JP6332981B2 - 光変調ユニット及びその製造方法 - Google Patents

光変調ユニット及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6332981B2
JP6332981B2 JP2014013360A JP2014013360A JP6332981B2 JP 6332981 B2 JP6332981 B2 JP 6332981B2 JP 2014013360 A JP2014013360 A JP 2014013360A JP 2014013360 A JP2014013360 A JP 2014013360A JP 6332981 B2 JP6332981 B2 JP 6332981B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
light modulation
phase difference
modulation unit
surface accuracy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014013360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015141280A (ja
Inventor
正史 横山
正史 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP2014013360A priority Critical patent/JP6332981B2/ja
Publication of JP2015141280A publication Critical patent/JP2015141280A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6332981B2 publication Critical patent/JP6332981B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、透過する光の位相変調が可能な液晶素子を有する光変調素子であって、複数の光変調素子からなる光変調ユニットに関する。
従来より、レーザ顕微鏡、光ピックアップ装置、レーザ加工機など、光を対象物に照射することによって、その対象物の形状などの情報を検出したり、その対象物に何らかの変化を生じさせたりする光学装置が利用されている。このような光学装置に、例えば、対向する基板間に液晶分子を封入してなる光変調素子を有する光変調ユニットを組み込み、直線偏光をラジアル偏光に変換して集光スポット径をより小さくすることで超解像を可能にしたり、波面収差を補償したりする技術が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、この液晶素子からなる光変調素子を複数組み合わせて光変調ユニットを形成し、位相反転素子と偏光面回転素子を組み合わせて超解像を可能にしたり、位相変調素子同士で3次球面収差と5次球面収差の補正を可能にしたりするなど多機能化も提案されている。
国際公開第2012/124634号(第9頁、第27頁、図3)
しかしながら、特許文献1に示した従来技術において、液晶分子が二枚の透明基板とシール部材の間に封入された液晶層を有する液晶素子である光学変調素子は、その二枚の透明基板に歪みがなく真っ平らであり、その液晶層の厚みにバラツキのない光束の透過面の面精度が理想的に良好な液晶素子である。実際は、透明基板の変形やシール部材の厚みバラツキ、液晶注入量のバラツキなどに起因する面精度のバラツキがあり、この液晶素子を透過する直線偏光の光束に光学的なズレ、つまり位相差が発生する問題が有るが、この問題に対応する技術について、なんら開示がされていない。
すなわち、この面精度のバラツキは、液晶素子を動作させない状態にあって、液晶層を透過する光束の光路長のバラツキであり、それにより液晶素子を透過する直線偏光に位相差が発生する。そのため、光変調素子は、理想的な液晶素子の位相変調特性に、発生した位相差が重畳された位相変調特性になるため、意図したレンズ特性や波面収差補正特性に歪みを生じる。特に、液晶素子の位相変調量を大きくしようと液晶層を厚くする場合は、面精度のバラツキにより発生する位相差が増大し、また、光変調ユニットの応答性を向上する対応として、液晶素子を複数枚重ねて用いる場合には、面精度のバラツキが重畳される結果、位相差が増大して位相変調特性に大きな影響を及ぼすという問題がある。
以下、参考例によって、液晶素子の面精度バラツキと位相差との関係について、図11から図14によって説明する。図11は、面精度が理想的に良好な液晶素子の平面図である。図12は、図11で示したE−E断面の端面図と、液晶素子を透過する直線偏光の位相差を示すグラフである。図13は、図12と同様の液晶素子の端面図とグラフであるが、面精度にバラツキのある液晶素子の端面図とその液晶素子を透過する直線偏光の位相差を示すグラフである。図14は、面精度にバラツキのある液晶素子が二枚重ねられた光変
調ユニットにあって、その光変調ユニットを透過する直線偏光の位相差を説明するための図である。なお、以下の液晶素子の図に示される各要素は、説明の便宜上、誇張して図示されており、実際の厚さの比と異なる。
図11に示す液晶素子100は、面精度が理想的に形成された真っ平らな二枚の透明基板110、111と、点線で示すシール部材120と封口部材130で形成されたギャップ空間に、液晶分子が封入されて形成されている。一方の透明基板110の光束の透過面には、ITOからなる点線で示す透明電極パターン140が形成され、例えばレンズの特性を有する同心円状の透明電極パターン140が形成されている。他方の透明基板111の光束の透過面には、同様の、透明電極パターン或いは液晶層全体を覆う電極が形成されている。これらの透明電極パターン140に引出し電極150を経由して電圧を印加することによりレンズの特性を有する屈折率勾配型のレンズが形成される。
図12は、理想的な面精度を有する液晶素子100の端面図と液晶素子100を透過する直線偏光の位相差を表すグラフである。
図12(a)は、図11で示した液晶素子100のE−E断面の端面図であり、液晶素子100は、透明基板110、111とシール部材120とで形成されたギャップ空間に、所定の方向に沿って配向された液晶分子が封入され、液晶層160を形成し、その液晶層160の光束の透過面が平行で理想的な面精度を有して形成されている。
図12(b)は、液晶素子の面精度のバラツキに起因する位相差(これを以降、素子位相差と呼ぶ)を示すグラフであり、横軸は透明電極パターンの中心を原点とした液晶断面の幅を、縦軸は直線偏光の位相差を示す。
図12(a),(b)に示す通り、液晶素子100は透明基板110,111が歪なく平行に配置され、シール部材120の厚みが均一であり、理想的な面精度を有する。このため、液晶層160を透過する直線偏光の光路長に差がなく位相差が発生しないので、液晶素子100の素子位相差200は横軸上に直線で示される。
図13は、図11の理想的な面精度を有する液晶素子100と異なり、面精度のバラツキを有する液晶素子の代表的な三種類の変形形態を説明するための図であり、上段に液晶素子の端面図を、下段に直線偏光の位相差のグラフを示す。なお、以下に説明する液晶素子の面精度のバラツキは、液晶素子の透明基板の変形やシール部材の厚みバラツキ、液晶注入量のバラツキなどに起因し、二枚の透明基板が両方共変形するものが大多数であるが、説明の便宜上、誇張して図示し、一方の透明基板を基準として他方の透明基板にバラツキを集約して変形した形態で示し説明する。
図13(a)に示す第1の変形形態は、上段の液晶素子101の端面図に示すように、シール部材120の厚さに差があり不均一な形態である。例えば、液晶層161の左側が厚く、右側が薄いために透明基板112が傾き、液晶層161がくさび状に形成され、光束の透過面の面精度が傾いている。従って、下段のグラフに示すように、この液晶素子101を透過する直線偏光の素子位相差201は、右下がりの勾配を有する直線で表される。第1の変形形態と対をなす類似形態として左下がりの勾配を有する液晶素子も考えられる。
