JP6277545B2 - 酸硬化性樹脂用硬化剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、酸硬化性樹脂用硬化剤組成物に関する。
従来、鋳造用鋳型の一つとして自硬性鋳型が知られている。自硬性鋳型とは、珪砂等の耐火性粒状材料に、酸硬化性樹脂を主成分とした粘結剤と、キシレンスルホン酸等の有機酸や、硫酸、リン酸等の無機酸などの硬化剤とを添加、混練した後、得られた混練砂を型に充填し、粘結剤を硬化させる方法で製造されているものである。
酸硬化性樹脂の硬化の進みやすさは気温に依存しやすく、温度が高くなるほど硬化が進行しやすい。また、耐火性粒状材料としては新砂や再生砂を用いるが、再生砂は再生時の摩擦熱がこもる傾向にあり、特に夏場などの気温が高い場合には再生砂が冷えにくく、再生砂の温度(砂温)が高い状態で鋳型の製造に用いられることもある。
例えば、冬場や砂温が低い場合は、硬化が進行しにくいため、硬化剤の配合量を増やすなどして硬化速度を速めることがある。
一方、夏場や砂温が高い場合は、硬化が進行しやすいため、得られた混練砂を型に充填するための可使時間を充分に確保できない。そこで、通常は、水やアルコール等の溶媒で硬化剤を希釈し、硬化剤の酸価を下げることで硬化速度を調整し、可使時間を確保している。
しかし、硬化剤を溶媒で希釈した場合、鋳型内に残留する溶媒量(水分量など)が増大し、鋳型強度が著しく低下しやすかった。
そこで、水やアルコール等の溶媒に代えて、リンゴ酸やマレイン酸等の有機カルボン酸を用いた有機自硬性鋳型用組成物が提案されている(例えば特許文献1参照)。有機カルボン酸は50〜60℃以上の高温では硬化作用を示すが、40℃以下では充分な硬化作用を示さず、水やアルコール等の溶媒と同様に、硬化剤の希釈剤として作用する。
また、クエン酸等のオキシカルボン酸を含む硬化剤組成物が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかし、特許文献2に記載の硬化剤組成物は、硬化速度を低下させずにスルホン酸の含有量を減らすことを課題としており、硬化速度を抑制して可使時間を長くすることは、全く想定されていない。
特開昭55−86642号公報 特開平11−90580号公報
特許文献1に記載の有機自硬性鋳型用組成物の場合、充分な鋳型強度を得るために必要な量の有機カルボン酸を配合すると、可使時間を充分に確保することが困難であった。
このように、夏場や砂温が高い場合など、硬化が進行しやすい環境下においては、可使時間と鋳型強度とを両立することは困難であった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、夏場や砂温が高い場合において、可使時間を充分に確保でき、しかも強度の高い鋳型を製造できる酸硬化性樹脂用硬化剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]有機スルホン酸と、カルボン酸と、水と、任意に炭素数3以下のアルコールとを含み、前記カルボン酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計を100質量%としたときに、カルボン酸の含有量が10〜90質量%であり、かつ、前記カルボン酸は、当該カルボン酸の全量を100質量%としたときに、50質量%以上の乳酸を含む、酸硬化性樹脂用硬化剤組成物。
[2]前記カルボン酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計を100質量%としたときに、炭素数3以下のアルコールの含有量が3〜25質量%である、[1]に記載の酸硬化性樹脂用硬化剤組成物。
[3]当該酸硬化性樹脂用硬化剤組成物100質量%中、前記有機スルホン酸の含有量が10〜30質量%であり、前記カルボン酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計が70〜90質量%である、[1]または[2]に記載の酸硬化性樹脂用硬化剤組成物。
本発明の酸硬化性樹脂用硬化剤組成物によれば、夏場や砂温が高い場合において、可使時間を充分に確保でき、しかも強度の高い鋳型を製造できる。
