JP6330242B2 - 鋳型へのなりより性の付与方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳型へのなりより性の付与方法に関する。
従来、鋳造用鋳型の一つとして自硬性鋳型が知られている。自硬性鋳型とは、珪砂等の耐火性粒状材料に、酸硬化性樹脂を主成分とした粘結剤と、キシレンスルホン酸等の硬化剤とを添加、混練した後、得られた混練砂を型に充填し、粘結剤を硬化させる方法で製造されているものである。
酸硬化性樹脂は、一般的にフルフリルアルコール、尿素、フェノール、ホルムアルデヒド等を主原料としている樹脂(フラン樹脂)であり、酸により脱水反応しながら重縮合し、硬化するものである。このようなフラン樹脂を用いて製造された鋳型(フラン鋳型)は高強度であるものの、硬化物が硬く、なりより性に乏しいという欠点を有している(非特許文献1参照)。
ここで、「なりより性」とは、鋳型に注湯された溶融金属(溶湯)が凝固する際の収縮に対応できる性能、すなわち溶湯の収縮に伴い変形できる鋳型の柔軟性のことである。
鋳型に注湯された溶融金属が凝固する際、なりより性に優れた鋳型であれば、収縮応力を減衰させることが可能である。
しかし、なりより性に乏しい鋳型は、収縮応力を減衰させることが困難であり、熱間亀裂と呼ばれる鋳造欠陥を誘発しやすい。特に、凝固収縮の大きい鋳物である鋳鋼(例えば薄肉鋳鋼)を鋳造する際は、熱間亀裂が発生しやすい。
熱間亀裂を防止する方法として、酸硬化性樹脂を硬化させる硬化剤に燐酸を使用する方法が提案されている。硬化剤として燐酸を使用すると、キシレンスルホン酸等を使用した場合に比べて、高温時の鋳型強度が低くなる。鋳型強度が低くなると熱劣化による崩壊性が高まるため、鋳型に注湯された溶融金属が凝固する際の収縮応力を鋳型の崩壊により減衰させることができる。
「鋳型造型法」、第4版、社団法人日本鋳造技術協会、平成8年11月18日、p130〜131
しかしながら、硬化剤として燐酸を用いた方法では、鋳型の耐熱性が低下してしまう。そのため、鋳型への溶融金属の侵入を誘発させる頻度が高まり、差し込み欠陥(鋳型内に溶融金属が入り込むこと)、砂噛み(鋳物内に鋳型砂が入り込むこと)等の新たな鋳造欠陥を誘発することとなり、改善が求められていた。
近年、フラン樹脂に代えて、アルカリフェノール樹脂を用いた鋳型も提案されている。アルカリフェノール樹脂を用いた鋳型は、フラン鋳型に比べて柔軟性(なりより性)に優れ、しかも差し込み欠陥や砂噛み等の鋳造欠陥も起こりにくい。
しかし、アルカリフェノール樹脂を用いた鋳型は、フラン鋳型に比べて常温時の鋳型の強度が低く、砂の再生率も低い。また、1つの工場内にてアルカリフェノール樹脂を用いた鋳型とフラン鋳型とを使用する場合、各鋳型から回収した砂には異なる種類の樹脂が付着しているため、一緒に再生処理することができず、手間がかかってしまう。また、1つの工場内にて鋳鉄と鋳鋼の両方を生産するような場合には、通常、フラン鋳型に統一することが合理的とされている。
よって、なりより性に優れるフラン鋳型が求められている。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、常温強度を維持しつつ、なりより性に優れる鋳型を製造できる鋳型造型用粘結剤組成物、鋳型造型用砂組成物、及び鋳型の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]フルフリルアルコール及び植物由来のフェノール類を含有する鋳型造型用粘結剤組成物と、耐火性粒状材料と、硬化剤とを含有する鋳型造型用砂組成物を鋳型製造用の型に充填し、前記鋳型造型用砂組成物に含まれる鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる、鋳型へのなりより性の付与方法であって、前記植物由来のフェノール類は、カシューナット殻液、カルダノール、カードル、2−メチルカードル及びアナカルド酸からなる群より選ばれる1種以上である、鋳型へのなりより性の付与方法
[2]前記鋳型造型用粘結剤組成物は、尿素とアルデヒド類との反応生成物をさらに含有する、[1]に記載の鋳型へのなりより性の付与方法。
]前記アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、グリオキザール及びフルフラールからなる群より選ばれる1種以上である、[2]に記載の鋳型へのなりより性の付与方法。
]前記鋳型造型用粘結剤組成物100質量%中、前記植物由来のフェノール類の含有量が1〜40質量%である、[1]〜[]のいずれか1つに記載の鋳型へのなりより性の付与方法。
本発明によれば、常温強度を維持しつつ、なりより性に優れる鋳型を製造できる鋳型造型用粘結剤組成物、鋳型造型用砂組成物、及び鋳型の製造方法を提供できる。
なりより性の評価に用いた熱間ひずみ試験機を示す概略構成図である。
