JP6333773B2 - ホイール式建設機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばアクスル装置を介して左,右の車輪(ホイール)を回転駆動するホイールローダ等のホイール式建設機械に関する。
一般に、ホイール式建設機械の代表例としては、例えばホイールローダ等が知られている。このホイールローダは、後部車体の前側に前部車体が左,右方向に揺動可能に連結され、前部車体には、アーム、バケットを含んだ作業装置が取付けられている。一方、後部車体には、エンジン、トルクコンバータ、トランスミッション、油圧ポンプ等が搭載され、該エンジンの動力がトルクコンバータを介してトランスミッションに伝達されるようになっている。
さらに、前部車体および後部車体には、トランスミッションの出力軸に接続されることにより左,右の両側の車輪を回転駆動するアクスル装置が設けられている。このアクスル装置は、左,右方向の中間部に配置され左,右方向の両側が開口端となったデファレンシャルケースと、左,右方向に延びた中空な筒体からなり前記デファレンシャルケースの開口端と対面する部位が該開口端に接続される接続端となった左,右のアクスルチューブと、前記デファレンシャルケース内に設けられエンジンの回転力を左,右の回転軸に分配するデファレンシャル機構と、前記各アクスルチューブ内に配置され前記デファレンシャル機構の前記左,右の回転軸の回転を前記左,右の車輪に伝える左,右のアクスルシャフトと、前記デファレンシャル機構の前記各回転軸に制動力を付与する左,右のブレーキ機構とにより構成されている。
ここで、ブレーキ機構は、前記デファレンシャルケースの開口端近傍に非回転状態で取付けられた非回転ディスクと、該非回転ディスクと左,右方向で対面した状態で前記回転軸に取付けられ該回転軸と一緒に回転する回転ディスクと、前記非回転ディスクを回転ディスクに押付けて制動力を付与するブレーキピストンと、該ブレーキピストンとの間で前記回転ディスクと前記非回転ディスクとを挟むエンドプレートとにより構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−69457号公報
ところで、前述したブレーキ機構は、隣接する非回転ディスクの間を回転ディスクが回転駆動する構造となっている。このため、例えば非回転ディスクや回転ディスクが軸方向に変位(位置ずれ)していると、非回転ディスクと回転ディスクとの間に十分な隙間を確保できない虞れがある。このような場合には、非制動時にも拘わらず、非回転ディスクと回転ディスクとが接触することが考えられる。このような接触(摺接)は、ロストルク(ドラグトルク)の増大や、接触による発熱を起因とした回転ディスクおよび非回転ディスクの焼け、シール部材やパッキンの短寿命化等に繋がる虞れがある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ブレーキ機構の非制動時に回転ディスクと非回転ディスクとの間に適正な隙間を確保し、ロストルク(ドラグトルク)や過剰な発熱を低減することができ、アクスル装置に対する信頼性を向上できるようにしたホイール式建設機械を提供することにある。
本発明によるホイール式建設機械は、駆動源を備え建設機械に用いられる車体と、該車体に設けられ前記駆動源に接続されることにより左,右方向の両側の車輪を回転駆動するアクスル装置とからなり、前記アクスル装置は、左,右方向の中間部に配置され左,右方向の両側が開口端となったデファレンシャルケースと、左,右方向に延びた中空な筒体からなり前記デファレンシャルケースの開口端と対面する部位が該開口端に接続される接続端となった左,右のアクスルチューブと、前記デファレンシャルケース内に設けられ前記駆動源の回転力を左,右の回転軸に分配するデファレンシャル機構と、前記各アクスルチューブ内に配置され前記デファレンシャル機構の前記左,右の回転軸の回転を前記左,右の車輪に伝える左,右のアクスルシャフトと、前記デファレンシャル機構の前記各回転軸に制動力を付与する左,右のブレーキ機構とを備えている。
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記各ブレーキ機構は、前記デファレンシャルケースの開口端近傍に非回転状態で取付けられた非回転ディスクと、該非回転ディスクと左,右方向で対面した状態で前記回転軸に取付けられ該回転軸と一緒に回転する回転ディスクと、前記回転ディスクと前記非回転ディスクよりも前記デファレンシャル機構側に位置して前記デファレンシャルケース内に設けられ、前記非回転ディスクを前記回転ディスクに押付けるブレーキピストンと、前記デファレンシャルケースの開口端の内周面に嵌合されるケース側嵌合部と前記アクスルチューブの接続端の内周面に嵌合されるチューブ側嵌合部とを有して、前記デファレンシャルケースの開口端と前記アクスルチューブの接続端とに跨って配置され、前記ブレーキピストンとの間で前記回転ディスクと前記非回転ディスクとを挟むエンドプレートとにより構成し、前記デファレンシャルケースの開口端の内周面には、該デファレンシャルケースの開口端から前記デファレンシャル機構に向けて徐々に縮径するケース側テーパ面設けられており、前記エンドプレートの前記ケース側嵌合部には、前記アクスルチューブ側から前記デファレンシャル機構に向けて徐々に縮径し、前記ケース側テーパ面と当接した状態が維持されるプレート側テーパ面設けられており、前記アクスルチューブの接続端側には、前記エンドプレートよりも軸方向に奥まった位置に配置され前記エンドプレートの端面と軸方向で対面するリングギヤが設けられており、前記エンドプレートは、前記リングギヤの端面との当接と前記デファレンシャルケースの前記ケース側テーパ面との当接により前記デファレンシャルケースと前記アクスルチューブとの軸中心線が一致して軸方向に位置決めされる構成としたことにある。
