JP6330523B2 - 画像形成装置および画像形成装置の制御方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置および画像形成装置の制御方法に関する。
画像形成装置ではレーザー光を感光体の表面に照射することで静電潜像を形成している。レーザー光を感光体の表面に照射する装置を露光装置という。
露光装置は、光源から出力されるレーザー光を回転するポリゴンミラーにより反射させることで偏向された光がレンズを通過して感光体ドラム表面を走査する。この走査速度は一定である。感光体ドラムはレーザー光の走査方向と垂直な方向に一定速度で回転している。そしてレーザ光の走査中にレーザ光を間欠させることで感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。
カラーの画像形成装置においては、露光装置が複数設けられている。通常はイエロー(Y)用、マゼンタ(M)用、シアン(C)用、および黒(K)用の4個である。
ところで、このような露光装置は、ポリゴンミラーを回転させるためのモーターが内蔵されており、モーターを駆動することにより熱が発生する。モーターの精度バラツキによりモーターの効率(損失)にバラツキが生じ、モーターが発生する熱量にも差が生じる。モーター効率(損失)の違いによって複数の露光装置間で温度差が生じる。このため、温度差に起因してレーザー光の照射位置(走査位置)が微妙にずれて、色ずれが起きるという問題があった。
従来このような問題を解決するために、最も温度が高くなっている色の露光装置の温度に、他の色の露光装置の温度が到達するまで空運転させて、すべての露光装置の温度が所定温度範囲になるまで待ってから画像形成する技術がある(特許文献1)。
特開20163−86329号公報
しかしながら、従来の技術では、複数の露光装置が所定温度になるまで、待機を余儀なくされる。このため生産性がよくないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、生産性を低下させることなく、色ずれの発生を抑えることのできる画像形成装置、およびその制御方法を提供することである。
本発明は上記目的を達成するため、複数の露光装置を有する画像形成装置であって、前記複数の露光装置内のモーターの損失量がすべて所定範囲内になるように制御する制御部を有することを特徴とする。
また、本発明は、複数の露光装置を有する画像形成装置の制御方法であって、前記複数の露光装置内のモーターの損失量が、すべて所定範囲内となるように制御することを特徴とする。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)複数の露光装置内のそれぞれにモーター固有の損失が違うモーターを有する画像形成装置であって、
前記複数の露光装置内のそれぞれの前記モーターに対して、前記モーターの永久磁石の作る磁界を回転方向の成分と、当該回転方向に直交する直交方向の成分に分け、回転方向の磁界を形成する電流を調整することによって前記モーターの回転速度を制御し、直交方向の磁界を形成する電流を調整することによって前記モーターの損失量を制御する制御部を有し、
前記制御部は、
前記複数の露光装置内のそれぞれの前記モーターのうち、最も損失の多いモーターの損失量に他のモーターの損失量を合わせるように制御することを特徴とすることを特徴とする画像形成装置。
)前記制御部は、
印刷する色に応じて停止させる露光装置は、当該停止させる露光装置のモーターの回転を停止させた状態としつつ、損失量のみ動作している他の露光装置のモーターの損失量に合わせることを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
)前記制御部は、
前記複数の露光装置のうち、停止中の露光装置の起動時には、当該停止中の露光装置の起動時のモーターの損失量を動作中の他の露光装置のモーターの損失量より多くし、停止中の露光装置のモーター温度が動作中の他の露光装置のモーター温度と同じになった後から、前記複数の露光装置内のモーターの損失量がすべて同じになるようにすることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成装置。
)前記モーター温度は、モーター近傍に取り付けられた温度センサーにより検出することを特徴とする()に記載の画像形成装置。
)前記モーター温度は、モーターに使用されているコイルの電熱抵抗から推定することを特徴とする()に記載の画像形成装置。
)前記モーター温度は、モーターの動作時間、モーターの停止時間、露光装置の外の温度から推定することを特徴とする()に記載の画像形成装置。
)複数の露光装置内のそれぞれにモーター固有の損失が違うモーターを有する画像形成装置画像形成装置の制御方法であって、
前記モーターの永久磁石の作る磁界を回転方向の成分と、当該回転方向に直交する直交方向の成分に分け、回転方向の磁界を形成する電流を調整することによって前記モーターの回転速度を制御し、直交方向の磁界を形成する電流を調整することによって前記モーターの損失量を制御することで、前記複数の露光装置内のそれぞれの前記モーターのうち、最も損失の多いモーターの損失量に他のモーターの損失量を合わせることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
)印刷する色に応じて停止させる露光装置は、当該停止させる露光装置のモーターの回転を停止させた状態としつつ、損失量のみ動作している他の露光装置のモーターの損失量に合わせることを特徴とする(7)に記載の画像形成装置の制御方法。
