JP6333872B2 - 車両用シールリング - Google Patents

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Description

本発明は、車両の変速機等に用いられる車両用シールリングに関する。
従来より、回転軸とハウジングとの間の環状隙間をシールするための種々のシールリングが提案されている。例えば特許文献1には、周方向1箇所の切断部におけるシール性を高めるようにした断面略矩形状のシールリングが記載されている。上記特許文献1記載のシールリングは、回転軸の外周面に設けられた環状溝に収容され、密封空間内の油の圧力によりシールリングの側面を環状溝の側面に押し当てることで、油の漏れを防止する。
国際公開第03/078873号
しかしながら、エンジン停止時等、密封空間に油圧力が作用していない状態で、回転軸がハウジングに対し軸方向に相対移動すると、シールリングの側面と環状溝の側面との間に隙間が生じ、この隙間を介して密封空間から油が流出するおそれある。
本発明の一態様は、回転軸とハウジングとの間の環状隙間をシールするシールリングであって、回転軸およびハウジングのいずれか一方の周面に設けられた環状溝に収容されるとともに、環状溝の底面に密接する第1周面を有する第1リングと、回転軸およびハウジングのいずれか他方の周面に密接する第2周面を有する第2リングと、を備え、第1リングおよび第2リングは、第1周面の径方向反対側および第2周面の径方向反対側に、軸方向全長にわたって径方向に互いに離間して対向する第1対向面および第2対向面をそれぞれ有し、第1対向面に凸部が設けられ、前記第2対向面に凸部に係合する凹部が設けられ、第2リングの軸方向の端面における前記第2周面から前記第2対向面までの径方向長さは、環状隙間の径方向長さよりも長く、さらに第1リングおよび第2リングは、流体から軸方向一方に向けて圧力が作用したときに互いに当接する当接面をそれぞれ有し、第2リングの当接面から第2リングの軸方向一方側の端面までの長さは、第1リングの当接面から第1リングの軸方向一方側の端面までの長さよりも長い
本発明によれば、車両用シールリングが第1リングと第2リングとを備え、互いに対向する第1リングの第1対向面および第2リングの第2対向面のいずれか一方に凸部が、いずれか他方に凸部に係合する凹部が設けられるので、エンジン停止後に回転軸がハウジングに対し軸方向に相対移動した場合であっても、シールリングによる良好なシール性能を維持することができる。
本発明の実施形態に係る車両用シールリングが適用される変速機の一部の構成を概略的に示す図。 本発明の比較例としての車両用シールリングの構成を示す断面図。 図2Aの車両用シールリングの動作の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る車両用シールリングの要部構成を示す断面図。 図3のIV部拡大図。 図3の車両用シールリングを構成する内径リングの切断部の構成を示す正面図。 図3の車両用シールリングを構成する外径リングの切断部の構成を示す正面図。 本発明の実施形態に係る車両用シールリングの第1の動作の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る車両用シールリングの第2の動作の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る車両用シールリングの第3の動作の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る車両用シールリングの第4の動作の一例を示す図。 図6の比較例としての車両用シールリングを示す図。 図10Aの車両用シールリングの動作の一例を示す図。
以下、図1〜図10Bを参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係るシールリングは、車両の変速機に用いられる。図1は、変速機の一部の構成を概略的に示す図であり、シールリングの適用例を概念的に示している。
図1に示すように、エンジン101のトルクは、トルクコンバータ102を介して変速機103に入力される。トルクコンバータ102は、エンジン101の出力軸(クランクシャフト)101aに接続されたポンプインペラ102Aと、変速機103の回転軸(入力軸)1に接続されたタービンランナ102Bと、ポンプインペラ102Aとタービンランナ102Bとの間に配置されたステータ102Cとを有する。ステータ102Cは、ステータシャフト102Dを介してハウジング(変速機ケース)2から支持される。