以下の明細書において、「鋳型」とは、本発明の酸硬化性樹脂用硬化剤組成物を含む自硬性鋳型造型用砂組成物を用いて造型してなるものである。
また、「自硬性鋳型造型用砂組成物」とは、外部からの加熱や炭酸ガスの通気などを行わなくても常温で硬化する性質を有する組成物のことである。
また、「砂温が高い」とは、砂温が30℃以上の場合をいい、通常は30〜50℃である。
[酸硬化性樹脂用硬化剤組成物]
本発明の酸硬化性樹脂用硬化剤組成物(以下、単に「硬化剤組成物」ともいう。)は、酸硬化性樹脂を硬化させるものであり、有機スルホン酸と、カルボン酸と、水とを必須成分として含み、任意成分として炭素数3以下のアルコールを含む。
<有機スルホン酸>
有機スルホン酸は、スルホ基が炭素骨格に置換した有機化合物のことであり、硬化剤の役割を果たす。
有機スルホン酸としては、キシレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、硬化剤としての性能に優れ、しかも常温で液体である点で、キシレンスルホン酸が好ましい。
<カルボン酸>
カルボン酸は、温度が低い時は硬化作用を示さないが、温度が高くなると硬化作用を発揮して硬化剤の役割を果たす。
カルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、シュウ酸、酢酸、安息香酸などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。ただし、少なくとも乳酸は用いるものとする。
カルボン酸として少なくとも乳酸を用いることで、夏場や砂温が高い場合において、可使時間を充分に確保でき、しかも強度の高い鋳型を製造できる硬化剤組成物が得られる。
<任意成分>
(炭素数3以下のアルコール)
有機スルホン酸、特にキシレンスルホン酸は水に溶けにくい。また、水に溶解していても、硬化剤組成物の運搬時や保管時に温度が下がると析出することもある。
炭素数3以下のアルコールは、有機スルホン酸に対する溶解性に優れる。よって、硬化剤組成物が炭素数3以下のアルコールを含有してれば、保存安定性に優れる。
炭素数3以下のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2プロパノールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、有機スルホン酸の溶解性に特に優れ、コストが安い点で、メタノールが好ましい。
(その他の成分)
本発明の硬化剤組成物は、炭素数3以下のアルコール以外の任意成分(その他の成分)を含有していてもよい。
その他の成分としては、例えばリン酸、硫酸等の無機酸などが挙げられる。
<組成>
硬化剤組成物に含まれる各成分の含有量は以下の通りである。
カルボン酸の全量を100質量%としたときに、乳酸の含有量は50質量%以上であり、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましく、100質量%(すなわち、乳酸以外のカルボン酸を含まないこと)が最も好ましい。乳酸の含有量が50質量%以上であれば、可使時間を充分に確保でき、しかも強度の高い鋳型を製造できる硬化剤組成物が得られる。
乳酸の含有量が50質量%未満であると、すなわち乳酸以外のカルボン酸が50質量%以上含まれていると、硬化反応の初期の段階において硬化反応が充分に阻害されにくく、可使時間を充分に確保できないばかりか、鋳型の強度も充分に得られない。また、乳酸以外のカルボン酸として例えばリンゴ酸やマレイン酸などが50質量%以上含まれていると、臭気が強くなり作業環境に悪影響を生じることもある。
また、硬化剤組成物100質量%中、乳酸の含有量は10〜70質量%が好ましい。乳酸の含有量が多くなるに連れて鋳型の強度は高くなる傾向にあるが、その一方で製造コストも上がる傾向にある。鋳型の強度を重視するのであれば、硬化剤組成物100質量%中の乳酸の含有量は30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。一方、製造コストを重視するのであれば、硬化剤組成物100質量%中の乳酸の含有量は50質量%以下がより好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
