参照)と切り替えることにより、アーム部75、76の位置を第1位置と第2位置とに切り替え可能である。アーム部75、76が第1位置にある場合、搬送ローラ68、69は作動位置にある。作動位置では、搬送ローラ68、69は各々搬送ローラ66、67に所定の圧力で圧接する。アーム部75、76が第2位置にある場合、搬送ローラ68、69は退避位置にある。退避位置では、搬送ローラ68、69は各々搬送ローラ66、67から離間する。以下の説明では、図14から図16に示す開閉レバー71が閉位置にある場合を基準に開閉機構70の構成を説明する。
開閉レバー71は、装着部40の後方において左右方向に延びる、装着面111よりも下方に凹んだ凹部113に取り付けられる。開閉レバー71は、左右方向に長い直方体状の部材である。開閉レバー71は、軸孔711、尾部712及び凹部713を備える。軸孔711は、開閉レバー71の右端部に設けられた、正面視円状の前後方向に貫通する孔である。軸孔711には、支持部82に支持された軸821が挿通されている。支持部82は、水平面と略平行に延設された基板81の後端部を上方に折り曲げた部位である。軸821は前後方向に延びる棒である。開閉レバー71は、軸821によって、図2及び図15の矢印Y4方向に回動可能に支持される。開閉レバー71は、付勢部材77によって、時計回りに付勢されている。付勢部材77は、一端が支持部82に固定され、他端が開閉レバー71に固定されたねじりバネである。尾部712は、開閉レバー71の右端に設けられた部位である。凹部713は、開閉レバー71の左端部の下面に設けられた、上方に向けてアーチ状に凹んだ部位である。凹部713は、開閉レバー71を操作する際に、ユーザが指で操作する部位である。
リンク部材72は、左右方向に長い部材である。リンク部材72は、軸721、ガイド部722、及び接続部723を有する。軸721は、前後方向に延び、支持部88によって回動可能に支持される。支持部88は、基板81の右後端部を上方に折り曲げた部位である。支持部88は正面視左方が開放された鉤状である。ガイド部722は、リンク部材72の上面に設けられた、上方に延びる板状の部位である。ガイド部722は正面視左方が開放された鉤状である。接続部723は、リンク部材72の左端部に設けられ、リンク部材73の右端部と接続される部位である。
リンク部材73は、左右方向に長い部材である。リンク部材73は、接続部731、732を有する。接続部731は、リンク部材73の右端部に設けられ、リンク部材72の接続部723と接続される部位である。接続部732は、リンク部材73の左端部に設けられ、スライダー74の右端部と接続される部位である。
スライダー74は、平面視左右方向に長い矩形状の板状部材である。スライダー74は、接続部741及びガイド孔742、743を有する。図15及び図17に示すように、接続部741は、スライダー74の右端部に設けられ、リンク部材73の接続部732と接続される部位である。接続部741は、正面視下方が開放された鉤状である。図16及び図18に示すように、ガイド孔742、743は左右方向に延びる、上下方向に貫通する孔である。ガイド孔742、743には各々凸部83、84が挿入されている。凸部83、84は、基板81の上面から上方に突出する。
図14、図16及び図18に示すように、アーム部75は、スライダー74の左方から前方にかけて延設された、平面視右方が開放された鉤状の部材である。アーム部75は、軸孔751、支持部752、及び当接部753を備える。軸孔751は、アーム部75の右前端部に設けられた、上下方向に貫通する平面視円状の孔である。軸孔751には、基板81から上方に延びる軸85が挿通されている。アーム部75は、軸85によって回動可能に支持される。支持部752は、軸孔751の左方に設けられ、搬送ローラ69を支持する部位である。当接部753は、アーム部75の右後端の下面に設けられた、下方に突出する凸部である。アーム部75は、付勢部材(図示略)によって平面視時計回りに付勢されており、当接部753は、スライダー74の左端と当接する。