)前記複数の露光装置のうち、停止中の露光装置の起動時には、当該停止中の露光装置の起動時のモーターの損失量を動作中の他の露光装置のモーターの損失量より多くし、停止中の露光装置のモーター温度が動作中の他の露光装置のモーター温度と同じになった後から、前記複数の露光装置内のモーターの損失量がすべて同じになるようにすることを特徴とする()または(8)に記載の画像形成装置の制御方法。
10)前記モーター温度は、モーター近傍に取り付けられた温度センサーにより検出することを特徴とする()に記載の画像形成装置の制御方法。
11)前記モーター温度は、モーターに使用されているコイルの電熱抵抗から推定することを特徴とする()に記載の画像形成装置の制御方法。
12)前記モーター温度は、モーターの動作時間、モーターの停止時間、露光装置の外の温度から推定することを特徴とする()に記載の画像形成装置の制御方法。
本発明によれば、複数の露光装置内のモーターの損失量がすべて所定範囲内になるように制御することとしたので、起動直後から各露光装置間での温度差を所定範囲に収めることができる。このため起動後すぐに露光装置間における温度差をなくすことができるので、待ち時間が少なくなり生産性を低下させることなく、色ずれの発生を抑えることができる。
本発明を適用した実施形態の画像形成装置の構成を示す概略図である。 露光装置の構成を示す概略図である。 露光装置内各部の温度の測定結果を示したグラフである。 露光装置を制御するための制御系の構成を説明するためのブロック図である。 ベクトル制御を説明するための説明図である。 制御部により行われるベクトル制御を用いた温度調整の手順を示すフローチャートである。 フィードバック制御の例を示したグラフである。 温度テーブルの一例を示すグラフである。 図9(a)は本実施形態の制御を行わない状態での複数の露光装置内のモーター損失を示したグラフである。図9(b)は本実施形態の制御を行わない状態での複数の露光装置内の温度を示したグラフである。図9(c)は本実施形態の制御を行わずに画像形成したときの色ずれ量を示したグラフである。 図10(a)は本実施形態の制御を行った状態での複数の露光装置内のモーター損失を示したグラフである。図10(b)は本実施形態の制御を行った状態での複数の露光装置内の温度を示したグラフである。図10(c)本実施形態の制御を行って画像形成したときの色ずれ量を示したグラフである。 図11(a)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図11(b)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。 図12(a)は本実施形態(制御形態1)の制御を行った場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図12(b)は本実施形態(制御形態1)の制御を行った場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。 図13(a)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図13(b)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。 図14(a)は本実施形態(制御形態2)の制御を行った場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図14(b)は本実施形態(制御形態2)の制御を行った場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。 図15(a)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図15(b)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。 (a)は本実施形態(制御形態3)の制御を行った場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図16(b)は本実施形態(制御形態3)の制御を行った場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。 図17(a)は本実施形態を行わない場合の色ずれを概念的に示したイメージ図である。図17(b)は本実施形態を行った場合の色ずれを概念的に示したイメージ図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態の画像形成装置の構成を示す概略図である。この画像形成装置は一般的な電子写真方式によるカラーの画像形成装置である。ここではカラーの画像形成にかかわる要部のみ説明する。
カラーの画像形成装置は、図1に示すように、各色用の感光体ドラム101Y、101M、101C、101K、感光体ドラム101Yへレーザー光を照射する各色用の露光装置102Y、102M、102C、102K、各色用の現像器103Y、103M、103C、103K、中間転写ベルト105、用紙を中間転写ベルト105に押圧する2次転写ローラー106、定着器107を有する。中間転写ベルト105は、複数のローラー108によって感光体ドラム101Yに当接しつつ感光体ドラム101Yの回転に同期して移動する。ここで各色はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)である。