以下の明細書において、「鋳型」とは、本発明の鋳型造型用粘結剤組成物を含む鋳型造型用砂組成物を用いて造型してなるものである。
[鋳型造型用粘結剤組成物]
本発明の鋳型造型用粘結剤組成物(以下、単に「粘結剤組成物」ともいう。)は、鋳型を製造する際の粘結剤として使用されるものであり、フルフリルアルコールと、植物由来のフェノール類とを含有する。粘結剤組成物は、尿素とアルデヒド類との反応物をさらに含有することが好ましい。
<植物由来のフェノール類>
植物由来のフェノール類としては、カシューナット殻液(CNSL)、カルダノール、カードル、2−メチルカードル、アナカルド酸などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明に好ましく使用されるCNSLとしては、天然のCNSLに加熱処理を施した工業用CNSL、天然のCNSL又は工業用CNSLを蒸留精製した蒸留精製CNSLが挙げられる。蒸留精製CNSLは、天然のCNSLに加熱処理を施したのみの工業用CNSLに比べて不純物が少なく、カルダノール及びカードルの存在比率が高いことから、植物由来のフェノール類として特に好適である。また、蒸留精製CNSLをさらに精製し、不純物を取り除いたカルダノール、カードル及び2−メチルカードルの少なくとも1種を植物由来のフェノール類として用いることもより好ましい。
<尿素とアルデヒド類との反応物>
粘結剤組成物が尿素とアルデヒド類との反応物をさらに含有することで、鋳型の常温強度がより向上する。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、フルフラールなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、粘結剤組成物の硬化が充分に進行する点で、ホルムアルデヒドが好ましい。
尿素とアルデヒド類との反応物としては、尿素とアルデヒド類との付加物であるメチロール化尿素、メチロール化尿素の縮合物であるメチレン化尿素などが挙げられる。
ここで、前記付加物及び縮合物の一例について、アルデヒド類がホルムアルデヒドの場合を例にとり、以下に説明する。
塩基性触媒の存在下で尿素とホルムアルデヒドとを反応させると、以下に示すように尿素にホルムアルデヒドが付加して、メチロール基(−CHOH)を1分子内に1〜3個有するメチロール化尿素の混合物が生成する。
Figure 0006330242
混合物中の各メチロール化尿素の割合は、尿素とホルムアルデヒドとの割合に応じて変化するため一概にはいえないが、メチロール基を1分子内に1つ又は2つ有するメチロール化尿素が主成分である。1分子中のメチロール基の数が増えるほど、立体障害により生成割合は減少する。
ここで、主成分とは、混合物100質量%中、50質量%以上を意味する。
メチロール化尿素が生成した状態で、反応系を塩基性から酸性に変更すると、以下に示すようにメチロール化尿素同士が縮合して、メチレン化尿素が生成する。
なお、下記式においては、化学式を簡略化するため、メチロール化尿素のメチロール基以外の部分を「R」又は「R’」と記す。
Figure 0006330242
上記の尿素とホルムアルデヒドとの反応は、フルフリルアルコール中で行うことができ、詳しくは後述する。
<任意成分>
粘結剤組成物は、上述した成分以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
任意成分としては、フルフリルアルコールとアルデヒド類との縮合物、シランカップリング剤、ホルムアルデヒド低減剤、水などが挙げられる。
フルフリルアルコールとアルデヒド類との縮合物は、酸性下でフルフリルアルコールとホルムアルデヒドとを反応させることで得られる。このとき、フルフリルアルコール1モルに対して、アルデヒド類を0.1〜1モル使用することが好ましい。アルデヒド類の使用量が、0.1モル以上であれば重合度の低い縮合物となるため可使時間設定が容易となり、1モル以下であれば重合度の高い縮合物となるため鋳型の強度がより高まる。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、フルフラールなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
粘結剤組成物がシランカップリング剤を含有すれば、鋳型の強度がさらに向上する。
シランカップリング剤としては、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
ホルムアルデヒド低減剤は、鋳型に溶融金属を注湯する際に発生するホルムアルデヒドを低減するためのものである。
ホルムアルデヒド低減剤としては、尿素、レゾルシノール、ピロガロールなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