アーム部76は、スライダー74の接続部741の前方に設けられた、平面視L字状の部材である。アーム部76は、搬送ローラ68を支持し、第1位置と第2位置とで揺動可能に、本体ケース11に支持される。アーム部76は、軸孔761、支持部762、及び当接部763、764を備える。軸孔761は、アーム部76の左右方向の中央付近に設けられた、上下方向に貫通する平面視円状の孔である。軸孔761には、基板81から上方に延びる軸86が挿通されている。アーム部76は、軸86によって回動可能に支持される。支持部762は、軸孔761の左方に設けられ、搬送ローラ68を支持する部位である。当接部763は、アーム部76の右後端において、スライダー74と接続された部位である。当接部764は、アーム部76の右後端部において、アーム部76の位置に応じて第1検知部33の当接部353と当接する部位である。アーム部76は、付勢部材87によって、平面視時計回りに付勢されている。
開閉機構70の動作について説明する。開閉レバー71がユーザによって、図14から図16に示す閉位置から、正面視時計回りに回動されると、開閉レバー71の尾部712の下面が、リンク部材72の上面の左部と当接する。開閉レバー71は、付勢部材77によって正面視時計回りに付勢されている。このため、ユーザは付勢部材77が設けられていない場合に比べ、少ない力で開閉レバー71を操作できる。リンク部材72は、開閉レバー71に当接しながら、軸721を中心に正面視反時計回りに回動する。リンク部材73は、リンク部材72の回動に伴い、正面視時計回りに回動する。スライダー74は、リンク部材73によって左方に押され、左側に移動する。アーム部75は、スライダー74の移動に伴い、軸85を中心に平面視反時計回りに回動する。アーム部76は、スライダー74の移動に伴い、軸86を中心に平面視反時計回りに回動する。アーム部76の当接部764は、回動部材35の当接部353に当接する。回動部材35は、アーム部76の回動に伴い、平面視反時計回りに回動する。
開閉レバー71が、図17及び図18に示す開位置に移動された場合、リンク部材72、73及びスライダー74は、正面視略一直線上に並ぶ。この時、リンク部材72、73及びスライダー74には、略水平方向の力のみが作用している。開閉レバー71は、開位置では、リンク部材72、73及びスライダー74から力を受けない。したがって、開閉レバー71が開位置にある場合、ユーザが開閉レバー71から手を離したとしても、開閉機構70の作用によって、開閉レバー71が自動的に閉位置に移動することはない。図18に示すように、開閉レバー71が開位置に移動された場合、搬送ローラ68、69は、退避位置(第1位置)にある。回動部材35の検知部材351は、装着部40から退避した位置にある。回動部材35が、退避位置にある場合、検知部352は、第1光学センサ37の受光部と発光部との間から退避している。回動部材35が退避位置にある場合、第1光学センサ37の受光部は、発光部が発した光を受信できる。
開閉レバー71がユーザによって、図17及び図18に示す開位置から、正面視反時計回りに回動されると、開閉レバー71の尾部712の上面が、リンク部材72のガイド部722に当接する。開閉レバー71が、リンク部材72と当接すると、リンク部材72から正面視反時計回りの力を受ける。付勢部材77は、開閉レバー71を正面視時計回りに付勢し、開閉レバー71がリンク部材72から受ける力を緩和するダンパとしての機能を果たす。リンク部材72は、開閉レバー71に当接しながら、軸721を中心に正面視時計回りに回動する。リンク部材73は、リンク部材72の回動に伴い、正面視反時計回りに回動する。スライダー74は、リンク部材73によって右方に引っ張られ、右側に移動する。アーム部75は、スライダー74の移動に伴い、軸85を中心に平面視時計回りに回動する。アーム部76は、スライダー74の移動に伴い、軸86を中心に平面視時計回りに回動する。回動部材35は、アーム部76の回動に伴い、平面視時計回りに回動する。その後アーム部76の当接部764は、回動部材35の当接部353と離間する。