このようなカラーの画像形成装置における画像形成は、周知のとおりであるので、ここでは概略を説明する。まず、各露光装置102Y、102M、102C、102Kによって各感光体ドラム101Y、101M、101C、101K上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器103Y、103M、103C、103Kによって現像される。これにより各感光体ドラム101Y、101M、101C、101K上にトナー画像が形成される。各感光体ドラム101Y、101M、101C、101K上のトナー画像は、中間転写ベルト105上に転写される。これにより中間転写ベルト105上において、各色のトナー画像が混合されたカラー画像が出来上がる。2次転写ローラー106によって中間転写ベルト105から別途搬送されてきた用紙500にカラーのトナー画像が転写される。その後、用紙500は定着器107へ搬送されて定着動作が行われて用紙500上にカラー画像が完成する。
次に、露光装置について説明する。図2は露光装置の構成を示す概略図である。
露光装置は、密閉されたハウジング200内に、レーザー光源201、ポリゴンミラー202、ポリゴンミラー202を回転させるモーター203、レンズ群204、温度センサー205が入っている。ハウジング200の感光体ドラム101Yに面した部分には、レーザー光が透過する窓206が設けられている。窓206は透明な素材、たとえば樹脂やガラスなどからなる。ハウジング200は粉塵等の流入がないように密閉されている。温度センサー205はモーターケースや基板上などモーター203の近傍に設置している。これにより、モーター203からの発熱温度を正確に測定することができる。
露光装置の動作は次のとおりである。レーザー光源201から出たレーザー光はポリゴンモータによって回転しているポリゴンミラー202に照射される。レーザー光は回転しているポリゴンミラー202によって反射することで照射方向が変わり、レンズ群204を通して感光体ドラム101Y上を走査することになる。
露光装置内の温度分布について説明する。図3は露光装置内各部の温度の測定結果を示したグラフである。測定箇所は、外気温、ハウジング200内部、モーター203、ポリゴンミラー202(図中「ミラー」)である。グラフからわかるように、モーター203の温度が上昇するとポリゴンミラー202の温度が上昇しているのがわかる。このとき、ハウジング200内温度も上昇している。この結果、ポリゴンミラー202やレンズ群204は、モーター203の温度上昇に伴い膨張する。もちろん、モーター203の温度が下がればポリゴンミラー202やレンズ群204は収縮することになる。したがって、各露光装置間で温度差があると、ポリゴンミラー202やレンズ群204の膨張量や収縮量が異なることになって、レーザー光の照射位置にずれが生じるのである。
次に、各色のモーターの制御について説明する。図4は露光装置を制御するための制御系の構成を説明するためのブロック図である。
各色の露光装置内の温度を調整するための制御部301と、制御部301に接続されていて、制御部301の指令によりモーター203Y、203M、203C、203Kを制御するモータードライバー302Y、302M、302C、302Kとを有する。制御部301は、各露光装置内の温度センサー205Y、205M、205C、205Kが接続されている。
モータードライバー302Y、302M、302C、302Kは、各露光装置内のモーター203Y、203M、203C、203Kに接続されている。モータードライバー302Y、302M、302C、302Kは、制御部301の指令によって各露光装置内のモーター203Y、203M、203C、203Kを駆動するための電流を制御している。なお、モータードライバー302Y、302M、302C、302Kは、モーター203Y、203M、203C、203Kに供給する電流、電圧を測定している。
制御部301はモータードライバー302Y、302M、302C、302Kを介して、測定した電流、電圧を取得している。モーター203Y、203M、203C、203K内には、たとえばホール素子が備えられている。モータードライバー302Y、302M、302C、302Kは、ホール素子からの信号により、各モーター203Y、203M、203C、203Kのローターの現在位置がわかる。制御部301はモータードライバー302Y、302M、302C、302Kを介して、各モーター203Y、203M、203C、203Kのローター現在位置を取得してモーターの回転速度および回転角度を算出している。
制御部301は、たとえば、CPUと記憶装置を有する、いわゆるコンピューターであり、後述する制御手順が実行されることで各部の制御を行っている。
ここで露光装置内の温度と、露光装置間の温度差に起因する色ずれについて説明する。
露光装置間で色ずれが発生する原因は大別して下記の3つである。
(1)発熱量の違いに起因する色ずれ
ポリゴンミラーを駆動するためのモーターにおける、コイルやホール素子の微妙な位置の違いによって、モーターごとの損失に違いがある。このため、同じ回転速度となるように単純にモーターの回転速度を制御した場合、損失の違いによって発熱量が変わることになる。一方、ポリゴンミラーやレンズ群は、温度が上がるとわずかながら膨張する。そして各露光装置間で温度差があると、ポリゴンミラーやレンズ群の膨張量もそれぞれの温度で異なってくるため、レーザー光の照射位置にずれが生じるのである。
画像形成装置の各露光装置の配置や大きさなどによっても異なるが、一例を挙げると、各露光装置間で10℃程の温度差が生じた場合、30μm程度の色ずれが発生する。さらに温度差が大きくなった場合、100μm程度のずれが発生することもあり、肉眼でも色ずれがわかってしまう。
(2)発熱時間の違いに起因する色ずれ
カラーの画像形成装置においては、当然のことであるが、白黒のみの印刷も行われる(これを白黒モードという)。白黒モード時はY、M、Cのモーターは停止し、印字色であるKの露光装置のモーターのみ回転させる。そうすると、停止しているY、M、Cの露光装置と駆動しているKの露光装置とで温度差が生じる。温度差が生じた状態のままカラーモードに変更して印刷すると、上記(1)同様に、Y、M、Cと、Kの間で色ずれが発生する。