エンジン101の出力軸101aの回転によりポンプインペラ102Aが回転すると、ポンプインペラ102Aから押し出された油がタービンランナ102Bに流入し、タービンランナ102Bを駆動した後、ステータ102Cを通過してポンプインペラ102Aに還流する。これにより出力軸101aの回転が減速かつトルクが増幅され、変速機103の回転軸1に入力される。回転軸1には、複数のギヤ104(1つのみ図示)が設けられ、回転軸に入力されたトルクは、ギヤ104を介して変速されながら駆動輪(不図示)に伝達され、これにより車両が走行する。複数のギヤ104は、軸方向にスラストトルクを発生するはすば歯車(ヘリカルギヤ)を含む。
図示は省略するが、変速機103はパーキングギヤと、ギヤ機構を介してパーキングギヤに噛合するパーキングロック機構とを有する。パーキングロック機構は、ロック爪と、ロック爪に係合可能な係合溝とを有し、ロック爪が係合溝に係合することで、回転軸1の回転がロックされる。パーキングロック機構は、例えばP,D,L,S,Nレンジのいずれかを選択可能なシフタの操作により、Pレンジが選択されると作動し、ロック爪が係合溝に係合する。一方、シフタの操作によりPレンジ以外が選択されると非作動となり、ロック爪の係合が解除される。
ハウジング2の内周面と回転軸1の外周面との間には、シールリング10が介装され、シールリング10により、軸方向一方側(トルクコンバータ側)の第1空間SP1から軸方向他方側の第2空間SP2への油の漏れを防止する。
次に、シールリングの構成について説明する。まず、本発明の実施形態に係るシールリング10の比較例について説明する。図2Aは、本実施形態の比較例としてのシールリング200の構成を示す断面図である。シールリング200は、周方向1箇所に切断部を有し、図2Aは、切断部以外のシールリング200の断面形状を示す。なお、以下では、便宜上、回転軸1の回転中心である軸線CL0に沿って左右方向を定義する。回転軸1の外周面1aとハウジング2の内周面2aとの間には、シールリング200の右側に、第1空間SP1に連通する環状隙間SP10が、シールリング200の左側に、第2空間SP2に連通する環状隙間SP20が形成される。
図2Aに示すように、軸線CL0を中心とした回転軸1の円筒形状の外周面1aには、全周にわたって溝3が形成される。溝3は断面略矩形状を呈し、径方向に延在する左側端面31および右側端面32と円筒面形状の底面33とを有する。シールリング200は、溝3に嵌合される。シールリング200は、シールリング200自体の弾性力により径が拡大し、その外周面200aがハウジング2の内周面2aに押圧される。これによりシールリング200の外周面200aとハウジング2の内周面2aとの間の隙間が塞がれる。
シールリング200の右側の第1空間SP1には、エンジン101によって駆動される油圧ポンプから吐出された圧油が導かれ、環状隙間SP10に連通したシールリング200の右側の圧力が、環状隙間SP20に連通した左側の圧力よりも高くなる。このとき、シールリング200は、ハウジング2の内周面2aを摺動しながら左方に押動される。これにより図2Aに示すようにシールリング200の左側端面201が溝3の左側端面31に密接し、両端面31,201間の隙間が塞がれる。
図2Bは、シールリング200の動作の一例を示し、坂道でエンジン101を停止するとともに、パーキングロック機構を作動して駐車した場合の動作である。このような坂道での駐車時には、ロック爪と係合溝とのがたつき等により、車両が重力によって微動して、パーキングギヤがわずかに回転する。これにより回転軸1が回転し、はすば歯車を介して回転軸1がハウジング2に対し軸方向に移動するおそれがある。このとき、エンジン停止状態であり、油圧ポンプから圧油が吐出されないため、シールリング200の右側から左側への油圧による押圧力が作用しない。
このため、図2Bに示すように、シールリング200の軸方向の位置は変わらず、回転軸1のみが軸方向に移動し、シールリング200の左右の側端面201,202と溝3の左右の側端面31,32との間に、軸方向に隙間が生じるおそれがある。このような隙間が生じると、図2Bの矢印の経路PA1に沿って第1空間SP1から第2空間SP2に油が流出し、第1空間SP1の油の量が不足する。その結果、エンジン始動後に車両を走行させる際の走行始動性等に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで、本実施形態では、坂道でエンジン101を停止して駐車した場合等における第1空間SP1から第2空間SP2への油の漏れを防ぐため、以下のようにシールリング10を構成する。
