以下、本発明の電気光学装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態は例示として挙げるものであり、これにより本発明の内容を限定的に解釈すべきではない。なお、以下、各実施形態では、電気エネルギーによって光学特性が変化する電気光学素子の一例として液晶素子を用いた画素について説明する。
<1.第1の実施形態>
[A.電気光学装置の構成]
図1は、本実施形態の電気光学装置の構成例を示すブロック図である。この電気光学装置1には、図示せぬコンピュータ,映像再生機器等から映像信号が供給される。電気光学装置1は、供給された映像信号に応じて、電気光学パネル(表示部)10を駆動して映像を表示させる。
この電気光学装置1は、電気光学パネル10と、上述のコンピュータ,映像再生機器等から供給された映像信号に対してガンマ補正等の画像処理を施して表示データ(画像信号)を出力する画像処理部20と、書き込みを行う画素Pに対応する走査線12を選択する走査線駆動回路20と、装置全体を制御する制御部50と、を備えている。
電気光学パネル10は、表示領域AAを備え、表示領域AAには、x方向(水平走査方向)に延在するQ(Qは2以上の自然数)本の走査線12と、y方向(垂直走査方向)に延在するR(Rは2以上の自然数)本のデータ線14と、走査線12とデータ線14との各交差に対応して縦Q行×横R列の行列状に配列された画素Pとが形成される。この画素Pには、例えば液晶素子が用いられている。さらに、電気光学パネル10は、走査線12を選択する走査線駆動回路30及びデータ線14を駆動するデータ線駆動回路40を備える。
この電気光学パネル10では、画素Pに対する書き込みは、ブロック順次駆動によって行うようになっており、J本(例えば6本)のデータ線14を1ブロックとし、ブロック単位で画素Pに対する書き込みを同時に行うようになっている。具体的には、走査線駆動回路30は、Q本の走査線12を順次選択して、走査信号G[1],G[2],…,G[Q]を各走査線12に出力する。q(q=1,2,…,Q)番目の走査線12が選択され、走査信号G[q]がアクティブとなる期間(水平走査期間:1H)内に、J本のデータ線14で構成されるブロックB[1],B[2],…,B[K(K=R/J)]ごとに、q番目の走査線12に対応する画素Pに対して書き込みを行う。以下、x方向(水平走査方向)の6つの画素に対応するデータ線14を1ブロックとする場合(J=6)を例に説明するが、1ブロック内のデータ線14の数は、この例に限られず、24等、適宜設定することができる。
制御部50は、走査線駆動回路30及びデータ線駆動回路40の動作を制御するタイミング信号を発生するタイミング信号発生部51、表示データ処理部52を備えている。
表示データ処理部52は、タイミング信号を用いて、画像処理部20から出力される表示データ(画像信号)をシリアル−パラレル変換して得たデータ信号V(1)〜V(6)をデータ線駆動回路40に供給する。ここで、シリアル−パラレル変換とは、一系統の画像信号を、並列化した複数系統のデータ信号に変換することを意味する。表示データ処理部52は、単位期間ごとに並列化されたJ個のデータ信号を出力するデータ信号生成部として機能する。
タイミング信号発生部51は、表示データに同期したドットクロック信号DCLK等の表示データ処理部52の処理のタイミング信号、走査線駆動回路30の制御に用いるYクロック信号YCLK及びY転送開始パルスDY、データ線駆動回路40の制御に用いるXクロック信号XCLK、X転送開始パルスDX、制御信号CTL及びイネーブル信号EN1〜EN4を生成する。
図2は、データ線駆動回路40の詳細な構成例を示すブロック図である。データ線駆動回路40は、プリチャージ部41、K個のサンプリング部42、サンプリング信号C(1)〜C(Q)を出力するサンプリング信号生成部43、及び6本の信号供給線44を備える。
プリチャージ部41には、データ信号V(1)〜V(6)、プリチャージ電圧Vpre、及びプリチャージ期間Tpreにアクティブとなる制御信号CTLが供給される。プリチャージ部41は、制御信号CTLがアクティブとなるプリチャージ期間Tpreにおいて、プリチャージ電圧Vpreを6本の信号供給線44に出力する。また、プリチャージ部41は制御信号CTLが非アクティブとなる期間において、データ信号V(1)〜V(6)を6本の信号供給線44に各々出力する。
また、サンプリング信号生成部43は、シフトレジスタ431と、イネーブル信号EN1〜EN4が供給される4本の信号供給線432と、各ブロックBごとに設けられたアンド回路433及びオア回路434とを備える。
シフトレジスタ431は、X転送開始パルスDXをXクロック信号XCLKに同期して順次シフトしてシフト信号S(1)〜S(K)を生成する(図4参照)。fを1からK-1までの自然数としたとき、f番目のシフト信号S(f)のアクティブ期間とf+1番目のシフト信号S(f+1)のアクティブ期間は、Xクロック信号XCLKの1/2周期だけ重なる。
