JP6335374B2 - エポキシ樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

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本発明は、酸化マグネシウム粉末を含有する熱伝導性のエポキシ樹脂組成物、及びそれからなる熱伝導性封止材、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤、硬化物、並びに酸化マグネシウム粉末を含有するエポキシ樹脂組成物用充填材に関する。特に、混練によって容易に調製することが可能であり、流動性が改良されて成形性に優れ、吸水性が良好(低吸水性)であって、好ましくは更に耐燃焼性に優れる熱伝導性のエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂組成物は、多くの分野で種々の用途に用いられている。
特に電子部品では、基板材料、封止材料、熱伝導性シート材料、接着剤などとして好適に使用されている。この用途では、小型化、高集積化、高容量化、高速化などの進展と共に、電子部品からの発熱量が増加する傾向にある。発熱量が増加すると温度や湿度の影響によって電子部品の信頼性が低下する。この為、エポキシ樹脂組成物に対して、耐熱性や低吸水性(耐湿性)に加えて、放熱性を向上するために熱伝導性を付与することが求められている。
また、接着剤やコーティング材の場合は必ずしも難燃性が要求されないが、半導体封止材料のような発熱源を直接封止するような場合には、安全性を考慮して電子部品用としての高度の耐燃焼性が求められている。
エポキシ樹脂組成物に熱伝導性を付与するために、酸化マグネシウムを配合することが既に提案されている。酸化マグネシウムによって熱伝導性は向上する。しかし、配合量が増大すると流動性が低下して成形性が十分ではなくなるので、特に小型化(薄膜化、微細化、複雑化)した電子部品では成形性に問題が生じる。
特許文献1には、耐湿性及び熱伝導性に優れた酸化マグネシウム粉末を含む樹脂組成物が提案されている。ここには、酸化マグネシウムをシラン等の無機系カップリング剤により表面処理すると、樹脂との混練作業工程で表面処理した処理剤が酸化マグネシウムの表面から剥離しやすく、機械的強度に欠け、表面が水和反応して水酸化マグネシウムに変化して白化現象が生じるので実用化に至らない旨の記載がある。ここでは、表面にケイ素とマグネシウムの複酸化物及び/又はアルミニウムとマグネシウムとの複酸化物を含む被覆層を有する被覆酸化マグネシウムが用いられている。
特許文献2には、酸化マグネシウム粉末と二酸化ケイ素粉末とを特定の容積比で配合した熱伝導性(放熱性)を改良したエポキシ樹脂組成物が提案されている。ここには、酸化マグネシウムの表面をシランカップリング剤で処理することが記載され、実施例では、オリゴマー状の反応性シロキサンによって処理された酸化マグネシウムが用いられている。しかしながら、通常の(化合物タイプの)シランカップリング剤については必ずしも詳細な検討がなされていなかった。
特開2004−27177号公報 特開2012−162650号公報
本発明の目的は、混練によって容易に調製することが可能であり、流動性が改良されて成形性に優れ、吸水性が良好(低吸水性)である、酸化マグネシウム粉末を含有した熱伝
導性のエポキシ樹脂組成物を提供することである。また、本発明の目的は、好ましくは更に耐燃焼性に優れる酸化マグネシウム粉末を含有した熱伝導性のエポキシ樹脂組成物を提供することである。本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性封止材、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤及び硬化物として好適に使用することができる。
本発明は、以下の事項に関する。
1. エポキシ樹脂、硬化剤、並びにフェニル基及びアミノ基のうちの少なくとも一方を有するアルコキシシランで表面処理された酸化マグネシウム粉末を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
2. 前記アルコキシシランが下記化学式(1)で表わされる化合物であることを特徴とする前記項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
Figure 0006335374
化学式(1)において、lは1〜3の整数、Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよいアルキル基、R’はそれぞれ同一又は異なっていてもよいフェニル基及びアミノ基のうちの少なくとも一方を含む一価の基である。
3. 前記硬化剤がフェノール樹脂であることを特徴とする前記項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
4. 前記フェノール樹脂がフェニルアラルキル型フェノール樹脂及びビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる群から選択される一以上のフェノール樹脂であることを特徴とする前記項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