請求項の発明は、前記エンドプレートの前記チューブ側嵌合部は、均一な外径寸法を有する外周面からなり、前記アクスルチューブの接続端には、前記リングギヤの前記エンドプレート側の端面よりも前記デファレンシャルケース側に位置して前記リングギヤよりも大径な拡径段部設けられており、前記エンドプレートの前記チューブ側嵌合部は、前記アクスルチューブの拡径段部により径方向に位置決めされる構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、デファレンシャルケースの開口端の内周面にはケース側テーパ面を設け、エンドプレートのケース側嵌合部にはプレート側テーパ面を設けている。このため、アクスルチューブにエンドプレートのチューブ側嵌合部を嵌合させた状態で、アクスルチューブの接続端をデファレンシャルケースの開口端に取付ける場合、デファレンシャルケースのケース側テーパ面とエンドプレートのプレート側テーパ面とが当接する。これにより、通常の組立作業を行うだけで、デファレンシャルケースとアクスルチューブとの芯合わせを容易に行うことができる。
しかも、ケース側テーパ面とプレート側テーパ面とが当接すると共に、この当接した状態が維持されることにより、エンドプレートに対しブレーキピストンから離れる方向への力が作用するので、回転ディスクと非回転ディスクとを挟むエンドプレートとブレーキピストンとの間に、一定(規定)の離間寸法(隙間)を確保することができる。
この結果、ブレーキ機構の非制動時には、回転ディスクと非回転ディスクとの間に隙間を確実に保持することができるから、回転ディスクと非回転ディスクの摺接(引き摺り)によるロストルクや発熱を低減でき、アクスル装置に対する信頼性を向上することができる。
しかも、アクスルチューブの接続端側には、エンドプレートよりも軸方向に奥まった位置にリングギヤを設けている。これにより、ブレーキピストンが回転ディスクと非回転ディスクとをエンドプレート側に押し付けたときは、エンドプレートのギヤ側端面をリングギヤの端面に当接させることができる。この結果、ブレーキ機構は、ブレーキピストンによるブレーキ力(制動力)の反力をリングギヤによって受けることができ、デファレンシャル機構の各回転軸に対し、確実に制動力を付与することができる。さらに、エンドプレートは、リングギヤの端面との当接とデファレンシャルケースのケース側テーパ面との当接により、デファレンシャルケースとアクスルチューブとの軸中心線が一致して軸方向に位置決めされる。
請求項の発明によれば、エンドプレートのチューブ側嵌合部は、アクスルチューブの拡径段部により径方向に位置決めすることができる。このため、アクスルチューブをデファレンシャルケースに取付ける場合には、デファレンシャルケースのケース側テーパ面にエンドプレートのプレート側テーパ面を当接させることにより、エンドプレートをアクスルチューブのガイドとして利用することができる。この結果、アクスルチューブの軸中心線とデファレンシャルケースの軸中心線とを近接した位置に配置することができる。これにより、アクスルチューブとデファレンシャルケースとを径方向に位置決めした状態で組付けることができ、ブレーキ非制動時において、回転ディスクと非回転ディスクとの間に適正な隙間を確保することができる。
本発明の実施の形態に係るホイールローダを示す側面図である。 図1中のリヤアクスル装置を後方から拡大して示す外観斜視図である。 リヤアクスル装置の内部構造を示す断面図である。 リヤアクスル装置のブレーキ機構を拡大して示す断面図である。 図4中のブレーキ機構のV部を制動状態で示す拡大断面図である。 図4中のブレーキ機構のV部を非制動状態で示す拡大断面図である。 アクスルチューブをデファレンシャルケースに取付ける状態を示す一部破断の正面図である。 アクスルチューブをデファレンシャルケースに取付けた状態を示す一部破断の正面図である。 アクスルチューブをデファレンシャルケースに取付ける過程を図8中のA部およびB部を拡大して示す断面図である。 図9に続いてアクスルチューブをデファレンシャルケースに取付ける過程を示す図9と同様の断面図である。 図10に続いてアクスルチューブをデファレンシャルケースに取付ける過程を示す図9と同様の断面図である。 アクスルチューブをデファレンシャルケースに取付けた状態を示す図9と同様の断面図である。 リヤアクスル装置に対して衝撃的な負荷作用が加わった状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態に係るホイール式建設機械の代表例として、ホイールローダを例に挙げ、図1ないし図13に従って詳細に説明する。
図1において、1はホイール式建設機械のホイールローダである。このホイールローダ1は後部車体2と、該後部車体2の前側に左,右方向に揺動可能に連結された前部車体3と、後部車体2の左,右方向の両側に設けられた後輪4(左側のみ図示)と、前部車体3の左,右方向の両側に設けられた前輪5(左側のみ図示)と、前部車体3の前側に府仰動可能に設けられた作業装置6と、後述のアクスル装置11,12とにより構成されている。
