JP6330213B2 - 定電位電解式酸素ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、定電位電解式酸素ガスセンサに関する。
従来、定電位電解式酸素ガスセンサとしては、電解液を収容するケーシングを備え、当該ケーシングに形成された窓に、検知対象ガスである酸素ガスを含む検査対象ガスの透過が可能なガス透過性疎水隔膜が張設されており、ケーシングの内部に、当該ガス透過性疎水隔膜における電解液側に形成された作用極と、この作用極と一定の距離を離間させて配置された対極とを有するものなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。この定電位電解式酸素ガスセンサは、例えばポテンショスタットによって作用極の電位が酸素の還元反応が起こる一定の電位に制御されることにより、検査対象ガス中の酸素ガスの濃度に対応して作用極と対極との間に流れる電解電流を検出するように構成されている。
このような定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、通常、作用極および対極の各々に、一端部がケーシングの外部に導出されたリード部材の他端部が電気的に接続されている。これらのリード部材としては、例えば白金(Pt)よりなる線材が用いられている。この白金(Pt)は、作用極および対極の電極材料としても広く用いられている。具体的に、白金を電極材料として用いた対極および作用極としては、白金微粒子(白金黒)がバインダと共に焼成されてなるものが用いられている。
定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、検査対象ガス中の検知対象ガスである酸素ガスが作用極において還元され、それに伴って対極で水の電気分解が生じる。そして、対極においては、水の電気分解が生じることにより、検知対象ガスと同種のガス、すなわち酸素ガスが生成ガスとして発生する。そのため、リード部材の材料として白金が用いられていることにより、以下のような弊害が生じる、という問題がある。
具体的に説明すると、白金により形成されたリード部材は種々のガスに対して活性を示すものである。そのため、作用極用リード部材においては、ケーシング内に位置するケーシング内部分に、対極において発生した生成ガスが接触して反応(酸化反応)が生じ、それに起因して検知対象ガスが存在しなくても作用極と対極との間に電解電流が流れることとなる。従って、定電位電解式酸素ガスセンサにおいては指示誤差が生じ、それに起因して高い指示精度を得ることができない。
国際公開WO2010/024076号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、所期のガス検知を高い信頼性で行うことのできる定電位電解式酸素ガスセンサを提供することにある。
本発明の定電位電解式酸素ガスセンサは、ケーシング内において、作用極と対極とが電解液を介して設けられ、当該作用極には、一端部が当該ケーシングの外部に導出された作用極用リード部材の他端部が電気的に接続され、当該対極には、一端部が当該ケーシングの外部に導出された対極用リード部材の他端部が電気的に接続されており、前記作用極において検知対象ガスが還元され、当該対極において水の電気分解が生じることによって当該作用極と前記対極との間に流れる電解電流を測定する定電位電解式酸素ガスセンサにおいて、
前記作用極が、白金黒および金黒から選ばれる金属黒により形成されたものであり、
前記作用極用リード部材が、タンタル、金、タングステンおよびニオブから選ばれる金属により形成されたものであることを特徴とする。
本発明の定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、前記ケーシング内においては、前記作用極との間および前記対極との間に電解液を介在した状態で参照極が設けられており、当該参照極には、一端部が当該ケーシングの外部に導出された参照極用リード部材の他端部が電気的に接続されており、
前記参照極が、イリジウム、酸化イリジウム、ルテニウム、酸化ルテニウムおよび酸化白金から選ばれる物質により形成されたものであることが好ましい。
本発明の定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、前記参照極用リード部材が、タンタル、金、タングステンおよびニオブから選ばれる金属よりなることが好ましい。
本発明の定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、前記対極が酸化イリジウムにより形成されたものであることが好ましい。
本発明の定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、作用極用リード部材として特定の金属により形成されたものが用いられている。そして、特定の金属により形成された作用極用リード部材は、ケーシング内において対極において酸化反応として水の電気分解が生じることによって発生する生成ガス、具体的には酸素ガスに対して不活性あるいは活性が小さいものである。そのため、対極において発生する生成ガスが検知対象ガスと同種のガスであっても、作用極用リード部材が生成ガスの影響を受けることによって指示誤差が発生することが防止あるいは抑制される。
従って、本発明の定電位電解式酸素ガスセンサによれば、所期のガス検知を高い信頼性で行うことができる。
本発明の定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、参照極の電極材料として特定の物質を用いることにより、検査対象ガスの組成によらずに指示誤差が生じることを抑制することができる。そのため、正確なガス感度、すなわち高い指示精度が得られることから、より一層高い信頼性でガス検知を行うことができる。
具体的に説明すると、参照極の電極材料として用いられている特定の物質は、電解液に対する不溶性を有すると共に、参照極の電極材料として用いた場合に導電性が発現され、しかも検査対象ガス中に含まれる検知対象ガスである酸素ガス以外の雑ガスに接触した場合であっても、参照極の電極電位を略一定に維持することのできる優れた電位安定性を有するものである。そのため、作用極において還元反応を生じさせるために当該作用極に印加することが必要とされる電圧(過電圧)が、検査対象ガスの組成によらずに略一定となる。
本発明の定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、参照極用リード部材として特定の金属により形成されたものを用いることにより、検査対象ガスの組成によらずに指示誤差が生じることを抑制することができる。そのため、正確なガス感度、すなわち高い指示精度が得られることから、より一層高い信頼性でガス検知を行うことができる。
具体的に説明すると、特定の金属よりなる参照極用リード部材は、検査対象ガス中に雑ガスとして含まれるような種々のガスに対して不活性あるいは活性が小さいものである。そのため、ケーシング内に位置する部分に、検査対象ガス中の雑ガスが接触した場合であっても、作用極に印加することが必要とされる電圧が、検査対象ガスの組成によらず略一定となる。このように、作用極に印加することが必要とされる電圧が、検査対象ガスの組成によらずに略一定となることから、指示誤差が生じることが抑制される。