水は、尿素とアルデヒド類との反応物を合成する際に生じる縮合水由来の水、水溶液状の原料(例えばホルマリンなど)によって供給される水、必要に応じて別途添加される水の全てが含まれる。
<含有量>
粘結剤組成物100質量%中の各成分の含有量は以下の通りである。
粘結剤組成物が尿素とアルデヒド類との反応物を含有しない場合、フルフリルアルコールの含有量は、粘結剤組成物100質量%中、60〜99質量%が好ましく、65〜95質量%がより好ましく、70〜90質量%がさらに好ましい。フルフリルアルコールの含有量が60質量%以上であれば、可使時間の設定が容易となる。一方、フルフリルアルコールの含有量が99質量%以下であれば、鋳型の初期強度がより向上する。
粘結剤組成物が尿素とアルデヒド類との反応物を含有する場合、フルフリルアルコールと前記反応物との含有量の合計は、粘結剤組成物100質量%中、60〜99質量%が好ましく、65〜95質量%がより好ましく、70〜90質量%がさらに好ましい。フルフリルアルコールと前記反応物との含有量の合計が60質量%以上であれば、鋳型の初期強度がより向上する。一方、フルフリルアルコールと前記反応物との含有量の合計が99質量%以下であれば、鋳型の最終強度がより向上する。
また、尿素とアルデヒド類との反応物の含有量は、粘結剤組成物100質量%中、2〜50質量%が好ましく、3〜45質量%がより好ましく、5〜40質量%がさらに好ましい。前記反応物の含有量が2質量%以上であれば、鋳型の初期強度がより向上する。一方、前記反応物の含有量が50質量%以下であれば、鋳型の最終強度がより向上する。
また、尿素等を由来とする窒素原子含有量は、粘結剤組成物100質量%中、0.1〜6質量%が好ましく、0.1〜4.5質量%がより好ましい。
窒素原子含有量は鋳型の初期強度及び最終強度に影響を与えるものであり、窒素原子含有量が少なくなるにつれて鋳型の初期強度は高くなる傾向にあり、窒素原子含有量が多くなるにつれて鋳型の最終強度は高くなる傾向にある。
よって、必要に応じて窒素原子含有量を適宜調整することが好ましく、窒素原子含有量が上記範囲以内であれば、初期強度と最終強度のバランスに優れた鋳型が得られやすくなる。
植物由来のフェノール類の含有量は、粘結剤組成物100質量%中、1〜40質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。植物由来のフェノール類の含有量が上記範囲内であれば、なりより性に優れた鋳型が得られる。しかも、高温時の鋳型強度も良好に維持できる。
粘結剤組成物が尿素とアルデヒド類との反応物を含有する場合、フルフリルアルコールと植物由来のフェノール類と前記反応物との含有量の合計は、粘結剤組成物100質量%中、65〜100質量%が好ましく、80〜99.5質量%がより好ましく、90〜99.0質量%がさらに好ましい。フルフリルアルコールと植物由来のフェノール類と前記反応物との含有量の合計が65質量%以上であれば、鋳型の初期強度がより向上する。一方、フルフリルアルコールと植物由来のフェノール類と前記反応物との含有量の合計が100質量%以下であれば、鋳型のなりより性がより向上する。
フルフリルアルコールとアルデヒド類との縮合物の含有量は、粘結剤組成物100質量%中、10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。フルフリルアルコールとアルデヒド類との縮合物の含有量が10質量%以上であれば、鋳型の初期強度がより向上する。一方、フルフリルアルコールとアルデヒド類との縮合物の含有量が30質量%以下であれば、鋳型の最終強度がより向上する。
シランカップリング剤の含有量は、粘結剤組成物100質量%中、0.01〜3質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が、0.01質量%以上であれば鋳型の強度がより向上し、3質量%以下であれば大幅なコスト上昇を抑えることができる。
ホルムアルデヒド低減剤の含有量は、粘結剤組成物100質量%中、0.1〜3質量%が好ましく、0.5〜1質量%がより好ましい。ホルムアルデヒド低減剤の含有量が、0.1質量%以上であれば注湯時にホルムアルデヒドの発生を充分に低減でき、3質量%以下であれば大幅なコスト上昇を抑えることができる。
水の含有量は、粘結剤組成物100質量%中、1〜25質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。水の含有量が、1質量%以上であれば鋳型の強度がより向上し、25質量%以下であれば大幅なコスト上昇を抑えることができる。
<粘結剤組成物の製造方法>
粘結剤組成物は、例えばフルフリルアルコールと植物由来のフェノール類と、必要に応じて任意成分とを混合することで得られる。
