JP6329769B2 - 溶接方法及び補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接方法、補修方法、及び原子炉容器に関する。
特許文献1に開示されているように、構造物の補修が溶接で行われる場合がある。
特開2000−246438号公報
例えば、原子炉容器の欠陥(1次欠陥)を溶接で補修する場合、健全な溶接が行われないと、溶接欠陥(2次欠陥)が発生する可能性がある。その結果、補修が良好に行われず、原子炉容器の品質が低下する可能性がある。
本発明の態様は、溶接欠陥の発生を抑制し、健全な溶接を行うことができる溶接方法を提供することを目的とする。また、本発明の態様は、欠陥を良好に補修できる補修方法を提供することを目的とする。また、本発明の態様は、品質の低下を抑制できる原子炉容器を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、中性子が照射された低合金鋼の母材(その母材に既に溶接された溶接部を含む)を、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接材料を用いて溶接すること、を含む溶接方法を提供する。
本発明の第1の態様によれば、低合金鋼の母材を溶接する場合、溶接材料としてオーステナイト系ステンレス鋼が使用されることにより、溶接欠陥の発生が抑制される。母材が中性子の照射を受けると、母材中にヘリウムが発生する可能性がある。ヘリウムを含む母材が溶接された場合、そのヘリウムに起因して、溶接金属にポロシティが発生する可能性がある。本発明者の知見によると、溶融金属のガス圧を一定とした場合、ポロシティは、溶融金属の表面張力が小さいと生成され易く、溶融金属の表面張力が大きいと生成され難い。オーステナイト系ステンレス鋼の表面張力は、低合金鋼の表面張力よりも大きい。したがって、中性子が照射された低合金鋼の母材がオーステナイト系ステンレス鋼の溶接材料を用いて溶接されることにより、ポロシティのような溶接欠陥の発生が抑制される。
本発明の第1の態様において、前記溶接により前記母材と前記溶接材料との溶接金属が生成され、規定入熱量により生成される溶接金属の希釈率を測定することと、測定した前記希釈率と溶接金属の目標フェライト量とに基づいて溶接材料の組成を決定することと、前記決定された組成の溶接材料を用いて前記母材を溶接することと、を含んでもよい。
オーステナイト系ステンレス鋼の溶接金属には、低合金鋼を溶かし込む際に巻き込んだヘリウムが含有されており、多層多パス溶接した際の溶接熱サイクルでヘリウムが結晶粒界に集積し、ボイド欠陥として成長して、高温延性を低下させる。溶接金属に含まれるフェライト量が減少すると、溶接金属の高温延性が低下し、溶接金属に割れ(亀裂)のような溶接欠陥が発生する可能性がある。希釈率と目標フェライト量とに基づいて決定された組成を有する溶接材料で溶接を行うことにより、目標フェライト量を含む溶接金属が生成される。したがって、溶接欠陥の発生が抑制される。
本発明の第1の態様において、前記溶接により前記母材と前記溶接材料との溶接金属が生成され、前記溶接金属の目標フェライト量を設定することと、前記溶接金属の第1希釈率及び前記第1希釈率とは異なる第2希釈率の両方で前記目標フェライト量の溶接金属が生成されるように前記溶接材料の組成を決定することと、前記第1希釈率と前記第2希釈率との間の希釈率となるように入熱量を設定して、前記決定された組成の溶接材料を用いて前記母材を溶接することと、を含んでもよい。
従って、目標フェライト量を有する溶接金属が生成され、溶接欠陥の発生が抑制される。また、第1希釈率と第2希釈率との間で希釈率が変化しても、溶接欠陥の発生が抑制される。
本発明の第1の態様において、前記溶接金属の目標フェライト量は、5%以上12%以下でもよい。
従って、溶接金属の割れ及び耐食性の劣化などが抑制される。溶接金属に含まれるフェライト量が5%よりも少ない場合、溶接金属は十分な延性が得られず、割れが発生する可能性がある。溶接金属に含まれるフェライト量が12%よりも多い場合、例えば溶接金属の耐食性が劣化するなど、他の弊害をもたらす。溶接金属のフェライト量が5%以上12%以下になるように調整されることにより、弊害が生じることが抑制される。
本発明の第2の態様は、中性子が照射された母材の欠陥を検出することと、検出された前記欠陥を第1の態様の溶接方法で補修することと、を含む補修方法を提供する。
本発明の第2の態様によれば、溶接欠陥(2次欠陥)の発生が抑制された溶接方法で母材の欠陥(1次欠陥)が補修されるので、その母材は良好に補修される。
本発明の第2の態様において、前記欠陥を含む前記母材の一部分を除去することを含み、前記母材の溶接は、前記除去により前記母材に形成された凹部の溶接を含み、前記凹部の溶接は、前記凹部を溶接金属で埋めることを含んでもよい。
従って、母材の欠陥が除去された後、その除去により母材に形成された凹部を埋めるように溶接が行われるので、母材の欠陥が良好に補修される。
本発明の第2の態様において、前記溶接は、前記母材の表面に形成されたオーステナイト系ステンレス鋼のクラッド層の溶接を含み、前記除去は、前記クラッド層の一部分を除去することを含み、前記クラッド層の溶接は、前記除去により前記クラッド層に形成された開口部の溶接を含み、前記開口部の溶接は、前記開口部を溶接金属で埋めることを含んでもよい。
従って、母材に欠陥が発生された場合、母材の一部分及びクラッド層の一部分が除去された後、凹部及び開口部が溶接されることにより、母材及びクラッド層は良好に補修される。
本発明の第2の態様において、前記クラッド層に前記溶接金属が接触しないように、前記凹部を第1入熱量で溶接することと、前記凹部の溶接後、前記開口部を前記第1入熱量よりも小さい第2入熱量で溶接することと、を含んでもよい。
従って、溶接欠陥の発生が抑制されつつ、溶接作業時間の短縮が図られる。クラッド層は溶接で形成されており、熱影響部を含む。また、中性子の照射により、クラッド層はヘリウムを含む可能性がある。そのため、溶接材料(溶接金属)がクラッド層と接触すると、割れのような溶接欠陥が発生する可能性がある。クラッド層の開口部が第1入熱量よりも小さい第2入熱量で溶接されることにより、溶接欠陥の発生が抑制される。母材の凹部が第2入熱量よりも大きい第1入熱量で溶接されることにより、溶接作業時間の短縮が図られる。
本発明の第2の態様において、前記凹部及び前記開口部を第3入熱量で溶接することと、前記凹部の溶接及び前記開口部の溶接後、前記凹部の前記溶接金属を残した状態で、前記開口部の前記溶接金属及び前記開口部の周囲の前記クラッド層の一部分を除去することと、前記除去により前記クラッド層に形成された第2開口部を前記第3入熱量よりも小さい第4入熱量で溶接することと、を含んでもよい。
従って、溶接欠陥の発生が抑制されつつ、溶接作業時間の短縮が図られる。凹部及び開口部が第4入熱量よりも大きい第3入熱量で溶接されることにより、溶接作業時間は短縮される。その溶接によって開口部の周囲のクラッド層の一部分に溶接欠陥が発生しても、開口部の周囲のクラッド層の一部分が除去されることにより、その溶接欠陥はクラッド層の一部分とともに除去される。クラッド層に形成された第2開口部は第3入熱量よりも小さい第4入熱量で溶接されるので、溶接欠陥の発生が抑制される。
本発明の第2の態様において、前記凹部の形成後、前記凹部の溶接及び前記開口部の溶接前に、前記凹部にプラグ部材を配置することと、前記凹部に前記プラグ部材が配置された状態で、前記開口部を第5入熱量で溶接することと、前記開口部の溶接後、前記開口部の溶接金属の一部を除去して前記溶接金属に第3開口部を形成することと、前記凹部から前記プラグ部材を除去することと、前記第3開口部の形成及び前記プラグ部材の除去後、前記凹部及び前記第3開口部のそれぞれを前記第5入熱量よりも大きい第6入熱量で溶接することと、を含んでもよい。