制御信号CTLは、各ブロックBごとに設けられたオア回路434の一方の入力端子に供給されるので、プリチャージ期間Tpreにおいて、サンプリング信号C(1)〜C(K)はアクティブになる。また、サンプリング信号C(1)〜C(K)は、シフト信号S(1)〜S(K)とイネーブル信号EN1〜EN4との論理積で与えられる期間にアクティブとなる(図4参照)。
サンプリング信号C(1)〜C(K)はK個のサンプリング部42の各々に供給される。各サンプリング部42は6個のサンプリングトランジスタを備えており、これらのサンプリングトランジスタのゲートには、サンプリング信号が共通に供給される。したがって、各ブロックBごとに当該ブロックBに属する6本のデータ線14にサンプリングされたデータ信号が同時に供給される。
[B.電気光学装置の動作]
水平走査期間(1H)において、まず、タイミング信号発生部51は、プリチャージ期間Tpreの間、制御信号CTLをアクティブにする。これに応じて、プリチャージ部41は、プリチャージ電圧Vpreを全ての信号供給線44に供給する。プリチャージ期間Tpreにおいて、サンプリング信号C(1)〜C(K)はアクティブとなるので、全てのデータ線14がプリチャージ電圧Vpreに充電される。
この後、タイミング信号発生部51は、イネーブル信号EN1〜EN4を生成する。なお、この電気光学装置1では、隣接するブロックB[n],B[n+1](n=1,2,…,Q)に同時に書き込みを行うようになっており、イネーブル信号EN1〜EN4はサンプリング信号S(1)〜S(K)がアクティブとなる各期間において、2回アクティブになるようになっている。具体的には、タイミング信号発生部51は、まず、イネーブル信号EN1とイネーブル信号EN2をアクティブとし、次に、イネーブル信号EN2とイネーブル信号EN3をアクティブとし、さらに、イネーブル信号EN3とイネーブル信号EN4をアクティブとした後、イネーブル信号EN4とイネーブル信号EN1をアクティブとする。
サンプリング信号生成部43は、X転送パルスDXがアクティブになると、イネーブル信号EN1〜EN4に応じて隣接するサンプリング部42を順次選択するサンプリング信号C(1),C(2),…,C(K)を生成し、対応するサンプリング部42に供給する。これにより、書込期間Twにおいて、順次、ブロックB[1]及びB[2]→B[2]及びB[3]→…B[K−1]及びB[K]→B[K]に対応するサンプリング部42内のサンプリングトランジスタ(スイッチング素子)が所定時間導通状態となる。
この結果、データ信号V(1)’〜V(6)’が選択されているブロックB内のデータ線14に供給されて、当該ブロックBに対応する画素Pに対する書き込みが行われる。なお、サンプリング信号C(1)〜C(K)は、C(1)以外は、書込期間Tw内で、2回アクティブになるようになっている。すなわち、最初のブロックB[1]以外に対応する画素Pには、各々2回書き込みが行われるようになっている。
図4は、ブロックB[1]〜B[5]の画素Pの配列、サンプリング部42に供給されるサンプリング信号C(1)〜C(5)及びプリチャージ部41からのデータ信号V(1)’〜V(6)’の波形を示している。なお、書き込みを行う際には、表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)が、プリチャージ部41を介して対応するデータ線14にデータ信号V(1)’〜V(6)’として供給される。同図中の各電圧V(1)’〜V(6)’の波形中の数字は、上述の図2中の第n番目の画素Pに対応する第n番目の電圧を示している。また、各電圧V(1)’〜V(6)’の波形中の括弧内の文字列[DSi(j)]は、1ライン内のi番目(i=1,2,…,K−1,K)のブロックに属するj番目(j=1,2,…,J−1,J)のデータ線に供給すべきデータ信号であることを示している。
書込期間Twが始まると、まず、表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)が、プリチャージ部41を介してデータ信号V(1)’〜V(6)’として信号供給線44に供給される。この後、サンプリング信号C(1),C(2)がアクティブになると、ブロックB[1],B[2]を介して、データ信号V(1)’〜V(6)’がブロックB[1]内の第1番目の画素P〜第6番目の画素P及びブロックB[2]内の第7番目の画素P〜第12番目の画素Pに書き込まれる。
サンプリング信号C(1),C(2)がアクティブでなくなると、次に、表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)[第7番目の電圧〜第12番目の電圧]が、データ信号V(1)’〜V(6)’として各ブロックB[1]〜B[K]内の対応するデータ線14に供給される。この後、サンプリング信号C(2),C(3)がアクティブになると、ブロックB[2],B[3]のサンプリング部42を介して、データ信号V(1)’〜V(6)’がブロックB[2]内の第7番目の画素P〜第12番目の画素P及びブロックB[3]内の第13番目の画素P〜第18番目の画素Pに書き込まれる。このときに、ブロックB[3]内の第18番目の画素Pに書き込まれる電圧は、例えば図5及び上述の図4に示すように、ブロックB[2]内の第12番目の画素Pと同じ「第12番目の電圧」([DS2(6)])である。