ここで、後部車体2には、駆動源となるエンジン7、トルクコンバータ8、トランスミッション9、油圧ポンプ(図示せず)等が搭載されている。トランスミッション9は、前,後方向に延びたプロペラシャフト9Aを介してリヤアクスル装置11に接続され、プロペラシャフト9Bを介してフロントアクスル装置12に接続されている。後部車体2の上側には、オペレータが搭乗するキャブ10が設けられている。
11は後部車体2の下側に位置して設けられたリヤアクスル装置である。このリヤアクスル装置11は、左,右方向に延びて形成され、その左,右の端部に後輪4がそれぞれ取付けられている。
一方、12は前部車体3の下側に位置して設けられたフロントアクスル装置である。このフロントアクスル装置12は、リヤアクスル装置11と同様に左,右方向に延びて形成され、その左,右の端部に前輪5がそれぞれ取付けられている。
ここで、リヤアクスル装置11とフロントアクスル装置12とは、ほぼ同様に構成されている。このため、本実施の形態では、リヤアクスル装置11の構成について詳細に説明し、フロントアクスル装置12の構成の説明は省略するものとする。
リヤアクスル装置11はプロペラシャフト9Aに接続されることにより左,右の後輪4を回転駆動するものである。リヤアクスル装置11は、図2、図3に示すように、後述のデファレンシャルケース13、アクスルチューブ14、入力軸16、ピニオンギヤ18、デファレンシャル機構19、遊星歯車減速機構26、アクスルシャフト31、ブレーキ機構32を含んで構成されている。
13はリヤアクスル装置11の左,右方向の中間部に配置されたデファレンシャルケースを示し、該デファレンシャルケース13は、後述のデファレンシャル機構19、ブレーキ機構32等を収容するものである。図2および図3に示すように、デファレンシャルケース13は、左,右方向に延びる略円筒状に形成され、左,右方向の両端部は円筒状の開口端13A(図4参照)となっている。
また、デファレンシャルケース13の左,右方向の両側には、開口端13Aから所定寸法だけ奥まった位置を縮径することで円環状の隔壁13Bが形成されている。これにより、デファレンシャルケース13内は、左,右の隔壁13B間に位置し後述のデファレンシャル機構19を収容する中央のギヤ室13Cと、該ギヤ室13Cの左,右方向の両側に位置して後述のブレーキ機構32を収容する左,右のブレーキ室13Dとに仕切られている。
デファレンシャルケース13の前側には、図2、図3に示すように、トランスミッション9側に突出するように突出筒13Eが設けられ、該突出筒13E内には、後述の入力軸16が回転自在に配置されている。さらに、デファレンシャルケース13の上面側には、ギヤ室13Cに開口する開口部が設けられ、該開口部は蓋体13Fによって閉塞されている。
ここで、図5および図6に示すように、デファレンシャルケース13の開口端13Aの内周面には、開口端13Aからデファレンシャル機構19に向けて徐々に縮径する円錐状のケース側テーパ面13A1が設けられている。このケース側テーパ面13A1は、後述のエンドプレート39を構成するケース側嵌合部39Aのプレート側テーパ面39A1が当接するものである。一方、ケース側テーパ面13A1と隔壁13Bとの間には、ケース側テーパ面13A1よりも小径な円筒状に形成され、後述の非回転ディスク34を保持するディスク保持面13A2と、ディスク保持面13A2よりも小径な段付き円筒状に形成され、後述のブレーキピストン36が摺動するピストン摺動面13A3とが設けられている。
左,右のアクスルチューブ14はデファレンシャルケース13の左,右両側に取付けられ、左,右方向の外側に延びている。このアクスルチューブ14は左,右方向に延びた中空な筒体からなり、先端側が縮径されて左,右方向の外側に延び、内部に後述のアクスルシャフト31を収容している。各アクスルチューブ14のうちデファレンシャルケース13の開口端13Aと対面する部位は、該開口端13Aに接続される接続端14Aとなっている。アクスルチューブ14の接続端14Aは、デファレンシャルケース13の開口端13Aに対応する短尺な円筒状に形成され、その内部は後述の遊星歯車減速機構26を収容する減速機構室14Bとなっている。
ここで、アクスルチューブ14の接続端14Aの内周側には、後述のリングギヤ28が嵌合する円筒状のリングギヤ嵌合面14Cと、該リングギヤ嵌合面14Cよりもデファレンシャルケース13側に位置し、後述するエンドプレート39のチューブ側嵌合部39Bが嵌合する拡径段部14Dとが設けられている。この場合、拡径段部14Dは、リングギヤ28のエンドプレート39側の端面28Aよりもデファレンシャルケース13側に配置され、拡径段部14Dの内周面の内径寸法は、リングギヤ28の外径寸法よりも大径に設定されている。
そして、左,右のアクスルチューブ14は、図4に示すように、基端側の接続端14Aが複数本のボルト15を用いてデファレンシャルケース13の左,右の開口端13Aに取付けられている。各アクスルチューブ14は、デファレンシャルケース13に取付けられた状態で、該デファレンシャルケース13から左,右方向の両側に向けてそれぞれ延びている。