従って、溶接欠陥の発生が抑制されつつ、溶接作業時間の短縮が図られる。クラッド層の開口部が第6入熱量よりも小さい第5入熱量で溶接されることにより、溶接欠陥の発生が抑制される。開口部の溶接において凹部にプラグ部材が配置されるため、開口部は溶接され、凹部は溶接されない。したがって、溶接作業時間が短縮される。第3開口部を規定する溶接金属は、溶接欠陥の発生が抑制された健全な溶接部である。第3開口部が形成され、プラグ部材が除去された後、凹部及び第3開口部は第5入熱量よりも大きい第6入熱量で溶接されるため、溶接作業時間が短縮される。
本発明の第2の態様において、前記凹部及び前記開口部の形成後、前記溶接前に、前記開口部をカバー部材で塞ぐことを含んでもよい。
従って、母材の欠陥の除去のために凹部及び開口部が形成された後、補修のための溶接が行われる前に、カバー部材で開口部が塞がれることにより、母材の劣化が抑制される。例えば、十分な補修作業時間が確保されない場合、カバー部材により応急処置が行われる。
本発明の第2の態様において、前記カバー部材は、オーステナイト系ステンレス鋼を含み、前記カバー部材と前記クラッド層の少なくとも一部とが前記溶接材料で溶接されてもよい。
従って、カバー部材はクラッド層に円滑に接合される。
本発明の第3の態様は、中性子が照射される低合金鋼の母材を備え、前記母材が第2の態様の補修方法で補修されている原子炉容器を提供する。
本発明の第3の態様によれば、欠陥が良好に補修されているため、原子炉容器の品質の低下が抑制される。
本発明の第4の態様は、中性子が照射される低合金鋼の母材と、前記母材に設けられ、前記母材とオーステナイト系ステンレス鋼の溶接材料との溶接金属を含む溶接部と、を備える原子炉容器を提供する。
本発明の第4の態様によれば、欠陥が良好に補修されているため、原子炉容器の品質の低下が抑制される。
本発明に係る溶接方法によれば、溶接欠陥の発生が抑制され、健全な溶接が行われる。本発明に係る補修方法によれば、母材は良好に補修される。本発明に係る原子炉容器によれば、品質の低下が抑制される。
図1は、第1実施形態に係る発電プラントの一例を示す概略構成図である。 図2は、第1実施形態に係る補修方法の一例を示すフローチャートである。 図3は、第1実施形態に係る母材の欠陥を溶接で補修する処理の一例を示す模式図である 図4は、母材に生じた欠陥を溶接で補修した後の溶接部の状態の一例を示す模式図である。 図5は、母材に生じた欠陥を溶接で補修した後の溶接部の状態の一例を示す模式図である。 図6は、第1実施形態に係る母材に生じた欠陥を溶接で補修した後の溶接部の状態の一例を示す模式図である。 図7は、溶接材料の表面張力とポロシティの発生状況との関係を示す図である。 図8は、第2実施形態に係る溶接方法の一例を示すフローチャートである。 図9は、シェフラ―組織図の一例を示す図である。 図10は、第2実施形態に係るシェフラ―組織図の一例を示す図である。 図11は、第3実施形態に係るシェフラ―組織図の一例を示す図である。 図12は、第3実施形態に係る溶接方法の一例を示すフローチャートである。 図13は、図11の一部を模式的に示す拡大図である。 図14は、第4実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図15は、第4実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図16は、第4実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図17は、第5実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図18は、第5実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図19は、第6実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図20は、第6実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図21は、第6実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図22は、第7実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図23は、第7実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図24は、第7実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図25は、第7実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図26は、第8実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図27は、第8実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図28は、第8実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図29は、第8実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図30は、第8実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。 図31は、第8実施形態に係る補修方法の一例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る原子力発電プラントAPの一例を示す概略構成図である。図1に示すように、原子力発電プラントAPは、原子炉系CS1と、タービン系CS2とを有する。本実施形態において、原子力発電プラントAPは、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を含む。原子炉系CS1において1次冷却水が循環する。タービン系CS2において2次冷却水が循環する。原子炉系CS1は、高温高圧な1次冷却水(熱水)を生成する。原子力発電プラントAPは、蒸気発生器103を備えている。蒸気発生器103において、1次冷却水(熱水)と2次冷却水との熱交換が行われ、2次冷却水の蒸気が生成される。
原子炉系CS1は、原子炉容器101と、加圧器102と、1次冷却水ポンプ104とを備えている。原子炉容器101、加圧器102、蒸気発生器103、及び1次冷却水ポンプ104のそれぞれは、原子炉格納容器100に格納される。原子炉容器101は、炉心129及び燃料集合体120を収容する。原子炉容器101で加熱され、加圧器102によって加圧された高温高圧な1次冷却水(熱水)は、蒸気発生器103に供給される。蒸気発生器103で熱交換された低温の1次冷却水は、原子炉容器101に供給される。
タービン系CS2は、高圧タービン108及び低圧タービン109を含む蒸気タービン107と、蒸気タービン107により駆動されて発電する発電機110と、湿分分離加熱器111と、蒸気タービン107で仕事をした蒸気を冷却して液化する復水器112と、給水ポンプ116と、復水ポンプ113と、低圧給水加熱器114と、脱気器115と、高圧給水加熱器117とを備えている。蒸気タービン107は、蒸気発生器103から供給された蒸気により作動する。復水器112は、例えば海水を使って蒸気を冷却して水に戻す。給水ポンプ116は、復水器112からの2次冷却水が蒸気発生器103に供給されるように作動する。
原子炉容器101は、炭素鋼又は低合金鋼で形成される。本実施形態において、原子炉容器101は、低合金鋼製の部材を含む。
稼働した原子炉容器101の検査を実施して、原子炉容器101の欠陥(1次欠陥)が検出された場合、その欠陥の補修が行われる。欠陥は、原子炉容器101の少なくとも一部に生じた割れ(亀裂)を含む。本実施形態においては、原子炉容器101に生じた欠陥が、溶接によって補修される。