カルボン酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計を100質量%としたときに、カルボン酸の含有量は10〜90質量%であり、20〜75質量%が好ましく、35〜65質量%がより好ましい。カルボン酸の含有量が多くなるに連れて得られる鋳型の強度は高くなる傾向にあり、カルボン酸の含有量が少なくなるに連れて可使時間が長くなる傾向にある。カルボン酸の含有量が上記範囲内であれば、可使時間を充分に確保でき、しかも強度の高い鋳型を製造できる硬化剤組成物が得られる。また、カルボン酸、特に乳酸の含有量が少ないほど、製造コストを削減することもできる。
カルボン酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計を100質量%としたときに、炭素数3以下のアルコールの含有量は3〜25質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、3〜15質量%がさらに好ましく、3〜10質量%が特に好ましい。炭素数3以下のアルコールの含有量が3質量%以上であれば、硬化剤組成物中でのカルボン酸の溶解性がより向上し、保存安定性に優れた硬化剤組成物が得られやすくなる。一方、炭素数3以下のアルコールの含有量が25質量%以下であれば、鋳型の強度を良好に維持できる。
硬化剤組成物100質量%中、有機スルホン酸の含有量は10〜30質量%が好ましく、カルボン酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計は、70〜90質量%が好ましい。また、有機スルホン酸とカルボン酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計は、硬化剤組成物100質量%中、80質量%以上が好ましく、90質量%がより好ましく、100質量%(すなわち、その他の成分を含まないこと)が特に好ましい。
有機スルホン酸の含有量が少なすぎると、硬化速度が極端に遅くなる傾向にあり、鋳型の製造に時間がかかる。一方、有機スルホン酸の含有量が多すぎると、カルボン酸の効果が充分に得られにくくなることがある。
有機スルホン酸の含有量が上記範囲内であれば、可使時間と鋳型強度のバランスにより優れる硬化剤組成物が得られる。
カルボン酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計が上記範囲内であれば、硬化剤組成物中に有機スルホン酸を適量配合することができるため、可使時間と鋳型強度のバランスにより優れる硬化剤組成物が得られる。
<硬化剤組成物の製造方法>
本発明の硬化剤組成物は、一般的な製法で得ることができる。
すなわち、有機スルホン酸に、カルボン酸および水と、必要に応じて炭素数3以下のアルコールや他の成分を添加し、混合することで得られる。
<作用効果>
以上説明した本発明の硬化剤組成物は、有機スルホン酸と、特定量のカルボン酸と、水とを含有し、カルボン酸として少なくとも特定量の乳酸を含む。上述したように、カルボン酸は温度が低い時は硬化作用を示さないが、温度が高くなると硬化作用を発揮して硬化剤の役割を果たす。特に乳酸は、可使時間を確保する効果を充分に発揮しながら、得られる鋳型の強度も充分とすることができる。かかる理由は以下のように推測される。
乳酸は、ヒドロキシ基を有しており、酸硬化性樹脂の原料に用いられるフルフリルアルコールもヒドロキシ基を有するため、相溶性に優れると考えられる。また、乳酸は立体障害が小さい化合物であるため、本発明の硬化剤組成物と後述する酸硬化性樹脂とが混合した際に、乳酸が反応系の全体に行き渡りやすいと考えらえる。よって、硬化反応の初期の段階では、フルフリルアルコール同士の縮合反応を充分に阻害し、反応が硬化作用を求められる段階になった際には、反応系全体に存在する乳酸が硬化剤としての機能を発揮し、充分に酸硬化性樹脂を硬化させて、高い強度をもたらすものと考えられる。これに対して、例えばマレイン酸のようにフルフリルアルコールとの相溶性に優れず、立体障害の大きい化合物は、酸硬化性樹脂内に充分に行き渡らず、反応阻害剤としての機能を発揮しきれないものと考えられる。