植物由来のフェノール類は、予めアルデヒド類と反応させたものを使用することも可能である。ただし、この場合は、植物由来のフェノール類の樹脂化により高粘性となる傾向にあり、粘結剤組成物の粘度が上昇し、粘結剤組成物と後述する耐火性粒状材料とを混練しにくくなるおそれがある。よって、粘結剤組成物の粘度が上昇する場合は、水などを添加して粘度を調整することが好ましい。
また、粘結剤組成物が尿素とアルデヒド類との反応物を含有する場合、例えば以下のようにして製造すると、フルフリルアルコールに尿素とアルデヒド類との反応物が溶解した状態で得られるので好ましい。
まず、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類とを混合し、塩基性触媒(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)の水溶液を添加して、混合物のpHを9〜10に調整する。混合物を昇温して尿素とアルデヒド類とを反応させ(第1の付加反応)、例えば上述した尿素とアルデヒド類との付加物(メチロール化尿素)を得る。尿素とアルデヒド類との比率(アルデヒド類/尿素)は、モル比で1.5〜2.0が好ましい。
引き続き、反応液に酸性触媒(例えば、塩酸、硫酸等)を添加して、反応液のpHを2〜4に調整し、メチロール化尿素の縮合反応を進行させ、例えば上述したメチロール化尿素の縮合物(メチレン化尿素)を得る。
再度、反応液に塩基性触媒(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)の水溶液を添加して、反応液のpHを9〜10に調整し、さらに尿素を添加する。第1の付加反応では尿素に対して過剰のアルデヒド類を使用するため、反応液中には遊離のアルデヒド類が存在する。再度反応液のpHをアルカリ性とし、尿素をさらに添加することで、この遊離のアルデヒド類と尿素とが反応し(第2の付加反応)、尿素とアルデヒド類との付加物(メチロール化尿素)が得られる。
このように2段階で付加反応させる理由は以下の通りである。
すなわち、メチレン化尿素はフルフリルアルコール中に占める割合が多くなると、沈殿することがある。メチロール化尿素とメチレン化尿素とが、フルフリルアルコール中で適度な割合で存在していると、メチレン化尿素がフルフリルアルコール中で溶解した状態を維持できる。よって、上述したように、縮合反応の後に第2の付加反応を行い、メチロール化尿素を生成することが好ましい。
フルフリルアルコールの大部分は反応液中で遊離した状態で存在しているが、フルフリルアルコールの一部は尿素とアルデヒド類との反応において、アルデヒド類と反応してもよい。
メチロール化尿素とメチレン化尿素とはフルフリルアルコールに溶解した状態で得られる。これに、植物由来のフェノール類と、必要に応じて任意成分とを添加し、粘結剤組成物を得る。
なお、尿素とアルデヒド類との反応物は、フルフリルアルコールの非存在下で尿素とアルデヒド類とを反応させ、後からフルフリルアルコール等と混合してもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明の粘結剤組成物は、フルフリルアルコールと植物由来のフェノール類とを含有する。植物由来のフェノール類は、分子内に炭素数が15の炭化水素基(長鎖の炭化水素基)を有する。この長鎖の炭化水素基により、以下の理由により鋳型になりより性を付与することができると考えられる。
すなわち、鋳型の製造において硬化剤の作用により粘結剤組成物が硬化すると、フルフリルアルコールの三次元網目架橋構造が形成されるが、この三次元網目架橋構造に長鎖の炭化水素基を有する植物由来のフェノール類が取り込まれる。その結果、常温強度を維持しつつ、なりより性に優れる鋳型が得られる。しかも、三次元網目架橋構造に長鎖の炭化水素基を有する植物由来のフェノール類が取り込まれることで、鋳型の耐熱性も向上するので、高温時の鋳型強度も良好に維持できる。
本発明の粘結剤組成物を用いれば、なりより性に優れる鋳型が得られるので、鋳型の崩壊性に頼らなくても鋳型に注湯された溶融金属が凝固する際の収縮応力を減衰できる。よって、必要以上に鋳型の崩壊性を高める必要がなく、高温時の鋳型強度を低下させる必要もない。
また、本発明の粘結剤組成物を用いれば、耐熱性に優れた鋳型が得られるので、差し込み欠陥や砂噛み等の鋳造欠陥も抑制できる。
[鋳型造型用砂組成物]
本発明の鋳型造型用砂組成物(以下、単に「砂組成物」ともいう。)は、上述した本発明の粘結剤組成物と、耐火性粒状材料と、硬化剤とを含有する。
<耐火性粒状材料>
耐火性粒状材料としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用できる。また、使用済みの耐火性粒状材料を回収したもの(回収砂)や再生処理をしたもの(再生砂)なども使用できる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。特に耐火性を要求される部分には、クロマイト砂、ジルコン砂、アルミナ砂が好ましい。