以下の説明においては、溶接によって補修される補修対象部材を適宜、母材1、と称する。母材1は、原子炉容器101の母材を含む。また、母材1は、その母材に既に溶接された溶接部を含む。母材1は、低合金鋼である。原子炉容器101の稼動において、原子炉容器101の母材1は、中性子の照射を受ける。
次に、本実施形態に係る母材1の補修方法の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る母材1の補修方法の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態に係る補修方法は、中性子が照射された母材1の欠陥を検出する工程(ステップSA1)と、検出された欠陥を溶接で補修する工程(ステップSA2)と、を含む。
図3は、母材1の欠陥を溶接で補修する処理の一例を示す模式図である。本実施形態において、ステップSA2の溶接は、中性子が照射された低合金鋼の母材1を、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接材料2を用いて溶接することを含む。図3に示すように、溶接材料2を用いて母材1を溶接すると、その溶接により母材1と溶接材料2との溶接金属3が生成される。溶接金属3とは、溶接部4の一部で、溶接中に溶融凝固した金属をいう。すなわち、溶接金属3は、溶融凝固した母材1及び溶融凝固した溶接材料2を含む。溶接部4とは、溶接金属3及び熱影響部を含んだ部分の総称である。溶接材料2を用いて母材1が溶接されることにより、母材1と溶接材料2との溶接金属3を含む溶接部4が母材1に設けられる。
合金鋼とは、鉄を主成分とする鋼であって、Fe及びC以外に、Al(0.1質量%)、B(0.0008質量%)、Co(0.1質量%)、Cr(0.3質量%)、Cu(0.4質量%)、La(0.05質量%)、Mo(0.08質量%)、Nb(0.06質量%)、Ni(0.3質量%)、Pb(0.4質量%)、Se(0.1質量%)、Te(0.1質量%)、Ti(0.05質量%)、V(0.1質量%)、W(0.1質量%)、及びZr(0.05質量%)を含むものをいう(但し、括弧内の数値は下限値)。低合金鋼とは、上述の合金元素の合計量が5質量%以下の合金鋼をいう。
オーステナイト系ステンレス鋼とは、常温においてもオーステナイト組織を示すステンレス鋼であって、クロム(Cr)及びニッケル(Ni)を含むものをいう。オーステナイト系ステンレス鋼は、冷間加工だけで硬化し、熱処理では硬化しないで軟化する。オーステナイト系ステンレス鋼は、フェライト系ステンレス鋼に比べて、機械的特性及び溶接性に優れる。
母材1が中性子の照射を受けると、母材1の材質が変化する可能性がある。中性子の照射による材質の変化は、ヘリウムの発生及び延性の低下の一方又は両方を含む。材質が変化した母材1を溶接すると、溶接欠陥(2次欠陥)が発生する可能性がある。溶接欠陥は、ポロシティ及び割れの一方又は両方を含む。ポロシティは、例えばヘリウムの発生に起因する。割れは、例えば延性の低下に起因する。
例えば母材1にヘリウムが発生し、そのヘリウムを含む母材1を溶接すると、そのヘリウムに起因して、溶接金属3にポロシティが発生する可能性がある。ポロシティ(porosity)とは、溶接欠陥の一種であって、溶融金属中に発生したガスによって、凝固後の溶接金属3に生じたブローホール及び表面まで孔が開いたピットなどの総称をいう。本実施形態において、ポロシティは、母材1との境界部において溶接金属3に発生した気孔を含む。
本発明者の知見によると、ヘリウムを含む母材1の欠陥(1次欠陥)を溶接によって補修するとき、溶接材料2として母材1と同じ材料(本実施形態においては低合金鋼)を使用すると、ポロシティ(2次欠陥)が多数発生する可能性が高くなる。
入熱を抑制することにより、ポロシティの発生が抑制される可能性がある。しかし、入熱を抑制すると、所期の溶接部4を形成するための溶接作業時間の長期化をもたらす。入熱(入熱量)とは、溶接作業において外部から溶接部4に与えられる熱量をいい、溶接速度に反比例する。溶接速度とは、溶接作業において溶接ビードを置く速度をいい、単位時間当たりのビード長さをいう。
低合金鋼の母材1を溶接する場合、溶接材料2としてオーステナイト系ステンレス鋼を使用することにより、ポロシティの発生を抑制することができる。本発明者の知見によると、溶融金属のガス圧を一定とした場合、ポロシティは、溶融金属の表面張力が小さいと生成され易く、溶融金属の表面張力が大きいと生成され難い。
以下の(1)式は、ポロシティの生成条件を示す。(1)式に示すように、溶融金属のガス圧を一定とした場合、溶融金属の表面張力が小さいほどポロシティは生成され易い。
Figure 0006329769
オーステナイト系ステンレス鋼の表面張力は、低合金鋼の表面張力よりも大きい。したがって、溶接材料2としてオーステナイト系ステンレス鋼を使用することにより、溶接金属3にポロシティが発生することが抑制される。
図4、図5、及び図6のそれぞれは、低合金鋼の母材1に生じた欠陥(1次欠陥)を溶接で補修した後の溶接部の状態の一例を示す模式図である。補修のための溶接は、母材1の少なくとも一部を溶接材料で肉盛り溶接することを含む。図4は、溶接材料として、母材1と同じ低合金鋼2Raを使用した場合の溶接部4Raの例を示す。図5は、溶接材料として、母材1よりも表面張力が大きい低合金鋼2Rbを使用した場合の溶接部4Rbの例を示す。図6は、溶接材料として、オーステナイト系ステンレス鋼2を使用した場合の溶接部4の例を示す。
母材1は、中性子の照射を受けた後の低合金鋼である。また、図4、図5、及び図6は、第1回目のパス(溶接操作)によって生成された溶接部を示す。
図7は、低合金鋼2Ra(母材1と同種の低合金鋼)、低合金鋼2Raよりも表面張力が大きい低合金鋼2Rb、及びオーステナイト系ステンレス鋼2それぞれの表面張力の計測結果と、ポロシティの発生状況との関係を示す図である。本実施形態において、オーステナイト系ステンレス鋼2は、SUS304である。図7に示すように、1560℃における低合金鋼2Raの表面張力は、1286mN/mである。1560℃における低合金鋼2Rbの表面張力は、1439mN/mである。1600℃におけるオーステナイト系ステンレス鋼2の表面張力は、1530mN/mである。
図4及び図7に示すように、溶接材料として低合金鋼2Raを使用した場合、母材1との境界部の近傍の溶接金属3Raにポロシティが多数発生する。
図5及び図7に示すように、溶接材料として低合金鋼2Rbを使用した場合、母材1との境界部の近傍の溶接金属3Rbにポロシティが僅かに発生する。
図6及び図7に示すように、溶接材料として表面張力が大きいオーステナイト系ステンレス鋼2を使用した場合、ポロシティは発生しない。
このように、中性子の照射を受けた母材1の欠陥を溶接で補修する場合、表面張力が大きい溶接材料2を使用することにより、ポロシティの発生を抑制できることができる。本試験の結果より、母材1の溶融温度である1560℃において表面張力が1400mN/m以上の溶接材料2を使用すれば、ポロシティの発生が抑制できることが確認できる。
溶接材料として、低合金鋼2Ra、低合金鋼2Rb、及びオーステナイト系ステンレス鋼2のそれぞれを使用して、中性子の照射を受けていない母材1の欠陥を溶接で補修した。その結果、低合金鋼2Ra、低合金鋼2Rb、及びオーステナイト系ステンレス鋼2のいずれを使用した場合でも、ポロシティは発生しなかった。これにより、溶接によるポロシティの発生原因の一つが、母材1に対する中性子の照射(中性子の照射に起因するヘリウムの発生)であることが確認できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、低合金鋼の母材1の欠陥を溶接によって補修する場合、溶接材料2としてオーステナイト系ステンレス鋼を使用することにより、ポロシティの発生を抑制することができる。そのため、健全な溶接を行うことができ、母材1の補修を良好に行うことができる。また、母材1が原子炉容器101の母材である場合、その原子炉容器101の品質の低下を抑制できる。