5. 前記項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる熱伝導性封止材。
6. 前記項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる熱伝導性シート。
7. 前記項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる熱伝導性接着剤。
8. 前記項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物。
9. エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型フェノール樹脂及びビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる群から選択される一以上のフェノール樹脂からなる硬化剤、並びに酸化マグネシウム粉末を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
10.フェニル基及びアミノ基のうちの少なくとも一方を有するアルコキシシランで表面処理された酸化マグネシウム粉末からなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物用充填材。
本発明によれば、混練によって容易に調製することが可能であり、流動性が改良されて成形性に優れ、吸水性が良好(低吸水性)である、酸化マグネシウム粉末を含有した熱伝導性のエポキシ樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によって、好ましくは更に耐燃焼性に優れる酸化マグネシウム粉末を含有した熱伝導性のエポキシ樹脂組成物を提供することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性封止材、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤及び硬化物として好適に使用することができる。
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤、並びにフェニル基及びアミノ基のうちの少なくとも一方を有するアルコキシシランで表面処理された酸化マグネシウム粉末を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
本発明のエポキシ樹脂組成物のエポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を含有するものであればよく、特に限定はないが、例えばビスフェノール型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型、ナフトール型などのエポキシ樹脂を好適に挙げることができる。これのエポキシ樹脂は単独で用いても、複数種を混合して用いても構わない。これらのエポキシ樹脂の中では、特にクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂が好適である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化剤は、エポキシ樹脂と反応して硬化物を得ることができるものであれば特に限定はなく、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられるアミン化合物、酸無水物、フェノール樹脂などを好適に使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化剤は、好ましくはフェノール樹脂である。フェノール樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェニルアラルキル型、ビフェニルアラルキル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型、ナフトール型などのノボラック型フェノール樹脂を好適に挙げることができるが、それらの中では、特にフェニルアラルキル型フェノール樹脂及びビフェニルアラルキル型フェノール樹脂が、吸水性が低く、更に耐燃焼性(難燃性)を向上できることから特に好適に使用することができる。
フェニルアラルキル型フェノール樹脂及びビフェニルアラルキル型フェノール樹脂は、フェノール類を、代表的には−CH−Bz−CH−或いは−CH−Bz−Bz−CH−(Bz:ベンゼン環)のようなフェニレン骨格或いはビフェニリレン骨格を基中に含む2価の架橋基(フェニルアラルキル基或いはビフェニルアラルキル基)で結合した化学構造を有するノボラック型フェノール樹脂であり、好ましくは下記化学式(2)〜(5)、より好ましくは下記化学式(4)〜(5)の化学構造を有する。
Figure 0006335374
化学式(2)において、nは1以上の整数(好ましくは1〜20の整数)、Rは炭素数が1〜6のアルキル基又は水酸基のいずれか、pは0〜2の整数である。
Figure 0006335374