(3)装置構成に起因する色ずれ
画像形成装置の機械的構成によっては、露光装置が縦型に配置されているものがある。このような構成においては、上部の露光装置は、下部の露光装置から上がってくる熱を受けて、下部の露光装置より温度が高くなりやすい。そうすると上部の露光装置と下部の露光装置とで温度差が発生する。また、定着器107や画像形成装置内部を冷やすためのファンからの気流による影響もある。このため画像形成装置の機械的構成によっては、露光装置間で温度差が生じ、色ずれとなる。
このような露光装置間の温度差に起因した色ずれは、近年の画像形成速度の高速化や高解像度化により、一層顕著に表れるようになってきている。たとえば画像形成速度の高速化や高解像度化にはレーザー光の走査速度を上げるためにモーターのさらなる高速化が求められている。モーターを高速で回転させることはそれだけ多くのエネルギーを使うことになるため、発熱量も増大し、各露光装置間の温度差も開くことになる。
本実施形態では、露光装置間の温度差を減らすために、モーターのベクトル制御技術を用いて、各露光装置のモーターの発熱がほぼ同程度となるようにして温度差を解消したものである。
モーターのベクトル制御は周知の制御方法であり、ここでは簡単にその概要を説明する。図5は、ベクトル制御を説明するための説明図であって、2極3相(UVW相)のブラシレスDCモーターを例示している。
ポリゴンミラー202を駆動するためのモーターはポリゴンミラーと直結されている。図示した2極3相(UVW相)のブラシレスDCモーターはステータ(固定子)にコイル401、ローター(回転子)に永久磁石402を用いている。
ベクトル制御は、モーターの回転により発生する磁界を回転方向(モータ位相)と直交方向(磁界位相)とに分けて制御する。回転方向の成分はモーターの回転速度を制御する。一方、直交方向の成分はモーターの回転速度とは無関係である。通常のベクトル制御においては、直交方向の成分はモーターの損失となるため極力発生しないようにして、運転効率を上げている。しかし、本実施形態では、このモーターに損失を与える直交方向の成分を最小化するのではなく、直交方向の成分を露光装置ごとに制御することでモーターの発熱量を調整し、各露光装置間の温度差をなくすようにしたのである。つまり、露光装置ごとに、モーターの回転速度(すなわちポリゴンミラー202の回転速度)は、露光装置間で同じになるように、各露光装置においてモーターの回転により発生する回転方向の磁界を調整する。一方、発熱量を同じにするために、各露光装置においてモーターの回転により発生する直交方向の磁界を調整するのである。
(制御形態1)
以下、基本的な制御方法として上記(1)の場合、すなわち、4色の各露光装置における温度差に起因する色ずれをなくすための制御方法を説明する。これを制御形態1とする。制御対象となるモーターは2極3相(UVW相:位相差120度)のブラシレスDCモーターである。
図6は、制御部301により行われるベクトル制御を用いた温度調整の手順を示すフローチャートである。
まず、制御部301は各露光装置のモーターについて下記の処理を行う。
モーターに供給される3相の電流をそれぞれ測定する(S1)。なお、電流の測定方法については後述する。
測定した電流値を用いてクラーク変換(3相電流を足し合わせると0になる性質を利用)する(S2)。
クラーク変換は、数学的変換であり、三座標系を二座標系へ変換するもので下記式のとおりである。式中、ia、ib、icはUVW各相の電流値、iα、iβ、ioは、変換後の電流値である。
クラーク変換式
クラーク変換によって得られる電流のうち、iα、iβは直交標準面の成分。ioは単一面の成分である(ここでは使用しない)。したがってクラーク変換は、ia、ib、icからなる3相電流を、位相差90度の2相電流、iα、iβに変換することになる。得られた2相電流は、静止系回転座標、位相差90度である。
クラーク変換で得られた2相電流をパーク変換する(S3)。パーク変換は、数学的に2相固定システムベクトルを回転システムベクトルへ変換するものである。これにより先に得られた静止系の2相電流を回転系固定座標、位相差90度に変換する。
パーク変換は、下記パーク変換式により行われる。
パーク変換式
式中、isdは磁束電流(励磁電流ともいう)であり直交方向(磁界位相)の磁界を与える。これを変えても回転速度に影響しないが、モーターの損失に影響する。一方、isqはトルク電流であり、回転方向(モータ位相)の磁界を与える。これを変えることで回転速度が変わる。したがって、トルク電流isqを一定に保つことで、回転速度を一定にしつつ、磁束電流isdを変えることで、モーターの発熱量を制御することができる。
なお、θはモーターの回転角度である。回転角度は、モーター内に内蔵されているホール素子などの回転センサーから得られる値である(詳細後述)。
ここまでの処理を行った後、続いて制御部301は、各露光装置の磁束電流isdが同じになるように調整する(S4)。磁束電流isdは、モーター固有の損失に依存する。このため磁束電流isdは、モーターごとにある一定値(最小値)以下には下がらない。そこで本実施形態では、複数の露光装置の中で、最も損失の大きなモーターの磁束電流isdに、他のモーターの磁束電流isdを、所定範囲に収まるように合わせるのである。このとき所定範囲とは、色ずれが発生しない温度差となる損失である。本実施形態では、モーターのベクトル制御であるため、最も損失の大きな磁束電流isdの電流値と同じ電流値を、そのまま他のモーターに使用することになる(以下、他の制御形態においても所定範囲は同様である)。
一方、速度制御に使用するトルク電流isqは手を加えないようにする。これにより回転速度に影響を与えないようにしている。