また、本発明の定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、対極の電極材料として酸化イリジウを用いることにより、所期のガス検知を長期間にわたって低い電圧で安定的に行うことができる。
具体的に説明すると、酸化イリジウムは、電解液に対する不溶性を有すると共に、対極の電極材料として用いた場合に高い導電性が発現され、しかも、対極の導電性を長期間にわたって一定に維持することができるものである。そのため、酸化イリジウムにより形成された対極を用いることにより、作用極に印加することが必要とされる電圧(過電圧)が低くなり、しかも長期間にわたってほぼ一定となる。
本発明の定電位電解式酸素ガスセンサの構成の一例の概略を示す説明図である。 本発明の定電位電解式酸素センサの構成の他の例を示す説明用断面図である。 実験例1において得られた、対極に印加された電圧と、経過日数との関係を示すグラブである。 実験例2において用いた実験用装置の構成の概略を示す説明図である。 実験例2において得られた、白金線材の自然電位と、経過時間との関係を示すグラブである。 実験例2において得られた、金線材の自然電位と、経過時間との関係を示すグラブである。 実験例2において得られた、タングステン線材の自然電位と、経過時間との関係を示すグラブである。 実験例2において得られた、タンタル線材の自然電位と、経過時間との関係を示すグラブである。 実験例2において得られた、ニオブ線材の自然電位と、経過時間との関係を示すグラブである。 実験例3において用いた実験用装置の構成の概略を示す説明図である。 実験例3において得られた、硫酸水銀電極に対する白金黒電極の電位と、経過時間との関係を示すグラフである。 実験例3において得られた、硫酸水銀電極に対する酸化イリジウム電極の電位と、経過時間との関係を示すグラフである。 実験例3において得られた、硫酸水銀電極に対する酸化ルテニウム電極の電位と、経過時間との関係を示すグラフである。 実験例4において得られた、硫酸水銀電極に対する白金黒電極の電位と、経過時間との関係を示すグラフである。 実験例4において得られた、硫酸水銀電極に対する一酸化白金電極の電位と、経過時間との関係を示すグラフである。 実験例4において得られた、硫酸水銀電極に対するルテニウム電極の電位と、経過時間との関係を示すグラフである。 実験例4において得られた、硫酸水銀電極に対するイリジウム電極の電位と、経過時間との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の定電位電解式酸素ガスセンサの構成の一例を示す説明図である。
この定電位電解式酸素ガスセンサ10は、一端(図1における左端)に、検査対象ガスを作用極21に対する供給量を制限して導入するためのガス供給制御手段を構成するピンホール12を有すると共に、他端(図1における右端)に、ガス排出用貫通孔13を有する筒状のケーシング11を備えている。このケーシング11には、一端側内面に、ガス導入用貫通孔12を内面側から塞ぐように一端側ガス透過性疎水隔膜15が張設されており、また他端側内面には、ガス排出用貫通孔13を内面側から塞ぐように他端側ガス透過性疎水隔膜16が張設されており、これにより、ケーシング11内に、例えば硫酸よりなる電解液Lが収容される電解液室が液密に形成されている。
また、ケーシング11内には、電解液Lが収容されていると共に、作用極21、対極22および参照極23が、電解液Lに浸漬されて電解液Lと接触した状態とされており、それぞれの電極間に電解液Lが介在した状態で配設されている。具体的には、作用極21は、一端側ガス透過性疎水隔膜15の接液側の内面に設けられており、対極22は、他端側ガス透過性疎水隔膜16の接液側の内面に設けられている。また、参照極23は、作用極21および対極22の各々と離間した位置において、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂よりなるガス透過性多孔質膜17の一面に設けられている。
この図の例において、参照極23は、対極22とは電解液Lを介して対向し、また作用21とは、電解液Lおよび参照極23に係るガス透過性多孔質膜17を介して対向している。
また、定電位電解式酸素ガスセンサ10においては、作用極21、対極22および参照極23は、各々、作用極用リード部材31a、対極用リード部材31bおよび参照極用リード部材31cによって、例えばポテンショスタットよりなる制御手段30に接続されている。なお、制御手段30としてポテンショスタットを用いる場合には、作用極21にポテンショスタットの作用極用接続部を電気的に接続し、対極22にポテンショスタットの対極用接続部を電気的に接続し、また参照極23にポテンショスタットの参照極用接続部を電気的に接続する。
この制御手段30は、作用極21と参照極23との間に一定の電位差が生じると共に作用極21の電位が還元反応が起こる電位となるよう、作用極21に所定の大きさの電圧を印加するものである。
ケーシング11は、例えばポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレン等の樹脂などよりなるものである。
また、ケーシング11におけるガス供給制御手段を構成するピンホール12の内径の大きさは、ピンホール12が均一な内径を有するものである場合において、実用上、1.0〜200μmであり、またピンホール12の長さは、例えば0.1mm以上である。
一端側ガス透過性疎水隔膜15および他端側ガス透過性疎水隔膜16は、通気性と撥水性を有し、検知対象ガスを含む検査対象ガスおよび対極22において酸化反応によって発生する生成ガスなどのガスを透過し、電解液Lを透過しないものである。
一端側ガス透過性疎水隔膜15および他端側ガス透過性疎水隔膜16としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂よりなる多孔質膜を用いることができる。
一端側ガス透過性疎水隔膜15および他端側ガス透過性疎水隔膜16を構成する多孔質膜は、ガーレー数が3〜3000秒であるものが好ましく、厚みおよび空隙率などの具体的構成は、ガーレー数が前記数値範囲内となるよう設定することができる。
具体的に、一端側ガス透過性疎水隔膜15および他端側ガス透過性疎水隔膜16を構成する多孔質膜としては、空隙率が10〜70%であって厚みが0.01〜1mmであるものが好ましい。
そして、作用極21は、白金黒(白金微粒子)および金黒(金微粒子)から選ばれる金属黒(以下、「特定金属黒」ともいう。)により形成されたものである。すなわち、作用極21においては、電極材料として特定金属黒が用いられる。
この作用極21は、白金黒または金黒によって形成されたものであってもよく、また白金黒と金黒とが組み合わされて形成されたものであってもよい。
この作用極21は、具体的には一端側ガス透過性疎水隔膜15の一面上に、特定金属黒が、バインダと共に焼成されてなる電極触媒層よりなるものである。この電極触媒層の厚みは、例えば5〜300μmである。
作用極21が白金黒により形成されたものであることにより、当該作用極21が検知対象ガスに対して活性が極めて大きいものとなる。そのため、定電位電解式酸素ガスセンサ10においては、作用極21に印加することが必要とされる電圧が低くなる。
また、作用極21が金黒により形成されたものであることにより、当該作用極21が検査対象ガス中において検知対象ガス以外の雑ガスなどとして含まれるようなガスに対して活性が小さいものとなる。そのため、定電位電解式酸素ガスセンサ10においては、作用極21が雑ガスの影響を受けることによって指示誤差が生じることが抑制される。