化学式(3)において、mは1以上の整数(好ましくは1〜20の整数)、nは1以上の整数(好ましくは1〜20の整数)、Rは炭素数が1〜6のアルキル基又は水酸基の
いずれか、pは0〜2の整数である。
Figure 0006335374
化学式(4)において、nは1以上の整数(好ましくは1〜20の整数)、Rは炭素数が1〜6のアルキル基又は水酸基のいずれか、pは0〜2の整数である。
Figure 0006335374
化学式(5)において、mは1以上の整数(好ましくは1〜20の整数)、nは1以上の整数(好ましくは1〜20の整数)、Rは炭素数が1〜6のアルキル基又は水酸基のいずれか、pは0〜2の整数である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂と硬化剤との配合割合は、特に限定するものではないが、エポキシ樹脂の配合量を100質量部としたとき、硬化剤は50〜120質量部の範囲であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物で用いる酸化マグネシウム粉末は、フェニル基及びアミノ基のうちの少なくとも一方を有するアルコキシシランで表面処理されたものである。
酸化マグネシウム粉末は、特に限定するものではないが、例えば水酸化マグネシウムを約1400℃以上〜約2800℃(溶融温度)未満に加熱処理することによって好適に得ることができる。本発明においては、好ましくは1600℃以上〜2600℃未満、より好ましくは2000〜2400℃の温度で焼成して得られた酸化マグネシウム粉末を好適に使用することができる。また、本発明の酸化マグネシウム粉末は、特に限定するものではないが、平均粒子径が、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜80μmの範囲にあり、純度が、好ましくは94.0質量%以上、より好ましくは96.0〜99.7質量%の範囲のものである。
本発明で使用する酸化マグネシウムの表面処理に使用するアルコキシシランは、分子内に少なくともフェニル基及びアミノ基のいずれかを含む化学構造を有するアルコキシシラン(化合物であって、オリゴマーではない)であり、好ましくは下記化学式(1)で表わされるアルコキシシランである。特に、アルコキシシランは、流動性の観点からはフェニル基を含むことが好ましい。
Figure 0006335374
化学式(1)において、lは1〜3の整数、Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよいアルキル基(好ましくは炭素数が1〜6のアルキル基、より好ましくはメチル基又はエチル基)、R’はそれぞれ同一又は異なっていてもよいフェニル基及びアミノ基のうちの少なくとも一方を含む一価の基である。
このようなアルコキシシランの具体例としては、下記化学式(6)で表わされる各化合物を好適に挙げることができる。
Figure 0006335374
なお、アルコキシシランの処理量は、特に限定するものではないが、酸化マグネシウム粉末に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%の割合である。
本発明においては、表面をフェニル基及びアミノ基のうちの少なくとも一方を有するアルコキシシランで処理した酸化マグネシウムを用いることによって、混練によって容易に調製することが可能であり、成形時の流動性(スパイラルフロー)が改良されて成形性に優れ、更に低吸水性の、熱伝導性エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
酸化マグネシウム粉末の表面処理方法は、特に限定するものではないが、例えば乾式反応法や湿式反応法などを用いて表面処理することができる。乾式反応法は、ヘンシェルミキサーなどの高速撹拌可能な装置に酸化マグネシウム粉末を仕込み、撹拌しながらアルコキシシラン又はアルコキシシランの加水分解液を添加する方法である。その添加方法としては、均一にアルコキシシランを反応させることのできる方法が望ましく、公知の方法、例えば徐々に滴下する方法、霧状に噴霧する方法及び気体状のシランを導入する方法などを用いることができる。湿式反応法は、酸化マグネシウム粉末をアルコキシシランの溶液に分散させた状態で反応させ、必要に応じてその後乾燥させる方法である。使用する溶剤
としては、水、アルコール又はそれらの混合物が好ましい。
酸化マグネシウム粉末は単独で用いても、他の無機充填材と併用しても構わない。
酸化マグネシウム粉末を含む無機充填材の配合割合は、全エポキシ樹脂組成物に対し、容量%で、10〜95%、好ましくは30〜90%、より好ましくは60〜75%の範囲である。併用する酸化マグネシウム粉末以外の他の無機充填材としては、二酸化ケイ素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、硫酸バリウムなどが挙げられ、その中でも二酸化ケイ素粉末を用いることが好ましい。酸化マグネシウム粉末と併用する他の無機充填材との配合割合は、容量比[酸化マグネシウム粉末:併用する他の無機充填材]で、好ましくは100:0〜5:95、より好ましくは60:40〜5:95、更に好ましくは40:60〜25:75の範囲である。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、エポキシ樹脂、硬化剤、酸化マグネシウム粉末を含む無機充填材以外に、用途に応じて通常のエポキシ樹脂組成物で用いられる種々の成分を配合することができる。