<硬化剤>
硬化剤としては、キシレンスルホン酸等のスルホン酸系化合物、燐酸系化合物、硫酸など、従来公知のものを使用できる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、鋳型の常温強度や耐熱性がより高まる点で、スルホン酸系化合物が好ましい。
<含有量>
砂組成物における耐火性粒状材料と粘結剤組成物と硬化剤との混合比率は適宜設定できるが、耐火性粒状材料100質量部に対し、粘結剤組成物が0.3〜2質量部であることが好ましく、0.5〜1.5質量部であることがより好ましい。また、耐火性粒状材料100質量部に対し、硬化剤が0.045〜1.2質量部であることが好ましく、0.075〜0.9質量部であることがより好ましい。このような混合比率であると、充分な強度の鋳型が得られやすい。
また、砂組成物100質量%中の植物由来のフェノール類の含有量は、0.003〜0.8質量%であることが好ましく、0.005〜0.6質量%であることがより好ましい。砂組成物中の植物由来のフェノール類の含有量が上記範囲内であれば、なりより性及び耐熱性がより高い鋳型が得られる。
<砂組成物の製造方法>
砂組成物は、粘結剤組成物と耐火性粒状材料と硬化剤とを混合することで得られる。
混合方法としては、一般的な混合方法であれば特に限定はなく、例えば攪拌機などを用いる方法などが挙げられる。
<作用効果>
以上説明した本発明の砂組成物は、上述した本発明の粘結剤組成物を含有するので、常温強度を維持しつつ、なりより性に優れる鋳型が得られる。
また、本発明の砂組成物を用いれば、耐熱性に優れた鋳型が得られるので、差し込み欠陥や砂噛み等の鋳造欠陥も抑制できる。
[鋳型の製造方法]
本発明の砂組成物から鋳型を製造する方法としては、自硬性鋳型造型法を採用することができる。すなわち、本発明の砂組成物を鋳型造型用の所定の型に充填すると、砂組成物中の粘結剤組成物が硬化剤の作用により硬化する。その結果、鋳型を得ることができる。
本発明により得られる鋳型は、常温強度を維持しつつ、なりより性に優れる。しかも、本発明により得られる鋳型は耐熱性にも優れるので、差し込み欠陥や砂噛み等の鋳造欠陥も抑制できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例で得られたテストピース(鋳型)の各物性の測定は以下の方法で行った。
(水の含有量の測定)
酸硬化性樹脂の水の含有量は、JIS K 0068の化学製品の水分試験方法によって求めた。
(窒素原子含有量の測定)
窒素原子含有量は、JIS K 0102の工場排水試験方法の滴定法によって求めた。
(圧縮強度の測定)
各実施例及び比較例で得られたテストピースの圧縮強度(鋳型強度)は、JIS Z 2601の鋳物砂の試験方法に準じて、卓上抗圧力試験機(高千穂機械株式会社製)を用いることで測定した。
(嵩密度の測定)
各実施例及び比較例で得られたテストピースの嵩密度は、下記一般式(I)により求めた。質量測定に用いた電子天秤には、METTLER PM 4000(日本シイベルヘグナー株式会社製)を用いた。
なお、嵩密度は木型に略同質量の砂組成物が充填されたことを確認するために測定している。
テストピースの嵩密度(g/cm)=テストピースの質量(g)/テストピースの体積(cm)・・・(I)
(なりより性の評価)
各実施例及び比較例で得られたテストピースのなりより性は、「鋳型の生産技術」(財団法人素形材センター、平成7年1月20日、p411〜412)に記載の「鋳型の熱間ひずみ試験」に準拠し、図1に示す熱間ひずみ試験機10を用いて以下のようにして評価した。
テストピースの大きさは、25.4mm×6.35mm×114.3mmとした。
図1に示すように、クランプ11でテストピース12の長手方向の一端を挟持して固定し、テストピース12の他端側の上面に30gの重り13を載せた。
次いで、テストピース12の下面の中心部を電気ヒーター14で800℃に加熱した。テストピース12を加熱すると、熱膨張によりテストピース12は上方向に曲がるが、その後、重り13により上方向の曲がりは止まり、下方向に曲がり始め最終的に破断する。
加熱開始から3分経過した後のテストピース12の変位量をレーザー変位計15で測定した。変位量が大きいほど、なりより性に優れることを意味する。
[実施例1]
<粘結剤組成物の調製>
温度計、冷却器及び攪拌機を備えた4つ口フラスコに、フルフリルアルコール827.1質量部と、尿素24.18質量部と、92質量%パラホルムアルデヒド33.9質量部と、15質量%水酸化ナトリウム水溶液2.0質量部とを投入し、80℃で1時間反応させた(第1の付加反応)。その後、10質量%塩酸3.0質量部添加して、さらに3時間反応させた(縮合反応)。その後、15質量%水酸化ナトリウム水溶液2.0質量部と、尿素14.82質量部とを添加して、さらに30分間反応させて(第2の付加反応)、反応混合物を得た。得られた反応混合物に、市販の蒸留精製CNSL(東北化工株式会社製、商品名「LB−7000」、125℃での不揮発分99.5質量%、この不揮発分中のモノマー比率100質量%(モノマー全体に対する、カルダノール比率90質量%、カードル比率10質量%))101質量部と、シランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)2質量部とを添加し、粘結剤組成物1010質量部を得た。