また、対極22は、酸化イリジウムにより形成されたものであることが好ましい。すなわち、対極22においては、電極材料として酸化イリジウムが用いられることが好ましい。
ここに、対極22を構成する酸化イリジウムとしては、酸化イリジウム(IV)(IrO2 )および酸化イリジウム(III)(Ir2 3 )が挙げられる。
対極22が酸化イリジウムにより形成されたものであることにより、作用極21に印加することが必要とされる電圧が低くなり、しかも長期間にわたって略一定となる。
その理由は、酸化イリジウムが、電解液Lに対する不溶性を有すると共に、後述の実験例からも明らかなように、対極22の電極材料として用いた場合に白金と同等の高い導電性を発現させることができ、しかも対極22の導電性を長期間にわたって一定に維持することができるものだからである。
対極22には、酸化イリジウムと共に、電解液Lに対して不溶性である、酸化イリジウム以外の導電性非金属(以下、「特定導電性非金属」ともいう。)、および後述の対極22の製造過程において用いられるバインダなどが含有されていてもよい。
特定導電性非金属の具体例としては、例えばチャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。
特定導電性非金属として用いられるカーボンブラックの粒径は、100μm以下であることが好ましい。
また、特定導電性非金属としては、カーボンブラックの他、例えばグラファイト(黒鉛)、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレンなどを用いることもできる。
対極22に特定導電性非金属が含有される場合においては、特定導電性非金属の含有割合は、酸化イリジウム100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。
対極22は、具体的には他端側ガス透過性疎水隔膜16の一面上に、酸化イリジウムの微粒子、または酸化イリジウムの微粒子と特定導電性非金属の微粒子との混合物が、バインダと共に焼成されてなる電極触媒層よりなるものである。
対極22を構成する電極触媒層の製造過程において用いられる酸化イリジウムの微粒子は、粒径が75μm(200メッシュ)以下であることが好ましく、また比表面積が2〜200m2 /gであることが好ましい。
また、対極22を構成する電極触媒層の製造工程において、バインダとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パー フルオロ[2−(フルオロスルフォニルエトキシ)−プロリルビニルエーテル]共重合などの電解液Lに対して不溶性のものを用いることができる。
また、焼成条件は、焼成温度が80〜350℃であることが好ましく、また焼成時間が5分間〜1時間であることが好ましい。
対極22を構成する電極触媒層の厚みは、10〜500μmであることが好ましく、更に好ましくは50〜300μmである。
また、対極22を構成する電極触媒層の他端側ガス透過性疎水隔膜16の一面における形成面積は、小さくすることが可能である。すなわち、酸化イリジウムが電極材料として用いた場合に高い導電性が発現され、その導電性を長期間にわたって一定に維持することのできるものであることから、作用極21に印加すべき電圧が過度に高くなるという弊害を伴うことなく、対極22に係る形成面積を小さくすることができる。例えば、対極22の形成面が円形状である場合には、その直径が2〜15mmである。
また、対極22としては、例えば白金(Pt)、金(Au)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)などの電解液Lに対して不溶性の金属の微粒子、これらの金属の酸化物の微粒子、これらの金属の合金の微粒子、またはこれらの微粒子の混合物などがバインダと共に焼成されてなる電極触媒層よりなるものであってもよい。
参照極23は、イリジウム(Ir)、酸化イリジウム(IV)(IrO2 )、ルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuO2 )および酸化白金から選ばれる物質(以下、「特定物質」ともいう。)により形成されたものであることが好ましい。すなわち、参照極23においては、電極材料として特定物質が用いられることが好ましい。
この参照極23は、1種類の物質によって形成されたものであってもよく、また2種類以上の物質が組み合わされて形成されたものであってもよい。
ここに、参照極23を構成する酸化白金としては、酸化白金(IV)(PtO2 )および酸化白金(II)(PtO)が挙げられる。
参照極23が特定物質により形成されたものであることにより、当該参照極23が検査対象ガス中に含まれる検知対象ガス以外の雑ガスに接触した場合であっても、電極電位が略一定に維持される。そのため、定電位電解式酸素ガスセンサ10においては、作用極21に印加することが必要とされる電圧が、検査対象ガスの組成によらずに略一定となる。
また、電極材料として特定物質を用いた参照極23には、電極材料として、特定物質と共に、電解液Lに対して不溶性である、特定物質以外の導電性非金属(以下、「特定導電性非金属」ともいう。)、および後述の製造過程(参照極23を構成する電極触媒層の製造過程)において用いられるバインダなどが含有されていてもよい。
参照極23の電極材料として用いられる特定物質以外の導電性非非金属の具体例としては、対極22を構成する特定導電性非金属として例示したものが挙げられる。
ここに、参照極23に特定物質と共に特定導電性非金属が含有される場合においては、特定導電性非金属の含有割合は、特定物質100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。
電極材料として特定物質を用いた参照極23は、具体的には特定物質からなる電極触媒を含有する電極触媒体よりなるものである。この電極触媒体は、シート状のものであってもよく、また図1に示されているようにガス透過性多孔質膜17の一面上に形成された電極触媒層を構成するものであってもよい。
この参照極23を構成する電極触媒体は、特定物質の微粒子、または特定物質の微粒子と特定導電性非金属の微粒子との混合物を、バインダと共に焼成する工程を経ることによって形成される。
参照極23を構成する電極触媒体の製造過程において用いられる特定物質の微粒子は、粒径が75μm(200メッシュ)以下であることが好ましく、比表面積が2〜200m2 /gであることが好ましい。
また、この電極触媒層の製造過程において、用いられるバインダとしては、対極22を構成する電極触媒層に用いられるバインダとして例示したものが挙げられ、また焼成条件は、対極22を構成する電極触媒層における焼成条件と同様である。
参照極23を構成する電極触媒体は、形状および厚みが特に限定されるものではないが、制御手段30における制御回路(具体的には、例えばポテンショスタット回路)から流れ込んでしまう微小電流に対して電位安定性を保つために、電解液Lとの界面の面積が大きいことが好ましい。
参照極23を構成する電極触媒体が、ガス透過性多孔質膜17の一面上に形成された電極触媒層を構成するものである場合において、当該電極触媒体の厚みは、例えば10〜500μmとされる。また、ガス透過性多孔質膜17の一面における形成面積は、例えば3〜500mm2 とされる。