ポロシティは、例えば、JIS Z 3104「鋼溶接継手の放射線透過試験方法」の附属書4「透過写真によるきずの像の分類方法」の附属書4表1の「きずの種別」において、第1種に分類される。「試験視野の大きさ」は付属書4表2で規定され、「きず点数」は付属書4表3で規定される。第1種のきずの合否判定は、附属書4表5の基準に従って行われる。本実施形態においては、溶接材料としてオーステナイト系ステンレス鋼を用いることにより、本規格の基準を満たすことができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
上述の実施形態においては、ポロシティの発生を抑制する例について説明した。溶接欠陥は、割れ(亀裂)を含む。本実施形態においては、溶接金属3の割れ(凝固割れ、高温割れ)の発生を抑制する例について説明する。
溶接金属3(溶接部4)において、割れが発生する可能性がある。割れの発生の原因の一つとして溶接金属3の延性の低下が挙げられる。特に、第1回目のパス(溶接操作)によって生成された溶接金属3に割れが発生する可能性がある。
中性子が照射された母材1を溶接材料2で溶接する場合、母材1に含まれるヘリウムに起因して割れが発生する可能性が高い。例えば、ヘリウムが溶接金属3の結晶粒界(凝固組織境界)に拡散してバブルを形成し、その結果、溶接金属3の延性が低下して割れが発生すると考えられる。また、第1回目のパスでバブルが形成された場合、第2回目のパスの溶接熱によりバブルが成長し、その結果、粒界強度が低下して溶接金属3の延性が低下することも考えられる。
本発明者の知見によると、溶接金属3のフェライト量が少ないと、溶接金属3の延性が低下して割れが発生し易くなる。溶接金属3のフェライト量が多いと、溶接金属3の延性が向上して割れが発生し難くなる。フェライト量とは、溶接金属3中に含まれるフェライト組織の含有量をいう。
そこで、本実施形態においては、溶接金属3の割れを抑制するために、溶接金属3に含まれるフェライト量が目標値(目標フェライト量)に調整される。本実施形態において、溶接金属3の目標フェライト量は、5%以上12%以下である。溶接金属3に含まれるフェライト量が5%よりも少ない場合、溶接金属3は十分な延性が得られず、割れが発生する可能性がある。溶接金属3に含まれるフェライト量が12%よりも多い場合、例えば溶接金属3の耐食性が劣化するなど、他の弊害をもたらす。そのため、本実施形態においては、溶接金属3のフェライト量が5%以上12%以下になるように調整される。
また、入熱を抑制することにより、溶接金属3の割れの発生が抑制される。本実施形態においては、溶接金属3の割れを抑制するために、入熱量が十分に低減される。本実施形態においては、入熱量が低減されたTIG溶接又はレーザ溶接で溶接が行われる。以下の説明においては、溶接金属3の割れを抑制するために十分に低減された入熱量を適宜、規定入熱量、と称する。
次に、本実施形態に係る溶接方法の一例について説明する。図8は、本実施形態に係る母材1の溶接方法の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、本実施形態に係る溶接方法は、溶接金属3の目標フェライト量を設定する工程(ステップSB1)と、規定入熱量により母材1と溶接材料2とから生成される溶接金属3の希釈率を測定する工程(ステップSB2)と、測定した希釈率と目標フェライト量とに基づいて溶接材料2の組成を決定する工程(ステップSB3)と、決定された組成の溶接材料2を用いて母材1を溶接する工程(ステップSB4)と、を含む。
溶接金属3の目標フェライト量が設定される(ステップSB1)。上述のように、本実施形態において、溶接金属3の目標フェライト量は、5%以上12%以下である。
規定入熱量により母材1と溶接材料2とから生成される溶接金属3の希釈率が測定される(ステップSB2)。希釈とは、溶接材料2が溶融した母材1で薄められ、溶接金属3の合金成分が溶接材料2の合金成分よりも少なくなる現象をいう。希釈率とは、溶接材料2が母材1で薄められる度合いをいい、以下の(2)式で定義される。
Figure 0006329769
希釈率が低い場合、溶接金属3の組成は、溶接材料2(フェライト系ステンレス鋼)に近い組成となる。希釈率が高い場合、溶接金属3の組成は、母材1(低合金鋼)に近い組成となる。溶接において入熱量が低減されると、溶接材料2の供給量が低下し、その結果、希釈率は高くなる。入熱量が小さい場合、希釈率は、例えば30%以上50%以下となる。入熱量が大きい場合、希釈率は、例えば10%程度となる。
n回のパスで母材1を溶接材料2で溶接する場合、第n層目の溶接金属3のX成分の値は、以下の(3)式で表される。
Figure 0006329769
次に、ステップSB2で測定した希釈率と、ステップSB1で設定した溶接金属3の目標フェライト量とに基づいて、溶接材料2の組成を決定する処理が行われる。本実施形態において、溶接材料2の組成を決定する処理は、シェフラ―組織図を用いて行われる。
図9は、シェフラ―組織図の一例を示す。溶接金属3中に含まれるフェライト量をその合金成分から推定する方法として、シェフラ―組織図が使用される。図9は、溶接材料2が既存のオーステナイト系ステンレス鋼(例えばY308L)である例を示す。図9において、ラインL1は、母材1である低合金鋼の組成(クロム当量及びニッケル当量)を示す点Pと、溶接材料2であるオーステナイト系ステンレス鋼の組成(クロム当量及びニッケル当量)を示す点Q1とを結んだラインである。母材1と溶接材料2とを溶接することにより生成される溶接金属3の組成(クロム当量及びニッケル当量)は、ラインL1上に存在する。希釈率の変化により、溶接金属3の組成を示す点は、ラインL1上を移動する。希釈率が低い場合、溶接金属3の組成は、溶接材料2に近い組成となる。希釈率が高い場合、溶接金属3の組成は、母材1に近い組成となる。
希釈率が低い場合、溶接金属3の組成は、溶接材料2の組成に近いオーステナイト(A)及びフェライト(F)の混合領域(A+F)にある。希釈率の増加に伴って、溶接金属3の組成は、オーステナイト(A)の単相領域を経て、オーステナイト(A)及びマルテンサイト(M)の混合領域に変化する。
図9において、溶接材料2(希釈率0%の溶接金属3)のクロム当量は約24%であり、ニッケル当量は約16%である。(3)式より、希釈率10%の場合、第1層目の溶接金属3のクロム当量は約21.6%であり、ニッケル当量は約14.4%である。希釈率20%の場合、第1層目のクロム当量は約19.2%であり、ニッケル当量は約12.8%である。
図9に示す例では、希釈率が10%よりも大きくなると、溶接金属3に含まれるフェライト量は5%よりも少なくなる。したがって、上述のフェライト量の目標値(5%以上12%以下)を達成するためには、希釈率が10%以下である必要がある。すなわち、図9に示す溶接材料2で目標フェライト量を達成するためには、入熱量を大きくする必要がある。
図10は、規定入熱量により生成される溶接金属3の希釈率を測定し、その測定した希釈率に基づいて、フェライト量が目標フェライト量(目標値)になるように、溶接材料2の組成を調整した例を示す。以下の説明においては、測定した希釈率と目標フェライト量とに基づいて組成が調整された溶接材料2を適宜、改良溶接材料2、と称する。図10において、ラインL2は、母材1である低合金鋼の組成を示す点Pと、改良溶接材料2であるオーステナイト系ステンレス鋼の組成を示す点Q2とを結んだラインである。母材1と改良溶接材料2とを溶接することにより生成される溶接金属3の組成は、ラインL2上に存在する。希釈率の変化により、溶接金属3の組成を示す点は、ラインL2上を移動する。希釈率が低い場合、溶接金属3の組成は、改良溶接材料2に近い組成となる。希釈率が高い場合、溶接金属3の組成は、母材1に近い組成となる。