図13(b)に示す第2の変形形態は、上段の液晶素子102の断面図に示すように、透明基板113が凸状に変形した面精度であり、液晶層162がそれに倣って凸形状に形成され、光束の透過面の面精度が凸形状の形態である。従って、下段のグラフに示すように、この液晶素子102を透過する直線偏光の素子位相差202は、液晶層162の凸形状に倣った凸形状で表される。第2の変形形態と対をなす類似形態として透明基板113が凹状に変形し、凹形状曲線の素子位相差を有する液晶素子も考えられる。
図13(c)に示す第3の変形形態は、上段の液晶素子103の端面図に示すように、透明基板114が波形形状であって、量産時の透明基板114のほとんどの面精度がこのような波形形状である。すなわち、この液晶層163は、波形の透明基板114と図13(a)のシール部材120の厚さの不均一が合成されたものである。従って、下段のグラフに示すように、液晶素子103の素子位相差203は、素子位相差201と波形をした透明基板114の合成した波形で表される。
図14は、屈折率勾配型レンズを形成する光変調ユニットにおいて、図13(c)と同様の形状からなる二枚の液晶素子103a、103bを重ね合わせ、焦点距離の可変領域をより拡大することを可能とする従来の光変調ユニットを示す参考例である。
図14(a),(b)に示すように、液晶素子103aは、二枚の透明基板110a、114aと、シール部材120aと封口部材130aで形成されたギャップ空間に、液晶分子が封入されて矢印で示す配向方向Mに沿って配向された液晶層163aを形成している。一方の透明基板110aの液晶層163a側の光束の透過面には、ITOからなるレンズの特性を有する同心円状の透明電極パターン140aが形成され、引出し電極150aと電気的に接続されている。
他方の波形形状の透明基板114aの液晶層163a側の光束の透過面には、同様の、透明電極パターン或いは液晶層全体を覆う電極が形成されている。これらの透明電極パターン140aに引出し電極150aを経由して電圧を印加することによりレンズの特性を有する屈折率勾配型のレンズが形成される。
液晶素子103bも、液晶素子103aと全く同様の構成と形状で、各部材の符号の末尾を「a」から「b」に変えて記す。
そして、二枚の液晶素子103a、103bの配置は、光束の透過軸の中心、すなわち、透明電極パターン140a、140bの同心円の中心軸と、配向方向Mと、引出し電極150a、150bとの位置を同じ方向に重ね合わせられている。そして、透明電極パターン140a、140bと対向電極とに、それぞれ引出し電極150a、150bから電圧が印加されることで液晶の実効屈折率を変化させて焦点距離を可変する屈折率勾配型レンズを形成するものである。
しかしながら、図14(b)の端面図に示すように、液晶層163a、163bは、図13(c)の面精度のバラツキと同様の波形形状の液晶素子103a、103bに封入され、引出し電極150a、150b側が薄く、引出し電極150a、150bと対向する側が厚く形成されている。従って、この液晶層163a、163bを直線偏光が透過する位相差は、図14(c)のグラフに示すように、図13(c)の位相差のグラフに示された素子位相差203が二つ重なった倍の値の素子位相差204で表される。この素子位相差204は、本来のレンズ特性を示す位相変調曲線に重畳されるために、得られる位相変調曲線に大きな歪を生じ、レンズ特性に悪影響を及ぼす問題があった。また、波面収差補正の補正量を増加するために複数の液晶素子を重ねる場合であっても、同様に、本来の波面収差補正の特性を示す位相変調曲線に歪を生じ波面収差補正の特性に悪影響を及ぼす問題があった。
本発明の光変調ユニットは、このような課題を解決するためにある。そして、その目的は、面精度のバラツキを有する液晶素子をレンズパワーの向上や波面収差の補正量を増加するために複数の液晶素子を重ね合わせても、レンズ特性や波面収差補正の特性を有する位相変調曲線に歪を生ずることのない良好な光変調ユニットを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の光変調ユニットは、以下の構造を採用する。
透過する光束に位相変調を与える複数の光変調素子を備え、複数の光変調素子は、光束の透過面の面精度に依り発生する位相差を相殺するようにそれぞれの透過面を重ね合わせることを特徴とする。
複数の光変調素子のそれぞれは、所定の方向に沿って配向された液晶分子が含まれる液晶層と、液晶層を挟んで対向するように配置された二つの透明電極とを有し、液晶層を透過する光束の位相を、二つの透明電極の間に電圧を印加することにより制御する液晶素子であってもよい。
透明電極は、電圧を印加するための引出し電極を備え、複数の光変調素子を重ね合わせるときに、各引出し電極がそれぞれの透過面における同一方向側に配置されていてもよい。
引出し電極は、複数の光変調素子のそれぞれに複数個所形成されていてもよい。
複数の光変調素子の透過面の面精度を測定し、所定の面精度範囲ごとに光変調素子を分類する面精度測定工程と、面精度測定工程によって分類された複数の光変調素子から、面精度に依り発生する位相差を相殺するように複数の光変調素子を選択する工程と、選択工程によって選択された複数の光変調素子の位相差を相殺するように重ね合わせる重ね合わせ工程と、を有することを特徴とする。
重ね合わせ工程は、複数の光変調素子の少なくとも一つを光束の透過軸を中心に所定の角度だけ回転させてから重ね合わせてもよい。
重ね合わせ工程は、複数の光変調素子の少なくとも一つを裏返してから重ね合わせてもよい。
複数の光変調素子に、電圧を印加するための引出し電極を形成する引出し電極形成工程を有し、重ね合わせ工程は、複数の光変調素子の各引出し電極がそれぞれの透過面における同一方向側に配置されるように重ね合わせてもよい。
引出し電極形成工程は、複数の光変調素子のそれぞれに引出し電極を複数個所形成してもよい。
本発明の複数の液晶素子からなる光変調ユニットは、光束の液晶透過面の面精度バラツキによる位相差が相殺されるように複数の液晶素子を重ね合わせ、その重ね合わせによってレンズ特性のパワー向上や波面収差の補正量の増加がされると共に、位相変調特性に歪のない良好な光変調ユニットを提供することが可能となる。
本発明の光変調ユニットの実施例1の第1の実施形態を示す図面であって、屈折率勾配型レンズ用液晶素子の斜視図、端面図及び位相差特性グラフである。 本発明の光変調ユニットの実施例1の第1の実施形態の屈折率勾配型レンズ用液晶素子の特性曲線と面精度による位相変調量の関係を説明するためのグラフである。 本発明の光変調ユニットの実施例1の第2の実施形態を示す図面であって、コマ収差用液晶素子の斜視図、端面図及び位相差特性グラフである。 本発明の光変調ユニットの実施例1の第2の実施形態のコマ収差用液晶素子の特性曲線と面精度による位相変調量の関係を説明するグラフである。 本発明の光変調ユニットの実施例1の第3の実施形態を示す図面であって、球面収差用液晶素子の斜視図、端面図及び位相差特性グラフである。 本発明の光変調ユニットの実施例1の第3の実施形態の球面収差用液晶素子の特性曲線と面精度による位相変調量の関係を説明するグラフである。 本発明の光変調ユニットの実施例1の第4の実施形態を示す図面であって、コマ収差と球面収差用液晶素子の斜視図、端面図及び位相差特性グラフである。 本発明の光変調ユニットの実施例1の第4の実施形態のコマ収差用液晶素子と球面収差用液晶素子とを組み合わせた特性曲線と、面精度による位相変調量の関係を説明するグラフである。 本発明の光変調ユニットの実施例2の実施形態を示す図面であって、液晶素子の端面図及び位相差特性グラフである。 本発明の光変調ユニットの実施例3の製造方法を説明するための工程図である。 従来の面精度の良好な液晶素子の平面図で参考例である。 図11の液晶素子の断面図と透過する直線偏光の位相差を示すグラフの参考例である。 従来の面精度にバラツキのある液晶素子の端面図とその液晶素子を透過する直線偏光の位相差を示すグラフの参考例である。 複数の液晶素子を重ねた従来の光変調ユニットの斜視図と端面図と透過する直線偏光の位相差のグラフの参考例である。
