JP6333623B2 - レトルトおじや - Google Patents

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Description

本発明は、特定のエステル化度を有するペクチンを特定量配合した、米の吸水が早いために、米が均一に膨潤したレトルトおじやに関する。
おじやとは、出し汁や調味料を加え、炊飯米より水分を多めにして軟らかく炊きあげたものであり、その状態は炊飯米とお粥の中間的状態を示す。
おじやは、病人食やベビーフード用のおじやとして一般的に利用されているが、さらに、近年、高齢化に伴い咀嚼・嚥下機能が低下した高齢者が増加しており、このような高齢者は、通常の炊飯米の場合、十分に咀嚼することが出来ず、一方、お粥の場合は、水っぽいために誤嚥を起こすことがあり、いずれにせよ喫食することが難しいことから、おじやの需要が増している。
特に、咀嚼・嚥下機能が低下した高齢者にとって、通常の食事に近いものを食したいという要望から、大きな具材を配合し、さらに具材も米粒もやわらかい食感であるおじやが人気を博している。
しかしながら、このようなおじやを工業的に製造する場合、2つの課題がある。
1つ目の課題は、米が均一に膨潤せず、ふやけた米とかたい米がまじってしまうことである。具体的には、レトルト処理工程中に米が吸水するものの、十分に膨潤しきらないため、製造後から店頭に陳列されるまでの間(最短で製造後から48時間)にも米の吸水が続いている。したがって、液部に接した米は吸水しすぎてふやけてしまい、液部に接していない米は十分に吸水できないために、かたい食感となってしまう。
2つ目の課題は、大きな具材や重い具材を配合すると、充填適性が悪くなってしまうことである。
具体的には、レトルトパウチへ充填する前に釜の底に具材が沈んでしまうため、充填の始めと終わりで具材の種類や含量に偏りが生じてしまう。
上述の2つの課題は、炊飯器や鍋のような開放系で製造するおじやには見られない、密閉容器に充填してレトルト処理を施すおじやに特有の課題である。
特開2010−252773号公報 特許第3629122号
そこで、本発明の目的は、米の吸水が早いために、米が均一に膨潤したレトルトおじやを提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のエステル化度を有するペクチンを特定量含有し、食塩相当濃度を特定量以上にしたところ、
意外にも、米の吸水が早くなり、結果として、米が均一に膨潤したレトルトおじやが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、別の効果として、大きな具材や重い具材を配合しても、釜中に具材が分散するため、充填の始めと終わりで具材の種類や含量が均一になるように充填でき、充填適性を改善できることが明らかとなった。
すなわち、本発明は、
(1)全体のかたさが1×10N/m以上5×10N/m以下である、
レトルトおじやであって、
エステル化度1%以上25%以下であるペクチンを0.02質量%以上0.5質量%以下含有し、
食塩相当濃度が0.5質量%以上である、
レトルトおじや、
(2)(1)のレトルトおじやにおいて、
離水率が5.0質量%以下であり、
前記おじや100gあたりの体積が70mm以上であり、
スプレッドメーターで測定した値が2.3cm以下である、
レトルトおじや、
(3)(1)又は(2)のレトルトおじやにおいて、
さらに、加工澱粉及び/又は湿熱処理澱粉を0.01質量%以上5質量%以下含有した、
レトルトおじや、
(4)(1)乃至(3)のいずれかのレトルトおじやにおいて、
さらに、脂質を0.5質量%以上5質量%以下含有した、
レトルトおじや、
である。
本発明によれば、特定のエステル化度を有するペクチンを特定量含有し、食塩相当濃度を特定量以上にすることにより、米の吸水が早くなり、米が均一に膨潤したレトルトおじやを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
全体のかたさが1×10N/m以上5×10N/m以下である、
レトルトおじやであって、
エステル化度1%以上25%以下であるペクチンを0.02質量%以上0.5質量%以下含有し、
食塩相当濃度が0.5質量%以上である、
米が均一に膨潤したレトルトおじやに特徴を有する。
<レトルトおじや>