開閉レバー71が、図14から図16に示す閉位置に移動された場合、開閉レバー71は、リンク部材72と当接し、正面視の時計回りの回動が規制される。したがって、開閉レバー71が閉位置にある場合、ユーザが開閉レバー71から手を離したとしても、開閉機構70の作用によって、開閉レバー71が自動的に開位置に移動することはない。開閉レバー71が閉位置に移動された場合、図15に示すように、搬送ローラ68、69は、作動位置にある。回動部材35の検知部材351の他端部355は、装着部40内に配置された作動位置にある。回動部材35が、作動位置にある場合、検知部352は、第1光学センサ37の受光部と発光部との間に配置される。回動部材35が作動位置にある場合、第1光学センサ37の受光部は、発光部が発した光を受信できない。
切断部100は、排出部16よりも搬送方向の上流側、且つリボン装着部30よりも搬送方向の下流側に設けられる。切断部100は、図示略のカッタ、まな板、及びカッタモータを備える。カッタ及びまな板は、装着部40を挟んで対向配置される。カッタは、まな板に向けて移動することで、装着部40にあるチューブ9をまな板に押し当てて切断可能である。カッタモータは、カッタを駆動するモータである。
[4.チューブ印刷部60の印刷動作]
印刷部60は、制御基板の制御に従って、以下の印刷動作を実行する。印刷部60の駆動モータは、搬送ローラ65から67及びリボン巻取軸63を回転させる。搬送ローラ65から67の回転に伴って、装着部40内にあるチューブ9は、搬送方向の下流側に搬送される。このとき、筐体10の外部にある印刷前のチューブ9は、供給部15を介して筐体10の右面から、装着部40内に引き込まれる。リボン巻取軸63の回転に伴って、リボンカセット90内のインクリボンが引き出される。
印刷ヘッド61は、引き出されたインクリボンを使用して、搬送されるチューブ9にキャラクタを印刷する。本例の印刷ヘッド61は、その後側を経由するチューブ9の前面にキャラクタを正像印刷する。したがってチューブ9の前面が、チューブ9の印刷面である。使用済みのインクリボンは、リボンカセット90内で巻き取られる。印刷後のチューブ9は、搬送ローラ65から搬送方向の下流側に搬送されて、排出部16を介して本体ケース11から排出される。このときチューブ9は、その印刷面が前方を向くように、筐体10の左面の開口161から左方に排出される。
印刷部60のカッタモータは、カッタを駆動して、排出部16よりも搬送方向の上流側でチューブ9を切断する。切断されたチューブ9は、搬送ローラ65の回転速度に応じた距離分、排出部16から左方に飛ばされて、図示略の排出領域に落下する。
印刷装置1において、装着面111、本体ケース11、装着部40、印刷ヘッド61、カバー12、窓部122、対向面123、リブ127、及びリボン装着部30は各々、本発明の装着面、本体ケース、装着部、印刷部、カバー、窓部、対向面、リブ、及びリボン装着部に相当する。搬送ローラ65から69は、本発明の搬送部に相当する。開口151及び供給部15は各々、本発明の第1開口及び供給部に相当する。開口161及び排出部16は各々、本発明の第2開口及び排出部に相当する。回動軸34、検知部材351、付勢部材36、及び第1光学センサ37は各々、本発明の回動軸、検知部材、付勢部材、及び第1光学センサに相当する。上方及び下方は各々、本発明の第1方向及び第2方向である。装着部40に対して印刷ヘッド61に向かう方向は、本発明の第4方向に相当する。搬送ローラ66、68は各々本発明の第1ローラ及び第2ローラに相当する。アーム部76及び開閉レバー71は、本発明のホルダ及び開閉レバーに相当する。受光部96、発光部97、及び第2光学センサ95は各々、本発明の受光部、発光部、及び第2光学センサに相当する。前方は、本発明の第5方向に相当する。ブラシ162、163は本発明のブラシに相当する。板部材191、規制部194及びローラ192は各々、本発明の板部材、及び第3ローラに相当する。左方は、本発明の第6方向に相当する。
印刷装置1では、検知部材351の位置を第1光学センサ37にて検知することによって、装着部40にチューブ9が装着されているか否かを検知可能である。具体的には、装着部40にチューブが装着されていない場合、検知部材351の他端部355は、付勢部材36によって平面視時計回りに付勢された位置にある。装着部40にチューブ9が装着された場合、検知部材351の他端部355は、付勢部材36の付勢力に抗して移動され、チューブ9が装着されていない場合の位置から平面視反時計回りに移動した位置にある。第1光学センサ37は、検知部材351の位置を光学的に検知する。第1光学センサ37は、光を遮断する装着面111よりも下方にあるため、供給部15及び排出部16から本体ケース11に侵入した外乱光の影響を受けにくい。したがって印刷装置1は、装着部40にチューブ9が適切に装着されたか否か、第1光学センサ37によって、従来よりも安定して検知可能である。