本発明の光変調ユニットは、複数枚のそれぞれの光変調素子の面精度バラツキによる光路長差を、互いに相殺するように、光変調素子を重ね合わせて、光路長差に起因する位相差を最小にするという点が特徴的である。以下、光変調素子として、液晶素子を例に説明する。
すなわち、複数枚の液晶素子を重ね合わせて用いるのは、例えば、球面収差、コマ収差に対する補正特性を有する液晶素子の補正量の増加、或いは、屈折率勾配型レンズ特性を有する液晶素子等のレンズパワーの向上、及び応答性の向上を図るため、またはこれらの液晶素子を組合せて使用するためである。その上で、それぞれの液晶素子が有する面精度バラツキによって発生する位相差で、せっかく向上した各特性に歪を生じないように、面精度バラツキを相殺するように液晶素子を組み合わせ光路長差、すなわち位相差を最小にすることで、光変調ユニットの位相変調特性を高め、更に、歪が生ずることなく、意図した位相変調の制御を可能とすることである。
以下、図面を用いて本発明の光変調ユニットの一例を詳述する。
図1から図8を用いて実施例1を説明し、次に、図9を用いて実施例2を説明し、そして、図10を用いて実施例3を説明する。実施例1には、光変調ユニットを形成する二枚の液晶素子を組み合わせて、面精度のバラツキによって発生する位相差が最小になる重ね合わせの例を示す。そして、それぞれ液晶素子の透明電極パターンの相違による位相変調の異なる四つの実施形態をそれぞれ説明する。実施例2には、実施例1とは異なる重ね合わせ方で液晶素子を重ね合わせた光変調ユニットの例を示す。そして、実施例3には、液晶素子を面精度のバラツキによって発生する位相差が最小になるように重ね合わせた光変調ユニットの製造方法についての工程を説明する。
この実施例では、所望する光学特性を得るために二枚の液晶素子を重ね合わせた光変調
ユニットについて、歪のない本来の位相変調特性曲線(これを以降、所望特性曲線と呼ぶ)と、二枚の液晶素子のそれぞれの面精度バラツキに起因して発生した位相差を相殺するように重ね合わせた時の位相差(これを以降、相殺位相差と呼ぶ)が所望特性曲線に重畳された位相変調特性曲線(これを以降、相殺特性曲線と呼ぶ)と、二枚の液晶素子のそれぞれの面精度バラツキに起因して発生した位相差が増長されるように重ね合わせた時の位相差(これを以降、増長位相差と呼ぶ)が所望特性曲線に重畳された位相変調特性曲線(これを以降、増長特性曲線と呼ぶ)との比較を示し、相殺特性曲線が所望特性曲線とほぼ同じ特性曲線となることを説明する。
所望する光学特性を得るために二枚の液晶素子を重ねた実施形態として、第1の実施形態に屈折率勾配型レンズ特性を有する二枚の液晶素子を重ね合わせた光変調ユニットを、第2の実施形態にコマ収差補正特性を有する二枚の液晶素子を重ね合わせた光変調ユニットを、第3の実施形態に球面収差補正特性を有する二枚の液晶素子を重ね合わせた光変調ユニットを、第4の実施形態にコマ収差補正特性を有する液晶素子と球面収差補正特性を有する液晶素子とを重ね合わせた光変調ユニットを順に説明する。
[実施例1の第1の実施形態の説明:図1、図2]
まず、図1、図2を用いて本発明の光変調ユニットの実施例1の第1の実施形態を説明する。
以下の液晶素子の図に示される各要素は、説明の便宜上、誇張して図示されており、実際の厚さの比と異なっている。
図1は、面精度バラツキによって発生する位相差が最小になるように重ね合わせた屈折率勾配型レンズ特性の液晶素子を有する光変調ユニットの構成を説明する図である。図1(a)は、面精度バラツキが波形形状の二枚の液晶素子を重ね合わせた形態の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA−A断面の端面図であり、図1(c)は、先述の図12(b)のグラフと同様、重ね合わせた二枚の液晶素子を透過する直線偏光の位相差を表すグラフであり、横軸は透明電極パターンの中心を原点とした液晶断面の幅を示し、縦軸は直線偏光の位相差を示す。
図2は、第1の実施形態の光変調ユニットの屈折率勾配型レンズ特性の所望特性曲線、例えば、上に凸の曲線と、所望特性曲線に面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の重ね合わせで生ずる相殺位相差または増長位相差が重畳された光変調ユニットの位相変調曲線(相殺特性曲線または増長特性曲線)との関係を説明するグラフである。図2(a)は、第1の実施形態の所望特性曲線と、相殺位相差と、増長位相差のグラフを示し、図2(b)は、第1の実施形態の相殺特性曲線と所望特性曲線の比較を示し、図2(c)は、第1の実施形態の増長特性曲線と所望特性曲線の比較を示す。
第1の実施形態の特徴は、屈折率勾配型レンズ特性を有する光変調ユニットにあって、個々の液晶素子の面精度バラツキが波形形状であっても、面精度バラツキの影響による光路長差を相殺するように二枚の液晶素子を重ね合わせ、それによって位相差を最小にすることにより、歪の少ない屈折率勾配型レンズ特性のレンズパワーを向上した光変調ユニットを提供するものである。そして、ここで説明する光変調ユニットの二枚の液晶素子は、量産された数多くの液晶素子の中から、ほぼ同じ面精度バラツキの形状で、ほぼ同じ位相差を有する液晶素子をピックアップしたものである。
図1(a),(b)に示すように、液晶素子1aは、二枚の透明基板10a、11aと、シール部材12aと封口部材13aで形成されたギャップ空間に、液晶分子が封入されて矢印で示す配向方向Mに沿って配向された液晶層16aを形成している。透明基板10aの液晶層16a側の光束の透過面には、ITOからなる透明電極パターン14aが形成
され、屈折率勾配型レンズの特性を有する同心円状のパターンで形成されて図示しない配線電極によって引出し電極15Ra、15Laと電気的に接続されている。
もう一方の透明基板11aの液晶層16a側の光束の透過面には、透明基板10aと同様の図示しない透明電極パターン、或いは、液晶層全体を覆う電極が形成されており、引出電極15Ra、15Laと電気的に接続されている。
なお、液晶素子1aの引出し電極の符号は、封口部材13aを上方に見て、右側が引出し電極15Ra、左側が引出し電極15Laと付している。これらの透明電極パターン14aに引出し電極15Ra、15Laのどちらかを経由して電圧を印加することによりレンズの特性を有する屈折率勾配型のレンズが形成される。
この液晶素子1aの面精度バラツキは、例えば、透明基板11aの波形形状の歪みと、シール部材12aの厚みが均一ではなく、液晶層16aの引出し電極15La側が厚く、引出し電極15Ra側が薄く形成されていることによる歪みとを重畳したものである。すなわち、図13(a)に記載したような右下がりの直線勾配の位相差に、波形形状の位相差を重畳した図13(c)のような位相差を有する。
液晶素子1bも、液晶素子1aと全く同様の構成で、ほぼ同じ面精度バラツキによって発生するほぼ同じ位相差を有し、同一の部材の構成ではあるが、区別するため各部材の符号の末尾を「a」から「b」に変えて記す。そして、透明基板11bも、液晶素子1aの透明基板11aとほとんど同じ波形形状であり、液晶層16bも、液晶層16aと同様に、引出し電極15Lb側が厚く、引出し電極15Rb側が薄いため、図13(c)と同様の位相差を有している。
従って、図1(b)に示すように、二枚の液晶素子1a、1bの面精度バラツキによる位相差を相殺する重ね合わせは、光束の透過軸の中心、すなわち、透明電極パターン14a、14bの同心円の中心軸と、配向方向Mを同じ方向に揃え、液晶層16aの厚い部分と液晶層16bの薄い部分、そして、液晶層16aの薄い部分と液晶層16bの厚い部分を重ねるために、引出し電極15La側と引出し電極15Rb側を合わせ、引出し電極15Ra側と引出し電極15Lb側を合わせることである。
図1(c)のグラフに示すように、上述した液晶素子1aと液晶素子1bとを、面精度のバラツキによって発生する位相差を相殺するように重ね合わせることで、面精度バラツキを有する液晶層16a、16bの位相差が互いに打ち消され、補完されているから、直線偏光が透過しても、位相差が最小となる相殺位相差20を得ることが可能となる。