16はデファレンシャルケース13の突出筒13E内に各軸受17を介して回転可能に設けられた入力軸である(図3参照)。この入力軸16は、突出筒13Eの外部に突出したフランジ部16Aがトランスミッション9のプロペラシャフト9Aに接続され、エンジン7からの回転力を後述のデファレンシャル機構19に出力するものである。また、デファレンシャルケース13の内部側に位置する入力軸16の端部には、ベベルギヤからなるピニオンギヤ18が設けられている。
19はデファレンシャルケース13のギヤ室13C内に収容されたデファレンシャル機構で、該デファレンシャル機構19は、トランスミッション9の出力軸の回転力を左,右の後輪4に分配するものである。そして、デファレンシャル機構19は、デファレンシャルケース13の各隔壁13Bに軸受20を介して回転可能に支持されたギヤケース21と、該ギヤケース21内に固定されたスパイダ21Aに回転可能に支持された複数のデフ用ピニオンギヤ22と、該各デフ用ピニオンギヤ22と噛合う左,右のサイドギヤ23と、一端側が該サイドギヤ23とスプライン結合され、他端側がアクスルシャフト31に向けて左,右方向に延びた左,右の回転軸24とにより構成されている。また、ギヤケース21の外周側には、入力軸16のピニオンギヤ18に噛合うデフ用リングギヤ25が設けられている。このデフ用リングギヤ25はベベルギヤにより形成され、ギヤケース21、デフ用ピニオンギヤ22、サイドギヤ23、回転軸24等と共に、デファレンシャル機構19を構成している。
デファレンシャル機構19は、トランスミッション9による回転力が入力軸16、ピニオンギヤ18、デフ用リングギヤ25を介してギヤケース21に伝わると、デフ用ピニオンギヤ22、サイドギヤ23を介して左,右の回転軸24を適宣に回転運動させるものである。
26は左,右のアクスルチューブ14の減速機構室14B内にそれぞれ設けられた遊星歯車減速機構で、該各遊星歯車減速機構26は、回転軸24の回転を減速して後述のアクスルシャフト31に伝達するものである。また、各遊星歯車減速機構26は、図4に示すように、回転軸24の他端側に一体形成されたサンギヤ27と、アクスルチューブ14のリングギヤ嵌合面14Cに嵌合して設けられたリングギヤ28と、サンギヤ27とリングギヤ28とに噛合する複数のプラネットギヤ29と、該各プラネットギヤ29を回転可能に支持するキャリア30とを含んで構成されている。
ここで、リングギヤ28は、アクスルチューブ14の接続端14A側で、後述のエンドプレート39よりも奥まった位置に配置され、エンドプレート39のギヤ側端面39Cと軸方向で対面している。このリングギヤ28は、デファレンシャルケース13側の端面28Aがエンドプレート39のギヤ側端面39Cと当接することにより、エンドプレート39を介して後述するブレーキピストン36からのブレーキ力(制動力)の反力を受けるものである。
31は左,右のアクスルチューブ14内にそれぞれ回転可能に設けられたアクスルシャフトで、該各アクスルシャフト31は、左,右の回転軸24の回転を左,右の後輪4に伝えるものである。各アクスルシャフト31は、基端側が遊星歯車減速機構26のキャリア30にスプライン結合され、各アクスルチューブ14内を左,右方向に延びている。一方、各アクスルシャフト31の先端側は、アクスルチューブ14から突出し、その端部には左,右の後輪4がそれぞれ取付けられている。
次に、本発明の特徴部分となるブレーキ機構32の構成について詳細に説明する。
32は左,右の回転軸24にそれぞれ設けられた左,右のブレーキ機構を示している。各ブレーキ機構32は、例えば湿式多板型のブレーキ機構として構成され、デファレンシャルケース13の左,右のブレーキ室13D内に収容されている。ブレーキ機構32は、回転軸24の軸方向中間部にスプライン結合されたハブ33と、デファレンシャルケース13の開口端13A近傍に設けられたディスク保持面13A2に非回転状態で保持された複数枚(例えば3枚)の非回転ディスク34と、該非回転ディスク34と左,右方向で対面した状態で回転軸24に取付けられ回転軸24と一緒に回転する複数枚(例えば2枚)の回転ディスク35と、デファレンシャルケース13のピストン摺動面13A3に摺動可能に挿嵌され、外部からの油圧力によって非回転ディスク34を回転ディスク35に押付けるブレーキピストン36と、デファレンシャルケース13の開口端13Aとアクスルチューブ14の接続端14Aとに跨って配置されたエンドプレート39とを含んで構成されている。
ここで、非回転ディスク34は、全体として円環状の板体により形成され、2枚の回転ディスク35をそれぞれ左,右方向から対面して挟むように3枚設けられている。なお、3枚の非回転ディスク34のうち、左,右方向の中央に位置する非回転ディスク34は、左,右方向の両側に位置する非回転ディスク34と比較して板厚が厚くなっている。ここで、非回転ディスク34は、デファレンシャルケース13に対して軸方向(左,右方向)に移動可能に、かつ、デファレンシャルケース13に対して非回転状態で取付けられている。
一方、回転ディスク35は、全体として円環状の板体により形成され、非回転ディスク34と軸方向に交互に隣合う状態で、回転軸24に取付けられたハブ33とスプライン結合されている。これにより、回転ディスク35は、ハブ33に対して軸方向(左,右方向)に移動可能な状態で、回転軸24と一緒に回転することができる。また、回転ディスク35の外周縁側で左,右方向の両側面には、非回転ディスク34と摩擦接触(摩擦係合)することにより制動力を発生する一対の摩擦材35Aがそれぞれ設けられている。