本発明のレトルトおじやは、レトルト処理を施したおじやであれば、いずれのものでもよい。
ここで、おじやとしては上述の通り、出し汁や調味料を加え、炊飯米より水分を多めにして軟らかく炊きあげたものであり、その状態は炊飯米とお粥の中間的状態を示す。
具体的には、炊飯米の場合、米1部に対して清水を1部から2部程度加えて炊き上げるのに対し、おじやの場合、米1部に対して清水2部から8部程度加えて軟らかく炊き上げる。
本発明のおじやは、全体のかたさが1×10N/m以上5×10N/m以下であり、米粒がまとまって食しやすいおじやである。
したがって、病人食やベビーフード以外にも、特に咀嚼・嚥下機能が低下した高齢者にとって食し易いかたさであるため、好適である。
なお、かたさは、後述の方法で測定することができる。
<レトルト処理>
本発明のレトルトおじやにおいて、レトルト処理としては、対象となる食品をレトルトパウチ等の密封容器に充填し、中心部の温度を120℃で4分間加熱する方法又はこれと同等以上の効果を有する方法である(「食品衛生小六法 法令1」参照)。具体的には、対象となる食品をレトルトパウチ等の密封容器に充填・密封し、中心品温100℃超から130℃以下で5分から90分程度で加熱殺菌する処理をすればよい。
<米>
本発明のレトルトおじやに用いる米としては、一般的に食品に用いられるものであれば、いずれのものでも良く、無洗米、早炊き米、生米等が挙げられる。
前記米の配合量は、生米換算で5質量%以上18質量%以下であると良く、さらに7質量%以上15質量%であるとよい。
特に、本発明においてはレトルト処理工程以外で米を吸水させる必要がないため、無洗米が好適である。
1.各成分
1.1 <ペクチン>
ペクチンとは、果物や野菜類など非常に多くの植物中に存在するもので、植物組織中の構成成分や中間層の成分であるガラクツロン酸がα−1,4結合したポリガラクツロン酸を主成分とした増粘多糖類をいう。
本発明に用いるペクチンとしては、一般に食品に用いられるものであれば、いずれのものでもよく、例えば、シトラス等の柑橘由来、又はリンゴ由来等のペクチンが挙げられる。
<エステル化度>
ペクチン中のガラクツロン酸のカルボキシル基は一部メチルエステル化されており、そのエステル化度によって、メチル化ガラクツロン酸の占める割合が50%以上のものをハイメトキシペクチン(HMペクチン)、50%以下のものをローメトキシペクチン(LMペクチン)に種類分けされる。
なお、ペクチンのエステル化度は、式1であらわされる。
<式1>
エステル化度=(エステル化されたガラクツロン酸数/総ガラクツロン酸数)×100(%)
本発明のレトルトおじやは、米が均一に膨潤したレトルトおじやを得るため、ペクチンのエステル化度は1%以上25%以下であり、さらに5%以上20%以下、6%以上11%以下であると良い。
ペクチンのエステル化度が1%より小さく、25%より大きいと、米が均一に膨潤したレトルトおじやは得られない。
さらに、具材を配合した場合、エステル化度が25%より大きいと、具材が分散しないため、充填された具材の種類・含量が均一にならず、充填適性が悪い。
<ペクチンの配合量>
本発明のレトルトおじやは、米が均一に膨潤したレトルトおじやを得るため、ペクチンの配合量は0.02質量%以上0.5質量%以下であり、さらに0.05質量%以上0.2質量%であると良い。
ペクチンの配合量が0.02質量%より少ないと、米が均一に膨潤したレトルトおじやは得られない。
一方、ペクチンの配合量が0.5質量%より大きいと、粘度が高くなり、もったりとした食感のレトルトおじやとなってしまう。
1.2 <食塩相当濃度>
食塩相当濃度は、食品に含まれているナトリウム量を食塩の量に換算した値であり、式2であらわされる。
ナトリウム源としては、食塩、醤油、みそ、みりん等の任意の調味料、又は各種出し汁等を用いることが出来る。
本発明のレトルトおじやは、米が均一に膨潤したレトルトおじやを得るために、食塩相当濃度が0.5質量%以上であり、さらに0.6質量%以上であると良い。
食塩相当濃度が0.5質量%より小さいと、米が均一に膨潤したレトルトおじやは得られなかった。さらに、具材を配合した場合、具材が分散しないため、充填された具材の種類・含量が均一にならず、充填適性が悪い。
なお、上限は規定するものではないが、5.0質量%より多く配合した場合、食味に影響を及ぼす可能性があるため、食塩相当濃度の上限は5.0質量%とすると良い。
<式2>