例えば硬化促進剤も好適に用いることができる。硬化促進剤としては、通常のエポキシ樹脂組成物で用いられる硬化促進剤を用いることができるが、硬化剤にフェノール樹脂を用いた場合には、フェノール樹脂の水酸基を活性化する化合物であることが望ましい。硬化促進剤の例としては、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどのアミン化合物、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィンなどの有機リン化合物を好適に挙げることができる。硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂の配合量を100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜7質量部の範囲である。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物においては、用途に応じて、その他の種々の添加剤を用いることができる。例えば、熱伝導性封止材用途では、離型剤、着色剤、難燃剤、低応力剤等を用いることができ、熱伝導性シート用途では、粘着付与剤、老化防止剤、軟化剤(例えばナフテン系オイル、パラフィン系オイル等)、揺変剤(例えばモンモリロナイトなど)、滑剤(例えばステアリン酸等)、顔料、スコーチ防止剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、防カビ剤、発泡剤等を用いることができ、熱伝導性接着剤用途では、顔料、紫外線吸収剤等を用いることができる。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性封止材、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤として好適に利用することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、加熱処理することによって硬化反応を起こし、硬化物を形成することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させる条件は、適宜、選択することができる。例えば50〜300℃、好ましくは130〜250℃で、0.01〜20時間、好ましくは0.1〜10時間、加熱処理することによって硬化物を得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
エポキシ樹脂組成物を調製する際の混練工程について次の方法で評価した。
(1)混練性
所定量のエポキシ樹脂と硬化剤のフェノール樹脂と充填材の酸化マグネシウム粉末及び二酸化ケイ素粉末とを二軸ニーダを用いて所定の温度で混練を行い、二軸ニーダの吐出口から吐出された混練物を目視によって評価した。評価の基準として、○:問題なく混練可能 △:混練できるが混練物が不均一 ×:混練できない とした。
また、エポキシ樹脂組成物について次の方法で評価した。なお、評価は、エポキシ樹脂組成物粉末をタブレットに成形し、そのタブレットを試料として行った。タブレットは、ハンドプレスを用いて圧力450MPaで1分間加圧して成形した。
(2)成形性
試料を、トランスファー成形機にて、金型温度は175℃、注入圧力は6.9MPaとし、30秒間加圧した後、3.0MPaで70秒間加圧する条件にて成形体を成形した。成形性の評価の基準として、○:問題なく成形可能 ×:成形できない とした。
(3)流動性(スパイラルフロー)
試料のスパイラルフロー値を、トランスファー成形機、スパイラルフロー測定用金型(EMMI−1−66に準拠)を用いて測定した。なお、金型温度は175℃、注入圧力は6.9MPaとし、60秒間加圧した後、40秒間保持する条件にて流動性を評価した。
また、エポキシ樹脂組成物の硬化物について、次の方法で評価した。
(4)吸水性(吸水量)
試料をトランスファー成形機で厚さ3mm×直径50mmの円盤状に成形し、次いで180℃で8時間硬化させて試験片(硬化物)を得た。得られた試験片について、質量(W)を測定し、95℃の温度に加熱した純水中で24時間保持し、次いで純水中から取り出して水分を拭き取った後、その質量(W)を測定した。吸水量は下記の式より算出した。
吸水量(g/cm)={W(g)−W(g)}/試験片の体積(cm
(5)難燃性(耐燃焼性)
試料をトランスファー成形機で厚さ1mm×幅13mm×長さ127mmの形状に成形し、次いで180℃で8時間硬化させて試験片(硬化物)を得た。得られた試験片について、UL−94試験法に従って難燃性を評価した。
(6)熱伝導率
試料をトランスファー成形機で厚さ4mm×幅50mm×長さ100mmの形状に成形し、次いで180℃で8時間硬化させて硬化物を得た。得られた硬化物を厚さ4mm×幅25mm×長さ25mmの形状に切削加工して試験片とした。試験片の熱伝導率を、アルバック(株)製 熱伝導率測定装置GH−1を用いて測定した。