図3は、本発明の実施形態に係るシールリング10の要部構成を示す断面図である。なお、図3には、回転軸1とハウジング2の一部を併せて示す。回転軸1とハウジング2の構成は図2Aに示したものと同一である。
図3に示すように、シールリング10は、軸線CL0を中心としたそれぞれ円環状の内径リング11と外径リング21とを有する。すなわち、シールリング10は、径方向に2分割されて構成される。内径リング11と外径リング21とは、例えば弾性体である金属によりそれぞれ構成されるとともに、周方向1箇所にそれぞれ切断部を有し、弾性変形によって拡縮可能である。なお、図3は、内径リング11の左右方向の中心線CL1と外径リング21の左右方向の中心線CL2とが一致した状態を示す。
図4は、図3のIV部拡大図である。図4に示すように、内径リング11は、軸線CL0を中心とした略円筒形状の内周面12および外周面13を有するリング部11Aと、リング部11Aの外周面13から径方向外側に突設され、軸線CL0を中心とした略円筒形状の外周面14を有する断面略矩形状の凸部11Bとを有する。リング部11Aおよび凸部11Bは、それぞれ軸線CL0に垂直に延在する左右の側端面15,16および側端面17,18を有する。側端面15,16および側端面17,18は、内径リング11の中心線CL1に関し左右対称に位置し、内径リング11全体は中心線CL1に関し左右対称形状を呈する。
外径リング21は、軸線CL0を中心とした略円筒形状の内周面22および外周面23を有する円環形状のリング部21Aと、リング部21Aの内周面22に形成された凹部21Bとを有する。凹部21Bは、軸線CL0を中心とした略円筒形状の底面24(外周面)を有し、断面略矩形状に形成される。リング部21Aおよび凹部21Bは、それぞれ軸線CL0に垂直に延在する側端面25,26および側端面27,28を有する。側端面25,26および側端面27,28は、外径リング21の中心線CL2に関し左右対称に位置し、外径リング21は全体が中心線CL2に関し左右対称形状を呈する。
図4に示すように、内径リング11の凸部11Bの側端面17,18間の長さをL11、外径リング21の凹部21Bの側端面27,28間の長さをL21とすると、L11<L21であり、内径リング11の凸部11Bは外径リング21の凹部21Bに係合(嵌合)される。内径リング11のリング部11Aの側端面15,16間の長さをL10とすると、側端面15から側端面17および側端面16から側端面18までの端部の長さL12は、(L10−L11)/2となる。また、外径リング21のリング部21Aの側端面25,26間の長さをL20とすると、側端面25から側端面27および側端面26から側端面28までの端部の長さL22は、(L20−L21)/2となる。内径リング11の端部の長さL12は、外径リング21の端部の長さL22よりも短い。
図5Aは、内径リング11の切断部19の構成を示す正面図(径方向外側から見た図)であり、図5Bは、外径リング21の切断部29の構成を示す正面図(径方向外側から見た図)である。
図5Aに示すように、切断部19は、リング部11Aの左側端面15から中心線CL1にかけて軸線CL0と平行に延在する切断面191と、切断面191に対し周方向に所定角度だけ位相がずれた位置で、リング部11Aの右側端面16から中心線CL1にかけて軸線CL0と平行に延在する切断面192と、中心線CL1に沿って延在し、切断面191の右端部と切断面192の左端部とを接続する切断面193とを有する。
内径リング11に拡縮方向の外力が作用していない状態におけるリング部11Aの内周面の径Daは、溝3の底面の径D1(図3)よりも小さい。したがって、図3に示すように、内径リング11を弾性変形させて溝3に収容すると、内径リング11自体の弾性力によって、内径リング11の内周面12から溝3の底面33に押圧力(内側緊迫力と呼ぶ)が作用し、面12,33同士が密接する。