また、参照極23としては、例えば白金(Pt)、金(Au)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)などの電解液Lに対して不溶性の金属の微粒子、これらの金属の酸化物の微粒子、これらの金属の合金の微粒子、またはこれらの微粒子の混合物などがバインダと共に焼成されてなる電極触媒層よりなるものであってもよい。
作用極用リード部材31a、対極用リード部材31bおよび参照極用リード部材31cは、各々、一端部がケーシング11における電解液室の液密状態を維持するようにして外部に導出され、制御手段30における作用極用接続部、対極用接続部および参照極用接続部に電気的に接続されている。そして、作用極用リード部材31aの他端部は、作用極21と一端側ガス透過性疎水隔膜15とにより挟みこまれた状態で当該作用極21に電気的に接続されており、対極用リード部材31bの他端部は、対極22と他端側ガス透過性疎水隔膜16とにより挟みこまれた状態で当該対極22に電気的に接続されている。また、参照極用リード部材31cの他端部は、参照極23とガス透過性多孔質膜17とにより挟みこまれた状態で当該参照極23に電気的に接続されている。このようにして、作用極用リード部材31a、対極用リード部材31bおよび参照極用リード部材31cの各々における他端部は、電解液Lに浸漬され、表面全体が電解液Lと接触した状態とされている。
これらの作用極用リード部材31a、対極用リード部材31bおよび参照極用リード部材31cとしては、各々、電解液Lに対して不溶性の金属により形成されたものが用いられる。
そして、作用極用リード部材31aは、金(Au)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)から選ばれる金属(以下、「特定金属」ともいう。)により形成されたものとされる。
ここに、作用極用リード部材31aは、金、タングステン、ニオブおよびタンタルのうちの1種の金属により形成されたものであってもよく、2種以上の金属により形成されたものであってもよい。
作用極用リード部材31aが特定金属により形成されたものであることにより、当該作用極用リード部材31aは、検査対象ガス中の雑ガス、ケーシング11内において対極22および/またはリード部材(具体的には対極用リード部材31b)において酸化反応が生じることによって発生する生成ガスなどの種々のガスに対して不活性あるいは活性が小さいものとなる。そのため、作用極用リード部材31aにおけるケーシング内部分に、対極22において酸化反応によって発生した生成ガス、および/または対極用リード部材31bにおいて酸化反応が生じることによって発生した生成ガスが接触した場合において、そのケーシング内部分に反応(酸化反応)が生じることが防止あるいは抑制される。また、ケーシング11内に位置するケーシング内部分に検査対象ガス中の雑ガスが接触した場合において、そのケーシング内部分に反応が生じることが防止あるいは抑制される。すなわち、作用極用リード部材31aが特定金属よりなることによれば、作用極用リード部材31aが雑ガスおよび生成ガスの影響を受けることによって指示誤差が発生することが防止あるいは抑制される。
作用極用リード部材31aを構成する特定金属としては、タングステン、ニオブおよびタンタルが好ましい。
また、参照極用リード部材31cは、特定金属により形成されたものであることが好ましい。
ここに、参照極用リード部材31cが特定金属により形成されたものである場合において、当該参照極用リード部材31cは、金、タングステン、ニオブおよびタンタルのうちの1種の金属により形成されたものであってもよく、2種以上の金属により形成されたものであってもよい。
特定金属よりなる参照極用リード部材31cは、検査対象ガス中に雑ガスとして含まれるような種々のガスに対して不活性あるいは活性が小さいため、ケーシング11内に位置する部分に、検査対象ガス中の雑ガスが接触した場合において、そのケーシング内部分において当該参照極用リード部材31cと電解液Lとの界面の状態に変化が生じることが防止あるいは抑制される。そのため、参照極用リード部材31cと電解液Lとの界面の状態が変化することに起因して参照極23の電極電位が変動することが防止あるいは抑制され、よって作用極21に印加することが必要とされる電圧が、検査対象ガスの組成によらず略一定となる。その結果、定電位電解式酸素ガスセンサに指示誤差が生じることが抑制される。
参照極用リード部材31cを構成する特定金属としては、タングステン、ニオブおよびタンタルが好ましい。
また、参照極用リード部材31cは、例えば白金などの特定金属以外の金属よりなるものであってもよい。
このような構成を有する定電位電解式酸素ガスセンサ10は、参照極23の電位状態を基準として、作用極21に所定の電圧が印加されて作用極21と参照極23との間に一定の電位差が生じた状態とされることによりガス検知状態とされる。そして、ガス検知状態において、検知対象空間における環境雰囲気の空気などの被検査ガスが、ケーシング11のピンホール12を介して導入され、一端側ガス透過性疎水隔膜15を透過して作用極21に供給されることにより、その検査対象ガス中の検知対象ガスが作用極21において還元される。そして、作用極21において還元反応が生じることに伴って、作用極21と対極22との間に電解電流が流れ、対極22には酸化反応として水の電気分解が生じる。このようにして、作用極21および対極22の各々において酸化還元反応が起こることに起因して作用極21および対極22の両電極間に生ずる電解電流値が測定され、その測定された電解電流値に応じた検査対象ガス中の検知対象ガスの濃度が検出される。
また、この定電位電解式酸素ガスセンサ10においては、対極22において酸化反応によって発生する生成ガスは、他端側ガス透過性疎水隔膜16を透過し、更にガス排出用貫通孔13を流通することによって外部に排出される。
而して、定電位電解式酸素ガスセンサ10においては、作用極用リード部材31aは、特定金属によって形成されていることから、ケーシング内において対極22において酸化反応が生じることによって発生する生成ガスに対して不活性あるいは活性が小さいものである。そのため、対極22において発生する生成ガスが検知対象ガスと同種のガスであっても、作用極用リード部材31aが生成ガスの影響を受けることによって指示誤差が発生することが防止あるいは抑制される。
従って、定電位電解式酸素ガスセンサ10によれば、所期のガス検知を高い信頼性で行うことができる。
また、定電位電解式酸素ガスセンサ10においては、対極22の電極材料として酸化イリジウムを用いることにより、所期のガス検知を長期間にわたって低い電圧で安定的に行うことができる。
このように、酸化イリジウムにより形成された対極22を有する定電位電解式酸素ガスセンサ10は、長期間にわたって低い電圧でガス検知を行うことができ、よって電力消費量が小さいものであることから、例えば電池駆動の可搬型検知器に係るガスセンサとして好適に用いることができる。この定電位電解式酸素ガスセンサ10を、電池駆動式の可搬型検知器において用いた場合には、白金により形成された対極を有する定電位電解式酸素ガスセンサ10に比して、電池交換を頻繁に行う必要がない。
また、定電位電解式酸素ガスセンサ10においては、対極22が酸化イリジウムにより形成されたものであることにより、作用極21に印加すべき電圧が過度に高くなるという弊害を伴うことなく、対極22を構成する電極触媒層の他端側ガス透過性疎水隔膜16の一面における形成面積を小さくすることができる。そのため、定電位電解式酸素ガスセンサ10の小型化を図ることができる。