図10において、改良溶接材料2(希釈率0%の溶接金属3)のクロム当量は約32%であり、ニッケル当量は約18%である。(3)式より、希釈率10%の場合、第1層目の溶接金属3のクロム当量は約28.8%であり、ニッケル当量は約16.2%である。希釈率40%の場合、第1層目のクロム当量は約19.2%であり、ニッケル当量は約10.8%である。
図10において、希釈率が40%になっても、溶接金属3に含まれるフェライト量は5%程度であることが分かる。したがって、図10に示す組成を有する改良溶接材料2を用いて溶接した場合、上述のフェライト量の目標値(5%以上12%以下)を達成するためには、希釈率が40%まで許容される。換言すれば、小さい入熱量(規定入熱量)で溶接しても、図10に示す改良溶接材料2を使用すれば、溶接金属3の目標フェライト量を達成することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、測定された希釈率と溶接金属3の目標フェライト量とに基づいて決定された組成を有する溶接材料(改良溶接材料)2で溶接を行うことにより、目標フェライト量を含む溶接金属3が生成される。したがって、溶接金属3の延性の低下が抑制され、溶接欠陥の発生が抑制される。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。本実施形態は、上述の第2実施形態の変形例である。
図11は、本実施形態に係る溶接材料2の組成を決定するためのシェフラ―組織図の一例を示す。図11において、領域Cは、目標フェライト量が達成される溶接金属3の組成の範囲を示す。領域Cは、数値範囲Jcのクロム当量と数値範囲Kcのニッケル当量とで規定される。領域Cは、4つのコーナー(点)を有する。第1の点C1は、目標フェライト量が達成される溶接金属3の組成のうち、クロム当量が最も少ない組成を示す。第2の点C2は、目標フェライト量が達成される溶接金属3の組成のうち、ニッケル当量が最も多い組成を示す。第3の点C3は、目標フェライト量が達成される溶接金属3の組成のうち、クロム当量が最も多い組成を示す。第4の点C4は、目標フェライト量が達成される溶接金属3の組成のうち、ニッケル当量が最も少ない組成を示す。
一例として、点C1の組成は、クロム当量が18.3%であり、ニッケル当量が10.8%である。点C2の組成は、クロム当量が21.5%であり、ニッケル当量が14.1%である。点C3の組成は、クロム当量が22.8%であり、ニッケル当量が12.6%である。点C4の組成は、クロム当量が19.5%であり、ニッケル当量が9.8%である。
図11において、領域Dは、希釈率が30%において、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成の範囲を示す。領域Dは、数値範囲Jdのクロム当量と数値範囲Kdのニッケル当量とで規定される。領域Dは、4つのコーナー(点)を有する。第1の点D1は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も少ない組成を示す。第2の点D2は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も多い組成を示す。第3の点D3は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も多い組成を示す。第4の点D4は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も少ない組成を示す。
一例として、点D1の組成は、クロム当量が25.7%であり、ニッケル当量が13.9%である。点D2の組成は、クロム当量が30.3%であり、ニッケル当量が18.5%である。点D3の組成は、クロム当量が32.2%であり、ニッケル当量が16.4%である。点D4の組成は、クロム当量が27.5%であり、ニッケル当量が12.5%である。
例えば、希釈率が30%であって、溶接金属3を点C1の組成にする場合、溶接材料2は、点D1で示される組成に決定される。溶接金属3を点C2の組成にする場合、溶接材料2は、点D2で示される組成に決定される。溶接金属3を点C3の組成にする場合、溶接材料2は、点D3で示される組成に決定される。溶接金属3を点C4の組成にする場合、溶接材料2は、点D4で示される組成に決定される。溶接金属3を領域Cの中心の点の組成にする場合、溶接材料2は、領域Dの中心の点の組成に決定される。
図11において、領域Eは、希釈率が40%において、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成の範囲を示す。領域Eは、数値範囲Jeのクロム当量と数値範囲Keのニッケル当量とで規定される。領域Eは、4つのコーナー(点)を有する。第1の点E1は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も少ない組成を示す。第2の点E2は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も多い組成を示す。第3の点E3は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も多い組成を示す。第4の点E4は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も少ない組成を示す。
一例として、点E1の組成は、クロム当量が29.8%であり、ニッケル当量が15.6%である。点E2の組成は、クロム当量が35.2%であり、ニッケル当量が21.0%である。点E3の組成は、クロム当量が37.4%であり、ニッケル当量が18.6%である。点E4の組成は、クロム当量が31.9%であり、ニッケル当量が13.9%である。
例えば、希釈率が40%であって、溶接金属3を点C1の組成にする場合、溶接材料2は、点E1で示される組成に決定される。溶接金属3を点C2の組成にする場合、溶接材料2は、点E2で示される組成に決定される。溶接金属3を点C3の組成にする場合、溶接材料2は、点E3で示される組成に決定される。溶接金属3を点C4の組成にする場合、溶接材料2は、点E4で示される組成に決定される。溶接金属3を領域Cの中心の点の組成にする場合、溶接材料2は、領域Eの中心の点の組成に決定される。
図11において、領域Fは、希釈率が50%において、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成の範囲を示す。領域Fは、数値範囲Jfのクロム当量と数値範囲Kfのニッケル当量とで規定される。領域Fは、4つのコーナー(点)を有する。第1の点F1は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も少ない組成を示す。第2の点F2は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も多い組成を示す。第3の点F3は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も多い組成を示す。第4の点F4は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も少ない組成を示す。
一例として、点F1の組成は、クロム当量が35.6%であり、ニッケル当量が18.0%である。点F2の組成は、クロム当量が42.1%であり、ニッケル当量が24.5%である。点F3の組成は、クロム当量が44.7%であり、ニッケル当量が21.6%である。点F4の組成は、クロム当量が38.1%であり、ニッケル当量が16.0%である。