上述したように、面精度バラツキが同じ傾向にある液晶素子の重ね合わせは、液晶素子1aに対して液晶素子1bを透明電極パターン14a、14bの同心円の中心を軸に透過面に沿って180°回転することで位相差を最小に抑えられることになる。そして、引出し電極を液晶素子の配向方向に沿って両側に用意しておくことによって、同じ側に配置された引出し電極15Ra、15Lb、或いは、引出し電極15La、15Rbのどちらか都合の良い方にFPCを熱圧着して制御回路との接続を容易にすることが可能となる。そして、制御回路からFPCを経由して電圧が印加されることで液晶の実効屈折率を変化させて焦点距離を可変する屈折率勾配型レンズの光変調ユニットを提供することが可能となる。
図2(a)は、光変調ユニットの理想的な所望特性曲線と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の位相差を相殺した相殺位相差と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の位相差が大凡倍に増長された増長位相差のグラフを示す図であり、所望特性曲線30を
一点鎖線で、相殺位相差20を点線で、増長位相差204(図14(c)参照)を破線で示す。
図2(a)に示す通り、所望特性曲線30は光変調ユニットに歪のない理想的な屈折率勾配型レンズの光学効果が得られる特性曲線を示している。また、相殺位相差20は二枚の液晶素子1a,1bのそれぞれの面精度バラツキに起因する位相差を相殺するように重ねあわせた位相差を示しており、ほぼ無いに等しい。増長位相差205は図14(c)で説明したとおり、二枚の液晶素子のそれぞれの面精度バラツキに起因する位相差が大凡倍になるように重なった位相差を示しており、大きな歪を生じている。
図2(b)は、図2(a)で示した所望特性曲線30と所望特性曲線30に相殺位相差20を重畳した相殺特性曲線、言い換えると、光変調ユニットの所望する屈折率勾配型レンズ特性である特性曲線30が面精度バラツキを相殺した位相差歪の影響を受けた相殺特性曲線のグラフを示す図であり、所望特性曲線30を一点鎖線で、相殺特性曲線31を実線で示す。
図2(c)は、図2(a)で示した所望特性曲線30と所望特性曲線30に増長位相差204を重畳した増長特性曲線、言い換えると、光変調ユニットの所望する屈折率勾配型レンズ特性の特性曲線30が面精度バラツキによって大凡倍に増長された位相差歪の影響を受けた増長特性曲線のグラフを示す図であり、所望特性曲線30を一点鎖線で、増長特性曲線32を実線で示す。
図2(b)に示す通り、所望特性曲線30に対して、相殺特性曲線31は差がほとんどなく、面精度バラツキによる位相差の影響を受ける度合いがかなり少ないことが明確であり、光変調ユニット本来の光学特性とほぼ同一の特性を得ることができる。
一方、図2(c)に示す通り、所望特性曲線30に対し、増長特性曲線32は大きく歪みが生じており、所望する光変調ユニットの光学特性は期待できないことは明らかである。
以上に説明した通り、個々の液晶素子の面精度のバラツキが波形形状であっても、波形形状の光路長差を相殺するように二枚の液晶素子を重ね合わせることによって、その光変調ユニット自体の位相差を最小にすることにより、二枚の液晶素子を重ね合わせて特性を向上しても歪のない屈折率勾配型レンズ特性を有する光変調ユニットを提供することが可能となる。
前述の光変調ユニットでは、二枚の液晶素子の電極パターンがそれぞれ屈折率勾配型レンズ特性を持つ液晶素子として説明をしたが、所望する光変調ユニットの光学特性はこれに限定されず、種々の設計に応じた特性の液晶素子にも適応できる。以下に他の実施形態を説明する。
なお、第1の実施形態とは透明電極パターンと透明電極パターンによって得られる所望特性曲線が異なるのみであり、その他の同等の構成部材については説明を省略する。
[実施例1の第2の実施形態の説明:図3、図4]
次に、図3、図4を用いて実施例1の第2の実施形態を説明する。
図3は、図1と同様に、二枚の液晶素子を重ね合わせた光変調ユニットであるが、それぞれの液晶素子がコマ収差を補正する電極パターンが形成されている点が、第1の実施形態と異なる。従って、図4は、第1の実施形態の図2と異なり、光変調ユニットのコマ収差補正特性曲線と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の重ね合わせで生ずる位相差による光変調ユニットの位相変調量の関係を説明するグラフとなる。
第2の実施形態の特徴は、コマ収差の補正特性を有する光変調ユニットにあって、個々の液晶素子の面精度のバラツキが波形形状であっても、第1の実施形態と同様に、波形形状の光路長差を相殺するように二枚の液晶素子を重ね合わせて、光路長差によって発生する位相差を最小にすることにより、二枚の液晶素子でコマ収差補正特性の補正量を増加した光変調ユニットを提供するものである。
図3(a)は、コマ収差補正パターンが形成された液晶素子を有する光変調ユニットであって、面精度バラツキが波形形状の二枚の液晶素子を重ね合わせた形態の斜視図であり、図3(b)は、図3(a)に示すB−B断面の端面図であり、図3(c)のグラフは、図1(c)のグラフと同様、重ね合わせた二枚の液晶素子を透過する直線偏光の位相差を表す。
図4(a)は、第2の実施形態の光変調ユニットのコマ収差補正特性の所望特性曲線と、相殺位相差の曲線と、増長位相差の曲線のグラフを示し、図4(b)は、第2の実施形態の所望特性曲線と相殺位相差が重畳された相殺特性曲線との比較を示し、図4(c)は、第2の実施形態の所望特性曲線と増長位相差が重畳された増長特性曲線との比較を示す。
図3(a),(b)に示すように、液晶素子1c、1dは、第1の実施形態と同様の構成であって、区別するため構成部材の符号の末尾を「c」、「d」と変えて記す。そして、第1の実施形態と異なるのは、透明電極パターン14c、14dがコマ収差補正特性を有するパターンで形成されていることだけである。
それぞれの液晶素子1c、1dは、シール部材12c,12dによる液晶層16c、16dの厚みバラツキと、透明基板11c、11dの変形とが重畳された面精度バラツキによって発生する位相差をそれぞれが有している。
従って、二枚の液晶素子1c、1dの面精度バラツキによって発生する位相差を相殺する重ね合わせは、第1の実施形態と全く同様に、透明電極14c、14dの同心円の中心軸を合わせ、配向方向Mを同じ方向に揃え、そして、液晶層16cの厚い部分と液晶層16dの薄い部分、液晶層16cの薄い部分と液晶層16dの厚い部分を重ねること、すなわち、引出し電極15Lc側と引出し電極15Rd側を合わせ、引出し電極15Rc側と引出し電極15Ld側を合わせることである。
図3(c)のグラフに示すように、液晶素子1cと液晶素子1dを面精度バラツキによって発生する位相差を相殺する重ね合わせにより、面精度バラツキを有する液晶層16c、16dの位相差が互いに打ち消され、補完されているから、直線偏光が透過しても、位相差が最小となる相殺位相差21を得ることが可能となる。
従って、第1の実施形態と同様に、面精度バラツキが同じ傾向にある液晶素子の重ね合わせは、液晶素子1cに対して液晶素子1dを透明電極14c、14dのパターンの同心円の中心を軸に透過面に沿って180°回転することで位相差が最小に抑えられることになる。
図4(a)は、光変調ユニットの理想的なコマ収差補正特性の所望特性曲線と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の位相差を相殺した相殺位相差と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の位相差が大凡倍に増長された増長位相差のグラフを示す図であり、所望特性曲線40を一点鎖線で、相殺位相差21を点線で、増長位相差204(図14(c)参照)を破線で示す。
図4(b)は、図4(a)で示した所望特性曲線40と、所望特性曲線40に相殺位相差21が重畳した相殺特性曲線との比較を示すグラフであり、所望特性曲線40を一点鎖線で、相殺特性曲線41を実線で示す。
