JP6337602B2 - 研磨基板を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨された基板を製造する方法に関する。
これまで、基板を効率的に研磨加工する際には、しばしば、両面研磨装置が使用されている(例えば特許文献1)。
両面研磨装置は、第1の研磨パッド(研磨砥石)を有する金属製の上定盤、および第2の研磨パッド(研磨砥石)を有する金属製の下定盤を有する。
そのような両面研磨装置を用いて、基板の研磨加工を行う際には、まず、上定盤の上研磨パッドと、下定盤の下研磨パッドとの間に配置されるキャリア内に、研磨対象となる基板が支持される。次に、両研磨パッドが基板の上下面と接触するように、上定盤および下定盤が配置され、基板の上下面に押圧が付与される。次に、基板に自転を加えながら、上定盤と下定盤を相互に反対方向に回転させることにより、基板を両面側から研磨することができる。
特許4973762号公報
近年、精密部品や微細部品の寸法に対して、益々高い精度が要求されるようになってきている。例えば、バックグラインドのサポート基板等の半導体加工用部品の分野では、部品の厚さ等に対して、極めて小さな板厚偏差が要求されるようになってきている。
しかしながら、既存の方法では、そのような小さな板厚偏差を実現することは比較的難しく、従って、よりいっそうの精度向上を図るための対策が求められている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、研磨後の基板の板厚偏差を有意に抑制することが可能な、研磨基板を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明では、研磨された基板の製造方法であって、
(a)第1および第2の表面を有する、研磨対象となる基板を準備する工程と、
(b)両面研磨装置を用いて、前記基板の前記第1および第2の表面を研磨する工程と、
を有し、
前記両面研磨装置は、第1の研磨パッドを有する金属製の第1の定盤および第2の研磨パッドを有する金属製の第2の定盤とを有し、前記第1の定盤は、第1の内周端および第1の外周端を有する円盤形状を有し、前記第2の定盤は、第2の内周端および第2の外周端を有する円盤形状を有し、前記第1および第2の定盤は、相互に対向した状態で反対向きに回転することができ、
前記(b)の工程では、
前記第1の研磨パッドは、前記基板の第1の表面に接触され、
前記第2の研磨パッドは、前記基板の第2の表面に接触され、
前記基板は自転しながら公転し、
前記第1の定盤の前記第1の内周端と前記第1の外周端の中間の領域を第1の中間部と称したとき、
前記第1の中間部での温度Tmは、前記第1の内周端での温度Tiおよび前記第1の外周端での温度Toよりも高くなるように調整されることを特徴とする製造方法が提供される。
本発明では、研磨後の基板の板厚偏差を有意に抑制することが可能な、研磨基板を製造する方法を提供することができる。
本発明の一実施例に適用され得る両面研磨装置の構成を概略的に示した図である。 両面研磨装置の稼働中における基板の異なる位置状態を模式的に示した上面図である。 本発明の一実施例による、研磨基板の製造方法のフローを概略的に示した図である。 各例での、上定盤の研磨面における中間部の温度Tmと内周端の温度Tiの差(Tm−Ti)と、板厚偏差の関係を示したグラフである。 各例での、上定盤の研磨面における中間部の温度Tmと外周端の温度Toの差(Tm−To)と、板厚偏差の関係を示したグラフである。 各例での、上定盤の研磨面における外端部の温度Toと内周端の温度Tiの差(To−Ti)と、板厚偏差の関係を示したグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施例について説明する。
(両面研磨装置)
まず、図1を参照して、本発明の一実施例に適用され得る両面研磨装置の構成について簡単に説明する。
図1には、本発明の一実施例に適用され得る両面研磨装置を概略的に示す。
図1に示すように、この両面研磨装置100は、サンギア110と、インターナルギア120と、上定盤130と、下定盤150とを有する。上定盤130および下定盤150は、相互に対向するように配置され、相互に反対回りに回転することができる。なお、上定盤130は、鋼またはステンレス鋼等のような金属で構成される。下定盤150も同様の金属材料で構成される。
上定盤130は、下定盤150と対向する側(図では下側)に、上研磨パッド135を有する。下定盤150は、上定盤130と対向する側(図では上側)に、下研磨パッド155を有する。