続いて制御部301は、それぞれの露光装置のモーターごとに下記の処理を行う。
2つの電流(磁束電流isdとトルク電流isq)を直流電流とみなして、逆パーク変換する(S5)。逆パーク変換は、上記パーク変換式を用いて、磁束電流isdとトルク電流isqからiα、iβを求めることになる。
続いて制御部301は、逆クラーク変換を行う(S6)。逆クラーク変換は、上記クラーク変換式を用いて、iα、iβから3相電流のそれぞれの値ia、ib、icを求める。
これにより、実際にそれぞれの露光装置のモーターに供給する3相電流の値が得られることになる。
ステップS2の電流および回転位置の測定について説明する。
(a)直接型
各相の電流は、モータードライバーを介してモーターの各相の電流を測定する(なお、モータードライバーに電流測定機能がない場合は、モーターへ供給される3相の電流を直接測定するようにしてもよい。以下同様)。
回転位置は、モーター内にホール素子などの磁気センサーを備えて回転磁界の磁束を直接測定する。これによりローターの回転位置がわかるので、回転角度θを求めることができる。
(b)間接型
各相の電流は、モータードライバーを介してモーターの各相の電流を測定する(これは直接型と同じである)。
回転位置は、磁気センサーを備える代わりに回転位置センサーで代用する。
(c)センサレス(回転位置情報検出なし)
各相の電流は、モータードライバーを介してモーターの各相の電流を測定する(これは直接型と同じである)。
回転位置は、各相の電流の大きさと位相からトルクと回転速度を推定してことで求める。
以上の制御によって4色の各露光装置におけるモーターの損失は同じになるため、発熱量も同じになる。したがって、Y、M、C、Kを同じ温度から起動されれば、それぞれの到達温度は同じになるため、温度差をなくすことができる。そして、露光装置間の温度差に起因した色ずれをなくして、きれいなカラー画像を得ることができる。
(制御形態2)
次に、上述した(2)の各露光装置の稼働時間による色ずれをなくすための制御方法について説明する。これを制御形態2とする。
(2)の場合、すでに説明したように、白黒モードなどでY、M、C、Kの4色のうち、Y、M、Cの露光装置が停止していて、次にカラーモードを実行するためにY、M、Cの露光装置を起動したような場合である。このような場合、Y、M、CとKとの温度差がついた状態からY、M、Cの露光装置を起動することになる。上述した基本的な制御を行って、時間をかけてY、M、C、Kのすべてが同じ温度になるのを待ってもよい。しかしそれでは、時間がかかってしまう。
そこで、本実施形態では、このような場合にいち早くすべての露光装置の温度が同じ温度になるように制御することとした。
これにはまず、停止していたY、M、Cのモーターが一斉に起動される。それと同時に上述した制御手順のステップS1〜3を実行する。
そして、起動直後のモーターにおける(磁束電流)を、許容されている最大値に設定する。つまり起動直後のモーターの損失を大きくして発熱させて、露光装置の温度を上昇させる。これには、起動直後のモーターの磁束電流isdを動作していたモーターの起動直後のモーターよりも一時的に高くする。その後、モーター温度が同じになったのちは、制御形態1同様にすべてのモーターの磁束電流isdを同じにするのである。
これによりY、M、Cの露光装置の温度をいち早くこれまで動いていたKの露光装置の温度と等しくなるようにするのである。
その後は、上述したステップS4以降の処理を実行することで、カラー印刷においてすべての露光装置の温度差をなくして色ずれの発生を防止することができる。
ここで、起動後のY、M、Cの露光装置の温度とKの露光装置の温度とが等しくなったか否かを判断する方法について説明する。
起動後のY、M、Cの露光装置の温度を急速に上昇させると、Y、M、Cの露光装置の温度がKの露光装置の温度よりも高くなってしまうことがある。そこで、実際の温度制御に当たっては、露光装置内の温度センサー205からの温度情報に基づいて電流を制御することが好ましい。
これには起動直後のY、M、Cの露光装置の温度を検出する。そして温度上昇カーブを作成して、その温度上昇カーブに沿うように磁束電流を制御する。つまりフィードバック制御である。
図7は、フィードバック制御の例を示したグラフである。図示するように、温度の目標値が設定される。目標値は徐々に上昇して、その後安定する。安定している部分の温度はこの場合、Kの露光装置の温度ということになる。一方、Y、M、Cの露光装置の温度は、このような温度カーブに合うように温度を磁束電流の値を変えて上昇させて行くことになる。これが制御値となる。最終的に目標値と制御値の差がなくなるように制御する。これをフィードバック制御という。
これにより起動後に温度差があるY、M、CとKの露光装置の温度をいち早く同じ温度にして、色ずれのない画像形成を得るための待ち時間を少なくすることができる。
このようなフィードバック制御を行う際のモーター温度は、モーターコイルの電熱抵抗から推定することもできる(この場合温度センサー205はなくてもよい)。一例を挙げて説明する。20℃を基準としたときの抵抗をR20、抵抗温度係数をα20とする。このときt℃上昇時の抵抗RtはRt=R2×(1+α20×(t−20))となる。したがって、温度上昇t℃はt=(Rt/R20−1)/α20+20と表される。
そして、電流および電圧を測定して、そこから抵抗値を求め、何度温度上昇したかを算出する。
さらに、他の温度推定方法としては、温度センサー205で直接温度を測らずにモーターの動作時間、モーターの停止時間、露光装置の外の温度から推測する方法がある。これには、あらかじめ動作時間、停止時間、露光装置の外の温度を元に温度テーブルを作成しておく。
図8は温度テーブルの一例を示すグラフである。