図4(c)は、図4(a)で示した所望特性曲線40と、所望特性曲線40に増長位相差204が重畳された増長特性曲線との比較を示すグラフであり、所望特性曲線40を一点鎖線で、増長特性曲線42を実線で示す。
図4(b)のグラフに示す通り、相殺特性曲線41は所望特性曲線40と差がなく、面精度バラツキによる位相差の影響を受ける度合いがかなり少ないことが明確であり、光変調ユニットの本来の光学特性とほぼ同一の特性を得ることができる。
一方、図4(c)のグラフに示す通り、増長特性曲線42は所望特性曲線40に対して、大きな歪みを生じており、光変調ユニットの本来の光学特性は期待できない。
従って、個々の液晶素子の面精度のバラツキが波形形状であっても、波形形状の光路長差を相殺するように二枚の液晶素子を重ね合わせて、光路長差によって発生する位相差を最小にすることにより、二枚の液晶素子を重ね合わせて補正量の増加をしても歪のないコマ収差補正特性を有する光変調ユニットを提供することが可能となる。
[実施例1の第3の実施形態の説明:図5、図6]
次に、図5、図6を用いて実施例1の第3の実施形態を説明する。
図5は、図1と同様に、二枚の液晶素子を重ね合わせた光変調ユニットであるが、それぞれの液晶素子が球面収差を補正する電極パターンが形成されている点が、第1の実施形態と異なる。従って、図6は、第1の実施形態の図2と異なり、光変調ユニットの球面収差補正特性曲線の曲線と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の重ね合わせで生ずる位相差による光変調ユニットの位相変調量の関係を説明するグラフである。
第3の実施形態の特徴は、球面収差補正特性を有する光変調ユニットにあって、個々の液晶素子の面精度のバラツキが波形形状であっても、第1の実施形態と同様に、光路長差を相殺するように二枚の液晶素子を重ね合わせて、それにより発生する位相差を最小にすることにより、球面収差補正特性の補正量の増加をした光変調ユニットを提供するものである。
図5(a)は、球面収差補正パターンが形成された液晶素子を有する光変調ユニットであって、面精度バラツキが波形形状の二枚の液晶素子を重ね合わせた形態の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示すC−C断面の端面図であり、図5(c)のグラフは、図1(c)のグラフと同様、重ね合わせた二枚の液晶素子を透過する直線偏光の位相差を表す。
図6(a)は、第3実施形態の光変調ユニットの所望特性曲線と、相殺位相差と、増長位相差のグラフを示し、図6(b)は、第3の実施形態の所望特性曲線と、所望特性曲線に相殺位相差が重畳された相殺特性曲線との比較を示し、図6(c)は、第3の実施形態の所望特性曲線と、所望特性曲線に増長位相差が重畳された増長特性曲線との比較を示す。
図5(a)(b)に示すように、液晶素子1e、1fは、第1の実施形態と異なるのは、球面収差補正特性を有する透明電極パターン14e、14fが形成されていることであって、その他の構成は全く同様である。従って、各構成部材に付した符号の末尾を「e」
「f」として重複する説明は省略する。
そして、二枚の液晶素子1e、1fの面精度のバラツキの位相差を相殺する重ね合わせは、液晶層16eの厚い部分と液晶層16fの薄い部分、そして、液晶層16eの薄い部分と液晶層16fの厚い部分を重ねることであり、第1、2の実施形態と全く同様であり、重複するので説明を省略する。
図5(c)のグラフに示すように、液晶素子1eと液晶素子1fを面精度バラツキによって発生する位相差を相殺する重ね合わせにより、面精度バラツキを有する液晶層16e、16fの位相差が互いに打ち消され、補完されているから、直線偏光が透過しても、位相差が最小となる相殺位相差22を得ることが可能となる。
従って、第1の実施形態と同様に、面精度バラツキが同じ傾向にある液晶素子の重ね合わせは、液晶素子1eに対して液晶素子1fを透明電極14e、14fのパターンの同心円の中心を軸として180°回転することで位相差が最小に抑えられることになる。
図6(a)は、光変調ユニットの理想的な球面収差補正特性の所望特性曲線と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の位相差を相殺した相殺位相差と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の位相差が大凡倍に増長された増長位相差のグラフを示す図であり、所望特性曲線50を一点鎖線で、相殺位相差22を点線で、増長位相差204(図14(c)参照)を破線で示す。
図6(b)は、図6(a)で示した所望特性曲線50と、所望特性曲線50に相殺位相差22が重畳された相殺特性曲線との比較を示すグラフであり、所望特性曲線50を一点鎖線で、相殺特性曲線51を実線で示す。
図6(c)は、図6(a)で示した所望特性曲線50と、所望特性曲線50に増長位相差204が重畳された増長特性曲線との比較を示すグラフであり、所望特性曲線50を一点鎖線で、増長特性曲線52を実線で示す。
図6(b)に示す通り、相殺特性曲線51は所望特性曲線50との差がなく、面精度バラツキによる位相差の影響を受ける度合いがかなり少ないことが明確であり、光変調ユニットの本来の光学特性とほぼ同一の特性を得ることができる。
一方、図6(c)のグラフに示す通り、増長特性曲線52は所望特性曲線50に対して、大きな歪みを生じており、光変調ユニットの本来の光学特性は期待できない。
従って、個々の液晶素子の面精度のバラツキが波形形状であっても、波形形状の光路長差を相殺するように二枚の液晶素子を重ね合わせて、光路長差による位相差を最小にすることにより、二枚の液晶素子を重ね合わせて補正量の増加をしても歪のない球面収差補正特性を有する光変調ユニットを提供することが可能となる。
[実施例1の第4の実施形態の説明:図7、図8]
次に、図7、図8を用いて実施例1の第4の実施形態を説明する。
図7は、図1と同様に、二枚の液晶素子を重ね合わせた光変調ユニットであるが、一方がコマ収差、他方が球面収差と収差補正の異なる電極パターンが形成された液晶素子を重ね合わせる点が、第1の実施形態と異なる。従って、図8は、第1の実施形態と異なり、第4実施形態の光変調ユニットのコマ収差と球面収差補正特性曲線の波形形状の曲線と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の重ね合わせで生ずる位相差による光変調ユニットの位相変調量の関係を説明するグラフである。
第4の実施形態の特徴は、2つの収差補正特性、すなわち、コマ収差と球面収差補正特性を有する光変調ユニットにあって、それぞれの液晶素子の面精度バラツキが波形形状であっても、第1の実施形態と同様に、光路長差を相殺するように二枚の液晶素子を重ね合わせて、光路長差による位相差を最小にすることにより、歪のないコマ収差と球面収差の両方の補正特性を有する光変調ユニットを提供するものである。
図7(a)は、一方がコマ収差、他方が球面収差の補正パターンが形成された二枚の液晶素子を有する光変調ユニットであって、面精度バラツキが波形形状の二枚の液晶素子を重ね合わせた形態の斜視図であり、図7(b)は、図7(a)に示すD−D断面の端面図であり、図7(c)のグラフは、図1(c)のグラフと同様、重ね合わせた二枚の液晶素子を透過する直線偏光の位相差を表す。
図8(a)は、第4実施形態の光変調ユニットの歪のない本来のコマ収差と球面収差補正特性曲線と、二枚の面精度バラツキを有する液晶素子の重ね合わせで、相殺した相殺位相差と、増長位相差のグラフを示し、図8(b)は、コマ収差と球面収差の液晶素子を重ねあわせた所望特性曲線と、所望特性曲線に相殺位相差が重畳された相殺特性曲線との比較を示し、図8(c)は、所望特性曲線と、所望特性曲線に増長位相差が重畳された増長特性曲線との比較を示す。