食塩相当濃度(%)=(ナトリウム(g)×2.54)/食品全体の質量(g)×100(%)
1.3 <具材>
本発明のレトルトおじやには、さらに、野菜類、畜肉類、卵類、及び魚介類から選ばれる1種以上の具材を配合することができる。
具体的には、例えば、大根、人参、生姜、牛蒡、玉ねぎ、筍、ネギ、白菜、さやいんげん、椎茸、又はシメジ等の野菜類、
鶏肉、牛肉、又は豚肉等の畜肉類、
卵黄、卵白等の卵類、
鮭、さば、あじ、ふぐ、かに、ふかひれ、しらす、鯛、鰹節、昆布、わかめ、あさり、はまぐり、又はほたて等の魚介類が挙げられる。
具材感のある通常の食事に近いおじやにできることから、前記具材の配合量は8質量%以上、さらに10質量%以上とすると良い。
さらに、前記具材の大きさが3.0mm以上であると良く、さらに5.0mm以上であると良い。
前記具材の配合量が8%より少ない、又は具材の大きさが3.0mmより小さいと、具材感のある通常の食事に近いおじやが得られ難い。
1.4 <加工澱粉及び/又は湿熱処理澱粉>
本発明のレトルトおじやには、さらに、加工澱粉及び/又は湿熱処理澱粉を配合することができる。
本発明に用いる加工澱粉は、食品衛生法で添加物に指定された化学的処理を施された澱粉であって食用として供されるものであれば特に限定するものではない。
例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いるとよい。
また、本発明に用いる湿熱処理澱粉は、「湿熱処理澱粉」として市販されているものであれば特に限定するものではないが、例えば、澱粉加熱しても糊化しない程度の水分を含む澱粉粒子を、密閉容器中で相対湿度100%の条件下で約100〜125℃に加熱して得る方法、あるいは第1段階で澱粉を容器中に入れ密閉・減圧し、第2段階で生蒸気を容器内に導入し、加湿加熱するシステムである減圧加圧加熱法等で製造されたものを用いるとよい。
<加工澱粉及び/又は湿熱処理澱粉の配合量>
本発明に用いる加工澱粉及び/又は湿熱処理澱粉の配合量は、0.01質量%以上5質量%以下であるとよく、さらに0.1質量%以上1質量%以下であると良い。
加工澱粉及び/又は湿熱処理澱粉の配合量が0.01質量%より少なく、5質量%より多いと、米が均一に膨潤したレトルトおじやが得られ難い。
1.5 <脂質>
本発明のレトルトおじやには、さらに脂質を配合することができる。
本発明に用いる脂質としては、一般的に食品に用いられるものであれば、いずれのものでも良い。
脂質源としては、例えば、菜種油、大豆油、紅花油、ひまわり油、コーン油、オリーブ油、グレープシード油、ごま油、綿実油、シソの実油、アマニ油等が挙げられ、本発明においてはこれら1種又は2種以上を用いると良い。
<脂質の配合量>
本発明に用いる脂質の配合量は、0.5質量%以上5質量%以下であるとよく、さらに0.6質量%以上4質量%以下であると良い。
脂質の配合量が0.5質量%より少ないと、米が均一に膨潤したレトルトおじやが得られ難い。
一方、脂質の配合量が5質量%より多いと、油っぽい食感のレトルトおじやになり易い。
なお、本発明の脂質の配合量は、健康増進法第31条第1項の規定に基づき定めた栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)で定めた酸分解法により測定することができる。
1.6 <その他の原料>
本発明のレトルトおじやには、上述のペクチン、野菜類、畜肉類、卵類、及び魚介類から選ばれる1種以上の具材、加工澱粉、湿熱処理澱粉、脂質以外の食品素材を配合することができる。
具体的には、牛乳、脱脂粉乳、又はチーズ等の乳原料、難消化性デキストリン、イヌリン、グルコマンナン、結晶セルロース、キトサン、ポリデキストロース又はカルボメチルセルロース等の食物繊維、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、又はグアーガム等の増粘多糖類、砂糖、ショ糖、デキストリン、又はトレハロース等の糖類、糖アルコール、卵殻カルシウム、各種調味料、各種ペプチド、各種アミノ酸、各種エキス、各種香辛料等が挙げられる。
2 <かたさ>
本発明のレトルトおじや全体のかたさは、店頭に陳列されるレトルト処理後48時間以降に1×10N/m以上5×10N/m以下であると良く、さらに1.5×10N/m以上5×10N/m以下、2×10N/m以上1×10N/m以下であると良い。