以下の例で用いた材料は次のとおりである。
(a)エポキシ樹脂
ビフェニル型エポキシ樹脂 YX−4000 三菱化学(株)製、エポキシ当量:186g/eq、粘度:0.2P/150℃、融点:105℃(DSC法)
(b)硬化剤
(b1)硬化剤1
下記化学式(7)で表わされるフェノールホルムアルデヒド型フェノール樹脂、水酸基当量:107g/eq、粘度:2.0P/150℃、軟化点:84℃
Figure 0006335374
化学式(7)において、nは1以上の整数である。
(b2)硬化剤2
下記化学式(8)で表わされるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、水酸基当量:201g/eq、粘度:0.8P/150℃、軟化点:67℃
Figure 0006335374
化学式(8)において、nは1以上の整数である。
(b3)硬化剤3
下記化学式(9)で表わされるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、水酸基当量:166g/eq、粘度:0.5P/150℃、軟化点:62℃
Figure 0006335374
化学式(9)において、mは1以上の整数、nは1以上の整数である。
(c)硬化促進剤
トリフェニルホスフィン 北興化学(株)製
(d)酸化マグネシウム粉末
酸化マグネシウム粉末は、水酸化マグネシウムをロータリーキルンによって2000℃で焼成したのち、粉砕、分級することで製造した。アルコキシシランによる表面処理は、高速流動攪拌機を用いて酸化マグネシウムに対して0.5質量%添加し、120℃で10
分間加熱撹拌することにより行った。
(d1)酸化マグネシウム粉末1
表面がフェニルトリメトキシシランで処理された酸化マグネシウム粉末、平均粒子径:5.5μm
(d2)酸化マグネシウム粉末2
表面がN−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランで処理された酸化マグネシウム粉末、平均粒子径:6.1μm
(d3)酸化マグネシウム粉末3
表面が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理された酸化マグネシウム粉末、平均粒子径:6.8μm
(d4)酸化マグネシウム粉末4
表面がビニルトリメトキシシランで処理された酸化マグネシウム、平均粒子径:6.2μm
(d5)酸化マグネシウム粉末5
表面が処理されていない酸化マグネシウム粉末、平均粒子径:6.5μm
(e)二酸化ケイ素粉末
MSR−2212 (株)龍森製、平均粒子径:25μm
〔実施例1〕
表1に示すとおり、エポキシ樹脂のYX−4000 100g(100質量部)、硬化剤の硬化剤1(フェノールホルムアルデヒド型フェノール樹脂) 57g(57質量部)、硬化促進剤のトリフェニルホスフィン 2.7g(2.7質量部)、充填材の二酸化ケイ素粉末(MSR−2212) 532g(532質量部)と、表面がフェニルトリメトキシシランで処理された酸化マグネシウム粉末1 424g(424質量部)とを、二軸ニーダを用い表1に示す温度条件で混練して、エポキシ樹脂組成物の混練物を得た。その際の混練工程を観察した。
得られた混練物を室温まで冷やした後、粉砕機を用いて粉砕し、粉末化した。この粉末を所定の金型で加圧成形してエポキシ樹脂組成物からなるタブレットを成形した。このタブレットを試料として、流動性(スパイラルフロー)を評価した。さらに試料をトランスファー成形機により所定の寸法に成形し、180℃で8時間硬化させて所定寸法の試験片(硬化物)を作製した。
〔実施例2〕
表1に示すとおり、硬化剤の硬化剤1(フェノールホルムアルデヒド型フェノール樹脂)の代わりに、硬化剤2(ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂)を使用して、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物の混練物を得た。また、その評価を行った。
〔実施例3〕
表1に示すとおり、酸化マグネシウム粉末1の代わりに、表面がN−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランで処理された酸化マグネシウム粉末2を使用して、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物の混練物を得た。また、その評価を行った。
〔実施例4〕
表1に示すとおり、硬化剤の硬化剤1(フェノールホルムアルデヒド型フェノール樹脂)の代わりに、硬化剤3(ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂)を使用して、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物の混練物を得た。また、その評価を行った。
〔比較例1〕
表1に示すとおり、二酸化ケイ素粉末のみを使用して、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物の混練物を得た。また、その評価を行った。