図7(a)(b)に示すように、液晶素子1h、1iは、第1の実施形態と異なるのは、液晶素子1hがコマ収差補正特性を有する透明電極パターン14h、液晶素子1iが球面収差補正特性を有する透明電極パターン14iが形成されていることであって、その他の構成は全く同様である。従って、各構成部材に付した符号の末尾を「h」「i」として重複する説明は省略する。
二枚の液晶素子1h、1iの面精度バラツキによって発生する位相差を相殺する重ね合わせは、第1から第3の実施形態と全く同様であり、重複するので説明を省略する。
図7(c)のグラフに示すように、液晶素子1hと液晶素子1iの面精度バラツキによって発生する位相差を相殺する重ね合わせにより、面精度バラツキを有する液晶層16h、16iの位相差が互いに打ち消され、補完され、直線偏光が透過しても、位相差が最小になる相殺位相差23を得ることが可能となる。
従って、第1の実施形態と同様に、面精度バラツキが同じ傾向にある液晶素子の重ね合わせは、液晶素子1hに対して液晶素子1iを透明電極14h、14iのパターンの同心円の中心を軸として180°回転することで位相差が最小に抑えられることになる。
図8(a)は、光変調ユニットの理想的なコマ収差と球面収差とを重畳した補正特性である所望特性曲線と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の位相差を相殺した相相殺位相差と、面精度バラツキを有する二枚の液晶素子の位相差が大凡倍に増長された増長位相差のグラフを示す図であり、所望特性曲線60を一点鎖線で、相殺位相差23を点線で、増長位相差204(図14(c)参照)を破線で示す。
図8(b)は、図8(a)で示した所望特性曲線60と、所望特性曲線60に相殺位相差23が重畳された相殺特性曲線との比較を示すグラフであり、所望特性曲線60を一点鎖線で、相殺特性曲線61を実線で示す。
図8(c)は、図8(a)で示した所望特性曲線60と、所望特性曲線60に増長位相差204が重畳された増長特性曲線との比較を示すグラフであり、所望特性曲線60を一
点鎖線で、増長特性曲線62を実線で示す。
図8(b)に示す通り、相殺特性曲線61は所望特性曲線60との差がなく、面精度バラツキによる位相差の影響を受ける度合いがかなり少ないことが明確であり、変調ユニットの本来の光学特性とほぼ同一の特性を得ることができる。
一方、図8(c)のグラフに示す通り、増長特性曲線62は所望特性曲線60に対して、大きな歪みを生じており、光変調ユニットの本来の光学特性は期待できない。
従って、個々の液晶素子の面精度のバラツキがあっても、光路長差を相殺するように二枚の液晶素子を重ね合わせて、その光路長差によって発生する位相差を最小にすることにより、2種類の収差補正特性を有する、すなわち、コマ収差と球面収差補正特性を有する光変調ユニットを提供することが可能である。
また、本実施形態においては、各種位相変調特性を有する液晶素子がコマ収差と球面収差補正特性を有する液晶素子の構成で説明を行ったが、これに限定されず、例えば収差補正特性を有する液晶素子とレンズ特性を有する液晶素子とを重ね合わせた場合や、収差補正を行う直線偏光方向が互いに直交するように二枚の液晶素子を重ね合わせた場合など、任意に選択が可能である。
以上説明したとおり、実施例1の第1から第4の実施形態においては、位相差を最小に抑えながら各種位相変調特性を有する光変調ユニットの液晶素子が二枚である構成で説明したが、これに限定されることなく、三枚またはそれ以上の枚数の組み合わせでも可能である。
[実施例2の実施形態の説明:図9]
次に、図9を用いて光変調ユニットの実施例2の実施形態を説明する。
この実施例2の実施形態と実施例1の各実施形態との相違は、二枚の液晶素子を重ね合わせた光変調ユニットであるが、一方の液晶素子が裏返しして重ね合わせられている点が、実施例1の各実施形態と異なっている。
図9(a)は、すでに説明した図1(b)と同様の断面を示す端面図であり、図9(b)は、図1(c)と同様に位相差を説明するグラフである。実施例2の実施形態は、実施例1の第1の実施形態と構成は全く同じであるので、各構成部材には同じ符号を用い、重複する説明は省略する。
この実施例2の実施形態の特徴は、光変調ユニットを構成する液晶素子の一方を裏返しに重ね合わせたとしても、波形形状バラツキの光路長差を相殺するように二枚の液晶素子を重ね合わせることが可能で、その光路長差によって発生する位相差を最小にすることにより、歪のない屈折率勾配型レンズ特性を有する光変調ユニットを提供するものである。
図9(a)に示すように、液晶素子1aは、液晶素子1bに対して裏返しで重ね合わされている。それぞれの液晶素子1a、1bに封入された液晶分子の液晶層16a、16bは、透明基板11a、11bの変形による面精度のバラツキで、引出し電極15La、15Lb側が厚く、引出し電極15Ra、15Rb側が薄く形成され、面精度のバラツキと同様の光路長差をそれぞれが有している。
従って、実施例1の第1の実施形態で説明したように、二枚の液晶素子1a、1bの面精度バラツキによって発生する位相差を相殺する重ね合わせは、透明電極(不図示)の同
心円の中心軸を合わせ、配向方向Mを同じ方向に揃え、そして、液晶層16aの厚い部分と液晶層16bの薄い部分、そして、液晶層16aの薄い部分と液晶層16bの厚い部分が重なるように、引出し電極15La側と引出し電極15Rb側を合わせ、引出し電極15Ra側と引出し電極15Lb側を合わせることである。
その結果、図9(b)のグラフに示すように、液晶素子1bに液晶素子1aを裏返して重ね合わせたとしても、面精度バラツキを有する液晶層16a、16bの位相差が互いに打ち消され、補完されることが可能で、直線偏光が透過しても、位相差が最小となる相殺位相差24を得ることが可能で、屈折率勾配型レンズ特性を強化向上した光変調ユニットを提供することが可能となる。
となる。
なお、実施例2においては実施例1の第1の実施形態の屈折率勾配型レンズ特性を有する光変調ユニットを用いて説明を行ったが、実施例1の第2から第4の実施形態においても同様に適用ができ、位相差が最小となる相殺位相差を得られることは言うまでもない。
また、液晶素子の重ね合わせにおいては、重ね合わせ方は配向方向と液晶素子の回転対称性によって拘束され、前述の実施例1及び2のように配向方向が一つの方向であれば、回転方向の選択肢は0°または180°の二回対称となる。このため、各液晶素子の引出し電極も180°回転させた時に同じ位置に重なるように配置すると、電圧を印加する位置を同じ位置にすることができる。
さらに、各液晶素子に複数の配向領域があり、配向方向が90°回転対称性であれば、0°、90°、180°、270°の四回対称となるため、各液晶素子の引出し電極も90°回転させた時に同じ位置に重なるように配置すると、電圧を印加する位置を同じ位置にすることができる。例えば、液晶素子の基板平面が概略正方形であれば、引出し電極の形成位置を二回対称の場合には対向する辺に、四回対称の場合には各辺に設けるのが好ましい。これらは、透明電極パターンと引出し電極を電気的に接続する配線電極を両面配線や多層配線とすることによって作成することが可能である。
なお、(360/n)°回転対称性(nは自然数)であればn回対称となるため、引出し電極を(360/n)°で重なるようにn個配置すると、同じ位置で電圧を印加することができる。
また、引出し電極を透明基板の反対の面に同じ数配置(つまり2n個)すれば、実施例2で説明したように裏返して重ね合わせた場合でも、同じ位置で電圧を印加することができる。これは、上述の配線電極の少なくとも一部を両面配線とすることによって作成することが可能である。
[実施例3の製造工程の説明:図10]
次に、図10を用いて光変調ユニットの製造工程、特に複数の液晶素子からなる光変調ユニットのそれぞれの液晶素子を面精度バラツキに起因する位相差が相殺できるようにピックアップし、重ねあわせた後に実装するまでの工程を説明する。
本実施例においては、実施例1または実施例2に記載した二枚の液晶素子を重ね合わせた光変調ユニットの製造方法で説明する。また、各液晶素子の組立工程は従来から知られている液晶素子の製造方法を用いて作成が可能であるため説明を省略し、複数の液晶素子を作成した後の工程から説明をする。
図10に示す通り、光変調ユニットの製造工程は面精度測定工程(ステップS01)、