下定盤150の下研磨パッド155上には、被加工対象となる基板190を支持するキャリア180が配置される。なお、図1の例では、下定盤150の下研磨パッド155上には、複数のキャリア180が配置され、各キャリア180は、1つの基板190を支持している。ただし、これは単なる一例に過ぎず、各キャリア180は、複数の基板190を支持しても良い。
キャリア180は、その外周部分に、サンギア110およびインターナルギア120と係合するように形成されたギア182を有する。
このような構成の両面研磨装置100を用いて基板190を研磨する場合、まず、各キャリア180内に、基板190が配置される。
次に、各キャリア180が、下定盤150の下研磨パッド155の上に配置される。また、上定盤130の上研磨パッド135が各キャリア180上に配置され、各キャリア180は、上定盤130の上研磨パッド135と下定盤150の下研磨パッド155の間に狭持される。
これにより、各基板190の上表面と下表面が、それぞれ、上研磨パッド135および下研磨パッド155に接触される。また、各基板190の上表面および下表面に、押圧が印加される。
次に、サンギア110およびインターナルギア120を、所定の回転比率で回転させることにより、キャリア180を自転させると同時に、キャリア180をインターナルギア120に沿って公転させる(遊星駆動)。さらに、上定盤130と下定盤150を相互に反対方向に回転させる。
これにより、上研磨パッド135および下研磨パッド155によって、各基板190の上表面および下表面が同時に研磨される。
なお、各基板190の研磨中には、必要に応じて、上研磨パッド135および/または下研磨パッド155の側から、基板190に研磨液が供給されても良い。
上述のような両面研磨装置100を用いることにより、基板190の両面を、効率的に研磨することができる。
ところで、近年、精密部品や微細部品の寸法に対して、益々高い精度が要求されるようになってきている。例えば、バックグラインド用のサポート基板等、半導体加工用部品の分野では、部品の厚さに対して、極めて小さな板厚偏差(例えば1μm以内)が要求されるようになってきている。
しかしながら、従来の一般的な方法では、基板190に対して、そのような小さな板厚偏差を実現することは比較的難しく、従って、よりいっそうの精度向上を図るための対策が求められている。
これに対して、本発明では、研磨された基板の製造方法であって、
(a)第1および第2の表面を有する、研磨対象となる基板を準備する工程と、
(b)両面研磨装置を用いて、前記基板の前記第1および第2の表面を研磨する工程と、
を有し、
前記両面研磨装置は、第1の研磨パッドを有する金属製の第1の定盤および第2の研磨パッドを有する金属製の第2の定盤とを有し、前記第1の定盤は、第1の内周端および第1の外周端を有する円盤形状を有し、前記第2の定盤は、第2の内周端および第2の外周端を有する円盤形状を有し、前記第1および第2の定盤は、相互に対向した状態で反対向きに回転することができ、
前記(b)の工程では、
前記第1の研磨パッドは、前記基板の第1の表面に接触され、
前記第2の研磨パッドは、前記基板の第2の表面に接触され、
前記基板は自転しながら公転し、
前記第1の定盤の前記第1の内周端と前記第1の外周端の中間の領域を第1の中間部と称したとき、
前記第1の中間部での温度Tmは、前記第1の内周端での温度Tiおよび前記第1の外周端での温度Toよりも高くなるように調整されることを特徴とする製造方法が提供される。
本発明による研磨基板の製造方法は、「前記第1の中間部での温度Tmは、前記第1の内周端での温度Tiおよび前記第1の外周端での温度Toよりも高くなるように調整される」という特徴を有する。
この場合、以降に詳しく説明するように、基板の研磨表面全体を、比較的均一に研磨することが可能になる。従って、本発明による研磨基板の製造方法では、研磨後に得られる基板の板厚偏差を有意に抑制することが可能となる。
以下、図面を参照して、この効果についてより詳しく説明する。なお、以下の記載では、第1の定盤が図1に示した下定盤150である場合を例に、本発明の効果について説明することにする。ただし、第1の定盤が図1に示した上定盤130である場合も、同様の説明が適用可能であることは当業者には明らかである。
前述のように、両面研磨装置100では、キャリア180を自転させながら、キャリア180をインターナルギア120に沿って公転させる。従って、研磨処理中、キャリア180に保持された基板190は、自転しながら、インターナルギア120の周囲を公転するように移動する。