ブレーキピストン36は、全体として段付き円筒状に形成され、回転ディスク35と非回転ディスク34よりもデファレンシャル機構19側に位置して、デファレンシャルケース13のピストン摺動面13A3に摺動可能に挿嵌されている。ブレーキピストン36の外周面には、軸方向に離間して一対のシール部材36Aが全周にわたって設けられ、各シール部材36Aと、ブレーキピストン36の外周面と、デファレンシャルケース13のピストン摺動面13A3とにより円環状の油室37が形成され、該油室37には油路(図示せず)が連通している。また、ブレーキピストン36のうちデファレンシャルケース13の隔壁13Bに当接する端面には、径方向内側に張出す複数個(1個のみ図示)の張出し板36Bが設けられ、該各張出し板36Bには、ブッシュ挿通孔36Cが穿設されている。
38はブレーキピストン36の張出し板36Bとデファレンシャルケース13の隔壁13Bとの間に設けられた戻しばね機構を示している。この戻しばね機構38は、張出し板36Bのブッシュ挿通孔36Cに挿通された鍔付き円筒状のブッシュ38Aと、該ブッシュ38Aを隔壁13Bに固定するボルト38Bと、張出し板36Bとブッシュ38Aの鍔部との間に縮装された圧縮ばね38Cとにより構成されている。そして、戻しばね機構38は、圧縮ばね38Cのばね力により、ブレーキピストン36をデファレンシャル機構19側(隔壁13B側)に向けて常時付勢している。
そして、各ブレーキ機構32は、例えばブレーキペダル(図示せず)に対する足踏み操作に応じて、ブレーキ用の圧油が油路を通じて油室37に供給されることにより、戻しばね機構38に抗して、ブレーキピストン36を隔壁13Bから離れる方向(アクスルチューブ14側)に移動させ、非回転ディスク34を回転ディスク35に押付ける。これにより、回転軸24に摩擦力で制動力を付与し、後輪4にブレーキをかけるものである。
次に、デファレンシャルケース13の開口端13Aとアクスルチューブ14の接続端14Aとに跨って配置されたエンドプレート39について説明する。
このエンドプレート39は、ブレーキピストン36との間で非回転ディスク34と回転ディスク35とを挟むもので、全体として軸方向寸法が小さい扁平な円筒状に形成されている。エンドプレート39の外周面は、デファレンシャルケース13の開口端13Aの内周面に嵌合するケース側嵌合部39Aと、アクスルチューブ14の接続端14Aの内周面に嵌合するチューブ側嵌合部39Bとにより構成されている。また、エンドプレート39は、リングギヤ28の端面28Aと対面するギヤ側端面39Cと、非回転ディスク34と対面するディスク側端面39Dとを有している。
ここで、ケース側嵌合部39Aには、アクスルチューブ14側からデファレンシャル機構19に向けて徐々に縮径する円錐状のプレート側テーパ面39A1が設けられ、該プレート側テーパ面39A1は、デファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1と当接する。一方、チューブ側嵌合部39Bは、エンドプレート39の中心から均一な外径寸法を有する円筒状の外周面39B1を有し、該外周面39B1は、アクスルチューブ14の拡径段部14Dの内周面に嵌合する。
従って、デファレンシャルケース13の開口端13Aとアクスルチューブ14の接続端14Aとに跨ってエンドプレート39を配置した状態では、エンドプレート39のケース側嵌合部39Aに設けたプレート側テーパ面39A1が、デファレンシャルケース13の開口端13Aに設けたケース側テーパ面13A1に当接することにより、エンドプレート39に対し、常にブレーキピストン36から離れる方向への力が作用する。これにより、非回転ディスク34と回転ディスク35とを挟むブレーキピストン36とエンドプレート39との間には、一定(規定)の離間寸法が保たれるから、ブレーキ機構32の非制動時には、図6に示すように、非回転ディスク34と回転ディスク35との間に適正な隙間を確保することができる。
一方、図5に示すように、ブレーキ機構32の制動時には、ブレーキピストン36とエンドプレート39との間で回転ディスク35と非回転ディスク34とを挟持し、エンドプレート39のギヤ側端面39Cをリングギヤ28の端面28Aに当接させる。これにより、エンドプレート39が軸方向に位置決めされ、ブレーキピストン36によるブレーキ力(制動力)の反力をリングギヤ28によって受けることができる。
次に、図7、図8を用いて、アクスルチューブ14をデファレンシャルケース13に取付けるときの手順について述べる。
まず、デファレンシャルケース13のブレーキ室13Dにブレーキ機構32を挿嵌し、アクスルチューブ14に遊星歯車減速機構26とエンドプレート39とを挿嵌する。次いで、図7に示すように、デファレンシャルケース13の開口端13Aとアクスルチューブ14の接続端14Aとを対面させ、エンドプレート39のケース側嵌合部39Aに設けたプレート側テーパ面39A1を、デファレンシャルケース13の開口端13Aに設けたケース側テーパ面13A1に当接させることにより、エンドプレート39をガイドとして、アクスルチューブ14の接続端14Aをデファレンシャルケース13の開口端13Aに接近させる。そして、図8に示すように、アクスルチューブ14の接続端14Aをデファレンシャルケース13の開口端13Aに当接させると、後述するエンドプレート39の心出し機能により、デファレンシャルケース13の軸中心線O−Oとアクスルチューブ14の軸中心線O−Oとがほぼ一致する。この状態において、デファレンシャルケース13とアクスルチューブ14とをボルト15を用いて固定することにより、デファレンシャルケース13にアクスルチューブ14を取付けることができる。