よって、カルボン酸として少なくとも特定量の乳酸を含む本発明の硬化剤組成物は、酸硬化性樹脂と混ざり合い硬化反応が開始すると、初期の段階では乳酸が硬化反応の阻害剤として機能すると考えられる。その結果、硬化速度が速まることを抑制でき、可使時間を充分に確保できる。また、硬化反応が進行して反応系の温度が次第に上がっていくと、乳酸が硬化剤として充分に機能すると考えられる。その結果、強度の高い鋳型が得られる。
このように、本発明の硬化剤組成物であれば、夏場や砂温が高い場合において、可使時間を充分に確保でき、しかも強度の高い鋳型を製造できる。
[自硬性鋳型造型用砂組成物]
自硬性鋳型造型用砂組成物(以下、単に「砂組成物」ともいう。)は、耐火性粒状材料と、酸硬化性樹脂と、本発明の硬化剤組成物とを含有する。
<耐火性粒状材料>
耐火性粒状材料としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用できる。また、使用済みの耐火性粒状材料を回収したもの(回収砂)や再生処理をしたもの(再生砂)なども使用できる。
<酸硬化性樹脂>
酸硬化性樹脂とは、一般的にフルフリルアルコール、尿素、フェノール、ホルムアルデヒド等を主原料としている樹脂で、酸により脱水反応しながら重縮合し、硬化するものである。酸硬化性樹脂は、粘結剤の役割を果たす。
酸硬化性樹脂としては、フルフリルアルコール、フェノール類および尿素よりなる群から選ばれる1種又は2種以上とアルデヒド類との縮合物又は共縮合物の1種又は2種以上、並びにフルフリルアルコールを含むものを用いることが好ましい。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、フルフラール等が挙げられる。これらは2種以上を組み合わせて使用してもよい。ただし、縮合物の種類によっては、アルデヒド類としてグリオキザールやフルフラールを単独で使用した際には、酸硬化が進行しない場合もある。そのような場合には、アルデヒド類として少なくともホルムアルデヒドを使用すればよい。
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールZなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、フェノール類とアルデヒド類の縮合物を製造する場合には、フェノール類1モルに対して、アルデヒド類を1〜3モル使用することが好ましい。アルデヒド類の使用量が1モル以上であれば、重合度の低い縮合物となるため、可使時間の設定がより容易となる。一方、アルデヒド類の使用量が3モル以下であれば、重合度の高い縮合物となるため、鋳型強度発現がより良好となる。
フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物を製造する場合には、フルフリルアルコール1モルに対して、アルデヒド類を0.1〜1モル使用することが好ましい。アルデヒド類の使用量が0.1モル以上であれば、重合度の低い縮合物となるため、可使時間の設定がより容易となる。一方、アルデヒド類の使用量が1モル以下であれば、重合度の高い縮合物となるため、最終鋳型強度発現がより良好となる。
また、尿素等を由来とする窒素原子含有量は、酸硬化性樹脂100質量%あたり、0.1〜6質量%の範囲となるようにすることが好ましく、0.1〜4.5質量%であることがより好ましい。
窒素原子含有量は鋳型の初期強度および最終強度に影響を与えるものであり、窒素原子含有量が低い場合には鋳型の初期強度が高くなる傾向にあり、窒素原子含有量が高い場合には鋳型の最終強度が高くなる傾向にある。
従って、必要に応じて窒素原子含有量を適宜調節することが好ましく、窒素原子含有量が上記範囲内であれば、初期強度と最終強度が共に好ましい鋳型を得ることが可能である。
酸硬化性樹脂の特に好ましい態様として以下の4つが挙げられる。なお、以下における(共)縮合物とは、縮合物および共縮合物の少なくとも一方を意味する。
i)尿素、フルフリルアルコールおよびアルデヒド類を縮合させて得られる(共)縮合物と、フルフリルアルコールの混合物。
ii)尿素とアルデヒド類の縮合物と、フルフリルアルコールの混合物。
iii)尿素、フルフリルアルコールおよびアルデヒド類を縮合させて得られる(共)縮合物と、フェノールとアルデヒド類の縮合物と、フルフリルアルコールの混合物。