図2は、図1に示した両面研磨装置100の稼働中の基板190の異なる位置状態(190A〜190C)を模式的に示した上面図である。
なお、明確化のため、図2には、上定盤130および上研磨パッド135、下研磨パッド155、ならびにキャリア180は、示されていない。また、図2には、サンギア110およびインターナルギア120は、基板190との位置関係が明確になるよう、概略的に示されている。
すなわち、サンギア110は、基板190のサンギア110に対する最近接位置が明確となるよう、概略的に示された外周端部112を有するように示されている。同様に、インターナルギア120は、基板190のインターナルギア120に対する最近接位置が明確となるよう、概略的に示された内周端部122を有するように示されている。
換言すれば、サンギア110の外周端部112は、基板190が下定盤150に対して最も内側に位置する場合の仮想的な限界線を示しており、インターナルギア120の内周端部122は、基板190が下定盤150に対して最も外側に位置する場合の基板190の仮想的な仮想的な限界線を示している。
図2に示すように、研磨処理中に自転および公転する基板190は、下定盤150に対して、以下の3つの位置態様を取り得る:すなわち、
(i)最外位置;すなわち、基板190の外周端がインターナルギア120の内端部122と接する第1の位置(該位置にある基板を「基板190A」で表す)、
(ii)最内位置;すなわち、基板190の外周端がサンギア110の外周端部112と接する第2の位置(該位置にある基板を「基板190B」で表す)、および
(iii)中間位置;すなわち、前記(i)と(ii)の間の第3の位置(該位置にある基板を「基板190C」で表す)
である。
ここで、一般に、基板190の研磨表面における研磨量Sは、上研磨パッド135および下研磨パッド155からの押圧Pと、基板190の走行距離Rとの積で表される(すなわち、S=P×R)。
従って、押圧Pが一定であると仮定すると、前述のような、上研磨パッド135と下研磨パッド155の間で自転しながら公転移動する基板190の場合、基板190の中央領域に比べて、基板190の外周領域の方が研磨量Sが大きくなる。基板190の外周領域の方が走行距離Rが大きくなるためである。
従って、基板190の研磨表面全体にわたって、上研磨パッド135および下研磨パッド155からの押圧Pを一定にした場合、基板190の外周領域の方が中央領域よりも研磨されてしまい、均一な研磨表面を得ることは難しくなる。このため、従来の方法では、基板190の板厚偏差を小さくすることには限界がある。
ところで、下定盤150は、鋼またはステンレス鋼のような金属材料で構成されている。従って、下定盤150の下研磨パッド155が配置される面(以下、「下定盤150の研磨面」と称する)158内に、温度差を付与することにより、下定盤150の研磨面を熱変形させることができる。例えば、下定盤150の研磨面158において、他の部分に比べて局所的に高温となる部分を形成することにより、該高温部分を変形(膨脹)させることができる。
そして、下定盤150の研磨面158にそのような膨脹部が生じた場合、該膨脹部に対応する基板190の研磨領域には、より大きな押圧Pを付与することができる。
従って、下定盤150の研磨面158の膨脹部を、基板190の中央領域に対応するように形成した場合、基板190の中央領域において、走行距離Rの低下を押圧Pによって相殺または緩和させることができ、結果的に、基板190の外周領域と同様の研磨量Sを得ることが可能になると考えられる。
再度図2を参照すると、図2には、各基板190A〜190Cの研磨表面が、便宜的に、外周領域と中央領域に区別して示されている(ここでは、外周領域と中央領域を区画する境界線は、外周領域と中央領域の直径の比が2:1となるように選定した)。すなわち、基板190Aの研磨表面は、外周領域197Aと中央領域198Aで構成され、基板190Bの研磨表面は、外周領域197Bと中央領域198Bで構成され、基板190Cの研磨表面は、外周領域197Cと中央領域198Cで構成される。
また、図2には、サンギア110の外周端部112およびインターナルギア120の内周端部122と同心円状の線CRが示されている。この線CRは、サンギア110の外周端部112の直径(R1)と、インターナルギア120の内周端部122の直径(R2)の中間の直径となるように描かれている。すなわち、線CRの直径(R)は、