サンプリング信号C(2),C(3)がアクティブでなくなると、次に、表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)[第13番目の電圧〜第18番目の電圧]が、データ信号V(1)’〜V(6)’として各ブロックB[1]〜B[K]内の対応するデータ線14に供給される。この後、サンプリング信号C(3),C(4)がアクティブになると、ブロックB[3],B[4]のサンプリング部42を介して、データ信号V(1)’〜V(6)’がブロックB[3]内の第13番目の画素P〜第18番目の画素P及びブロックB[4]内の第19番目の画素P〜第24番目の画素Pに書き込まれる。このときに、ブロックB[3]内の第18番目の画素Pに書き込まれる電圧とブロックB[4]内の第19番目の画素Pに書き込まれる電圧は、上述の図4及び図5に示すように、各々「第18番目の電圧」([DS3(6)])と「第13番目の電圧」([DS3(1)])である。
さらに、サンプリング信号C(3),C(4)がアクティブでなくなると、次に、表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)[第19番目の電圧〜第24番目の電圧]が、データ信号V(1)’〜V(6)’として各ブロックB[1]〜B[K]内の対応するデータ線14に供給される。この後、サンプリング信号C(4),C(5)がアクティブになると、ブロックB[4],B[5]のサンプリング部42を介して、データ信号V(1)’〜V(6)’がブロックB[4]内の第19番目の画素P〜第24番目の画素P及びブロックB[5]内の第25番目の画素P〜第30番目の画素Pに書き込まれる。このときに、ブロックB[4]内の第19番目の画素Pに書き込まれる電圧は、上述の図4及び図5に示すように、「第19番目の電圧」([DS4(1)])である。
ブロックB[3]内の第18番目の画素Pの電圧と、ブロックB[4]内の第19番目の画素Pの電圧に着目すると、上述の図5に示すように、まず、サンプリング信号C(2),C(3)がアクティブとなるタイミングで、第18番目の画素Pに「第12番目の電圧」([DS2(6)])が書き込まれる。次に、サンプリング信号C(2),C(3)がアクティブとなるタイミングで、第18番目の画素Pに「第18番目の電圧([DS3(6)])」が書き込まれ、同時に第19番目の画素Pに「第13番目の電圧」([DS3(1)])が書き込まれる。このとき、第18番目の画素Pと第19番目の画素Pには、いずれも書き込み電圧が供給されているため、データ線14間の電圧変動の影響は少なく、第18番目の画素Pと第19番目の画素P間の電圧は相互に影響を与えない。
さらに、サンプリング信号C(3),C(4)がアクティブとなるタイミングで、第19番目の画素Pに「第19番目の電圧」([DS4(1)])が書き込まれる。このとき、第18番目の画素Pには、書き込み電圧は供給されていないが、第19番目の画素Pには、先に、サンプリング信号C(2),C(3)がアクティブとなるタイミングで、「第13番目の電圧」([DS3(1)])が書き込まれている。ここで、「第13番目の電圧」とは、表示画素(ピクセル)で考えると、第19番目の画素が属するピクセルの2つ隣のピクセルの同じ色(例えばR[赤])である。このため、比較的平坦な画像(隣接する表示画像間の輝度の変化が小さい画像)であれば、「第19番目の電圧」([DS4(1)])との差が小さい若しくは書き込みによる隣の第18番目の画素に与える影響が無視できる程度と考えられる。従って、この実施形態では、「第19番目の電圧」を第19番目の画素Pに書き込む際に第18番目の画素Pの電圧に与える影響は、無視できるか極めて小さいものと考えられる。
ところで、各ブロックB[n](n=1,2,…,K)に対する書き込みを書込期間Twに1回で行う場合は、例えば図6に示すように、ブロックB[1]内の第1番目の画素P〜第6番目の画素Pには、サンプリング信号C(1)がアクティブとなるタイミングで「第1番目の電圧〜第6番目の電圧」が書き込まれる。残りのブロックB[2]〜B[K]内の画素Pに対しても同様に、水平書込期間Tw内に各々1回のみ書き込みが行われる。
ブロックB[3]内の第18番目の画素Pの電圧と、ブロックB[4]内の第19番目の画素Pの電圧に着目すると、例えば図7に示すように、まず、サンプリング信号C(3)がアクティブとなるタイミングで、第18番目の画素Pに「第18番目の電圧」が書き込まれる。次に、サンプリング信号C(4)がアクティブとなるタイミングで、第19番目の画素Pに「第19番目の電圧」が書き込まれる。このとき、第18番目の画素Pには書き込み電圧が供給されておらず、第19番目の画素Pに対する書き込み電圧の差(プリチャージ電圧と第19番目の電圧の差)の影響により、第18番目の画素Pの電圧が変動してしまう。
これに対し、本実施形態では、上述のように、前のブロックBの書き込み時に次のブロックBのデータ線14にも同じ書き込み電圧を供給することにより、書き込み電圧の差を小さくして、隣接するブロックBの端の画素Pの電圧に与える影響を低減させることができる。これにより、ブロック境界の表示ムラを低減させることができる。
また、この実施形態では、同じブロック内の画素Pに対して2回の書き込みを行っているため、1回当たりの書き込み電圧の差を小さくすることができる。このため、プリチャージを行わなくても正常な電圧の書き込みを行うことができる。また、1回辺りの書き込み電圧の差が小さくなるので、プリチャージ電圧Vpreを従来より低くしても正常な電圧の書き込みを行うことができる。このため、プリチャージ期間を従来より短くすることができる。プリチャージは過渡現象(充電)なので、プリチャージ期間を従来より短くすることにより、プリチャージ電圧は、従来より低くなるが、同じブロック内の画素Pに対して2回の書き込みを行っているため、正常な電圧の書き込みを行うことができる。これにより、プリチャージ期間を短縮することができると共に、プリチャージ電圧Vpreを低くして消費電力を低減させることができる。
<2.第2の実施形態>
第2の実施形態の電気光学装置1は、上述の図1及び図2に示す第1の実施形態の電気光学装置1と同様に構成されている。
上述の第1の実施形態では、順次、隣接するブロックB[n],B[n+1]を選択し、選択している2つのブロックに対応する画素Pに対して同じ電圧を書き込むようにしていたが、第2の実施形態では、順次、1つおきのブロックB[n],B[n+2](n=1,2,…,K)を選択し、選択している2つのブロックに対応する画素Pに対して同じ電圧を書き込むようにしている。このため、第1の実施形態の電気光学装置1とは、例えば図8に示すように、タイミング信号発生部51が生成するイネーブル信号EN1〜EN4と、サンプリング信号生成部43が生成するサンプリング信号C(1)〜C(K)とが異なっている。
タイミング信号発生部51は、書込期間Twの間に、まず、イネーブル信号EN1とイネーブル信号EN3をアクティブとし、次に、イネーブル信号EN2とイネーブル信号EN4をアクティブとし、さらに、イネーブル信号EN1とイネーブル信号EN3をアクティブとした後、イネーブル信号EN2とイネーブル信号EN4をアクティブとする。
サンプリング信号生成部43は、イネーブル信号EN1〜EN4に応じて1つおきのサンプリング部42を順次選択するサンプリング信号C(1),C(2),…,C(K)を生成し、対応するサンプリング部42に供給する。これにより、書込期間Twにおいて、順次、ブロックB[1]及びB[3],B[2]及びB[4],…,B[K−2]及びB[K],B[K−1],B[K]が選択され、そのときのプリチャージ部41から供給されるデータ信号V(1)’〜V(6)’が選択されているブロックB内のデータ線14に供給されて、当該ブロックBに対応する画素Pに対する書き込みが行われる。なお、サンプリング信号C(1)〜C(K)は、C(1)とC(2)以外は、書込期間Tw内で、2回アクティブになるようになっている。すなわち、1ラインの最初の2つのブロックB[1],B[3]以外に対応する画素Pには、各々2回書き込みが行われるようになっている。
図9は、隣接するブロックB[1]〜B[5]内に対応する画素Pに対する書き込みを行う際に、各ブロックB[1]〜B[5]のサンプリング部42に供給されるサンプリング信号C(1)〜C(5)及びプリチャージ部41からのデータ信号V(1)’〜V(6)[表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)]の波形を示している。
書込期間Twが始まると、まず、表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)[第1番目の電圧〜第6番目の電圧]が、プリチャージ部41を介してデータ信号V(1)’〜V(6)’として各ブロックB[1]〜B[K]内の対応するデータ線14に供給される。この後、サンプリング信号C(1),C(3)がアクティブになると、ブロックB[1],B[3]を介して、データ信号V(1)’〜V(6)’がブロックB[1]内の第1番目の画素P〜第6番目の画素P及びブロックB[3]内の第13番目の画素P〜第18番目の画素Pに書き込まれる。このときに、ブロックB[3]内の第18番目の画素Pに書き込まれる電圧は、例えば図10及び上述の図9に示すように、ブロックB[1]内の第6番目の画素Pと同じ「第6番目の電圧」([DS1(6)])である。
サンプリング信号C(1),C(3)がアクティブでなくなると、次に、表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)[第7番目の電圧〜第12番目の電圧]が、データ信号V(1)’〜V(6)’として各ブロックB[1]〜B[K]内の対応するデータ線14に供給される。この後、サンプリング信号C(2),C(4)がアクティブになると、ブロックB[2],B[4]のサンプリング部42を介して、データ信号V(1)’〜V(6)’がブロックB[2]内の第7番目の画素P〜第12番目の画素P及びブロックB[4]内の第19番目の画素P〜第24番目の画素Pに書き込まれる。このときに、ブロックB[4]内の第19番目の画素Pに書き込まれる電圧は、例えば図10及び上述の図9に示すように、ブロックB[2]内の第7番目の画素Pと同じ「第7番目の電圧」([DS2(1)])である。
サンプリング信号C(2),C(4)がアクティブでなくなると、次に、表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)[第13番目の電圧〜第18番目の電圧]が、データ信号V(1)’〜V(6)’として各ブロックB[1]〜B[K]内の対応するデータ線14に供給される。この後、サンプリング信号C(3),C(5)がアクティブになると、ブロックB[3],B[5]のサンプリング部42を介して、データ信号V(1)’〜V(6)’がブロックB[3]内の第13番目の画素P〜第18番目の画素P及びブロックB[5]内の第25番目の画素P〜第30番目の画素Pに書き込まれる。このときに、ブロックB[3]内の第18番目の画素Pに書き込まれる電圧は、図10及び上述の図9に示すように、「第18番目の電圧」([DS3(6)])と「第13番目の電圧」([DS3(1)])である。
さらに、サンプリング信号C(3),C(5)がアクティブでなくなると、次に、表示データ処理部52からのデータ信号V(1)〜V(6)[第19番目の電圧〜第24番目の電圧]が、データ信号V(1)’〜V(6)’として各ブロックB[1]〜B[K]内の対応するデータ線14に供給される。この後、サンプリング信号C(4),C(6)がアクティブになると、ブロックB[4],B[6]のサンプリング部42を介して、データ信号V(1)’〜V(6)’がブロックB[4]内の第19番目の画素P〜第24番目の画素P及びブロックB[6]内の第31番目の画素P〜第36番目の画素Pに書き込まれる。このときに、ブロックB[4]内の第19番目の画素Pに書き込まれる電圧は、図10及び上述の図9に示すように、「第19番目の電圧」([DS4(1)])である。
ブロックB[3]内の第18番目の画素Pの電圧と、ブロックB[4]内の第19番目の画素Pの電圧に着目すると、上述の図10に示すように、まず、サンプリング信号C(1),C(3)がアクティブとなるタイミングで、第18番目の画素Pに「第6番目の電圧」([DS1(6)])が書き込まれる。次に、サンプリング信号C(2),C(4)がアクティブとなるタイミングで、第19番目の画素Pに「第7番目の電圧」([DS2(1)])が書き込まれる。このとき、第18番目の画素Pには、書き込み電圧が供給されていないため、第19番目の画素Pに対する書き込みによって第18番目の画素Pの電圧が影響を受けてしまう。次に、サンプリング信号C(3),C(5)がアクティブとなるタイミングで、第18番目の画素Pに「第18番目の電圧」([DS3(6)])が書き込まれる。このとき、第19番目の画素Pには書き込み電圧が供給されていないため、第18番目の画素Pに対する書き込みによって第19番目の画素Pの電圧が影響を受けてしまう。
次に、サンプリング信号C(4),C(6)がアクティブとなるタイミングで、第19番目の画素Pに「第19番目の電圧」([DS4(1)])が書き込まれる。この書き込みを行う前に、第19番目の画素Pには「第13の電圧」(厳密には、第18番目の画素Pに対する書き込みによって影響を受けた「第13の電圧」)が書き込まれており、書き込み電圧の差は、「第19の電圧」([DS4(1)])と「第13の電圧」([DS3(1)])の差の電圧である。上述のように、「第13番目の電圧」とは、表示画素(ピクセル)で考えると、第19番目の画素が属するピクセルの2つ隣のピクセルの同じ色(例えばR[赤])である。このため、比較的平坦な画像(隣接する表示画像間の輝度の変化が小さい画像)であれば、「第13番目の電圧」と「第19番目の電圧」との差は、書き込みによる隣の第18番目の画素に与える影響が無視できる程度と考えられる。
このため、この実施形態では、「第19番目の電圧」を第19番目の画素Pに書き込む際に第18番目の画素Pの電圧に与える影響は、無視できるか極めて小さいものと考えられる。従って、この実施形態では、2つ前のブロックBの書き込み時に次のブロックBのデータ線14にも同じ書き込み電圧を供給することにより、書き込み電圧の差を小さくして、隣接するブロックの端の画素Pの電圧に与える影響を低減させることができる。これにより、ブロック境界の表示ムラを低減させることができる。
また、この実施形態では、第1の実施形態と同様に、同じブロック内の画素Pに対して2回の書き込みを行っているため、1回辺りの書き込み電圧の差を小さくすることができる。このため、プリチャージを行わなくても正常な電圧の書き込みを行うことができる。あるいは、プリチャージ電圧Vpreを従来より低くしても正常な電圧の書き込みを行うことができるため、プリチャージ期間を従来より短くすることができる。これにより、プリチャージ期間を短縮することができると共に、プリチャージ電圧を低くして消費電力を低減させることができる。
<3.第3の実施形態>
上述の第1及び第2の実施形態では、隣接するブロックB[n],B[n+1]あるいは1つおきのブロックB[n],B[n+2]に対応する画素Pに対して同時に書き込みを行うことにより、同一の画素Pに対して2回の書き込みを行うようにしていた。同時に書き込みを行うこれらのブロックBは、表示位置が近い表示画素(ピクセル)に対応するもので、比較的平坦な画像では、これらのブロックB間の書き込み電圧の差は無視できる程度に小さいため、このような条件を前提としていた。しかしながら、細かい変化がある画像では、2回目の書き込み電圧と1回目の書き込み電圧との差が大きい場合があり、この場合には、2回目の書き込みによって、隣接するブロックBの端の画素Pの電圧に影響を与えてしまうことがある。
このため、第3の実施形態では、このような影響を考慮し、ブロックBの境界(最後端)の画素Pに2回目に書き込む電圧を、次に書き込みを行うブロックBの最前端の画素Pの2回目の書き込み時の電圧差に応じて補正を行うようになっている。この第3の実施形態の電気光学装置1は、表示データ処理部52において書き込み電圧の補正を行う以外は、第1の実施形態の電気光学装置1と同様に構成されている。
図11は、この第3の実施形態の電気光学装置1を構成する表示データ処理部52の詳細な構成例を示している。
この表示データ処理部52は、表示データを補正する信号補正部520と、信号補正部520から出力される補正された表示データの6画素分に応じたデータ信号V(1)〜V(6)を生成して上述の信号線選択部40に供給するSP(シリアル・パラレル)変換部52Eとを備えている。
信号補正部520は、フレームの画像を構成する各画素Pの表示データが順次供給され、補正値を生成するための表示データを振り分ける振り分け部52Aと、振り分け部52Aから振り分けられた表示データに応じて補正値を生成する補正部52Bと、表示データを遅延させる遅延部52Cと、補正部52Bからの補正値を遅延部52Cで遅延させた表示データに加算する加算部52Dとを備えている。補正部52Bは、さらに、振り分け部52Aから供給された表示データを遅延させる遅延部52BAと、振り分け部52Aからの表示データと遅延させた表示データに応じて補正値を決定する補正値決定部52BBとを備えている。なお、加算部52Dは、補正値の符号によっては、減算する場合もあり得る。即ち、加算部52Dは補正値と遅延部52Cの出力とを合成して補正済みの画像信号を出力する合成部として機能する。
走査線1本分の表示データについて注目すると、振り分け部52Aには、フレームバッファからの1画素分の読み出し周期を有するドットクロック信号DCLKに同期して表示データが1画素分ずつ供給される。振り分け部52Aは、全ての表示データを遅延部52Cに供給する。また、振り分け部52Aは、ブロックBに属する1本目のデータ線14に供給する表示データ(J×a+1[a=0,1,2,…,K−1]クロック目のデータ)を補正部52Bに供給する。
遅延部52Cは、1ドットクロック信号DCLK分遅延させた表示データを加算部52Dに供給する。また、遅延部52BAは、振り分け部52Aから供給された表示データを6ドットクロック分遅延させて補正値決定部52BBに供給する補正値決定部52BBは、振り分け部52Aから供給された表示データと遅延部52BAから供給された表示データの値の差に応じた補正値α(『J×a+1』−『J×b−5』[a=0,1,2,…,K−1、b=1,2,3,…,K])を生成して加算部52Dに供給する。ここで、αは、書き込み電圧の差によって隣接するブロックのJ番目の画素Pの電圧に与える影響を相殺する値を実験的に求めた係数である。加算部52Dには、遅延部52Cから1ドットクロック信号DCLK分遅延された表示データが供給された表示データと、補正部52Bからの補正値が供給される。
ここで、第19番目の表示データ『19』が振り分け部52Aに供給されるタイミングについて考えると、補正部52Bは、第19番目の表示データ『19』と第13番目の表示データ『13』の差に応じた補正値α(『19』−『13』)を加算部52Dに供給している。このタイミングでは、遅延部52Cからは第18番目の表示データ『18』が加算部52Dに供給されている。従って、加算部52Dは、補正した第18番目の表示データ『18』+α(『19』−『13』)を出力している。
補正部52Bに供給される表示データはブロックB内の1本目のデータ線14に供給する表示データのみであるため、遅延部52Cによって1クロック遅延させたブロック内のJ(例えば6)本目のデータ線14に供給する表示データのみについて、補正部52Bからの補正値が加算部52Dに供給される。従って、SP変換部52Eからは、ブロックBに属するJ(例えば6)本目のデータ線14に供給する表示データについては補正された表示データ『J×b』+α(『J×b+1』−『J×b−5』)に応じたデータ信号V(6)が出力され、それ以外の表示データについては、そのままの表示データに応じたデータ信号V(1)〜V(5)が出力される。
図12は、このように生成したデータ信号V(1)〜V(6)によって、電気光学パネル10内の画素Pの書き込みを行った際の、第18番目の画素と第19番目の画素の電圧の変化を示す波形である。
まず、サンプリング信号C(2),C(3)がアクティブとなるタイミングで、第18番目の画素Pに「補正した第12番目の電圧」が書き込まれる。次に、サンプリング信号C(3),C(4)がアクティブとなるタイミングで、第18番目の画素Pに「補正した第18番目の電圧」([DS3(6)’])が書き込まれ、同時に第19番目の画素Pに「第13番目の電圧」([DS3(1)])が書き込まれる。このとき、第18番目の画素Pと第19番目の画素Pには、いずれも書き込み電圧が供給されているため、データ線14間の電圧変動の影響は少なく、第18番目の画素Pと第19番目の画素P間の電圧は相互に影響を与えない。
さらに、サンプリング信号C(4),C(5)がアクティブとなるタイミングで、第19番目の画素Pに「第19番目の電圧」([DS4(1)])が書き込まれる。このとき、第18番目の画素Pには、書き込み電圧は供給されていないため、書き込み電圧の差(第13番目の電圧と第19番目の電圧の差)が大きい場合には、第19番目の画素Pに対する書き込みによって隣の第18番目の画素の電圧が影響を受けてしまうが、この実施形態では、この書き込みによる影響を考慮し、第18番目の画素には、予め、「補正した第18番目の電圧」([DS3(6)’])が書き込まれている。このため、第19番目の画素Pに対する書き込みによって第18番目の画素Pの電圧が影響を受けても、第18番目の画素Pの電圧は、本来書き込むべき電圧に保たれる。
従って、この実施形態では、ブロックBの最後の画素Pに予め補正した電圧を書き込んでおくことにより、当該画素Pの電圧が、次に書き込みを行うブロックBの最初の画素Pに対する書き込みによる影響を受けても、当該画素Pの電圧を本来書きこむべき電圧に保つことができ、ブロック境界の表示ムラを低減させることができる。
<4.第4の実施形態>
第4の実施形態では、上述の第2の実施形態と同様の構成において、上述の第3の実施形態と同様に、書き込みブロックBの境界(最後端)の画素Pに2回目の書き込む電圧を、次に書き込みを行うブロックBの最前端の画素Pの2回目の書き込み時の電圧差に応じて補正を行うようになっている。この第4の実施形態の電気光学装置1は、表示データ処理部52において書き込み電圧の補正を行う以外は、第2の実施形態の電気光学装置1と同様に構成されている。
図13は、この第3の実施形態の電気光学装置1を構成する表示データ処理部52の詳細な構成例を示している。この表示データ処理部52は、遅延部52BAの遅延時間が12ドットクロックDCLKである以外は、上述の図11と同様に構成されている。
このように構成された電気光学装置1では、SP変換部52Eからは、ブロックBに属するJ(例えば6)本目のデータ線14に供給する表示データについては補正された表示データ『J×b』+α(『J×b+1』−『J×b−11』[a=0,1,2,…,K−1、b=1,2,3,…,K])に応じたデータ信号V(6)が出力され、それ以外の表示データについては、そのままの表示データに応じたデータ信号V(1)〜V(5)が出力される。
図14は、このように生成したデータ信号V(1)〜V(6)によって、電気光学パネル10内の画素Pの書き込みを行った際の、第18番目の画素と第19番目の画素の電圧の変化を示す波形である。
まず、サンプリング信号C(1),C(3)がアクティブとなるタイミングで、第18番目の画素Pに「補正した第6番目の電圧」([DS1(6)’])が書き込まれる。次に、サンプリング信号C(2),C(4)がアクティブとなるタイミングで、第19番目の画素Pに「第7番目の電圧」([DS2(1)])が書き込まれる。このとき、第18番目の画素Pには、書き込み電圧は供給されていないため、書き込み電圧の差(プリチャージ電圧と第7番目の電圧の差)が大きい場合には、第19番目の画素Pに対する書き込みによって隣の第18番目の画素の電圧が影響を受けてしまう。この後、サンプリング信号C(3),C(5)がアクティブとなるタイミングで、第18番目の画素Pに「補正した第18番目の電圧」([DS3(6)’])が書き込まれる。
さらに、サンプリング信号C(4),C(6)がアクティブとなるタイミングで、第19番目の画素Pに「第19番目の電圧」([DS4(1)])が書き込まれる。このとき、第18番目の画素Pには、書き込み電圧は供給されていないため、書き込み電圧の差(第7番目の電圧と第19番目の電圧の差)が大きい場合には、第19番目の画素Pに対する書き込みによって隣の第18番目の画素の電圧が影響を受けてしまうが、この実施形態では、この書き込みによる影響を考慮し、第18番目の画素には、予め、「補正した第18番目の電圧」([DS3(6)’])が書き込まれている。このため、第19番目の画素Pに対する書き込みによって第18番目の画素Pの電圧が影響を受けても、第18番目の画素Pの電圧は、本来書き込むべき電圧に保たれる。
従って、この実施形態では、上述の第3の実施形態と同様に、ブロックBの最後の画素Pに予め補正した電圧を書き込んでおくことにより、当該画素Pの電圧が、次に書き込みを行うブロックBの最初の画素Pに対する書き込みによる影響を受けても、当該画素Pの電圧を本来書きこむべき電圧に保つことができ、ブロック境界の表示ムラを低減させることができる。
<5.変形例>
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる各種の変形例が可能である。また、各変形例は、変形例同士を適宜組み合わせてもよく、更に、上述した各実施形態と適宜組み合わせてもよい。
(1)上述の各実施形態では、表示部の電気光学パネルを構成する画素Pとして液晶素子を用いた場合について説明したが、有機EL(electro luminescence)素子、あるいはDMD(Digital Mirror Device)素子、電気泳動素子等を画素に用いた場合にも本発明を適用することができる。
(2)上述した第1実施形態において、データ線駆動回路40は、ある単位期間においてn番目及びn+1番目のブロックに属するデータ線14にJ個のデータ信号を供給し、次の単位期間において、n+1番目及びn+2番目のブロックに属するデータ線14に、J個のデータ信号を供給した。
また、第2実施形態において、データ線駆動回路40は、ある単位期間においてn番目及びn+2番目のブロックに属するデータ線14に、J個のデータ信号を供給し、次の単位期間において、n+1番目及びn+3番目のブロックに属するデータ線14に、J個のデータ信号を供給した。
本発明は、これらに限定されるものではなく、より一般化することができる。即ち、データ線駆動回路は、mを自然数とし、nをK−m以下の整数としたとき、n番目の単位期間において、n番目のブロックに属するJ本のデータ線に、J個のデータ信号DSn(1)乃至データ信号DSn(J)を供給すると共に、n+m番目のブロックに属するJ本のデータ線に、当該J個のデータ信号DSn(1)乃至データ信号DSn(J)を供給する。さらに、n番目の次の単位期間であるn+1番目の単位期間では、n+1番目のブロックに属するJ本のデータ線に、J個のデータ信号DSn+1(1)乃至データ信号DSn+1(J)を供給すると共に、n+1+m番目のブロックに属するJ本のデータ線に、当該J個のデータ信号DSn+1(1)乃至データ信号DSn+1(J)を供給する。
ここで、mは同時に書き込むブロックが何ブロック離れているかを示している。第1実施形態はm=1であり、第2実施形態はm=2となる。
(3)上述の第3及び第4の実施形態では、表示データ処理部52において、シリアル−パラレル変換される前の表示データ(画像信号)を補正する構成について説明したが、表示データ処理部52の後段において、シリアル−パラレル変換されたデータ信号V(1)の変化に応じてデータ信号V(6)を補正する構成とすることもできる。
要は、m=1であれば(第3実施形態に相当)、n番目のブロックに属する1本目のデータ線14に供給すべきデータ信号と、n+1番目のブロックに属する1本目のデータ線14に供給すべきデータ信号との差分に基づいて、n番目のブロックに属するJ本目のデータ線14に供給すべきデータ信号を補正すればよい。
また、m=2であれば(第4実施形態に相当)、n番目のブロックに属する1本目のデータ線14に供給すべきデータ信号と、n+2番目のブロックに属する1本目のデータ線14に供給すべきデータ信号との差分に基づいて、n−1番目のブロックに属するJ本目のデータ線14に供給すべきデータ信号を補正すればよい。
<6.応用例>
次に、上述した実施形態及び変形例に係る電気光学装置1を有する電気光学装置1000を適用した電子機器について説明する。図15に、電気光学装置1000を適用したモバイル型のパソコンの構成を示す。パソコン2000は、表示ユニットとしての電気光学装置1000と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。
図16に、電気光学装置1000を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示している。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置1000を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置1000に表示される。
図17は、電気光学装置1000を適用した投射型表示装置(3板式のプロジェクタ)5000の模式図である。投射型表示装置5000は、相異なる表示色(赤色,緑色,青色)に対応する3個の電気光学装置1000(1000R,1000G,1000B)を含んで構成される。照明光学系5001は、照明装置(光源)5002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置1000Rに供給し、緑色成分gを電気光学装置1000Gに供給し、青色成分bを電気光学装置1000Bに供給する。各電気光学装置1000は、照明光学系5001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調する光変調器(ライトバルブ)として機能する。投射光学系5003は、各電気光学装置1000からの出射光を合成して投射面5004に投射する。
なお、電気光学装置1000が適用される電子機器としては、図14〜16に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型、モニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワープロ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した電気光学装置が適用可能である。