モーターが長時間停止し、モーターの発熱の影響による露光装置内の温度上昇がなくなり、露光装置外の雰囲気温度と等しくなった以降、モーターの起動を基準(時刻0)とする。その雰囲気温度とモーター回転速度から温度上昇カーブを作成し、温度を算出する。停止した場合は停止時の温度から温度下降カーブを作成し、温度を算出する。雰囲気温度と露光装置肉温度が一致する時間以上停止していれば起動からの時刻をリセット(最初から時間をカウントし直す)する。
(制御形態3)
次に、上述した(2)の各露光装置の稼働時間による色ずれをなくすための他の制御方法について説明する。これを制御形態3とする。
すでに説明したように、本実施形態では、回転速度を得るためのトルク電流isqと損失となる磁束電流isdを個別に制御することとしている。
制御形態3は、使用しない色の露光装置においては、モーターの回転は止めて損失のみ発生させるようにする。つまり、動作させる露光装置のモーターは、トルク電流isqをそのモーターの規定の回転速度となるよう制御する。磁束電流isdは他のモーターを同じにする。一方、動作さない露光装置のモーターは、トルク電流isqを速度0となるように制御する。磁束電流isdは他のモーターを同じにする。
これにより、停止している露光装置であっても、動作している露光装置と同程度の損失が発生しているため、すべての色の露光装置間温度は同じ温度となるように保たれることになる。したがって、カラーモードが再開されたときには、そのままでも色ずれが発生せずに、即座に印刷を再開することができる。
以上の制御形態2および3については、白黒モードからカラーモードへの変更に限定されない。たとえば、2色モードのように2色を使用して印刷する場合からフルカラーへ変更した場合、さらには1色モード(この場合通常は黒以外の1色を使用するモード)からフルカラーへ変更した場合などにも適用可能である。
(制御形態4)
次に、上述した(3)の装置形態に起因した色ずれをなくすための制御方法について説明する。これを制御形態4とする。
装置形態に起因した色ずれは、すでに説明したように、画像形成装置内における露光装置の配置そのものに起因している。そこで、露光装置の位置に応じて、ステップS4における磁束電流をオフセットする。たとえば、Y、M、C、Kの露光装置が上からY、M、C、Kの順(図1に示したとおり)で縦に並んで配置されている場合、Yの露光装置の温度が最も高く、Kの露光装置の温度が最も低くなる。
そこで、最も温度の高い露光装置の温度に合わせるために、磁束電流の値をK>C>M>Kの順となるようにオフセットするのである。オフセット量は、あらかじめY、M、C、Kの露光装置の温度が同じ値となる値を求めておく必要がある。そのうえで、ステップS4の処理で設定する磁束電流の値に、このオフセットをかけて、実際に使用する磁束電流の値とする。
これにより、装置構成に起因した色ずれも防止することができる。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、比較のために本実施形態の制御を行わない場合を説明する。
図9(a)は本実施形態の制御を行わない状態での複数の露光装置内のモーター損失を示したグラフである。縦軸は損失量(W)、横軸はモーターの回転速度(s)である。図9(b)は本実施形態の制御を行わない状態での複数の露光装置内の温度を示したグラフである。縦軸は温度差(℃)、横軸はモーターの回転速度(s)である。また、図9(c)は本実施形態の制御を行わずに画像形成したときの色ずれ量を示したグラフである。縦軸は色ずれ量(μm)、横軸はモーターの回転速度(s)である。
図9(a)のグラフにおいて損失量(W)は、ベクトル制御を行うことなく、モーターの回転速度を徐々に上げて行ったときに、上述したステップS1〜3により得られた磁束電流isdから求めた電流にそのときの電圧をかけて求めたものである(すなわち損失量(W)=磁束電流isd×電圧(V)である)。図9(b)の温度差は、Kの温度が基準となるように最適化を図っている。したがって、Y、M、Cの各カーブはKとの温度差である。
図9(a)からわかるように、モーターの回転速度を上昇させるために単純にモーターに供給する電流を調節すると、そのときの磁束電流isdの値がほぼそのまま損失となる。このため、損失量はモーターの性能に依存してバラつきがある。そして、図9(b)からわかるように、各色の間で温度差が発生する。その結果、図9(c)からわかるように、色ずれが発生することになる。
次に本実施形態の制御を行った場合を説明する。
図10(a)は本実施形態の制御を行った状態での複数の露光装置内のモーター損失を示したグラフである。縦軸は損失量(W)、横軸はモーターの回転速度(s)である。図10(b)は本実施形態の制御を行った状態での複数の露光装置内の温度を示したグラフである。縦軸は温度差(℃)、横軸はモーターの回転速度(s)である。また、図10(c)本実施形態の制御を行って画像形成したときの色ずれ量を示したグラフである。縦軸は色ずれ量(μm)、横軸はモーターの回転速度(s)である。
図10(a)のグラフにおいて損失量(W)は、本実施形態によるベクトル制御を行うことで、モーターの回転速度を徐々に上げつつ磁束電流isdが同じになるように制御したときの電流にその時の電圧をかけて求めたものである(すなわち損失量(W)=磁束電流isd×電圧(V)である)。図10(b)の温度差は、Kの温度が基準となるように最適化を図っている。したがって、Y、M、Cの各カーブはKとの温度差である。
本実施形態を用いて各色のモーターの回転速度を上昇させる一方、磁束電流isdの値が同じになるように制御する。このとき各モーターの磁束電流isdは、最も損失量の高いモーターに合わせることになる。これにより各色のモーターの損失量は、図10(a)からわかるように、ほぼ同じになる。また、図10(b)からわかるように、各色の間で温度差もほぼ0になる。その結果、図10(c)からわかるように色ずれの発生はほとんどない。