ここで、アクスルチューブ14をデファレンシャルケース13に取付けるときに、エンドプレート39のガイドによって、デファレンシャルケース13の軸中心線O−Oとアクスルチューブ14の軸中心線O−Oとを心出しする機能について、図9ないし図12を用いて説明する。
なお、図9ないし図12は、図8中のA部(上,下方向の下側)とB部(上,下方向の上側)とを拡大した状態で、アクスルチューブ14をデファレンシャルケース13に組付ける手順を示している。また、デファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1の最大半径をRで示し、アクスルチューブ14の拡径段部14Dの内周面の半径をRで示している。
まず、図9に示すように、デファレンシャルケース13の開口端13Aとアクスルチューブ14の接続端14Aとを対面させると、アクスルチューブ14の拡径段部14Dに挿嵌されたエンドプレート39は、重力により、チューブ側嵌合部39B(外周面39B1)の下端部がアクスルチューブ14の拡径段部14Dの内周面に当接し、上端部が拡径段部14Dの内周面から下方に離間している。
次いで、図10に示すように、アクスルチューブ14をデファレンシャルケース13に近付けると、エンドプレート39のプレート側テーパ面39A1の下端部が、デファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1に当接する。これにより、エンドプレート39が上方に移動し、チューブ側嵌合部39B(外周面39B1)の下端部は、アクスルチューブ14の拡径段部14Dの内周面から上方に離間する。
次いで、図11に示すように、アクスルチューブ14をデファレンシャルケース13にさらに近付けると、エンドプレート39のプレート側テーパ面39A1とデファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1との係合により、エンドプレート39がさらに上方に移動される。その結果、エンドプレート39のチューブ側嵌合部39B(外周面39B1)の上端部が、アクスルチューブ14の拡径段部14Dの内周面に当接する。
次いで、図12に示すように、アクスルチューブ14をデファレンシャルケース13にさらに近付けると、エンドプレート39のプレート側テーパ面39A1とデファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1との係合により、エンドプレート39がさらに上方へと移動される。これにより、エンドプレート39のプレート側テーパ面39A1にデファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1の全体が収まる。このとき、エンドプレート39の上方への移動が最大となり、アクスルチューブ14はエンドプレート39と共に上方に大きく移動される。この結果、デファレンシャルケース13の軸中心線O−Oにアクスルチューブ14の軸中心線O−Oをほぼ一致するまで近付けることができ、デファレンシャルケース13にアクスルチューブ14を組付けるときの心出しを容易に行うことができる。
本実施の形態によるホイールローダ1は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
まず、キャブ10に搭乗したオペレータは、周囲のレバー、ペダル類(いずれも図示せず)を操作して走行用のトランスミッション9を作動させる。このときにトランスミッション9の出力軸の回転力がプロペラシャフト9Bからフロントアクスル装置12の入力軸16、デファレンシャル機構19、回転軸24、遊星歯車減速機構26を介して左,右のアクスルシャフト31に伝達される。これにより、各アクスルシャフト31に接続された左,右の前輪5を回転駆動することができる。同様に、トランスミッション9の出力軸の回転を、プロペラシャフト9Aからリヤアクスル装置11に伝えることにより、左,右の後輪4を回転駆動することができる。
このように、前,後の車輪5,4を回転駆動することにより、作業現場に向けてホイールローダ1を走行させることができる。この走行時に左,右いずれかの方向に曲がった場合には、デファレンシャル機構19の各デフ用ピニオンギヤ22が自転しつつ各サイドギヤ23に回転力を伝達する。これにより、例えば左方向に曲がるときには、内輪側となる左側の車輪5,4の回転数を、外輪側となる右側の車輪5,4の回転数よりも低下させることができ、内側と外側の車輪5,4間の回転数差によってスムーズに曲がることができる。