R=(R1+R2)/2 (1)式

で表される。線CRを下定盤150の中間部152とも称する。
ここで、図2において、前述の第1の位置(i)〜第3の位置(iii)の3つの位置を示す各基板190A、基板190B、および基板190Cは、いずれも中央領域198A、198B、198Cが線CRと交差している。このことは、基板190が位置(i)〜(iii)のいかなる位置に存在する場合も、すなわち、基板190の研磨処理の間、基板190の中央領域は、常時、線CRと重なる位置に配置されることを意味する。
従って、下定盤150の研磨面158において、線CRに対応する領域を前述の膨脹部とした場合、基板190A〜190Cの中央領域198A〜198Cに、外周領域197A〜197Cに比べて大きな押圧を付与することができる。その結果、基板190A〜190Cの中央領域198A〜198Cでは、走行距離Rの低下分が押圧Pによって補完され、基板190A〜190Cの外周領域197A〜197Cと中央領域198A〜198Cとで、同様の研磨量Sを得ることができる。
このような考察に基づき、本発明では、下定盤150の研磨面158において、中間部152をその他の部分に比べて高温とし、下定盤150のこの領域を変形(膨脹)させることにより、中間部152における押圧Pを、その他の領域に比べて高くすることを特徴とする。
この場合、基板190がいずれの位置にあっても、基板190の中央領域(198A、198B、198C)に、大きな押圧を付与することが可能となり、基板190の両表面における研磨量の均一性を高めることができる。
また、このことを実現するため、本発明では、下定盤150の中間部152における温度Tmを、下定盤150の内周端115(サンギア110の外周端部112に相当する位置)における温度Ti、および下定盤150の外周端125(インターナルギア120の内周端部122に相当する位置)における温度Toよりも高くする。
この条件が満たされるようにして、両面研磨装置100を稼働させることにより、前述の効果を得ることができる。
(本発明の一実施例による研磨基板の製造方法)
次に、本発明の一実施例による、研磨基板の製造方法について説明する。
図3には、本発明の一実施例による、研磨基板の製造方法(以下、単に「第1の製造方法」と称する)のフローを概略的に示す。
図3に示すように、第1の製造方法は、
(a)第1および第2の表面を有する、研磨対象となる基板を準備する工程(ステップS310)と、
(b)両面研磨装置を用いて、前記基板の前記第1および第2の表面を研磨する工程であって、
第1の研磨パッドは、基板の第1の表面に接触され、
第2の研磨パッドは、基板の第2の表面に接触され、
基板は自転しながら公転し、
第1の定盤の第1の内周端と第1の外周端の中間の領域を第1の中間部と称したとき、
第1の中間部における温度は、第1の内周端および第1の外周端よりも高くなるように調整される工程(ステップS320)と、
を有する。
以下、各ステップについて説明する。
(ステップS310)
まず、研磨対象となる基板が準備される。
基板は、特に限られず、例えば、ガラス基板のような絶縁基板であっても良い。また、ガラス基板は、例えば、バックグラインド用のサポート基板であっても良い。
ここで、バックグラインド用のサポート基板は、半導体部品製造用に使用される基板であり、厚さに対して極めて高い均一性が要求される。このため、従来の研磨基板の製造方法では、そのようなサポート基板への適用に限界がある。
しかしながら、本発明の一実施例による研磨基板の製造方法では、研磨後の基板の板厚偏差を有意に抑制することができる。従って、第1の製造方法は、バックグラインド用のサポート基板のような、厚さに対して極めて小さな板厚偏差が要求されるような精密部品に対しても、十分に適用することができる。
なお、基板の形状は、特に限られない。基板は、円盤状、板状、または箔状であっても良い。
(ステップS320)
次に、研磨対象となる基板が、例えば、図1に示したような両面研磨装置に設置される。
以降の記載では、明確化のため、図1に示した両面研磨装置100を用いて、基板を研磨する場合を例に、ステップS320について説明する。従って、以降の説明では、部材の説明の際に、図1および図2に示した参照符号を使用する。
まず、研磨対象となる基板190は、キャリア180に保持される。このキャリア180は、下定盤150の下研磨パッド155上に載置される。
キャリア180は、基板190の第1の表面が下研磨パッド155と接触するようにして、下研磨パッド155上に置載される。また、キャリア180は、自身のギア182が、サンギア110およびインターナルギア120と係合するようにして配置される。