前記おじや全体のかたさが5×10N/mより大きいと、かたい食感となり、咀嚼・嚥下機能が低下した高齢者にとって食し難いレトルトおじやとなる。
一方、全体のかたさが1×10N/mより小さいと、緩い食感となり、咀嚼・嚥下機能が低下した高齢者にとって誤嚥が生じ易いレトルトおじやとなる。
<かたさの測定方法>
本発明におけるかたさとは、円筒形の試料の上部に円柱プランジャーを当てて上下して試料に変形を与え、応力と歪みの関係をもとめたときの圧縮ピークの高さをいう。
より詳細には、日本介護食品協議会の基準に基づいて、強度測定機としてクリープメーター((株)山電社製、RE−3305)を用い、円柱プランジャーの直径20mmで圧縮速度10mm/sにて、高さ15mmのシャーレにつめたサンプルを、厚さ10mmまで押し潰したときのかたさをいう。
3 <離水率>
本発明のレトルトおじやは、米が均一に膨潤したレトルトおじやを得られ易いことから、店頭に陳列されるレトルト処理後48時間以降に離水率が5質量%以下であり、さらに3質量%以下であると良い。
離水率が5%より大きいと、おじやから離水が生じるため、喫食時に誤嚥が生じ易くなる。
なお、下限は規定するものではないが、喫食時に、口腔中で米粒がまとまって食しやすい程度に水分が残っていれば良い。
<離水率の測定方法>
本発明のレトルトおじやの離水率は、次のような方法で測定できる。
すなわち、前記おじやをざるにあけて、1分間保持し、前記おじやからしたたった水分を回収して当該水分の質量を測定する。最後に、式3より離水率(%)を算出する。
<式3>
離水率(%)=(回収した水分の質量(g)/レトルトおじや全体の質量(g))×100(%)
4 <体積>
本発明のレトルトおじやは、米が均一に膨潤したレトルトおじやを得られ易いことから、店頭に陳列されるレトルト処理後48時間以降に前記おじや100gあたりの体積が70mm以上であり、さらに75mm以上であると良い。
前記おじや100gあたりの体積が70mmより小さいと、米が十分に吸水しきっていないため、かたい食感のレトルトおじやになり易い。
なお、上限は規定するものではないが、100mmより大きくても、米がふやけてしまうため、上限は100mmとすると良い。
<体積の測定方法>
本発明のレトルトおじやの体積は、次のような方法で測定できる。
すなわち、前記おじや100gを200mmのメスシリンダーに詰め、目盛を測定することにより測定する。
5 <ラインスプレッドテストによる測定値>
本発明のレトルトおじやは、店頭に陳列されるレトルト処理後48時間以降に、ラインスプレッドテストによる測定値が2.3cm以下であると良く、さらに2.2cm以下であると良い。
なお、下限は規定するものではないが、1cmより小さいと、もったりとした食感のおじやになるため、下限は1cmとすると良い。
<ラインスプレッドテストによる測定方法>
ラインスプレッドテストとは、同心円とその中心から円周に向かって60°毎6方向に直線が書かれており、さらに、その直線上と円が交わる点には中心からの距離が記された測定板を用いる測定法である(日本摂食・リハビリテーション学会会誌 17(3):255−267,2013参照)。
前記測定板の中央に測定する物を置き、特定の時間内の物の広がりを調べる。
本発明においては、品温20℃のおじや20gを直径30mmのリングに詰めてから30秒後に、前記リングを静かにぬき、さらに30秒後の6方向の数字(距離)を読み取り(単位cm)、その平均値を計算している。
6 <粘度>
本発明のレトルトおじやの粘度は、店頭に陳列されるレトルト処理後48時間以降に20000mPa・s以上50000mPa・s以下であると良く、さらに26000mPa.s以上45000mPa.s以下であると良い。
前記おじやの粘度が20000mPa・sより小さいと、緩い食感となり、喫食時に誤嚥を生じ易い。
一方、前記おじやの粘度が50000mPa・sより大きいと、もったりとした食感のおじやになり易い。
<粘度の測定方法>
本発明のレトルトおじやの粘度は、日本介護食品協議会の基準に基づいて、(株)東京計器製のBH型粘度計を用いて、測定開始2分後の示度として求められる。
具体的な測定条件は、後述の実施例に記載する。
7 <おじやの製造方法>
本発明のレトルトおじやの製造方法は、野菜類、畜肉類、卵類、魚介類から選ばれる具材、加工澱粉及び/又は湿熱処理澱粉、脂質、醤油、みりん、出し汁、又は食塩等のナトリウム源となる調味料、清水を常法に則り他の原料と混合する。