また、ホイールローダ1の走行時には、ブレーキペダル(図示せず)を操作することにより、ブレーキ機構32によって回転軸24に制動力を付与し、ホイールローダ1を減速または停車させることができる。このとき、ブレーキ機構32は、図5に示すように、油室37内にブレーキ圧が供給されることにより、戻しばね機構38に抗してブレーキピストン36をアクスルチューブ14側に移動させ、ブレーキピストン36とエンドプレート39との間で、回転ディスク35と非回転ディスク34とを摩擦係合させ、回転軸24に制動力を付与する。このとき、エンドプレート39のギヤ側端面39Cがリングギヤ28の端面28Aと当接することにより、ブレーキピストン36によるブレーキ力(制動力)の反力をリングギヤ28によって受けることができ、回転軸24を確実に制動することができる。
一方、ブレーキペダル(図示せず)を操作しない非制動時には、図6に示すように、戻しばね機構38によってブレーキピストン36がデファレンシャルケース13の隔壁13Bに押付けられて、回転ディスク35と非回転ディスク34とが互いに隙間をもって対面する。この状態では、エンドプレート39のケース側嵌合部39Aに設けたプレート側テーパ面39A1が、デファレンシャルケース13の開口端13Aに設けたケース側テーパ面13A1に当接しているから、エンドプレート39には、常にブレーキピストン36から離れる方向に向けて力が作用している。これにより、非制動時には、ブレーキピストン36とエンドプレート39との間に一定(規定)の離間寸法が保たれるので、非回転ディスク34と回転ディスク35との間に適正な隙間を確保することができる。この結果、非制動時において、非回転ディスク34と回転ディスク35とが摺接することによるロストルクや発熱を低減することができ、リヤアクスル装置11、フロントアクスル装置12に対する信頼性を高めることができる。
一方、ホイールローダ1の稼働時には、デファレンシャルケース13の開口端13Aとアクスルチューブ14の接続端14Aとの接合面に対し、ホイールローダ1の重量を受ける後輪4からの反力(タイヤ反力)によりせん断力が発生するが、このせん断力はボルト15の締付けによる摩擦力で受けている。しかし、デファレンシャルケース13とアクスルチューブ14との接合面に発生したせん断力がボルト15の締付けによる摩擦力を上回ると、接合面にすべりが発生してしまう。例えば、重量物を作業装置6で持ち上げる際に、前輪5を支点として後輪4が地面から浮き上がり、作業装置6から重量物が外れて後部車体2が自由落下すると、後輪4を介して後部車体2に衝撃荷重が作用し、アクスルチューブ14は、デファレンシャルケース13に対し鉛直上方にずれを生じる。
このような事態が生じた場合には、図13に示すように、アクスルチューブ14の拡径段部14Dに、エンドプレート39のチューブ側嵌合部39Bの下端部が当接し、エンドプレート39のプレート側テーパ面39A1の上端部がデファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1に当接する。これにより、エンドプレート39によってデファレンシャルケース13とアクスルチューブ14との間の衝撃荷重を受けることができる。この場合でも、エンドプレート39のプレート側テーパ面39A1がデファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1に当接しているから、エンドプレート39をリングギヤ28側に押圧することができ、エンドプレート39とブレーキピストン36との間に一定の離間寸法を保つことができる。
かくして、本実施の形態によれば、デファレンシャルケース13の開口端13Aの内周面にはケース側テーパ面13A1を設け、エンドプレート39のケース側嵌合部39Aにはプレート側テーパ面39A1を設けている。このため、アクスルチューブ14にエンドプレート39のチューブ側嵌合部39Bを嵌合させた状態で、アクスルチューブ14の接続端14Aをデファレンシャルケース13の開口端13Aに取付ける場合に、デファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1とエンドプレート39のプレート側テーパ面39A1とが当接する。これにより、通常の組立作業を行うだけで、デファレンシャルケース13とアクスルチューブ14との芯合わせを容易に行うことができる。
しかも、ケース側テーパ面13A1とプレート側テーパ面39A1とが当接することにより、エンドプレート39に対しブレーキピストン36から離れる方向への力が作用するので、回転ディスク35と非回転ディスク34とを挟むエンドプレート39とブレーキピストン36との間に、一定(規定)の離間寸法(隙間)を確保することができる。
この結果、ブレーキ機構32の非制動時には、回転ディスク35と非回転ディスク34との間に隙間を確実に保持することができるから、回転ディスク35と非回転ディスク34の摺接(引き摺り)によるロストルクや発熱を低減でき、アクスル装置11,12に対する信頼性を向上することができる。
一方、アクスルチューブ14の接続端14A側には、エンドプレート39よりも軸方向に奥まった位置にリングギヤ28を設けている。これにより、ブレーキピストン36が回転ディスク35と非回転ディスク34とをエンドプレート39側に押し付けたときには、エンドプレート39のギヤ側端面39Cをリングギヤ28の端面28Aに当接させることができる。この結果、ブレーキ機構32は、ブレーキピストン36によるブレーキ力(制動力)の反力をリングギヤ28によって受けることができ、デファレンシャル機構19の各回転軸24に対し、確実に制動力を付与することができる。