なお、キャリア180は、必ずしも一つである必要はなく、複数のキャリア180を使用しても良い。また、一つのキャリア180に担持される基板190の数は、特に限られず、一つのキャリア180に複数の基板190を担持させても良い。
次に、基板190の第2の表面と接触するようにして、上定盤130の上研磨パッド135が、キャリア180の上部に配置される。上定盤130の上研磨パッド135および下定盤150の下研磨パッド155は、基板190に押圧を印加した状態に維持される。
基板190に対する押圧は、例えば、30g/cm〜100g/cmの範囲であっても良い。
この状態で、両面研磨装置100が稼働され、基板190の両表面が同時に研磨される。
両面研磨装置100の稼働時には、上定盤130(上研磨パッド135)と下定盤150(下研磨パッド155)は、相互に反対方向に回転する。また、サンギア110およびインターナルギア120は、所定の回転比率で回転される。このため、基板190を保持するキャリア180は、遊星駆動される。これにより、基板190は、自転しながら、インターナルギア120に沿って公転する。
上定盤130および/または下定盤150の回転速度は、研磨対象となる基板190の種類および研磨量等によって異なるが、例えば、20rpm〜50rpmの範囲である。
ここで、前述のように、第1の製造方法では、下定盤150の内周端115と外周端125の中間の領域、すなわち中間部152の温度Tmが、内周端115の温度Ti、および外周端125の温度Toよりも高くなるように調整されるため、下定盤150の中間部152は、他の部分よりも膨脹する。従って、この部分に相当する下研磨パッド155は、基板190の同部分に相当する表面(主に中央領域198A〜198C)に対して、より大きな押圧を印加できるようになる。
その結果、第1の製造方法では、基板190の研磨面全体にわたって、同等の研磨量を得ることが可能となり、厚さの均一性が有意に向上した基板を製造することができる。
ここで、下定盤150の中間部152での温度Tmと、外周端125での温度Toの差Tm−Toは、0.1℃〜5℃の範囲であることが好ましく、0.5℃〜1℃の範囲であることがより好ましい。
同様に、下定盤150の中間部152での温度Tmと、内周端115での温度Tiの差Tm−Tiは、0.1℃〜5℃の範囲であることが好ましく、2℃〜4℃の範囲であることがより好ましい。
温度差が5℃を超えると、中央部の圧力が大きく増加するため、基板中央部の厚さが薄くなり、板厚偏差の大きい基板が得られるおそれがある。逆に、温度差が0.1℃未満の場合には、基板の中央部に印加される圧力が不十分となり、板厚偏差の大きい基板となるおそれがある。
また、下定盤150の外周端125の温度Toは、内周端115の温度Tiよりも高いことが好ましい。これは、両面研磨機の仕組み上、研磨材は内周から外周へ流れる傾向にあり、TmがTiより低くなるように外周端を冷却するには、外部からの冷却や、冷却機能を持つ研磨材を極端に外周へ振り分けて供給することが必要になり、研磨面内温度差以外の要因によって安定した研磨が阻害されるためである。例えば、外部冷却を導入すれば、定盤厚み方向の温度分布に変化が表れ、また研磨材を外周へ極端に振り分ければ、研磨材の疎密が発生し、研磨が適正に行われないおそれがある。下定盤150の外周端125の温度Toは、内周端115の温度Tiよりも、例えば、0℃〜5℃高いことが好ましい。
なお、第1の製造方法において、下定盤150の中間部152の温度Tmを、内周端115の温度Tiおよび外周端125の温度Toよりも高くする方法は、特に限られない。
例えば、通常、両面研磨装置を用いて基板を研磨する際には、基板の近傍に、例えば、研磨材を含む研磨液が供給される。
従って、例えば、下定盤150の温度よりも低い温度の研磨液を、下定盤150の研磨面158の中間部152以外の部分に供給することにより、前述の温度分布を達成することができる。また、例えば、下定盤150の温度よりも高い温度の研磨液を、下定盤150の研磨面158の中間部152のみに供給することにより、前述の温度分布を達成しても良い。
あるいは、その他の方法で、下定盤150の中間部152の温度Tmを、内周端115の温度Tiおよび外周端125の温度Toよりも高くしても良い。
以上、下定盤150の研磨面158が面内温度分布を有する場合を例に、本発明の一実施態様について説明した。しかしながら、記載された実施態様は、単なる一例に過ぎず、その他の実施態様においても、同様の効果が得られることは当業者には明らかである。