また、定電位電解式酸素ガスセンサ10においては、参照極23の電極材料として特定物質を用いること、および/または参照極用リード部材31cとして特定金属により形成されたものを用いることにより、検査対象ガスの組成によらずに指示誤差が生じることを抑制することができる。そのため、正確なガス感度、すなわち高い指示精度が得られることから、より一層高い信頼性でガス検知を行うことができる。
本発明の定電位電解式酸素ガスセンサは、上記の構成のものに限定されるものではなく、例えば図2に示すような構成のものを用いることができる。
図2は、本発明の定電位電解式酸素センサの他の例における構成を示す断面図である。
この定電位電解式酸素センサ40は、電解液が収容される電解液室Sを有する、全体が略箱型形状のケーシング41を備えている。
ケーシング41には、電解液室Sと並んだ位置において、電解液室Sの内部空間と連通孔43を介して連通する上下方向に伸びる略円柱状の貫通孔よりなる感応部形成用空間45が形成されている。この感応部形成用空間45内には、厚み方向に貫通する複数の通孔50Aよりなる流体流通路が形成された上面側保護板50が配置されており、この上面側保護板50の上面側には、例えば濾紙よりなる電解液保持層(図示省略)、作用極55および被検査ガスを導入するピンホール61が貫通して形成された、例えば液晶ポリマーよりなる板状蓋部材(ガス供給制限部材)60が順次に収容されて配置されている。一方、上面側保護板50の下面側においては、その中央位置に、参照極57が、例えば濾紙よりなる電解液保持層(図示省略)が介在された状態で設けられている。
また、感応部形成用空間45内における上面側保護板50の下方位置には、厚み方向に貫通する複数の通孔65Aよりなる流体流通路が形成された下面側保護板65が配置されている。この下面側保護板65の下面側には、例えば濾紙よりなる電解液保持層(図示省略)、対極56および被検査ガスを排出するガス排出用貫通孔70Aが形成されたキャップ部材70が順次に収容されて配置されている。
また、定電位電解式酸素ガスセンサ40においては、作用極55、対極56および参照極57は、各々、作用極用リード部材(図示省略)、対極用リード部材(図示省略)および参照極用リード部材(図示省略)によって、例えばポテンショスタットよりなる制御手段に接続されている。そして、作用極用リード部材、対極用リード部材および参照極用リード部材は、各々、一端部がケーシング41における電解液室Sの液密状態を維持するようにして外部に導出されている。また、作用極用リード部材、対極用リード部材および参照極用リード部材の他端部は、各々、電極と電解液保持層を構成する濾紙とにより挟みこまれた状態で当該電極に電気的に接続されている。
この図の例において、42は、例えばフッ素系樹脂よりなるガス透過性疎水圧力調整膜である。
この定電位電解式酸素ガスセンサ40において、参照極57は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂よりなるガス透過性多孔質膜 (図示省略)の一面上の中央位置に形成された、特定物質からなる電極触媒を含有する電極触媒層よりなるものである。この参照極57に係る電極触媒層は、図1に係る定電位電解式酸素ガスセンサ10における参照極23と同様の構成を有するものである。
作用極55は、ガス透過性疎水隔膜(図示省略)の一面上の中央位置に形成された電極触媒層よりなるものである。この作用極55に係る電極触媒層は、図1に係る定電位電解式酸素ガスセンサ10における作用極21と同様の構成を有するものである。
また、対極56は、ガス透過性疎水隔膜(図示省略)の一面上の中央位置に形成された電極触媒層よりなるものである。この対極56に係る電極触媒層は、図1に係る定電位電解式酸素ガスセンサ10における対極22と同様の構成を有するものである。
また、作用極用リード部材、対極用リード部材および参照極用リード部材は、各々、図1に係る定電位電解式酸素ガスセンサ10における作用極用リード部材31a、対極用リード部材31bおよび参照極用リード部材31cと同様の構成を有するものである。
このような構成の定電位電解式酸素ガスセンサ40によれば、図1に係る定電位電解式酸素ガスセンサ10と同様に、作用極55が特定金属黒により形成されたものであると共に、作用極リード部材として特定金属により形成されたものが用いられているため、所期のガス検知を高い信頼性で行うことができる。
以上において、本発明の定電位電解式酸素ガスセンサを具体的な例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、作用極が特定金属黒により形成されたものであって作用極用リード部材が特定金属よりなるものであれば、その他の構成部材としては種々のものを用いることができる。
例えば、定電位電解式酸素ガスセンサは、参照極が特定物質により形成されたものである場合には、図1に係る定電位電解式酸素ガスセンサ10において、参照極が、他端側ガス透過性疎水隔膜の接液側の内面における対極と離間して並んだ位置に設けられた構成のものであってもよい。
このような構成の定電位電解式酸素ガスセンサにおいては、参照極が検査対象ガスに直接接触する位置に配設されているが、この参照極が特定物質により形成されており優れた電位安定性を有するものであることから、検知対象ガスに含まれる雑ガスが参照極に直接接触した場合であっても、作用極に印加することが必要とされる電圧が、検査対象ガスの組成によらずに略一定となるため、正確なガス感度、すなわち高い指示精度が得られる。また、参照極用リード部材を特定金属よりなるものとすることにより、より一層高い指示精度が得られる。
また、対極と参照極とを他端側ガス透過性疎水隔膜に形成すればよく、よって対極および参照極を形成するために個別の多孔質膜が必要とされないことから、構成部材の品数が低減され、製造コストが安価になると共にセンサの製造が容易となる。また、ケーシング内において一端側ガス透過性疎水隔膜と他端側ガス透過性疎水隔膜との間に参照極の配置位置を確保する必要がないことから、より一層の小型化を図ることができる。特に対極および参照極の電極材料として酸化イリジウムを用いる場合には、対極および参照極を形成するために個別の電極触媒が必要とされることがなく、しかも対極と参照極とを同時に形成することができるため、更に製造コストが安価になると共にセンサの製造が容易となる。しかも、対極の電極サイズを小さくすることができるため、更により一層の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実験例について説明する。
〔実験例1〕
(実験用ガスセンサの作製)
図1の定電位電解式酸素ガスセンサ10において、制御手段30に代えてガルバニスタット装置が用いられてなること、ガス供給制御手段を構成するピンホール12に代えて、当該ピンホール12よりも大径の内径を有する孔を設けたこと以外は当該定電位電解式酸素ガスセンサ10と同様の構成を有する実験用の酸素ガスセンサ(以下、「実験用酸素ガスセンサ(1)」ともいう。)を2つ作製した。
この実験用酸素ガスセンサ(1)において、参照極(23)は、ガス透過性多孔質膜(17)の一面上の全面に形成された電極触媒層よりなるものである。