図5Bに示すように、切断部29は、リング部21Aの左側端面25から中心線CL2にかけて軸線CL0と平行に延在する切断面291と、切断面291に対し周方向に所定角度だけ位相がずれた位置で、リング部21Aの右側端面26から中心線CL2にかけて軸線CL0と平行に延在する切断面292と、中心線CL2に沿って延在し、切断面291の右端部と切断面292の左端部とを接続する切断面293とを有する。
外径リング21に外力が作用していない状態におけるリング部21Aの外周面23の径Dbは、ハウジング2の内周面2aの径D2(図3)よりも大きい。したがって、図3に示すように、外径リング21を弾性変形させてハウジング2の内側に収容すると、外径リング21自体の弾性力によって、外径リング21の外周面23からハウジング2の内周面2aに押圧力(外側緊迫力と呼ぶ)が作用し、面2a,23同士が密接する。
本発明の実施形態に係る車両用シールリング10の主要な動作について説明する。図6は、エンジン駆動時のシールリング10の動作の一例を示す図である。エンジン駆動時には、油圧ポンプから吐出された圧油が第1空間SP1に導かれ、第1空間SP1の油圧力が第2空間SP2の圧力よりも大きくなる。このため、環状隙間SP10を介して作用する油圧力により内径リング11と外径リング21の双方が左方に押動され、内径リング11の凸部11Bの左側端面17が外径リング21の凹部21Bの左側端面27に押圧される。また、内径リング11の端部の長さL12は外径リング21の端部の長さL22よりも短いため(図4)、外径リング21の左側端面25が溝3の左側端面31に押圧される。さらに、外径リング21の弾性力により外径リング21の外周面23がハウジング2の内周面2aに押圧される。
これにより外径リング21の左側端面25が溝3の左側端面31に密接し、両面25,31間の隙間が塞がれる。さらに、外径リング21の外周面23がハウジング2の内周面2aに密接し、両面2a,23間の隙間が塞がれる。その結果、環状隙間SP10と環状隙間SP20との連通がシールリング10によって阻止され、第1空間SP1が第2空間SP2から密封される。このとき、外径リング21の外周面23および左側端面25がそれぞれ環状隙間SP10,SP20間の油路を塞ぐためのシール面S1,S2となる。
図7は、図6の状態からエンジン停止により回転軸1がハウジング2に対し左方(矢印A方向)に相対移動した場合の動作の一例を示す図である。なお、図7は、外側緊迫力F2が内側緊迫力F1よりも大きい場合、換言すると、外径リング21の外周面23とハウジング2の内周面2aとの摩擦力が、内径リング11の内周面12と溝3の底面33との摩擦力よりも大きい場合の動作の一例である。
図7に示すように、エンジン停止後に回転軸1が左方に移動すると、内径リング11の内周面12が溝3の底面33に対し摺動し、環状溝3に対するシールリング10の位置関係が変化する。すなわち、シールリング10に対し回転軸1が左方に相対移動し、溝3の左側端面31と外径リング21の左側端面25との間に隙間が生じる。
このとき、シールリング10の右側への油圧力の作用は停止するが、内径リング11は、溝3の底面33からの摩擦力により左方へ押圧される。このため、凸部11Bの左側端面17が凹部21Bの左側端面27に密接し、凸部11Bと凹部21Bとの間の軸方向の隙間が塞がれる。その結果、坂道等でエンジン101を停止した場合の第1空間SP1から第2空間SP2への油の漏れを防止できる。このとき、外径リング21の外周面23、凸部11Bと凹部21Bとの当接面(側端面17,27)、および内径リング11の内周面12がそれぞれシール面S1,S3,S4となる。
図8は、図7とは異なり、内側緊迫力F1が外側緊迫力F2よりも大きい場合、換言すると、内径リング11の内周面12と溝3の底面33との摩擦力が、外径リング21の外周面23とハウジング2の内周面2aとの摩擦力よりも大きい場合の動作の一例である。この場合、エンジン停止後に回転軸1が左方(矢印A方向)に移動すると、内径リング11が回転軸1とともに左方に移動し、内径リング11の凸部11Bから外径リング21の凹部21Bに左方への押圧力が作用する。
これにより図8に示すように、外径リング21は、外周面23がハウジング2の内周面2aを摺動しながら内径リング11とともに左方に移動する。このため、溝3の左側端面31と外径リング21の左側端面25との間に隙間が生じることなく、シールリング10によるシール状態を維持できる。このとき、図6と同様、外径リング21の外周面23および左側端面25がそれぞれシール面S1,S2となる。