iv)フェノールとアルデヒド類の縮合物と、フルフリルアルコールの混合物。
酸硬化性樹脂がこのようなi)〜iv)の態様であると、可使時間の設定がより容易で、且つ鋳型強度をより向上させることができる砂組成物が得られるので好ましい。
i)の態様においては、酸硬化性樹脂に占める尿素、フルフリルアルコールおよびアルデヒド類を縮合させて得られる(共)縮合物の比率は15〜45質量%であると好ましく、25〜35質量%であるとより好ましい。フルフリルアルコールの比率は55〜85質量%であると好ましく、65〜75質量%であるとより好ましい。
ii)の態様においては、酸硬化性樹脂に占める尿素とアルデヒド類の縮合物の比率は3.5〜20質量%であると好ましく、6.9〜13.5質量%であるとより好ましい。フルフリルアルコールの比率は80〜96.5質量%であると好ましく、86.5〜93.1質量%であるとより好ましい。
iii)の態様においては、酸硬化性樹脂に占める尿素、フルフリルアルコールおよびアルデヒド類を縮合させて得られる(共)縮合物の比率は7.5〜22.5質量%であると好ましく、12.5〜17.5質量%であるとより好ましい。フェノールとアルデヒド類の縮合物の比率は、7.5〜22.5質量%であると好ましく、12.5〜17.5質量%であるとより好ましい。フルフリルアルコールの比率は55〜85質量%であると好ましく、65〜75質量%であるとより好ましい。
iv)の態様においては、酸硬化性樹脂に占めるフェノールとアルデヒド類の縮合物の比率は10〜40質量%であると好ましく、20〜30質量%であるとより好ましい。フルフリルアルコールの比率は60〜90質量%であると好ましく、70〜80質量%であるとより好ましい。
酸硬化性樹脂は、一般的な製法で得ることができる。その一例を以下に示す。
まず、酸硬化性樹脂の原料(フルフリルアルコール、アルデヒド類、尿素およびフェノール類等)の一部に水酸化ナトリウム水溶液などを混合してアルカリ性とし、昇温して(共)縮合物を生成する。次に、塩酸等を用いて酸性にし、尿素とアルデヒド類の縮合物等の反応を進行させた後、再びアルカリ性にし、残りの酸硬化性樹脂の原料を混合して酸硬化性樹脂を得る。
なお、ここで添加する塩酸は量が少ないため、硬化反応まで進行しない。また、未反応のフルフリルアルコールは酸硬化性樹脂全体を低粘度にさせるための希釈剤の役割を果たし、硬化反応においては樹脂化して硬化物となる。
このようにして得られる酸硬化性樹脂中には、通常、(共)縮合物を合成する際に生じる結合水由来の水が含まれる。酸硬化性樹脂の水分量は、製法の条件や酸硬化性樹脂の分子量などによって変わるが、多いものでは15質量%以上の水分量を有する酸硬化性樹脂もある。
酸硬化性樹脂の含有量は、耐火性粒状材料100質量部に対して0.3〜2.0質量部が好ましく、0.5〜1.0質量部がより好ましい。酸硬化性樹脂の含有量が0.3質量部以上であれば、強度がより高い鋳型が得られやすい。一方、酸硬化性樹脂の含有量が2.0質量部以下であれば、注湯後の鋳型を解体しやすくなる。
<硬化剤組成物>
硬化剤組成物の含有量は、耐火性粒状材料100質量部に対して0.12〜0.8質量部が好ましく、0.2〜0.4質量部がより好ましい。硬化剤組成物の含有量が上記範囲内であれば、強度がより高い鋳型が得られやすい。
<砂組成物の製造方法>
砂組成物は、一般的な製法で得ることができる。
すなわち、耐火性粒状材料に酸硬化性樹脂と硬化剤組成物とを同時に添加したり、耐火性粒状材料に硬化剤組成物を添加した後に酸硬化性樹脂を添加したり、耐火性粒状材料に酸硬化性樹脂を添加した後に硬化剤組成物を添加したりして、各成分を混練することで得られる。
このようにして得られる砂組成物は、酸硬化性樹脂を硬化させる硬化剤成分として、上述した本発明の硬化剤組成物を含有する。よって、夏場や砂温が高い場合において、可使時間を充分に確保でき、しかも強度の高い鋳型を製造できる。
[鋳型の製造方法]
鋳型は、上述した砂組成物を用い、該砂組成物を鋳型製造用の型に充填し、砂組成物を硬化させることで製造される。
鋳型を製造する方法としては、自硬性鋳型造型法を採用することができる。すなわち、砂組成物を鋳型造型用の所定の型に充填すると、砂組成物が硬化剤の作用により硬化する。その結果、鋳型を得ることができる。