例えば、図1の両面研磨装置100において、下定盤150の研磨面158の代わりに、上定盤130の研磨面が、同様の温度分布を有するようにしても良い。すなわち、上定盤130の研磨面において、中間部の温度が最も高くなるように調整しても良い。あるいは、上定盤130の研磨面と下定盤150の研磨面158の両方を、前述のような温度分布となるように調整しても良い。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1に示したような両面研磨装置(16B両面研磨機:スピードファム株式会社製)を用いて、前述の第1の製造方法により、ガラス基板の両面研磨を実施した。
ガラス基板には、直径300mm×厚さ0.7mmの円盤状の無アルカリガラスを使用した。ガラス基板は、一度に1枚のガラス基板を保持できるキャリア内に保持して、両面研磨装置に設置した。
両面研磨装置の上研磨パッドおよび下研磨パッドには、硬質ウレタン製のものを使用した。ガラス基板に対する押圧は、60g/cmとした。
下定盤の回転数は、30rpmとした。ガラス基板の研磨量は、厚さの10%を目標とした。
なお、実施例1では、研磨中に、上定盤の研磨面において、中間部を除く領域に、連続的に室温の研磨液を供給することにより、中間部の温度Tmを、内周端の温度Tiおよび外周端の温度Toよりも高くなるようにした。研磨液の供給速度は、3リットル/分とした。また、研磨液には、酸化セリウム砥粒を含むものを使用した。
研磨処理中、上定盤の研磨面において、内周端、中間部、および外周端の3箇所の温度(それぞれ、Ti、Tm、Toと称する)を測定した。
研磨処理後に、ガラス基板の板厚偏差を測定した。なお、板厚偏差は、レーザ変位計(キーエンス社製:レーザヘッドはSI−F80)を用いて、研磨ガラス基板の各位置における膜厚を測定することにより算定した。
より具体的には、研磨ガラス基板の中心部から0、100、200、および298mmの領域における、角度0゜、90゜、180゜、270゜の計4箇所で膜厚測定を実施し、この最大値と最小値の差を、板厚偏差とした。
(実施例2〜実施例7)
実施例1と同様の方法により、ガラス基板の両面研磨を実施した。
ただし、これらの例では、研磨中に上定盤の研磨面に供給する研磨液の供給速度、および/または供給場所を変えることにより、実施例1の場合とは、中間部の温度Tm、内周端の温度Ti、および/または外周端の温度Toを変化させた。
なお、研磨液は、中間部、内周端および外周端の温度に関して、Tm>TiおよびTm>Toを満たすように供給した。
(比較例1〜比較例2)
実施例1と同様の方法により、ガラス基板の両面研磨を実施した。
ただし、これらの例では、研磨中に上定盤の研磨面に供給する研磨液の供給速度、および/または供給場所を変えることにより、実施例1の場合とは、中間部の温度Tm、内周端の温度Ti、および/または外周端の温度Toを変化させた。
また、研磨液は、中間部、内周端および外周端の温度に関して、Tm>TiまたはTm>Toを満たさないように供給した。
(板厚偏差の測定結果)
各例において得られた研磨ガラス基板を用いて、前述の方法で、板厚偏差を評価した。
以下の表1には、各例における板厚偏差の測定結果をまとめて示す。
Figure 0006337602
なお、表1には、各例における研磨処理中の上定盤の研磨面の3箇所の温度測定結果が、同時に示されている。
さらに、図4には、各例における中間部の温度Tmと内周端の温度Tiの差(Tm−Ti)と、板厚偏差の関係を示す。また、図5には、各例における中間部の温度Tmと外周端の温度Toの差(Tm−To)と、板厚偏差の関係を示す。また、図6には、各例における外端部の温度Toと内周端の温度Tiの差(To−Ti)と、板厚偏差の関係を示す。
これらの結果から、上定盤の研磨面においてTi>Tm>Toの温度関係が得られるような条件で、ガラス基板の研磨処理を実施した比較例1では、板厚偏差が1.5μmと大きくなっていることがわかる。また、同様に、Ti<Tm<Toの温度関係でガラス基板の研磨処理を実施した比較例2においても、板厚偏差は、1.4μmと大きくなっていることがわかる。
これに対して、上定盤の研磨面においてTi<TmおよびTo<Tmを満たすようにして、ガラス基板の研磨処理を実施した実施例1〜実施例7では、板厚偏差は、いずれも1μm未満となっており、板厚偏差が有意に低減されていることがわかる。