〔比較例2〕
表1に示すとおり、酸化マグネシウム粉末1の代わりに、表面が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理された酸化マグネシウム粉末3を使用して、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物の混練物を得た。また、その評価を行った。
〔比較例3〕
表1に示すとおり、酸化マグネシウム粉末1の代わりに、表面がビニルトリメトキシシランで処理された酸化マグネシウム粉末4を使用して、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物の混練物を得た。また、その評価を行った。
〔比較例4〕
表1に示すとおり、酸化マグネシウム粉末1の代わりに、表面が処理されていない酸化マグネシウム粉末5を使用して、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物の混練物を得ようと試みたが、得ることができなかった。
〔参考例1〕
表1に示すとおり、酸化マグネシウム粉末1の代わりに、表面がビニルトリメトキシシランで処理された酸化マグネシウム粉末4を使用して、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物の混練物を得た。また、その評価を行った。
〔参考例2〕
表1に示すとおり、酸化マグネシウム粉末1の代わりに、表面が処理されていない酸化マグネシウム粉末5を使用して、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物の混練物を得た。また、その評価を行った。
表1に、実施例及び比較例の組成や評価結果などを示した。
Figure 0006335374
表2に示すように、酸化マグネシウム粉末1を用いた実施例1は、酸化マグネシウム粉
末3〜5を用いた比較例2〜4と比較して混練性が改善され、特に流動性が改善され成形性に優れるエポキシ樹脂組成物が得られることが分る。
Figure 0006335374
表3に示すように、酸化マグネシウム粉末1、2を用いた実施例2、3は、酸化マグネシウム粉末4、5を用いた参考例1、2と比較して混練性が改善され、更に流動性が改善され成形性に優れるエポキシ樹脂組成物が得られることが分る。この効果は、硬化剤3においても有効であることが実施例4から分る。
Figure 0006335374
表4に示すように、実施例1〜4において、酸化マグネシウムを用いない比較例1より熱伝導率が改善していることが分る。難燃性については、硬化剤1を用いた実施例1と比較例1から分かるとおり、酸化マグネシウム粉末を用いることで難燃性が低下する。しかしながら、硬化剤2、3を用いることで難燃性が改良されてV−0を達成できることが分る。
Figure 0006335374
本発明によって、混練によって容易に調製することが可能であり、特に流動性が改良されて成形性に優れ、吸水性が良好(低吸水性)である、酸化マグネシウム粉末を含有した
熱伝導性のエポキシ樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によって、好ましくは更に耐燃焼性に優れる酸化マグネシウム粉末を含有した熱伝導性のエポキシ樹脂組成物を提供することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性封止材、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤及び硬化物として好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる硬化剤、並びにフェニル基及びアミノ基のうちの少なくとも一方を有するアルコキシシランで表面処理された酸化マグネシウム粉末を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記酸化マグネシウムの平均粒子径が、0.5〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記酸化マグネシウムの純度が、94.0質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記硬化剤は、エポキシ樹脂100質量部に対し、50〜120質量部の範囲であり、前記酸化マグネシウム粉末を含む無機充填材が、全エポキシ樹脂組成物に対し、10〜95容量%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる熱伝導性封止材。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる熱伝導性シート。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる熱伝導性接着剤。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物。
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