ここに、実験用酸素ガスセンサ(1)においては、作用極(21)対して検査対象ガスを供給するための孔として、ピンホール12よりも大径の内径を有する孔を設けたことにより、作用極(21)と対極(22)との間に流す電流値が1mAであっても、作用極で酸素還元反応を進行させることが可能な構成となった。なお、実験用酸素ガスセンサ(1)において、作用極(21)に対して検査対象ガスを供給するための孔の内径が小径である場合には、作用極(21)と対極(22)との間に流れる1mAの電流に対して作用極(21)に対する酸素ガスの供給が追い付かないために、作用極(21)では水の電気分解による水素発生反応が生じてしまう。すなわち、作用極(21)において酸素還元反応を進行させることができなくなる。
実験用酸素ガスセンサ(1)においては、ケーシング(11)として、電解液室の容積が3mL であり、一端に、内径2mm、長さ1mの孔を有すると共に、他端に、内径2mm、長さ1mmのガス排出用貫通孔(13)を有する円筒状のものを用いた。
また、電解液(L)としては、濃度50%の硫酸を用いた。
また、一端側ガス透過性疎水隔膜(15)および他端側ガス透過性疎水隔膜(16)としては、空隙率が30%、厚みが0.2mm、外径が6mmであってガーレー数が300秒である、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)よりなる円板状の多孔質膜を用いた。また参照極(23)に係るガス透過性多孔質膜(17)としては、空隙率が30%、厚みが0.2mm、外径が6mmであってガーレー数が300秒である、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)よりなる円板状の多孔質膜を用いた。
そして、作用極(21)としては、白金黒がFEPよりなるバインダと共に、焼成温度320℃の条件で焼成されてなる、厚み0.2mm、外径6mmの円板状の電極触媒層を用いた。
また、対極(22)としては、粒径75μm以下、比表面積15.0±5.0m2 /gの酸化イリジウム微粒子100質量部がFEPよりなるバインダと共に焼成温度320℃の条件で焼成されてなる、厚み0.2mm、外径6mmの円板状の電極触媒層を用いた。
また、参照極(22)としては、白金黒がFEPよりなるバインダと共に、焼成温度2300℃の条件で焼成されてなる、厚み0.2mm、外径6mmの円板状の電極触媒層を用いた。
作用極(21)、対極(22)および参照極(23)を構成する電極触媒層は、一端側ガス透過性疎水隔膜(15)、他端側ガス透過性疎水隔膜(16)およびガス透過性多孔質膜(17)の一面の全面に形成されており、当該一面における電極触媒層の担持率は100%である。
また、作用極(21)、対極(22)および参照極(23)は、各々、白金製のリード部材31によってガルバニスタット装置に電気的に接続されている。ここに、実験用酸素ガスセンサ(1)においては、作用極(21)にガスバニスタット装置の対極用のリード線を接続し、対極(22)にガスバニスタット装置の作用極用のリード線を接続し、また参照極(23)にガスバニスタット装置の参照極用のリード線を接続した。このようにして、実験用酸素ガスセンサ(1)を、参照極用のリード線に接続された参照極(23)を基準とし、作用極用のリード線に接続された対極(22)の電圧を測定することができるような構成とした。
(比較実験用ガスセンサの作製)
実験用酸素ガスセンサ(1)において、対極(21)として、白金黒がFEPよりなるバインダと共に、焼成温度320℃の条件で焼成されてなる、厚み0.2mm、外径6mmの円板状の電極触媒層を用いたこと以外は当該実験用酸素ガスセンサ(1)と同様の構成を有する比較実験用の酸素ガスセンサ(以下、「比較用酸素ガスセンサ(1)」ともいう。)を2つ作製した。
作製した2つの実験用酸素ガスセンサ(1)および2つの比較用酸素ガスセンサ(1)において、各々、温度25℃、湿度30%RHの環境条件下にて、ガルバニスタット装置によって作用極(21)と対極(22)との間に1mAの電流を流し、作用極(21)において下記の反応式(1)で示される還元反応を生じさせ、対極(22)において下記の反応式(2)で示される酸化反応を生じさせるために必要とされる電圧(対極に印加された電圧)を、45日間にわたって測定した。結果を図3に示す。図3においては、2つの実験用酸素ガスセンサ(1)の測定値を、それぞれ白三角プロットおよび黒三角プロットで示し、また、2つの比較用酸素ガスセンサ(1)の測定値を、それぞれ白円プロットおよび黒円プロットで示す。
これらの実験用酸素ガスセンサ(1)および比較用酸素ガスセンサ(1)においては、45日間にわたる測定中、作用極(21)にはピンホール(12)および一端側ガス透過性疎水隔膜(15)を介して空気が供給されており、供給された空気中の酸素ガスが反応式(1)で示される還元反応によって還元された。また、対極(22)においては、反応式(2)で示される酸化反応によって酸素ガスが発生し、その酸素ガスは他端側ガス透過性疎水隔膜(16)およびガス排出用貫通孔(13)を介して外部に排出された。
反応式(1)O2 +4H+ +4e- →2H2
反応式(2)2H2 O→O2 +4H+ +4e-
以上の結果から、酸化イリジウムにより形成された対極(以下、「酸化イリジウム対極」ともいう。)を有する実験用酸素ガスセンサ(1)においては、初期(測定開始直後)の過電圧が、白金により形成された対極(以下、「白金対極」ともいう。)を有する比較用酸素ガスセンサ(1)と同等であり、よって酸化イリジウムが高い導電性を有するものであり、酸化イリジウム対極に白金対極と同等の導電性が得られることが確認された。
また、実験用酸素ガスセンサ(1)においては、図3の白三角プロットに係る曲線(a)および黒三角プロットに係る曲線(b)で示されているように、過電圧が長期間にわたってほぼ一定となり、よって酸化イリジウム対極の導電性が長期間にわたって一定に維持される結果、ガス検知を長期間にわたって略同一の電圧で安定的に行えることが確認された。
一方、比較用酸素ガスセンサ(1)においては、図3の白円プロットに係る曲線(c)および黒円プロットに係る曲線(d)で示されているように、過電圧が、初期期間(具体的には、測定開始から10日の間)において経時的に大きくなり、ガス検知を行うために大きな電圧の印加が必要とされることが確認された。
〔実験例2〕
図4に示すような構成の実験用装置(以下、「実験用装置(1)」ともいう。)を作製した。
この実験用装置(1)は、側面部82にガス導入用貫通孔およびガス排出用貫通孔が形成された、有底円筒状の容器81を備えてなるものである。この容器81には、開口を閉塞するように、円形状の多孔質PTFE膜(商品名:「FX−030」(住友電工ファインポリマー社製))84が両面テープで貼り付けられている。また、多孔質PTFE膜84の上面(図3における上面)には、一端部が容器81の開口の上方に位置するように5種類の金属線材91a〜91eが配置され、また18Nの硫酸を含浸した、円形状の濾紙85が配設されている。すなわち、5種類の金属線材91a〜91eは、一端部が、多孔質PTFE膜84と濾紙85とに挟まれた状態とされている。また、濾紙85の上面(図4における上面)上には、硫酸水銀電極87が設けられている。そして、5種類の金属線材91a〜91eがエレクトロメーターに接続されており、これらの5種類の金属線材91a〜91eにおける自然電位を同時測定することのできる構成とされている。