このように、Ti<TmおよびTo<Tmを満たすようにして、ガラス基板の両面研磨処理を実施することにより、研磨後のガラス基板の板厚偏差を有意に抑制できることが確認された。
本発明は、例えば、研磨されたガラス基板の製造方法、特に、バックグラインドサポート用のガラス基板の製造方法等に利用することができる。
100 両面研磨装置
110 サンギア
112 (サンギアの)外周端部
115 内周端
120 インターナルギア
122 (インターナルギアの)内周端部
125 外周端
130 上定盤
135 上研磨パッド
150 下定盤
152 中間部
155 下研磨パッド
158 下定盤の研磨面
180 キャリア
182 ギア
190(190A〜190C) 基板
197A〜197C 外周領域
198A〜198C 中央領域

Claims (10)

  1. 研磨された基板の製造方法であって、
    (a)第1および第2の表面を有する、研磨対象となる基板を準備する工程と、
    (b)両面研磨装置を用いて、前記基板の前記第1および第2の表面を研磨する工程と、
    を有し、
    前記両面研磨装置は、第1の研磨パッドを有する金属製の第1の定盤および第2の研磨パッドを有する金属製の第2の定盤とを有し、前記第1の定盤は、第1の内周端および第1の外周端を有する円盤形状を有し、前記第2の定盤は、第2の内周端および第2の外周端を有する円盤形状を有し、前記第1および第2の定盤は、相互に対向した状態で反対向きに回転することができ、
    前記(b)の工程では、
    前記第1の研磨パッドは、前記基板の第1の表面に接触され、
    前記第2の研磨パッドは、前記基板の第2の表面に接触され、
    前記基板は自転しながら公転し、
    前記第1の定盤の前記第1の内周端と前記第1の外周端の中間の領域を第1の中間部と称したとき、
    前記第1の中間部での前記基板に対する押圧を、前記第1の内周端および前記第1の外周端の押圧よりも高くするため、前記第1の中間部での温度Tmは、前記第1の内周端での温度Tiおよび前記第1の外周端での温度Toよりも高くなるように調整されることを特徴とする製造方法。
  2. 前記第1の中間部での温度Tmと、前記第1の外周端での温度Toの差Tm−Toは、0.1℃〜5℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第1の中間部での温度Tmと、前記第1の内周端での温度Tiの差Tm−Tiは、0.5℃〜5℃の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記第1の定盤の前記第1の外周端での温度Toは、前記第1の内周端での温度Tiよりも高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の製造方法。
  5. 前記(b)の工程では、前記第1の内周端および/または前記第1の外周端に、研磨液を注入することにより、前記第1の中間部での温度Tmは、前記第1の内周端での温度Tiおよび前記第1の外周端での温度Toよりも高くなるように調整されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の製造方法。
  6. 前記第1の定盤は、前記基板の上側に配置され、
    前記第2の定盤は、前記基板の下側に配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の製造方法。
  7. 前記第2の定盤の前記第2の内周端と前記第2の外周端の中間の領域を第2の中間部と称したとき、前記第2の中間部での温度は、前記第2の内周端および前記第2の外周端よりも高くなるように調整されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の製造方法。
  8. 前記(b)の工程において、前記基板はキャリアに保持されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の製造方法。
  9. 前記基板は、ガラス基板であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の製造方法。
  10. 前記基板は、バックグラインドサポート用のガラス基板であることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
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