図9は、エンジン停止後に回転軸1がハウジング2に対し右方(矢印B方向)に相対移動した場合の動作の一例を示す図である。なお、図9は、外側緊迫力F2が内側緊迫力F1よりも大きい場合、および内側緊迫力F1が外側緊迫力F2よりも大きい場合のそれぞれの動作に対応する。
図9に示すように、例えば内側緊迫力F1が外側緊迫力F2よりも大きい状態で、エンジン停止後に回転軸1が右方に移動すると、溝3の左端面31から外径リング21の左端面25に右方への押圧力が作用し、外径リング21の外周面23がハウジング2の内周面2aを摺動する。これにより、内径リング11の凸部11B(左側端面17)と外径リング21の凹部21B(左側端面27)とが密接したまま、シールリング10は回転軸1とともに右方に移動する。したがって、溝3と外径リング21との間の軸方向の隙間は塞がれたままであり、シールリング10によるシール状態を維持できる。このとき、図6と同様、外径リング21の外周面23および左側端面25がそれぞれシール面S1,S2となる。
外側緊迫力F2が内側緊迫力F1よりも大きい状態で、エンジン停止後に回転軸1が右方に移動した場合も同様に、溝3の左端面31から外径リング21の左端面25に右方への押圧力が作用し、外径リング21の外周面23がハウジング2の内周面2aを摺動する。これにより、内径リング11の凸部11Bと外径リング21の凹部21Bとが密接したまま、シールリング10は回転軸1とともに右方に移動し、溝3と外径リング21との間のシール状態を維持できる。
本発明の実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)回転軸1とハウジング2との間の環状隙間をシールするシールリング10は、回転軸1の外周面1aに設けられた環状の溝3に収容されるとともに、溝3の底面33に密接する内周面12を有する内径リング11と、ハウジング2の内周面2aに密接する外周面23を有する外径リング21とを備える(図3)。内径リング11および外径リング21は、互いに対向する外周面13および内周面22を有し、外周面13に凸部11Bが、内周面22に凸部11Bに係合する凹部21Bが設けられる(図4)。
このようにシールリング10を径方向に2分割するとともに、互いに対向する内径リング11の外周面13と外径リング21の内周面22とにそれぞれ凸部11Bと凹部21Bとを設けることで、エンジン停止後に回転軸1がハウジング2に対し軸方向に相対移動した場合に、凸部11Bと凹部21Bとが軸方向に互いに当接してシール面S3を形成するため(図7)、シールリング10による良好なシール機能を維持できる。したがって、第1空間SP1からの油の流出を防ぐことができ、エンジン始動後の車両の良好な走行始動性等を確保できる。
(2)内径リング11と外径リング21とは、流体(油)から軸方向に圧力が作用したときに互いに当接する凸部11Bの側端面17(当接面)および凹部21Bの側端面27(当接面)をそれぞれ有し、外径リング21の凹部21Bの側端面27から外径リング21の軸方向端面(側端面25)までの長さL22は、内径リング11の凸部11Bの側端面17から内径リング11の軸方向端面(側端面15)までの長さL12よりも長い(図4)。これにより回転軸1の相対移動時に内径リング11と外径リング21との間に軸方向に隙間が生じることを防止できる。
すなわち、外径リング21の端部の長さL22が内径リング11の端部の長さL12よりも短い場合には、エンジン駆動中に環状隙間SP10を介して導かれる油の圧力により、図10Aに示すように、内径リング11の左側端面15が溝3の左側端面31に当接する。このとき、外径リング21の外周面23、内径リング11の内周面12、および凸部11Bと凹部21Bの互いに当接する右側端面18,28がそれぞれシール面S1,S4,S5となる。
この状態から、エンジン停止後に回転軸1が内径リング11とともに左方に移動すると、例えば図10Bに示すように、凸部11Bの左側端面17および右側端面18がそれぞれ凹部21Bの左側端面27および右側端面28から離間する。これにより内径リング11と外径リング21との間に図の矢印PA2に示すような通路が形成され、第1空間SP1の油が矢印PA2に沿って第2空間SP2に流出するおそれがある。この点、本実施形態では、内径リング11の端部の長さL12と外径リング21の端部の長さL22との関係をL12<L22としたので、内径リング11の凸部11Bと外径リング21の凹部21Bとが軸方向に常に当接され、エンジン停止後の第1空間SP1からの油の流出を確実に防ぐことができる。