例えば、希釈率が50%であって、溶接金属3を点C1の組成にする場合、溶接材料2は、点F1で示される組成に決定される。溶接金属3を点C2の組成にする場合、溶接材料2は、点F2で示される組成に決定される。溶接金属3を点C3の組成にする場合、溶接材料2は、点F3で示される組成に決定される。溶接金属3を点C4の組成にする場合、溶接材料2は、点F4で示される組成に決定される。溶接金属3を領域Cの中心の点の組成にする場合、溶接材料2は、領域Fの中心の点の組成に決定される。
このように、数値範囲Jcのクロム当量と数値範囲Kcのニッケル当量とで規定される溶接金属3の目標フェライト量の範囲Cを設定し、所定の希釈率30%(40%、50%)で範囲Cの目標フェライト量の溶接金属3が生成されるように、数値範囲Jd(Je、Jf)のクロム当量と数値範囲Kd(Ke,Kf)のニッケル当量とで規定される溶接材料2の組成の範囲D(E、F)を決定し、所定の希釈率となるように入熱量を決定して、その決定された入熱量で、範囲D(E、F)の組成を有する溶接材料2を用いて母材1を溶接してもよい。
図11において、領域DEは、領域Dと領域Eとの重複領域である。すなわち、希釈率が30%以上40%以下のときの目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成の範囲を示す。領域DEは、4つのコーナー(点)を有する。第1の点DE1は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も少ない組成を示す点であって、上述の点E1に相当する。第2の点DE2は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も多い組成を示す。第3の点DE3は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も多い組成を示す点であって、上述の点D3に相当する。第4の点DE4は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も少ない組成を示す。
一例として、点DE1の組成は、クロム当量が29.8%であり、ニッケル当量が15.6%である。点DE2の組成は、クロム当量が31.5%であり、ニッケル当量が17.2%である。点DE3の組成は、クロム当量が32.2%であり、ニッケル当量が16.4%である。点DE4の組成は、クロム当量が30.5%であり、ニッケル当量が15.0%である。
図11において、領域EFは、領域Eと領域Fとの重複領域である。すなわち、希釈率が40%以上50%以下のときの目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成の範囲を示す。領域EFは、4つのコーナー(点)を有する。第1の点EF1は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も少ない組成を示す点であって、上述の点F1に相当する。第2の点EF2は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も多い組成を示す。第3の点EF3は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、クロム当量が最も多い組成を示す点であって、上述の点E3に相当する。第4の点EF4は、目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成のうち、ニッケル当量が最も少ない組成を示す。
一例として、点EF1の組成は、クロム当量が35.6%であり、ニッケル当量が18.0%である。点EF2の組成は、クロム当量が36.8%であり、ニッケル当量が19.2%である。点EF3の組成は、クロム当量が37.4%であり、ニッケル当量が18.6%である。点EF4の組成は、クロム当量が36.2%であり、ニッケル当量が17.5%である。
図12は、本実施形態に係る溶接方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る溶接方法は、溶接金属3の目標フェライト量を設定する工程(ステップSC1)と、溶接金属3の第1希釈率及び第1希釈率とは異なる第2希釈率の両方で目標フェライト量の溶接金属3が生成されるように溶接材料2の組成を決定する工程(ステップSC2)と、第1希釈率と第2希釈率との間の希釈率となるように入熱量を設定して、決定された組成の溶接材料2を用いて母材1を溶接する工程(ステップSC3)と、を含む。
図13は、図11の一部を模式的に示した図である。図13において、点Pは、母材1の組成を示す点である。点Qdは、希釈率が30%のときに目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成を示す点である。点Qdは、領域Cに配置される。点Qeは、希釈率が40%のときに目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成を示す点である。点Qeは、領域Eに配置される。点Qdeは、希釈率が30%以上40%以下のときに目標フェライト量を達成可能な溶接材料2の組成を示す点である。点Qdeは、領域DEに配置される。
図13に示すように、点Qdの組成の溶接材料2と母材1とから生成される溶接金属3の希釈率が30%のとき、その組成を示す点は領域Cに配置され、目標フェライト量を達成できる。一方、希釈率が40%のとき、その組成を示す点は領域Cの外側に配置され、目標フェライト量を達成できない。
図13に示すように、点Qeの組成の溶接材料2と母材1とから生成される溶接金属3の希釈率が40%のとき、その組成を示す点は領域Cに配置され、目標フェライト量を達成できる。一方、希釈率が30%のとき、その組成を示す点は領域Cの外側に配置され、目標フェライト量を達成できない。
図13に示すように、点Qdeの組成の溶接材料2と母材1とから生成される溶接金属3の希釈率が30%及び40%のそれぞれにおいて、その組成を示す点は領域Cに配置され、目標フェライト量を達成できる。
本実施形態においては、溶接金属3の目標フェライト量(領域C)が設定され(ステップSC1)、希釈率30%及び希釈率40%の両方で目標フェライト量の溶接金属3が生成されるように溶接材料2の組成が決定される(ステップSC2)。すなわち、ステップSC2では、溶接材料2の組成を示す点が領域DEに配置されるように、溶接材料2の組成が決定される。そして、希釈率が30%以上40%以下となるように入熱量が設定され、その入熱量に基づいて、溶接材料2を用いて母材1が溶接される(ステップSC3)。
以上説明したように、本実施形態においても、目標フェライト量を有する溶接金属2が生成されるため、溶接欠陥の発生を抑制することができる。また、本実施形態によれば、溶接において30%と40%との間で希釈率が変化しても、目標フェライト量の溶接金属3が生成されるため、溶接欠陥の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、希釈率30%以上40%以下のときに目標フェライト量の溶接金属3が生成されるように溶接材料2の組成が決定される例について説明した。希釈率40%以上50%以下のときに目標フェライト量の溶接金属3が生成されるように溶接材料2の組成を決定する場合、溶接材料2の組成を示す点が領域EFに配置されるように、溶接材料2の組成が決定される。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図14、図15、及び図16は、本実施形態に係る補修方法の一例を説明するための模式図である。図14に示すように、本実施形態においては、母材1の表面にクラッド層5が設けられる。本実施形態において、クラッド層5は、オーステナイト系ステンレス鋼で形成される。本実施形態においては、図14に示すように、母材1に発生した欠陥を補修する例について説明する。