次に、70℃から100℃に加熱しながらペクチンを添加・混合し、調味液混合物を得る。
最後に、米、前記調味液混合物の順にレトルトパウチ等の密封容器に充填・密封し、レトルト処理(中心品温100℃超130℃以下で5分から90分程度加熱)することで、本発明のレトルトおじやが得られる。
なお、前記ペクチンは、清水に溶解させた溶液の状態でも、粉末の状態でも、いずれの状態で添加してもよい。
[実施例1]
配合表1に基づいて、大根片(10mmダイス)、鮭の切り身(8mmのチョッパーで裁断処理したもの)、濃口醤油、水煮椎茸(5mm×5mm)、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、昆布出し汁、菜種油、グルタミン酸ナトリウム、清水を混合する。
次に、80℃に加熱しながら0.5%ペクチン水溶液(CP Kelco ApS製、エステル化度8%)を添加・混合し、調味液混合物を得た。
最後に、無洗米、前記調味液混合物をレトルトパウチに充填・密封し、125℃で25分間レトルト処理を施して、実施例1のレトルトおじや100gを製造した。
なお、得られたレトルトおじやの食塩相当濃度は0.7質量%、脂質の配合量は1.0質量%であった。
[配合表1]
0.5%ペクチン水溶液(エステル化度8%) 20%(固形分換算0.1%)
無洗米 10%
大根片(10mmダイス) 6%
鮭の切り身(8mm目のチョッパーで裁断処理したもの) 4%
濃口醤油 2%
水煮椎茸(5mm×5mm) 2%
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉 0.6%
昆布出し汁 0.5%
菜種油 0.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.1%
食塩 0.1%
清水で 100%
[実施例2]
実施例1において、エステル化度8%の0.5%ペクチン水溶液20%(固形分換算0.1%)をエステル化度11%の5%ペクチン水溶液0.6%(固形分換算0.03%)に変更した。さらに、食塩相当濃度を0.55%になるように調整し、実施例1と同様の製造方法により、実施例2のレトルトおじやを製造した。
[実施例3]
実施例1において、エステル化度8%の0.5%ペクチン水溶液20%(固形分換算0.1%)をエステル化度7%のペクチン粉末0.2%に変更した。
さらに食塩相当濃度を1%になるように調整し、実施例1と同様の製造方法により、実施例3のレトルトおじやを製造した。
[比較例1]
実施例1において、ペクチンを添加せず、実施例1と同様の製造方法により、比較例1のレトルトおじやを製造した。
[比較例2]
実施例1において、エステル化度8%のペクチンをエステル化度51%のペクチンに変更し、実施例1と同様の製造方法により、比較例2のレトルトおじやを製造した。
[試験例1]
ペクチンのエステル化度及び配合量、及び食塩相当濃度による、米が均一に膨潤する効果、及び充填適性が改善する効果について調べた。
具体的には、実施例1乃至3、並びに比較例1及び2で製した各レトルトおじやを喫食し、米が均一に膨潤しているか、充填された具材の種類・含量が均一かどうかについて評価した。
さらに、得られた各レトルトおじやについて、かたさの測定、ラインスプレッドテストによる測定、及び粘度の測定をレトルト処理後から48時間後に行った。
離水率及びおじや100gあたりの体積をレトルト処理直後、24時間後、及び48時間後に測定した。
かたさ、離水率、ラインスプレッドテストによる測定、おじや100gあたりの体積については前述の測定条件で測定し、粘度については後述の測定条件で測定した。
結果は、表1に示す。
なお、一般的に製造後から店頭に陳列されるまでの時間は、レトルト処理後48時間以降である。
<粘度の測定条件> 全て品温20℃
<実施例1乃至3及び比較例2について>
ローターNo.6を10rpmで回転させ、測定開始2分後の示度により求める。
<比較例1について>
ローターNo.5を10rpmで回転させ、測定開始2分後の示度により求める。
評価は、下記の基準に従うものである。
<米が均一に膨潤しているかについて>
A:米が均一に膨潤しており、米粒の食感がふっくらとしていた。
B:米がほぼ均一に膨潤していたが、ごくまれにかたい米もあった。
C:米が均一に膨潤しておらず、かたい米粒とふやけた米粒が混合していた。
<充填適性について>