鋳型の製造に用いる砂組成物は、本発明の硬化剤組成物を含有している。よって、本発明によれば、夏場や砂温が高い場合において、可使時間を充分に確保でき、しかも強度の高い鋳型を製造できる。
なお、冬場や砂温が低い場合は、硬化が進行しにくくなる。よって、硬化剤成分として本発明の硬化剤組成物のみを含有する砂組成物を用いた場合、充分な硬化速度が得られないことがある。このような場合には、硬化速度の速い硬化剤組成物を本発明の硬化剤組成物と併用し、混合比を調節して硬化速度を調整することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例および比較例で得られたテストピース(鋳型)の各物性の測定は以下の方法で行った。
なお、実施例1、2は参考例である。
(水の含有量の測定)
酸硬化性樹脂の水の含有量は、JIS K 0068の化学製品の水分試験方法によって求めた。
(窒素原子含有量の測定)
酸硬化性樹脂の窒素原子含有量は、JIS K 0102の工場排水試験方法の滴定法によって求めた。
(可使時間の測定)
可使時間は、JACT試験法HM−2によって求めた。
(鋳型強度の測定)
各実施例および比較例で得られたテストピースの鋳型強度(圧縮強度)は、JIS Z 2601の鋳物砂の試験方法に準じて、卓上抗圧力試験機(高千穂機械株式会社製)を用いることで測定した。
(嵩密度の測定)
各実施例および比較例で得られたテストピースの嵩密度は、下記一般式(I)により求めた。質量測定に用いた電子天秤には、METTLER PM 4000(日本シイベルヘグナー株式会社製)を用いた。
なお、嵩密度は木型に略同質量の混練砂が充填されたことを確認するために測定している。
テストピースの嵩密度(g/cm)=テストピースの質量(g)/テストピースの体積(cm)・・・(I)
[実施例1]
<硬化剤組成物の調製>
キシレンスルホン酸20質量部と、乳酸10質量部と、水65質量部と、メタノール5質量部とを混合し、硬化剤組成物を得た。
<酸硬化性樹脂の調製>
フルフリルアルコール851.69質量部と、尿素46.30質量部と、92質量%パラホルムアルデヒド64.91質量部と、15質量%水酸化ナトリウム水溶液1.10質量部とを、温度計、冷却器および攪拌機を備えた4つ口フラスコ中に入れて80℃で1時間反応させた。その後、10質量%塩酸3.30質量部を添加して、さらに3時間反応させた。その後、15質量%水酸化ナトリウム水溶液2.20質量部と、尿素28.50質量部とを添加して、さらに30分間反応させ、その後、シランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)2.00質量部を添加し、シランカップリング剤添加済みの酸硬化性樹脂1000質量部を得た。
得られた酸硬化性樹脂1000質量部における水の含有量(水分量)は4.5質量%であり、酸硬化性樹脂と水との合計量に対する窒素原子含有量は3.5質量%であった。
<砂組成物の製造>
50℃に加熱した珪砂(三菱商事建材株式会社製、フリーマントル新砂)100質量部に、酸硬化性樹脂0.80質量部と、硬化剤組成物0.32質量部とを同時に添加し、品川式万能攪拌機(株式会社品川工業所製、MIXER)で混練して、砂組成物を得た。
得られた砂組成物について、可使時間を測定した。結果を表1に示す。
<テストピースの製造>
得られた砂組成物を、温度30℃、湿度50%の条件下、内径50mm、高さ50mmの型が形成されたテストピース作製用木型に充填して硬化させ、硬化開始から24時間経過後にテストピースを取り出した。
得られたテストピースについて、鋳型強度と嵩密度を測定した。各結果を表1に示す。
[実施例2〜7]
乳酸および水の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化剤組成物を調製し、得られた硬化剤組成物を用いて砂組成物およびテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
乳酸および水の配合量を表1に示す量に変更し、かつメタノールを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして硬化剤組成物を調製し、得られた硬化剤組成物を用いて砂組成物およびテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