この実験用装置(1)において、5種類の金属線材91a〜91eとしては、白金線材、金線材、タングステン線材、タンタル線材およびニオブ線材を用いた。これらの5種類の金属線材91a〜91eは、各々、直径が0.1mmであって長さが5mm程度のものである。
また、容器81におけるガス導入用貫通孔にはガス流路部材が接続されており、このガス流路部材によって形成されるガス流路88に設けられたポンプ89によってガス供給源93から供給されるガス(具体的には空気または後述の試料ガス)が容器81内に供給される。
作製した実験用装置(1)において、30秒間にわたって空気を供給した後、60秒間にわたって試料ガスを供給し、その後、更に30秒間にわたって再び空気を供給し、このように空気、試料ガスおよび空気を供給する間の自然電位変化を測定した。
試料ガスとしては、窒素ガス(濃度99.9%)、低濃度水素ガス(窒素ガスで希釈した濃度2.06%のもの)、高濃度水素ガス(濃度99.9%)、一酸化窒素ガス(窒素ガスで希釈した濃度101ppmのもの)、硫化水素ガス(窒素ガスで希釈した濃度29.7ppmのもの)、一酸化炭素ガス(窒素ガスで希釈した濃度3010ppmのもの)およびエタノールガス(空気で希釈した濃度1%のもの)を用いた。結果を表1に示すと共に、白金線材において自然電位が比較的大きく変化した試料ガスにおける自然電位変化の測定結果を図5〜図9に示す。ここに、図5は、白金線材の自然電位の測定結果を示し、図6は、金線材の自然電位の測定結果を示し、図7は、タングステン線材の自然電位の測定結果を示し、図8は、タンタル線材の自然電位の測定結果を示し、また図9は、ニオブ線材の自然電位の測定結果を示す。また、図5〜図9において、(a)は、試料ガスとして高濃度水素ガスを用いた場合の測定結果を示し、(b)は、試料ガスとして低濃度水素ガスを用いた場合の測定結果を示し、(c)は、試料ガスとして硫化水素ガスを用いた場合の測定結果を示し、また(d)は、試料ガスとして一酸化炭素ガスを用いた場合の測定結果を示す。
Figure 0006330213
表1には、60秒間にわたって試料ガスを供給した場合における、空気を供給したときの電位からの電位変動の最大値を示す。
以上の結果から、ニオブ線材は、窒素ガス、低濃度水素ガス、高濃度水素ガス、一酸化窒素ガス、硫化水素ガス、一酸化炭素ガスおよびエタノールガスのいずれが供給された場合においても、自然電位が変化しない、あるいは自然変位の変化が極めて小さいことが明らかとなった。従って、ニオブ線材は、窒素ガス、水素ガス、一酸化窒素ガスなどの窒素酸化物ガス、硫化水素ガスなどの硫黄化合物ガス、一酸化炭素ガスおよびエタノールガスなどのアルコールガスに対して不活性なものであることが確認された。
また、タングステン線材およびタンタル線材は、高濃度水素ガスが供給された場合においては自然電位が変化するものの、その変化量は白金素線に比して小さく、また窒素ガス、低濃度水素ガス、一酸化窒素ガス、硫化水素ガス、一酸化炭素ガスおよびエタノールガスが供給された場合には自然電位が変化しない、あるいは自然変位の変化が極めて小さいことが明らかとなった。従って、タングステン線材およびタンタル線材は、白金線材に比して高濃度水素ガスに対する活性が小さく、また低濃度水素ガス、窒素ガス、一酸化窒素ガスなどの窒素酸化物ガス、硫化水素ガスなどの硫黄化合物ガス、一酸化炭素ガスおよびエタノールガスなどのアルコールガスに対して不活性なものであることが確認された。
また、金線材は、低濃度水素ガス、高濃度窒素ガスおよび硫化水素ガスが供給された場合には自然電位が変化するものの、その変化量は白金線材に比して小さく、また、窒素ガス、一酸化窒素ガス、一酸化炭素ガスおよびエタノールガスが供給された場合には自然電位が変化しない、あるいは自然変位の変化が極めて小さいことが明らかとなった。従って、金線材およびタンタル線材は、白金線材に比して低濃度水素ガス、高濃度水素ガスおよび硫化水素ガスに対する活性が小さく、また窒素ガス、一酸化窒素ガスなどの窒素酸化物ガス、一酸化炭素ガスおよびエタノールガスなどのアルコールガスに対して不活性なものであることが確認された。
一方、白金線材は、窒素ガスおよびエタノールガスが供給された場合には自然電位が変化しない、あるいは自然変位の変化が極めて小さいが、低濃度水素ガス、高濃度水素ガス、一酸化炭素ガスおよび硫化水素ガスが供給された場合において、自然電位が大きく変化することが明らかとなった。
〔実験例3〕
図10に示すように、作用極103と対極104とを有する2極式の実験用装置(以下、「実験用装置(2)」ともいう。)を作製した。
この実験用装置(2)は、電解液Lを収容するケーシング100を備えており、このケーシング100に形成されたガス導入用貫通孔101よりなるガス供給制御手段を内面側から塞ぐようにガス透過性疎水隔膜102が張設され、このガス透過性疎水隔膜102における電解液L側には、5個の作用極103が設けられている。また、ケーシング100内部には、5個の作用極103と共に、これらの5個の作用極103から離間した位置に、対極104として硫酸水銀電極が設けられている。この硫酸水銀電極の内部液としては、濃度0.35mol/Lの硫酸カリウム(K2 SO4 )溶液を用いた。
この実験用装置(2)において、ガス透過性疎水隔膜102としては、空隙率が30%、厚みが0.2mm、外径が4mmであってガーレー数が300秒である、ポリテトラフルオロエチレン製の円形状の多孔質膜を用いた。ガス透過性疎水隔膜102に設けられた5個の作用極103は、互いに離間した状態とされており、各々、直径が4mmの円板状の電極触媒層よりなるものである。これらの5個の作用極103は、白金黒により形成された白金黒電極、酸化イリジウム(IrO2 )により形成された酸化イリジウム電極2個および酸化ルテニウム(RuO2 )により形成された酸化ルテニウム電極2個である。具体的に、白金黒電極は、白金黒がFEPよりなるバインダと共に焼成温度320℃の条件で焼成されてなる、厚み0.3mmのものである。2個の酸化イリジウム電極は、各々、粒径75μm以下、比表面積15.0±5.0m2 /gの酸化イリジウム微粒子がFEPよりなるバインダと共に焼成温度320℃の条件で焼成されてなる、厚み0.3mmのものである。また、2個の酸化ルテニウム電極は、各々、比表面積125±25m2 /gの酸化イリジウム微粒子がFEPよりなるバインダと共に焼成温度320℃の条件で焼成されてなる、厚み0.3mmのものである。
また、実験用装置(2)において、5個の作用極103および対極104は、各々、タンタル製のリード部材108によって実験用制御手段109に接続されている。また、電解液としては濃度9mol/Lの硫酸を用いた。
この図10においては、5個の作用極103のうちの1個の作用極103のみが示されている。
作製した実験用装置(2)において、実験用制御手段109としては、エレクトロメーターを用いた。このエレクトロメーターによれば、作用極103と対極104の間に高い抵抗を接続して電流を殆ど流すことなく電位差を測定することができる。
そして、5個の作用極103に対して一斉に流量0.5L/minの条件で押し込み方式によって30秒間にわたって空気を供給した後、60秒間にわたって試料ガスを供給し、その後、更に30秒間にわたって再び空気を供給し、このように空気、試料ガスおよび空気を供給する間の対極104に対する各作用極103の電位を測定した。試料ガスとしては、水素ガス(窒素ガスで希釈した濃度2.01%のもの)、エタノールガス(空気で希釈した濃度2%のもの)、一酸化炭素ガス(窒素ガスで希釈した濃度3060ppmのもの)、硫化水素ガス(窒素ガスで希釈した濃度28.8ppmのもの)を用いた。結果を図11〜図13および表2に示す。