検知部材351の他端部355は、装着部40の延設方向(搬送方向)において、搬送ローラ66と供給部15との中心M1と、搬送ローラ66との間に配置されている。印刷装置1は、チューブ9の長さが比較的短い場合であっても、装着部40にチューブ9が装着されているか否かを検知できる。
回動軸34は、検知部材351の他端部355に対して排出部16側に配置されている。印刷装置1は、装着部40に装着されたチューブ9の頭出しを行う場合等に、チューブ9を排出部16から供給部15に向かう方向に搬送することがある。印刷装置1は、回動軸34が検知部材351の他端部355が供給部15側に配置された場合に比べ、チューブ9を排出部16から供給部15に向かう方向に搬送する場合に、チューブ9の移動が滞る可能性を低減できる。印刷装置1は、チューブ9のつまり等の搬送異常が発生する可能性を低減できる。
回動軸34は、装着部40に対して印刷ヘッド61側とは反対側にある。印刷装置1は、チューブ9を検知部材351によって、装着部40に対して印刷ヘッド61側に押圧できる。
検知部材351の下方向の幅W2の中心M3は、装着部40の下方の幅W3の中心M4よりも下方にある。印刷装置1では、ユーザが、装着部40の下方向の面を基準面401とし、チューブ9が装着部40の基準面401に沿うように配置した場合に、チューブ9の径が比較的細い場合であったとしても、装着部40にチューブ9を装着されているか否かを適切に検知できる。
印刷装置1は、装着部40の延設方向に回転可能な搬送ローラ66及び68を備える。アーム部76は、搬送ローラ68を支持し、搬送ローラ68を搬送ローラ66に所定の圧力で圧接させる第1位置と、搬送ローラ68を搬送ローラ66から離間させる第2位置との間で揺動可能に本体ケース11に支持される。開閉レバー71は、アーム部76の位置を、第1位置と第2位置とに切り替え可能である。検知部材351は、アーム部76が第2位置にある場合に、アーム部76と当接して装着部40から退避し、アーム部76が第1位置にある場合にアーム部76と離間して、検知部材351の他端部355が装着部40内に配置される。ユーザは開閉レバー71を操作することにより、搬送ローラ68の位置の切替と、検知部材351の位置の切替との双方を行うことができる。ユーザは、開閉レバー71を操作してアーム部76を第2位置に移動させることにより、検知部材351を装着部40から退避させることができ、検知部材351の他端部355が装着部40に侵入している場合に比べ、装着部40にチューブ9を容易に装着できる。
装着部40は、印刷ヘッド61よりも排出部16側において、排出部16の延設面に対して直交する方向よりも前方に傾いて延設される。第2光学センサ95は、印刷ヘッド61よりも排出部16側となる位置に設けられ、装着部40に装着されたチューブ9を光学的に検知可能である。第2光学センサ95は、装着部40の前方に配置された受光部96と、受光部96と対向する位置に配置された発光部97とを有する。印刷装置1は、受光部96が排出部16の延設面に直交する方向から退いた位置に配置されているため、排出部16から本体ケース11に侵入する外乱光が受光部96に到達することを抑制できる。したがって印刷装置1は、第2光学センサ95によって、印刷ヘッド61よりも排出部16側においてチューブ9が装着されているか否かを適切に検知できる。