乳酸および水の配合量を表2に示す量に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化剤組成物を調製し、得られた硬化剤組成物を用いて砂組成物およびテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例2〜4]
キシレンスルホン酸、水、およびメタノールの配合量を表2に示す量に変更し、かつ乳酸を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして硬化剤組成物を調製し、得られた硬化剤組成物を用いて砂組成物およびテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例5〜14]
乳酸の代わりに、表2、3に示す量のカルボン酸を用い、かつ水の配合量を表2、3に示す量に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化剤組成物を調製し、得られた硬化剤組成物を用いて砂組成物およびテストピースを製造し、各種測定を行った。結果を表2、3に示す。
Figure 0006277545
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表1〜3中の配合比(乳酸/(B))は、カルボン酸の全量を100質量%としたときの乳酸の配合量である。また、配合比((B)/(B+C+D))は、カルボン酸と水とメタノールの配合量の合計を100質量%としたときのカルボン酸の配合量である。また、配合比((D)/(B+C+D))は、カルボン酸と水とメタノールの配合量の合計を100質量%としたときのメタノールの配合量である。また、配合比((A)/硬化剤組成物)は、硬化剤組成物100質量%中のキシレンスルホン酸の含有量である。配合比((B+C+D)/硬化剤組成物)は、硬化剤組成物100質量%中のカルボン酸と水とメタノールの含有量の合計である。
表1から明らかなように、各実施例で得られた砂組成物は、充分な可使時間を有していた。また、各実施例で得られた鋳型は、充分な強度の鋳型強度(圧縮強度)を示した。
一方、カルボン酸中の乳酸の量が少ない硬化剤組成物を用いた比較例1の場合、鋳型強度が充分ではなかった。
カルボン酸を含まない硬化剤組成物を用いた比較例2〜4の場合、キシレンスルホン酸の配合量が少なくなるに連れて可使時間が長くなったが、鋳型強度が低下した。
乳酸を含まず、乳酸以外のカルボン酸を含む硬化剤組成物を用いた比較例5〜14の場合、カルボン酸の配合量を少なくして水の配合量を多くするに連れて可使時間が長くなったが、鋳型強度が低下した。
このように、各比較例では、可使時間と鋳型強度を両立できなかった。

Claims (3)

  1. 有機スルホン酸と、カルボン酸と、水と、任意に炭素数3以下のアルコールとを含み、無機酸を含まない酸硬化性樹脂用硬化剤組成物であって、
    前記有機スルホン酸がキシレンスルホン酸であり、
    前記カルボン酸が乳酸であり、
    前記酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計を100質量%としたときに、酸の含有量が10〜90質量%であり、
    当該酸硬化性樹脂用硬化剤組成物100質量%中、前記キシレンスルホン酸の含有量が10〜30質量%であり、前記乳酸の含有量が20〜70質量%であり、前記乳酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計が70〜90質量%である、酸硬化性樹脂用硬化剤組成物。
  2. 前記酸と水と炭素数3以下のアルコールの含有量の合計を100質量%としたときに、炭素数3以下のアルコールの含有量が3〜25質量%である、請求項1に記載の酸硬化性樹脂用硬化剤組成物。
  3. 前記キシレンスルホン酸と乳酸との質量比が、50:50〜22:78である、請求項1または2に記載の酸硬化性樹脂用硬化剤組成物。
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