さらに、エンドプレート39のチューブ側嵌合部39Bは、アクスルチューブ14の拡径段部14Dにより径方向に位置決めすることができる。このため、アクスルチューブ14をデファレンシャルケース13に取付けるときに、デファレンシャルケース13のケース側テーパ面13A1に対し、エンドプレート39のプレート側テーパ面39A1を当接させることにより、エンドプレート39をアクスルチューブ14のガイドとして利用することができる。この結果、アクスルチューブ14の軸中心線O−Oをデファレンシャルケース13の軸中心線O−Oに近接した位置に配置することができる。これにより、アクスルチューブ14とデファレンシャルケース13とを径方向に位置決めした状態で組付けることができ、ブレーキ非制動時において、回転ディスク35と非回転ディスク34との間に適正な隙間を確保することができる。
なお、上述した実施の形態では、ホイール式建設機械としてトランスミッション9と前,後の車輪5,4との間にアクスル装置12,11を備えたホイールローダ1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば前,後に車輪を有する油圧ショベル、鉱山用大型ダンプトラック、トラクタ等の他のホイール式建設機械にも広く適用できるものである。また、油圧モータと後輪との間にアクスル装置を備えたロードローラ等に適用してもよい。
1 ホイールローダ(ホイール式建設機械)
2 後部車体
3 前部車体
4 後輪
5 前輪
7 エンジン(駆動源)
11 リヤアクスル装置
12 フロントアクスル装置
13 デファレンシャルケース
13A 開口端
13A1 ケース側テーパ面
14 アクスルチューブ
14A 接続端
14D 拡径段部
19 デファレンシャル機構
24 回転軸
28 リングギヤ
28A 端面
31 アクスルシャフト
32 ブレーキ機構
34 非回転ディスク
35 回転ディスク
36 ブレーキピストン
39 エンドプレート
39A ケース側嵌合部
39A1 プレート側テーパ面
39B チューブ側嵌合部
39B1 外周面

Claims (2)

  1. 駆動源を備え建設機械に用いられる車体と、該車体に設けられ前記駆動源に接続されることにより左,右方向の両側の車輪を回転駆動するアクスル装置とからなり、
    前記アクスル装置は、左,右方向の中間部に配置され左,右方向の両側が開口端となったデファレンシャルケースと、左,右方向に延びた中空な筒体からなり前記デファレンシャルケースの開口端と対面する部位が該開口端に接続される接続端となった左,右のアクスルチューブと、前記デファレンシャルケース内に設けられ前記駆動源の回転力を左,右の回転軸に分配するデファレンシャル機構と、前記各アクスルチューブ内に配置され前記デファレンシャル機構の前記左,右の回転軸の回転を前記左,右の車輪に伝える左,右のアクスルシャフトと、前記デファレンシャル機構の前記各回転軸に制動力を付与する左,右のブレーキ機構とを備えてなるホイール式建設機械において、
    前記各ブレーキ機構は、
    前記デファレンシャルケースの開口端近傍に非回転状態で取付けられた非回転ディスクと、
    該非回転ディスクと左,右方向で対面した状態で前記回転軸に取付けられ該回転軸と一緒に回転する回転ディスクと、
    前記回転ディスクと前記非回転ディスクよりも前記デファレンシャル機構側に位置して前記デファレンシャルケース内に設けられ、前記非回転ディスクを前記回転ディスクに押付けるブレーキピストンと、
    前記デファレンシャルケースの開口端の内周面に嵌合されるケース側嵌合部と前記アクスルチューブの接続端の内周面に嵌合されるチューブ側嵌合部とを有して、前記デファレンシャルケースの開口端と前記アクスルチューブの接続端とに跨って配置され、前記ブレーキピストンとの間で前記回転ディスクと前記非回転ディスクとを挟むエンドプレートとにより構成し、
    前記デファレンシャルケースの開口端の内周面には、該デファレンシャルケースの開口端から前記デファレンシャル機構に向けて徐々に縮径するケース側テーパ面設けられており
    前記エンドプレートの前記ケース側嵌合部には、前記アクスルチューブ側から前記デファレンシャル機構に向けて徐々に縮径し、前記ケース側テーパ面と当接した状態が維持されるプレート側テーパ面設けられており、
    前記アクスルチューブの接続端側には、前記エンドプレートよりも軸方向に奥まった位置に配置され前記エンドプレートの端面と軸方向で対面するリングギヤが設けられており、
    前記エンドプレートは、前記リングギヤの端面との当接と前記デファレンシャルケースの前記ケース側テーパ面との当接により前記デファレンシャルケースと前記アクスルチューブとの軸中心線が一致して軸方向に位置決めされる構成としたことを特徴とするホイール式建設機械。
  2. 前記エンドプレートの前記チューブ側嵌合部は、均一な外径寸法を有する外周面からなり、
    前記アクスルチューブの接続端には、前記リングギヤの前記エンドプレート側の端面よりも前記デファレンシャルケース側に位置して前記リングギヤよりも大径な拡径段部設けられており
    前記エンドプレートの前記チューブ側嵌合部は、前記アクスルチューブの拡径段部により径方向に位置決めされる構成としてなる請求項に記載のホイール式建設機械。
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