ここに、図11は、白金黒電極の電位の測定結果を示し、図12は、2つの酸化イリジウム電極のうちの一方の電位の測定結果を示し、また図13は、2つの酸化ルテニウム電極のうちの一方の電位の測定結果を示す。また、図11〜図13において、(a)は、試料ガスとして水素ガスを用いた場合の測定結果を示し、(b)は、試料ガスとしてエタノールガスを用いた場合の測定結果を示し、(c)は、試料ガスとして一酸化炭素ガスを用いた場合の測定結果を示し、また(d)は、試料ガスとして硫化水素ガスを用いた場合の測定結果を示す。
Figure 0006330213
表2には、60秒間にわたって試料ガスを供給した場合における、空気を供給したときの電位からの電位変動の最大値を示す。
〔実験例4〕
実験例3に係る実験用装置(2)において、下記の4個の作用極が設けられていること以外は当該実験用装置(1)と同様の構成を有する実験用装置(以下、「実験用装置(3)」ともいう。)を作製した。
この実験用装置(3)を構成する4個の作用極は、各々、ガス透過性疎水隔膜に設けられた、直径が4mmの円板状の電極触媒層よりなるものであって、白金黒により形成された白金黒電極、酸化白金(II)(PtO )により形成された一酸化白金電極、ルテニウム(Ru)により形成されたルテニウム電極およびイリジウム(Ir)により形成されたイリジウム電極である。具体的に、白金黒電極は、実験例3と同様に白金黒がバインダと共に焼成温度320℃の条件で焼成されてなるものである。一酸化白金電極は、酸化白金(IV)がバインダと共に焼成温度320℃の条件で焼成されてなるものである。ルテニウム電極は、ルテニウムがバインダと共に焼成温度320℃の条件で焼成されてなるものである。イリジウム電極は、白金黒がバインダと共に焼成温度320℃の条件で焼成されてなるものである。
作製した実験用装置(3)において、実験例3と同様の条件によって空気および試料ガスを供給し、空気、試料ガスおよび空気を供給する間の対極に対する各作用極の電位を測定した。試料ガスとしては、水素ガス(窒素ガスで希釈した濃度2.01%のもの)、エタノールガス(空気で希釈した濃度2%のもの)、一酸化炭素ガス(窒素ガスで希釈した濃度2960ppmのもの)、硫化水素ガス(窒素ガスで希釈した濃度28.8ppmのもの)を用いた。結果を図14〜図17および表3に示す。
ここに、図14は、白金黒電極の電位の測定結果を示し、図15は、一酸化白金電極の電位の測定結果を示し、図16は、ルテニウム電極の電位の測定結果を示し、また図17は、イリジウム電極の電位の測定結果を示す。また、図14〜図17において、(a)は、試料ガスとして水素ガスを用いた場合の測定結果を示し、(b)は、試料ガスとしてエタノールガスを用いた場合の測定結果を示し、(c)は、試料ガスとして一酸化炭素ガスを用いた場合の測定結果を示し、また(d)は、試料ガスとして硫化水素ガスを用いた場合の測定結果を示す。
Figure 0006330213
表3には、60秒間にわたって試料ガスを供給した場合における、空気を供給したときの電位からの電位変動の最大値を示す。
以上の実験例3および実験例4の結果から、酸化イリジウム電極、酸化ルテニウム電極ルテニウム電極、イリジウム電極および酸化白金電極は、水素ガス、エタノールガス、一酸化炭素ガスおよび硫化水素ガスのいずれが供給された場合においても、硫酸水銀電極に対する電位が変化しない、または変化しても、その変化量が白金黒電極に比して極めて小さいことが明らかとなった。従って、水素ガス、エタノールガスなどのアルコールガス、一酸化炭素ガスおよび硫化水素ガスなどの硫黄化合物ガスが接触した場合であっても、電極電位を略一定に維持することのできる優れた電位安定性を有するものであることが確認された。特に、酸化イリジウム電極、酸化ルテニウム、電極ルテニウム電極およびイリジウム電極は、硫酸水銀電極に対する電位が変化しない、または変化が極めて小さいことから、水素ガス、エタノールガスなどのアルコールガス、一酸化炭素ガスおよび硫化水素ガスなどの硫黄化合物ガスが接触した場合であっても、電極電位を一定に維持することのできる極めて優れた電位安定性を有するものであることが確認された。
白金黒電極は、水素ガス、エタノールガス、一酸化炭素ガスおよび硫化水素ガスのいずれが供給された場合においても、硫酸水銀電極に対する電位が大きく変化することが確認された。
10 定電位電解式酸素ガスセンサ
11 ケーシング
12 ピンホール
13 ガス排出用貫通孔
15 一端側ガス透過性疎水隔膜
16 他端側ガス透過性疎水隔膜
17 ガス透過性多孔質膜
21 作用極
22 対極
23 参照極
30 制御手段
31 リード部材
31a 作用極用リード部材
31b 対極用リード部材
31c 参照極用リード部材
40 定電位電解式酸素ガスセンサ
41 ケーシング
42 ガス透過性疎水圧力調製膜
43 連通孔
45 感応部形成用空間
50 上面側保護板
50A 通孔
55 作用極
56 対極
57 参照極
60 板状蓋部材
61 ピンホール
65 下面側保護板
65A 通孔
70 キャップ部材
70A ガス排出用通孔
81 容器
82 側面部
84 多孔質PTFE膜
85 濾紙
87 硫酸水銀電極
88 ガス流路
89 ポンプ
91a,91b,91c,91d,91e 金属線材
93 ガス供給源
100 ケーシング
101 ガス導入用貫通孔
102 ガス透過性疎水隔膜
103 作用極
104 対極
108 リード部材
109 実験用制御手段
L 電解液
S 電解液室

Claims (4)

  1. ケーシング内において、作用極と対極とが電解液を介して設けられ、当該作用極には、一端部が当該ケーシングの外部に導出された作用極用リード部材の他端部が電気的に接続され、当該対極には、一端部が当該ケーシングの外部に導出された対極用リード部材の他端部が電気的に接続されており、前記作用極において検知対象ガスが還元され、前記対極において水の電気分解が生じることによって当該作用極と当該対極との間に流れる電解電流を測定する定電位電解式酸素ガスセンサにおいて、
    前記作用極が、白金黒および金黒から選ばれる金属黒により形成されたものであり、
    前記作用極用リード部材が、タンタル、金、タングステンおよびニオブから選ばれる金属により形成されたものであることを特徴とする定電位電解式酸素ガスセンサ。
  2. 前記ケーシング内においては、前記作用極との間および前記対極との間に電解液を介在した状態で参照極が設けられており、当該参照極には、一端部が当該ケーシングの外部に導出された参照極用リード部材の他端部が電気的に接続されており、
    前記参照極が、イリジウム、酸化イリジウム、ルテニウム、酸化ルテニウムおよび酸化白金から選ばれる物質により形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の定電位電解式酸素ガスセンサ。
  3. 前記参照極用リード部材が、タンタル、金、タングステンおよびニオブから選ばれる金属よりなることを特徴とする請求項2に記載の定電位電解式酸素ガスセンサ。
  4. 前記対極が酸化イリジウムにより形成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定電位電解式酸素ガスセンサ。
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