得られた粘結剤組成物100質量%中の、フルフリルアルコールの含有量は81.9質量%であり、尿素とパラホルムアルデヒドとの反応物の含有量は6.9質量%であり、蒸留精製CNSLの含有量は10.0質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であり、水の含有量は1.0質量%であった。また、粘結剤組成物100質量%中の窒素原子含有量は、1.8質量%であった。
<砂組成物の製造>
珪砂(三菱商事建材株式会社製、フリーマントル新砂)100質量部に、先に得られた粘結剤組成物1質量部と、硬化剤(キシレンスルホン酸35質量%と硫酸6%とを含有する濃度41質量%水溶液)0.4質量部とを添加し、品川式万能攪拌機(株式会社品川工業所製、MIXER)で混練して、砂組成物を得た。
<テストピースの製造1>
得られた砂組成物の一部を、直ちに温度25℃、湿度40%の条件下、内径50mm、高さ50mmの円柱状の型が形成されたテストピース作製用木型に充填して硬化させ、硬化開始から1時間経過後にテストピースを取り出した(抜型時間1時間)。
得られたテストピースについて、硬化開始から1時間、3時間及び24時間経過後の圧縮強度と嵩密度を測定した。結果を表1に示す。
<テストピースの製造2>
得られた砂組成物の一部を、直ちに温度25℃、湿度40%の条件下、縦内径25.4mm、横内径6.35mm、高さ114.3mmの直方体状の型が形成されたテストピース作製用金型に充填して硬化させ、硬化開始から24時間経過後にテストピースを取り出した(抜型時間24時間)。
得られたテストピースについて、なりより性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
フルフリルアルコールの量を726.1質量部に変更し、蒸留精製CNSLの量を202質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘結剤組成物を調製し、得られた粘結剤組成物を用いて砂組成物及びテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた粘結剤組成物100質量%中の、フルフリルアルコールの含有量は71.9質量%であり、尿素とパラホルムアルデヒドとの反応物の含有量は6.9質量%であり、蒸留精製CNSLの含有量は20.0質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であり、水の含有量は1.0質量%であった。また、粘結剤組成物100質量%中の窒素原子含有量は、1.8質量%であった。
[実施例3]
フルフリルアルコールの量を625.1質量部に変更し、蒸留精製CNSLの量を303質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘結剤組成物を調製し、得られた粘結剤組成物を用いて砂組成物及びテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた粘結剤組成物100質量%中の、フルフリルアルコールの含有量は61.9質量%であり、尿素とパラホルムアルデヒドとの反応物の含有量は6.9質量%であり、蒸留精製CNSLの含有量は30.0質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であり、水の含有量は1.0質量%であった。また、粘結剤組成物100質量%中の窒素原子含有量は、1.8質量%であった。
[実施例4]
フルフリルアルコールの量を625.1質量部に変更し、蒸留精製CNSLに代えて工業用CNSL(東北化工株式会社製、商品名「CNSL(工業用)」、125℃での不揮発分99.0質量%、この不揮発分中のモノマー比率80質量%(モノマー全体に対する、カルダノール比率82質量%、カードル比率18質量%、)303質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして粘結剤組成物を調製し、得られた粘結剤組成物を用いて砂組成物及びテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた粘結剤組成物100質量%中の、フルフリルアルコールの含有量は61.9質量%であり、尿素とパラホルムアルデヒドとの反応物の含有量は6.9質量%であり、工業用CNSLの含有量は30.0質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であり、水の含有量は1.0質量%であった。また、粘結剤組成物100質量%中の窒素原子含有量は、1.8質量%であった。