すべての露光装置が同じ温度から動作する場合の制御を説明する。これは上述した制御形態1に相当する。
図11(a)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図11(b)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。ここでは2つのモーターを示している。
図11(a)に示したように、2つのモーター間で損失量に差がある。そうすると、図11(b)に示したように、時間の経過と共に露光装置間の温度にも差が出てくる。
図12(a)は本実施形態(制御形態1)の制御を行った場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図12(b)は本実施形態(制御形態1)の制御を行った場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。ここでは2つのモーターを示している。
図12(a)に示したように、本実施形態(制御形態1)では、2つのモーター間で損失量に差がないようにする。このとき、損失量の多い方に合わせる。したがって、モーターBの損失量を増やすことになる。これにより図12(b)に示したように、時間が経過しても露光装置間温度に差は生じない。
次に、複数の露光装置が異なる温度から動作する場合の制御を説明する(これは複数の露光装置のいずれかが停止していた状態から動作を開始させた場合も同様である)。これは上述した制御形態2に相当する。
図13(a)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図13(b)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。ここでは2つのモーターを示している。
図13(a)に示したように、2つのモーター間で損失量に差がある。そうすると、図13(b)に示したように、時間の経過と共に露光装置間の温度差がより大きくなる。
図14(a)は本実施形態(制御形態2)の制御を行った場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図14(b)は本実施形態(制御形態2)の制御を行った場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。ここでは2つのモーターを示している。
図14(a)に示したように、本実施形態(制御形態2)では、第1段階として温度の低かったモーターBについて、モーターAよりも損失を大きくする。その後、温度が2つのモーター間で同じになった時点から、第2段階として損失量を同じにする。これにより図14(b)に示したように、第1段階でモーターBの温度は急速に上昇して、初めから温度の高かった方のモーターAを同じ温度に一早く到達する。その後は第2段階に移り、時間が経過しても露光装置間で温度差は生じない。
同様に複数の露光装置が異なる温度から動作する場合の他の制御形態を説明する。ここでは、複数の露光装置のいずれかが停止していた状態から動作を開始させた場合について説明する。これは上述した制御形態3に相当する。
図15(a)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図15(b)は本実施形態の制御を行わない場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。ここでは2つのモーターを示している。
図15(a)に示したように、2つのモーターのうち、モーターBは動作させていない。このため損失も発生しない。そうすると、図15(b)に示したように、時間の経過と共に露光装置間の温度差が大きくなる。
図16(a)は本実施形態(制御形態3)の制御を行った場合の複数のモーターの損失量を概念的に示したイメージ図である。図16(b)は本実施形態(制御形態3)の制御を行った場合の複数のモーターに起因した露光装置内温度の変化を概念的に示したイメージ図である。ここでは2つのモーターを示している。
図16(a)に示したように、本実施形態(制御形態3)では、動作させていないモーターBについても損失だけが発生するようにしている。損失量は、モーターAと同じになるようにしている。これにより図16(b)に示したように、時間が経過しても露光装置間温度に差は生じない。
次に、本実施形態の効果を説明する。図17(a)は本実施形態を行わない場合の色ずれを概念的に示したイメージ図である。図17(b)は本実施形態を行った場合の色ずれを概念的に示したイメージ図である。図17(a)および(b)のいずれも用紙上にカラー印刷した場合を示している。
本実施形態を行わない場合は、図17(a)に示すように、特に、Kと他の色(Y、M、C)との色ずれが起こりやすい。これは、白黒モードからカラーモードへの変更などにより、Kと他の色(Y、M、C)との温度差が起きやすいためである。
一方、本実施形態は、すでに説明したように、モーター回転速度を一定に保ちつつ、すべてのモーターの損失量が所定範囲内になるようにした。このためモーターの発熱量は起動直後から同じになる。したがって、各露光装置間での温度差はほとんどなく、所定範囲に収めることができる(図12、14、16参照)。ここで所定範囲とは、たとえば色ずれが発生しない程度の温度差となるようにすることである。このため本実施形態を行った場合は、図17(b)に示したように、色ずれの発生を抑えることができる。