(3)回転軸1は、変速機103を構成し、回転軸1に、複数のギヤ104の一部としてはすば歯車が設けられる(図1)。このような構成では、エンジン停止後に回転軸1がハウジング2に対し軸方向に相対移動する可能性が高くなるが、本実施形態のシールリング10を用いることにより、エンジン停止後も良好なシール性能を維持できる。
(変形例)
上記実施形態は種々の形態に変形することができる。以下、変形例について説明する。上記実施形態では、内径リング11のリング部11Aの外周面13に凸部11Bを、外径リング21のリング部21Aの内周面22に凹部21Bを設けるようにしたが、これとは反対に内径リング11の外周面13に凹部を、外径リング21の内周面22に凸部を設けるようにしてもよい。すなわち径方向一対のリング(第1リング、第2リング)の互いに対向する第1対向面と第2対向面のいずれか一方に凸部が、いずれか他方に凹部が設けられるのであれば、凹部と凸部の構成は上述したものに限らない。
上記実施形態では、回転軸1の外周面1aに環状溝3を設け、環状溝3の底面33に密接するように内径リング11を収容したが、ハウジング2の内周面2aに環状溝を設け、環状溝の底面に密接するように外径リング21を収容してもよい。すなわち、回転軸1およびハウジング2のいずれか一方の周面に環状溝を設け、内径リング11および外径リング21のいずれか一方を第1リングとして、その周面(第1周面)を環状溝の底面に密接させるとともに、内径リング11および外径リング21のいずれか他方を第2リングとして、その周面(第2周面)を回転軸1およびハウジング2のいずれか他方の周面に密接させるのであれば、回転軸1とハウジング2の構成およびシールリング10の構成は上述したものに限らない。例えば、第1リングと第2リングとを、左右非対称の構造とすることもできる。
上記実施形態は、変速機103を構成する回転軸1とそのハウジング2との間の環状溝にシールリング10を適用したが、本発明の車両用シールリングは、変速機の回転軸に限らず、回転軸がハウジングに対し軸方向に相対移動するような他の部位にも同様に適用することができる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態および変形例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。すなわち、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能である。変形例同士を組み合わせることもできる。
1 回転軸、2 ハウジング、2a 内周面、3 溝、10 シールリング、11 内径リング、11B 凸部、12 内周面、13 外周面、21 外径リング、21B 凹部、22 内周面、23 外周面、33 底面、103 変速機、104 ギヤ

Claims (2)

  1. 回転軸とハウジングとの間の環状隙間をシールするシールリングであって、
    前記回転軸および前記ハウジングのいずれか一方の周面に設けられた環状溝に収容されるとともに、前記環状溝の底面に密接する第1周面を有する第1リングと、
    前記回転軸および前記ハウジングのいずれか他方の周面に密接する第2周面を有する第2リングと、を備え、
    前記第1リングおよび前記第2リングは、前記第1周面の径方向反対側および前記第2周面の径方向反対側に、軸方向全長にわたって径方向に互いに離間して対向する第1対向面および第2対向面をそれぞれ有し、
    前記第1対向面に凸部が設けられ、前記第2対向面に前記凸部に係合する凹部が設けられ
    前記第2リングの軸方向の端面における前記第2周面から前記第2対向面までの径方向長さは、前記環状隙間の径方向長さよりも長く、
    さらに前記第1リングおよび前記第2リングは、流体から軸方向一方に向けて圧力が作用したときに互いに当接する当接面をそれぞれ有し、
    前記第2リングの前記当接面から前記第2リングの軸方向一方側の前記端面までの長さは、前記第1リングの前記当接面から前記第1リングの軸方向一方側の端面までの長さよりも長いことを特徴とする車両用シールリング。
  2. 請求項1に記載の車両用シールリングにおいて、
    前記回転軸は、変速機を構成し、前記回転軸に、はすば歯車が設けられることを特徴とする車両用シールリング。
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