[比較例1]
フルフリルアルコールの量を928.1質量部に変更し、蒸留精製CNSLを用いなかった以外は、実施例1と同様にして粘結剤組成物を調製し、得られた粘結剤組成物を用いて砂組成物及びテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた粘結剤組成物100質量%中の、フルフリルアルコールの含有量は91.9質量%であり、尿素とパラホルムアルデヒドとの反応物の含有量は6.9質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であり、水の含有量は1.0質量%であった。また、粘結剤組成物100質量%中の窒素原子含有量は、1.8質量%であった。
[比較例2]
フルフリルアルコールの量を928.1質量部に変更し、蒸留精製CNSLを用いなかった以外は、実施例1と同様にして粘結剤組成物を調製した。得られた粘結剤組成物100質量%中の、フルフリルアルコールの含有量は91.9質量%であり、尿素とパラホルムアルデヒドとの反応物の含有量は6.9質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であり、水の含有量は1.0質量%であった。また、粘結剤組成物100質量%中の窒素原子含有量は、1.8質量%であった。
得られた粘結剤組成物を用い、硬化剤として燐酸51質量%と硫酸5%とを含有する濃度56質量%水溶液0.4質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして砂組成物及びテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
温度計、冷却器及び攪拌機を備えた4つ口フラスコに、フェノール235.3質量部と、48質量%水酸化ナトリウム水溶液106.2質量部と、48質量%水酸化カリウム水溶液87.5質量部と、水242.9質量部とを投入し、これに50質量%ホルマリン300質量部を約1時間かけて滴下し、内温90℃で3時間反応させた後、シランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)10質量部添加し、アルカリフェノール樹脂981.9質量部を得た。
珪砂(三菱商事建材株式会社製、フリーマントル新砂)100質量部に、先に得られたアルカリフェノール樹脂1.5質量部と、硬化剤(トリエチレングリコールジアセテート)0.3質量部とを添加し、品川式万能攪拌機(株式会社品川工業所製、MIXER)で混練して、砂組成物を得た。
得られた砂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006330242
表1の結果より、実施例1〜4で得られたテストピースは、常温強度が高かった。また、実施例1〜4で得られたテストピースは、加熱しても割れることなく変位でき、なりより性にも優れていた。これらの結果より、本発明の粘結剤組成物を用いて得られる鋳型は、常温時の取り扱いが容易であり、注湯時の熱間亀裂の防止、砂噛み欠陥及び差し込み欠陥の防止に有効であり、優れた鋳型であることが確認された。
対して、比較例1で得られたテストピースは、常温強度は高いものの、加熱した際の変位量が小さく、なりより性に劣っていた。このような、なりより性の低い鋳型は、注湯時の熱間亀裂を誘発する要因となる。
比較例2で得られたテストピースは、実施例1〜4で得られたテストピースに比べて常温強度が低かった。また、なりより性の評価において試験中にテストピースが折れたことから、比較例2で得られたテストピースは、熱間亀裂は発生しにくいものと考えられるが、耐熱性に劣るため、注湯時に砂噛み欠陥や差し込み欠陥を誘発する要因となるものと考えられる。
粘結剤としてアルカリフェノール樹脂を用いた比較例3で得られたテストピースは、高温時に鋳型が割れることなく変位しており、各実施例で得られたテストピースと同程度のなりより性を有していた。しかし、常温強度が特に低かった。
[実施例5]
フルフリルアルコール898質量部と、蒸留精製CNSL100質量部と、シランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)2質量部とを混合し、粘結剤組成物1000質量部を得た。得られた粘結剤組成物100質量%中の、フルフリルアルコールの含有量は89.8質量%であり、蒸留精製CNSLの含有量は10.0質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であった。