印刷装置1は、本体ケース11内の、印刷ヘッド61に対して装着部40側とは反対側となる位置に設けられた、装着面111よりも下方に凹んだ凹部であって、インクリボンを収容可能なリボンカセット90が装着される凹部であるリボン装着部30を備える。印刷ヘッド61は、リボン装着部30に装着されたリボンカセット90から供給されるインクリボンを使用して、装着部40に装着されたチューブ9に印刷する。カバー12は、カバー12が閉位置にある場合に、リボン装着部30に対応する位置に設けられた光透過性を有する窓部122を備える。印刷装置1は、カバー12の本体ケース11と対向する側の対向面123に設けられ、カバー12が閉位置にある場合に窓部122と第2光学センサ95との間を塞ぐリブ127を備える。したがって印刷装置1では、ユーザは、リボン装着部30にリボンカセット90が装着されているか否か及びリボン装着部30に装着されているリボンカセット90の種類等を、本体ケース11に対してカバー12を閉じた状態で、窓部122から確認することができる。印刷装置1はリブ127を備えるので、カバー12に窓部122を設けた場合の、第2光学センサ95に到達する外乱光を低減できる。
印刷装置1は、排出部16の開口161に配置された可撓性を有する繊維状のブラシ162、163をさらに備える。印刷装置1は、ブラシ162、163によって、第2光学センサ95の受光部96に到達する外乱光を低減させ、印刷ヘッド61よりも排出部16側においてチューブ9が装着されているか否かを適切に検知できる。
印刷装置1は、一端部を排出部16に回動可能に支持された板状の部材であって、下方に延びる第1姿勢と、排出部16から外部に向かう左方向に延びる第2姿勢とに回動可能であり、第1姿勢から右方向に回動することを規制する規制部194を有する板部材191を備える。印刷装置1は、板部材191の他端部に取り付けられた、左方向に回動可能なローラ192を備える。印刷装置1は、板部材191によって、第2光学センサ95の受光部96に到達する外乱光を遮断し、印刷ヘッド61よりも排出部16側においてチューブ9が装着されているか否かを適切に検知できる。
第1検知部33は、搬送方向において、第1押圧部材41と搬送ローラ66との間に配置される。第1検知部33は、第1押圧部材41によって押圧され、基準面401に沿って配置された状態にあることを前提として、チューブ9が適切に装着されているか否かを検知できる。第2光学センサ95は、搬送方向において、搬送ローラ67と案内部材128の左端との間に配置される。第2光学センサ95は、案内部材128によって浮き上がりが抑制され、基準面401に沿って配置された状態にあることを前提として、チューブ9が適切に装着されているか否かを検知できる。
本発明の印刷装置は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の(A)から(C)までの変形が適宜加えられてもよい。
(A)印刷装置1の構成は適宜変更されてよい。印刷装置1において、印刷部50は省略されてよい。印刷装置1が印刷部60と印刷部50とを備える場合の、印刷部60に対する印刷部50の配置は適宜変更されてよい。
(B)第1検知部33の配置及び構成は適宜変更されてよい。例えば、回動軸34は、図19に示すように、装着部40に対して印刷ヘッド61側に配置されてもよい。この場合の印刷装置1は、装着部40に装着されたチューブ9を検知部材351によって、装着部40に対して印刷ヘッド61側とは反対側に押圧できる。チューブ9は、第1側面402側に沿って配置できる。印刷装置1は、装着部40に装着されたチューブ9が、逃がし部22によって撓むことを抑制できる。
第1検知部33の回動軸34は、検知部材351の他端部355に対して供給部15側に配置されてもよい。この場合の印刷装置1は、供給部15から排出部16に向かう方向にチューブ9を搬送する際の、検知部材351とチューブ9との間に生じる摩擦を低減できる。検知部材351の上下方向の位置及び幅は適宜変更されてよい。
第1検知部33の検知部材351は、開閉レバー71の位置に応じて、装着部40から退避しなくてもよい。第1検知部33の検知部材351は、開閉機構70とは別の機構(例えば、トグル機構ではないリンク機構)によって、装着部40から退避可能に構成されてもよい。搬送ローラ66、68、アーム部76、開閉レバー71は必要に応じて省略されてよい。
(C)第2光学センサ95は省略されてよい。第2光学センサ95の有無、配置、及び構成等に応じて、ブラシ162、163、リブ127、及びローラ部材91は適宜構成、数及び配置を変更されたり、省略されたりしてよい。窓部122及びリブ127は適宜省略されてよい。