面精度分類工程(ステップS02)、液晶素子選択工程(ステップS03)、FPC圧着工程(ステップS04)、電極端子削除工程(ステップS05)、重ねあわせ工程(ステップS06)、位置決め固定工程(ステップS07)の順に行われる。
まず、ステップS01の面精度測定工程において、光変調ユニットに組み込むための、単個の状態にある液晶素子を準備し、一個ずつ、例えば光学式の非接触表面形状測定機で、液晶素子の光束の透過面の面精度バラツキを測定する。特に、液晶素子を構成する液晶分子やシール材、透明基板などの線膨張係数の違いにより、温度が変化すると膨張または収縮による歪みの影響を受けて面精度バラツキの状態が変化する。このため、光変調ユニットを実際の使用温度に調節した状態で面精度バラツキを測定するのが好ましい。
次に、ステップS02の面精度分類工程において、測定した液晶素子を、例えば図13(a)、(b)、(c)で示した形状と、それと対をなす類似形態の形状と、その変形量を数段階に分けて分類し、クラス分けを行う。従って、分別された液晶素子は、類似形状、類似変形量の複数の集団である類似クラスにクラス分けされる。
次に、ステップS03の液晶素子選択工程において、前述の面精度分類工程(ステップS02)でクラス分けされた液晶素子を類似クラスから二枚を対でピックアップする。実施例1で説明したように、面精度のバラツキが同じ変形形状であれば、透明電極パターンの中心、すなわち、光束の透過軸を中心として、透過面に沿って180°回転することで、配向方向を変えずに、面精度のバラツキによる位相差を相殺して歪みを最小にすることが可能な二枚の液晶素子の組合せとなる。
次に、ステップS04のFPC圧着工程において、光変調ユニットを組み込む装置の都合によって、例えば、図1(a)において、FPCを引出し電極15La、15Rb側が良いならば、引出し電極15Laと引出し電極15RbにFPCをACF(異方性導電膜)で熱圧着する。このように複数の電極の組合せから任意の電極を選択することができるため、共通のFPCを使用することができ、便利である。
次に、ステップS05の電極端子削除工程において、前工程でFPCを圧着しなかった側の引出し電極、例えば、図1(a)の例では、透明基板10a、10bの引出し電極15Ra、15Lb部をシール部材12a、12bに沿って割り削除する。これにより、使用しない側の電極を含む領域の分だけ体積を少なくすることができるため、小型化が可能である。ただし、光変調ユニットに液晶素子の組み込み寸法に余裕があれば、FPCを取り付けなかった引出し電極を無理に削除する必要はなく、この工程を省くことがあっても良い。
次に、ステップS06の重ね合わせ工程において、FPCが熱圧着された液晶素子1a、1bを液晶素子の透明電極パターンの中心と、引出し電極15La、15Rbの位置と方向を合わせて光変調ユニットに組み込む。或いは、FPCの引き回しによっては、図9のように一方の液晶素子を裏返して重ねることも可能である。その結果、実施例1または実施例2で示したようにそれぞれの液晶素子が有する面精度バラツキに起因する光路長差によって発生する位相差を最小にすることができる。
次に、ステップS07の位置決め固定工程において、光変調ユニットに組み込まれた液晶素子を接着剤で充填し、固定する。その結果、面精度バラツキによって発生する位相差を最小にして、位相変調特性を強化向上した光変調ユニットを提供することが可能となる。
以上のような製造工程によって、光変調ユニットに組み込まれる二枚の液晶素子は、そ
れぞれの面精度のバラツキを相殺する位置関係に組み込まれるから、それぞれが有する位相差を相殺することで最小にすることが可能となり、歪みのないレンズ特性、波面収差補正特性であって、更に、それらの特性を強化向上した光変調ユニットが提供可能となる。
また、液晶素子は、位相差を相殺するために、二枚の液晶素子で説明してきたが、同様の考え方で、より枚数の多い複数枚の液晶素子を用いて位相差を相殺した光変調ユニットを提供することも可能である。
また、液晶素子の重ね合わせにおいては、重ね合わせ方は配向方向と液晶素子の回転対称性によって拘束され、前述の実施例のように配向方向が一つの方向であれば、回転方向の選択肢は0°または180°の二回対称となる。このため、各液晶素子の引出し電極も180°回転させた時に同じ位置となるように配置すると、FPCの圧着が同じ場所で行えるため便利である。
さらに、各液晶素子に複数の配向領域があり、配向方向が90°回転対称性であれば、0°、90°、180°、270°の四回対称となるため、各液晶素子の引出し電極も90°回転させた時に同じ位置となるよう配置すると、FPCの圧着が同じ場所で行えるため便利である。例えば、液晶素子の基板平面が概略正方形であれば、引出し電極の形成位置を二回対称の場合には対向する辺に、四回対称の場合には各辺に設けるのが好ましい。これらは、透明電極パターンと引出し電極を電気的に接続する配線電極を両面配線や多層配線とすることによって作成することが可能である。
なお、(360/n)°回転対称性(nは自然数)であればn回対称となるため、引出し電極を(360/n)°で重なるようにn個配置すると、FPCの圧着が同じ場所で行えるため便利である。
さらに、引出し電極を透明基板の反対の面に同じ数配置(つまり2n個)すれば、裏返して重ね合わせた場合にもFPCの圧着が同じ場所で行えるため非常に便利である。これは、上述の配線電極の少なくとも一部を両面配線とすることによって作成することが可能である。
なお、各実施例では、光変調素子として、液晶素子を例に説明したが、面精度のバラツキにより、光路長差が発生する光変調素子であれば、液晶素子に限定されず、いかなる光変調素子においても、本発明は、効果を発揮する。また、本発明は、上述した光変調ユニットの実施例に限定されることなく、それらの全てを行う必要もなく、特許請求の範囲の各請求項に記載した内容の範囲で種々に変更や省略をすることが出来ることは言うまでもない。
1a、1b、1c、1d、1e、1f、1h、1i 液晶素子
10a、10b、10c、10d 透明基板
11a、11b、11c、11d 透明基板
12a、12b、12c、12d シール部材
13a、13b 封口部材
14a、14b、14c、14d、14e、14f、14h、14i 透明電極パターン
15La、15Lb、15Lc、15Ld 引出し電極
15Ra、15Rb、15Rc、15Rd 引出し電極
16a、16b、16c、16d、16e、16f、16h、16i 液晶層
20、21、22、23、24 位相差の波形曲線
30、31、32 屈折率勾配型レンズ特性の特性曲線
40、41、42 コマ収差補正特性の特性曲線
50、51、52 球面収差補正特性の特性曲線
60、61、62 コマ収差と球面収差補正特性の特性曲線

Claims (9)

  1. 複数の光変調素子の透過面の面精度を測定し、所定の面精度範囲ごとに前記光変調素子を分類する面精度測定工程と、
    前記面精度測定工程によって分類された前記複数の光変調素子から、面精度に依り発生する位相差を相殺するように前記複数の光変調素子を選択する工程と、
    前記選択工程によって選択された前記複数の光変調素子の前記位相差を相殺するように重ね合わせる重ね合わせ工程と、
    を有する光変調ユニットの製造方法。
  2. 前記重ね合わせ工程は、前記複数の光変調素子の少なくとも一つを光束の透過軸を中心に所定の角度だけ回転させてから重ね合わせる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光変調ユニットの製造方法。
  3. 前記重ね合わせ工程は、前記複数の光変調素子の少なくとも一つを裏返してから重ね合わせる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光変調ユニットの製造方法。
  4. 前記複数の光変調素子に、電圧を印加するための引出し電極を形成する引出し電極形成工程を有し、