A:充填の始めと終わりで、充填された具材の種類・含量が均一であり、充填適性が非常に改善した。
B:充填の始めと終わりで、充填された具材の種類・含量がほとんど均一であり、充填適性が改善した。
C:充填の始めと終わりで、充填された具材の種類・含量が偏っており、充填適性が改善しなかった。
[表1]
Figure 0006333623
表1より、エステル化度1%以上25%以下であるペクチンを0.02質量%以上0.5質量%以下含有し、食塩相当濃度が0.5質量%以上であると、米が均一に膨潤したレトルトおじやが得られることが理解できる(実施例1乃至3)。
さらに、充填の始めと終わりで具材の種類や含量が均一になるように充填でき、充填適性が改善することが明らかとなった(実施例1乃至3)。
特に、ペクチンのエステル化度が5%以上20%以下、さらに6%以上11%以下であるペクチンを0.05質量%以上0.2質量%以下含有し、食塩相当濃度が0.6質量%以上であると、本発明の効果が顕著に現れる(実施例1及び3)。
実施例1乃至3で得られたレトルトおじやは、全体のかたさが1×10N/m以上5×10N/m以下であることから、咀嚼・嚥下機能が低下した高齢者にとって食しやすいかたさのレトルトおじやであった。
[比較例3]
実施例1において、ペクチンの配合量を1.0質量%に変更し、実施例1と同様の製造方法により、比較例3のレトルトおじやを製造した。
その結果、米が均一に膨潤したレトルトおじやが得られたが、もったりとした食感で好ましくなかった。
[比較例4]
実施例1において、濃口醤油、昆布出し汁、及び食塩を添加せず、実施例1と同様の製造方法により、比較例4のレトルトおじやを製造した。
得られたレトルトおじやの食塩相当濃度は0.1質量%であった。
その結果、米が均一に膨潤したレトルトおじやが得られなかった。さらに、具材が分散しないため、充填された具材の種類・含量が均一にならず、充填適性が悪かった。
[実施例4]
実施例1において、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を添加せず、実施例1と同様の製造方法により、実施例4のレトルトおじやを製造した。
[実施例5]
実施例1において、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の配合量を6質量%に変更し、実施例1と同様の製造方法により、実施例5のレトルトおじやを製造した。
[実施例6]
実施例1において、菜種油を添加せず、実施例1と同様の製造方法により、実施例6のレトルトおじやを製造した。得られたレトルトおじやの脂質の配合量は0.3質量%であった。
[実施例7]
実施例3において、菜種油の配合量を5質量%に変更し、実施例1と同様の製造方法により、実施例7のレトルトおじやを製造した。得られたレトルトおじやの脂質の配合量は6質量%であった。
[試験例2]
実施例4乃至7で得られた各レトルトおじやについて、試験例1と同様の方法により評価した。その結果、ほとんど全てのレトルトおじやにおいて、米が均一に膨潤していたが、そのうちの一部のレトルトパウチのレトルトおじやでは、かたい米粒とふやけた米粒が混在しているものもあった。

Claims (4)

  1. 全体のかたさが1×10N/m以上5×10N/m以下である、
    レトルトおじやであって、
    エステル化度6%以上11%以下であるペクチンを0.02質量%以上0.5質量%以下含有し、
    食塩相当濃度が0.5質量%以上である、
    レトルトおじや。
  2. 請求項1記載のレトルトおじやにおいて、
    離水率が5.0質量%以下であり、
    前記おじや100gあたりの体積が70mm以上であり、
    ラインスプレッドテストによる測定値が2.3cm以下である、
    レトルトおじや。
  3. 請求項1又は2記載のレトルトおじやにおいて、
    さらに、加工澱粉及び/又は湿熱処理澱粉を0.01質量%以上5質量%以下含有した、
    レトルトおじや。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの記載のレトルトおじやにおいて、
    さらに、脂質を0.5質量%以上5質量%以下含有した、
    レトルトおじや。
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