得られた粘結剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして砂組成物及びテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例6]
フルフリルアルコール798質量部と、蒸留精製CNSL200質量部と、シランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)2質量部とを混合し、粘結剤組成物1000質量部を得た。得られた粘結剤組成物100質量%中の、フルフリルアルコールの含有量は79.8質量%であり、蒸留精製CNSLの含有量は20.0質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であった。
得られた粘結剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして砂組成物及びテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例7]
フルフリルアルコール698質量部と、蒸留精製CNSL300質量部と、シランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)2質量部とを混合し、粘結剤組成物1000質量部を得た。得られた粘結剤組成物100質量%中の、フルフリルアルコールの含有量は69.8質量%であり、蒸留精製CNSLの含有量は30.0質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であった。
得られた粘結剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして砂組成物及びテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例4]
フルフリルアルコール998質量部と、シランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)2質量部とを混合し、粘結剤組成物1000質量部を得た。得られた粘結剤組成物100質量%中のフルフリルアルコールの含有量は99.8質量%であり、シランカップリング剤の含有量は0.2質量%であった。
得られた粘結剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして砂組成物及びテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006330242
表2の結果より、実施例5〜7で得られたテストピース及び比較例4で得られたテストピースは、常温強度が同程度であった。
しかし、実施例5〜7で得られたテストピースは加熱しても割れることなく変位でき、なりより性にも優れていたが、比較例4で得られたテストピースは加熱した際の変位量が小さく、なりより性に劣っていた。
これらの結果より、本発明の粘結剤組成物を用いて得られる鋳型は、常温時の取り扱いが容易であり、注湯時の熱間亀裂の防止、砂噛み欠陥及び差し込み欠陥の防止に有効であり、優れた鋳型であることが確認された。
一方、比較例4のように、なりより性の低い鋳型は、注湯時の熱間亀裂を誘発する要因となる。
10 熱間ひずみ試験機
11 クランプ
12 テストピース
13 重り
14 電気ヒーター
15 レーザー変位計

Claims (4)

  1. フルフリルアルコール及び植物由来のフェノール類を含有する鋳型造型用粘結剤組成物と、耐火性粒状材料と、硬化剤とを含有する鋳型造型用砂組成物を鋳型製造用の型に充填し、前記鋳型造型用砂組成物に含まれる鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる、鋳型へのなりより性の付与方法であって、
    前記植物由来のフェノール類は、カシューナット殻液、カルダノール、カードル、2−メチルカードル及びアナカルド酸からなる群より選ばれる1種以上である、鋳型へのなりより性の付与方法
  2. 前記鋳型造型用粘結剤組成物は、尿素とアルデヒド類との反応生成物をさらに含有する、請求項1に記載の鋳型へのなりより性の付与方法。
  3. 前記アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、グリオキザール及びフルフラールからなる群より選ばれる1種以上である、請求項2に記載の鋳型へのなりより性の付与方法。
  4. 前記鋳型造型用粘結剤組成物100質量%中、前記植物由来のフェノール類の含有量が1〜40質量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の鋳型へのなりより性の付与方法。
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