    前記重ね合わせ工程は、前記複数の光変調素子の各前記引出し電極がそれぞれの透過面における同一方向側に配置されるように重ね合わせる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の光変調ユニットの製造方法。
  5. 前記引出し電極形成工程は、前記複数の光変調素子のそれぞれに前記引出し電極を複数個所形成する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光変調ユニットの製造方法。
  6. 透過する光束に位相変調を与える複数の光変調素子を備え、
    前記複数の光変調素子は、前記光束の透過面の面精度に依り発生する位相差を相殺するようにそれぞれの前記透過面を重ね合わせる
    ことを特徴とする光変調ユニット。
  7. 前記複数の光変調素子のそれぞれは、所定の方向に沿って配向された液晶分子が含まれる液晶層と、前記液晶層を挟んで対向するように配置された二つの透明電極とを有し、
    前記液晶層を透過する前記光束の位相を、前記二つの透明電極の間に電圧を印加することにより制御する液晶素子である
    ことを特徴とする請求項6に記載の光変調ユニット。
  8. 前記透明電極は、電圧を印加するための引出し電極を備え、
    前記複数の光変調素子を重ね合わせるときに、各前記引出し電極がそれぞれの透過面における同一方向側に配置される
    ことを特徴とする請求項に記載の光変調ユニット。
  9. 前記引出し電極は、前記複数の光変調素子のそれぞれに複数個所形成される
    ことを特徴とする請求項8に記載の光変調ユニット。

JP2014013360A 2014-01-28 2014-01-28 光変調ユニット及びその製造方法 Expired - Fee Related JP6332981B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014013360A JP6332981B2 (ja) 2014-01-28 2014-01-28 光変調ユニット及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014013360A JP6332981B2 (ja) 2014-01-28 2014-01-28 光変調ユニット及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015141280A JP2015141280A (ja) 2015-08-03
JP6332981B2 true JP6332981B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=53771682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014013360A Expired - Fee Related JP6332981B2 (ja) 2014-01-28 2014-01-28 光変調ユニット及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6332981B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10732336B2 (en) * 2017-02-02 2020-08-04 Corning Incorporated Method of assembling optical systems and minimizing retardance distortions in optical assemblies
JP2020052366A (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 シチズンファインデバイス株式会社 液晶素子、及びその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH024228A (ja) * 1988-06-22 1990-01-09 Seiko Epson Corp 液晶表示素子
JPH03145624A (ja) * 1989-11-01 1991-06-20 Fujitsu Ltd 液晶表示装置
TW200604B (ja) * 1991-09-17 1993-02-21 Philips Nv
JP2005037460A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Citizen Watch Co Ltd 積層位相差板の製造方法
WO2006009176A1 (ja) * 2004-07-20 2006-01-26 Asahi Glass Company, Limited 液晶レンズ素子および光ヘッド装置
JP2011186334A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Seiko Epson Corp 液晶装置および液晶メガネ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015141280A (ja) 2015-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10788727B2 (en) Liquid crystal light deflector
JP5938353B2 (ja) 光偏向デバイス、光アセンブリおよびそのデバイスの製造方法
US20180136750A1 (en) Method of assembling a display module
JP2016506541A (ja) 高度な電界制御能力を備えた液晶光学装置
WO2009110521A1 (ja) 電気光学素子
JP6332981B2 (ja) 光変調ユニット及びその製造方法
US7452089B2 (en) Variable-shape mirror and optical pickup device therewith
KR102411662B1 (ko) 액정 광 편향기 및 액정 광 편향기를 구비한 홀로그래픽 디스플레이
JP6478922B2 (ja) 光変調素子
US20080291559A1 (en) Variable shape mirror and manufacturing method for variable shape mirror
JP4225331B2 (ja) 形状可変ミラー
JP5647887B2 (ja) 多重構造液晶光学素子及びその製造方法
JP5491903B2 (ja) 多層構造液晶光学素子およびその製造方法
US20240077654A1 (en) Display device and method of manufacturing the same
US11204507B2 (en) Positioning member having cutout portion and polarization beam combining module using positioning member
JP4532500B2 (ja) 光学ズーム機能を有する液晶素子、及びその製造方法
JP2008206333A (ja) 圧電薄膜デバイスおよび圧電薄膜デバイスの製造方法
KR100803340B1 (ko) 이중액정수차보정소자 및 그 제조방법
WO2017141529A1 (ja) ミラー駆動装置、ミラー駆動装置の制御方法およびミラー駆動装置の製造方法
JP6482960B2 (ja) 光学素子
JP2009229963A (ja) 液晶光学素子
JP2005222586A (ja) 位相変調用光学素子および光学装置
JP4379062B2 (ja) 光学装置
JP2011191646A (ja) 光学装置の製造方法及び光学装置
JP2008205263A (ja) 圧電薄膜デバイスおよび圧電薄膜デバイスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6332981

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees