JP6330884B2 - 無菌充填機及び無菌充填方法 - Google Patents

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本発明は、ボトルに飲料等を無菌雰囲気で充填、密封した製品を、無菌ゾーンから非無菌ゾーンに排出するために、無菌ゾーンに製品を排出するチャンバーを設ける無菌充填機及び無菌充填方法に関する。
従来、プリフォームを連続走行させながら、当該プリフォームを加熱炉内に導入し、加熱炉内でプリフォームを容器に成形するための温度まで加熱し、この加熱されたプリフォームに気体を吹き込み、ボトルに成形し、当該ボトルを殺菌し、殺菌された内容物を充填し、殺菌されたキャップにより密封する、容器の殺菌装置が提案されている(特許文献1)。このような装置において、密封されたボトルは、無菌ゾーンでグリッパによるボトルのサポートリングを把持する宙吊りによる搬送から解放され、無菌ゾーンから非無菌ゾーンにコンベヤにより排出されている。
また、プリフォームを殺菌し、成形したボトルに殺菌された内容物を充填し、殺菌されたキャップにより密封する容器の殺菌装置も提案されている(特許文献2)。この場合も密封されたボトルは、無菌ゾーンでグリッパによるボトルのサポートリングを把持する宙吊りによる搬送から解放され、無菌ゾーンから非無菌ゾーンにコンベヤにより排出されている。
無菌充填機において密封されたボトルは、無菌ゾーンでグリッパによるボトルのサポートリングの把持から解放され、コンベヤに載置される。密封されたボトルが載置されるコンベヤは、無菌ゾーンを循環走行する第1のコンベヤであるが、これ以外に、非無菌ゾーンを循環走行する第2のコンベヤ、及び第1のコンベヤと第2のコンベヤの端部にオーバーラップして走行する中間コンベヤが設けられている。これらのコンベヤ上を走行させることにより、密封されたボトルを非無菌ゾーンに排出することが提案されている(特許文献3)。この場合、中間コンベヤは無菌ゾーンと非無菌ゾーンを循環走行しており、非無菌ゾーンから無菌ゾーンに菌等を持ち込むことのないように、殺菌剤のプールの液中に浸漬されることにより常に殺菌されている。
また、中間コンベヤの代わりに、無菌ゾーンに設けられたボトルのサポートリングを把持する搬送装置により、非無菌ゾーンに設けたコンベヤに受け渡す装置も提案されている(特許文献4)。この場合、無菌ゾーンと非無菌ゾーンを分ける遮蔽板は、上方から下方に斜めに角度を付けて設けられおり、開口部の面積が大きくなっている。
特開2010−189023号公報 特開2015−116814号公報 特開平11−79385号公報 特開2003−146427号公報
ボトルの無菌充填機には、プリフォームを供給し、ボトルに成形後、当該ボトルを殺菌し、無菌雰囲気で内容物を充填、密封する形態と、プリフォームを供給し、当該プリフォームを殺菌し、殺菌したプリフォームを成形して得たボトルに無菌雰囲気で内容物を充填、密封する形態がある。いずれの無菌充填機も、充填後、殺菌されたキャップをボトルの口部に巻き締め、密封して得られたボトルを無菌ゾーンから非無菌ゾーンに排出しなければならない。ボトルを排出するために、無菌ゾーンには開口部が設けられている。しかし、当該開口部から菌等が侵入すると、無菌性が維持できなくなる。そのため、無菌ゾーンを無菌エアで陽圧に保ち、無菌ゾーンの無菌性を維持している。
空気を介した菌等の無菌ゾーンへの侵入は、無菌ゾーンを陽圧に保持することで防止できる。しかし、ボトルの排出装置に付着する菌等の侵入は、無菌ゾーンを陽圧に保つことでは防止できない。特許文献4の方法は、排出時にグリップコンベヤを使用しているが、高速化した場合、グリップコンベヤからの解放に際してボトルが転倒することがある。また、開口部に傾斜を設けているため、開口部の面積が大きくなり、陽圧による無菌性の維持が困難である。
そこで、特許文献3の方法が採用されている。しかし、無菌ゾーンの第1コンベヤと無菌ゾーンと非無菌ゾーンにオーバーラップして設けられる中間コンベヤの端部を重ね合わせていることから、第1コンベヤの中心部にはボトルを搬送するコンベヤチェーンがなく、中間コンベヤのコンベヤチェーンは幅が狭い。そのために、通常のボトル形状では問題ないが、炭酸飲料を内容物とするボトルの場合、無菌ゾーンで転倒することがある。炭酸飲料を内容物とするボトルの底はペタロイド形状となっており、ペタロイドの突起部分が第1コンベヤの端部に乗らない場合や、ペタロイドの突起部分が中間コンベヤの幅を超えてしまった場合に、ボトルが傾き、転倒することがある。また、無菌ゾーンの第1コンベヤと中間コンベヤの端部を重ね合わせずに、コンベヤを構成するコンベヤチェーンの長さを変えて接続することにより、第1コンベヤから中間コンベヤへボトルを移動させる方法もある。しかし、この方法でもコンベヤチェーンの接続部の隙間にペタロイドの突起が挟まって、ボトルが無菌ゾーンで転倒することがある。無菌ゾーンでボトルが転倒すると、無菌充填機を稼働したまま、外部からの操作でボトルを排出することは困難となる。その場合、無菌充填機の運転を停止し、転倒したボトルを除去しなければならない。このような操作を行うと、無菌ゾーンの無菌性が損なわれる。この後、無菌充填機の運転を再開するためには、無菌ゾーンの殺菌を再度行わなければならない。結果として、無菌充填機は長時間停止しなければならず、事業者は多大な生産阻害を蒙ることになる。また、通常のボトル形状であっても、接地面積が小さいボトルや、重心が高く、ふらつきやすいボトルは転倒して、同様の不都合を生じることがある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、無菌雰囲気で殺菌された内容物が充填され、殺菌されたキャップにより密封されたペタロイド形状のボトルや不安定なボトルが、無菌ゾーンから非無菌ゾーンに排出されるときに、コンベヤ上で転倒しても、無菌充填機の停止時間を短くすることができる無菌充填機及び無菌充填方法を提供することを目的とする。
本発明に係る無菌充填機は、少なくとも殺菌部、充填部及び密封部を有するボトルの無菌充填機において、前記密封部の下流に、密封後のボトルを無菌ゾーンから非無菌ゾーンに排出する排出装置を備える排出部を遮蔽する排出部チャンバーを設け、当該排出部チャンバーが、当該排出部チャンバー内に殺菌剤を吹き付ける殺菌剤吹き付けノズル、及び当該排出部チャンバー内に無菌エアを供給する無菌エア供給装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填機は、前記排出装置が少なくとも前記無菌ゾーンから前記非無菌ゾーンを循環する排出コンベヤを備え、当該排出コンベヤが殺菌剤に浸漬される殺菌剤槽を備えると好適である。
本発明に係る無菌充填方法は、少なくとも、プリフォーム又はボトルを殺菌する殺菌工程、殺菌された内容物を前記ボトルに無菌雰囲気で充填する充填工程、殺菌されたキャップにより前記内容物が充填された前記ボトルを無菌雰囲気で密封する密封工程からなる無菌充填方法において、前記密封工程後に、密封された前記ボトルを、遮蔽され、殺菌剤、水及び無菌加熱エアを順次吹き付けることにより殺菌された後に、無菌エアを供給することにより無菌雰囲気に維持された排出部チャンバー内に搬送し、当該排出部チャンバーから前記ボトルを非無菌ゾーンに排出することを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填方法は、前記ボトルを前記排出部チャンバー内と前記非無菌ゾーンを循環する排出コンベヤにより搬送することで、前記ボトルを前記排出部チャンバーから前記非無菌ゾーンに排出し、当該コンベヤを殺菌剤に浸漬すると好適である。
本発明の無菌充填機及び無菌充填方法によれば、殺菌された内容物を無菌雰囲気で充填し、殺菌されたキャプにより密封したボトルの底部がペタロイド形状や不安定な形状であるために、ボトルが排出時に無菌ゾーンで転倒しても、無菌充填機の停止時間を短くすることができる。
本発明の実施の形態に係る無菌充填機の一例の概略を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機により生産される製品のボトル形状の一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機により生産される製品のボトル形状の変形例を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機の成形部の工程を示し、(A)はプリフォーム供給工程を、(B)はプリフォーム加熱工程を、(C)はブロー成形工程を、(D)はボトル取り出し工程を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機の殺菌部及び充填部の工程を示し、(E)は殺菌剤ガス吹き付け工程を、(F)はエアリンス工程を、(G)は充填工程を、(H)は密封工程を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機に組み込まれた殺菌剤ガス生成器を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機に組み込まれた排出部チャンバー殺菌装置を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機に組み込まれた排出コンベヤを示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機に組み込まれた排出コンベヤを示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機のプリフォームの殺菌部の工程を示し、(I)はプリフォームへの殺菌剤ガス吹き付け工程を、(J)はプリフォームへのエア吹き付け工程を示す。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
最初にプリフォームの供給から成形部、殺菌部、充填部、排出部からなる無菌充填機の概要を図1により説明し、各部の詳細を図4、図5、図6、図7、図8及び図9により説明する。この実施の形態によれば、ボトルの底がペタロイド形状や不安定な形状であることにより、無菌ゾーンの排出コンベヤ上でボトルが転倒しても、排出部チャンバー内の無菌性を解除するだけで、転倒したボトルを排除することができる。その後、排出部チャンバー内のみの殺菌により無菌充填機を再稼働することができるために、無菌充填機の停止時間を短くすることができる。
(無菌充填機及び無菌充填方法の概要)
図1に示すように、本実施形態に係る無菌充填機は、プリフォーム1を供給するプリフォーム供給装置5、プリフォーム1をボトル2に成形する成形部16、成形されたボトル2を殺菌する殺菌部30、殺菌されたボトル2をエアリンスするエアリンス部34及びエアリンスされたボトル2に殺菌された内容物を充填する充填部39、殺菌されたキャップ4により密封する密封部44を備えている。さらに、密封されたボトル2が排出コンベヤ48に載置され、非無菌ゾーンに排出される排出部47を備える。
成形部16は成形部チャンバー17、殺菌部30は殺菌部チャンバー33、エアリンス部34はエアリンス部チャンバー36、充填部39と密封部44は充填部チャンバー41及び排出部47は排出部チャンバー49により各々遮蔽されている。殺菌部30で発生する殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が成形部16に流入しないように、成形部16と殺菌部30の間には雰囲気遮断チャンバー27が設けられている。殺菌部30で発生する殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、雰囲気遮断チャンバー27内が排気されることで、成形部16に流入することはない。
殺菌部チャンバー33、エアリンス部チャンバー36、充填部チャンバー41及び排出部チャンバー49には、除菌フィルタにより無菌化された無菌エアが供給され、その内部が陽圧に保持される。陽圧に保持する圧力は、充填部チャンバー41内が最も高く、エアリンス部チャンバー36、殺菌部チャンバー33と上流ほど低く設定される。雰囲気遮断チャンバー27は排気することで、その内部は大気圧とほぼ同一の圧力に保持される。また、排出部チャンバー49内の圧力は充填部チャンバー41内の圧力よりも低く設定される。
(無菌充填機及び無菌充填方法の詳細)
まず、図4(A)に示すプリフォーム1が、図1に示すプリフォーム供給装置5から、プリフォーム供給コンベヤ6により所望の速度で連続的に成形部16に搬送される。
本実施形態におけるプリフォーム1は試験管状の有底筒状体であり、図4(D)に示したボトル2と同様な口部1aがその成形当初に付与される。この口部1aにはプリフォーム1の成形と同時に雄ネジが形成される。また、プリフォーム1には口部1aの下部に搬送のためのサポートリング1bが形成される。プリフォーム1又はボトル2はこのサポートリング1bを介してグリッパ22により把持され、無菌充填機内を走行する。プリフォーム1は射出成形、圧縮成形等によって成形される。プリフォーム1の材質はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなり、これらの樹脂単体又は混合物であっても構わないし、リサイクルされた熱可塑性樹脂を含んでも構わない。また、バリア性を付与するために、エチレン−ビニルアルコール共重合体、メタキシリレンジアミンのような芳香族アミンをモノマーとするポリアミド等の熱可塑性樹脂を層として、又は混合物として含んでも構わない。
成形部16に供給されたプリフォーム1は、一定ピッチで多数のグリッパ22が設けられたホイール7、8により搬送され、加熱炉搬送ホイール9に達する。ここで、図4(B)のようにグリッパ22から解放され、プリフォーム1の口部1aにスピンドル19が挿入され、加熱炉12に搬送される。
加熱炉12に入ったプリフォーム1は、図4(B)に示すように、赤外線ヒーター14又はその他の加熱手段によって、後のブロー成形に適した温度まで加熱される。この温度は90℃から130℃であると好適である。
なお、プリフォーム1の口部1aの温度は、変形等を防止するため70℃以下の温度に抑えられる。
また、プリフォーム1は図4(B)に示すように、口部1aにスピンドル19が挿入され、回転しながら、加熱炉12内を搬送される。スピンドル19は無端チェーン13に一定間隔で設けられている。無端チェーン13はプーリ10及び11により回転する。スピンドル19に代えてマンドレルをプリフォーム1に挿入することによって、プリフォーム1を倒立状態で回転させつつ搬送することも可能である。
加熱されたプリフォーム1は、スピンドル19から解放され、グリッパ22に把持されて、ホイール15を経て、ブロー成形機の成形ホイール18に搬送される。成形ホイール18に備えられた金型20により、図4(C)に示すように、ボトル2にブロー成形される。金型20及びブローノズル21は、成形ホイール18の回りに複数個配置され、成形ホイール18の回転とともに成形ホイール18の周りを一定速度で旋回する。加熱されたプリフォーム1が到来すると、金型20はプリフォーム1を挟み込む。続いてブローノズル21がプリフォーム1に接合され、図示しない延伸ロッドがブローノズル21に設けられた孔に導かれ、プリフォーム1内に挿入され、ブローノズル21からプリフォーム1内に空気等の気体が吹きこまれることにより、金型20内でボトル2が成形される。成形されたボトル2は、図4(D)に示すように、金型20から取り出され、検査ホイール23に設けられたグリッパ22によりサポートリング1bを把持され、検査ホイール23に受け渡される。
本発明の実施形態に係る無菌充填機で成形されるボトル2は、図2に示すように底がペタロイド形状である。図3に示すような、底がほぼ平坦なボトル3のようなボトルに炭酸飲料を充填すると、充填直後の内圧の上昇により、底部が凸状に膨らんでしてしまうことがある。そのため、炭酸飲料を充填する場合は、図2に示すような、底部にペタロイド脚2aを有するペタロイド形状のボトル2が使用される。ペタロイド脚2aの本数は通常、5〜9本の範囲で任意に設定される。また、ペタロイド脚2aの谷部の深さは任意に設定される。本発明の実施形態に係る無菌充填機で成形されるボトルは、図3に示す、底がほぼ平坦な一般に使用されるボトル3のような形状でも構わない。特に、底部が平坦でも不安定なボトルには好適である。
成形されたボトル2は、検査ホイール23の周辺に備えられた検査機材24により、ボトル温度、ボトル胴部、サポートリング、ボトル口部天面、ボトル底部等が検査され、異常と判断された場合は、図示しない排出装置により、無菌充填機の外部に排出される。
ボトル温度検査は、ボトル2の表面温度を検査して、ボトル2の良否を判断する。温度センサは、例えば赤外線放射温度計であるが、他の温度計を使用することも可能である。ボトル成形時の余熱がボトル2に残存することが、ボトル2を適正に殺菌するために必要であり、温度センサにより検出される温度は50℃以上であることが好ましい。
また、ボトル胴部、サポートリング、ボトル口部天面、ボトル底部はカメラにより撮像され、各箇所の状態が検査される。撮像された画像は画像処理装置により処理され、傷、異物、変形、変色等の異常の存否について判断される。許容範囲を超えたボトル2は異常と判断される。
検査機材24による検査により異常と判断されなかったボトル2は、殺菌部30で発生する殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が成形部16に流入しないように、成形部16と殺菌部30の間に設けられた雰囲気遮断チャンバー27内のホイール25、26を経て、殺菌部30に搬送される。
殺菌部30に搬送されたボトル2は、ホイール28において殺菌される。ボトル2を殺菌するためのボトル2への殺菌剤のガス吹き付け工程を図5(E)に示す。ボトル2に殺菌剤のガスを吹き付けるため、殺菌剤ガス吹き付けノズル31が設けられる。殺菌剤ガス吹き付けノズル31は、その先端のノズル孔が直下を走行するボトル2の口部1aの開口に正対し得るように固定される。また、必要に応じて殺菌剤ガス吹き付けノズル31の下方にボトル2の走行路に沿って、図5(E)に示すように殺菌剤ガス吹き付けトンネル32が設けられる。殺菌剤ガス吹き付けノズル31は一本であっても複数本であっても構わない。ボトル2に吹き付けられた殺菌剤のガスがボトル2の内部に流入し、ボトル2の内面を殺菌する。このとき、ボトル2が殺菌剤ガス吹き付けトンネル32内を走行することで、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が、ボトル2の外面にも流れて、ボトル2の外面が殺菌される。
また、殺菌剤ガス吹き付けノズル31をボトル2の搬送に追従させ、殺菌剤吹き付けノズル31をボトル2の内部に挿入して、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物をボトル2の内面に吹き付けても構わない。ボトル2から溢れた出た殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、ボトル2の外面に流れボトル2の外面に接触する。殺菌剤が過酸化水素水の場合、ボトル2の内面に吹き付けられる過酸化水素水のガスの過酸化水素濃度は、2mg/L〜20mg/Lが好ましく、より好ましくは5mg/L〜10mg/Lである。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、図6に示すように、殺菌剤ガス生成器50によりガス化される殺菌剤又はガス化された殺菌剤が凝結したミスト又はこれらの混合物である。殺菌剤ガス生成器50は、殺菌剤を滴状にして供給する二流体スプレーノズルである殺菌剤供給部51と、この殺菌剤供給部51から供給された殺菌剤を分解温度以下に加熱して気化させる気化部52とを備える。殺菌剤供給部51は、殺菌剤供給路51a及び圧縮空気供給路51bからそれぞれ殺菌剤と圧縮空気を導入して殺菌剤を気化部52内に噴霧するようになっている。気化部52は、内外壁間にヒータ52aを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた殺菌剤を加熱し気化させる。気化した殺菌剤のガスは殺菌剤ガス吹き付けノズル31から気化部52外に噴出する。ヒータ52aに換えて誘電加熱により気化部52を加熱しても構わない。
殺菌剤供給部51の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa〜0.6MPaの範囲で調整される。また、殺菌剤は重力落下であっても圧力を加えられても構わないし、供給量は自由に設定することができ、例えば殺菌剤は殺菌剤供給路51aに、1g/min.〜100g/min.の範囲で供給される。また、気化部52の内表面は140℃から450℃に加熱されることで噴霧された殺菌剤が気化する。
殺菌剤のガスは、図5(E)に示すように殺菌剤ガス吹き付けノズル31からボトル2に吹き付けられる。殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物の吹き付け量は任意であるが、吹き付け量は、殺菌剤ガス生成器50に供給される殺菌剤の量と吹き付け時間により決まる。殺菌剤ガス生成器50は複数備えても構わない。吹き付け量はボトル2の大きさによっても変動する。
殺菌剤は少なくとも過酸化水素を含有することが好ましい。その含有量は0.5質量%〜65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%〜40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、低濃度となるために殺菌後の殺菌剤の残留量を低減できる。
殺菌剤を過酸化水素水とした場合、過酸化水素水のガスの吹き付け量は以下の通りとなる。殺菌剤ガス吹き付けノズル31からボトル2の内面吹き付けられる過酸化水素水のガスにより、ボトル2の内面に付着する過酸化水素の量は、過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水の量として、30μL/ボトル〜150μL/ボトルが好ましく、より好ましくは50μL/ボトル〜100μL/ボトルである。また、ボトル2に吹き付けられる過酸化水素水のガスの過酸化水素濃度は、2mg/L〜20mg/Lが好ましく、より好ましくは5mg/L〜10mg/Lである。
また、殺菌剤は水を含んでなるが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル類等の1種又は2種以上を含んでも構わない。
さらに、殺菌剤は過酢酸、酢酸等の有機酸、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物、オゾン等殺菌効果を有する化合物、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、リン酸化合物等の添加剤を含んでも構わない。
殺菌部30で殺菌されたボトル2は図1に示すように、ホイール29を経て、エアリンス部34に搬送される。ボトル2は、図1に示すエアリンスホイール35において、図5(F)に示すようにエアリンスノズル38により無菌エアが吹き付けられる。無菌エアは常温でも構わないが、加熱されることが好ましい。無菌エアは、ボトル2の内部に残存する殺菌剤を排出し、残存する殺菌剤を分解してさらに殺菌効果を高め、ボトル2の内部に異物が存在する場合は排除する効果もある。
エアリンスノズル38は上下動可能として、無菌エアをボトル2内に吹き込んでも構わない。また、無菌エアではなく、無菌水をボトル2の内部に導入して、ボトル2の内部をリンスしても構わない。さらに無菌エアと無菌水を併用してボトル2をリンスしても構わない。
エアリンス部34でエアリンスされたボトル2は図1に示すように、ホイール37を経て、充填部39に搬送される。充填部39では、図1に示す充填ホイール40にて、図4(G)に示す充填工程のように、充填ノズル42によりボトル2に内容物が充填される。内容物はあらかじめ殺菌されており、ボトル2と同期的に走行する充填ノズル42により、ボトル2内に一定量の飲料等の内容物が充填される。
内容物が充填されたボトル2は、図1に示すホイール43を経て密封部44に搬送される。密封部44に設けられた密封ホイール45では、図5(H)に示す密封工程のように、あらかじめ殺菌されたキャップ4が、密封ホイール45に設けられた図示しないキャッパーにより、ボトル2の口部1aに巻き締められ、ボトル2は密封される。
密封されたボトル2は、密封ホイール45のグリッパ22から排出部47の排出ホイール46のグリッパ22に受け渡される。排出ホイール46に受け渡されたボトル2は排出コンベヤ48に載置される。排出コンベヤ48に載置されたボトル2は排出部チャンバー49内から無菌充填機の外部に排出される。
排出部47を遮蔽する排出部チャンバー49内は無菌充填機の稼働前に殺菌される。そのため、図7に示すように排出部チャンバー49には殺菌剤吹き付けノズル54及び水吹き付けノズル55が備えられる排出部チャンバー殺菌装置53が設けられる。
殺菌剤吹き付けノズル54は、一流体スプレーまたは殺菌剤を圧縮エアと混合して噴霧する二流体スプレーが使用され、殺菌剤を排出部チャンバー49内の全域に付着するように吹き付ける。吹き付けられた殺菌剤により、排出部チャンバー49内が殺菌される。殺菌剤吹き付けノズル54は、排出部チャンバー49内の全域に殺菌剤が付着するように配置される。殺菌剤はボトル2を殺菌するために使用される殺菌剤と同様のものが使用でき、過酢酸や過酸化水素を含む殺菌剤を使用することが好ましい。殺菌剤の吹き付けは、異なる殺菌剤を複数回吹き付けても構わない。
殺菌剤吹き付けノズル54から殺菌剤を吹き付けた後に、水吹き付けノズル55により、排出部チャンバー49の全域に水が吹き付けられる。当該水により、排出部チャンバー49内に残存する殺菌剤が洗浄される。水吹き付けノズル55は、水が排出部チャンバー49の全域に吹き付けられるように配置される。水は、121℃以上で4分以上加熱されたり、除菌フィルターを通すことで無菌化されて使用される。排出部チャンバー49内に水吹き付けノズル55から吹き付けられる水は60℃〜100℃に加熱されることが好ましい。水吹き付けノズル55としては、例えばスピンボールを用いたスプレーノズルが使用される。水吹き付けノズル55を設けないで、殺菌剤吹き付けノズル54から水を吹き付けても構わない。
また、排出部チャンバー49には図7に示すように、無菌エア供給装置56が備えられる。無菌エア供給装置56は排出部チャンバー49の上部に接続される。無菌エア供給装置56はブロワ57、加熱装置58及び除菌フィルタ59を備える。ブロワ57によるエアが加熱装置58により加熱され、除菌フィルタ59により除菌された後に、無菌エアとなって排出部チャンバー49内に供給される。
無菌エア供給装置56から供給される無菌エア(常温又は加温)により、排出部チャンバー49に残存する水吹き付けノズル55から吹き付けられた水を気化させて除去する。この時、無菌エアが加熱されることで水の気化による除去が迅速に行われる。また、無菌エア供給装置56は、無菌充填機稼働時に排出部チャンバー49内の無菌性を維持するため、排出部チャンバー49内に無菌エアを供給する。この場合、無菌エアは加熱される必要はない。
排出部チャンバー49内への殺菌剤の吹き付け前に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ性化合物の水溶液を吹き付けて排出部チャンバー内を洗浄しても構わない。また、殺菌剤の吹き付け後に水吹き付けを行わずに、無菌ホットエアを吹き付けても構わない。
無菌エアの供給により排出部チャンバー49内は陽圧に保たれ、排出部チャンバー49から流出する無菌エアは、ボトル排出のための開口から排気される。排出部チャンバー49に排気装置を設けて排気しても構わない。排出部チャンバー49内は陽圧に保たれるが、無菌エアにより陽圧を保つ充填部チャンバー41内よりも低い圧力に設定される。例えば、充填部チャンバー41の内部圧力が20Pa〜40Paの範囲にある場合、排出部チャンバー49の内部圧力は充填チャンバーの内部よりも低い圧力であって、例えば、10Pa〜30Paに設定される。また、排出部チャンバー49内を殺菌、洗浄する際、排出部チャンバー49内の圧力が高くなるため、充填部チャンバー41内の圧力を50Pa以上、好ましくは100Pa以上に設定する。
無菌充填機稼働前の殺菌において、殺菌剤吹き付けノズル54により、殺菌剤が吹き付けられることにより、除菌フィルタ59の表面も殺菌することができる。除菌フィルタ59の表面の殺菌は過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物により殺菌することが好ましい。
殺菌剤の吹き付け、水の吹き付け及び無菌エアの供給の順序、回数は任意であり、排出部チャンバー49内が殺菌される条件であればどのようなものでも構わない。
無菌雰囲気に維持される排出部47からボトル2は図8に示すように、排出コンベヤ48により搬送されて非無菌ゾーンに排出される。排出コンベヤ48は第1コンベヤ60、中間コンベヤ61及び第2コンベヤ62を備える。中間コンベヤ61は無菌ゾーンと非無菌ゾーンを循環する。非無菌ゾーンに出た中間コンベヤ61は殺菌剤槽63の殺菌剤に浸漬されて殺菌され、無菌ゾーンに還る。非無菌ゾーンにおいて中間コンベヤ61が菌等により汚染されても、殺菌剤槽63に浸漬されることにより中間コンベヤ61は殺菌されるため、汚染が無菌ゾーンに持ち込まれることはない。
図8に示すように、排出部チャンバー49はボトル2が排出される箇所は開口されている。開口部の面積を極小化するために、中間コンベヤ61の下部も遮蔽され、遮蔽板は殺菌剤槽63の殺菌剤の液中に釣支されても構わない。
殺菌剤槽63に供給される殺菌剤は過酢酸、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム等の化合物を含み、液状であって殺菌能力を有するものであれば、どのようなものでも構わない。
第1コンベヤ60、中間コンベヤ61及び第2コンベヤ62は図9に示すように、細いコンベヤチェーン64の複数からなり、全てのコンベヤチェーン64は同じ速度で動く。第1コンベヤ60と中間コンベヤ61及び中間コンベヤ61と第2コンベヤ62の接続部は、端から斜めに各コンベヤチェーン64が継合されている。このような継合により、ボトル2は支障なくコンベヤ間を搬送される。しかし、継合の隙間にペタロイド脚2aが入り込むとボトル2が転倒することがある。
第1コンベヤ60と中間コンベヤ61の間で転倒した場合は、排出部チャンバー49を開放し、転倒したボトル2を排除しなければならない。従来は多数の装置を備える容積の大きい充填部チャンバー41を開放しなければならなかった。しかし、本実施形態によれば装置が少なく、容積も小さな排出部チャンバー49のみを殺菌することにより無菌充填機を再度稼働させることができる。よって、無菌充填機の停止時間を短くすることができる。
本発明の実施形態について、図1に基づいて詳細に説明した。説明した実施形態は、プリフォーム1を成形して得られるボトル2を殺菌する無菌充填機であった。しかし、プリフォーム1を殺菌する無菌充填機であっても構わない。以下に他の実施形態としての、プリフォーム1を殺菌する殺菌部を備える無菌充填機について説明する。
図1に示すホイール7において図10に示すようにプリフォーム1の殺菌を行うこともできる。図10(I)に示すように、殺菌剤のガスが殺菌剤ガス吹き付けノズル31からプリフォーム1に吹き付けられる。殺菌剤のガスの生成には、ボトル2の殺菌に使用する殺菌剤ガス生成器50と同様のものが使用される。また、殺菌剤も同様のものが使用され、殺菌剤は少なくとも過酸化水素を含有していることが好ましく、その含有量は0.5質量%〜65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%〜40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易である。
殺菌剤のガスの吹き付け量は任意であるが、殺菌剤が過酸化水素水の場合、プリフォーム1への過酸化水素の付着量は、35質量%の過酸化水素を含む過酸化水素水の量として0.001μL/cm2〜0.5μL/cm2が好ましい。付着量が0.001μL/cm2よりも少ない場合は、十分な殺菌効果を得ることができない。また、この付着量が0.5μL/cm2を超えると、プリフォーム1をボトル2にブロー成形した場合に、ボトル2に白化、斑点、皺、変形の成形不良が発生したり、ボトル2の過酸化水素の残留が多くなる。
殺菌剤のガスは殺菌剤ガス吹き付けノズル31からプリフォーム1に向かって吹き付けられるが、図10(I)に示すように、殺菌剤のガスは、殺菌剤ガス吹き付けノズル31内で二手に分かれて流れ、その一方がノズル31aからプリフォーム1の内部に向かって吹き付けられ、他方がプリフォーム1の外面に向かってノズル31bに設けられた吹き出し口から吹き付けられても構わない。殺菌剤のガスは、殺菌剤ガス吹き付けノズル31から出た後、ガス状態のままで、若しくはガスが凝結したミストとなって又はそれらの混合物となって、プリフォーム1の内部に流入し、あるいはプリフォーム1の外面に吹き付けられる。
なお、殺菌剤ガス吹き付けノズル31、ノズル31a,31bには、これらの途中から、無菌ホットエアを供給することにより、ノズル31a、31bでの殺菌剤の結露を防止するようにしてもよい。
また、プリフォーム1の内部に向かって吹き付けられる殺菌剤のガスの周辺は、傘状部材65で覆われる。プリフォーム1内に流入した殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、プリフォーム1の口部1aから溢れ出るが、この溢れ出たガス等の流れは傘状部材65に衝突し、傘状部材65の内面に設けられた環状溝65aに案内されて、プリフォーム1の外面へと向かって流れを変え、プリフォーム1の外面に吹き付けられようにしても構わない。
このように、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物がプリフォーム1の内外面に吹き付けられることにより、プリフォーム1の表面に付着した菌等が殺菌される。
なお、図10(I)に示したプリフォーム1への殺菌剤のガスの吹き付けの直前に、プリフォーム1に熱風を吹き付ける等してプリフォーム1を予備加熱してもよい。この予備加熱によりプリフォーム1の殺菌効果をさらに高めることができる。
また、殺菌剤ガス吹き付けノズル31は一個のみならず、複数個をプリフォーム1の走行路に沿って配置し、これら殺菌剤吹き付けノズル31から殺菌剤のガスをプリフォーム1に向かって吹き付けるようにしても構わない。
殺菌剤のガスが吹き付けられたれたプリフォーム1は、図10(J)に示すように、グリッパ22により把持され、搬送されつつエア吹き付けノズル66によって無菌エアが吹き付けられても構わない。殺菌剤の種類や量により、無菌エアの吹き付けは行わなくても構わない。
無菌エアの吹き付けにより、プリフォーム1の表面に付着した殺菌剤が活性化され、プリフォーム1の内外面の菌等が殺菌される。また、無菌エアの吹き付けによって、プリフォーム1に付着した殺菌剤は、プリフォーム1の表面から速やかに除去される。プリフォーム1に付着した殺菌剤は、加熱炉12内に入る以前に無菌エアの吹き付けによりプリフォーム1から除去される。
無菌エアは常温でも構わないが、加熱されて無菌ホットエアとすることで、殺菌効果が高まり、殺菌剤が過酸化水素を含有する場合は、過酸化水素のプリフォーム1への残留も減少する。無菌エアの加熱は、プリフォーム1に吹き付けられる無菌ホットエアの温度が40℃から140℃となるようにすることが好ましい。40℃未満では加熱による効果が少なく、プリフォーム1の温度が70℃を超えるとプリフォーム1の口部1aの変形などの不都合を生じるため、無菌ホットエアの温度は140℃を超えないことが好ましい。
図10(J)に示すように、無菌エアはエア吹き付けノズル66の主体をなす箱状のマニホルド66bに形成したスリット状の吹出口66aから吹き出すようになっている。
図10(I)に示す殺菌剤のガスのプリフォーム1への吹き付けと図10(J)に示すプリフォーム1への無菌エアの吹き付けは図1のホイール7で行うが、ホイール7を覆うプリフォーム殺菌チャンバー67は殺菌剤が成形部16に流入することを防止するために排気される。
本発明の実施形態において、殺菌はプリフォーム1に対して行っても、ボトル2に対して行っても、また、プリフォーム1とボトル2の両方に対して行っても構わない。プリフォーム1のみを殺菌する場合、雰囲気遮断チャンバー27、ボトル殺菌を行う殺菌部30は不要である。また、エアリンス部34は設けなくても構わない。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…プリフォーム
2…ボトル
12…加熱炉
16…成形部
20…金型
22…グリッパ
24…検査機
30…殺菌部
31…殺菌剤ガス吹き付けノズル
34…エアリンス部
39…充填部
44…密封部
48…排出コンベヤ
49…排出部チャンバー
50…殺菌剤ガス生成器
53…排出部チャンバー殺菌装置
56…無菌エア供給装置

Claims (4)

  1. 少なくとも殺菌部、充填部及び密封部を有するボトルの無菌充填機において、
    前記密封部の下流に、密封後のボトルを無菌ゾーンから非無菌ゾーンに排出する排出装置を備える排出部を遮蔽する排出部チャンバーを設け、当該排出部チャンバーが、当該排出部チャンバー内に殺菌剤を吹き付ける殺菌剤吹き付けノズル、及び当該排出部チャンバー内に無菌エアを供給する無菌エア供給装置を備えることを特徴とする無菌充填機。
  2. 請求項1に記載の無菌充填機において、
    前記排出装置が少なくとも前記無菌ゾーンから非無菌ゾーンを循環する排出コンベヤを備え、当該排出コンベヤが殺菌剤に浸漬される殺菌剤槽を備えることを特徴とする無菌充填機。
  3. 少なくとも、プリフォーム又はボトルを殺菌する殺菌工程、殺菌された内容物を前記ボトルに無菌雰囲気で充填する充填工程、殺菌されたキャップにより前記内容物が充填された前記ボトルを無菌雰囲気で密封する密封工程からなる無菌充填方法において、
    前記密封工程後に、密封された前記ボトルを、遮蔽され、殺菌剤、水及び無菌加熱エアを順次吹き付けることにより殺菌された後に、無菌エアを供給することにより無菌雰囲気に維持された排出部チャンバー内に搬送し、当該排出部チャンバーから前記ボトルを非無菌ゾーンに排出することを特徴とする無菌充填方法。
  4. 請求項3に記載の無菌充填方法において、
    前記ボトルを前記排出部チャンバー内と前記非無菌ゾーンを循環する排出コンベヤにより搬送することで、前記ボトルを前記排出部チャンバーから前記非無菌ゾーンに排出し、当該排出コンベヤを殺菌剤に浸漬することを特徴とする無菌充填方法。
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