図15に示すように、欠陥を含む母材1の一部分が除去される。母材1の一部分の除去において、クラッド層5の一部分も除去される。本実施形態においては、切削加工により、母材1の一部分及びクラッド層5の一部分が除去される。母材1の一部分の除去により、母材1に凹部6が形成される。また、クラッド層5の一部分の除去により、クラッド層5に開口部7が形成される。
次に、補修のための溶接が行われる。母材1及びクラッド層5のそれぞれが溶接される。母材1の溶接は、凹部6を溶接して、凹部6を溶接金属3で埋める処理を含む。クラッド層5の溶接は、開口部7を溶接して、開口部7を溶接金属3で埋める処理を含む。上述の実施形態に従って、溶接材料2を用いて母材1及びクラッド層5のそれぞれが溶接される。本実施形態においては、凹部6及び開口部7のそれぞれが溶接金属3で埋まるように肉盛り溶接が行われてもよい。これにより、図16に示すように、凹部6及び開口部7が溶接金属3で充填され、健全な溶接部2が形成される。
入熱量が十分に低減されたレーザ溶接によって、凹部6及び開口部7の溶接が行われる。これにより、溶接欠陥の発生が抑制される。本実施形態においては、レーザ溶接におけるレーザ出力は、720W以上880W以下に定められる。レーザ出力が720Wよりも小さくなると、溶接材料2の添加が困難となる可能性がある。レーザ出力が880Wよりも大きくなると、入熱量が大きくなって溶接欠陥が発生する可能性が高くなる。また、レーザ溶接における溶接速度は、12.1mm/秒以上14.6mm/秒以下に定められる。溶接速度が14.6mm/秒よりも高くなると、溶接材料2の添加が困難となる可能性がある。溶接速度が12.1mm/秒よりも低くなると、入熱量が大きくなって溶接欠陥が発生する可能性が高くなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、母材1の表面にクラッド層5が設けられている場合においても、母材1の欠陥を良好に補修することができる。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図17及び図18は、本実施形態に係る補修方法の一例を説明するための模式図である。上述の実施形態に従って、欠陥を含む母材1の一部分及びクラッド層5の一部分が除去される。これにより、図15に示したように、凹部6及び開口部7が形成される。凹部6及び開口部7が形成された後、図17に示すように、クラッド層5に溶接金属3が接触しないように、凹部6が溶接される。凹部6の溶接は、凹部6を溶接金属3で埋める処理を含む。本実施形態においては、入熱量H1のTIG溶接で凹部6の溶接が行われる。
凹部6が溶接された後、図18に示すように、開口部7が溶接される。開口部7の溶接は、開口部7を溶接金属3で埋める処理を含む。本実施形態においては、入熱量H1よりも小さい入熱量H2のレーザ溶接で開口部7の溶接が行われる。
以上説明したように、本実施形態によれば、溶接欠陥の発生を抑制しつつ、溶接作業時間の短縮を図ることができる。クラッド層5は、溶接で母材1の表面に形成されており、熱影響部を含む。また、中性子の照射により、クラッド層5はヘリウムを含む可能性がある。そのため、溶接材料2(溶接金属3)がクラッド層5と接触すると、割れのような溶接欠陥が発生する可能性がある。クラッド層5の開口部7を溶接するとき、入熱量H1よりも小さい入熱量H2で溶接することにより、溶接欠陥の発生を抑制することができる。母材1の凹部6を溶接するとき、入熱量H2よりも大きい入熱量H1で溶接することにより、溶接作業時間の短縮を図ることができる。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図19、図20、及び図21は、本実施形態に係る補修方法の一例を説明するための模式図である。上述の実施形態に従って、欠陥を含む母材1の一部分及びクラッド層5の一部分が除去される。これにより、図15に示したように、凹部6及び開口部7が形成される。本実施形態においては、入熱量H1のTIG溶接で凹部6及び開口部7の溶接が行われる。
クラッド層5は、熱影響部を含む。また、中性子の照射により、クラッド層5はヘリウムを含む可能性がある。そのため、入熱量H1でクラッド層5の開口部7を溶接すると、図19に示すように、割れのような溶接欠陥が開口部7の周囲のクラッド層5の一部分に発生する可能性がある。
凹部6の溶接及び開口部7の溶接が行われた後、図20に示すように、凹部6の溶接金属3を残した状態で、開口部7の内側の溶接金属3及び開口部7の周囲のクラッド層5の一部分が除去される。開口部7の周囲のクラッド層5の一部分の除去により、図20に示すように、開口部7よりも大きい開口部7Aがクラッド層5に形成される。開口部7の周囲のクラッド層の5一部分を除去することにより、そのクラッド層5の一部分とともに溶接欠陥も除去される。
クラッド層5に開口部7Aが形成された後、図21に示すように、開口部7Aが溶接される。入熱量H1よりも小さい入熱量H2のレーザ溶接で開口部7Aの溶接が行われる。
以上説明したように、本実施形態によれば、凹部6及び開口部7を溶接するとき、入熱量H2よりも大きい入熱量H1で溶接することにより、溶接作業時間の短縮を図ることができる。開口部7の周囲のクラッド層5に溶接欠陥が発生しても、その溶接欠陥を含むクラッド層5の一部分を除去して開口部7Aを形成した後、その開口部7Aを入熱量H1よりも小さい入熱量H2で溶接することにより、溶接欠陥の発生を抑制することができる。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図22、図23、図24、及び図25は、本実施形態に係る補修方法の一例を説明するための模式図である。欠陥を含む母材1の一部分及びクラッド層5の一部分が除去される。これにより、図22に示すように、凹部6及び開口部7Bが形成される。開口部7Bは、凹部6の上端の開口よりも大きい。
本実施形態においては、凹部6及び開口部7Bが形成された後、凹部6の溶接及び開口部7Bの溶接が行われる前に、凹部6にプラグ部材10が配置される。図23に示すように、凹部6にプラグ部材10が配置された状態で、開口部7Bが溶接される。入熱量H1よりも小さい入熱量H2のレーザ溶接で開口部7Bの溶接が行われる。
開口部7Bが溶接された後、開口部7Bの内側の溶接金属3の一部分が除去される。これにより、図24に示すように、溶接金属3に開口部7Cが形成される。開口部7Cは、開口部7Bよりも小さい。また、凹部6からプラグ部材10が除去される。
開口部7Cが形成され、プラグ部材10が凹部6から除去された後、凹部6及び開口部7Cのそれぞれが溶接される。入熱量H2よりも大きい入熱量H1のTIG溶接で凹部6及び開口部7Cの溶接が行われる。
以上説明したように、本実施形態においても、溶接欠陥の発生を抑制しつつ、溶接作業時間の短縮を図ることができる。本実施形態においては、クラッド層5の開口部7Bを溶接するとき、入熱量H1よりも小さい入熱量H2で溶接することにより、溶接欠陥の発生を抑制することができる。開口部7Bの溶接において、凹部6にプラグ部材10が配置されているため、開口部7Bが溶接され、凹部6は溶接されない。したがって、溶接作業時間が短縮される。開口部7Bが溶接された後、溶接金属3に開口部7Cが形成されることにより、その開口部7Cを介してプラグ部材10を円滑に除去することができる。開口部7Cを規定する溶接金属3は、溶接欠陥の発生が抑制された健全な溶接部である。開口部7Cが形成され、プラグ部材10が除去された後、凹部6及び開口部7Cが入熱量H2よりも大きい入熱量H1で溶接されることにより、健全な溶接が短時間で行われる。
<第8実施形態>
次に、第8実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図26は、本実施形態に係る補修方法の一例を説明するための模式図である。上述の実施形態に従って、欠陥を含む母材1の一部分及びクラッド層5の一部分が除去される。これにより、図15に示したように、凹部6及び開口部7が形成される。