また、本実施形態においては、従来技術のようにすべての露光装置の温度が一定の範囲に収まるまで空運転する必要がない。このため、本実施形態では、露光装置の起動後、すぐに露光動作を開始することができるので、待ち時間が少なく生産性の低下がない、また、空運転することがない分、消費電力を低減することができる。
また、本実施形態においては、従来技術のような空運転を行う必要がないので、その分、モーターを回転させる時間も少なくなり、部品の寿命を長くすることができる。
以上本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載された構成によって判断されるものであって、様々な変形形態もまた本発明の範疇である。
101、101Y、101M、101C、101K 感光体ドラム、
102Y、102M、102C、102K 露光装置、
103Y、103M、103C、103K 現像器、
105 中間転写ベルト、
106 2次転写ローラー、
107 定着器、
108 ローラー、
200 ハウジング、
201 レーザー光源、
202 ポリゴンミラー、
203、203Y、203M、203C、203K モーター、
204 レンズ群、
205 温度センサー、
206 窓、
301 制御部。

Claims (12)

  1. 複数の露光装置内のそれぞれにモーター固有の損失が違うモーターを有する画像形成装置であって、
    前記複数の露光装置内のそれぞれの前記モーターに対して、前記モーターの永久磁石の作る磁界を回転方向の成分と、当該回転方向に直交する直交方向の成分に分け、回転方向の磁界を形成する電流を調整することによって前記モーターの回転速度を制御し、直交方向の磁界を形成する電流を調整することによって前記モーターの損失量を制御する制御部を有し、
    前記制御部は、
    前記複数の露光装置内のそれぞれの前記モーターのうち、最も損失の多いモーターの損失量に他のモーターの損失量を合わせるように制御することを特徴とすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、
    印刷する色に応じて停止させる露光装置は、当該停止させる露光装置のモーターの回転を停止させた状態としつつ、損失量のみ動作している他の露光装置のモーターの損失量に合わせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、
    前記複数の露光装置のうち、停止中の露光装置の起動時には、当該停止中の露光装置の起動時のモーターの損失量を動作中の他の露光装置のモーターの損失量より多くし、停止中の露光装置のモーター温度が動作中の他の露光装置のモーター温度と同じになった後から、前記複数の露光装置内のモーターの損失量がすべて同じになるようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記モーター温度は、モーター近傍に取り付けられた温度センサーにより検出することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記モーター温度は、モーターに使用されているコイルの電熱抵抗から推定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記モーター温度は、モーターの動作時間、モーターの停止時間、露光装置の外の温度から推定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  7. 複数の露光装置内のそれぞれにモーター固有の損失が違うモーターを有する画像形成装置画像形成装置の制御方法であって、
    前記モーターの永久磁石の作る磁界を回転方向の成分と、当該回転方向に直交する直交方向の成分に分け、回転方向の磁界を形成する電流を調整することによって前記モーターの回転速度を制御し、直交方向の磁界を形成する電流を調整することによって前記モーターの損失量を制御することで、前記複数の露光装置内のそれぞれの前記モーターのうち、最も損失の多いモーターの損失量に他のモーターの損失量を合わせることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
  8. 印刷する色に応じて停止させる露光装置は、当該停止させる露光装置のモーターの回転を停止させた状態としつつ、損失量のみ動作している他の露光装置のモーターの損失量に合わせることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置の制御方法。
  9. 前記複数の露光装置のうち、停止中の露光装置の起動時には、当該停止中の露光装置の起動時のモーターの損失量を動作中の他の露光装置のモーターの損失量より多くし、停止中の露光装置のモーター温度が動作中の他の露光装置のモーター温度と同じになった後から、前記複数の露光装置内のモーターの損失量がすべて同じになるようにすることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置の制御方法。
  10. 前記モーター温度は、モーター近傍に取り付けられた温度センサーにより検出することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置の制御方法。
  11. 前記モーター温度は、モーターに使用されているコイルの電熱抵抗から推定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置の制御方法。
  12. 前記モーター温度は、モーターの動作時間、モーターの停止時間、露光装置の外の温度から推定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置の制御方法。
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