本実施形態においては、凹部6及び開口部7が形成された後、溶接が行われる前に、図26に示すように、開口部7がカバー部材11で塞がれる。本実施形態において、カバー部材11は、オーステナイト系ステンレス鋼を含み、カバー部材11とクラッド層5の少なくとも一部とが溶接材料2で溶接される。
本実施形態において、カバー部材11は、凹部6及び開口部7に配置されるプラグ部11Pと、クラッド層5の表面から突出するように配置されるフランジ部11Fとを有する。
図27は、凹部6及び開口部7に配置されたカバー部材11の一例を示す平面図である。図26及び図27に示すように、本実施形態においては、フランジ部11Fが隅肉溶接によってクラッド層5に接合される。隅肉溶接による溶接部12がフランジ部11Fの周囲に配置される。
以上説明したように、本実施形態によれば、母材1の欠陥(1次欠陥)の除去のために凹部6及び開口部7を形成した後、補修のための溶接を行う前に、カバー部材11で開口部7を塞ぐことにより、簡易な補修を短時間で行うことができる。例えば、補修作業時間を長時間確保できない状況の場合、カバー部材11により応急処置が行われる。開口部7を塞ぐようにカバー部材11が配置されることにより、例えば原子炉容器1の稼動において原子炉容器101に供給された1次冷却水と母材1(凹部6の内面)との接触が抑制される。したがって、母材1の腐食が抑制され、母材1の品質の低下が抑制される。
図28及び図29は、カバー部材11Bの一例を示す図であって、図28は側断面図であり、図29は平面図である。図28及び図29に示すように、カバー部材11Bは、凹部6及び開口部7に配置されるプラグ部11Pを有し、フランジ部を有しない。カバー部材11Bの上面は、クラッド層5の表面と同一平面内に配置される。
図28及び図29に示す例では、カバー部材11Bは肉盛り溶接によってクラッド層5に接合される。肉盛り溶接による溶接部13がカバー部材11Bの上面を覆うように配置される。
図30は、カバー部材11Cの一例を示す図である。図30に示すように、カバー部材11Cは、凹部6及び開口部7に配置されるプラグ部11Pと、クラッド層5の表面から突出するように配置されるフランジ部11Fbとを有する。
図30に示す例では、カバー部材11Cは肉盛り溶接によってクラッド層5に接合される。肉盛り溶接による溶接部13がカバー部材11C(フランジ部11Fb)の上面を覆うように配置される。
図31は、カバー部材11Dの一例を示す図である。図31に示すように、カバー部材11Dは、プレート状であり、開口部7を塞ぐように配置される。図31に示す例では、カバー部材11Dは肉盛り溶接によってクラッド層5に接合される。肉盛り溶接による溶接部13がカバー部材11Dの上面を覆うように配置される。
なお、上述の第4実施形態から第8実施形態においては、母材1の表面にクラッド層5が設けられることとした。クラッド層5は無くてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、中性子の照射を受けた母材1を溶接することとした。中性子の照射を受けていない低合金鋼を含む母材1を、オーステナイト系ステンレス鋼を含む溶接材料2で溶接してもよい。
なお、上述の各実施形態においては、溶接で原子炉容器101の補修を行うこととした。上述の各実施形態に従って、原子炉容器101とは別の構造物を補修してもよい。
なお、上述の各実施形態においては、溶接で母材1の欠陥を補修することとした。欠陥の補修とは別の目的で、上述の各実施形態で説明した溶接方法が使用されてもよい。例えば、上述の各実施形態で説明した溶接方法に従って、構造物が肉盛り溶接されてもよいし、継手溶接されてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、原子力発電プラントAPが加圧水型原子炉を含むこととした。原子力発電プラントAPは、沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)を含んでもよい。
1 母材
2 溶接材料
3 溶接金属
4 溶接部
5 クラッド層
6 凹部
7 開口部
10 プラグ部材
11 カバー部材
101 原子炉容器

Claims (10)

  1. 中性子が照射された低合金鋼の母材を、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接材料を用いて溶接する溶接方法であって、
    前記溶接により前記母材と前記溶接材料との溶接金属が生成され、
    前記溶接金属の目標フェライト量を設定することと、
    前記溶接金属の第1希釈率及び前記第1希釈率とは異なる第2希釈率の両方で前記目標フェライト量の溶接金属が生成されるように前記溶接材料の組成を決定することと、
    前記第1希釈率と前記第2希釈率との間の希釈率となるように入熱量を設定して、前記決定された組成の溶接材料を用いて前記母材を溶接することと、
    を含む溶接方法。
  2. 前記溶接金属の目標フェライト量は、5%以上12%以下である請求項に記載の溶接方法。
  3. 中性子が照射された母材の欠陥を検出することと、
    検出された前記欠陥を請求項1又は請求項に記載の溶接方法で補修することと、
    を含む補修方法。
  4. 前記欠陥を含む前記母材の一部分を除去することを含み、
    前記母材の溶接は、前記除去により前記母材に形成された凹部の溶接を含み、
    前記凹部の溶接は、前記凹部を溶接金属で埋めることを含む請求項に記載の補修方法。
  5. 前記溶接は、前記母材の表面に形成されたオーステナイト系ステンレス鋼のクラッド層の溶接を含み、
    前記除去は、前記クラッド層の一部分を除去することを含み、
    前記クラッド層の溶接は、前記除去により前記クラッド層に形成された開口部の溶接を含み、
    前記開口部の溶接は、前記開口部を溶接金属で埋めることを含む請求項に記載の補修方法。
  6. 前記クラッド層に前記溶接金属が接触しないように、前記凹部を第1入熱量で溶接することと、
    前記凹部の溶接後、前記開口部を前記第1入熱量よりも小さい第2入熱量で溶接することと、を含む請求項に記載の補修方法。
  7. 前記凹部及び前記開口部を第入熱量で溶接することと、
    前記凹部の溶接及び前記開口部の溶接後、前記凹部の前記溶接金属を残した状態で、前記開口部の前記溶接金属及び前記開口部の周囲の前記クラッド層の一部分を除去することと、
    前記除去により前記クラッド層に形成された第2開口部を前記第入熱量よりも小さい第入熱量で溶接することと、を含む請求項に記載の補修方法。
  8. 前記凹部の形成後、前記凹部の溶接及び前記開口部の溶接前に、前記凹部にプラグ部材を配置することと、
    前記凹部に前記プラグ部材が配置された状態で、前記開口部を第入熱量で溶接することと、
    前記開口部の溶接後、前記開口部の溶接金属の一部を除去して前記溶接金属に第3開口部を形成することと、
    前記凹部から前記プラグ部材を除去することと、
    前記第3開口部の形成及び前記プラグ部材の除去後、前記凹部及び前記第3開口部のそれぞれを前記第入熱量よりも大きい第入熱量で溶接することと、を含む請求項に記載の補修方法。
  9. 前記凹部及び前記開口部の形成後、前記溶接前に、前記開口部をカバー部材で塞ぐことを含む請求項から請求項のいずれか一項に記載の補修方法。
  10. 前記カバー部材は、オーステナイト系ステンレス鋼を含み、
    前記カバー部材と前記クラッド層の少なくとも一部とが前記溶接材料で溶接される請求項に記載の補修方法。
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